JP2985611B2 - 充電容量検出機能付蓄電池装置 - Google Patents

充電容量検出機能付蓄電池装置

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JP2985611B2
JP2985611B2 JP5267856A JP26785693A JP2985611B2 JP 2985611 B2 JP2985611 B2 JP 2985611B2 JP 5267856 A JP5267856 A JP 5267856A JP 26785693 A JP26785693 A JP 26785693A JP 2985611 B2 JP2985611 B2 JP 2985611B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニッケルカドミウム蓄
電池等と、充電時の充電容量を検出するための充電容量
検出装置とを備えた充電容量検出機能付蓄電池装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】蓄電池は、充電により外部から供給され
た電荷を電気化学変化によって内部に蓄積するものであ
る。このため、蓄電池に流れ込む充電電流を時間積分す
れば、この電荷量を求めることができ、これによって充
電時に蓄電池に供給された充電容量を検出することがで
きる。また、蓄電池から流れ出す放電電流を時間積分す
れば、消費された放電容量を検出することができる。
【0003】そこで、例えば完全放電状態の蓄電池の積
算電池容量を0mAm秒(ミリアンペアミリ秒)とし
て、充電時には上記充電容量を加算し、放電時には上記
放電容量を減算する積算処理を繰り返すと、充放電の効
率が100%であれば、この積算電池容量によって蓄電
池にそのとき実際に貯えられている電池容量を随時表す
ことができるようになる。しかも、この積算電池容量
は、充電時には、定格電池容量に対する割り合いを求め
て充電の進捗状況を示すために利用することができ、こ
の積算電池容量が定格電池容量を大きく超えた場合には
過充電であると判断することもできる。また、例えば充
電器が蓄電池の端子電圧の変化を検出する−ΔV充電方
式等によって満充電を検出し自動的に充電を完了したと
きの積算電池容量が定格電池容量よりも遥かに小さい値
となった場合には蓄電池の寿命が尽きたと判断すること
もできる。さらに、放電時には、この積算電池容量がそ
のまま残存容量を示すことになり、以降充電を行うこと
なく利用可能な残りの電池容量を表すことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、蓄電池は、一
般に定電流を供給して充電することが多く、この定電流
の電流値を大きくすると単位時間当たりに供給される電
荷量が増加するので、充電器が大きな値の定電流を供給
することにより短時間で充電が完了する急速充電を行う
ことも可能となる。従って、蓄電池に充電を行う場合に
は、どのような大きさの定電流を供給する充電器を使用
するかによって充電電流の大きさが異なることになる。
また、例えば定電圧充電を行った場合には、充電開始時
と充電完了間近で充電電流の大きさが大幅に変化する。
【0005】ところが、蓄電池内部の電気化学変化は、
反応に関与するイオンの移動速度に依存するものであ
り、大きな電流が流れ込んだ場合には、この電気化学変
化が追従できなくなって供給される電流に無駄が多くな
る。このため、充電時に供給した電流の時間積分値に対
する実際に蓄電池に蓄積された充電容量の比を示す充電
効率は、極端に充電電流が小さい場合や蓄電池の許容範
囲を超えるような大電流の場合を除けば、充電電流が大
きくなるほど徐々に低下するようになる。
【0006】また、蓄電池は、使用に伴い何度も充放電
を繰り返すと、電極板や電解液等の変質、消耗及び老化
等の現象により、充電電流によって供給される電荷を効
率よく内部に蓄積することができなくなる。このため、
充電効率は、充電を行った回数が多くなった場合にも徐
々に低下するようになる。
【0007】従って、上記のように単に充電電流を時間
積分しただけで充電容量を算出したのでは、実際に蓄電
池に蓄積される充電容量との間にその時の充電電流の大
きさや充電回数に応じた誤差が発生し、特に急速充電を
行ったような場合や何度も充放電を繰り返し蓄電池が古
くなった場合にこの誤差が大きくなる。そして、このた
め従来の充電容量検出機能付蓄電池装置は、計算で求め
た積算電池容量等が不正確になり信頼性のないものにな
るという問題が生じていた。
【0008】本発明は、上記事情に鑑み、充電電流にこ
の充電電流の大きさや充電回数に応じた充電効率を乗算
してから時間積分することにより正確な充電容量を求め
ることができる充電容量検出機能付蓄電池装置を提供す
ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の充電容量検出機能付蓄電池装置は、充電
可能な蓄電池と、蓄電池に流入する充電電流を検出する
充電電流検出手段と、蓄電池に充電が行われた回数を充
電回数として計数し記録する充電回数計数手段と、充電
回数計数手段に記録された充電回数に基づいて、充電回
数が増加するほど小さい値の充電効率を得る所定の変換
手順に従って充電効率を算出する充電効率算出手段と、
充電電流検出手段が検出した充電電流と充電効率算出手
段が算出した充電効率との積を時間積分して充電容量を
求める充電容量算出手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】請求項2の充電容量検出機能付蓄電池装置
は、充電可能な蓄電池と、適宜な時間間隔ごとに、蓄電
池に流入する充電電流を検出する充電電流検出手段と、
蓄電池に充電が行われた回数を充電回数として計数し記
録する充電回数計数手段と、充電回数計数手段に記録さ
れた充電回数に基づいて、充電回数が増加するほど小さ
い値の充電効率を得る所定の変換手順に従って充電効率
を算出する充電効率算出手段と、充電電流検出手段が検
出した充電電流と充電効率算出手段が算出した充電効率
と充電電流を検出する間隔時間との積から充電容量を求
める充電容量算出手段と、充電容量算出手段が求めた充
