JP2980127B2 - 露光方法及び装置、並びに半導体素子製造方法 - Google Patents

露光方法及び装置、並びに半導体素子製造方法

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JP2980127B2 JP10346495A JP34649598A JP2980127B2 JP 2980127 B2 JP2980127 B2 JP 2980127B2 JP 10346495 A JP10346495 A JP 10346495A JP 34649598 A JP34649598 A JP 34649598A JP 2980127 B2 JP2980127 B2 JP 2980127B2
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、適宜の感応物体に
対する照射エネルギー量の制御、及び照度均一化制御に
かかるものであり、特に露光光としてエキシマレーザ光
やX線等のパルスエネルギーを使用する露光方法及び装
と、そのような露光装置を用いた半導体素子の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、パルスレーザを光源とした露光装
置における露光量制御は、レーザ光が一般にパルス毎に
±10%程度のばらつきを有している上、短期的、長期
的にレーザ密度の低下現象があることから、各パルス毎
の光量を検出して積算し、この積算結果が所望の値とな
るまで発光を行なうという方法で行なわれていた。レー
ザ密度の低下現象は、ガスレーザを用いた場合に顕著で
あり、内部ガスの劣化に伴って出力の低下が起こる。
【0003】通常、内部ガスが劣化して出力が低下して
きた場合には放電印加電圧等を増加させたり、場合によ
っては部分的なガス交換を行って出力の低下を少なくす
る様な工夫がなされているが、一定のパルス数で所望の
露光量に制御することは困難であった。こうした中で、
例えば半導体素子製造用の露光装置における露光制御の
ように、より高い精度での露光量制御が要求される場合
の制御装置としては、例えば特開昭60−169136
号公報に開示されているものがある。
【0004】この装置は、感応体(レジスト付きウェハ
等)へ与える露光エネルギーを、適正露光量よりわずか
に少ない露光エネルギーを与える粗露光と、残りの必要
とされる露光エネルギーを与える修正露光の2段階に分
けることにより、全体として露光エネルギーのばらつき
を制御するようにしたものである。即ち、複数パルスで
1ショットの露光を行う場合、エネルギー量を小さくし
た最終パルスによって露光量を制御することにより、最
適露光量を得るようにしている。
【0005】尚、ここで1ショットとは一括露光方式の
場合は、マスクを介してウェハ全体に露光エネルギーが
照射されることであり、ステップアンドリピート方式
(後述)の場合は、ウェハ上の部分的な1つの領域に露
光エネルギーが照射されることである。ところで近年半
導体素子製造用の露光装置において採用されているステ
ップアンドリピート方式では、1枚のウェハを露光する
にあたって、露光すべき領域を複数の露光領域に分割
し、各露光領域毎に露光を行ない、1つの露光領域の露
光が終了した段階で次の露光領域に移動して再び露光を
行うという動作をくり返すことにより最終的にウェハ全
面の露光を行っている。
【0006】従って単位時間当たりの半導体素子の生産
量を多くするには、各露光領域の間の移動時間を極力短
くするとともに、各露光領域に於ける露光時間を短くす
ることが重要である。このため特開昭60−16913
6号公報に開示されている手段により露光を行う場合で
も、なるべく大きなエネルギーで粗露光を行い、修正露
光の時間を短くすることが必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、前述
の特開昭60−169136号公報に開示されたような
方法では、最小パルスに含まれるエネルギー量の誤差
(ばらつき)に対して何等配慮されていないため、依然
として露光量が適格に制御されず、適切な露光を行うこ
とができないという不都合がある。
【0008】又、最終パルスの設定エネルギーは、適正
露光量より粗露光分を差し引いた値となる為、最終パル
スの露光量を設定する手段のダイナミックレンジを大き
くとらなければならず、装置の複雑化を招く上、高い制
御精度が得られないという問題点がある。又、特開昭6
3−81882号公報に開示されているように修正露光
を複数パルスとして適正露光量を得る方法もあるが、こ
の場合においても露光時間が長くなるとともに、露光量
設定手段のダイナミックレンジが大きくなるという問題
点は解消されない。
【0009】さらに、上記のような修正露光で露光量を
調整する方法においては、修正露光時の1パルスのエネ
ルギー量及び露光パルス数が粗露光を完了した時点での
積算露光量に依存する為、各ショット毎に一定とならな
いという欠点が有る。即ち、露光エネルギー源がレーザ
光源の場合、レーザ光の持つ可干渉性により露光面にお
いてスペックルと呼ばれる照度むらが生じることが有る
が、上記の光量制御方法ではこのスペックルを効果的に
低減することができない。そこでこの問題について以下
に説明する。
【0010】スペックルは半導体素子製造のフォトリソ
グラフィー工程におけるパターン線幅のコントロールに
重大な影響を与えるので、例えば特開昭59−2263
17号公報に開示されているようにパルス光の発光毎に
スペックルパターン(又は干渉パターン)を移動させて
(レーザ光を振動させて)スペックルを最終的に平滑化
することも考えられている。
【0011】しかるにこの特開昭59−226317号
の方法と特開昭63−81882号の方法を組み合せ、
露光量を最適化しつつもスペックルを低減することを行
う場合、特開昭59−226317号公報に示されてい
る様に投影レンズの瞳面での光源像(レーザスポット)
を瞳面内に於てなるべく均一に分布させる必要が有る。
これを実現するには瞳面に於けるレーザスポットの点数
を一定とし、その整数倍のパルス数で露光を行うととも
