JP2977211B2 - アレイ化光伝送装置 - Google Patents

アレイ化光伝送装置

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  • Optical Communication System (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、並列光伝送を行うためのアレイ化光伝送装
置に係わり、特に各光チャネルの情報位相の均等化をは
かったアレイ化光伝送装置に関する。
(従来の技術) 光伝送技術は、伝送線路の無誘導性,広帯域性及び高
速性等の利点から、各種の通信機器,電子機器に用いら
れている。しかしながら、これらは主に単一光線路によ
って伝送が行われてきた。
近年、前述した利点から、情報関連機器においても光
伝送技術の導入が行われようとしている。この場合、数
ビットのデジタルデータを情報単位として用いるため、
並列(パラレル)デジタル伝送が有用となる。これは、
単一線路によるシリアル伝送が伝送データのバッファ−
メモリやパラレル・シリアル変換器を要し、さらにパラ
レル・シリアルの変換に時間を要するためリアルタイム
伝送ができない等の応用上の制限があること、また単一
線路による時分割多重伝送では時分割多重器及び時分割
復元器を要し、さらに伝送線路の伝送容量が非常に大き
くなければならない等の装置的な負担が多いこと等の理
由による。
従来、並列デジタル伝送はリボンケーブル等のアレイ
化電気線路により行われてきたが、電気伝送の場合は信
号チャネル間の誘導クロストークや接地電位雑音による
信号マージンの低下等により、高速化,細径化等の限界
があった。そこで、前述したような並列光伝送が検討さ
れており、その実用化が進められている。
第3図は並列光伝送を行うための従来のアレイ化光伝
送装置を示す概略構成図であり、1,1′は絶縁基板、3,
3′は接地電極を兼ねた放熱体、4は発光素子アレイ、
5はアレイ化光ファイバ、6は受光素子アレイ、A1〜A5
は各信号チャネルの信号入力配線、B1〜B5は各信号チャ
ネルの信号出力配線である。ここで、A1〜A5及びB1〜B5
の電気信号配線は、プリント配線基板等の配線ピッチに
合わせた電気接続ピン(図示せず)に接続され、その間
隔はプリント配線基板等の配線ピッチとほぼ同じ間隔に
設定されている。
一方、A1〜A5及びB1〜B5が発光素子及び受光素子に接
続される先端では発光素子アレイ4及び受光素子アレイ
6のアレイ化ピッチに合わせてその間隔が設定される。
従って、A1〜A5及びB1〜B5は電気接続ピン側と発光素子
及び受光素子側でその配線ピッチが変換されていること
が一般的であり、例えば発光素子及び受光素子側で0.25
mmピッチ、電気接続ピン側では0.5〜2.5mmに設定されて
いる。
このような理由から電気信号配線A1〜A5及びB1〜B5が
変形配線となり、その間の信号波形の劣化を防止するた
め第4図に示すような伝送線路形式とする方法が用いら
れている。なお、第4図(a)は発光素子側の絶縁基板
1上の配線パターンを示す平面図、同図(b)は側面図
であるが、受光素子側もこれと同様な構成である。第4
図において2が裏面電極(接地面)であり、A1〜A5の信
号配線との間でマイクロストリップラインが形成され
る。これは、特に高速伝送を行う場合に有効な手段とな
る。また、裏面電極2は前記第3図に示した放熱体3と
融着されて絶縁基板1の固着と接地面の共用化が行われ
る。このような構成とすることにより、電気接続ピンか
ら発光素子アレイ4及び受光素子アレイ6への電気的接
続が良好に行われ、アレイ化光伝送装置の構築が可能に
なる。
しかしながら、この種の装置にあっては次のような欠
点があった。即ち、第3図及び第4図に示したように各
信号チャネルの電気配線は、配線ピッチ変換を行ってお
りその電気的配線長が異なるので、各信号チャネルの電
気的配線長を均等化することは困難である。このため、
A1〜A5及びB1〜B5の電気信号配線における電気的信号遅
延に分散が生じる欠点があり、数ビットのデジタルデー
タを情報単位として伝送する場合に、情報単位中の各デ
ータビットの伝送時間に分散を持つ欠点があった。この
ことは、情報単位としての各データビットの伝送時間分
散が無視できるような伝送速度範囲でのみ伝送装置の使
