JP2986463B1 - グリーンシート地合検出システム - Google Patents

グリーンシート地合検出システム

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JP2986463B1 JP27115498A JP27115498A JP2986463B1 JP 2986463 B1 JP2986463 B1 JP 2986463B1 JP 27115498 A JP27115498 A JP 27115498A JP 27115498 A JP27115498 A JP 27115498A JP 2986463 B1 JP2986463 B1 JP 2986463B1
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Abstract

【要約】 【課題】 セメント系無機質板製造における抄造技術
で、グリーンシート8aの安定製造に有用となり得る情
報を取得するために、生成中のグリーンシート8aの地
合を検出するシステム技術を提供すること。 【解決手段】 始端ローラ3、終端ローラ4、ガイドロ
ーラ5及びテンションローラ6により搬送される抄造ベ
ルト2の上に、スラリー供給ボックス7からのスラリー
8をスラリー供給口9から注ぎ、サクションボックス1
2で水分を吸収し、形成されるグリーンシート8aが巻
き取りローラ10に巻き取られ板材11として供給され
る。ビデオカメラ13が形成されたグリーンシート8a
を撮像して得られた映像信号はフーリエ変換して評価す
ることにより、グリーンシート8aの均一性や同質性を
確認する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外装材、屋根材、
外構部材、内装壁材などの建材として用いられる無機質
セメント板の製造に際し、グリーンシートの地合を検出
するシステムに関し、特に、グリーンシートに含有され
る繊維の分散性やグリーンシート表面の均一性を検出す
るシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、セメント系無機質板の製造技
術として、経時的に固化していくセメントモルタルスラ
リー中に補強用の繊維を抄き込んでいく「抄造技術」な
るものがある。図1に、例えば、フローオン成形法と呼
ばれる抄造法による抄造機1を示す。スラリー供給ボッ
クス7のスラリー供給口9より、繊維が混合された水性
のスラリー8を、始端ローラ3、終端ローラ4、ガイド
ローラ5及びテンションローラ6により矢印A方向に走
行するエンドレスの抄造ベルト2(フェルト又はフェル
ト状の透水性を有する材料で形成されている)上に単層
状態に供給し、抄造ベルト2の裏面に接するサクション
ボックス12より吸引脱水した後、大径の巻き取りロー
ラ10(メーキングロールと呼ばれる)で所定回数(最
終の板厚を12〜18mmにするために、その巻き数と
しては7〜15回程度とされる)巻き取ってから切断し
て板材11として次なる走行ベルト(図示せず)上に展
開し、更に表面にエンボス加工などのプレス処理を施し
た後、次工程にて蒸熱処理して固化させる(所謂、養
生)といった一連の製造工程を経ることによって板状体
を得ている。なおその後については、乾燥工程を経て、
所定寸法に切断し、更に実部を形成した後、次の塗装工
程へと搬送されるようになっている。
【0003】上記した抄造法によれば、抄造ベルト2上
に単層状態に供給されたスラリー8は、抄造ベルト2の
進行方向に伸ばされていくことから、その中に混合され
ている繊維もその方向に伸ばされていく傾向となり、結
果、板材の長手方向の繊維比率が大となって、板材の曲
げ強度を大にすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した抄造技術にお
ける重要ポイントとしては、スラリー8を如何に均一に
抄造ベルト2上に供給するかということ(スラリー供給