に、露光中はレーザ強度を一定に保つ必要が有る。
【0012】ところが、前述の特開昭63−81882
号の方法では、修正露光時に露光強度を変える為、瞳面
に於て、修正露光時に対応する領域のみ他の領域より積
算エネルギーが低く、結果として充分にスペックルを低
減出来ない。そこで本発明は、かかる点にも鑑み、露光
量を要求される精度に応じて制御することができ、必要
に応じて効果的に照度均一化も可能で、かつ露光時間の
短縮も図ることのできる露光方法及び装置と、そのよう
な露光装置を用いて半導体素子の製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、その目的を達成
するための請求項1に記載した発明は、光源(10)か
ら発振されるパルスエネルギーをマスク(レチクルR)
に照射するとともに、マスク(R)を介して複数のパル
スエネルギーで感光性の基板(W)を露光する方法に適
用される。そして請求項1の発明においては、基板の適
正露光量(S)に関する情報と、基板上の露光領域(シ
ョット)内の所定点に照射すべきパルスエネルギーの露
光パルス数(N EXP )とに基づいて、その所定点に照射
される複数のパルスエネルギーの平均強度(P)を決定
し、この決定された平均強度に従ってパルスエネルギー
を基板上に照射するとともに、基板上でのパルスエネル
ギーの強度に関連する実測値(例えば受光素子24の出
力)に基づいて、光源の発振強度を調整する(例えば、
エキシマレーザ光源10内の共振器ミラーの間に高速減
光部13を設けてその透過率を調整する)ようにした。
【0014】また、請求項2に記載の露光方法は、請求
項1に記載の露光方法において、基板の露光に先立ち、
先に決定された平均強度に基づいてマスクに入射するパ
ルスエネルギーの強度を調整するものである。さらに請
求項3に記載の露光方法は、請求項1又は2に記載の露
光方法において、基板の露光中、前記実測値に基づいて
基板上での露光量に対応した値(Pa)を検出し、この
検出値及対応して設定される目標露光量に基づいて光源
の発振強度を調整するものである。
【0015】また、請求項4に記載の露光方法は、請求
項1〜3のいずれかに記載の露光方法において、適正露
光量に対するパルスエネルギーの積算値の制御精度
(A)が所定の許容範囲内となるように、パルスエネル
ギーの強度ばらつき(ΔP)に基づいて露光パルス数を
決定するものである。
【0016】さらに請求項5に記載の露光方法は、請求
項1〜4のいずれかに記載の露光方法において、パルス
エネルギーの照射によってマスク又は基板上に干渉パタ
ーンが生じる場合、露光パルス数は、干渉パターンのビ
ジビリティを所定精度まで低減させるのに必要なパルス
数(Nmin)以上に設定されるものである。また、請求
項6に記載の露光方法は、請求項5に記載の露光方法に
おいて、露光領域内の所定点に複数のパルスエネルギー
を照射する間に干渉パターンを移動するものである。さ
らに請求項7に記載の露光方法は、請求項6に記載の露
光方法において、パルスエネルギーが照射されるたびに
干渉パターンを移動するものである。
【0017】また、請求項8に記載の露光方法は、請求
項1〜7のいずれかに記載の露光方法において、パルス
エネルギーが照射されるたびに光源の発振強度を調整す
るものである。さらに請求項9に記載の露光方法は、請
求項1〜8のいずれかに記載の露光方法において、パル
スエネルギーをマスクに照射する照明系(12、13、
20、21、28〜30)内で分岐されるパルスエネル
ギーの一部を光電検出して前記実測値を得るものであ
る。
【0018】また、請求項10に記載の露光方法は、請
求項1〜9のいずれかに記載の露光方法において、前記
光源として、狭帯化波長安定機構を含む紫外域のパルス
レーザ光を射出する光源、又はX線等のパルスエネルギ
ーを射出する光源を用いるものである。
【0019】さらに請求項11に記載した発明は、光源
(10)から発振されるパルスエネルギーをマスク(レ
チクルR)に照射するとともに、マスクを介して複数の
パルスエネルギーで感光性の基板(W)を露光する装置
に適用される。 そして、請求項11に記載の露光装置
は、基板の適正露光量(S)に関する情報、及び基板上
の露光領域(ショット)内の所定点に照射すべきパルス
エネルギーの露光パルス数(N EXP )から決定される、
前記所定点に照射される複数のパルスエネルギーの平均
強度(P)に従って、パルスエネルギーを基板上に照射
する照明手段(12、13、21、28〜30)と、基
板の露光中、基板上でのパルスエネルギーの強度に関連
する実測値(例えば受光素子24の出力)に基づいて、
光源の発振強度を調整する(例えば、エキシマレーザ光
源10内の共振器ミラーの間に高速減光部13を設けて
その透過率を調整する)露光制御手段(14)とを設け
たものである。
【0020】また、請求項12に記載の露光装置は、請
求項11に記載の露光装置において、適正露光量に対す
るパルスエネルギーの積算値の制御精度(A)が所定の
許容範囲内となるように、パルスエネルギーの強度ばら
つき(ΔP)に基づいて露光パルス数を決定するもので
ある。 さらに請求項13に記載の露光装置は、請求項1
1又は12に記載の露光装置において、露光制御手段が
前記実測値に基づいて基板上での露光量に対応した値
(Pa)を検出し、この検出値及び対応して設定される
目標露光量に基づいて発振強度を調整するものである。
【0021】また、請求項14に記載の露光装置は、請
求項11〜13のいずれかに記載の露光装置において、
パルスエネルギーの照射によってマスク又は基板上に干
渉パターンが生じる場合、露光パルス数は、干渉パター
ンのビジビリティを所定精度まで低減させるのに必要な
パルス数(Nmin)以上に設定されるものである。 さら
に請求項15に記載の露光装置は、請求項14に記載の
露光装置において、露光領域内の所定点に複数のパルス
エネルギーを照射する間に干渉パターンを移動する照度
均一化手段(20、22)を更に設けるものである。ま
た、請求項16に記載の露光装置は、請求項15に記載
の露光装置において、照度均一化手段が照明手段を構成
するオプチカルインテグレータに対するパルスエネルギ