電容量を順次積算する充電容量積算手段とを備えたこと
を特徴とする。
【0011】請求項3の充電容量検出機能付蓄電池装置
は、充電可能な蓄電池と、蓄電池に流入する充電電流を
検出する充電電流検出手段と、充電電流検出手段が検出
した充電電流の大きさに基づいて、充電電流が大きくな
るほど小さい値の充電効率を得る所定の変換手順に従っ
て第1の充電効率を算出する第1充電効率算出手段と、
蓄電池に充電が行われた回数を充電回数として計数し記
録する充電回数計数手段と、充電回数計数手段に記録さ
れた充電回数に基づいて、充電回数が増加するほど小さ
い値の充電効率を得る所定の変換手順に従って第2の充
電効率を算出する第2充電効率算出手段と、充電電流検
出手段が検出した充電電流と第1充電効率算出手段が算
出した第1の充電効率と第2充電効率算出手段が算出し
た第2の充電効率との積を時間積分して充電容量を求め
る充電容量算出手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】請求項4の充電容量検出機能付蓄電池装置
は、充電可能な蓄電池と、適宜な時間間隔ごとに、蓄電
池に流入する充電電流を検出する充電電流検出手段と、
充電電流検出手段が検出した充電電流の大きさに基づい
て、充電電流が大きくなるほど小さい値の充電効率を得
る所定の変換手順に従って第1の充電効率を算出する第
1充電効率算出手段と、蓄電池に充電が行われた回数を
充電回数として計数し記録する充電回数計数手段と、充
電回数計数手段に記録された充電回数に基づいて、充電
回数が増加するほど小さい値の充電効率を得る所定の変
換手順に従って第2の充電効率を算出する第2充電効率
算出手段と、充電電流検出手段が検出した充電電流と第
1充電効率算出手段が算出した第1の充電効率と第2充
電効率算出手段が算出した第2の充電効率と充電電流を
検出する間隔時間との積から充電容量を求める充電容量
算出手段と、充電容量算出手段が求めた充電容量を順次
積算する充電容量積算手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0013】
【作用】本発明の充電容量検出機能付蓄電池装置に装備
される充電可能な蓄電池としては、ニッケルカドミウム
蓄電池等の全ての2次電池が含まれる。
【0014】充電電流検出手段は、例えば抵抗値の極め
て低い抵抗器を蓄電池に直列に接続しておき、この蓄電
池に流入する方向の電流による抵抗器での電圧降下を測
定することにより充電電流を検出することができる。そ
して、従来は、この充電電流を時間積分するだけで充電
容量を検出していた。
【0015】充電回数計数手段は、蓄電池に充電が行わ
れた回数を充電回数として計数し記録する。充電回数
は、充電が開始されてから充電が完了するまでの一連の
処理を1回の充電として、この充電の回数を計数したも
のである。従って、この充電回数は、例えば蓄電池装置
が充電器に装着された回数を機械的に計数することも可
能である。ただし、充電電流が小さい場合や充電時間が
短い場合には、実質的にはほとんど充電が行われないの
で、これを計数しないようにしなければ充電回数の誤差
が大きくなるおそれがある。そこで、例えば所定値以上
の充電電流が所定時間以上流れた場合に1回の計数を行
い、以降所定値以上の充電電流が継続して流れている場
合には計数を繰り返さない処理を行えば、より正確に充
電回数を計数することができる。また、充電方式によっ
ては断続的に充電電流を流す場合もあるので、所定値以
上の充電電流が所定時間以上流れた後に最初に所定値以
上の放電電流が流れたときに始めて1回の計数を行うよ
うにしてもよい。この充電回数は、蓄電池装置の寿命が
尽きるまで計数を継続するので、蓄電池の過放電時にも
確実に計数値が保持されるように、不揮発性の半導体記
憶装置や機械式カウンタ等に記録しておく必要がある。
【0016】請求項1の充電効率算出手段は、充電回数
に基づいて、充電回数が増加するほど小さい値の充電効
率を得る所定の変換手順に従って充電効率を算出する。
従って、ここで求められる充電効率は、充電回数が増加
するほど効率の悪い小さな値となるので、蓄電池の実際
の特性に合致するものとなる。この充電効率算出手段が
実行する変換手順は、充電回数をパラメータとして所定
の計算を行う手順の他、例えば予め各充電回数ごとに設
定された充電効率の値のテーブルを参照して当該充電回
数に対応する充電効率を求める手順等であってもよく、
本来の演算処理以外の方法によって充電効率を算出する
ことができる。また、この変換手順は、任意の2種類の
充電回数に対して、充電回数の多い方が充電回数の少な
い方よりも高い充電効率が得られようなことがあっては
ならないが、局所的には異なる充電回数に対して同じ値
の充電効率が得られる場合があってもよい。例えば、充
電回数が所定値以下であり蓄電池がまだ新しい場合に
は、実際にはほとんど充電効率が低下するようなことが
ないので、この場合には充電効率を充電回数にかかわり
なく常に最大値に固定することもできる。
【0017】請求項1の充電容量算出手段は、これら充
電電流と充電効率との積を時間積分して充電容量を求め
る。従って、充電電流だけを時間積分したときの容量値
が同じであれば、充電回数が多く充電効率が低い場合に
は、より小さい値の充電容量を得て、実際に蓄電池に蓄
積された充電容量との誤差を小さくすることができる。
なお、1回の充電期間中では充電効率が一定の定数とな
るので、この充電容量算出手段は、充電電流の時間積分
後に充電効率を乗算するようにしても結果は同じであ
る。また、ここでの演算は、例えば充電効率が上記の逆
数として算出された場合には乗算に代えて除算を行う必
要があり、実質的な演算内容が同じであれば具体的な演
算形式は問わない。また、このように充電効率算出手段
が上記充電効率の逆数を算出する場合には、充電回数が
多くなるほど大きな値を得ることになるが、この場合も
充電効率算出手段と充電容量算出手段との組み合わせ全
体では実質的に同じ構成となる。
【0018】従って、請求項1の発明によれば、充電回
数に応じて変化する充電効率を考慮して正確な充電容量
を求めることができるようになる。