ボックス7の問題)と、抄造ベルト2上に単層状態に展
開されたスラリー8を如何に均一に裏面方向より脱水す
るか(吸引真空脱水の問題)、そして脱水後のシートを
如何に均一な張力で巻き取っていくか(巻き取りローラ
10の問題)の3点にあると言える。更に、工程を遡れ
ば、スラリー8自体の生成、すなわち、複数原料の混合
状態も影響してくる(ミキシングの問題)。
【0005】この抄造工程によって得られる抄造品であ
るグリーンシート8aの厚みバラツキや、含まれる繊維
の配向不良は、巻き取りローラで巻き取られ積層されて
いく内に、重畳伝達されていき、所定回数巻き取られて
切断された後もなおシートに内在されたまま次工程へと
搬送されていく。その不具合原因は、もはや後の工程に
おいて、除去することは不可能であり、最終製品の物性
(厚み不良や重量バラツキ、曲げ強度不良、反りや剥離
の発生などなど)に大きく影響を及ぼす結果となる。
【0006】本発明は、かかる現状に鑑みてなされたも
のであり、セメント系無機質板製造における抄造技術で
の上記問題を解決するためになされたものであり、グリ
ーンシート8aの安定製造に有用となり得る情報を取得
するために、生成中のグリーンシート8aの地合を検出
するシステム技術を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のグリーンシート
地合検出システムは、グリーンシートの地合を検出する
システムであって、前記グリーンシートを撮像するビデ
オカメラと、該ビデオカメラからの映像信号をフーリエ
変換するフーリエ変換手段と、前記グリーンシート上の
異なる場所の映像信号のフーリエ変換信号を比較する信
号比較手段と、を備えるものである。
【0008】また、前記信号比較手段は、積層されるグ
リーンシートの隣接するシートの映像信号のフーリエ変
換信号を互いに比較するものであることで、積層される
各層の均一性や同質性を確認することができる。
【0009】また、前記信号比較手段は、積層されるグ
リーンシートの隣接するシートの映像信号を重畳し、重
畳された映像信号のフーリエ変換信号の隣接のものを互
いに比較するものであることで、各種グリーンシートに
最適な比較評価データを取得することが可能となる。ま
た、前記信号比較手段は、積層されるグリーンシートの
隣接するシートの映像信号に対して異なる信号処理をし
て重畳し、重畳された映像信号のフーリエ変換信号の隣
接のものを互いに比較するものであることで、各種グリ
ーンシートに最適な比較評価データを取得することが可
能となる。
【0010】また、前記信号比較手段は、積層されるグ
リーンシートの隣接するシートの映像信号に対して相対
的に回転して重畳し、重畳された映像信号のフーリエ変
換信号の隣接のものを互いに比較するものであること
で、各種グリーンシートに最適な比較評価データを取得
することが可能となる。また、本発明のグリーンシート
地合検出システムは、グリーンシートの地合を検出する
システムであって、前記グリーンシートを撮像するビデ
オカメラと、該ビデオカメラからの映像信号の内、フレ
ームあたり1走査線の信号を抽出してフーリエ変換する
フーリエ変換手段と、を備えるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照しながら本発
明の好適な実施の形態について詳細に説明する。図1は
本発明の一実施の形態による抄造機1の全体概要構成を
示すものである。
【0012】セメントモルタルスラリーは、繊維、セメ
ント、シリカ、などを濃度約40%以下で水に分散させ
たものであり、それを更に脱水することにより濃度約1
5%以下のグリーンシート8aとなす。スラリーが抄造
ベルト上に供給された状態においては、まだ表面水があ
って、繊維(建築板物性に大きく影響を及ぼす原因物質
として極めて重要な意義を持つものである。)は比較的
均一に分散しているが、ひき続き数投階にわたって脱水
が行われることでスラリー濃度が次第に大きくなってく
