JP2981901B2 - 水中音響変換器用圧電素子 - Google Patents

水中音響変換器用圧電素子

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、合成ゴム等の有機基材に圧電磁器粉末を配
合してなる圧電複合材料を用いて形成され、水中に音波
または超音波を送出したり、また逆に水中を伝播する音
波または超音波を受波する水中音響変換器に用いられる
圧電素子に関する。
[従来技術] チタン酸鉛(PbTiO3)等の異方性のある圧電磁器の粉
末はペロブスカイト構造をもつ強誘電体材料であり、こ
のため種々の圧電材料や焦電材料として広く使用されて
いるが、特に最近では水中での圧電定数dh(d33+2
d31)及びgh(=dh/ε)が大きいことからハイドロフォ
ンなどの水中音響変換器用圧電材料として注目されてい
る。
このような水中音響変換器用圧電材料としては、音波
又は超音波を効率よく水中へ放射したり受波し得るよう
に水との音響整合性がよく、かつ水中深く浸漬してもそ
の水圧に充分耐え得る強度を有するように低密度、可撓
性に富んだ圧電材料が要求される。
そしてかかる要望に応えるものとして、チタン酸鉛等
の粒子を作成し、これを合成ゴムなどの有機基材中に混
合した複合材料が提案されている。
[発明が解決しようとする課題] 圧電定数dh,ghを高くするためには、有機基材中にお
ける異方性のある圧電磁器、例えばPbTiO3,BiFeO3,Bi5T
iNbWO15(混合層状複合ビスマス酸化物),チタン酸鉛
・ビスマスフェライト固溶体等の粉末の体積割合を増加
させれば良いことは一般的に知られている。
ここで圧電定数dhはdh=d33+2d31の関係があり、圧
電定数d31は負の値をとるから、上述の圧電定数dhの上
昇は圧電定数d33の向上に起因するものである。ところ
で、圧電定数d33を高めると通常圧電定数d31の絶対値も
高くなる。そしてこのように圧電定数d31の絶対値が高
くなると、圧電定数dhの向上を阻害するだけでなく、圧
電変換器に付与される径方向の振動はノイズの原因とな
るが、この径方向振動に対する応答出力が増大して該ノ
イズが大きくなり受波特性が低下する。
本発明は、圧電定数dhが高く、しかも圧電定数d31
絶対値の低い特性の優れた、水中音響変換器に用いる圧
電素子の提供を目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、有機基材中に圧電磁器粉末を体積割合で65
%以上含有し、かつ圧電磁器粉末を大粒径のものと、小
粒径のものとを所定の割合で混合することにより、相対
密度(理論密度ρcalに対する実測密度ρmeasの百分
率)が93.00〜97.00%となるように気孔を形成してなる
圧電複合材料を、圧力を厚み方向に印加して平板状に加
硫成形した後、該圧力の印加方向に分極し、その表裏面
に電極を配設して構成したことを特徴とする水中音響変
換器用圧電素子である。
[作用] 圧電複合材料において、その実測密度ρmeasと、各構
成成分から割り出した理論密度ρcalとは相違する。こ
れは圧電複合材料中に気孔が介在するためであると考え
られ、従って相対密度により気孔の含有量を特定するこ
とができる。
そこで相対密度が93.00〜97.00%である圧電複合材料
を用いる。この相対密度により特定される気孔を内在し
た圧電複合材料にあっては、後述の各試験により示され
る様に、これを平板状に加圧すると、その加圧方向では
各磁器粉末は密に充填され、径方向では前記圧電複合材
料中に含有された気孔が径方向へ分散して疎の状態とな
る。換言すれば厚み方向では各粉末は密に連続するが径
方向では前記厚み方向の連続粉末と連続粉末との間に空
気層が介在するという状態となる。このため、厚み方向
の振動に対しては変換効率が良好となり、圧電定数d33
の値が向上する。一方径方向では各空気層が緩衝層とな
って、該径方向振動が緩和され、このため圧電定数d31
の絶対値が小さくなる。
ここで、相対密度93.00〜97.00%は、圧電磁器粉末を
大粒径のものと、小粒径のものとを所定の割合で混合す
ることにより達成される。すなわち、有機基材中の圧電
磁器粉末の量を増大した場合にあって、大きな平均粒径
のものによって該粉末を構成したものは、その密度の上
昇と共に各粒子が密接しあって、その間に比較的大容積
の間隙を生じる。このため有機基材と、圧電磁器粉末と
の混合過程で、材料中に混入した空気が該間隙中に閉じ
込められて大きな気孔を生じ易い。一方、小さな粒径の
