JP2979901B2 - 蛍光体塗布基板及びその製造方法 - Google Patents

蛍光体塗布基板及びその製造方法

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JP2979901B2
JP2979901B2 JP5149724A JP14972493A JP2979901B2 JP 2979901 B2 JP2979901 B2 JP 2979901B2 JP 5149724 A JP5149724 A JP 5149724A JP 14972493 A JP14972493 A JP 14972493A JP 2979901 B2 JP2979901 B2 JP 2979901B2
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茂生 伊藤
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛍光体を使用する表示
装置の一構成部分に係り、例えば蛍光表示管、蛍光発光
管、プリンター用光源、電界放出形カソードを使ったデ
ィスプレイ等において用いられる蛍光体を塗布した絶縁
基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子線の射突によって発光する蛍光膜の
原料に供される蛍光体は、次の3種類に分類することが
できる。 (1)ZnO:Zn,SnO2 :Euのように蛍光体自
体が低抵抗であり、そのままで使用できるもの。 (2)ZnS:Ag+In2 3 ,ZnS:Cu+Zn
O,Y2 2 S:Eu+SnO2 のように、蛍光体自体
は多少抵抗が高いが、導電物質を混合すれば使用できる
もの。 (3)Y2 3 :Eu,La2 2 S:Tbのように、
蛍光体自体の抵抗が大きく、導電物質を入れても、低抵
抗化しない為、数kV以上の高圧をかけて発光させるも
の。
【0003】前述した蛍光体のうち、(1)と(2)は
100V以下の陽極電圧で駆動される蛍光表示管に低抵
抗蛍光体として用いることができたが、(3)は使用で
きなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】大画面表示装置におけ
る表示面の構成単位として用いられている発光セルとし
ての蛍光発光管や、プリンタ用光源や、電界放出形カソ
ードを使用したディスプレイ装置等においては、近年高
輝度が要求されるようになるにつれ、数100V程度の
比較的高い陽極電圧が使用されるようになっている。
【0005】このように入力パワー(電力)が大きくな
ると、(1),(2)で示した従来の低速用の蛍光体、
特に(2)の蛍光体は寿命が短くなる傾向がある。
【0006】本願発明者等は、主としてCRTで用いら
れている前記(3)の蛍光体のなかには、数kVの高電
圧を印加して発光駆動させても長い寿命を示すものがあ
ることに着目した。
【0007】そこで、本願発明者等は前記(3)の蛍光
体の一例としてY2 3 :Euを選び、これを用いて従
来と同様の構成で陽極基板上に陽極表示部を有する蛍光
表示管を形成した。そして、これを陽極電圧100〜3
00Vで駆動し、蛍光体を発光させてみた。しかしなが
ら、その発光は不均一であり、蛍光表示管としては十分
な表示品位が得られなかった。
【0008】前記蛍光体の発光が不均一になる原因とし
ては、次の三つの点をあげることができる。 メッシ
ュグリッドによるレンズ効果で電子がメッシュの目の中
央に集まり、微小な多数の発光点で発光する。
【0009】 メッシュを用いたスクリーン印刷で蛍
光体を基板上の陽極導体に被着させた場合には、メッシ
ュの形状による影響で蛍光体層に厚さのばらつきが生じ
る。メッシュの開口部に相当する部分は厚くなり、メッ
シュのアミ材の下方は薄くなる。そして、駆動時には電
子線は薄くて抵抗の小さいところに集中し、当該部分を
発光させるが、その他の広い部分は発光しない。
【0010】 基板上の蛍光体層が厚くなると抵抗が
大きくなり、電子が蛍光体層にチャージする場合が生じ
る。電子のチャージの影響によって発光しない部分が生
じる。
【0011】上記〜は、前記蛍光体自体が高抵抗な
ことと、蛍光体粒子間の接触面積が小さいために接触抵
抗が生じて蛍光体層全体としての抵抗を小さくすること
ができないことに起因していると考えられる。
【0012】以上説明したように、高抵抗の蛍光体を蛍
光表示管に利用しようとする試みにおいて、本願発明者
等は次のような解決すべき課題を見出すに至ったのであ
る。
【0013】 1)数100V程度の陽極駆動電圧で均一に発光させる