ると、繊維は任意の大きさでフロック化してくるため、
最終脱水した後では、そのフロック化した状態で所定の
含水率となっている。この形成フロックは、製品厚みの
均一性を妨げ、更にはシート表面状態を左右する原因と
なってくる(この点については、例えば、特開平10−
180729号公報参照)。
【0013】そこで、本実施の形態は、脱水された後、
巻き取りローラ10によって巻き取られる前のグリーン
シート8aの状態(地合)をビデオカメラ13で撮像
し、その結果を画像解析することで、グリーンシート8
aが良好に抄造ベルト2上に展開されているか否かを判
断するものとした。
【0014】具体的には、最終的に脱水された状態のグ
リーンシート8aが巻き取りローラ10によって所定回
数巻き取られて積層されていくようになっていることか
ら、図1中に示す位置、すなわち、サクションボックス
12による吸引脱水の後であって、巻き取りローラ10
による巻き取りの前、にビデオカメラ13を設置して、
その下側を走行していくグリーンシート8aの状態を動
画像として取り込むものとした。更に、グリーンシート
8aの表面状態については、それをテクスチャ画像とし
てとらえることができるため、加工中におけるその変化
状況を検出することによって、グリーンシート8aの展
開生成状況を把握し、それをもって、巻き取られた後の
積層体内部における繊維等配合物の配向状態の指標とす
る。
【0015】一方、ビデオカメラ13による撮像で得ら
れる画像フレームは、NTSC方式の場合、1/30秒
のサンプリング時間ごとに取得したものとなっている
が、グリーンシート8aは、一定の速度で走行している
から、1枚1枚の画像フレームには、グリーンシート8
aの同一部分についての撮像画像が重なってくることに
なる。このため、グリーンシート8aの展開生成状況を
把握する方法として、各画像フレームの有する2次元画
像データを検出し、その変動状況を比較検討するといっ
た単純な処理では、(1).隣接画像フレームでは映像信号
がほとんど同じであってその相違を検出することは意味
がない。(2).積層されるグリーンシートの各シートとビ
デオカメラ13の撮像画面とではアスペクト比が異な
り、各シート全体の映像信号同士を比較することができ
ない。
【0016】このような、走行する検出対象物に対する
検出方法としては、例えば、特許第2748614号公
報に、抄紙分野において、走行する検出対象物の表面状
態を、検出センサを幅方向に機械的にスキャニングさせ
ながら検出していく際、上流側と下流側に検出部を設
け、その上流側で測定した同一部分を下流側で測定する
ように工夫することで、特定部分についての変動状況を
正確に把握しようとる技術が開示されている。しかしな
がら、今問題としているグリーンシート8aは、巻き取
りローラ10によって積層体状に形成されるものであ
り、上記の機械的スキヤニングという方法では、サンプ
リング点が限定されてしまうことになるために、積層後
の物性状況を正確に予測するに有用となる情報を取得す
ることはできない。
【0017】そこで、図2に示すように、ビデオカメラ
13の撮像範囲における所定の走査線lc(なお、レン
ズ系を使用して3次元シーンの投影像を結像させる方法
であるので、撮像画面の中央付近に決めるのが好まし
い。)をサンプリングラインと決め、そのラインに該当
する撮像位置を通過するグリーンシート8aの幅方向の
線状部分を、平面状(2次元)ではなく線状(1次元)
画像データとしてサンプリングする。すなわち、3次元
シーンを2次元に投影して映像化するビデオカメラ13
を使用して取得される2次元動画データより、所定サン
プリングライン上における画像データのみを抽出してい
くこととした。
【0018】具体的には、1つの撮像ラインを固定し、
そのラインを通過するグリーンシート8aの幅方向線状
部分について撮像して得られる線状画像データを(ビデ
オ信号のサンプリング時間、例えば標本化周波数14.
