JP2981931B2 - アルミニウム箔のエッチング廃液を処理する方法 - Google Patents

アルミニウム箔のエッチング廃液を処理する方法

Info

Publication number
JP2981931B2
JP2981931B2 JP3214843A JP21484391A JP2981931B2 JP 2981931 B2 JP2981931 B2 JP 2981931B2 JP 3214843 A JP3214843 A JP 3214843A JP 21484391 A JP21484391 A JP 21484391A JP 2981931 B2 JP2981931 B2 JP 2981931B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hcl
alcl
etching
aluminum foil
waste liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3214843A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04346680A (ja
Inventor
理恵 立仙
義之 今給黎
太起夫 安達
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NITSUTETSU KAKOKI KK
Original Assignee
NITSUTETSU KAKOKI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NITSUTETSU KAKOKI KK filed Critical NITSUTETSU KAKOKI KK
Priority to JP3214843A priority Critical patent/JP2981931B2/ja
Publication of JPH04346680A publication Critical patent/JPH04346680A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2981931B2 publication Critical patent/JP2981931B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • ing And Chemical Polishing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウムを含む廃酸
の処理方法に関する。更に詳しくはアルミニウムのエッ
チング等に於けるHClを主成分とする無機酸による処
理から発生した廃液中に含まれる有価物を二次公害の恐
れのないように回収再資源化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム箔を用いるコンデンサー製
造業に於いてキャパシティー増大のためのアルミニウム
箔エッチング用無機酸として、塩酸を主成分とするH
PO、HSO、HNO等の混酸を利用してい
る。このエッチング工程より大量にAlを溶解した廃酸
が排出されている。
【0003】従来のこれら廃酸の処理方法としては、ア
ルミニウム屑を加えて廃酸中の遊離酸を中和するか、濃
縮して揮発性遊離酸の大部分を溜去回収した後に、排水
処理凝集剤PAC(ポリ塩化アルミニウム)の代替凝集
剤とするものであった。一方最近になって、AlCl
を焙焼熱分解しアルミナと塩化水素を回収することも試
みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記PAC代替塩化ア
ルミ凝集剤は廃酸に含まれる硝酸イオン、燐酸イオンを
含み、排水処理上澄液である最終放流水にこれらイオン
が微生物に対する富栄養源として混入する欠点があっ
た。一方上記の熱分解法は原料としての塩酸回収及び二
次汚染のないアルミナとして回収される好ましい方法と
考えられるが、エッチング廃液にそのまま適用する時は
次の欠点を有する。
【0005】即ち、本発明の目的とする廃酸は陰イオン
としてClのみならず、NO 、SO 2−PO
3−等から選ばれた少くとも一種を含むものである。こ
の中NO のみは濃縮過程でその一部がHNOとし
て溜出回収されるが、全部を溜出回収することは平衡上
困難である。また硫酸、燐酸等は不揮発性であり、遊離
酸としてあるいはアルミニウム塩として濃縮液中に残留