【0019】このようにして求めた充電容量は、蓄電池
が完全に放電された状態から充電が行われた場合には、
そのまま積算電池容量を示すことになる。また、完全に
放電されていなかった場合には、充電開始時の残存容量
に加算することにより積算電池容量を算出することがで
きる。
【0020】請求項2の発明は、充電電流検出手段がサ
ンプリングによって充電電流の検出を行う場合を示すも
のである。ここで、サンプリングの時間間隔を無限に短
くして各時間間隔ごとに検出した充電電流とその間隔時
間(サンプリング周期)との積を順次積算すると、充電
電流を時間積分したことになるので、この請求項2の発
明は請求項1の発明と同じものになる。また、時間間隔
が有限であっても十分に短ければ時間積分によって算出
したものとの誤差はほとんど生じない。即ち、請求項2
の発明は、請求項1の発明をディジタル的手法で実現し
たものにすぎないので、実質的に請求項1の発明に含ま
れるものである。このようにサンプリングによって充電
電流を検出する方法は、例えばマイクロコンピュータ制
御によって充電容量を検出するような場合に適したもの
となる。
【0021】請求項3の第1充電効率算出手段は、充電
電流の大きさに基づいて、充電電流が大きくなるほど小
さい値の充電効率を得る所定の変換手順に従って第1の
充電効率を算出する。従って、ここで求められる第1の
充電効率は、通常は1以下で0以上の値であり、充電電
流が大きくなるほど効率の悪い小さな値となるので、蓄
電池の実際の特性に合致するものとなる。この第1充電
効率算出手段が実行する変換手順は、請求項1の充電効
率算出手段の場合と同様に、充電電流をパラメータとし
て所定の計算を行う手順の他、例えば予め各充電電流の
値ごとに設定された充電効率の値のテーブルを参照して
当該充電電流に対応する充電効率を求める手順等であっ
てもよい。また、この変換手順も、任意の2種類の充電
電流に対して、大きな充電電流の方が小さい充電電流よ
りも高い充電効率が得られようなことがあってはならな
いが、局所的には大小の充電電流に対して同じ値の充電
効率が得られる場合があってもよい。なお、ここで求め
る第1の充電効率は、例えば充電電流検出手段が検出す
る電流値に一定の係数が除算されているような場合に
は、実際には1を超える値として算出される場合もあ
る。
【0022】第2充電効率算出手段は、請求項1の充電
効率算出手段と同様のものである。なお、これら第1充
電効率算出手段と第2充電効率算出手段は、充電電流と
充電回数の双方をパラメータとして所定の計算を行い、
又は、予め各充電電流と各充電回数の値ごとに設定され
た2次元配列状の充電効率の値のテーブルを参照して、
当該充電電流と充電回数に対応する充電効率(第1の充
電効率と第2の充電効率の積)を一括して算出させるよ
うにすることもできる。
【0023】請求項3の充電容量算出手段も、これら充
電電流と充電効率との積を時間積分して充電容量を求め
る。従って、充電電流だけを時間積分したときの容量値
が同じであれば、充電回数が多いために充電効率が低い
場合や、充電電流が大きいために充電効率が低い場合に
は、より小さい値の充電容量を得て、実際に蓄電池に蓄
積された充電容量との誤差を小さくすることができる。
なお、ここでの演算も、実質的な演算内容が同じであれ
ば具体的な演算形式は問わず、しかも、第1と第2の充
電効率算出手段と充電容量算出手段との組み合わせ全体
で実質的に上記と同じ構成であれば足りる。
【0024】従って、請求項3の発明によれば、請求項
1の充電回数に応じた第2の充電効率に加えて、充電電
流に応じた第1の充電効率をも考慮してより正確な充電
容量を求めることができるようになる。
【0025】請求項4の発明は、請求項2の場合と同様
に、請求項3の発明をディジタル的手法で実現したもの
にすぎないので、実質的にこの請求項3の発明に含まれ
るものである。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の実施例
を詳述する。
【0027】図1乃至図7は本発明の第1実施例を示す
ものであって、図1は充電容量検出装置における割り込
みルーチンの動作を示すフローチャート、図2は充電容
量検出装置におけるメインルーチンの動作を示すフロー
チャート、図3は蓄電池装置の構成を示すブロック図、
図4はLEDアレイの構成を示す正面図、図5は充電時
のLEDアレイの各点灯状態を示す説明図、図6は充電
電流と充電効率との関係を示す図、図7は充電容量検出
装置の動作を示すタイムチャートである。
【0028】本実施例の充電容量検出機能付蓄電池装置
は、充電電流に応じた充電効率を考慮して充電容量を算
出する充電容量検出装置を備えた蓄電池装置について説
明する。また、本実施例では、この充電容量検出装置の
演算制御部を1チップマイクロコンピュータによって構
成した場合について説明する。
【0029】この蓄電池装置は、図3に示すように、ニ
ッケルカドミウム蓄電池1と共にマイクロコンピュータ
基板2をケース内に収納したものである。ニッケルカド
ミウム蓄電池1は、正極が蓄電池装置の正極端子3に接
続されると共に、負極がシャント抵抗4を介して負極端
子5に接続されている。そして、蓄電池装置の充放電
は、これら正極端子3と負極端子5を通じて行われる。
シャント抵抗4は、抵抗値が数mΩ程度の極めて低抵抗
の抵抗器であり、ここに流れる電流の大きさを検出する
ための検流器の役割を果たすものである。また、この蓄
電池装置内には、サーモスタット6とサーミスタ7がニ
ッケルカドミウム蓄電池1の近傍に配置され、それぞれ
の導通状態や抵抗値を外部端子から読み出せるようにな
っている。サーモスタット6は、温度が所定値以上に上
昇すると遮断されるので、この導通状態を外部から読み
出すことによりニッケルカドミウム蓄電池1の充電末期
を検出することができる。サーミスタ7は、ニッケルカ
ドミウム蓄電池1の温度に応じて抵抗値が変化するの
で、この抵抗値を外部から読み出すことにより、充電完
了の時期等を検出するのに利用することができる。
【0030】マイクロコンピュータ基板2は、マイクロ
コンピュータ2aとその周辺回路を実装した回路基板で
ある。マイクロコンピュータ2aは、アナログ信号を入
