JP2974483B2 - 機械の円運動精度測定方法および装置 - Google Patents

機械の円運動精度測定方法および装置

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JP2974483B2
JP2974483B2 JP4008422A JP842292A JP2974483B2 JP 2974483 B2 JP2974483 B2 JP 2974483B2 JP 4008422 A JP4008422 A JP 4008422A JP 842292 A JP842292 A JP 842292A JP 2974483 B2 JP2974483 B2 JP 2974483B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械の円運動精度の測
定方法および装置に関し、特に、機械がNCプログラム
に従って実行する円運動の回転中心と円運動精度測定器
の回転中心とが精密に一致していないことから実測々定
データ内に混入する偏心データを適正に処理することに
より、偏心データ分を除去して真の円運動精度を測定可
能にする方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械や三次元測定装置等の主軸とこ
れに対向して直交2軸方向に移動可能なテーブルとを具
備した機械においては、主軸とテーブルとの間で相対的
な2軸移動、例えば、NCの円弧補間方式に基づく2軸
移動による円運動を遂行させることによって、ワークの
円筒形状加工や加工された円筒形状ワークの真円度や円
筒度の測定が行われる。このために、機械の円運動の精
度が直接、ワーク加工精度やワーク測定精度に影響を及
ぼす。従って、この種の機械の円運動精度を測定し、そ
の測定結果に従って機械の補正や保守管理を行うことが
要請され、実行されつつある。
【0003】故に、主軸と2軸可動テーブルとを備えた
この種の機械の円運動精度を測定する方法と測定機器
が、既に、種々提案されており、例えば、本出願人によ
る特願平3ー006431号に開示のものがある。即
ち、この本出願人による機械の円運動精度測定機器は、
2つの回転軸を機械の主軸とテーブルとの両者に分離、
装着し、かつ、両回転軸間を運動半径調節桿およびスラ
イド桿からなる測定バー手段によって結合し、テーブル
をNCプログラムに従って円運動させたときに、上記両
回転軸の一方の回転軸が他方の回転軸回りに常に同一点
が向き合った姿勢で相対的に円運動を行うようにさせ、
このとき、上記円運動の半径値Rに相当する両回転軸の
中心間の距離の所定値からの変動量を径変位として測定
する測定手段を上記測定バーに設けて円運動の精度測定
をおこなう構成を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上述した
本出願人による機械の円運動精度測定器を初めとする既
存の種々の測定機器においては、測定精度上で未だ問題
点がある。すなわち、機械は例えば、NCプログラムに
従って駆動モータと送り機構との作動を介して円運動を
実行し、その円運動の精度を測定機器が測定するが、円
運動の径変位を測定する過程では、機械側が実行する上
記円運動の中心、つまり、NCプログラムに従って実行
する円運動の理論的回転中心と機械の円運動に伴う測定
器側の回転軸の機械的回転中心とを常に、完全に一致さ
せる手段はなく、故に、両中心を一致させることは実質
的に不可能である。この結果、円運動精度の測定データ
には、上記の両中心の不一致に起因した偏心データが混
入する結果となる。
【0005】このような偏心量の補正は、測定機器によ
り測定点のデータを得た段階で、複数の測定点から真の
回転中心を見つけ出して補正する手法、従来の真円度測
定器において用いられているように、専用の電気的フィ
ルター回路を設け、偏心に由来した所定の周波数のデー
タ成分を除去する補正手法、或いは高速フーリエ変換に
よって偏心に関する周波数成分を求めて、演算で偏心成
分を除去する補正手法等が採られていた。
【0006】然しながら、上記の第1番目の手法では、
真の中心を測定者が見出して補正を行うことがかなり煩
瑣な作業を伴い、また、測定によってバラツキが発生す
る不具合がある。また、第2番目の専用の電気フィルタ
回路を設ける方法では、測定時における円運動速度等に
制限があり、特に、工作機械の円運動精度の測定のよう
に、高速から低速の広い範囲にわたる円運動に関して精