ーの入射角を変化させるものである。さらに請求項17
に記載の露光装置は、請求項15又は16に記載の露光
装置において、照度均一化手段がパルスエネルギーが照
射されるたびに干渉パターンを移動するものである。
【0022】また、請求項18に記載の露光装置は、請
求項11〜17のいずれかに記載の露光装置において、
照明手段がパルスエネルギーをマスクに照射する光学系
(12、13、21、28〜30)を有し、露光制御手
段がその光学系内で分岐されるパルスエネルギーの一部
を受光する光電素子(24)を有し、その光電素子の出
力を用いて前記実測値を得るものである。 さらに請求項
19に記載の露光装置は、請求項18に記載の露光装置
において、マスクに照射されるパルスエネルギーを基板
上に投射する投影光学系(PL)を更に設け、前記光学
系が投影光学系の瞳面に再結像される2次光源を形成す
るオプチカルインテグレータ(28)を有するものであ
る。
【0023】また、請求項20に記載の露光装置は、請
求項11〜19のいずれかに記載の露光装置において、
パルスエネルギーが照射されるたびに露光制御手段が発
振強度を調整するものである。 さらに請求項21に記載
の露光装置は、請求項11〜20のいずれかに記載の露
光装置において、前記光源を、狭帯化波長安定機構を含
む紫外域のパルスレーザ光を射出する光源、又はX線等
のパルスエネルギーを射出する光源としたものである。
【0024】また、請求項22に記載の半導体素子製造
方法は、請求項11〜21のいずれかに記載の露光装置
を用いて、マスクに形成される回路パターンを感光性の
半導体基板上に転写して半導体素子を製造するものであ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明に於ては、従来のように最
後の数パルス又は1パルスの光量を低下させて修正露光
を行なうことをしないので、ショット毎の露光時間が最
短かつ一定となり得る。また本発明では、露光すべき全
パルスにわたって露光エネルギーが所定の平均光量値に
なるように制御するとともに、各ショット毎のパルス数
をほぼ一定とする構成をとっている為、スペックルパタ
ーンをパルス光の照射に同期させて移動させることによ
り、最終的にスペックルパターンをほぼ完全に平滑化す
ることができる。
【0026】さらに本発明では、各パルス毎に光量を実
測し、各パルス毎に予め設定された目標露光量に基づい
てパルスエネルギーを調整するようにしていることか
ら、従来のようにショット領域に対する適正露光量にか
なり接近した段階でパルスエネルギーの調整を行なう場
合に比較して、パルスエネルギーを実測する計測手段や
次のパルスエネルギーを調整する調整手段のダイナミッ
クレンジが小さくて済み、露光量の制御精度を向上させ
ることができる。そこで以下、図面を参照して本発明に
よる方法の実施に好適な露光装置の構成とその動作とに
ついて説明する。
【0027】図1は本発明の実施例の構成を示し、ここ
ではレチクルR(第1物体)のパターンをウェハW(第
2物体)へ投影露光する半導体製造用の縮小投影露光装
置(ステッパー)に応用した構成を示す。図1におい
て、外部トリガパルスを出力するトリガ制御部9は、エ
キシマレーザ光等のパルス光を射出するパルスレーザ光
源10の発振を制御する。
【0028】このパルスレーザ光源10は、レーザチュ
ーブを挟んで両端に配置される2枚の共振ミラーの間の
一部にエタロン、分散素子等で構成される狭帯化波長安
定化機構を有し、安定共振器を持つレーザ光源として構
成されている。パルスレーザ光源10からの射出ビーム
LB0 は、例えば波長248nmのディープUV域であ
って、そのビーム断面は縦横比が1/2〜1/5程度の
長方形をしている。レーザビームはシリンドリカルレン
ズを組み合せたビームエクスパンダー12に入射し、エ
クスパンダー12はビーム断面を長方形からほぼ正方形
に整形してビームLB1 として射出する。
【0029】高速減光部13は入射したビームLB1 の
ビーム光量(エネルギー)を、例えば離散的な6段階又
は連続的に減衰させる。この高速減光部13は、レチク
ルRのパターンを投影レンズPLを介してウェハWに露
光している間に高速に減光率を切替えられるように構成
されている。一例としてレーザビームに対して透明な部
分と不透明な部分を有する2枚の明暗格子を一定の間隔
を置いて相対移動可能に配置したものが採用される。
【0030】図2は高速減光部13の一例を示す構成図
であり、高速減光部13は、2枚の明暗格子16a,1
6bと格子駆動部16cから成っている。明暗格子16
a及び16bは、石英ガラス等の紫外光に対して透過率
の良い材質のガラス板の上にクロム等の蒸着により紫外
光に対して不透明な部分を適当な間隔でスリット上に構
成したもので作られており、2枚の格子16a,16b
は適当な間隔で平行に並べられている。そして、一方の
格子16aはレーザビームLB1 に対して固定されてお
り、他方の格子16bには格子駆動部16cが結合され
ていて、光量制御部14からの指令により格子のピッチ
方向に微動するようになっている。
【0031】図3に明暗格子の部分拡大図及びその動作
を示す。格子のピッチをGP 、不透明部(遮蔽部)の幅
をGW とする。図3(a)に於ては2つの格子は全くず
れておらず、透明部と遮蔽部が一致している場合であ
り、入射光LB1 に対する減光率はGw/Gpとなる。図3
(b)は明暗格子16a(固定)と明暗格子16b(可
動)がΔdだけずれている場合であり、入射光LB1 に
対する減光率は(Gw+Δd)/Gpとなる。但し、Δdは
Gw>Δdの範囲である。
【0032】例えばGpを10μm、Gwを2.5μmとす
るとこの構成により入射ビームLB1 に対して出射ビー
ムLB1 は75%から50%まで減光可能である。この
例の場合はΔdの最大の移動量はGwで規定される為、最
大2.5μm移動させれば良い。従って格子駆動部16
cはピエゾ素子等を用いても充分に機能を果たすことが
出来、一般的なエキシマレーザ等の場合のくり返し周波
数100Hz〜500Hzに対して、各パルス発光毎に
完全に追随して制御可能であり、高速減光が実現出来
る。