力してAD変換を行うアナログポートAD1 〜AD3 を
備えている。そして、第1のアナログポートAD1 に
は、上記ニッケルカドミウム蓄電池1の端子電圧が端子
電圧入力回路2bを介して入力され、第2のアナログポ
ートAD2 には、上記シャント抵抗4の充電電流による
電圧降下が充電電流入力回路2cを介して入力され、第
3のアナログポートAD3 には、このシャント抵抗4の
放電電流による電圧降下が放電電流入力回路2dを介し
て入力されるようになっている。端子電圧入力回路2b
は、ニッケルカドミウム蓄電池1の端子電圧を抵抗分圧
によりAD変換可能な電圧範囲に変換して第1のアナロ
グポートAD1 に送るインターフェイス回路である。ま
た、充電電流入力回路2cと放電電流入力回路2dは、
オペアンプ(演算増幅器)に負帰還を施すことにより所
定の利得を得るようにした反転増幅器と非反転増幅器で
あり、充電電流と放電電流に対応する電圧降下をそれぞ
れAD変換可能な電圧範囲に変換して第2と第3のアナ
ログポートAD2 ,AD3 に送るインターフェイス回路
である。ただし、充電電流入力回路2cは、シャント抵
抗4に充電電流が流れた場合に正となる電圧を出力し、
放電電流入力回路2dは、シャント抵抗4に放電電流が
流れた場合に正となる電圧を出力するようになってい
て、それぞれ負電圧は0Aの電流値として取り扱われる
ので、第2と第3のアナログポートAD2 ,AD3 に
は、充電電流と放電電流とが区別して入力される。この
結果、これらのアナログポートAD1 〜AD3 には、そ
れぞれニッケルカドミウム蓄電池1の端子電圧,充電電
流及び放電電流の各値が入力され内部でディジタル信号
に変換されることになる。なお、第1のアナログポート
AD1 に入力される端子電圧の値には、実際にはシャン
ト抵抗4の電圧降下も含まれることになるが、この電圧
降下はほとんど無視できる。
【0031】このマイクロコンピュータ2aは、ディジ
タル入出力を行うIOポートD0〜D10を備えている。
IOポートD0 〜D3 には、外部記憶装置であるEEP
ROM2eが接続されている。EEPROM2eは、電
気的な書き込みが可能な不揮発性の半導体記憶装置であ
るEEPROM[Electrically Erasable Programmable
Read-Only Memory] からなり、このIOポートD0 〜D
3 を介してEEPROM2eに対してデータの読み書き
を行うことができるようになっている。このEEPRO
M2eには、予め定格電池容量や定格セル数等の当該蓄
電池装置に固有の電池情報が書き込まれ記憶されると共
に、充電回数等の動的な電池情報も随時書き込み更新さ
れて記憶されている。IOポートD4 〜D8 には、5個
のLED[Light Emitting Diode]を備えたLEDアレイ
2fが接続され、各IOポートD4 〜D8 に対応するL
EDを任意に点灯させることができるようになってい
る。IOポートD9 には、蓄電池装置の外部端子である
通信端子9が接続され、この通信端子9を介して充電器
等と通信を行うことができるようになっている。IOポ
ートD10には、蓄電池装置表面に操作部が設けられた操
作スイッチ8が接続され、この操作スイッチ8の操作を
読み込むことができるようになっている。
【0032】上記マイクロコンピュータ2aは、ニッケ
ルカドミウム蓄電池1から電源回路2gを介して定電圧
電源の供給を受けるようになっている。また、このマイ
クロコンピュータ2a内部のAD変換回路やEEPRO
M2e及びLEDアレイ2fも図示しない電源回路を介
してニッケルカドミウム蓄電池1から電源の供給を受け
るようになっている。ただし、これらAD変換回路等の
電源は、マイクロコンピュータ2aによって必要時にの
み供給が行われるように制御され、無駄な電力を消費し
ないようになっている。
【0033】上記構成の蓄電池装置の充電容量検出装置
の動作を図1及び図2のフローチャートに基づいて説明
する。
【0034】マイクロコンピュータ2aは、内部のPR
OM[Programmable Read-Only Memory] に格納されたプ
ログラムに従ってCPU[Central Processing Unit] が
各ポートAD1 〜AD3 及びD0 〜D10の入出力を行う
ことにより制御動作を行う。即ち、図2に示すように、
このプログラムのメインルーチンは、まず最初のステッ
プ(以下「S」という)において、充電状態に設定され
ているかどうかを調べる。充電状態の設定の有無は、内
部のRAM[Random Access Memory]に設けたフラグの状
態を参照して調べるようになっていて、このフラグがセ
ットされていれば、制御が通常の待機状態から充電状態
に移行していることが分かる。そして、充電状態の設定
がされていないと判定された場合には、その他の処理
(S5)を実行した後にS1に戻り、充電状態が設定さ
れるまでこのS1とS5の処理を繰り返す。なお、S5
のその他の処理では、端子電圧の検出処理や放電時の処
理及び操作スイッチ8の操作が行われたかどうかの検出
等の処理が行われる。
【0035】蓄電池装置の充電が開始されると、後に説
明するように割り込みルーチンが充電状態の設定を行う
ので、上記繰り返し中のS1の処理においてこれが判定
される。すると、まず内部のRAMに記憶された積算電
池容量の値を読み出し(S2)、次にこの値に応じてL
EDアレイ2fのLEDを点灯表示させる(S3)。そ
して、充電状態でのその他の処理(S4)を実行し、こ
の後に上記S1の処理に戻り、これらS1〜S4の処理
を繰り返す。また、充電状態が解除されると、再びS1
とS5の繰り返し処理に戻る。
【0036】LEDアレイ2fの5個のLED1 〜LE
D5 は、図4に示すように、発光部を縦に並べて蓄電池
装置の表面に配置されている。そして、S3の処理は、
後に説明するように充電に伴って増加する積算電池容量
をLEDアレイ2fに表示させるものである。即ち、図
5に示すように、積算電池容量の値が蓄電池装置の定格
電池容量の20%以下であった場合には最下段のLED
1を点滅(片斜線で図示)させ、充電の進行に伴い、こ
の積算電池容量の値が20%超で40%以下,40%超
で60%以下,60%超で80%以下及び80%超で1