する。濃縮廃酸が硝酸根や硫酸根を含む場合、これらは
焙焼に際して、大気汚染防止上有害なNOx、SOxと
なるのでこれらの除去が厄介な問題となる。
【0006】又濃縮廃酸が燐酸根を含んでいる時は、こ
れが遊離の燐酸であっても、それは焙焼に際して燐酸ア
ルミニウムの形で固定されアルミナ中に混入することに
なる。燐酸アルミニウムは熱的に安定な化合物であり、
かつ水に対する溶解度も極めて小さいのでアルミナと分
離することは困難で、折角焙焼によって回収したアルミ
ナの品質を阻害する。
【0007】本発明は、上記の様な焙焼に伴う大気汚染
を防止し、かつ燐酸根を含まない高純度のアルミナを回
収するという課題を解決しようとするものである。同時
に高価な燐酸を主目的とし、各酸を回収して循環使用す
る方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の取扱う廃液処理
上の課題は、先ず廃液中に含まれるPO 3−イオン、
SO 2−イオンあるいはNO イオンを如何に酸と
してAlClと分離するかにある。本発明は、これら
の分離酸を塩酸と共に回収再利用すると同時に、純度の
高いアルミナも回収し、セラミック原料として再資源化
するといった二次汚染のない廃液の処理方法を提供する
ものである。
【0009】以下図面を用いて本発明を説明する。全工
程を図1にブロックフローで示す。アルミニウム箔エッ
チングより排出された廃酸は通常数wt%のAlイオン
とHClの外、1%内外のHNO、HSOあるい
はHPO等の無機酸又は酸根を溶含している。これ
が蒸発濃縮により重量で1/5〜1/6に濃縮減量さ
れ、本濃縮により留出した塩酸、一部の硝酸等を含む揮
発性酸は多量の水蒸気と共に間接冷却され凝縮液として
回収される。濃縮液はPAC凝集剤代替品として排水処
理に、凝縮液は成分調整の上エッチングに再利用される
のが従来技術の代表例である。
【0010】
【図1】
【0011】本発明は、この濃縮液に35〜100%の
濃度の塩酸水溶液又はHCl含有ガス、好ましくは濃度
90〜100%のHCl含有ガスを混合又は吸収させ、
濃縮溶液中の遊離HClの濃度を上げて行くことにより
AlCl・6HOの結晶を析出させ遊離の無機酸を
塩酸中に回収するものである。
【0012】廃液の濃縮度は、Al3+イオンとして4
〜6wt%程度が好ましくAlClとして略20〜3
0wt%である。これ以下ではHClの使用量やエネル
ギー的に不経済となり、30wt%以上では不純な結晶
が析出し易くなり、操業上不都合である。
【0013】所でHO−AlCl系のAlCl
溶解度は例えば25℃において溶液全体に対して約31
wt%であり、HCl以外の無機酸を10%程度含んで
いても、それらを除いたHO−AlCl系として計
算すれば、純粋系の溶解度曲線とあまり違わないことが
発明者らの実験で明らかになった。
【0014】なお廃液はそのままで数wt%のAlCl
相当分を含み、晶析時の溶解度は<1wt%に出来る
ので特に濃縮を行わなくても本発明の分離回収プロセス
は成立する。エネルギー的には濃縮した方が一般によ
く、濃縮するのであれば前記の濃度が適当である。
【0015】今、この溶液に、塩酸あるいはHClを加
えてHClの濃度を上げて行くと、HCl濃度が他の無
機酸を含まない場合約25wt%に至るまでその濃度に
対してAlClの溶解度は直線的に落ちて行く。本発
明の様に無機酸を10wt%前後含む場合は無機酸を除
いて計算したときHCl濃度27wt%程度迄略同じ溶
解度曲線上をたどって直線的に溶解度が減少する。
【0016】即ち、AlClの飽和溶解度曲線はH
O−HCl−AlCl系の三角図表で表せば、H
が約69〜70wt%の位置を、HO 100%点の
対辺であるAlCl−HCl線に平行して、他の無機
酸を含まない場合はAlClが約5%、含む場合は約
3%となるまで略直進することがわかった。このこと
は、溶解度曲線が上記のAlCl濃度に達するまでは
HCl濃度の増加と共にHO−HCl線のHCl約3
0wt%(≒HO 70wt%)の点に向っているこ
とを示す。
【0017】この溶解度曲線は上記のAlCl濃度辺
りから、HCl 100%の頂点方向へ向って、即ちH
Clの高濃度側へ向って湾曲してくる。これらのこと
は、AlClの晶析の目的で塩酸を溶液に加える場
合、その濃度が約30wt%以上でないとAlCl
6HOの晶析はあり得ないことを示す。
【0018】本発明に於いて晶析のために加えるべき塩
酸の濃度として35wt%以上としたのは叙上の理由か