【0033】図1の説明に戻って、所定の減衰を受けた
ほぼ平行なビームLB1 は干渉縞を含むスペックルパタ
ーンを平滑化するためスペックル低減部20を通過する
ことにより、微小な角度で一次元(又は二次元)に振れ
る振動ビームとなった後、ミラー21で折り返されオプ
チカルインテグレーターとしてのフライアイレンズ28
に入射する。
【0034】フライアイレンズ28は複数本のロッド状
のエレメントレンズを束ねたもので、その射出端にはエ
レメントレンズの数だけ2次光源像(ここではビームL
B1の部分光束の夫々の集光スポット)が形成される。
従ってフライアイレンズ28に入射するビームLB1
は、そのフライアイレンズ28の入射面における入射角
が時々刻々変化する。
【0035】図4はフライアイレンズ28の入射ビーム
と2次元光源像(スポット光)との関係を示し、特開昭
59−226317号公報に開示された原理に従う模式
的な説明図である。フライアイレンズ28の各ロッドレ
ンズ28aは両端に凸球面が形成された石英の四角柱で
ある。光軸AXと平行にビームLBb (平行光束)がフ
ライアイレンズ28に入射すると、フライアイレンズ2
8の各ロッドレンズ28aの射出端、又は射出端から所
定量だけ空気中に出た位置には、スポット光SPb が集
光する。
【0036】このスポット光SPb は図4では1つのロ
ッドレンズのみについて表わしたが、ビームLBb の照
射されるロッドレンズの全ての射出側に形成され、ビー
ムLBb に対して、各スポット光SPb はロッドレンズ
射出面のほぼ中心に集光される。さらに光軸AXに対し
て右に傾いた平行なビームLBc がフライアイレンズ2
8に入射すると、各ロッドレンズ28aの射出面の左側
にスポット光SPc として集光される。
【0037】従ってスペックル低減部20内でのビーム
の一次元の振動によって、フライアイレンズ28の射出
側に生じる複数のスポット光の全てが、フライアイレン
ズ28(光軸AX)に対して一方向に同時に往復移動す
ることになる。こうして、フライアイレンズ28の射出
側にできた各スポット光を成す複数のビームは、図1に
示されるようにビームスプリッタ29で大部分が透過
し、コンデンサーレンズ30に入射し、レチクルR上で
それぞれ重ね合わされる。これによってレチクルRは、
ほぼ一様な照度分布で照明され、レチクルRのパターン
は投影レンズPLによってステージ上に載置されたウェ
ハWのレジスト層に所定の露光量で転写される。
【0038】即ち、スペックル低減部20は、フライア
イレンズ28に入射するビームを振動することにより、
レチクル面又はウェハ面に生じる干渉縞(一次元のスペ
ックルパターン)を微小量移動させて、露光完了時にお
いては、結果的にレジスト層に転写された明暗縞を平滑
化し、干渉縞のビジビリティを低減させる。(ただし、
各スポット光からの光の干渉による露光ムラは生じ
る。)像(ウェハ)側テレセントリックの投影レンズP
Lの瞳(入射瞳)epには、フライアイレンズ28の射
出端にできる複数のスポット光が再結像され、所謂ケー
ラー照明系が構成される。
【0039】なお、この実施例ではスペックルパターン
を平滑化するにあたって、フライアイレンズ28に入射
するレーザ光を振動させているが、この他に例えば回転
拡散板をパルス光の発光に同期して回転させる構成とし
ても良い。次に、ビームスプリッター29で分割された
一部のビームは集光光学系23によって受光素子24に
集光される。受光素子24はビームLB0 (又はLB1
)の各パルス発光の光量に応じた光電信号を正確に出
力するように、紫外域において十分な感度を有するPI
Nフォトダイオード等で構成される。その光電信号は光
量モニター部26に入力され、ここで各パルス発光毎の
光量が順次積算される。
【0040】受光素子24、光量モニター部26は光量
計測手段を構成し、計測された実測値(実際の光量に対
応した値であれば良く、光量自体である必要はない。以
下同様。)は、主制御系8に送られる。この主制御系8
はトリガ制御部9、光量制御部14、スペックル制御部
22にそれぞれ指令信号を送り装置全体の動作を制御す
る。主制御系8に備えられた入出力装置7はオペレータ
と装置本体とのマン・マシンインターフェイスであり、
露光に必要な各種パラメータをオペレータから受け付け
るとともに、装置の状態をオペレータに知らせる。
【0041】またメモリ6には、入出力装置7から入力
された露光動作及び各種演算等に必要なパラメータ(定
数)やテーブル等が記憶されている。本実施例では、ビ
ームが半周期だけ振動する間に良好にスペックルパター
ンを平滑化するのに必要な最小発光パルス数を決定する
ための情報がメモリ6に記憶されている。ここでビーム
の半周期とは、図4においてスポット光をSPa →SP
b →SPc の順(又は逆)に移動させるのに、ビームを
LBa →LBb →LBc (又は逆)の順の揺動角α°だ
け傾けることに対応している。
【0042】主制御系8では、メモリ6に予め記憶され
ているところのスペックルパターンを平滑化するために
必要なパルス数とウェハWに塗布されたレジストの適正
露光量に関するデータに基づいて、第1演算手段(図示
せず)によって各パルス光の平均光量値が決定される。
主制御系8は、さらにこの平均光量値で各パルスを照射
した時にウェハWに与えられるべき目標積算光量に対応
する目標値を第2演算手段(図示せず)によって算出
し、第3演算手段(図示せず)によって、この目標値と
前述した光量モニター部26から送られてきた実測値と
の差分を算出する。そして、この差分に基づいて、光量
制御部14に対して高速減光部13での光量調整のため
の指令を出力する。
【0043】また、主制御系8はレーザ光源10のパル
ス発光とスペックル低減部20によるビームの振れ角と
が同期するように、スペックル制御部22に駆動信号を
出力する。尚、この同期は、ビームの振れ角を高精度に
モニターする検出器の出力に追従してトリガ制御部9へ
発振開始及び停止の信号を出力するようにしても良い。
【0044】ところで、以上の説明では、高速減光部1
3を2枚の明暗格子にて構成する場合を示したが、高速
減光部13はこれに限定されるものではなく、例えばレ