00%以下と変化した場合には、それぞれ点滅させるL
ED2〜LED5を1段ずつ上のものに切り替えると共
に、点滅するLED2 〜LED5 より下段のLED1 〜
LED4 を全て点灯(交差斜線で図示)させるようにし
ている。また、積算電池容量が100%超となった場合
には、全てのLED1 〜LED5 を点灯させる。従っ
て、充電を行う作業者は、このLEDアレイ2fの各L
ED1 〜LED5 が棒グラフ状に点灯する様子を見て充
電の進捗状況を知ることができる。なお、放電時に完全
放電されず残存容量が残っていたために充電開始時に積
算電池容量が定格電池容量の20%超であった場合に
は、このLEDアレイ2fの表示は1個以上のLED1
〜LED5 が点灯した状態から開始される。また、この
LEDアレイ2fは、待機状態の際に操作スイッチ8が
操作されたときの残存容量の表示等にも利用される。S
4の充電状態でのその他の処理では、定格電池容量及び
定格セル数等や積算電池容量及び充電回数等の電池情報
を充電器に送信する通信処理が行われる。
【0037】マイクロコンピュータ2aは、内部にタイ
マ割り込み機能を備え、タイマに設定された時間間隔ご
とにハードウエア割り込みによってプログラムの割り込
みルーチンを呼び出すことができるようになっている。
【0038】この割り込みルーチンは、制御が待機状態
にある場合には、電力消費を抑制するために比較的長い
タイマ時間T1間隔で呼び出されるように設定されてい
る。そして、この割り込みルーチンが呼び出されると、
図1に示すように、まずアナログポートAD2に入力さ
れた充電電流の値をAD変換することにより検出を行う
(S11)。次に、充電状態の設定が行われているかど
うかを調べ(S12)、充電状態が設定されていない場
合には、検出した充電電流の値が充電開始電流Imin以
上かどうかの判断を行う(S13)。そして、充電開始
電流Imin に満たないと判定された場合には、制御が通
常の待機状態かその他の状態にあり、かつ、充電も開始
されていないことを示すので、直ちに割り込みルーチン
を終了する。
【0039】ここで、蓄電池装置の充電が開始される
と、その後最初に呼び出された割り込みルーチンの上記
S13の処理において充電電流が充電開始電流Imin 以
上になったと判定されるので、まず自身のタイマ割り込
みの時間をタイマ時間T1 よりも短いタイマ時間T2
隔に設定すると共に(S14)、充電状態の設定を行い
(S15)、制御を待機状態から充電状態に移行させ
る。そして、直前のS11で検出した充電電流の値に基
づいて内部のPROMから充電効率を読み出すと共に
(S16)、検出した充電電流の値にこの充電効率とタ
イマ割り込みの時間間隔であるタイマ時間T2 とを乗算
することにより充電容量を算出する(S17)。なお、
この充電状態でタイマ割り込みの時間を待機状態のタイ
マ時間T1 よりも短いタイマ時間T2 間隔に設定するの
は、充電電流に基づき充電容量を精密に検出するためで
あり、これにより、充電電流が不安定な場合や著しく変
化する場合にも対応することができる。
【0040】ニッケルカドミウム蓄電池1に蓄積される
充電容量は、充電電流が大きくなるほど無駄が増えるの
で、充電効率は低下することになる。そこで、本実施例
では、この充電効率ηを充電電流Iの一次式で近似し、
式η=η0 −kIを計算することにより求める。ここで
η0 は、充電電流Iが0Aのときの仮想的な効率の初期
値であり、1.0よりもわずかに小さい値としている。
また、kは、0に近い正の定数である。従って、この充
電電流と充電効率との関係は、図6に示すような右下が
りの直線で表され、充電電流が大きくなるほど充電効率
が徐々に低下することになる。S16の処理では、検出
した充電電流の値に基づいてこの式η=η0 −kIの計
算を行うことにより充電効率を算出することもできる。
しかしながら、このような演算はマイクロコンピュータ
2aの負担が大きくなりすぎるため、ここでは、予め内
部のPROMに記憶させておいた充電効率を読み出すR
OMテーブル方式を用いている。即ち、充電電流の値を
適当な範囲ごとに分類し、各範囲を代表する充電電流に
対する充電効率を予め計算してそれぞれPROMに書き
込んでおくことにより、S16の処理では、検出した充
電電流に対応するこのPROMの充電効率を読み出すだ
けで済むようにしている。
【0041】S17の処理では、充電電流と充電効率と
タイマ割り込みの時間間隔との積から充電容量を算出す
るので、この充電容量を積算すれば、充電電流と充電効
率との積を時間積分したことになる。なお、ここでタイ
マ割り込みの時間間隔であるタイマ時間T2 は、充電状
態においては定数値となるので、上記PROMに記憶さ
せる充電効率を予めこのタイマ時間T2 が乗算された値
にしておくことにより、演算処理をさらに簡素化するこ
とができる。
【0042】上記のようにして充電容量が算出される
と、内部のRAMに記憶されている充電電流の値と積算
電池容量の更新を行う(S18)。充電電流の値の更新
は、RAMに記憶されている値を新たに検出した値に書
き換えることにより行う。また、積算電池容量の更新
は、まずRAMから読み出した先の積算電池容量に今回
算出した充電容量を加算し、この加算結果を新たな積算
電池容量としてRAMに書き込むことにより行う。そし
て、このRAMの充電電流の値と積算電池容量の更新が
終わると、割り込みルーチンを終了する。
【0043】また、一旦充電が開始されると、以降に呼
び出される割り込みルーチンでは、上記S12の処理に
おいて充電状態が設定されていると判定される。そし
て、この場合にも、引き続いて、検出した充電電流の値
が充電開始電流Imin 以上かどうかの判断を行い(S1
9)、充電開始電流Imin 以上であると判定された場合
には、上記S16〜S18の処理を実行してRAMの充
電電流の値と積算電池容量の更新を行った後に割り込み
ルーチンを終了する。
【0044】上記充電作業は、作業者が蓄電池装置を充
電器から外したり、充電器が−ΔV充電方式等によって
自動的に満充電を検出した場合に完了する。充電が完了
すると、充電電流が供給されなくなるため、その後最初