度測定が可能であることを要求される場合には、適用が
不可能になると言う不具合がある。更に、第3番目の補
正手法では、演算手法上、測定点数に制約を受け、機械
の円運動精度測定に必要な十分な測定点数を扱うことが
できない場合があり、また、演算にSIN、COS等の
三角関数演算の項目を有した多数の乗除算処理を行う必
要があることから、処理時間が増大し、また、市販の比
較的廉価な汎用コンピュータ程度では、充分に処理する
ことが困難であることから、例えば、加工現場に運動精
度測定器を持ち込んで簡単に工作機械の円運動精度の測
定を遂行する等は困難になる欠点を有している。
【0007】依って、本発明の目的は、従来の機械の円
運動精度の測定における偏心データの補正に伴う諸欠点
を解消可能な機械の円運動精度の測定方法と装置とを提
供することである。本発明の他の目的は、機械の円運動
精度の測定において、測定データ内に混入する機械の円
運動の中心と円運動精度測定器の機械的中心とのずれに
起因した偏心データを比較的安価な手段で除去可能にす
ると共に、加工現場等で簡単に実用することが可能な機
械の円運動精度の測定方法と装置とを提供せんとするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明によれば、機械の円運動精度の測定に当た
って円運動径が種々異なることに鑑み、円運動半径R、
機械が或る半径に依る円運動を行うときに、その円運動
の円軌跡に沿って進行するための送り速度F、偏心補正
された真円度を求める場合に必要とする測定データのサ
ンプリング個数を決定するためのサンプリング時間Tと
の3つのパラメータにおける相関々係を予め実験によっ
て取得すると共にデータ記憶手段に格納し、測定すべき
円運動の半径と円運動遂行過程の送り速度とを指定した
場合のサンプリング時間を、上記の相関関係から求め、
求めたサンプリング時間から測定に必要な円運動のサン
プリング個数を演算して求め、求めたサンプリング個数
の測定データを円運動精度測定器から取り込んで、その
測定データから偏心補正の演算を行い、偏心補正後の測
定データから、円運動精度を示す真円度を求めるように
したものである。
【0009】すなわち、本発明によれば、機械の主軸と
その主軸に対向して設けられたテーブルとの間の所定半
径による相対的な円運動の精度を、前記主軸とテーブル
との間に取付けた円運動精度測定器により該所定半径か
らの変位データを取り込むことにより測定する機械の円
運動精度測定方法において、円運動の半径Rと該円運動
の円軌跡に沿って進行する送り速度Fと必要なサンプリ
ング個数だけ測定データを取り込むためのサンプリング
時間Tとの3つのパラメータの相関々係を予め求めて記
憶し、測定すべき円運動の半径と該円運動の送り速度と
を入力し、前記記憶された3つのパラメータの相関々係
から前記入力した測定すべき円運動の半径と送り速度と
に対応したサンプリング時間を読み出し、前記読み出し
たサンプリング時間と前記入力した測定すべき円運動の
半径および該円運動の送り速度から求まる円運動の1回
転当たりの所要時間とから当該円運動の精度測定に必要
なサンプリング個数mを演算し、前記円運動精度測定器
から前記演算したサンプリング個数mだけ測定データを
取り込み、前記取り込んだ測定データから前記測定すべ
き円運動の心ずれ補正演算を実行して心ずれ補正後の測
定データを得る、機械の円運動精度測定方法が提供され
る。
【0010】また、本発明によれば、機械の主軸とその
主軸に対向して設けられたテーブルとの間の所定半径に
よる相対的な円運動の精度を測定する機械の円運動精度
測定装置において、前記主軸とテーブルとの間に取付け
られ、機械の円運動の前記所定半径からの変位データを
取り込む円運動精度測定器と、円運動の半径Rと該円運
動の円軌跡に沿って進行する送り速度Fと必要なサンプ
リング個数だけ測定データを取り込むためのサンプリン
グ時間Tとの3つのパラメータの相関々係を予め格納す
るためのデータ格納手段と、測定すべき円運動の半径と
該円運動の送り速度とを測定条件として入力するための
測定条件入力手段と、前記データ格納手段に格納された
3つのパラメータの相関々係から前記測定条件入力手段
により入力した測定すべき円運動の半径と送り速度とに
対応したサンプリング時間を読み出し、前記読み出した
サンプリング時間と前記入力した測定すべき円運動の半
径および該円運動の送り速度から求まる円運動の1回転