ら少くとも30wt%以上でないと晶出が原理的に起こ
らないことと、更に35wt%以下の濃度では、使用す
べき塩酸の量が多くなり過ぎて実用的でないことによ
る。而してHCl−HO系のHCl濃度は35wt%
以上より、高い程よいことはいうまでもない。HCl含
有ガスがHO以外の不活性ガスを含む時は、不活性ガ
スを除いたHO−HCl系においてHOの分圧は晶
析条件の液上のHO平衡分圧以下、HClの分圧は液
上の平衡分圧以上であることが望ましい。HOの分圧
がそれ以上であるときは吸収されたHOとHClの比
がHCl 35wt%以上である様な分圧までは実際は
ともかく原理的には差支えない。勿論、100%HCl
が平衡的には最良である。
【0019】HClの吸収は発熱反応であり、晶析に際
しては冷却を要する。AlClの溶解度は温度による
変化が0゜〜100℃に於いて小さいから吸収温度を高
くする方が冷却水の点で有利である。
【0020】晶析時の液相に於けるHClの濃度は高い
方が溶存AlClは少くなるが、母液を循環使用する
場合AlClが多少返送されてもエッチング用に再利
用することは可能である。それ故、液相のHCl濃度
を、つまり、晶析用HCl量と、洗浄用HCl量との和
を回収無機酸特にHPOとの比においてエッチング
用原液と等しいかそれ以下程度にしておけば、結晶を分
離した母液+洗液をそのまま稀釈することにより、後は
簡単な調整で再使用することも可能である。晶析に際し
ての好適なHCl濃度は実用上約20〜40wt%であ
り、好ましくは25〜35wt%である。
【0021】上記したHCl吸収晶析操作により濃縮液
中の大部分のAlイオンはAlCl・6HO結晶と
して析出させ、これを母液と結晶に遠心分離機等の固液
分離装置により分離させ濃縮液中に含まれるH
、HSO、HNO等の無機酸を母液中に、A
lイオンをAlCl結晶として分離回収するものであ
る。
【0022】分離したAlCl・6HOの結晶ケー
キは分離装置にもよるが、結晶の粒径によって通常10
〜40%の母液を粒間に含んでいる。一般に結晶粒径が
大きい程付着母液は少くなるが、結晶粒子内に包含され
る母液の量(これは洗浄によっては除き難い)は増大す
るとされている。いずれにせよ、粒間に含まれる母液は
出来るだけ除去することが、無機酸の回収率を上げ、か
つ分離結晶の純度を高める所以である。
【0023】この目的の為には結晶母液を置換するため
に洗浄することが肝要であり、洗浄液としてはAlCl
・6HOの溶解度の小さい30〜36wt%、好ま
しくは35wt%前後の濃度の塩酸を用いればよい。A
lClの溶解度は30wt%塩酸で約2wt%以下、
35wt%塩酸で約0.5wt%以下であるから、洗浄
によるAlCl・6HOの損失は少い。この操作に
より無機酸例えばHPOの回収率を約70%から9
9%程度に容易に高め得る。
【0024】一方、後述の様に分離回収したAlCl
・6HO結晶を熱分解して高純度のAlを得る
目的の為には、よく洗浄した結晶を用いる必要があるこ
とは勿論である。更にスリーナイン、ファイブナイン等
の高純度のものが要求される時は結晶の再溶解、再晶析
を繰返すことも必要である。この再晶析によって三価の
鉄分がよく除去されるが、母液から鉄分を除くには陰イ
オン交換樹脂を用いるとよい。
【0025】ここで得られた純度の高いAlCl・6
Oは羊毛精製、防腐剤染色、製紙等に用い得るの
は勿論高純度アルミナ原料としても有用である。
【0026】AlCl・6HOの分解の目的はAl
の取得とHClの回収とにあるが、それは流動
層、循環流動層、移動層反応器、スプレーロースター、
ロータリーキルン等の単独若しくは組合せによって行わ
れる。AlCl・6HOは200〜250°の低温
でも90%以上分解可能とされている。従って低温で間
接加熱を行いつつ少量の媒体ガス中で熱分解し高濃度の
HCl含有ガスを得、このガスを直接AlCl・6H
Oの晶析中に用いる様な操作も可能である。
【0027】 2AlCl・6HO→Al+6HCl+9H
【0028】に従って分解するとすると、完全な間接加
熱によって生成するHClの濃度は化学量論的にはHC
l 40mol% HO 60mol%、実際には流
動化の為に多少の不活性ガスが導入されるので間接加熱
分解によって生成するガスの組成は例えばHCl 35
mol%、不活性ガス8〜10mol%残りHOとい
った程度である。
【0029】しかし間接加熱が有利なのは低温分解であ
るから、この場合、若干のCl分が生成アルミナ中に残