に呼び出される割り込みルーチンでの上記S19の処理
において、この充電電流が充電開始電流Imin 未満にな
ったと判定されるので、タイマ割り込みの時間をタイマ
時間T1 間隔に戻すと共に(S20)、充電状態の解除
を行い(S21)、RAMの充電電流の値を0Aに更新
して(S22)から割り込みルーチンを終了する。そし
て、これにより制御が充電状態から最初の待機状態に戻
る。
【0045】上記割り込みルーチンの動作を図7に示す
タイムチャートに基づいて説明する。制御が待機状態に
ある場合において、図示の時刻t0にタイマ割り込みが
行われ、この時刻t0 とその後の時刻t1 との間に充電
が開始されて充電電流Iが流れ出すものとする。時刻t
0 には充電電流が流れていないために、次のタイマ割り
込みはタイマ時間T1 後の時刻t1 となる。また、時刻
1 には、充電電流がまだ充電開始電流Imin に達して
いないために、充電開始とは判定されず、さらに次のタ
イマ割り込みもタイマ時間T1 後の時刻t2 となる。
【0046】ところが、この時刻t2 に呼び出された割
り込みルーチンでは、充電開始電流Imin よりも十分に
大きな充電電流I4が検出されるので、制御が充電状態
に切り替わり、以降のタイマ割り込みはより短いタイマ
時間T2 間隔となる。また、この時刻t2 以降には、最
後に充電開始電流Imin よりも大きい充電電流I1 を検
出する時刻t11までに呼び出される全ての割り込みルー
チンにおいて充電容量が算出され、これがRAMに記憶
された積算電池容量に順次加算される。そして、この時
刻t11のタイマ時間T2 後の時刻t12に呼び出される割
り込みルーチンで検出された充電電流が0Aとなるた
め、以降のタイマ割り込みがタイマ時間T1 間隔とな
り、制御が再び待機状態に戻る。
【0047】従って、充電効率を無視するならば、図示
の場合、時刻t2 から時刻t12までの間に、斜線部で示
した(I4 +I5 +4×I6 +I5 +I3 +I2
1 )×T2 の充電容量が積算電池容量に加算されるこ
とになる。そして、実際の充電時間は、図示の時刻t2
から時刻t12までの時間よりも十分に長いので、ここで
積算する充電容量は、充電電流をアナログ的に時間積分
したものとほぼ同じ値となり、このような割り込みルー
チンによって充電容量の積算が可能となる。また、タイ
マ割り込みを利用することにより、一定の時間間隔で確
実に充電電流のサンプリングを行うことができるので、
時間のずれによる誤差もほとんど生じない。さらに、本
実施例では、これら各充電電流I1 〜I6 ごとに異なる
充電効率を乗算してから充電容量を計算するので、従来
よりも正確な充電容量を算出することができるようにな
る。
【0048】RAMに記憶される積算電池容量は、例え
ばニッケルカドミウム蓄電池1が完全放電状態となって
いる蓄電池装置の製造直後に0mAm秒の値に設定し、
以降、充電時には上記充電容量を加算すると共に、放電
時には本実施例では説明していない方法によって算出し
た放電容量を減算する積算処理を繰り返す。従って、こ
の積算電池容量によって、ニッケルカドミウム蓄電池1
にそのとき実際に貯えられている電池容量を随時表すこ
とができる。この際、充電時に積算電池容量が定格電池
容量を超えた場合にも積算を継続して過充電の検出等に
利用する。もっとも、このような過充電の状態では供給
された電流のほとんどが蓄積されず無駄になるので、充
電完了後にはこの積算電池容量を定格電池容量の値に再
設定する。また、放電時にニッケルカドミウム蓄電池1
の端子電圧の低下等によって完全放電されたことが検出
された場合にも、この積算電池容量を0mAm秒の値に
再設定し、積算による誤差の累積を防止する。なお、こ
の放電時に積算電池容量が0mAm秒まで減少した場合
には、以降放電が続いても次の充電が開始されるまで積
算(減算)は行わず0mAm秒の値を維持する。
【0049】以上説明したように、本実施例の充電容量
検出機能付蓄電池装置によれば、充電電流を一定間隔で
サンプリングし、これに充電電流の大きさに応じた充電
効率とサンプリング周期とを乗算して充電容量を算出す
るので、実際にニッケルカドミウム蓄電池1に蓄積され
る正確な充電容量を求めることができるようになる。そ
して、このように正確な充電容量が得られれば、積算電
池容量の誤差も少なくなるので、蓄電池装置の充電の進
捗状況や放電時の残存容量を的確に示すことができるよ
うになり、また、この積算電池容量によって検出するニ
ッケルカドミウム蓄電池1の寿命や過充電等の判断も信
頼性の高いものとすることができるようになる。
【0050】図8乃至図10は本発明の第2実施例を示
すものであって、図8は充電容量検出装置における割り
込みルーチンの動作を示すフローチャート、図9は充電
回数表示時のLEDアレイの各点灯状態を示す説明図、
図10は充電回数と充電効率との関係を示す図である。
なお、上記図1乃至図7に示した第1実施例と同様の機
能を有する構成部材には同じ番号を付記して説明を省略
する。
【0051】本実施例の充電容量検出機能付蓄電池装置
は、充電回数に応じた充電効率を考慮して充電容量を算
出する充電容量検出装置を備えた蓄電池装置について説
明する。また、本実施例でも、この充電容量検出装置の
演算制御部を1チップマイクロコンピュータによって構
成した場合について説明する。
【0052】この蓄電池装置は、上記図3に示した第1
実施例と全く同じハードウエアによって構成される。た
だし、マイクロコンピュータ2a内部のPROMに格納
するプログラムを変更することにより、充電回数に応じ
た充電効率を考慮して充電容量を算出するようにしてい
る。
【0053】上記構成の蓄電池装置の充電容量検出装置
の動作を図8のフローチャートに基づいて説明する。
【0054】マイクロコンピュータ2a内部のPROM
に格納されたプログラムにおけるメインルーチンの動作
は、上記図2に示した第1実施例の場合と同じである。
ただし、この図2におけるS5のその他の処理において
は、待機状態の際に操作スイッチ8が操作されると、L
EDアレイ2fを利用して充電回数や残存容量の表示等
も行うようになっている。本実施例では説明しない残存
容量は、待機状態で操作スイッチ8を1回押すことによ