当たりの所要時間とから当該円運動の精度測定に必要な
サンプリング個数mを演算する第1の演算手段と、前記
円運動精度測定器による測定データの出力信号を前記第
1の演算手段により演算したサンプリング個数mだけ取
り込んで記憶する測定データ記憶手段と、前記測定デー
タ記憶手段に記憶された測定データから前記測定すべき
円運動の心ずれ補正演算を実行して心ずれ補正後の測定
データを求める第2の演算手段と、を具備する機械の円
運動精度測定装置が提供される。
【0011】
【作用】上述した本発明の円運動精度の測定方法と装置
とによれば、機械の円運動精度の測定をおこなうとき、
測定条件として機械が2軸送り動作の円弧補間によって
実行する円運動々作の半径と送り速度とをパラメータと
して指定すると、その指定したパラメータである円運動
の半径と送り速度に対応した円運動精度の測定に必要な
サンプリング個数を予めデータ記憶手段に格納された相
関々係から求めることができ、そして求めたサンプリン
グ個数の測定データだけを円運動精度測定器から取込
み、同測定データを用いて周知の一定の演算式に則る心
ずれ補正の演算を例えば市販のパソコン等の演算手段で
実行し、偏心補正後の測定データから円運動の精度を求
めるものである。つまり、円運動精度測定器から徒に多
数の測定データを掻き集めることなく、夫々の測定条件
に見合った最適サンプリング個数だけの測定データを取
り込んで高精度の円運動精度測定結果を得ることができ
るのである。以下、本発明を添付図面に示す実施例に基
づいて、更に、詳細に説明する。
【0012】
【実施例】図1は、本発明による機械の円運動精度の測
定方法の実施に利用することのできる円運動測定器の一
例を示す断面図、図2は、本発明による機械の円運動精
度の測定方法の実施に直接利用する装置の構成を示すブ
ロック図、図3は、データ記憶手段に予め格納される円
運動の半径Rと円軌跡に沿う送り速度Fと必要なサンプ
リング個数だけ測定データを取り込むための最適サンプ
リング時間Tとの3つのパラメータの相関々係を三次元
座標に示したグラフ図、図4は、本発明による機械の円
運動精度の測定方法の作用フローを示すフローチャート
図、図5は、円運動精度の測定方法により測定された円
運動の精度の測定結果の一例を示すグラフ図である。
【0013】先ず、図1を参照して工作機械や三次元測
定機等の機械の円運動精度の測定器の一例の構成を説明
する。図1において、30は機械の主軸を示し、また、
32は同機械のテーブルを示している。主軸30には回
転軸ホルダー34を介して円運動精度測定器10の第1
の回転軸40が着脱自在に装着され、また、テーブル3
2には、同測定器10の第2の回転軸60が同じく適宜
のクランプ部材を介して着脱自在に装着されている。
【0014】上記の第1、第2の回転軸40、60にお
ける前者の第1の回転軸40は、ハウジング42内に2
つの回転軸受44、44を介して中心軸線回りに回転自
在に支持された回転軸本体46を有し、この回転軸本体
46の下端に水平な治具保持孔46aを形成する2股構
造部が設けられ、クランプねじ48により同治具保持孔
46aに差し込まれた被保持体、即ち、後述の運動半径
調節桿12を締付け固定するように形成されている。
【0015】他方、上記第2の回転軸60は、テーブル
32に固定される台座62を下端に有するハウジング6
4内に2つの回転軸受66、66を介して回転自在に支
持された回転軸本体68を有し、この回転軸本体68の
上端に水平な円形孔状の摺動溝68aが形成されてい
る。そして、同回転軸本体68の中心孔内に延設された
変位計70の検出端70aが回転軸本体68の側面から
外方に臨み、他端は回転軸本体68の下端に設けられた
ロータリーコネクタ72に接続されて、円運動精度の測
定出力を外部に送出し得るように形成されている。すな
わち、この変位計70は、例えば、周知のうず電流形セ
ンサ又は静電容量形センサから形成されるもので、対向
して設けられた測定子24と協動して円運動精度測定を
するために設けられている。なお、この第2の回転軸6
0のハウジング64内には更に、位相検出用スイッチ7
4が設けられ、回転軸本体68の下端に固定された位相
検出板76に等間隔配置で形成された4つの検出孔76
aを検出して主軸30の2軸(X,Y)平面における円
運動の象限切り換りの回転位置を検出でき、従ってテー
ブル32の1回転毎の信号が、この位相検出用近接スイ
ッチ74から得られるように成っている。