3MHzとして、1周期約70nsごとにサンプリング
することで得られる。)、巻き取り回数Nに応じた長さ
のグリーンシート8aの巻き取り開始端直後の所定部分
が該撮像ラインを通過した後、巻き取り終了端直前の所
定部分が通過し終わるまでの間にわたって順に記録して
いき、これらの線状記録データを合成することによっ
て、1枚の板を製造するために使用されるグリーンシー
ト8aの全体地合を評価するものとした。
【0019】この考え方は、決めた所定の撮像ラインを
通過するグリーンシート8aが、1フレームの伝送時間
(1/30秒)に走行する距離はわずかではあるが、常
に新しい部分が該撮像ライン上を通過して、その撮像ラ
インについて取得した各フレームごとのライン画像デー
タは、けっして重複されることがなく、かつ、合成する
ことによりグリーンシート8aの映像信号となることに
基づくものである。また、その結果として、ビデオカメ
ラ13の撮像画面とアスペクト比が異なるグリーンシー
ト8aの全体地合が極めて良好な解像度で検出できる。
【0020】次に、このようにして得られた全ライン画
像データ(個々には1次元データである。)を時間軸上
に順に並べると、1次元の動画像データが合成された2
次元の時空間画像データが得られる(図3参照)。すな
わち、時間Tsに30Ts個の画像フレームF1、F2、‥
‥‥、F30Tsを取得することができ、30Ts個の中央
走査線lC1、lC2、‥‥‥、lC30Tsの映像信号を取得
することができる。これは、離散的な2次元データであ
るが、サンプリング時間(1/30秒)は距離に置き換
えることができる(走行距灘と等価である)ので(すな
わち、グリーンシート8aの走行距離[m]=グリーン
シート8aの走行速度v[m/秒]*サンプリング時間
となる。)、脱水処理された後の全面積「Ll*L2」
のグリーンシート8aについての全表面画像データを取
得することができる。
【0021】ただし、Ll[m]は対象としているグリ
ーンシート8aの幅であり、L2[m]は、巻き取りロ
ーラによって巻き取られる回数Nに応じたグリーンシー
ト8aの走行距離である。そこで、得られた前記グリー
ンシート8aの全表面画像データを、巻き取り回数Nに
応じて順にN等分に分割すれば、それぞれが、図4(a)
に示すように、巻き取りローラ10表面上に順に積層さ
れていく各シート部分に該当するN個のシート表面画像
データA1、A2、‥‥‥、ANとなる。これを、図4(b)
に示すように、巻き取りローラ10に巻き取ってから、
図4(c)に示すように、半径方向に切断して積層体とす
る。
【0022】更に、これらの各シート表面画像データを
同一座標系(x,y)に座標変換して、A1'、A2'、‥
‥‥、AN'とする。ひき続き、同一座標系(x,y)に
座標変換される各シート表面画像データA1'、A2'、‥
‥‥、AN'をテクスチャ画像としてとらえるために、そ
れぞれのデータに対してFFT(高速フーリエ変換計
算)を実行する。その結果として得られた各シート別の
FFTの結果は、図4に示す積層体構成に従って、図5
(a)に示すように、例えば、上下方向に接する層同士
である{A1'とA2'}、{A2'とA3'}、‥‥‥、{A
N-1'とAN'}の組としてのデータ比較を行い評価する。
【0023】また、(b)に示すように、[{A1'+A
2'}の重畳データと{A3'+A4'}の重畳データ]、‥
‥‥、[{AN-3'+AN-2'}の重畳データと{AN-1'+
N'}の重畳データ]というように、上下方向に接する
2層積層体同士の組としてのデータ比較を行い評価す
る。或は、(c)に示すように、[{A1'+A2'}の重
畳データと{A2'+A3'}の重畳データ]、‥‥‥、
[{AN-2'+AN-1'}の重畳データと{AN-1'+AN'}
の重畳データ]というように、積層境界面において上下
層が融合される効果を加味した組としてのデータ比較を
行い評価する(図7を参照のこと)。
【0024】なお、上記したデータの比較評価にあたっ
ては、あくまでも、グリーンシート状態での比較を行っ
ているのであって、けっして積層体となった後の状態を