ーザビームLB0 (LB1 )を直線偏光とした場合等で
は、偏光板を回転させる構成にしてもよい。この場合は
偏光板の回転位置によってビームの透過率を連続可変す
ることができる。
【0045】また、高速減光部13としてレーザの波長
帯域を狭くする為に用いられるエタロンを使用しても良
い。一般にエタロンは2枚のガラス板(この場合は紫外
光に対する透過率を上げる為に石英ガラスを用いる。)
を一定の間隔をおいて平行に保持したものであり、その
間隔に応じて特定の波長に対して高い透過率を有するも
のである。
【0046】このエタロンを用いた時の高速減光部の構
成を図5に示す。図5に於ける高速減光部は2枚の石英
ガラス板40、2枚の石英ガラス板40を一定の間隔を
おいて平行に保持する為のスペーサー41、エタロンを
保持する為の保持枠45、エタロンを支点44のまわり
に回転微動させる為のアクチュエータ42及び保持枠を
固定部46に引きつけておく為のバネ43から構成され
ている。
【0047】かかる構成のエタロンにおいては、2枚の
ガラス板40の間隔をdとし、光軸に対して垂直な面に
対する傾き角をθとすると 2d cosθ=mλ …(1) の関係の成り立つ波長λに最も高い透過率が得られる。
ここでmは整数値であり、一例としてθ=0°、d=5
9.984μm、λ=248.380nmの条件では、
m=483という値で最大透過率を有する。逆に言えば
mが一定の条件に於ては、角度θを可変にすることによ
り最大透過率を得る波長λを変えることができる。
【0048】エタロンの波長に対する透過率の代表的な
例を図6に示す。図6に示す様にエタロンの波長に対す
る透過率特性はいわゆる“くし形”のBand−Pas
sフィルター特性となっており、mの次数によりほぼ一
定の間隔で透過率の高い部分が存在する。透過率のピー
ク間の間隔Rは一般にフリースペクトルレンジと呼ば
れ、(1)式の関係が成立している場合には R=(2d cosθ/m)−(2d cosθ/(m+1)) …(2) となる。又、各帯域に於けるフィルターのQ値は、フィ
ネスと呼ばれる表現が用いられており、R/ΔBで表現
される。ΔBは図6に示す様に、フィルターの1つの山
の半値幅を示している。
【0049】上記で示したエタロンを高速減光部13と
して用いる場合には、レーザ光の波長帯域幅より少し広
い帯域幅を有するエタロンを用いると都合が良い。通常
露光装置に用いられるレーザの波長帯域幅は5/100
0〜3/1000nm程度である為、10/1000n
m以上の帯域を有するエタロンを使用すると良い。エタ
ロンを使用してレーザ光を減光する場合の原理を図7に
示す。図7に於て(a)はパルスレーザ光源10より発
するレーザの波長に対する強度分布を示しており、その
帯域幅は3/1000nmから5/1000nm程度で
ある。又、その中心波長はパルスレーザ光源10内又は
外部で安定化され、安定性は1/1000nm以下に制
御されている。
【0050】一方、高速減光部13として用いられるエ
タロンの特性は図7(b)に示され、くし形のフィルタ
ー特性を有している。エタロンを実際に高速減光部13
として用いる場合には、フィルターの中心波長λmは、
フィルターの帯域幅ΔBに対し、λo ±ΔBの間で制御
される(実際にはλo +ΔB〜λo の間で制御を行うか
又はλo −ΔB〜λo の間で制御を行えば良い)。フィ
ルターの中心波長λmの制御は先述した様にエタロンの
傾き角を変えることで実現可能である。
【0051】高速減光部を透過したあとのレーザ強度は
図7(a)のプロファイルと図7(b)のプロファイル
の積で決定され、図7(c)に示す様なパワーのレーザ
が出力される。ここでλo とλm を完全に一致させてお
けば最大の透過率が得られ、実際には90%以上の透過
率となる。一方、λo に対してλm =λo −ΔBとして
設定すると透過率は10%ぐらいの値が得られる。(λ
m =λo +ΔBとしても同様の効果が得られる。)又、
λm をλm =λo −ΔBの値よりももう少し小さい値に
設定すれば、0%近いレベルの透過率も得られる。
【0052】実際の制御に際しては、エタロンの角度に
対する光の透過率をあらかじめ測定しておき、このデー
タをメモリー6に格納しておき、所望の透過率に対する
エタロンの角度制御量を求めることによりアクチュエー
タ42に対し駆動指令を与えれば良い。一例としてガラ
ス板の間隔が60μmのエタロンを用いてλo =24
8.380nmのレーザに対して減光制御を行う場合に
は、θ=6.5262度にてλoとλm が一致する。こ
の時mの次数は480である。1つ隣りの次数m=48
1の時の中心周波数はλ=247.864nmである
為、このエタロンのフリースペクトルレンジは0.51
6nmとなる。フィネスを10とすれば帯域の半値幅は
約0.05nmとなる。
【0053】従って、0.05nm分の中心波長シフト
を行えば透過率は10%程度になり、この時の角度は
6.4246度となる。故に、約0.1°のエタロンの
傾斜により90%から10%まで透過率の制御が可能に
なる。エタロンの回転中心44に対して半径50nmの
位置にて駆動する場合0.1°の傾きを制御するには駆
動点にて約90μm移動すれば良い。この程度で制御可
能である為、アクチュエータとしては、ピエゾ素子等を
用いれば十分に高速に駆動することが可能である。
【0054】なお、かかる高速減光部13は、図1にて
示した位置のみでなく、パルスレーザ光源10とエクス
パンダー12の間、又はパルスレーザ光源10の共振器
ミラーの間に入れても同様の効果が得られる。さらにス
ペックル低減部で、前述したビームを微小角振動させる
方式を採らない場合はスペックル低減部20とフライア
イレンズ28の間に入れても良い。しかし、いづれにし
てもこの高速減光部13は、フライアイレンズ28にレ
ーザ光を入射する前の段階に入れておく必要が有る。
【0055】なんとなればエタロンの透過率はそのGa
p値にも依存する為、エタロンの透光部に対し極力均一
なGap値に保つことが好ましいが、製造誤差もある
為、全面で全く同じ透過率に維持することは事実上不可
能である。従って、エタロンによる照度均一性の劣化