【0016】さて、主軸30とテーブル32の相対的な
円運動の運動精度を測定するときには、上述した2つの
回転軸40、60を有した円運動精度測定器10を介
挿、設定して測定が実行される。即ち、図示のように例
えば、第1の回転軸40における回転軸本体46の下端
の治具保持孔46a内に姿勢制御治具10aの運動半径
調節桿12を水平に差し込んでクランプねじ48で固定
し、スペーサ部材14を介して段違いに設けられた摺動
桿16を第2の回転軸60の回転軸本体68が有する水
平な摺動溝68aに挿入する。このとき、運動半径調節
桿12は、第1、第2の回転軸40、60の軸心間距離
を円運動の所望の半径値Rに合わせて設定される。つま
り、主軸30、テーブル32の間の2軸移動による円運
動の半径を所望値Rに設定して測定する場合に、その所
望値Rに等しい距離を運動半径調節桿12の差し込み時
に設定する。同設定は、主軸側の回転軸本体46の中心
と対向するテーブル側の回転軸本体68の中心との間の
距離が設定所望値Rに等しくなるように、運動半径調節
桿12に沿って第1の回転軸40側を調節移動させ、設
定距離Rが得られたとき、クランプねじ48を運動半径
調節桿12の側面の平坦面12aに係止させて固定すれ
ば良いのである。
【0017】なお、図示の姿勢制御治具10aは、運動
半径調節桿12とスライド桿16がスペーサ部材14の
介在により対向する主軸30側の第1回転軸40の下端
とテーブル側の第2回転軸60との間に所定の間隔を確
保しているために、第1の回転軸40の中心軸線を第2
の回転軸60の中心軸線に一致させる得る位置まで相互
に接近させ得るから、円運動の径を縮小して微小径の円
運動を遂行させる状態、つまり、円運動の半径Rを所望
の極小値、或いは、実質的にゼロにする状態に設定する
こともできる。従って、半径Rを略ゼロから同運動半径
調節桿の設計長さ寸法から決まる大きな半径値までの広
い範囲の円運動半径を設定することができるのである。
【0018】上記の姿勢制御治具10aの運動半径調節
桿12とスライド桿16との設定が終了すると、次に測
定子24のねじ軸26の先端の検出端面26aが変位計
70の検出端70aに微小間隙を介して対向するように
設定する。この測定子24の設定は、ねじ軸26を変位
計70の検出端70aに対して進退させることにより設
定し、所定の間隙値、すなわち、うず電流作用又は静電
容量作用による変位検出機能が作動する間隙値が確立さ
れたとき、止めねじ28でブラケット20にクランプす
ることで達成される。
【0019】こうして姿勢制御治具10aと測定子24
の設定が終了すると、主軸30とテーブル32との間の
円運動の運動精度を測定する準備は完了する。次に、例
えば、テーブル32を直交する2軸(X軸,Y軸)平面
内で、NCプログラムの円弧補間法による指令に従って
円運動を遂行させると、第2の回転軸60の中心軸回り
に第1の回転軸40の中心線が半径Rによる円運動をN
Cプログラムの指令送り速度(円弧に沿う周速度)によ
り遂行する。このとき、姿勢制御治具10aが両回転軸
40、60間に介在するから、第1の回転軸40が第2
の回転軸60の回りに常に同一点が向き合った状態、即
ち測定子24の検出端面26aと変位計70の検出端7
0aとが向き合った状態を維持しながら相対的な円運動
が行われる。故に、このとき、同円運動の運動精度が変
動すると、姿勢制御治具10aのスライド桿16が第2
の回転軸60の摺動溝68a内で摺動変位し、その変位
量が測定子24と変位計70との協動測定作用で電気量
として検出され、円運動精度の測定データを、同円運動
の平均円の半径からの変位量εに相当する電気的出力と
して変位計70から出力される。この間に、位相検出用
スイッチ74からは、同円運動の1回転時の検出信号が
得られる。依って、この測定データを解析することによ
り、上記円運動の運動精度を測定することができるので
ある。
【0020】なお、測定データは、例えば、本出願人に
よる既述の特願平1ー255281号に開示された測定
データと同様に真円度測定データとして検出されるが、
本発明によれば、この測定データから、更に、テーブル
32がNCプログラムに従って遂行する円運動の理論的
中心と、第2の回転軸60の機械的中心との間に不可避
的に介在する不一致から上記測定データ内に混入する偏
心データを補正し、同時に最小二乗円の径を求め、その
最小二乗円の径に対する変位を真の円運動精度として演
算することができるのである。
【0021】次に、本発明による円運動精度の測定方法