用が可能であり、各データビットの伝送速度分散がデジ
タルデータのクロック信号に対するタイムジッタとなる
ために、結果として伝送速度の高速化が制限されるとい
う問題につながる。
なお、配線ピッチ変換を行うことなく一定にするに
は、ディスクリート部品を個々に実装、又はモノリ
シック部品のアレイ化ピッチを広げることが考えられ
る。しかし、の方法では、実装コストの上昇、実装の
ばらつきに起因する光結合出力のばらつき、各ディスク
リート部品間で素子の遅延時間に分散が生じる(伝送時
間分散)欠点がある。また、の方法では、発光素子ア
レイ,受光素子アレイの製造コスト上昇(ウェハに無駄
スペースが多い)、素子長が長いため熱膨張歪が顕著化
して信頼性の低下を招くという欠点がある。
(発明が解決しようとする課題) このように、従来のアレイ化光伝送装置においては、
発光素子アレイ及び受光素子アレイと電気接続ピンとを
接続する際に、配線ピッチ変換を行う必要があり、この
配線ピッチ変換に起因して各信号チャネルの電気的配線
長が異なってしまう。このため、各信号チャネルにおけ
る電気的信号遅延に分散が生じ、情報単位中の各データ
ビットの伝送時間に分散を持つ欠点があった。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その
目的とするところは、配線ピッチ変換を有しながら各信
号チャネルの伝送時間分散を抑制することができ、並列
伝送情報の情報位相の均等化をはかり得るアレイ化光伝
送装置を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の骨子は、各信号チャネルの電気的遅延を均等
化するため送信側電気遅延を故意に異ならせ、受信側電
気遅延を送信側と逆に与えることで結果として出力され
る電気的遅延を一定とすることにある。
即ち本発明は、所定ピッチでアレイ化され複数の光チ
ャネルを構成する発光素子及び受光素子が各チャネルの
光学長がほぼ等しい光伝送路で光学的に結合され、該発
光素子及び受光素子が各光チャネルのアレイ化ピッチよ
りも広いピッチを有する電気接続ピンに接続されたアレ
イ化光伝送装置において、前記各光チャネルの前記電気
接続ピンへの電気的接続長が、発光素子側及び受光素子
側のそれぞれのチャネル間で異なり、発光素子側で各チ
ャネル間に所定の信号位相差を有するように各チャネル
の電気長を異ならせ、前記光伝送路で各光チャネルの光
信号が所定の位相差を持って光伝送されるよう設定する
と共に、受光素子側の前記各チャネルの前記電気接続ピ
ンへの電気接続長が発光素子側と逆の信号位相差を有す
るように各チャネルの電気長を異ならせ、発光素子側及
び受光素子側を合計して各チャネルの電気接続部の電気
長が相互にほぼ同等の長さとなるよう設定したことを特
徴とする。
(作用) 本発明によれば、送信側の電気遅延と受信側の電気遅
延とを相互に逆の関係にし、送信側の電気接続ピンから
受信側の電気接続ピンまでの電気的接続長を相互に等し
くしているので、アレイ化光伝送の各信号チャネルにお
ける信号伝送遅延分散が原理的に解消されることにな
る。即ち、送信側(発光素子側)の電気接続ピンに同位
相の信号が入った場合、発光素子に各チャネルの信号位
相がずれて入力され、光ファイバ等の光伝送路をそのま
ま伝送して受光素子に到達するが、受信側(受光素子
側)の電気接続ピンでは再び信号の位相が同位相に復元
されて出力されることになる。従って、複数ビットのデ
ジタルデータを情報単位とするデータ伝送においても、
その高品質化,高速化が可能になる。
(実施例) 以下、本発明の詳細を図示の実施例によって説明す
る。なお、ここでは従来技術との対比のため従来技術と
同様の5チャネル光伝送について示すが、これは他の複
数チャネルの場合についても本質的に同様である。ま
た、ここでは電気的配線の配線パターンを直線的に示す
が、これは本発明の理解を容易にするためのものであ
り、実施例として曲線パターンによる配線であってもか
まわないものである。
第1図は本発明の一実施例に係わるアレイ化光伝送装
置を示す概略構成図である。図中1及び1′は絶縁(誘
電体)基板、3及び3′は接地電極を兼ねた放熱体で例
えばCuステム、4は発光素子アレイ、5はアレイ化光フ
ァイバ、6は受光素子アレイ、A1〜A5は各信号チャネル
の信号入力配線、B1〜B5は各信号チャネルの信号出力配