ことができない。 2)発光輝度が低い。 3)抵抗を下げるために導電物質を蛍光体に混ぜること
が考えられるが、従来の導電物質は非発光物質で光を遮
断するので、輝度はかえって低くなってしまう。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の蛍光体塗布基板
は、絶縁基板上に形成した陽極導体に蛍光体粒子を被着
してなる蛍光体塗布基板において、前記蛍光体粒子の表
面にBa化合物の薄膜が形成されるとともに、前記蛍光
体粒子間にBa化合物の架橋部が形成されていることを
特徴としている。
【0016】本発明の蛍光体塗布基板の製造方法は、絶
縁基板上に陽極導体を形成する工程と、蛍光体を陽極導
体上に被着した後にBa化合物を含む溶液に前記基板を
漬ける工程と、前記基板を真空又は特定雰囲気容器に入
れて前記蛍光体のみを昇温速度毎秒50〜150℃で
加熱処理した後冷却速度毎秒50〜150℃で急冷却処
理する工程を有することを特徴としている。
【0017】本発明によれば、前記急加熱処理の熱源と
して、ランプ、レーザー、電子ビームから一つ又は複数
の加熱手段を選ぶことができる。又熱源の選択は基板材
質により異なる。
【0018】
【作用】各蛍光体粒子の表面がBa化合物の薄膜で覆わ
れ、各蛍光体粒子の間にはBa化合物の架橋部が設けら
れているので、蛍光体層は一体化して抵抗が小さくな
る。このため、蛍光体粒子の各々に均一な電界がかかる
ので、均一で効率のよい発光が得られる。
【0019】
【実施例】一実施例の蛍光体塗布基板の製造工程を説明
する。 Y2 3 :Eu蛍光体を、熱酸化膜により絶縁した
Si基板上に形成した陽極導体の上にスクリーン印刷法
で被着させる。これを乾燥させて平均厚さ20μmの蛍
光体層を形成する。絶縁基板としてはガラス基板やセラ
ミック基板を用いてもよい。蛍光体の被着方法は電着法
や沈降法等の公知の手段でもよい。
【0020】 BaCl2 の1%水溶液に前記Si基
板を漬け、蛍光体の粒子間にBaCl2 を充填する。該
水溶液から前記Si基板をとり出して乾燥させる。
【0021】BaCl2 のかわりにBa(NO3 2
用いることもできる。これらのBa化合物はY2 3
Euを合成する際にフラックスとして使用されており、
BaはY2 3 :Euには悪影響を及ぼさない。従っ
て、Baのように蛍光体のフラックスとして用いられて
いる金属化合物を選択することが好ましい結果を得るひ
とつの方法である。
【0022】 前記Si基板を透光性のベルジャー、
例えば石英製のベルジャーを有するランプアニール装置
に収納し、Si基板が収納されたベルジャー内を10-2
〜10-6Torrまで排気する。
【0023】 その後、ベルジャー内にアルゴンガス
等の不活性気体を導入し、大気圧まで戻す。なお、本工
程は省略し、ベルジャー内を真空に保持したまま次工程
に移ってもよい。
【0024】 ランプアニール装置を作動させてSi
基板上の蛍光体層を加熱する。昇温速度が毎秒50〜1
50℃の急加熱を行ない、前記金属化合物の融点まで蛍
光体層を昇温して同温度で1〜5分間保持する。その
後、毎秒50〜100℃の冷却速度で300℃まで急冷
却し、あとは自然冷却する。
【0025】工程を省略してベルジャー内を真空に保
ったままで、工程において急加熱を行なった場合は、
前記金属化合物の融点で1〜5分間保持した後にN2
ス、CO2 ガス等の中性ガスをベルジャー内に導入し、
その後前述したように冷却する。
【0026】以上の工程によれば、図1(a)に示すよ
うにSi基板1上の陽極導体2に被着している蛍光体層
3は、図1(b)に示すようにBa化合物に覆われる。
即ち、各蛍光体粒子4は厚さ数オングストロームのBa
を含んだ化合物の薄膜5に覆われ、各蛍光体粒子4,4
間にはBa化合物が充填されて架橋部6を形成する。
【0027】図1に示した構造は、図2〜図4から明ら
かである。即ち、図2に示す処理前の蛍光体粒子と比較
するとわかるように、図3に示す処理後の蛍光体粒子
は、表面がBa化合物に覆われるとともに粒子間にはB
a化合物の架橋部が形成されている。
【0028】また、図4(a)及び(b)は、それぞれ
図2及び図3の粒界部をマイクロオージェにて分析した
結果を示すものであり、処理後には図4(b)中に示す
ようにBaが検出されている。粒子の表面について行な
った同様の分析でもBaが検出されている。
【0029】かかる構造により、Si基板1に被着され
た本実施例の蛍光体粒子4は全体として一体に固着され
た形となり、抵抗がきわめて小さくなる。
【0030】本実施例のような蛍光体粒子の構造は、急
加熱及び急冷却(アニール)を行なうことにより、蛍光
体粒子間に充填された金属化合物が溶融して形成される