とその方法の直接の実施に使用する装置の構成と作用と
を以下に図2〜図4に基づいて説明する。さて、図2の
ブロック図を参照すると、上述した円運動精度測定器1
0の測定データは、適宜のアンプ80、A/D変換器9
0を経てサンプリング手段103に接続されている。つ
まり、サンプリング手段103により、デジタル化され
た測定データがサンプリング個数だけ読み込まれるよう
に構成されている。
【0022】ここで、円運動精度の測定に当たっては、
先ず、各機械に就いて測定すべき円運動精度の測定条
件、即ち、実際にはNCプログラムの指令に基づく機械
の送り動作の円弧補間法による合成動作として遂行され
る円運動の半径Rと同半径Rの円運動の円弧軌跡に沿う
周速度に対応した送り速度Fとの値が選定、入力される
が、この測定条件の入力は測定条件入力手段101から
実行される。そして、この入力される測定条件から円運
動精度測定器10の上述した姿勢制御治具10aにおけ
る半径値Rの設定も行われるのである。
【0023】他方、本発明の特徴として測定条件である
円運動の半径R、送り速度F、およびそのような半径
R、送り速度Fによる円運動を機械が遂行した場合に円
運動精度測定器10から得られる測定データから適正な
サンプリング個数だけ読み込むことにより、適正な円運
動精度の測定が達成できると同時に精度演算を適正な速
度で完了させることができるかと言う条件から選定した
データ取り込みのためのサンプリング時間Tとを実験的
に予め求めておき、この実験的に求めたR,F,Tの三
つのパラメータ間の相互関係を例えば、ROM手段等の
データ格納手段100に記憶、格納させておくのであ
る。図3は、このようにデータ格納手段100に記憶、
格納されたR,F,Tの三パラメータ間の相互関係をグ
ラフ図として示したものである。
【0024】かくして、データ格納手段100に格納さ
れている上記R,F,Tのデータに関し、上述した測定
条件入力手段101により、半径Rと送り速度Fとを指
令値として入力すれば、それらの指令値に対応したサン
プリング時間Tの値はたちまち、データ格納手段100
から読み出すことができる。次いで、読み出したサンプ
リング時間Tと指令入力されたR,Fから最適サンプリ
ング個数mを決定することができる。つまり、データ格
納手段100と測定条件入力手段101との両者に接続
された最適サンプリング個数決定用の第1の演算手段1
02により下記の演算式(1)、(2)から最適サンプ
リング個数mが演算、決定される。 2πR/F=Ta・・・(1) Ta/T=m ・・・(2) ここで上式におけるTaは円運動1回転の所要時間を、
mは1回転の円運動の測定データからサンプリングすべ
き測定データの個数である。
【0025】かくしてサンプリング個数mが決定される
と、上記のサンプリング手段103は、上記に決定され
たサンプリング個数の測定データを円運動精度測定器1
0から上述のようにアンプ80、A/D変換器90を介
して読み込むのである。上記サンプリング手段103に
よって読み込まれたm個の測定データは、同サンプリン
グ手段103の後段に接続された例えば、周知のRAM
手段から成る測定データ記憶手段104によってε(θ
0),ε(θ1)・・・ε(θm)として記憶される。
なお、上記測定データの読み込み過程で、円運動精度測
定器10からは円運動の1周を示す信号も同期的に読み
込まれることは言うまでもない。
【0026】然るに、上記m個のサンプリング測定デー
タε(θ0),ε(θ1),・・・ε(θm)には記述
した機械の円運動の理論的中心と円運動精度測定器10
の回転軸68(図1)の中心との不一致に起因した偏心
量σ(θ0),σ(θ1),・・・σ(θm)が夫々混
入されている。依って、上述した測定データから偏心量
を補正して真の円運動精度を演算により求める手段が、
更に設けられているのである。つまり、真の円運動精度
εe(θi),i=0,1,・・mとすると、 εe(θi)=ε(θi)−σ(θi),i=0・・・m ・・(3) なる演算式(3)による偏心量の補正演算を実行し、同
時に円運動の平均円、つまり最小二乗円を求める演算を
実行する偏心補正及び最小二乗円の演算実行用の第2の
演算手段105が設けられているのである。なお、上記
の(3)式自体は、従来より周知の式であり、その演算
実行手段は既に種々、提供されているので、ここでは詳
細な説明を省略する。また最小二乗円は、運動精度を評