ものあっては、圧電磁器粉末の表面積が著しく増大する
から、圧電磁器粉末と有機基材との粒界に形成された小
さな気孔が空気層となって増大することが考えられる。
そこで、大粒径のものと、小粒径のものとを所定の割合
で混合すれば、大粒径のものの間に小粒径のものが介在
することにより、粒子間に密閉状の間隙が生じることが
ないため粒子間に有機基材が均一状に混入され、また粒
子の単位重量あたりの表面積も減少して、粒界に生じる
気孔の発生を抑制することができ、上述の相対密度を達
成することができる。
一方、有機基材中の圧電磁器粉末の混合量が体積割合
で65%以下であると、各粒子が有機基材に囲まれて、粒
子間に気孔を所定の形態で形成することができない。こ
のため、相対密度が高くなる(気孔が減少する)と共
に、気孔自体の振る舞いが径方向における粒子相互の緩
衝作用を果たすという所要の役割を達成することができ
ず、圧電定数比d31/d33の絶対値が大きくなり、しかも
磁器粉末の量が少ないために圧電定数dhの値が小さくな
る。従って所期の効果を達成するためには有機基材中に
圧電磁器粉末を体積割合で65%以上含有したものに限定
される。
そしてかかる構成からなる圧電素子はその表裏面に電
極を形成して水中音響変換器に用いられ得る。
[実施例] <相対密度の調製> 有機基材中の圧電磁器粉末の量を増大した場合にあっ
て、大きな平均粒径のものによって該粉末を構成したも
のは、その密度の上昇と共に各粒子が密接しあって、そ
の間に比較的大容積の間隙を生じる。このため有機基材
と、圧電磁器粉末との混合過程で、材料中に混入した空
気が該間隙中に閉じ込められて大きな気孔を生じ易い。
一方、小さな粒径のものあっては、圧電磁器粉末の表面
積が著しく増大するから、圧電磁器粉末と有機基材との
粒界に形成された小さな気孔が空気層となって増大する
ことが考えられる。
すなわち、両者の間隙の形成メカニズムは夫々異なる
としても、粒径が過大であっても過小であってもその配
合量が増大することにより気孔含有量が増加することが
予想されるのである。
そこでかかる知見に基づき、大粒径のものと、小粒径
のものとを所定の割合で混合すれば、大粒径のものの間
に小粒径のものが介在することにより、粒子間に密閉状
の間隙が生じることがないため粒子間に有機基材が均一
状に混入され、また粒子の単位重量あたりの表面積も減
少して、粒界に生じる気孔の発生を抑制することができ
ると考えた。
従って、相対密度の調製は大粒径と小粒径のものの混
合比を換えることにより達成できることとなる。
そこで平均粒径7.3μm及び31.8μmのチタン酸鉛粒
子群(PT)を用意し、夫々単独のものと、両者を1:5,1:
2,1:1,2:1及び5:1の割合で配合したものを、クロロプレ
ンゴムと混合し、その配合比がチタン酸鉛粒子の体積割
合を50%,55%,60%,62.5%,65%,70%,72.5%,75%,7
7.5%とする50種類の混合試料を作成して、相対密度
(理論密度ρcalに対する実測密度ρmeasの百分率)を
測定した。第1図はこの結果をプロットしたものであ
る。この結果から体積割合が高いものはその粒子の配合
比を変えることにより相対密度を変化させることができ
ることが理解される。
<試験条件> 上述のように相対密度を変化させるために、平均粒径
7.3μm及び31.8μmのチタン酸鉛粒子群(PT)の配合
比を変え、かつクロロプレンゴムに対する粒子の体積割
合を変化させた圧電複合材料を多数用意し、これに加硫
剤を加え、混練後、平面方向に100〜150Kg/cm2の圧力を
印加しながら80mm各(厚み0.5mm)の平板状に加硫成形
し、さらに銀ゴム電極付け,分極の各工程を順次行な
い、こうして形成された圧電素子1a,1bを第2図の様に
φ30の円板に切り出し、二枚を中心が陽極に、外側面が
負極になるように貼り合せ、各電極にケーブル2a,2bを
各極に接続し、さらにこれをダンピング材3に貼り付け
て、ポリウレタン樹脂4でモールドして圧電ゴムからな
る水中音響変換器を構成した。そして各特性を測定し
た。
この結果、次表及びこれをプロットした第3図の関係
を得ることができた。
尚、表中本願の発明の範囲内の試料には*記号を付し
て示す。
上記の表にあって圧電定数d31は圧電定数dh=d33+2d
31の関係から圧電定数dh,d33によって計算により求め
た。ここで圧電定数d33は高く、負の値である圧電定数d
31の絶対値は低いことが望ましい。そこで圧電定数比d
31/d33を求めて、これと相対密度との関係を第3図でプ