留する。それ故、更に別の手段で、即ち直接熱ガスと接
触させる高温処理を行う必要が生じることはいうまでも
ない。この後の分解で生じる分解ガスの組成は、HCl
が例えば6〜7mol%、不活性ガス50〜60mol
%、残りHOといった様なものである。この間接加
熱、直接加熱の2段分解のメリットは高濃度のHClガ
スが直接得られる外に高温直接加熱一段分解と比較して
取扱うべきガス量が大幅に減少することである。
【0030】高温分解の場合、残留塩化物を合理的な滞
留時間内に0.1%以下程度迄に分解するのに必要な温
度は約850〜900℃であり、水蒸気の存在がこの分
解を促進する。しかし多量の水蒸気の存在はHClの吸
収濃度を下げるので適当に選ぶことが肝要である。
【0031】本発明に於ける無機酸、特にHClの流れ
は図1に従えば次の如くである。従来法による廃液の蒸
発濃縮の際に生成する凝縮液は硝酸の様な揮発性酸があ
るときはそれを少量含有する濃度5〜10wt%の稀塩
酸である。
【0032】この凝縮液は一部分はエッチング液の調整
に利用されることもある。残りは熱分解焙焼のAl
を分離後の排気ガスからHClを吸収する為に使用す
るのが好ましい利用法である。
【0033】AlとしてAl分を全て回収する場
合には、Cl分の損失は僅かとなるが、その補給には晶
析工程への100%HClガスあるいは結晶洗浄用の3
5%塩酸として補給するとよい。
【0034】高温一段分解の場合、焙焼生成物からAl
を除いた残りのガス、焙焼ガス中のHClは反応
方法にもよるが約10〜20mol%濃度であり、不活
性ガス50mol%前後、残り水分となる。このHCl
を水又は前述の廃液濃縮時の凝縮液である稀塩酸に吸収
させ、次いでCaClなどの塩を用いる抽出蒸留ある
いは加圧蒸留−常圧蒸留の組合せによる濃縮によって必
要に応じて100wt%HCl、あるいは35%塩酸を
製造し晶析工程あるいは洗浄工程に使用する。
【0035】一方洗浄液を合せた回収無機酸を含む分離
母液は、HCl濃度が30〜35wt%と相当に高いの
で常圧蒸留と分縮の組合せによって容易に100%HC
lと35%塩酸を得ることが出来る。これらは夫々晶析
工程分離工程における洗浄等に循環使用される。
【0036】母液蒸留塔の塔底液は少量のAlCl
含んでいるが、回収したHPO等の無機酸を当初の
エッチング用原液の数倍程度の濃度に含有するので、こ
れに先の廃液濃縮時の凝縮稀塩酸その他を加えて成分調
整の上、Al箔のエッチングに再利用することが出来
る。
【0037】
【実施例】実施例1 試薬によりアルミニウム箔エッチング廃液濃縮液の一例
としてAlCl:24.7wt%、HCl:1.4w
t%、HPO:3.9wt%、HNO:0.8w
t%の擬似液を124g調合し、この液に100%塩化
水素ガスを液温25℃に調節しながら37g吸収させ、
AlCl・6HOを析出させ、ガラスフィルターに
より母液と結晶ケーキに分離し、AlCl:1.6w
t%、HCl:27.9wt%、HPO:3.9w
t%、HNO:0.1wt%の分離母液83gを得
た。この時の母液中に含まれる燐酸の回収率は68%で
あった。
【0038】更にガラスフィルター上に残った結晶ケー
キを35%塩酸水溶液106gに懸濁し、再び濾過する
ことにより、付着母液を置換洗滌し、洗滌後の結晶ケー
キ89g、及びAlCl:0.4wt%、HCl:3
2.8wt%、HPO:1.2wt%、HNO
分析限界以下の洗滌濾液89gを得た。母液及び洗滌濾
液を合せた燐酸回収率は89%であった。又擬似液中の
AlClの93.5%が洗滌後の結晶ケーキとして回
収された。
【0039】実施例2 HCl 11部、HSO 1部、HPO 1.
5部、HO 86.5部から成る酸水溶液に1.23
4部(各重量部)のAl金属片を溶解し、AlCl
6.0wt%、HCl 5.9wt%、HSO
1.0wt%、HPO 1.5wt%、HO8
6.6wt%相当の水溶液を作り、これを模擬エッチン
グ廃液とした。
【0040】この液101.1gを濃縮し、AlCl
26.0wt%、HCl≒0、HSO 4.2w
t%、HPO 6.4wt%残りHOの濃縮液2
3.5gを得た。
【0041】この濃縮液を冷却しつつボンベからの10
0%HClガスを液温25℃を保ちつつ5g吸収させた
所AlCl・6HOの白色結晶が析出した。
【0042】この結晶をガラスフィルターで空気加圧下
に濾過し、更に35%塩酸17.1gを数回に分けて注
ぎ良く洗浄した。母液並びに洗浄液を集めたものは3
2.1gであり、その組成はwt%でAlCl 0.