価する一手段であり、ここでは最低限偏心補正だけを行
えばよい。ただ偏心補正の演算と同時に最小二乗円の演
算が容易に行えるので、第2の演算手段で2つの演算を
同時に行ってしまうのが効率的である。
【0027】次に、この第2の演算手段105によって
行われた偏心量の補正結果から真の円運動精度を示す真
円度、即ち、 ΔR= |e(θi)max−εe(θi)min|・・・(4) の演算が上記第2の演算手段105に接続された真円度
演算手段106によって実行される。同時に同第2の演
算手段105に同じく接続された真円度図形演算手段1
07によって測定した機械の円運動の精度を極座標によ
って円グラフに表示し、測定者に目視で機械の円運動精
度を認識可能にさせるための図形作成演算が実行され
る。なお、この真円度図形演算手段107は前述した最
適サンプリング値を決定する第1の演算手段102にも
接続され、同手段102から図形作成に必要な各測定デ
ータをサンプリングした角度位置、即ち360°/mの
情報値を得ている。
【0028】かくして得られた真の運動円精度を示す真
円度ΔR及び円グラフ作成用のデータは、上記真円度演
算手段106と真円度図形演算手段107とに接続さ
れ、かつ、CRT画面やプリンタ手段等を具備した出力
手段108に出力され、測定者に円運動精度の測定結果
とその図形グラフとを表示するのである。ここで表示さ
れる測定結果には、後述する図5のグラフと共に測定条
件である円運動の指令半径R、送り速度Fの値、円を指
令送り速度Fで1周するのに要した時間値、測定データ
をサンプリングした円上の位置、演算によって得た最小
二乗円の半径値、測定条件として指令入力した半径値R
と演算で得た最小二乗円の半径との誤差、真円度の値等
がある。
【0029】図4は上述した図2のブロック図に示した
本発明に係る円運動精度の測定方法の直接の実施に用い
られる装置が真の真円度を求め、かつ、図形表示データ
を出力するまでの、測定データ読み込み過程、演算過程
等をプロセスを順次に示したフローチャートである。つ
まり、所定の円運動の半径値Rと送り速度Fの指令入力
プロセス(イ)、最適サンプリング個数の決定プロセス
(ロ)、円運動精度測定器10からサンプリング個数m
の測定データを読み込むプロセス(ハ)、読み込んだ測
定データを記憶するプロセス(ニ)、偏心補正と最小二
乗円の演算プロセス(ホ)、真の円運動精度である真円
度ΔRを演算するプロセス(ヘ)、真円度図形作成デー
タの演算プロセス(ト)等を実行し、最終的にその結果
を出力するのである。
【0030】図5は、上述した真の円運動精度の演算に
よって結果を真円度図形演算手段107からの出力デー
タに基づいてCRT画面に表示した1例を示している。
なお、図2において、円運動精度測定器10として図1
に示すもの以外のものを使用することは可能である。
【0031】以上の説明から、本発明によると、機械の
円運動精度の測定において従来から測定データ内に混入
されていることが分かっていた偏心成分の補正が、簡単
な演算を順次に実行することで、除去され、真の円運動
精度を数値データとして又グラフ表示データとして測定
者が認識可能となることが理解できよう。なお、ここで
言う最適サンプリング時間および最適サンプリング個数
の最適とは、測定者が希望する円運動精度測定結果の精
密度に合った、適正な、必要最小限のという意味であ
る。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、以上に記載のごとく、
機械の円運動精度の測定に当たり、予め、円運動の半径
Rと、その円運動を機械がNCプログラムに従って実行
する場合の送り速度F(円運動の周速度)と、演算処理
に必要な測定データの読み込みサンプリング時間Tとの
三者パラメータの相互関係を実験的に求めてデータ格納
手段に記憶、格納するようにしたことを大きな特徴とし
ている。そして、この格納データに基づいて実際に機械
の円運動精度を種々の測定条件、つまり、所望の円運動
半径値と送り速度とにより実行させ、最適サンプリング
個数の測定データだけを読み込み、読み込んだ測定デー
タから偏心成分を除去する演算を行うようにしたから、
真の円運動精度の測定が、比較的単純な演算結果として
得ることができ、しかも、夫々の測定条件に応じた最適
のサンプリング個数を求めて測定と演算とを実行するか
ら、短時間で、しかも測定者が認識し易いように測定結
果を数値データとグラフ表示データとの両者で得ること