比較しているのではないと言うことを注意しなければな
らない。具体的に言えば、積層体の最上面となるA1
の表面は、巻き取りローラに接していることから、巻き
取りローラの表面状態(平滑状態)によってほとんど決
定されることになるし、A2〜ANまでの各層について
は、順に積層されていくために、積層された後は当然に
外方より観察することはできず、また、巻き取りローラ
の張力が働くことによって、各境界面付近では層同士が
ある程度融合されるようになるので、検出したグリーン
シート8aの表面状態をもって、積層体を構成する各層
の状態をズバリ表しているものとは言えない。
【0025】しかしながら、グリーンシート8aの全地
合を把握することで、積層後の状態を予測することは可
能である。すなわち、グリーンシート8aが適切に製造
されたのであるならば、略均一なグリーンシート8aが
形成されている筈であり、その結果として内部構成品質
が略均一な積層体が形成されていると類推することが可
能である。反対に、グリーンシート8aが何らかの原因
によって、斑をもって形成されたような場合には、同じ
くグリーンシート8aの全地合検出を行うことで、その
解析が可能であるので、その解析結果をもって、安定し
たグリーンシート8a製造のための有用な情報を得るこ
とができるようになる。そして、その情報をもって、製
造ラインの設定にフイードバックさせることも可能とな
る。
【0026】図6に、FFTデータの解析方法の例を示
す。原点を直流分(画像の平均レベル)として、水平周
波数u、垂直周波数vのuv座標面に分布するFFTデ
ータF(u,v) に対し、図6(a)は動径分布解析をする
もので、半径(内径)rのリングR内の周波数分布Pr
(n) を式(1)のように積分して求めることで、方向
を無視した特定の周波数領域の映像信号の強度を評価す
ることができる。
【0027】
【数1】
【0028】図6(b)は角度分布解析をするもので、角
度θ方向の扇形T内の周波数分布Pθ(n) を式(2)
のように積分して求めることで、周波数の大きさを無視
して所定の方向性を有する周波数の映像信号の強度を評
価することができる。
【0029】
【数2】
【0030】図7に、分割されたグリーンシート8aが
重畳されるイメージ例を示す。図7(a)に示すオリジナ
ルのイメージに対し、単純に加算する場合のほかに、図
7(b)や図7(c)に示すように、積層される各層が境界面
で融合される状態を表すに適当であると思われる画像フ
ィルタ(実験により求める)を通してから(すなわち、
部分的にデータを削除する)加算する場合や、加算しよ
うとする双方の画像データを互いに回転角度を若干変え
た状態で回転させてから加算するような場合などを行う
重畳のシミュレーションを行うことで、最適な比較評価
データを取得することが可能となる。
【0031】一方、グリーンシート8aは相当幅(例え
ば2m前後の幅)を持って形成される場合が多いことか
ら、撮像用ビデオカメラ13としては、図2及び図8に
示すように幅方向に並列させた2台のビデオカメラ(1)
21、ビデオカメラ(2)41を使用するものとしてい
る。この場合、2つのビデオカメラ21、41の撮像有
効画面内の中央部に、双方の撮像ラインが一直線状に並
ぶようビデオカメラを設置する。これは、双方のビデオ
カメラ21、41における画像データサンプリングライ
ンl1、l2を水平方向に合致させるようにするためであ
るが、厳密に一致させる必要はなく、後の画像処理にお
いて合致させるものとする。
【0032】双方のビデオカメラにおける画像データサ
ンプリングラインl1、l2が水平方向に合致した場合に
は、ビデオカメラ(1)21の画像データサンプリングラ
インl1と、{(ビデオカメラ(2)41の画像データサン
プリングラインl2)−(共通サンプリングライン
1')}に該当する水平線上の画像データがフレームご
とに取得されることになる。双方の画像データサンプリ
ングラインを合致させるには、ビデオカメラ(1)21が
取得し記録した線状画像データにおける共通撮像範囲部
分の画像データに対して、ビデオカメラ(2)41が取得
し記録した線状画像データにおける共通撮像範囲部分の