(ビーム断面での強度分布のむら)をフライアイレンズ
によって解消するためには、フライアイレンズの前段に
このエタロンを挿入することが望ましい。エタロンを用
いた場合の特徴は、制御出来る減光比が大きくとれるこ
と、最大透過率が高いこと、又、図2に示した明暗格子
による方式に比較して照明むらや、干渉(格子エッジか
ら発生)が生じにくいという利点を有することである。
【0056】高速減光部13のさらに別の例としては、
図8に示したような透過型二重位相格子がある。かかる
位相格子は、一定のピッチで所定の段差を有する2枚の
回折格子を、一定の間隔をおいて平行に保持したもので
ある。回折格子の段差dは格子の部材(この場合は紫外
光に対して透明な部材を用いる。)の屈折率をnとする
と d=λ/2(n−1) …(3) となる様に作られている。ここでλはこの位相格子を透
過する光の波長である。
【0057】図8のように2つの位相格子を一定量ずら
して配置することにより、光の通る道筋(以下パスとい
う)としては、A(凹−凸)、B(凸−凸)、C(凸−
凹)、D(凹−凹)の4種類が考えられる。この中でA
とCは光路長的には全く同一であるが、BのパスはAの
パスと比較するとd(n−1)の光路差がある(但し空
気の屈折率を1とした)。
【0058】従って(3)式よりAとBの光路差はλ/
2となりAの部分とBの部分の光は互いに干渉し合って
打ち消し合い、結果としてこの2枚の位相格子による光
の透過率が減少する。この減光の度合は2枚の位相格子
のずれ量(Δx)に依存する。上記と同様にBとC、C
とD、DとAの部分を透過する光がそれぞれお互いに干
渉し合うことにより減光される。本方式の場合も回折格
子の凹凸ピッチは10μm程度で良く、従って2枚の回
折格子を相対移動させる為のアクチュエータもピエゾ素
子を用いれば十分に高速に駆動することが可能である。
【0059】次に、図9のフローチャート図を用いて実
施例の動作を説明する。動作開始後、まず最初にステッ
プ101において、予めメモリ6に格納されているスペ
ックルの低減に必要なパルス数Nmin 、ウェハに塗布さ
れたレジストに見あった最適(目標)総露光量S、露光
量制御の許容精度の各データに基づいて、主制御系8に
備えられた第1演算手段により1パルス当りの平均光量
値を算出する。
【0060】ここで、スペックルの低減に必要なパルス
数Nmin は、スペックル(一次元の干渉縞も含む)のビ
ジビリティーをどこまで低減するかによって決まる値で
あり、大きな値とすればそれだけスペックルの影響は少
なくなり照度の均一化が計れるが余り大きな値とすると
露光時間が長くなり、露光装置としてのスループットが
低下してしまうので、これらを考慮して設定される。
【0061】一方、単位パルス当たりの平均露光エネル
ギー(露光前に高速減光部13でセットされた初期減光
値のもとで)をPとし、1つの露光域に対する総エネル
ギー(目標とする適正露光量)をSとすると、1つの露
光域に対する露光パルス数Nexp はNexp =iNT(S
/P)となる。ここでiNT(α)は実数値αに0.5
を加え四捨五入により整数値に変換することを示してい
る。
【0062】ところで、この露光パルス数Nexp はスペ
ックル低減の為には前述したNminの整数倍でなければ
ならない。従って Nexp =(S/Pβ)=mNmin …(4) となる。ここでmは1以上の整数値、βは1以下、0以
上の係数であり、平均減光率と称する。
【0063】又、各パルス毎の光強度のバラツキをΔP
とすると、各パルス毎に光量を制御する場合にあって
は、最終的な積算露光量の誤差は最終パルスの強度バラ
ツキΔE=ΔP・βとなるから、これが露光量制御の許
容誤差に入る様にすれば良い。即ち、露光量制御精度を
Aとすれば (ΔP・β)/S ≦ A …(5) ∴ β ≦ A・S/ΔP 又、(4)式よりβ=S/(P・mNmin )であるか
ら、S/(P・mNmin ) ≦ A・S/ΔPの関係が成
り立つ。 故に m ≧ ΔP/(APNmin ) …(6) 又、βは1以下である為、 S/(P・mNmin ) ≦ 1 ∴ m ≧ S/(P・Nmin ) …(7) よって、(6)、(7)式を満足する整数値mを求め、
露光パルス数を決定するとともに平均減光率β(即ち平
均光量値Pβ)を決定すれば良い。
【0064】一例として、1パルスの平均エネルギーP
が2mJ/cm2 、適正露光量が153mJ/cm2 、
Nmin を50パルスとすると、適正露光制御のみの場合
に必要なパルス数は77パルスとなるが、m・Nmin が
50の整数倍でなければならないことから、m=2、即
ち100パルスで露光を行う様になる。この時の平均減
光率βは0.765となる。又、1パルスの露光エネル
ギーのバラツキを±10%とすれば、ΔPは±0.2m
J/cm2 となりβ・ΔP=±0.153mJ/cm2
となる。
【0065】続いて、ステップ102で高速減光部13
の減光率をβに設定し、ステップ103でパルスカウン
ターn及び光量モニタ部26の積算光量に対応する値S
a を、それぞれNexp 及び零に設定する。そして、次の
ステップ104でパルスカウンタの値が零であるか否か
を判断し、零でなければ、ステップ105に進んで、ト
リガ制御部9からトリガ信号を光源10に送って1パル
スを発光させるとともに、受光素子24で発光したパル
スの実際の光量に対応する値Pa を検出する。続く、ス
テップ106では光量モニタ部26における積算光量の
設定をSa +Pa とするとともに、パルスカウンタの設
定をn−1とする。
【0066】次に、ステップ107で、(8)式に従っ
て第2演算手段で先のステップ101で決定した平均光
量値Pβによって与えられるべき目標積算光量を求める
とともに、第3演算手段で目標積算光量と実測した積算
光量の差分Dを求める。 D=(Nexp −n)・P・β−Sa …(8) そして、この差分Dに基づいて次のパルスにおける減光
率βn を(9)式によって決定する。
【0067】βn =(P・β+D)/P …(9) 但し、各パルス光の露光エネルギーのバラツキをa%と
した時に、βn >1−a/100である場合には、βn
=1−a/100(最大透過率)とする。次に、ステッ
