JP2984872B2 - 双ロール式薄板連続鋳造方法 - Google Patents
双ロール式薄板連続鋳造方法Info
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- JP2984872B2 JP2984872B2 JP4084983A JP8498392A JP2984872B2 JP 2984872 B2 JP2984872 B2 JP 2984872B2 JP 4084983 A JP4084983 A JP 4084983A JP 8498392 A JP8498392 A JP 8498392A JP 2984872 B2 JP2984872 B2 JP 2984872B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄板鋳片を製造する双
ロール式連続鋳造において、溶湯プール表面でのスカム
の生成を防止して性状の優れた鋳片を得る鋳造方法に関
する。
ロール式連続鋳造において、溶湯プール表面でのスカム
の生成を防止して性状の優れた鋳片を得る鋳造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】内側に向って回転する2個のロール間
に、注湯ノズルを介して溶融金属を注入して金属の薄板
を鋳造する双ロール式薄板連続鋳造方法は、ベッセマー
法として知られている。
に、注湯ノズルを介して溶融金属を注入して金属の薄板
を鋳造する双ロール式薄板連続鋳造方法は、ベッセマー
法として知られている。
【0003】この鋳造方法は、図1に示すように2個の
ロール1を適当な間隔で配置し、双ロール1およびタン
ディッシュスカート2間に形成される溶湯プール3に上
方から注湯ノズル4を介して溶融金属を注入しながら内
側に回転し、ロール表面に凝固シェル5を形成させてこ
の凝固シェルを接合し、さらに圧下して所定の厚さの薄
板鋳片6を製造するものである。
ロール1を適当な間隔で配置し、双ロール1およびタン
ディッシュスカート2間に形成される溶湯プール3に上
方から注湯ノズル4を介して溶融金属を注入しながら内
側に回転し、ロール表面に凝固シェル5を形成させてこ
の凝固シェルを接合し、さらに圧下して所定の厚さの薄
板鋳片6を製造するものである。
【0004】この鋳造方法において、鋳造前に溶湯プー
ル部の雰囲気に酸素が存在すると、これが溶湯と反応し
て酸化物等のスカムを生成する。このスカムは容易に溶
湯に巻き込まれ、鋳片表面の割れや板厚不均一の原因と
なる。従ってこれを防止するために、溶湯プール部内の
酸素を事前に置換して溶湯の酸化を防ぐ必要がある。
ル部の雰囲気に酸素が存在すると、これが溶湯と反応し
て酸化物等のスカムを生成する。このスカムは容易に溶
湯に巻き込まれ、鋳片表面の割れや板厚不均一の原因と
なる。従ってこれを防止するために、溶湯プール部内の
酸素を事前に置換して溶湯の酸化を防ぐ必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この課題に対処するた
めに、例えば特開昭61−135454号公報の金属薄
板製造装置において、ロールを覆うカバー内に不活性ガ
スを充たすと共に、カバー内に巻込む外気流を防ぐ手段
を設けることにより、金属薄帯の酸化を防ぐ技術が開示
されている。
めに、例えば特開昭61−135454号公報の金属薄
板製造装置において、ロールを覆うカバー内に不活性ガ
スを充たすと共に、カバー内に巻込む外気流を防ぐ手段
を設けることにより、金属薄帯の酸化を防ぐ技術が開示
されている。
【0006】しかしこの技術では、カバー内部に不活性
ガスを供給する充気管7と、ロールの回転でカバー内に
巻込み帯同される外気流の対向流を吹出すジェットと
を、スカート2内に差込み固定し、単にカバー内に不活
性ガスを注入して空気の流入を防ぐようにしているのみ
で、溶湯プール部内の酸素を完全に置換して、鋳片表面
の割れや板厚不均一の原因となるスカムの生成を防止す
る課題は完全には解決していない。
ガスを供給する充気管7と、ロールの回転でカバー内に
巻込み帯同される外気流の対向流を吹出すジェットと
を、スカート2内に差込み固定し、単にカバー内に不活
性ガスを注入して空気の流入を防ぐようにしているのみ
で、溶湯プール部内の酸素を完全に置換して、鋳片表面
の割れや板厚不均一の原因となるスカムの生成を防止す
る課題は完全には解決していない。
【0007】本発明は上記課題に鑑み、置換時間を管理
して溶湯プール部を不活性ガスで完全に置換し、スカム
の生成を防止する双ロール式薄板連続鋳造方法を提供す