り一定時間表示される。また、この残存容量の表示中に
もう一度操作スイッチ8を一定時間以上押し続けると、
その後に充電回数を表示するようになる。この充電回数
の表示は、図9に示すように、各LED1 〜LED4 の
点灯状態によって100回ごとの充電回数を示すように
したものである。例えば下側から3個のLED1 〜LE
D3 が点灯した場合には、LED1 が対応する100回
とLED2 が対応する200回とLED3 が対応する4
00回の和から700回の回数を示すことになり、これ
によって充電回数が600〜700回の間であることを
示すようにしている。また、この際、蓄電池装置の寿命
が尽きたと判断された場合には、最上段のLED5 も同
時に点灯する。
【0055】このプログラムにおける割り込みルーチン
も、図8に示すように、S11〜S15及びS19〜S
22の処理は、上記図1に示した第1実施例の場合と同
じである。しかし、充電電流が充電開始電流Imin 以上
になり、S15の処理で充電状態の設定が行われて制御
が待機状態から充電状態に移行されると、まず充電回数
に基づいて内部のPROMから充電効率を読み出すと共
に(S31)、検出した充電電流の値にこの充電効率と
タイマ割り込みの時間間隔であるタイマ時間T2 とを乗
算することにより充電容量を算出し(S32)、内部の
RAMに記憶されている充電電流の値と積算電池容量の
更新を行う(S33)。
【0056】充電回数は、上記図3に示すEEPROM
2eに記憶されていて、工場出荷時に0回に初期化さ
れ、蓄電池装置の使用に伴い、後に説明するようにこの
割り込みルーチンによって充電が行われるたびに1回ず
つインクリメントされて更新されるようになっている。
従って、S31の処理では、充電効率を読み出す前に、
この充電回数をEEPROM2eから読み出す必要があ
る。ただし、各充電期間中にはこの充電回数をそれぞれ
固定した値として取り扱うことができるので、最初にE
EPROM2eから読み出した充電回数を一旦内部のR
AMに記憶させておき、以降はこのRAMの充電回数を
参照するようにして、EEPROM2eからの読み出し
処理を省略することもできる。
【0057】ニッケルカドミウム蓄電池1は、使用に伴
い充電回数が増加すると、充電電流によって供給される
電荷を効率よく内部に蓄積することができなくなり充電
効率が低下する。そこで、本実施例では、この充電効率
ηを充電回数nの一次式で近似し、式η=η0 −knを
計算することにより求める。ここでη0 は、充電回数が
0回のときの仮想的な効率の初期値であり、ここでは
1.0よりもわずかに大きい値としている。また、k
は、0に近い正の定数である。従って、この充電回数と
充電効率との関係は、図10に示すような右下がりの直
線で表され、充電回数が増加するほど充電効率が1以下
の範囲内で徐々に低下することになる。ただし、充電回
数が少ない回数の場合には、ニッケルカドミウム蓄電池
1も新しくほとんど充電効率が低下しないので、この間
の充電効率は常に1.0に固定している。S31の処理
では、検出した充電電流の値に基づいてこの式η=η0
−knの計算を行うことにより充電効率を算出すること
もできる。しかしながら、このような演算はマイクロコ
ンピュータ2aの負担が大きくなりすぎるため、ここで
も、予め内部のPROMに記憶させておいた充電効率を
読み出すROMテーブル方式を用いている。
【0058】S32とS33の処理は、上記図1に示し
たS17とS18の処理と同様であり、このようにして
積算電池容量の更新が終わると、充電回数の計数処理が
行われる(S34)。充電回数の計数処理は、蓄電池装
置に充電が行われた回数を計数し、EEPROM2eに
記憶された充電回数を更新する処理である。即ち、所定
値以上の充電電流が所定時間以上流れた場合に、先のS
31の処理でEEPROM2eから読み出した充電回数
に1回の加算を行い、この加算結果を新たな充電回数と
してEEPROM2eに書き込む処理を行う。ただし、
以降は当該充電状態から抜け出すまでこの充電回数の更
新は行わない。従って、この充電回数の計数処理は、割
り込みルーチンが繰り返し呼び出されS34の処理が何
度も実行されることにより1回の処理を行うことにな
り、このときの所定時間はタイマ割り込みによる呼び出
し回数によって判断することができる。また、この所定
時間は、実質的な充電が行われたと判断するための時間
なので、充電電流に応じて、この充電電流が大きくなる
ほど短い時間となるように設定することもでき、さら
に、例えばS32の処理で算出した充電容量を積算し、
この積算結果が所定値を超えた場合に、所定値以上の充
電電流が所定時間以上流れたと判断することもできる。
そして、この充電回数の計数処理が終わると、割り込み
ルーチンを終了する。
【0059】充電が完了すると、上記図1に示した第1
実施例の場合と同様に、その後最初に呼び出される割り
込みルーチンでのS19の処理において、この充電電流
が充電開始電流Imin未満になったと判定されるので、
タイマ割り込みの時間をタイマ時間T1間隔に戻すと共
に(S20)、充電状態の解除を行い(S21)、RA
Mの充電電流の値を0Aに更新して(S22)から割り
込みルーチンを終了する。そして、これにより制御が充
電状態から最初の待機状態に戻る。ただし、この充電状
態が設定されている期間が短い場合や比較的長い期間で
あっても小さな充電電流しか流れなかった場合には、上
記S34の処理においてEEPROM2eに記憶された
充電回数の更新が行われないまま待機状態に戻ることに
なる。従って、何らかの事情で十分な充電が行われなか
った場合には充電回数の計数を行わないので、このよう
な操作が繰り返されたとしても、実質的な充電回数との
間に誤差が生じるようなおそれはほとんどない。
【0060】以上説明したように、本実施例の充電容量
検出機能付蓄電池装置の場合にも、充電電流を一定間隔
でサンプリングし、これに充電回数に応じた充電効率と
サンプリング周期とを乗算して充電容量を算出するの
で、実際にニッケルカドミウム蓄電池1に蓄積される正
確な充電容量を求めることができるようになる。
【0061】なお、第1実施例における充電電流に応じ