プ109において、光量制御部14によって高速減光部
13の減光率を前のステップ108で決定したβn に設
定し、ステップ104に戻る。このステップ104で前
述したと同様にパルスカウンターの値が零であるか否か
判断し、零でなければステップ105に進んで前述した
と同様の動作を行なって再びステップ104に戻り、零
であれば露光動作を終了する。
【0068】次に、図10のパルス数と積算露光量の関
係を示すグラフを用いて本実施例における露光量制御の
状態を説明する。図10は8パルスで露光が終了する場
合を示しており、横軸がパルス数、縦軸が積算露光量で
ある。図において、二点鎖線で示した直線はステップ1
01で決定した平均光量値のパルス光によって与えられ
るべき積算光量の目標値を示しており、本実施例ではこ
の目標値に添って露光が行なわれるように各パルス光毎
に光量を制御する。
【0069】第1発目のパルス光がP1 という露光量を
目標として発光され、発光後の実際に検出された露光量
がP'1 であったとすると、第2発目は目標露光量2P1
とP'1 の差(2P1 −P )=P2 の光量に設定され
て発光が行なわれることになる。同様に、2発目の光量
の実測値がP'2であったとすると第3発目は3P1−P'
1−P'2に設定された光量で発光を行う。これをくり返
してゆくことにより二点鎖線の目標ラインからのずれが
少ない状態で8パルス目で露光が完了する。最終的な制
御精度(適正露光量に対する誤差)は8パルス目の光量
誤差となる。
【0070】なお、上記の例では次のパルス光を設定す
る場合に、次のパルス光が発光したあとの積算露光量の
目標値と過去の積算光量の差から次のパルスの光量を設
定したが、パルス毎のばらつき方に何らかの傾向がある
場合には、単位パルス毎の目標値と単位パルス毎の実測
値の比を過去の複数パルスに対して平均し、目標値をこ
の比の平均値で除算したもので新たな目標値を設定して
も良い。
【0071】また、上記の実施例では、光源から発振さ
れるパルスエネルギーが可干渉性のレーザ光である場合
について述べたが、露光装置の光源が非干渉性のパルス
光を射出する場合や、例えばX線等の光以外のパルスエ
ネルギーを射出する場合には、スペックルの低減という
ことについては考慮する必要がないので、パルスエネル
ギーの変動範囲と許容制御精度に基づいて必要パルス数
を定め、この必要パルス数と最適露光量の値から各パル
ス毎の目標値を設定すれば良い。即ち、最終的な適正露
光量に対する誤差は最終パルスの誤差によって決まるわ
けであるから、1パルスのばらつきが許容誤差内に入る
ように1パルスのエネルギー量を設定すれば良い。
【0072】
【発明の効果】以上のように、本発明においては第2物
体(感光基板)上の所定領域に対する露光中に射出され
るパルス数が予め設定された一定の値となっているとと
もに、各パルス毎に露光量制御が行なわれるので、干渉
パターンをパルス毎に第1物体または第2物体に対して
相対移動させて平滑化する上で好都合であり、かつ、必
要最低限のパルス数で露光が行われるので生産性の向上
を図ることができる。又、露光量制御が1パルス毎に設
定される目標露光量を参照して行なわれることから、従
来に比較してより正確に光量(エネルギー量)の制御が
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例による露光装置の構成を示す
図。
【図2】 高速減光部の一例を示す構成図。
【図3】 図2の構成により減光を行う場合の説明図。
【図4】 オプチカルインテグレーターとしてのフライ
アイレンズと入射ビームの関係を模式的に示す図。
【図5】 高速減光部の別の例を示す構成図。
【図6】 図5の構成により減光を行なう場合の説明
図。
【図7】 図5の構成により減光を行なう場合の説明
図。
【図8】 さらに別の高速減光部の例を示す構成図。
【図9】 図1に示された実施例の動作を示すフローチ
ャート図。
【図10】図1に示された実施例における露光量制御の
様子を示すグラフ。
【主要部分の符号の説明】 R・・・レチクル W・・・ウェハ PL・・・投影レンズ 8・・・主制御系 10・・・光源 13・・・高速減光部 14・・・光量制御部 20・・・スペックル低減部 22・・・スペックル制御部 26・・・光量モニタ部 1
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−110722(JP,A) 特開 昭63−190333(JP,A) 特開 昭63−81420(JP,A) 特開 平1−257327(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/027 G03F 7/20

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源から発振されるパルスエネルギーをマ
    スクに照射するとともに、前記マスクを介して複数のパ
    ルスエネルギーで感光性の基板を露光する方法におい
    て、 前記基板の適正露光量に関する情報と、前記基板上の露
    光領域内の所定点に照射すべき前記パルスエネルギーの
    露光パルス数とに基づいて、前記所定点に照射される複
    数のパルスエネルギーの平均強度を決定し、 前記決定された平均強度に従って前記パルスエネルギー
    を前記基板上に照射するとともに、前記基板上での前記
    パルスエネルギーの強度に関連する実測値に基づいて前
    記光源の発振強度を調整することを特徴とする露光方
    法。
  2. 【請求項2】前記基板の露光に先立ち、前記決定された
    平均強度に基づいて前記マスクに入射する前記パルスエ
    ネルギーの強度を調整することを特徴とする請求項1に
    記載の露光方法。
  3. 【請求項3】前記基板の露光中、前記実測値に基づいて
    前記基板上での露光量に対応した値を検出し、該検出
    値、及びそれに対応して設定される目標露光量に基づい
    て前記発振強度を調整することを特徴とする請求項1又
    は2に記載の露光方法。