線である。ここで、電気信号配線A1〜A5及びB1〜B5の電
気接続ピン側は、従来技術と同様プリント配線基板等の
配線ピッチに合わせた間隔を有し、例えば1mmピッチに
形成する。また、発光素子アレイ4、受光素子アレイ6
側の配線ピッチは、例えば0.25mmとする。
発光素子アレイ4としては、例えばGaInAsP/InP又はA
lGaAs/GaAsを材料系とした発光ダイオードアレイ又は半
導体レーザアレイを用い、受光素子アレイ6としては発
光素子アレイ4に対応した材料系によるPINフォトダイ
オードアレイを用いる。また、アレイ化光ファイバ5と
しては、例えば石英系光ファイバで250μmピッチアレ
イのリボンファイバを用いればよい。絶縁基板1上の電
気配線A1〜A5及びB1〜B5は例えば前述した従来技術と同
様伝送線路形式で構成し、例えば絶縁基板1を厚さ100
μmのAl2O3とし電気配線のライン幅を100μm、裏面を
全面メタライズして特性インピーダンス約50Ωのマイク
ロストリップラインとする。メタライズとしては、例え
ばAu/Cr(10000Å/1000Å)を用いればよい。
次に、この実施例の電気的配線長の均等化について詳
しく説明する。第2図は電気配線ピッチの変換を行う電
気配線部分を抜き出して示した図で、(a)は平面図、
(b)は側面図である。図中1がAl2O3基板、2が裏面
メタライズ、A1〜A5が電気配線(マイクロストリップラ
イン)である。図中a、b、cはライン中心間の配線幅
l1、l2、l3はラインの余長を示しており、電気的配線長
として電気接続ピン側のパッド部(ライン幅を拡大した
部分)の先端から考慮するものとする。また、これはパ
ッド部を含めても同様になることは容易に理解できる。
なお、l1の余長は必ずしも必要ではないが、ここでは線
路の折れ曲がり数を各ラインで同一にするため設けてあ
る。このような配置で各ラインの長さをL1〜L5(A1〜A5
に対応)と定義すると、 L1=l1+l2+l3+4b+4a−4c L2=l1+l2+l3+4b+3a−3c L3=l1+l2+l3+4b+2a−2c L4=l1+l2+l3+4b+a−c L5=l1+l2+l3+4b となり、簡略のためl1+l2+l3+4b≡Loとする。これ
を、第1図で示したように送信側と受信側で逆に用い、
B1〜B5のライン長をL1′〜L5′と定義すると各信号チャ
ネルの電気配線長は、 A1,B1:L1+L1′=Lo+4a−4c+Lo A2,B2:L2+L2′=Lo+3a−3c+Lo+a−c A3,B3:L3+L3′=Lo+2a−2c+Lo+2a−2c A4,B4:L4+L4′=Lo+a−c+Lo+3a−3c A5,B5:L5+L5′=Lo+Lo+4a−4c となり、各チャネルとも合計長が2Lo+4a−4cと等しく
なる。また、このとき線路の折れ曲がり数も各チャネル
4点と一定であり、各チャネルとも電気的に同等の配線
長となることが判る。
上記の配線長の関係は、第1図のA1〜A5に同位相の信
号が入った場合、発光素子アレイ4に各チャネルの信号
位相がずれて入力され、光ファイバアレイ5中をそのま
ま伝送して受光素子アレイ6に到達するが、B1〜B5の出
力においては再び信号の位相が同位相に復元されること
を意味する。即ち、この実施例により並列伝送を行った
場合、情報単位中の各データビット信号が同時に出力さ
れ、各データビット毎の伝送速度分散が原理的に抑制さ
れることになるため、情報関連機器のアレイ化光伝送が
高速に行える。また、本実施例では入力端から出力端の
間に起こる信号クロストークは並列伝送信号とは時間的
な遅れ及び進みが生じ、伝送信号と重複し難いという特
徴がある。このため、クロック信号を基準としてデータ
判別を行いそのデータを基に前後のデータのクロストー
ク成分除去を行うという、従来技術では得られなかった
新しい効果が得られるという特徴も持っている。
かくして本実施例によれば、配線ピッチ変換を有しな
がら各信号チャネルの伝送時間分散を抑制することがで
き、並列伝送情報の情報位相の均等化をはかり得る。こ
のため、アレイ化光伝送装置を情報関連機器で用いられ
るような数ビットのデジタルデータを情報単位とするよ
うな情報伝送においても各ビットのデータ伝送時間分散
が少く、従って高速の並列情報伝送が行えるという効果
が得られる。また、従来行われてきたシリアルデータ伝
送や、時分割多重伝送のような特別の機能を付加するこ