た充電効率と第2実施例における充電回数に応じた充電
効率との積を充電電流とサンプリング周期とに乗算して
充電容量を算出するようにすれば、より実際に即した正
確な充電容量を求めることができるようになる。また、
この場合、マイクロコンピュータ2a内部のPROMに
記憶させる充電効率の表を充電電流と充電回数による2
次元配列状に配置しておけば、これら充電電流と充電回
数に応じた充電効率を一括して読み出すことができる。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の充電容量検出機能付蓄電池装置によれば、充電容量の
検出の際に充電電流の大きさや充電回数に応じた充電効
率を考慮することができるので、より正確な充電容量を
得ることができるようになるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すものであって、充電
容量検出装置における割り込みルーチンの動作を示すフ
ローチャートである。
【図2】本発明の第1実施例を示すものであって、充電
容量検出装置におけるメインルーチンの動作を示すフロ
ーチャートである。
【図3】本発明の第1実施例を示すものであって、蓄電
池装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施例を示すものであって、LE
Dアレイの構成を示す正面図である。
【図5】本発明の第1実施例を示すものであって、充電
時のLEDアレイの各点灯状態を示す説明図である。
【図6】本発明の第1実施例を示すものであって、充電
電流と充電効率との関係を示す図である。
【図7】本発明の第1実施例を示すものであって、充電
容量検出装置の動作を示すタイムチャートである。
【図8】本発明の第2実施例を示すものであって、充電
容量検出装置における割り込みルーチンの動作を示すフ
ローチャートである。
【図9】本発明の第2実施例を示すものであって、充電
回数表示時のLEDアレイの各点灯状態を示す説明図で
ある。
【図10】本発明の第2実施例を示すものであって、充
電回数と充電効率との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ニッケルカドミウム蓄電池 2 マイクロコンピュータ基板 2a マイクロコンピュータ 2c 充電電流入力回路 2e EEPROM 4 シャント抵抗

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充電可能な蓄電池と、 蓄電池に流入する充電電流を検出する充電電流検出手段
    と、 蓄電池に充電が行われた回数を充電回数として計数し記
    録する充電回数計数手段と、 充電回数計数手段に記録された充電回数に基づいて、充
    電回数が増加するほど小さい値の充電効率を得る所定の
    変換手順に従って充電効率を算出する充電効率算出手段
    と、 充電電流検出手段が検出した充電電流と充電効率算出手
    段が算出した充電効率との積を時間積分して充電容量を
    求める充電容量算出手段とを備えたことを特徴とする充
    電容量検出機能付蓄電池装置。
  2. 【請求項2】 充電可能な蓄電池と、 適宜な時間間隔ごとに、蓄電池に流入する充電電流を検
    出する充電電流検出手段と、 蓄電池に充電が行われた回数を充電回数として計数し記
    録する充電回数計数手段と、 充電回数計数手段に記録された充電回数に基づいて、充
    電回数が増加するほど小さい値の充電効率を得る所定の
    変換手順に従って充電効率を算出する充電効率算出手段
    と、 充電電流検出手段が検出した充電電流と充電効率算出手
    段が算出した充電効率と充電電流を検出する間隔時間と
    の積から充電容量を求める充電容量算出手段と、 充電容量算出手段が求めた充電容量を順次積算する充電
    容量積算手段とを備えたことを特徴とする充電容量検出
    機能付蓄電池装置。
  3. 【請求項3】 充電可能な蓄電池と、 蓄電池に流入する充電電流を検出する充電電流検出手段
    と、 充電電流検出手段が検出した充電電流の大きさに基づい
    て、充電電流が大きくなるほど小さい値の充電効率を得
    る所定の変換手順に従って第1の充電効率を算出する第
    1充電効率算出手段と、 蓄電池に充電が行われた回数を充電回数として計数し記
    録する充電回数計数手段と、 充電回数計数手段に記録された充電回数に基づいて、充
    電回数が増加するほど小さい値の充電効率を得る所定の
    変換手順に従って第2の充電効率を算出する第2充電効
    率算出手段と、 充電電流検出手段が検出した充電電流と第1充電効率算
    出手段が算出した第1の充電効率と第2充電効率算出手
    段が算出した第2の充電効率との積を時間積分して充電
    容量を求める充電容量算出手段とを備えたことを特徴と
    する充電容量検出機能付蓄電池装置。
  4. 【請求項4】 充電可能な蓄電池と、 適宜な時間間隔ごとに、蓄電池に流入する充電電流を検
    出する充電電流検出手段と、 充電電流検出手段が検出した充電電流の大きさに基づい
    て、充電電流が大きくなるほど小さい値の充電効率を得
    る所定の変換手順に従って第1の充電効率を算出する第
    1充電効率算出手段と、 蓄電池に充電が行われた回数を充電回数として計数し記
    録する充電回数計数手段と、 充電回数計数手段に記録された充電回数に基づいて、充
    電回数が増加するほど小さい値の充電効率を得る所定の
    変換手順に従って第2の充電効率を算出する第2充電効
    率算出手段と、 充電電流検出手段が検出した充電電流と第1充電効率算
    出手段が算出した第1の充電効率と第2充電効率算出手
    段が算出した第2の充電効率と充電電流を検出する間隔
    時間との積から充電容量を求める充電容量算出手段と、 充電容量算出手段が求めた充電容量を順次積算する充電
    容量積算手段とを備えたことを特徴とする充電容量検出
    機能付蓄電池装置。
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