ロットした。
この値によって示されるように、相対密度が97.00%
を越えると、圧電定数比d31/d33は−0.1以下となり、一
方97.00%以下となると急激にその絶対値が零に近付
き、ノイズが少なくしかも出力が高くなり、受波特性の
改善が見られた。
この理由は、適性量の気孔を内在した圧電複合材料を
用いて、これを平板状に加圧すると、その加圧方向では
各磁器粉末は密に充填され、径方向では前記圧電複合材
料中に含有された気孔が径方向へ分散して疎の状態とな
り、このため径方向では各空気層が緩衝層となって、該
径方向振動が緩和されることによるものと考えることが
できる。
尚、93.00%未満となると気孔過剰となり、このため
安定した分極処理を施すことができなくなったり、圧電
定数d33が低下する。従って相対密度の有効範囲は93.00
〜97.00%とすることができる。
一方、有機基材中の圧電磁器粉末の混合量が体積割合
で65%以下であると、各粒子が有機基材に囲まれて、粒
子間に気孔を所定の形態で形成することができない。こ
のため、相対密度が高くなる。(気孔が減少する)と共
に、気孔自体の振る舞いが径方向における粒子相互の緩
衝作用を果たすという所要の役割を達成することができ
ず、圧電定数比d31/d33の絶対値が大きくなり、しかも
磁器粉末の量が少ないために圧電定数dhの値が小さくな
る。
従って所期の効果を達成するためには有機基材中に圧
電磁器粉末を体積割合で65%以上含有したものに限定さ
れる。
この圧電低定数d31が零近くなると、圧電素子に付与
される径方向の振動は、ノイズの原因となるがこの方向
による出力の発生が抑制され、受波特性が向上すること
となる。
またPZT磁器粉末を用いた従来の圧電複合材料は、チ
タン酸鉛粒子に比して圧電定数d33が高いという良好な
特性を持っているが、反面において圧電定数d31の絶対
値も高く、その有用性を減殺されていた。ところが、上
述の様に相対密度が93.00〜97.00%である本発明のPZT
系圧電素子は圧電定数d31を小さく、このためPZT系材料
にあって、その有用性をさらに引き出し得ることとな
る。
尚、各実施例にあっては、チタン酸鉛粒子での試験値
を示したが、本発明は気孔の物理的振る舞いに依存する
ものであるから、上述のPZTの他、種々の圧電磁器粉末
を用いたものにあっても同様の作用効果を奏し得るもの
である。
また相対密度の調製手段は上述の二種の異なった粒径
のものを混合するほかに、他の調製手段も採用され、一
種の粒径群からなる圧電磁器粉末を使用しても良い。
[発明の効果] 本発明の圧電素子は、有機基材中に分散される圧電磁
器粉末を大粒系のものと、小粒径のものとを所定の割合
で混合することにより、相対密度が93.00〜97.00%とな
るように気孔を形成した圧電複合材料を分極方向と同じ
方向に圧力を印加して平板状に形成したものであって、
該面方向において有機基材中に分散される磁器粉末間に
気孔が形成され、その緩衝作用により面方向の圧電定数
d31が減少し、このため径方向振動によるノイズの発生
を除去でき、水中音響変換器の特性を向上し得る等の優
れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は混合粒子の混合比と相対密度との関係を示すグ
ラフ、第2図は本発明の試料として用いる水中音響変換
器の構成を示す縦断側面図、第3図は相対密度と圧電定
数比d31/d33の関係を示すグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機基材中に圧電磁器粉末を体積割合で65
    %以上含有し、かつ圧電磁器粉末を大粒径のものと、小
    粒径のものとを所定の割合で混合することにより、相対
    密度(理論密度ρcalに対する実測密度ρmeasの百分
    率)が93.00〜97.00%となるように気孔を形成してなる
    圧電複合材料を、圧力を厚み方向に印加して平板状に加
    硫成形した後、該圧力の印加方向に分極し、その表裏面
    に電極を配設して構成したことを特徴とする水中音響変
    換器用圧電素子。
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JP7143524B2 (ja) 2019-06-28 2022-09-28 富士フイルム株式会社 高分子複合圧電体および圧電フィルム

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