画像データをどれだけ平行移動させれば共通撮像範囲の
画像が合致するかを求めれば良い。
【0033】具体的には、データA1において、ビデオ
カメラ(1)21とビデオカメラ(2)41の共通撮像範囲と
なる共通部分データの所定ウィンドウ内におけるデータ
について夫々垂直方向に1次微分を行い、上下方向の平
行移動シミュレーションを行うことで、合致させる。こ
れは、照明条件等によって、双方のビデオカメラが撮像
した同一部分のデータの絶対値が若干異なる場合を考慮
して、輪郭等エッジ検出値に変換してから合致させよう
としたものである。そして、合致したときの平行移動量
を走査線数に換算すれば、何番日の走査線l2が走査線
1の延長線上にあるかが求められる。
【0034】なお、ここでは、グリーンシート8aの全
地合検出を目的としているために、2台のビデオカメラ
を使用するものとしたが、脱水状況を検出したいような
場合には、2台以上のビデオカメラを脱水前と脱水後の
所定位置に設置するような構成にしてもかまわない。3
台以上のビデオカメラを使用する場合であっても、本発
明の方法は適用可能である。図9に、本発明のシステム
構成を示す。
【0035】ビデオカメラ(1)21及びビデオカメラ(2)
41で撮像した映像信号はA/D変換器23、43でア
ナログ信号からデジタル信号に変換する。その際、同期
回路24、44で同期信号を分離して、水平同期信号や
カラーバースト信号等をデジタル化のためのサンプリン
グの基準位相とする。デジタル化された映像信号はフレ
ームメモリ(1)25及びフレームメモリ(2)45に個々に
同時に各フレームごとの所定のサンプリングラインにつ
いて順に一旦格納され、先入れ先出し方式で画像処理装
置29内の画像合成メモリ30に、2台のビデオカメラ
21、41の撮像範囲を合成する画像として、記憶され
る。その画像処理装置29には、カウンタ31が内蔵さ
れ、データを入力するキーボード32及びデータを表示
するディスプレイ33が接続される。前記A/D変換回
路23、43、フレームメモリ(1)25、フレームメモ
リ(2)45、及び、画像合成メモリ30は画像入力ボー
ド(1)22を制御するボードコントローラ(1)26と、画
像入力ボード(2)42を制御するボードコントローラ(2)
46によってその動作を制御される。そのボードコント
ローラ(1)26、及び、ボードコントローラ(2)46は、
それぞれタイマ27、47を備え、巻き取り開始検出ス
イッチ28によるグリーンシート8aの巻き取り開始を
知らせる信号を受けて、各タイマが計時する巻き取り回
数に応じた所定時間にわたる映像信号の入力を開始さ
せ、更に、画像処理装置29からの画像データの転送を
指示する信号を受けて、画像合成メモリ30への画像デ
ータの転送を指示する。
【0036】図10及び図11に、画像処理装置29の
動作を説明するフローを示す。まず、システム電源ON
か否かを判断し(ステップS1)、NOであればシステ
ム電源がオンするまで待機する。YESであれば、各種
データ等の初期設定を行い(ステップS2)、カウンタ
31に測定回数のカウンタ初期値として1を設定する
(ステップS3)。つぎにステップS4で、画像入力ボ
ード(1)22及び画像入力ボード(2)42においてそれぞ
れ1回分の動画の取り込みが終了したか否かを判断し、
NOで終了していなければ、終了するまで待機し、YE
Sとなって終了すれば、ステップS5で、ボードコント
ローラ(1)26及びボードコントローラ(2)46に対して
画像合成メモリ30への画像データの転送を指示し、ス
テップS6で、画像合成メモリ30の所定のアドレスへ
転送データを格納する。
【0037】画像合成メモリ30に格納された全画像デ
ータを、ステップS7で、巻き取り回数に応じて等分割
して各シート片についての画像データとなし、夫々を同
一座標に変換して、ステップS8で、各シート片の画像
データに対して2次元のFFTを実行し、ステップS9
で、各シート片ごとのFFTデータを基に画像解析を行
う。ステップS10で、その解析結果を記録し、ディス
プレイ33に表示する。ステップS11で、測定回数i