が可能となったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による機械の円運動精度の測定方法の実
施に利用することのできる円運動精度測定器の一例を示
す断面図。
【図2】本発明による機械の円運動精度の測定方法の実
施に直接利用する装置の構成を示すブロック図。
【図3】データ記憶手段に予め格納される円運動の半径
Rと円軌跡に沿う送り速度Fと必要なサンプリング個数
だけ測定データを取り込むための最適サンプリング時間
Tとの3つのパラメータの相関々係を三次元座標に示し
たグラフ図。
【図4】本発明による機械の円運動精度の測定方法の作
用フローを示すフローチャート図。
【図5】円運動精度の測定方法により測定された円運動
の精度の測定結果の一例を示すグラフ図。
【符号の説明】
10…円運動精度測定器 30…機械の主軸 32…機械のテーブル 70…変位計 74…位相検出用スイッチ 100…データ格納手段 101…測定条件入力手段 102…第1の演算手段 103…サンプリング手段 104…測定データ記憶手段 105…第2の演算手段 106…真円度演算手段 107…真円度図形演算手段 108…出力手段

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械の主軸とその主軸に対向して設けら
    れたテーブルとの間の所定半径による相対的な円運動の
    精度を、前記主軸とテーブルとの間に取付けた円運動精
    度測定器により該所定半径からの変位データを取り込む
    ことにより測定する機械の円運動精度測定方法におい
    て、 円運動の半径Rと該円運動の円軌跡に沿って進行する送
    り速度Fと必要なサンプリング個数だけ測定データを取
    り込むためのサンプリング時間Tとの3つのパラメータ
    の相関々係を予め求めて記憶し、測定すべき円運動の半径と該円運動の送り速度とを入力
    し、 前記 記憶された3つのパラメータの相関々係から前記入
    力した測定すべき円運動の半径と送り速度とに対応した
    サンプリング時間を読み出し、前記読み出したサンプリ
    ング時間と前記入力した測定すべき円運動の半径および
    該円運動の送り速度から求まる円運動の1回転当たりの
    所要時間とから当該円運動の精度測定に必要なサンプリ
    ング個数mを演算し、 前記円運動精度測定器から前記演算したサンプリング個
    だけ測定データを取り込み、前記取り込んだ 測定データから前記測定すべき円運動の
    心ずれ補正演算を実行して心ずれ補正後の測定データを
    得る、 ことを特徴とした機械の円運動精度測定方法。
  2. 【請求項2】 機械の主軸とその主軸に対向して設けら
    れたテーブルとの間の所定半径による相対的な円運動の
    精度を測定する機械の円運動精度測定装置において、 前記主軸とテーブルとの間に取付けられ、機械の円運動
    の前記所定半径からの変位データを取り込む円運動精度
    測定器と、 円運動の半径Rと該円運動の円軌跡に沿って進行する送
    り速度Fと必要なサンプリング個数だけ測定データを取
    り込むためのサンプリング時間Tとの3つのパラメータ
    の相関々係を予め格納するためのデータ格納手段と、 測定すべき円運動の半径と該円運動の送り速度とを測定
    条件として入力するための測定条件入力手段と、 前記データ格納手段に格納された3つのパラメータの相
    関々係から前記測定条件入力手段により入力した測定す
    べき円運動の半径と送り速度とに対応したサンプリング
    間を読み出し、前記読み出したサンプリング時間と前
    記入力した円運動の半径および該円運動の送り速度から
    求まる円運動の1回転当たりの所要時間とから当該円運
    動の精度測定に必要なサンプリング個数mを演算する第
    1の演算手段と、 前記円運動精度測定器による測定データの出力信号を前
    記第1の演算手段により演算したサンプリング個数
    け取り込んで記憶する測定データ記憶手段と、 前記測定データ記憶手段に記憶された測定データから前
    記測定すべき円運動の心ずれ補正演算を実行して心ずれ
    補正後の測定データを求める第2の演算手段と、を具備する ことを特徴とした機械の円運動精度測定装
    置。
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