となく、同等以上のデータ品質でリアルタイム且つ高速
な情報伝送が行える効果がある。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものでは
なく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施
することができる。実施例では、発光素子及び受光素子
から電気接続ピンまでの配線を直角に折り曲げたが、こ
の配線を曲線パターンとしてもよい。この場合、各光チ
ャネルにおける発光素子側及び受光素子側の配線長の和
は必ずしも等しくする必要はなく、要は発光素子側の電
気接続ピンから受光素子側の電気接続ピンまでの信号位
相のずれが、各光チャネルで相互に等しくなる長さとす
ればよい。また、発光素子及び受光素子を光学的に接続
する手段は光ファイバに限るものではなく、基板上に導
波層を形成した光導波路を用いることも可能である。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、各信号チャネル
の電気的遅延を均等化するため送信側電気遅延を故意に
異ならせ、受信側電気遅延を送信側と逆に与えることで
結果として出力される電気的遅延を一定としているの
で、配線ピッチ変換を有しながら各信号チャネルの伝送
時間分散を抑制することができ、並列伝送情報の情報位
相の均等化をはかり得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係わるアレイ化光伝送装置
を示す概略構成図、第2図は上記装置の要部構成を拡大
して示す図、第3図は従来装置を示す概略構成図、第4
図は上記従来装置の要部構成を拡大して示す図である。 1,1′……絶縁基板、 2……裏面メタライズ、 3,3′……放熱体、 4……発光素子アレイ、 5……アレイ化光ファイバ、 6……受光素子アレイ、 A1〜A5……信号入力配線、 B1〜B5……信号出力配線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 10/00 - 10/28 H01L 21/82 H01L 27/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定ピッチでアレイ化され複数の光チャネ
    ルを構成する発光素子及び受光素子が各チャネルの光学
    長がほぼ等しい光伝送路で光学的に結合され、該発光素
    子及び受光素子が各光チャネルのアレイ化ピッチよりも
    広いピッチを有する電気接続ピンに接続されており、 前記各光チャネルの前記電気接続ピンへの電気的接続長
    が、発光素子側及び受光素子側のそれぞれのチャネル間
    で異なり、発光素子側で各チャネル間に所定の信号位相
    差を有するように各チャネルの電気長を異ならせ、前記
    光伝送路で各光チャネルの光信号が所定の位相差を持っ
    て光伝送されるよう設定すると共に、受光素子側の前記
    各チャネルの前記電気接続ピンへの電気接続長が発光素
    子側と逆の信号位相差を有するように各チャネルの電気
    長を異ならせ、発光素子側及び受光素子側を合計して各
    チャネルの電気接続部の電気長が相互にほぼ同等の長さ
    となるよう設定したことを特徴とするアレイ化光伝送装
    置。
  2. 【請求項2】前記電気的接続長を設定する手段として、
    前記発光素子側の電気接続ピンから前記受光素子側の電
    気接続ピンまでの信号位相のずれを、前記各光チャネル
    で相互に等しくしたことを特徴とする請求項1記載のア
    レイ化光伝送装置。
  3. 【請求項3】前記電気的接続長を設定する手段として、
    前記発光素子から電気接続ピンまでの各配線を同一角度
    で同じ回数だけ折り曲げ、且つそれぞれの光チャネルで
    配線長を異ならせ、前記受光素子から電気接続ピンまで
    の各配線を同一角度で同じ回数だけ折り曲げ、且つそれ
    ぞれの光チャネルで配線長を異ならせ、前記各光チャネ
    ルにおける発光素子側及び受光素子側の配線長の和を相
    互に等しくしたことを特徴とする請求項1記載のアレイ
    化光伝送装置。
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