をインクリメントして、ステップS12で、その回数i
が設定した測定回数を越えているか否かを判断し、NO
でまだ越えていなければ、ステップS4に戻り次のグリ
ーンシート8aの測定を再開し、YESで設定の測定回
数を越えれば、ステップS13で、システムを停止する
か否かを判断し、NOでまだ続けるのであれば、ステッ
プS3に戻り、YESでシステムを停止するのであれ
ば、フローを終了する。
【0038】図12に、フレームメモリ(1)25、フレ
ームメモリ(2)45及び画像合成メモリ30の構成を示
す。フレームメモリ(1)25、フレームメモリ(2)45は
上述のように、先入れ先出し方式でデータ転送するもの
であり、各画像フレームF1、F2、F3、‥‥‥のサン
プリングラインデータ1、2、3、‥‥‥、1'、2'、
3'、‥‥‥を順に格納する。画像合成メモリ30はフ
レームメモリ(1)25からの転送データM1及びフレー
ムメモリ(2)45からの転送データM2を順に格納する
もので、それらの共通撮像範囲のデータをM3として示
した。
【0039】図13及び図14に、ボードコントローラ
(1)26及びボードコントローラ(2)46の動作を説明す
るフローを示す。まず、システム電源ONか否かを判断
し(ステップS21)、NOであればシステム電源がオ
ンするまで待機する。YESであれば、各種データ等の
初期設定を行う(ステップS22)。
【0040】つぎにステップS23で、グリーンシート
8aの巻き取りが開始されたか否かを判断し、NOで開
始されていなければ、開始されるまで待機し、YESで
開始されると、ステップS24でタイマ27、47をス
タートさせ、つぎに、ステップS25で、VSYNC=1、
すなわち、画像入力ボード22、42において、垂直同
期信号VSYNCが検出されたか否かを判断し、NOで検出
されていなければ、検出されるまで待機し、YESで垂
直同期信号VSYNCが検出されたら、ステップS26で、
そのフィールドが奇数フィールドか否か、すなわち、偶
数フィールドかを判断し、NOで偶数フィールドであれ
ば奇数フィールドになるまで待機し、YESで奇数フィ
ールドであれば、ステップS27で、予め設定してある
サンプリングライン番号を指示して動画データの取り込
み開始を指示する。このとき、図12に示すように、フ
レームメモリ(1)25及びフレームメモリ(2)45には、
各画像フレームF1、F2、F3、‥‥‥のサンプリング
ラインデータ1、2、3、‥‥‥、1'、2'、3'、‥
‥‥が順に格納される。
【0041】つぎに、ステップS28で、データ取り込
み中か否かをビジー信号により判断し、NOでまだ取り
込んでいなければ取り込み開始まで待機し、YESで取
り込みが開始されたら、ステップS29でタイマ27、
47でタイムアップか否かを判断し、NOでまだタイム
アップでなければ、タイムアップまで待機し、YESで
タイムアップすれば、ステップS30で、ポーズ信号を
送ることによりデータの取り込み中断を指示し、ステッ
プS31で、画像処理装置29へ1回の動画取り込み終
了を連絡する。ここで、ステップS32で、画像処理装
置29からデータ転送の指示があるか否かを判断し、N
Oで指示がなければ、あるまで待機し、YESで転送の
指示があれば、ステップS34で、フレームメモリ(1)
25及びフレームメモリ(2)45に格納したデータを画
像合成メモリ30に転送する。ステップS35で、シス
テムを停止するか否かを判断し、NOでまだ続けるので
あれば、ステップS23に戻り、YESでシステムを停
止するのであれば、フローを終了する。
【0042】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではない。サンプリングラインは固定したものだ
けではなく、グリーンシートの移動速度のゆらぎに合わ
せてラインを変化させてもよい。ビデオカメラの撮像位
置は巻き取りローラの直前であっても、巻き取りローラ
の上でもよい。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、グリー
ンシートの映像信号のフーリエ変換信号を評価するの