2、HCl 31.5、HSO 3.1、HPO
4.7、HO 60.5であった。この液に35
%塩酸2.5gとHO 65.4gを加えたものの組
成は約0.05wt%のAlClを含む外は始めの酸
水溶液の組成に略等しいものであった。
【0043】実施例3 実廃液濃縮液でAlCl:27.2wt%、HCl:
痕跡、HPO:6.3wt%、HSO:0.1
wt%、HNO:1.5wt%組成のものを275g
秤り取り、これに100%塩化水素ガスを液温65℃に
調節しながら45g吸収させ、AlCl・6HOを
析出させて、ガラスフィルターを用いて大気の下で母液
と結晶ケーキに分離した。
【0044】分離母液はAlCl:1.7wt%、H
Cl:25.9wt%、HPO:8.9wt%、H
SO:0.1wt%、HNO:0.16wt%の
濃度のもの140g、結晶ケーキ180gを得た。
【0045】この時の回収母液中に含まれる燐酸の回収
率は72%、結晶ケーキに含まれるAlClの回収率
は98%であった。この結晶ケーキを35wt%塩酸溶
液246gに再懸濁濾過、洗滌し、洗滌濾液212gを
得た。その組成はAlCl:0.4wt%、HCl:
33.0wt%、HPO:1.8wt%、HN
:痕跡であった。
【0046】一回目の洗滌濾液と母液に含まれる燐酸回
収率は、93%であった。更に35wt%塩酸211g
で結晶ケーキを洗滌し、この時得られた二回目の洗滌濾
液は203g、組成AlCl:0.3wt%、HC
l:33.8wt%、HPO:0.22wt%、H
NO:痕跡であった。
【0047】母液及び1,2回目の洗滌濾液に回収され
る燐酸の総合的回収率は夫々96%,98%であり,2
回目の洗滌結晶ケーキに含まれるAlClの回収率は
96%であった。
【0048】実施例4 実施例1、及び3で得られた洗滌後の結晶ケーキを水蒸
気雰囲気下、850℃で焙焼して得られたAl
純度は夫々96%と99%であった。
【0049】
【発明の効果】本発明は電子機器の急速な発達に伴って
需要の急増するコンデンサー用アルミニウム箔のエッチ
ング処理から排出される、従来取扱処分に困難を感じて
いた廃液から、高価なHPO等が回収されるのみな
らず、殆んどクローズドサイクルで酸類の循環使用が出
来る方法を提供すると共に、アルミニウム分は原料に起
因されるNOx、SOx等の発生の少い状態で熱分解し
高純度のAlとして利用する道を拓いたものであ
り、産業上極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様の一例を示すブロックフロー
チャートである。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 HNO、HSO及びHPO
    ら選ばれた少なくとも一種の無機酸とHClとの混合酸
    水溶液でアルミニウム箔をエッチングする際に排出され
    るAlClを主成分の一つとして含むエッチング廃液
    をそのまま、又は濃縮したものに、濃度35%wt以上
    の塩酸、もしくはHCl含有ガスを導入して、系内のH
    Cl濃度を増大させることにより、大部分のAlをAl
    Cl・6HO結晶として晶析分離させると共に、
    晶を分離した母液を回収してエッチング用に再利用する
    ことを特徴とするアルミニウム箔のエッチング廃液を処
    理する方法。
  2. 【請求項2】 分離されたAlCl・6HO結晶
    を、濃度30〜36%wt塩酸で洗浄するか、あるいは
    再晶析を行って精製すると共に、結晶を洗浄した洗浄液
    を回収してエッチング用に再利用する請求項1記載のア
    ルミニウム箔のエッチング廃液を処理する方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の母液と請求項2記載の洗
    浄液を合わせて蒸留し、過剰のHClを晶析用及び/又
    洗浄用に回収すると同時に、蒸留残液中に不揮発の無
    機酸を回収してエッチング用に循環使用することを特徴
    とするアルミニウム箔のエッチング廃液を処理する方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載または請求項2記載の晶析
    分離されたAlCl・6HO結晶をそのまま又は精
    製したものを、結晶ケーキのまま、スラリーとして、又
    は再溶解した水溶液として供給し、水蒸気を含む加熱雰
    囲気下において熱分解処理し、分解生成物としてHCl
    とAl を得ることを特徴とするアルミニウム箔の
    エッチング廃液を処理する方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の分解生成物であるHCl
    を、晶析精製用及び/又は回収エッチング液の成分調整
    用のHClガス又は塩酸として回収するか、あるいは分
    解生成物であるHClを水溶液として回収すると共に、
    晶析の際に生成する母液、洗浄液等の高濃度の塩酸を含
    む溶液と共に蒸留精製し、HCl含有ガスと、濃塩酸
    回収無機酸溶液とを得、HCl含有ガスはAlCl
    6HOの晶析用に、濃塩酸は晶析用及び/又は結晶の
    精製用に、また回収無機酸溶液はエッチング用に夫々
    環使用し、更にもう一方の分解生成物であるAl
    は高純度セラミック原料として回収することを特徴とす
    るアルミニウム箔のエッチング廃液を処理する方法。
JP3214843A 1991-05-21 1991-05-21 アルミニウム箔のエッチング廃液を処理する方法 Expired - Lifetime JP2981931B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3214843A JP2981931B2 (ja) 1991-05-21 1991-05-21 アルミニウム箔のエッチング廃液を処理する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3214843A JP2981931B2 (ja) 1991-05-21 1991-05-21 アルミニウム箔のエッチング廃液を処理する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04346680A JPH04346680A (ja) 1992-12-02
JP2981931B2 true JP2981931B2 (ja) 1999-11-22

Family

