JP2981790B2 - ポリエステルグラフト化ポリアミドを添加した樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステルグラフト化ポリアミドを添加した樹脂組成物

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JP2981790B2
JP2981790B2 JP22609891A JP22609891A JP2981790B2 JP 2981790 B2 JP2981790 B2 JP 2981790B2 JP 22609891 A JP22609891 A JP 22609891A JP 22609891 A JP22609891 A JP 22609891A JP 2981790 B2 JP2981790 B2 JP 2981790B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂添加剤として有用な
グラフト共重合体を用いた樹脂組成物に関する。更に詳
しくは、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル及び/
又はポリカーボネート樹脂の改質剤又は相溶化剤として
ポリエステルグラフト化ポリアミドを使用することを特
徴とする樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリア
ミドは優れた強度、靭性、耐磨耗性、耐熱性を有し、繊
維、成形材料等として幅広く用いられている。しかしな
がら、ポリアミドは吸水による寸法変化、機械的性質の
低下などの欠点を有し、さらに結晶性を有するため溶融
成形後冷却される間の収縮が大きく成形物の寸法精度の
狂いやソリを招く欠点も有していた。このためにポリア
ミド樹脂は優れた樹脂でありながら、それ単独では成形
材料としての市場性が限定される場合もあった。
【0003】このようなポリアミドの欠点を補うべく他
の熱可塑性樹脂、例えば熱可塑性ポリエステルを混合す
ることが行われている。ところが、これら公知のポリア
ミドに対して熱可塑性ポリエステルを単純に混合するの
みでは相溶性が乏しいために、相分離が進行し機械的性
質の極めて脆い混合組成物しか得られなかった。
【0004】従来単純な混合による機械的強度の低下を
防止し、かつ両者の欠点を補うための混合法としては、
例えば、特開昭51−103191号及び特開昭56−
42645号に重合段階で混合する方法が提案されてい
るが、装置も大規模となり混合に時間を要するため実用
的ではなかった。
【0005】従って、より簡便な方法でポリアミド樹脂
及び熱可塑性ポリエステル及び/又はポリカーボネート
樹脂の両者のもつ優れた諸性能を損なう事なく両者の欠
点を改善された樹脂組成物を得ることを目的に鋭意検討
した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、押出機等
を用いた簡便な溶融混練によりポリアミド樹脂及び熱可
塑性ポリエステル及び/又はポリカーボネート樹脂を混
合することで、両者のもつ優れた諸性能を損なう事な
く、両者の欠点を改善された樹脂組成物を得ることを目
的に鋭意検討した結果、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリ
エステル及び/又はポリカーボネート樹脂及びβ−ヒド
ロキシアルキル化ポリアミド樹脂に脂肪族ポリエステル
をグラフト重合して成る変性ポリアミド樹脂を均一に混
合してなる樹脂組成物が驚くべきことに本発明の目的を
ことごとく満足することを見出し本発明に至ったもので
ある。
【0007】即ち本発明は、ポリアミド樹脂(a)、熱
可塑性ポリエステル及び/又はポリカーボネート樹脂
(b)、及びβ−ヒドロキシアルキル化ポリアミド樹脂
に対して脂肪族ポリエステルを前者50〜95重量%に
対して後者50〜5重量%の割合でグラフト重合して成
る変性ポリアミド樹脂(c)から成る樹脂組成物に関す
る。
【0008】本発明に用いられるポリアミド樹脂(a)
としては、三員環以上のラクタム、ω−アミノカルボン
酸、2塩基酸とジアミン等の重縮合によって得られる各
種のポリアミド樹脂が挙げられる。
【0009】具体的には、ε−カプロラクタム、アミノ
カプロン酸、エナントラクタム、7−アミノヘプタン
酸、11−アミノウンデカン酸等の重合体、あるいはブ
タンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレン
ジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレン
ジアミン、メタキシリレンジアミン等のジアミン類と、
テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セパチン
酸、ドデカン2塩基酸、グルタール酸等のジカルボン酸
とを重縮合することによって得られる重合体、またはそ
れらの共重合体が挙げられる。
【0010】さらに詳しくは、ナイロン46、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナ
イロン12、ナイロン612のような脂肪族ポリアミド
樹脂、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリヘキ
サメチレンイソフタルアミド、キシリレン基含有ポリア
ミドのような芳香族ポリアミド樹脂が例示できる。以上
掲げたポリアミド樹脂のなかでもナイロン6、ナイロン
66、ナイロン12が特に好ましい。
【0011】本発明に用いられるポリアミド樹脂(a)
の平均分子量としては10,000〜35,000の範
囲が好ましい。
【0012】本発明に用いられる熱可塑性ポリエステル
樹脂(b)としては、グリコール成分として炭素数2〜
6のグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ヘキサンジオール等のグリコールと、ジカルボン酸
成分として、例えばテレフタル酸、イソフタル酸及びそ
れらのハロゲン化核置換体、アルキル核置換体等のジカ
ルボン酸とを組合わせた骨格を有する熱可塑性ポリエス
テル樹脂等が挙げられ、具体的には、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリヘキシレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレー
ト、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン
−4,4′−ジカルボキシレートなどのほかに、ポリエ
チレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレン
イソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート/デカンジカルボキシレートなどのような共重
合ポリエステルが挙げられる。これらのうち機械的性
質、成形性などのバランスのとれたポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートが好ましい。
【0013】本発明に使用される熱可塑性ポリエステル
樹脂(b)の平均分子量としては10,000〜35,
000の範囲が好ましい。
【0014】本発明に用いられるポリカーボネート樹脂
(b)としてはビスフェノール類と炭酸あるいはそれら
の誘導体とから得られるものである。
【0015】ビスフェノール類の例としては、4,4′
−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテル、ビス(4−ヒド
ロキシ−2−メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−クロロフェニル)エーテル、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロ
フェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
ブロモフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジフルオロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジブロモフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−4′−メチルフェニルメタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−2,2,2−トリクロロエタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4′−クロロ
フェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキシルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシナフチル)−プロパン等があげられるが、最も一般
に用いられる代表的なものは、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンすなわちビスフェノールAと
呼ばれているものである。もし必要ならば前記ビスフェ
ノール類の混合物あるいはビスフェノール類と少量の他
の2価の化合物、例えば2,2′−ジヒドロキシジフェ
ニル、2,6−ジヒドロキシナフタレンの如きジヒドロ
キシナフタレン、ヒドロキノン、レゾルシノール、2,
6−ジヒドロキシクロロベンゼン、2,6−ジヒドロキ
シトルエン、3,6−ジヒドロキシトルエン等の混合物
を使用することができる。
【0016】ビスフェノール類あるいは炭酸の誘導体と
はこれらのエステル、塩、ハロゲン化物をさす。
【0017】また炭酸またはこの誘導体に加えて少量の
他の芳香族あるいは脂肪族ジカルボン酸あるいはその誘
導体を共重合成分として用いてもよい。
【0018】本発明で用いられるポリカーボネートは界
面重合法、溶液重合法、溶融重合法等の任意の方法で合
成される。
【0019】好ましい物性を有する樹脂組成物を得るた
めには平均分子量5,000〜100,000のポリカ
ーボネートを用いるのが好ましい。
【0020】本発明に用いられる変性ポリアミド樹脂
(c)とは、β−ヒドロキシアルキル化ポリアミド樹脂
(d)のヒドロキシアルキル側鎖末端の−OH基に脂肪
族ポリエステルであるポリカプロラクトンをグラフトさ
せたものである。
【0021】変性ポリアミド樹脂(c)を生成するため
に用いられるβ−ヒドロキシアルキル化ポリアミド樹脂
(d)とは、ポリアミド樹脂(f)にアルキレンオキシ
ドを付加させて得られるものである。
【0022】β−ヒドロキシアルキル化ポリアミド樹脂
(d)の生成に用いられるアルキレンオキシドは、炭素
数2〜4のものであればよく、好ましくは、エチレンオ
キシド、プロピレンオキシドが用いられる。
【0023】β−ヒドロキシアルキル化ポリアミド樹脂
(d)の生成に用いられるポリアミド樹脂(f)とは、
三員環以上のラクタム、ω−アミノカルボン酸、2塩基
酸とジアミン等の重縮合によって得られる各種のポリア
ミド樹脂である。
【0024】具体的には、ε−カプロラクタム、アミノ
カプロン酸、エナントラクタム、7−アミノヘプタン
酸、11−アミノウンデカン酸等の重合体、あるいはブ
タンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレン
ジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレン
ジアミン、メタキシリレンジアミン等のジアミン類と、
テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セパチン
酸、ドデカン2塩基酸、グルタール酸等のジカルボン酸
とを重縮合することによって得られる重合体、またはそ
れらの共重合体が挙げられる。
【0025】さらに詳しくは、ナイロン46、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナ
イロン12、ナイロン612のような脂肪族ポリアミド
樹脂、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリヘキ
サメチレンイソフタルアミド、キシリレン基含有ポリア
ミドのような芳香族ポリアミド樹脂が例示できる。
【0026】以上掲げたポリアミド樹脂のなかでも繰り
返し構成単位が、前記ポリアミド樹脂(a)と同一であ
ることが好ましく、例えば、ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン12が好ましく用いられる。
【0027】用いられるポリアミド樹脂(f)の平均分
子量としては、5,000〜35,000の範囲が好ま
しい。そして、ポリアミド樹脂(a)の平均分子量Ma
とポリアミド樹脂(f)の平均分子量Mf が近いほうが
好ましく、具体的には0.5≦Mf /Ma ≦1.5であ
ることが好ましい。
【0028】上記β−ヒドロキシアルキル化ポリアミド
樹脂(d)を得るにあたりポリアミド樹脂(f)に付加
させるアルキレンオキシド重量及びポリアミド樹脂
(f)のアミド結合の全数に対するβ−ヒドロキシアル
キル化されたアミド結合の比率は、特に限定されず目的