で、本質的に同一となることはあり得ない積層されるグ
リーンシートの各層の映像信号の均一性や同質性を確実
に評価・確認することができ、積層体が剥離する等の問
題を未然に防止することができる。また、前記フーリエ
変換手段が、前記ビデオカメラからの映像信号の内、フ
レームあたり1走査線の信号を抽出してフーリエ変換す
るものであることで、ビデオカメラの撮像画面とアスペ
クト比が異なるグリーンシートの全体地合が極めて良好
な解像度で検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】抄造機の構成を示す図。
【図2】グリーンシートの上面におけるビデオカメラの
撮像範囲を示す図。
【図3】取得される画像データのイメージを表す図。
【図4】グリーンシートとその撮像画像データとの関係
を示す図。
【図5】画像評価のための比較画像データを示す図。
【図6】FFTデータの解析方法を示す図。
【図7】取得画像データと比較画像データとの関係を示
す図。
【図8】ビデオカメラの撮像範囲を示す図。
【図9】本発明の一実施の形態のシステム構成を示す
図。
【図10】画像処理装置の動作を説明するフロー図(そ
の1)。
【図11】画像処理装置の動作を説明するフロー図(そ
の2)。
【図12】本発明に用いるメモリの構成を示す図。
【図13】ボードコントローラの動作を説明するフロー
図(その1)。
【図14】ボードコントローラの動作を説明するフロー
図(その2)。
【符号の説明】
1 抄造機 2 抄造ベルト 3 始端ローラ 4 終端ローラ 5 ガイドローラ 6 テンションローラ 7 スラリー供給ボックス 8 スラリー 8a グリーンシート 9 スラリー供給口 10 巻き取りローラ 11 板材 12 サクションボックス 13 ビデオカメラ CM 共通撮像領域

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリーンシートの地合を検出するシステ
    ムにおいて、前記グリーンシートを撮像するビデオカメ
    ラと、該ビデオカメラからの映像信号をフーリエ変換す
    るフーリエ変換手段と、前記グリーンシート上の異なる
    場所の映像信号のフーリエ変換信号を比較する信号比較
    手段と、を備えることを特徴とするグリーンシート地合
    検出システム。
  2. 【請求項2】 前記信号比較手段は、積層されるグリー
    ンシートの隣接するシートの映像信号のフーリエ変換信
    号を互いに比較するものであることを特徴とする請求項
    記載のグリーンシート地合検出システム。
  3. 【請求項3】 前記信号比較手段は、積層されるグリー
    ンシートの隣接するシートの映像信号を重畳し、重畳さ
    れた映像信号のフーリエ変換信号の隣接のものを互いに
    比較するものであることを特徴とする請求項記載のグ
    リーンシート地合検出システム。
  4. 【請求項4】 前記信号比較手段は、積層されるグリー
    ンシートの隣接するシートの映像信号に対して異なる信
    号処理をして重畳し、重畳された映像信号のフーリエ変
    換信号の隣接のものを互いに比較するものであることを
    特徴とする請求項記載のグリーンシート地合検出シス
    テム。
  5. 【請求項5】 前記信号比較手段は、積層されるグリー
    ンシートの隣接するシートの映像信号に対して相対的に
    回転して重畳し、重畳された映像信号のフーリエ変換信
    号の隣接のものを互いに比較するものであることを特徴
    とする請求項記載のグリーンシート地合検出システ
    ム。
  6. 【請求項6】 グリーンシートの地合を検出するシステ
    ムにおいて、前記グリーンシートを撮像するビデオカメ
    ラと、該ビデオカメラからの映像信号の内、フレームあ
    たり1走査線の信号を抽出してフーリエ変換するフーリ
    エ変換手段と、を備えることを特徴とするグリーンシー
    ト地合検出システム。
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