JP2975391B2 - トナー担持体製造方法 - Google Patents

トナー担持体製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、一成分非磁性トナーを使用する画像形成装
置の現像装置のトナー担持体の製造方法に関する。
従来技術 一成分非磁性トナーを現像剤として使用する現像装置
は、二成分現像剤を使用する現像装置に比して、トナー
補給、トナーとキャリアとの攪拌装置、画像濃度及び現
像剤中のトナー濃度制御装置が不要であり、画質の安
定、保守の容易、低価格、装置の小型化が可能であり、
又、一成分非磁性トナーは従来広く使用されている一成
分磁性トナーに比して、色の濁りの原因となる磁性体を
含有しないため、重ね合せ転写した場合、色の再現性が
良く、感光体に沿って3個乃至4個の互いに異る色の現
像装置を備え、同一転写紙に重ね合せ転写を行なうこと
によりカラー画像を再現するフルカラー複写機等のカラ
ー画像形成装置の現像装置として極めて好都合である。
非磁性一成分トナーを使用する現像装置の一般的な構
成を第1図により説明する。
現像装置20の現像容器21は、感光体ドラム1に現像位
置Dで対向する位置に全長に亘って現像用開口を有し、
この開口を介して、現像容器21内にはローラとして形成
されたトナー担持体22が設けられている。現像容器内に
収納されたトナー30は、アジテータ26により攪拌されて
ブロック化が防止されるとともにトナー担持体22に接し
て回転するトナー供給部材23に供給される。トナー供給
部材23は、回転軸上に設けたウレタンフォーム、スポン
ジゴム等の多孔性弾性材料で作られたロール状部材で、
その弾性と表面の多孔性とにより充分な量のトナーをト
ナー担持体22に供給する。トナー供給部材23の周面に、
トナー担持体22と反対側の位置で喰い込むように接し
て、トナー供給部材表面の孔につまったトナーをはじき
落し、目詰りを防止し、トナー供給部材23の弾性及びト
ナー供給性を常に安定に維持し、トナー担持体へのトナ
ー供給量ひいては画質の安定を維持するフリッカ部材28
が設けられている。トナー供給部材23により、トナー担
持体22に供給されたトナーは、トナー担持体の回転に伴
われて現像位置Dの方に向って搬送され、その途中で表
面に圧接するウレタンフォームなどの弾性部材を有する
ならし部材27により均一化され、含ふっ素樹脂、シリコ
ーン樹脂、ポリエチレン等オレフィン系樹脂などの非粘
着性材料で作られたトナー層厚規制部材24により、トナ
ー層厚を規制され、均一な薄層とされるとともに、均一
に帯電され、現像装置Dに至り、感光体1に接触し、感
光体上に静電写真プロセスにより形成された静電潜像を
現像する。
さて、感光体がベルト状感光体の場合は、上記構成の
一成分非磁性現像装置のトナー担持体は柔軟性のないも
のであっても差支えないが、感光体がドラム状感光体の
如く剛性を有するものには、柔軟性のないトナー担持体
は対応できない。又、トナー担持体が硬い場合はトナー
層厚規制部材に摩耗を生ずるため、高い耐久性が得られ
ないと云う課題を有する。
上記の課題を解決する手段としては、例えば特開昭55
−105440号公報には、トナー担持体の表層にゴム材料を
使用した構成が開示されている。しかし、ゴム層のその
まゝ外周面に露出していると粘着性が強く、トナーの固
着が発生し易く、画質を劣化させる欠点がある。
そこで、本発明者は、特開昭63−98679号公報によ
り、トナー担持体のゴム材層の上に含ふっ素樹脂等の樹
脂層を設けることを提案した。
しかし、弾性層の上に被せる樹脂層を、弾性層の弾性
を阻害することなく柔軟な樹脂で薄く、精度高く、しか
も製造コストがかさまないように製作することは困難で
あった。
発明が解決しようとする課題 本発明は、上記構成の従来の一成分非磁性現像装置用
トナー担持体の製作に関する上述の問題点にかんがみ、
トナー担持体を構成する弾性層の弾性を阻害することな
く、またトナー担持体の寸法精度を損ねることなく極め
て低コストで薄い樹脂層を形成することができるように
トナー担持体を製造することを課題とする。