  4. 【請求項4】前記適正露光量に対する前記パルスエネル
    ギーの積算値の制御精度が所定の許容範囲内となるよう
    に、前記パルスエネルギーの強度ばらつきに基づいて前
    記露光パルス数を決定することを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか一項に記載の露光方法。
  5. 【請求項5】前記パルスエネルギーの照射によって前記
    マスク又は前記基板上に干渉パターンが生じる場合、前
    記露光パルス数は、前記干渉パターンのビジビリティを
    所定精度まで低減させるのに必要なパルス数以上に設定
    されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に
    記載の露光方法。
  6. 【請求項6】前記露光領域内の所定点に前記複数のパル
    スエネルギーを照射する間に前記干渉パターンを移動す
    ることを特徴とする請求項5に記載の露光方法。
  7. 【請求項7】前記パルスエネルギーが照射されるたびに
    前記干渉パターンを移動することを特徴とする請求項6
    に記載の露光方法。
  8. 【請求項8】前記パルスエネルギーが照射されるたびに
    前記光源の発振強度を調整することを特徴とする請求項
    1〜7のいずれか一項に記載の露光方法。
  9. 【請求項9】前記パルスエネルギーを前記マスクに照射
    する照明系内で分岐される前記パルスエネルギーの一部
    を光電検出して前記実測値を得ることを特徴とする請求
    項1〜8のいずれか一項に記載の露光方法。
  10. 【請求項10】前記光源として、狭帯化波長安定機構を
    含む紫外域のパルスレーザ光を射出する光源、又はX線
    等のパルスエネルギーを射出する光源を用いることを特
    徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の露光方
    法。
  11. 【請求項11】光源から発振されるパルスエネルギーを
    マスクに照射するとともに、前記マスクを介して複数の
    パルスエネルギーで感光性の基板を露光する装置におい
    て、 前記基板の適正露光量に関する情報、及び前記基板上の
    露光領域内の所定点に照射すべき前記パルスエネルギー
    の露光パルス数から決定される、前記所定点に照射され
    る複数のパルスエネルギーの平均強度に従って、前記パ
    ルスエネルギーを前記基板上に照射する照明手段と、 前記基板の露光中、前記基板上での前記パルスエネルギ
    ーの強度に関連する実測値に基づいて前記光源の発振強
    度を調整する露光制御手段とを備えたことを特徴とする
    露光装置。
  12. 【請求項12】前記適正露光量に対する前記パルスエネ
    ルギーの積算値の制御精度が所定の許容範囲内となるよ
    うに、前記パルスエネルギーの強度ばらつきに基づいて
    前記露光パルス数を決定することを特徴とする請求項1
    1に記載の露光装置。
  13. 【請求項13】前記露光制御手段は、前記実測値に基づ
    いて前記基板上での露光量に対応した値を検出し、該検
    出値及びそれに対応して設定される目標露光量に基づい
    て前記発振強度を調整することを特徴とする請求項11
    又は12に記載の露光装置。
  14. 【請求項14】前記パルスエネルギーの照射によって前
    記マスク又は前記基板上に干渉パターンが生じる場合、
    前記露光パルス数は、前記干渉パターンのビジビリティ
    を所定精度まで低減させるのに必要なパルス数以上に設
    定されることを特徴とする請求項11〜13のいずれか
    一項に記載の露光装置。
  15. 【請求項15】前記露光領域内の所定点に前記複数のパ
    ルスエネルギーを照射する間に前記干渉パターンを移動
    する照度均一化手段を更に備えることを特徴とする請求
    項14に記載の露光装置。
  16. 【請求項16】前記照明手段はオプチカルインテグレー
    タを有し、前記照度均一化手段は、前記オプチカルイン
    テグレータに対する前記パルスエネルギーの入射角を変
    化させることを特徴とする請求項15に記載の露光装
    置。
  17. 【請求項17】前記照度均一化手段は、前記パルスエネ
    ルギーが照射されるたびに前記干渉パターンを移動する
    ことを特徴とする請求項15又は16に記載の露光装
    置。
  18. 【請求項18】前記照明手段は、前記パルスエネルギー
    を前記マスクに照射する光学系を有し、前記露光制御手
    段は、前記光学系内で分岐される前記パルスエネルギー
    の一部を受光する光電素子を有し、該光電素子の出力を
    用いて前記実測値を得ることを特徴とする請求項11〜
    17のいずれか一項に記載の露光装置。
  19. 【請求項19】前記マスクに照射されるパルスエネルギ
    ーを前記基板上に投射する投影光学系を更に備え、前記
    光学系は、前記投影光学系の瞳面に再結像される2次光
    源を形成するオプチカルインテグレータを有することを
    特徴とする請求項18に記載の露光装置。
  20. 【請求項20】前記露光制御手段は、前記パルスエネル
    ギーが照射されるたびに前記発振強度を調整することを
    特徴とする請求項11〜19のいずれか一項に記載の露
    光装置。
  21. 【請求項21】前記光源は、狭帯化波長安定機構を含む
    紫外域のパルスレーザ光を射出する光源、又はX線等の
    パルスエネルギーを射出する光源であることを特徴とす
    る請求項11〜20のいずれか一項に記載の露光装置。
  22. 【請求項22】請求項11〜21のいずれか一項に記載
    の露光装置を用いて、前記マスクに形成される回路パタ
    ーンを感光性の半導体基板上に転写して半導体素子を製
    造することを特徴とする半導体素子製造方法。
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