に応じて自由に変化させることができる。
【0029】β−ヒドロキシアルキル化ポリアミド樹脂
(d)を得る方法としては、従来公知の方法が用いられ
る。例えば「ジャーナル オブ ポリマー サイエン
ス」15巻、427頁(1955年)、特開平1−92
223号などに記載された方法が挙げられるが、特に製
法は限定されるものではない。
【0030】変性ポリアミド樹脂(c)の生成に用いら
れる脂肪族ポリエステル(e)としては、ポリカプロラ
クトンが好ましい。ポリカプロラクトン誘導体は1価ア
ルコールとε−カプロラクトンとの開環付加反応によっ
て得られる。そして、この開環付加反応は、テトラブト
キシチタネートや塩化第1スズ等の触媒の存在下に行な
うことができる。β−ヒドロキシアルキル化ポリアミド
樹脂(d)及び脂肪族ポリエステル(e)を用いて変性
ポリアミド樹脂(c)を生成する方法として、上記のよ
うな従来公知の開環付加反応を用いることができる。変
性ポリアミド樹脂(c)において、β−ヒドロキシアル
キル化ポリアミド樹脂(d)とβ−ヒドロキシアルキル
化ポリアミド樹脂(d)にグラフトされている脂肪族ポ
リエステル(e)から成る側鎖の長さ及びグラフト量は
特に限定されるものではなく、目的に応じて自由に変え
ることができる。
【0031】本発明の樹脂組成物は、前記ポリアミド樹
脂(a)、熱可塑性ポリエステル及び/又はポリカーボ
ネート樹脂(b)及び変性ポリアミド樹脂(c)から構
成されており、少なくとも上記3成分が含まれることが
必須である。
【0032】本発明の樹脂組成物のうち、変性ポリアミ
ド樹脂(c)を除いた残りの樹脂混合物は、ポリアミド
樹脂(a)及び熱可塑性ポリエステル及び/又はポリカ
ーボネート樹脂(b)で構成されており、その(a)成
分及び(b)成分の割合は特に限定されず、任意の割合
のものが使用できる。この樹脂混合物としては、好まし
くは、ポリアミド樹脂(a)が20〜95重量%、熱可
塑性ポリエステル及び/又はポリカーボネート樹脂
(b)が80〜5重量%の割合のものが使用される。
【0033】本発明の樹脂組成物中の変性ポリアミド樹
脂(c)の割合は特に限定しないが、好ましくは、1〜
40重量%の割合で使用される。
【0034】本発明の樹脂組成物の各構成成分の好まし
い割合は、ポリアミド樹脂(a)20〜95重量%と熱
可塑性ポリエステル及び/又はポリカーボネート樹脂
(b)80〜5重量%からなる樹脂混合物(a)+
(b)と変性ポリアミド樹脂(c)の重量比が(a)+
(b)/(c)=60/40〜99/1であるが、これ
に限定されるものではない。
【0035】又本発明の樹脂組成物に対して、ガラス繊
維、金属繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、チタン
酸カリウイスカー、炭素繊維、アスベストの様な繊維状
強化剤、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、酸
化チタン、酸化アルミニウム、ガラスフレーク、ミルド
ファイバー、金属フレーク、金属粉末の様な粒状の補強
剤を混入させても良い。とりわけチョップドストランド
タイプのガラス繊維を本発明の樹脂組成物に対し、重量
比で樹脂組成物/ガラス繊維=50/50〜90/10
の割合で混入させる事により、機械的強度、耐熱温度を
大幅に改善するのみならず、耐水性能についても、更に
改善をみる事が出来、本発明の目的を達成する上で好ま
しい。
【0036】なお、本発明の樹脂組成物においては更に
熱安定剤、酸化安定剤、光安定剤、滑剤、顔料、難燃化
剤、可塑剤等の添加剤を一種以上混入させてもよい。
【0037】本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に限
定されるものではないが、前記のポリアミド樹脂
(a)、熱可塑性ポリエステル及び/又はポリカーボネ
ート樹脂(b)、変性ポリアミド樹脂(c)、さらに必
要に応じて用いられる各種添加剤を、通常用いられてい
る方法により溶融混練することにより容易に製造するこ
とができる。混練機としては、例えば、押出し機、バン
バリーミキサー、スーパーミキサー、ロール、ニーダー
などが用いられるが、なかでも押出し機を用い、樹脂温
度180〜350℃の範囲の温度において溶融混練する
方法が有利である。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の各例において%及び部はそれぞれ重量
%及び重量部を示す。