る。
して溶湯プール部を不活性ガスで完全に置換し、スカム
の生成を防止する双ロール式薄板連続鋳造方法を提供す
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、注湯ノズルを
介して溶湯プールに溶融金属を注入して薄板鋳片を製造
する双ロール式薄板連続鋳造方法において、前記溶湯プ
ールの雰囲気を不活性ガスで置換するに際し、溶湯プー
ルの目標とする酸素濃度に対して下記(2)式を満足す
る時間溶湯プールに不活性ガスを送気し、置換してから
連続鋳造を行うことを特徴とする双ロール式薄板連続鋳
造方法である。
介して溶湯プールに溶融金属を注入して薄板鋳片を製造
する双ロール式薄板連続鋳造方法において、前記溶湯プ
ールの雰囲気を不活性ガスで置換するに際し、溶湯プー
ルの目標とする酸素濃度に対して下記(2)式を満足す
る時間溶湯プールに不活性ガスを送気し、置換してから
連続鋳造を行うことを特徴とする双ロール式薄板連続鋳
造方法である。
【0009】
【数2】
【0010】ここに t :ガス置換時間 (sec) V :溶湯プールの容量 (m3) q :不活性ガス流量 (Nm3/hr) C(t):目標酸素濃度 (wt%) Co :溶湯プール部初期気体中酸素濃度 (wt%) Cin :置換ガス中酸素濃度 (wt%)
【0011】
【作用】本発明は、溶湯の酸化物等のスカムが発生しな
い目標酸素濃度と、ガス置換時間の関係を明確にし、溶
湯プール内に残留する酸素による溶湯の酸化を防止し、
鋳片表面の割れや板厚不均一の原因となるスカムの巻き
込みの問題を解決して、性状の優れた鋳片を得る連続鋳
造方法である。
い目標酸素濃度と、ガス置換時間の関係を明確にし、溶
湯プール内に残留する酸素による溶湯の酸化を防止し、
鋳片表面の割れや板厚不均一の原因となるスカムの巻き
込みの問題を解決して、性状の優れた鋳片を得る連続鋳
造方法である。
【0012】図2は、溶湯プール内の雰囲気中の酸素濃
度に及ぼす不活性ガス(Ar)置換効果を求める為の実
験結果を示す図面であり、縦軸を溶湯プール部雰囲気中
の酸素濃度(wt%)とし、横軸を不活性ガス置換時間
(sec)としている。
度に及ぼす不活性ガス(Ar)置換効果を求める為の実
験結果を示す図面であり、縦軸を溶湯プール部雰囲気中
の酸素濃度(wt%)とし、横軸を不活性ガス置換時間
(sec)としている。
【0013】本実験に用いた図1に示す装置において、
V=1.05m3の溶湯プール3において、q=200
Nm3/hrのArガスを送気し、Co=20.8wt
%の大気の雰囲気からCin=0.03wt%まで置換し
た。
V=1.05m3の溶湯プール3において、q=200
Nm3/hrのArガスを送気し、Co=20.8wt
%の大気の雰囲気からCin=0.03wt%まで置換し
た。
【0014】図2において、○印は実測値であり、この
実測値から回帰計算によって求めた曲線が前記(2)式
の等号部分を示している。
実測値から回帰計算によって求めた曲線が前記(2)式
の等号部分を示している。
【0015】すなわち図2において、曲線左側の斜線を
施した個所は、スカムが発生して鋳片の表面割れが生ず
る領域であり、右側の白地の領域がスカムが生ぜず、鋳
片の性状が良好な範囲を示している。例えば図2におい
て目標酸素濃度C(t)を0.1wt%と設定すれば、
q=200Nm3/hrのArガスの送気量で約110
sec以上送気すればよい。
施した個所は、スカムが発生して鋳片の表面割れが生ず
る領域であり、右側の白地の領域がスカムが生ぜず、鋳
片の性状が良好な範囲を示している。例えば図2におい
て目標酸素濃度C(t)を0.1wt%と設定すれば、
q=200Nm3/hrのArガスの送気量で約110
sec以上送気すればよい。
【0016】このように溶湯プール内の目標酸素濃度が
決定されれば、前記(2)式を用いて置換する不活性ガ
スの送気時間が推定できるので、溶湯プール内に残留す
る酸素の濃度を溶湯の酸化を防止し得る限界以下に低減
し、溶湯の酸化を防止して性状の優れた鋳片を得るもの
である。
決定されれば、前記(2)式を用いて置換する不活性ガ
スの送気時間が推定できるので、溶湯プール内に残留す
る酸素の濃度を溶湯の酸化を防止し得る限界以下に低減
し、溶湯の酸化を防止して性状の優れた鋳片を得るもの
である。
【0017】
【実施例】表1に示す金属を図1に示す双ロール式薄板
連続鋳造機により薄板を鋳造した。鋳造後の鋳片表面割
れの発生状況も併せて表1に示す。
連続鋳造機により薄板を鋳造した。鋳造後の鋳片表面割