課題を解決するための手段 本発明によれば、上記の課題を解決するために、軸部
に弾性層、弾性シリンダ層をこの順に重ねてロール状に
構成するトナー担持体の製造方法において、柔軟な熱収
縮材チューブ材を円柱状型材に被せて加熱し該型材に密
着させて成型し、上記型材から離型することで形成され
た弾性シリンダ層をしかる後に上記弾性層に重ねるよう
にした。
作 用 弾性層に被覆されるべき弾性シリンダ層をなす柔軟な
熱収縮チューブ材が先ず上記弾性層とは別の円柱状型材
に被せられて加熱され、該型材に密着成型されるので、
簡単に薄肉の柔軟な弾性シリンダ層が極めて精度良くも
たらされ、ひいては寸法精度が高く所定の弾性を確保し
たトナー担持体がもたらされる。
実施例 以下に本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。第2図は本発明を、第1図で説明した一成分非磁性
現像装置のトナー担持体に適用した結果もたらされた構
成を示す断面図である。
このトナー担持体は、軸部1の上に接着層2、ソフト
化層3、電極層4、弾性シリンダ層5及びオーバーコー
ト6を順次積層して構成されている。
軸部1は、通常ステンレスやアルミニウム等の金属で
作られ、電極層4に対して外部電源よりの通電を可能に
している。軸部1は金属の他導電化した有機合成樹脂材
を使用することも可能である。
ソフト化層3は、ゴム、スポンジゴム、あるいはウレ
タンフォームなどの弾性を有する発泡樹脂で作られてい
る。特にウレタンフォーム等の発泡樹脂は本発明のトナ
ー担持体のソフト化層の材料として好適な材料である。
ソフト化層3は前述の如く、電極層4に対して適当な通
電状態を得るため導電化処理されていることが望まし
い。導電化処理は通常カーボンブラックの如き導電性微
粉末を前記弾性材料に含有させるか、あるいはスポンジ
ゴム、ウレタンフォーム等の多孔質材料に対しては表面
に導電材を被着する。前記スポンジゴム、ウレタンフォ
ームなどの多孔性材料に対して表面に導電材を被着する
方法としては、カーボンブラックあるいはAl、Agの如き
導電性微粉末を、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリ
ル樹脂、アルキッド樹脂の如き有機樹脂あるいはRTVシ
リコーンゴムの如きゴム材を、トルエン、キシレン、さ
く酸ブチルなどの有機溶剤に分散させた液中に、前記ソ
フト化材を浸漬するか、金属の真空蒸着あるいは上記導
電性微粉末の微粉状のまゝでの乾式の吹き付けにより行
なうことが可能である。
又、前記溶液を軸部1上にすでに成型したソフト化層
3にコートし、必要に応じて上記の溶液を絞ることによ
り、ソフト化層を導電化することも可能である。
前記の如く設けられた導電性ソフト化層の軸部1に対
する通電は、接着層2として導電性接着剤を使用する
か、接着剤を軸部に対して、一部軸部表面が露出する如
く軸部表面に不連続に設けることによって達成される。
接着層2の好適な材料としては、両面接着テープ、ある
いは熱可塑性接着剤が挙げられる。両面接着テープを使
用する場合は、軸部の自由表面が一部露出するように螺
旋状に巻けばよい。
弾性シリンダ層5の材料としては、熱収縮チューブ材
が使用され、円柱状型材に被せて加熱し、収縮させて型
材に密着させて成型した後型材から外して得られた柔軟
なチューブが使用されている。この目的に使用される熱
収縮材料としては、塩化ビニール、ポリエステル、ポリ
エチレン、含ふっ素樹脂、シリコーンゴム材等が使用可
能であるが、特にポリエチレンは適度の柔軟性を有し、
トナーフィルミングの発生を防止する非粘着性を備えて
おり最適の材料である。
電極層4は、ソフト化層3と弾性シリンダ層5との間
に設けられ、導電性材料が使用される。この場合の導電
性材料としては、カーボンブラックやSnO2、Agなどの金
属微粉末を含有させることにより導電化されたRTVシリ
コーンゴム等が適している。電極層4はソフト化層3と
弾性シリンダ層5とを接着する接着剤の役割を果してい
る。
なお、弾性シリンダ層の材料に導電性微粉末を分散し
て含有せしめることにより、電極層4を省略し、該電極