【0039】[製造例]<変性ポリアミド樹脂の合成> [製造例1]ナイロン6のパウダー(宇部興産(株)製
宇部ナイロン6(022P)100部に対してアルカ
リ性化合物共存下エチレンオキシド5部を付加させたβ
−ヒドロキシアルキル化ポリアミド(日曹油化(株)製
ナイロン6−EOA−YIK−2SI以下EOA N
y−6と記す)を原料として使用したチッ素導入管、撹
拌棒、セパラブルフラスコを組み立てる前にそれらの装
置を乾燥器で150℃で1時間加熱した。それらを熱い
うちに組み立て、それに真空ポンプを備え付けたフラス
コにあらかじめ乾燥したEOA Ny−6 150gと
モレキュラシーブスで脱水したε−カプロラクトン(以
下ε−CLと記す)300gを仕込み、室温で撹拌しな
がら真空ポンプで減圧にし、1時間その状態で脱水す
る。真空ポンプを止めて、窒素で置換し、フラスコ内を
常圧にもどした。そして窒素雰囲気下オイルバスで23
0℃に加熱し、ナイロン粒子を溶融し、そして開環付加
反応触媒としてε−CLにとかした塩化第1スズ30mg
を滴下し、その後3.3時間重合した。そして、樹脂が
冷えないうちに金属棒でかき出し、それを室温まで冷ま
したあと粉さい機で粉さいし、それをメタノールで5回
クロロホルムで3回抽出し、乾燥した、その樹脂につい
て示差走査熱量計(以下DSCと記す)による熱分析を
行なったがEOA Ny−6及びポリカプロラクトン
(以下PCLと記す)に対応する結晶融解ピークは本来
のEOA Ny−6及びPCLの結晶融解ピークに比べ
いずれもより低温側にシフトしており、また赤外吸収ス
ペクトルによるとナイロン6のアミド基によるる吸収ピ
ークとPCLのエステル基による吸収ピークが確認でき
る。これらのことは本製造法によりEOANy−6にP
CLのグラフト化反応が起こったことを示している。
【0040】[製造例2]製造例1と、同様の方法で乾
燥した装置に乾燥したEOA Ny−6 150gと、
モレキュラシーブスで脱水したε−CL 300gをフ
ラスコに仕込み、製造例1と同様の方法でそれらを脱
水、その後窒素置換でフラスコ内を常圧にもどした。そ
して、窒素雰囲気下オイルバスで190℃に加熱し、1
時間懸濁状態で撹拌した。そして開環付加反応触媒とし
てヘキサンにとかしたテトラブトキシチタネート0.6
mgを滴下し7.5時間反応した。そしてそれを熱いうち
に金属棒でかき出し室温まで冷ましたあと粉さい機で粉
さいし、それをメタノールで3回、そのあとクロロホル
ムで3回抽出した。その樹脂についてDSCによる熱分
析を行ない製造例1と同じ結果を得た。
【0041】[比較例1]ポリカーボネート樹脂(三菱
ガス化学(株)製ユーピロンS−3000)とナイロン
6樹脂(宇部興産(株)製 ナイロン6 1013B)
とを表1の組成(1−a,b)でブラベンダー(250
℃,50rpm)で5分間溶融混練を行った。
【0042】[実施例1]上記ポリカーボネート樹脂及
びナイロン樹脂に加え、製造例に示した変性ポリアミド
樹脂を加え表1の組成で溶融混練した(1−c,〜
f)。その後それぞれのサンプルを用いて250℃,2
00kg/cm2 で厚さ3mmのプレス板をつくり、このプレ
ス板を破断し、その破断面を走査型電子顕微鏡にて撮影
した。表1にそれぞれの写真のポリカーボネート相、ナ
イロン相の分散粒径を示す。
【0043】
【表1】
【0044】これらの結果より単純にブレンドしたもの
のナイロン6又はPCの分散粒径と比較し、製造例1及
び2の変性ポリアミド樹脂を加えるとかなり小さくなる
ことがわかる。つまり、分散性が向上していることがわ
かる。また、破断面を見るとポリマーの界面で粒子が抜
けているのではなく、割れていた。これは変性ポリアミ
ド樹脂を加えたことによりポリマー同志の相容性が向上
したことを示している。
【0045】[比較例2]PBT樹脂(ポリプラスチッ
クス(株)製 ジュラネックス400FP)とナイロン
6樹脂(宇部興産(株)製 ナイロン6 1013B)
とを表2の組成(2−a,b)でブラベンダー(250
℃,50rpm)で5分間溶融混練を行った。
【0046】[実施例2]上記PBT樹脂及びナイロン
樹脂に加え、製造例2に示した変性ポリアミド樹脂を加
え、比較例2と同様に溶融混練した(2−c,d)。そ
の後実施例1と同様の方法でサンプルをつくり、その破
断面を走査型電子顕微鏡にて撮影した。表2にそれぞれ
PBT相、及びナイロン相の分散粒径を示す。
【0047】
【表2】
【0048】この結果により変性ポリアミド樹脂をナイ