れの発生状況も併せて表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】実施例に示すように、(2)式の範囲内で
は鋳片の表面割れはみられず、性状の優れた鋳片を得る
ことができた。
は鋳片の表面割れはみられず、性状の優れた鋳片を得る
ことができた。
【0020】
【発明の効果】以上説明した如く本発明の連続鋳造方法
によれば、溶湯プール内の目標酸素濃度が決定されれば
置換する不活性ガスの送気時間が容易に推定され、この
置換時間を管理することにより、溶湯プール内の残留酸
素濃度を限界以下に低減し、鋳造初期の鋳片表面の割れ
や板厚不均一の原因となるスカムの巻き込みを防止し
て、性状の優れた鋳片を得ることができる。
によれば、溶湯プール内の目標酸素濃度が決定されれば
置換する不活性ガスの送気時間が容易に推定され、この
置換時間を管理することにより、溶湯プール内の残留酸
素濃度を限界以下に低減し、鋳造初期の鋳片表面の割れ
や板厚不均一の原因となるスカムの巻き込みを防止し
て、性状の優れた鋳片を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】双ロール式薄板連続鋳造方法を説明する装置の
一例を示す側面図である。
一例を示す側面図である。
【図2】溶湯プール内の酸素濃度と不活性ガス置換時間
の関係を示す図面である。
の関係を示す図面である。
1 鋳造用のロール 2 タンディッシュスカート 3 溶湯プール 4 注湯ノズル 5 凝固シェル 6 薄板鋳片 7 充気管
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−248747(JP,A) 特開 平3−216241(JP,A) 特開 平1−271037(JP,A) 特開 平5−245595(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/06 330 B22D 11/10 360
Claims (1)
- 【請求項1】 注湯ノズルを介して溶湯プールに溶融金
属を注入して薄板鋳片を製造する双ロール式薄板連続鋳
造方法において、前記溶湯プールの雰囲気を不活性ガス
で置換するに際し、溶湯プールの目標とする酸素濃度に
対して下記(1)式を満足する時間溶湯プールに不活性
ガスを送気し、置換してから連続鋳造を行うことを特徴
とする双ロール式薄板連続鋳造方法。 【数1】 ここに t :ガス置換時間 (sec) V :溶湯プールの容量 (m3 ) q :不活性ガス流量 (Nm3 /mi
n) C(t):目標酸素濃度 (wt%) Co :溶湯プール部初期気体中酸素濃度 (wt
%) Cin :置換ガス中酸素濃度 (wt%)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4084983A JP2984872B2 (ja) | 1992-03-09 | 1992-03-09 | 双ロール式薄板連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4084983A JP2984872B2 (ja) | 1992-03-09 | 1992-03-09 | 双ロール式薄板連続鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05245596A JPH05245596A (ja) | 1993-09-24 |
JP2984872B2 true JP2984872B2 (ja) | 1999-11-29 |
Family
ID=13845858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4084983A Expired - Fee Related JP2984872B2 (ja) | 1992-03-09 | 1992-03-09 | 双ロール式薄板連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2984872B2 (ja) |
-
1992
- 1992-03-09 JP JP4084983A patent/JP2984872B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05245596A (ja) | 1993-09-24 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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