層に相当する厚みの接着剤層を介してソフト化層3に弾
性シリンダ層を接着して設けることも可能となり、構成
が簡単になりコスト低減を図ることができる。この場合
のシリンダ層の接着は、ソフト化層に接着性硬化型導電
材(例えば導電性カーボンブラックを含有するRTVシリ
コーンゴム)をコートし、硬化前にシリンダ層を被着す
るか、あるいは前記導電材が硬化した後、前記接着性硬
化導電材をソフト化層表面にコートし、これが硬化する
前にシリンダ層を設けることが効果的である。
オーバーコート6は、トナー担持体表面に耐摩耗性、
非粘着性、トナーに対する摩擦帯電性を与えることを目
的としており、本発明のソフトなトナー担持体に対して
はさらに柔軟性を備えていることが要求される。上記の
要求を充すオーバーコート材料としては、ウレタン樹
脂、含ふっ素樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂など
が選択される。又、これらの材料に対して含ふっ素化合
物を含有せしめることによりトナーのオーバーコートに
対する粘着性を低下させることができる。さらに、オー
バーコート材に対してTiO2,SiO2などの無機化合物微粉
末、ウイスカあるいはカーボンブラック、有機樹脂微粉
末を加えることにより、耐摩耗性を向上させることがで
きる。
なお、弾性シリンダ層5の材料を適当に選択すること
により、オーバーコート層6を省略することも可能であ
る。すなわち、弾性シリンダの材料としてポリエチレ
ン、ポリエステル、含ふっ素樹脂、特にポリエチレンを
選択した場合は、オーバーコート層を設ける必要はな
い。
効 果 以上の如く、弾性シリンダ層の形成にあたって、軸部
上の弾性層に柔軟な熱収縮チューブを加熱作用を施す前
に重ねて熱収縮するのではなく、先ず該弾性層とは別の
円柱状型材に上記熱収縮チューブを被せて加熱して型材
に密着成型し、上記型材から離型することで寸法精度の
良い弾性シリンダ層を形成し、しかる後に上記弾性層に
重ねるようにしたので、トナー担持体の弾性を失うこと
なく、また寸法精度も高く維持することができ、表面で
のトナー固着の発生を抑制できる程度の低い粘着性を確
保でき、全体として柔軟な性質も付与される。
この柔軟性により、現像位置における感光体に対する
接触圧を低減させ、現像トナーの掻き取り効果をコント
ロールして、コントラストの高い、階調性のすぐれた画
像が実現する。
さらに、感光体の摩耗を抑制して感光体の特性の安定
化と耐久性の向上を図ることができる。
又、現像装置内のトナー供給部材、トナー層厚規制部
材による刺激をやわらげることにより、現像装置の駆動
トルクを小さくし、画像形成装置の小型化を容易にする
ことができる。
さらに、熱収縮チューブの採用による極めて高い表面
精度により、ムラのない均一な画像が得られる。
しかも上記の高精度は熱収縮チューブの採用により極
めて低コストで達成でき、コスト低減に多大の効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明が適用されるトナー担持体を有する一成
分非磁性現像装置の1例の全体構成を示す断面図、第2
図は本発明のトナー担持体の実施例の構成を示す断面図
である。 1……軸部、2……接着層 3……ソフト化層(弾性層) 4……電極層、5……弾性シリンダ層 6……オーバーコート

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面に一成分非磁性現像剤を担持して潜
    像担持体に搬送し接触現像を行う現像装置用トナー担持
    体の製造方法にして、軸部に弾性層、弾性シリンダ層を
    この順に重ねてロール状に構成するトナー担持体の製造
    方法において、 柔軟な熱収縮材チューブ材を円柱状型材に被せて加熱し
    該型材に密着させて成型し、上記型材から離型すること
    で形成された弾性シリンダ層をしかる後に上記弾性層に
    重ねることを特徴とするトナー担持体製造方法。
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