ロン6とPBTに加えることにより樹脂の分散性が向上
したことが認められる。また、破断面についても界面の
接着性の向上のため、粒子が割れておりこれは、樹脂の
相溶性が向上したためであろうと思われる。
【0049】[実験例1]実施例1の1−c,〜fにつ
いて、示差走査熱量計(以下DSCと示す)により熱挙
動を測定した。測定試料のDSC測定(温度範囲室温か
ら250℃,昇温速度20℃/min )を行い、得られた
DSC曲線をfirst heatとした。溶融状態の
まま測定試料を20℃/minの一定速度で冷却後、直ち
にDSC測定(温度範囲室温から250℃,昇温速度2
0℃/min )を行い、得られたDSC曲線をsecon
d heatとした。second heatの結果を
表3に示す。
【0050】
【表3】
【0051】これを見ると、PCに由来するTgが少し
ずつ低温側にシフトしていることがわかる。これは変性
ポリアミド樹脂によりPCとナイロン6の相容性が増し
たためと思われる。
【0052】[実施例3,比較例3]PC,Ny6及び
製造例1,2で得られた変性ポリアミドを実施例1,比
較例1の表1に示された割合と同様の割合でヘンシェル
ミキサーを用いて室温で10分間混合した。得られた樹
脂混合物を40mmφ単軸押出機により250℃で溶融混
練してペレットとし、これをスクリュータイプの射出成
形機にて同じく250℃で成形し、所定の試験片を作成
した。これらの試験片について、曲げ弾性率(サンプル
厚み3.2mm,測定温度23℃,以下FMと記す)をJ
IS K 7203にアイゾット衝撃強度(サンプル厚
み3.2mm,測定温度23℃,切削ノッチ付き,以下I
Sと記す)をJIS K 7110に、熱変形温度(サ
ンプル厚み3.2mm,曲げ応力4.6kgf/cm2 ,アニ
ールなし,以下HDTと記す)をJIS K 7207
に従って測定した。更に耐薬品性試験として試験片をサ
ラダオイルに23℃,7日間浸漬後、FMをJIS K
4203に従って測定し、その保持率を算出した。
【0053】[比較例4,5]比較のためにPC及びN
y6をそれぞれ実施例3に示した方法と同様な方法で溶
融混練、射出成形して試験片を得た。これらの試験片に
ついて、実施例3に示した方法と同様な方法により物性
を測定した。
【0054】実施例3,比較例3〜5で得られた物性測
定結果をまとめて表4に記載した。
【0055】
【表4】
【0056】
【発明の効果】一般に、異種重合物同志の混合は相溶性
が極めて悪く、均一な海−島構造を得る事は困難であ
り、得られる混合系組成物の成形片外観及び機械的物理
的化学的性能に好ましからざる影響を与える。しかるに
本発明において用いた変性ポリアミドは、ポリアミドを
幹成分としグラフト鎖としてポリエステルが共有結合に
よって結ばれ、また、そのポリエステル成分はポリエス
テル樹脂とだけではなく、更にポリカーボネート樹脂と
も相溶性を示す。そこで、このポリエステルグラフト化
ポリアミドをポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂及び/
又はポリカーボネート樹脂に添加することにより、優れ
た分散状態を有し、ポリカーボネート樹脂及びポリアミ
ド樹脂本来の諸性能を失なう事なく、欠点が大幅に改善
された樹脂成形物を得るに至ったのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 77:12) (C08L 77/00 69:00 77:12)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド樹脂(a)、熱可塑性ポリエ
    ステル及び/又はポリカーボネート樹脂(b)、及びβ
    −ヒドロキシアルキル化ポリアミド樹脂50〜95重量
    %に対して脂肪族ポリエステルを50〜5重量%グラフ
    ト重合して成る変性ポリアミド樹脂(c)から成る樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアミド樹脂(a)と熱可塑性ポリエ
    ステル及び/又はポリカーボネート樹脂(b)の重量比
    が(a)/(b)=20/80〜95/5であり、この
    樹脂混合物(a)+(b)と変性ポリアミド樹脂(c)
    の重量比が[(a)+(b)]/(c)=60/40〜
    99/1である請求項1記載の樹脂組成物。
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