と考えられる。なお、前記工程における昇温速度や最高
加熱温度は、蛍光体や架橋させようとする金属化合物の
種類によって異なる。
【0031】本実施例で得られた蛍光体塗布基板を陽極
基板として蛍光表示管を形成し、陽極表示部における蛍
光体の発光を観察する。
【0032】図示はしないが、発光している蛍光体の表
面を拡大して撮影すると、蛍光体層の全面が完全に均一
に発光している訳ではなく、従来と同様に多数の発光点
が観察される。しかしながら、各発光点の発光面積及び
輝度は従来よりもはるかに大きく、蛍光体層の発光状態
が改善されていることが確認された。
【0033】図5は、本実施例の工程を経た蛍光体と、
処理前の蛍光体の蛍光表示管における発光輝度を比較し
たものである。蛍光体をアニール処理する本実施例の方
が輝度が高く、特に陽極電圧200V以上で駆動した場
合にその差が顕著にあらわれている。
【0034】図6は蛍光体Y2 2 S:Euについて、
本実施例と同様の処理をした場合と、処理しない場合と
を、図5と同様に比較したものである。この例において
も、本実施例のようなアニール処理が発光輝度の改善に
有効であることが理解される。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、抵抗の高い蛍光体の表
面にBaの薄膜をコーティングし、粒子間の間隙にBa
化合物を充填したので、蛍光体層としての抵抗を下げる
ことができた為、蛍光体からの2次電子放出によるチャ
ージアップ現象を回避することができた。このため、従
来の駆動電圧より高い数100V(200〜500V)
の陽極電圧では発光輝度が低くて従来は実用にならなか
った高抵抗の蛍光体を、従来よりも高い輝度で発光させ
ることができた。
【0036】又、高抵抗蛍光体に対する従来の入力電圧
(数kV)に比較し、入力電圧が小さくても必要輝度が
得られるので、蛍光体に無理がかからず、寿命を長くす
ることが可能となる。
【0037】粒子間に熱伝導性のよいBa化合物が充填
されたので、蛍光体粒子で発生する熱をBa化合物を通
して基板に伝えるために蛍光体層の熱伝導がよくなっ
た。このため熱を基板に逃がし易くなり、熱による発光
効率の低下が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるアニール処理を施す
前の蛍光体層と、施した後の蛍光体体層を示す拡大断面
図である。
【図2】アニール処理前の蛍光体粒子の走査形電子顕微
鏡による写真である。
【図3】アニール処理後の蛍光体粒子の走査形電子顕微
鏡による写真である。
【図4】(a)はアニール処理前の蛍光体粒子の粒界部
をマイクロオージェで分析した結果を示すグラフ、
(b)はアニール処理後の蛍光体粒子の粒界部をマイク
ロオージェで分析した結果を示すグラフである。
【図5】Y2 3 :Eu蛍光体について、蛍光表示管に
おける発光輝度と陽極電圧の関係をアニールの前後で比
較したグラフである。
【図6】Y2 2 S:Eu蛍光体について、蛍光表示管
における発光輝度と陽極電圧の関係をアニールの前後で
比較したグラフである。
【符号の説明】 1 絶縁基板としてのSi基板 2 陽極導体 4 蛍光体粒子 5 薄膜 6 架橋部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 31/15 H01J 9/22 C09K 11/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に形成した陽極導体に蛍光体
    粒子を被着してなる蛍光体塗布基板において、前記蛍光
    体粒子の表面にBa化合物の薄膜が形成されるととも
    に、前記蛍光体粒子間にBa化合物の架橋部が形成され
    ていることを特徴とする蛍光体塗布基板。
  2. 【請求項2】 絶縁基板上に陽極導体を形成する工程
    と、蛍光体を陽極導体上に被着した後にBa化合物を含
    む溶液に前記基板を漬ける工程と、前記基板を真空又は
    特定雰囲気容器に入れて前記蛍光体のみを昇温速度毎秒
    50〜150℃で急加熱処理した後冷却速度毎秒50〜
    150℃で急冷却処理する工程を有することを特徴とす
    る蛍光体塗布基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記急加熱処理の熱源が、ランプ、レー
    ザー、電子ビームから選ばれた一つ又は複数の加熱手段
    である請求項2記載の蛍光体塗布基板の製造方法。
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