ID=16662467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3214843A Expired - Lifetime JP2981931B2 (ja) 1991-05-21 1991-05-21 アルミニウム箔のエッチング廃液を処理する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2981931B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08333690A (ja) * 1995-06-06 1996-12-17 Nippon Aqua Kk エッチング液の再生方法
KR100393018B1 (en) * 2002-06-17 2003-08-02 An Chang Yong Process of treating waste nitric acid solution used in aluminum etching for recycling the same
JP5228389B2 (ja) * 2007-07-18 2013-07-03 栗田工業株式会社 塩化アルミニウム溶液の臭気低減方法
US9851579B2 (en) 2012-08-01 2017-12-26 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Optical sheet, light-emitting device, method for manufacturing optical sheet, and method for manufacturing light-emitting device

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04346680A (ja) 1992-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4222989A (en) Method for the manufacture of pure aluminum oxide from aluminum ore
US5993758A (en) Process for recovery of alumina and silica
US3620671A (en) Process for the acid treatment of aluminous ores for the recovery of alumina
SU969670A1 (ru) Способ получени чистой окиси алюмини
US4981664A (en) Method of production of high purity silica and ammonium fluoride
US4382916A (en) Method of preparing hydrochloric acid and high purity ferrous sulfate hydrate crystals from hydrochloric acid waste pickle liquor
US3311449A (en) Process of recovering valuable components from red mud
US4237102A (en) Process for obtaining pure alumina by the hydrochloric attack of aluminous ores and extraction of the impurities by means of a sulphuric treatment
CN111348669A (zh) 一种六氟铝酸钠的制备方法
US4124680A (en) Method of obtaining pure alumina by acid attack on aluminous minerals containing other elements
CA1199473A (en) Method of producing anhydrous aluminum chloride from acid leach-derived ach
JPH0480908B2 (ja)
US3838189A (en) Two-stage process for producing soda ash from trona
US5165907A (en) Method of production of high purity silica and ammonium fluoride
JPH0260606B2 (ja)
US4885148A (en) Production of monobasic potassium phosphate with low chloride content from potassium chloride and phosphoric acid produced from the commercial wet process
JP2981931B2 (ja) アルミニウム箔のエッチング廃液を処理する方法
JP3955092B2 (ja) 解離されたジルコンを処理する方法
US4366129A (en) Process for producing alumina and ferric oxide from aluminium carriers with high iron and silicon content
US5853685A (en) Process for the production of high purity silica from waste by-product silica and hydrogen fluoride
US4965061A (en) Process for removing fluoride from a wastewater and producing hydrofluoric acid therefrom
JPS6041006B2 (ja) チオシアン酸ナトリウムの回収方法
US2862788A (en) Process for purifying impure solid-phase kainite
US3816590A (en) Method and apparatus for providing a pure concentrated aqueous solution of aluminum nitrate
US4610853A (en) Process for producing purified monoammonium phosphate from wet process phosphoric acid

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924

Year of fee payment: 12