JP2973107B2 - 攪拌連続鋳造装置 - Google Patents

攪拌連続鋳造装置

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JP2973107B2
JP2973107B2 JP10053450A JP5345098A JP2973107B2 JP 2973107 B2 JP2973107 B2 JP 2973107B2 JP 10053450 A JP10053450 A JP 10053450A JP 5345098 A JP5345098 A JP 5345098A JP 2973107 B2 JP2973107 B2 JP 2973107B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は攪拌連続鋳造装置、
特に、上向きの溶湯受入れ口および下向きの溶湯出口を
有するスパウトと、溶湯出口からの溶湯を冷却すべく、
スパウトの直下に配置された筒状水冷鋳型と、スパウト
内の溶湯に電磁攪拌力を付与する攪拌機とを備えた攪拌
連続鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造材料は、例えばチクソキャステ
ィング用鋳造材料として用いられている。チクソキャス
ティング法の実施に当っては、鋳造材料に加熱処理を施
して、固相と液相とが共存する半溶融鋳造材料を調製
し、次いでその半溶融鋳造材料を加圧鋳造機へ移送し、
その後半溶融鋳造材料を加圧下で鋳型のキャビティに充
填する、といった方法が行われる。この場合、例えば、
鋳造材料として略短円柱状をなすものを用い、これを加
熱処理では立てた状態で高周波コイル内に設置し、また
移送時にはクランプ部材によって半溶融鋳造材料の外周
部を把持する、といった手段が採用される。
【0003】そのため、チクソキャスティング用鋳造材
料には、比較的低い温度で材料全体に亘り均一な軟化性
を示すこと、つまり良好なレオロジー性を有すること、
および半溶融状態における形状維持性が優れていること
が要求される。
【0004】従来装置におけるスパウトは、その全長に
亘り等しい内半径r1 を有し、また水冷鋳型の内半径r
2 は、例えばr2 ≧r1 +20mmに設定されている。こ
れは、r2 <r1 +20mmであると、水冷鋳型上部と、
それに近接するスパウト下部との温度差が小となるため
溶湯が水冷鋳型に接触しても凝固せず、その結果、溶湯
中の多数の高融点晶出物がそれらの粘性によってスパウ
ト内周面に沿って溶湯入口側へ逆流し、鋳造を行うこと
ができなくなるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ように両内半径r1 ,r2 の関係をr2 ≧r1 +20mm
に設定すると、前記とは逆に、水冷鋳型上部とそれに近
接するスパウト下部との温度差が大となるため、溶湯が
水冷鋳型により急冷されて、連続鋳造材料の外周部にデ
ンドライトが生じ易くなる。このような材料は、そのデ
ンドライトの存在に起因して、半溶融状態における形状
維持性は良好であるが、外周部の軟化性が悪化してレオ
ロジー性が悪い、という問題を生じた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、良好なレオロ
ジー性を有し、また半溶融状態における形状維持性の優
れた連続鋳造材料を得ることのできる前記攪拌連続鋳造
装置を提供することを目的とする。
【0007】前記目的を達成するため本発明によれば、
上向きの溶湯受入れ口および下向きの溶湯出口を有する
スパウトと、前記溶湯出口からの溶湯を冷却すべく、前
記スパウトの直下に配置された筒状水冷鋳型と、前記ス
パウト内の溶湯に電磁攪拌力を付与する攪拌機とを備え
た攪拌連続鋳造装置において、前記攪拌機は、前記スパ
ウト内に、溶湯を略放射方向に移動させる上部領域と、
溶湯を周方向に回転させる下部領域とを形成する機能を
有し、略放射方向に移動して、スパウト内周面の上部領
域形成部に衝突した溶湯を前記下部領域に向けて移行さ
せるべく、前記上部領域形成部を、それの上部周縁から
下部周縁に向って内径が漸増するテーパ形状にした攪拌
連続鋳造装置が提供される。
【0008】前記上部領域では多数の高融点晶出物が生
成される。そして、上部領域から下部領域へ移行した溶
湯中の多数の高融点晶出物は、その下部領域において周
方向に回転する攪拌作用を受けて球状化すると共に遠心
力により外周部側へ多く移行する。その後、溶湯は水冷
鋳型により冷却される。この間、上部領域から下部領域
への高融点晶出物移行が絶え間無く行われているので、
下部領域から上部領域への高融点晶出物の逆流は生じな
い。
【0009】このようにして得られた連続鋳造材料にお
いて、その外周部に存在する多くの高融点晶出物は球状
化されているので、外周部はそれを除く主体部と同様の
軟化性を示す。したがって連続鋳造材料は良好なレオロ
ジー性を有する。また外周部に多くの高融点晶出物が存
在することから、それら高融点晶出物による保形作用に
よって、連続鋳造材料は、半溶融状態において優れた形
状維持性を発揮する。
【0010】
【発明の実施の形態】図1,2に示す攪拌連続鋳造装置
1は、軸線を上下方向に向けた胴状本体2を有する。そ
の胴状本体2は、内周壁3と、その外周側に所定の間隔
をとって配置された外周壁4と、両壁3,4の上端側に
存する環状上端壁5と、両壁3,4の下端側に存する環
状下端壁6とより構成される。
【0011】内周壁3は上部筒体7と下部筒体8とより
なり、上部筒体7の下部外周面に嵌着した環状ゴムシー
ル9の内向き環状部10が両筒体7,8間に挟まれてそ
れらの間をシールする。上部筒体7において、その下半
部は、内側に環状段部11が形成されるように、上半部
12よりも厚肉に形成されて筒状水冷鋳型13を構成す
る。この水冷鋳型13はAl合金(例えば、A505
2)よりなる。
【0012】上半部12内に、薄肉の筒体14を介して
スパウト15が嵌合され、その下向きの溶湯出口16を
形成する環状下端面17が環状段部11に当接し、また
上端壁5から突出する部分に環状抜止め板18が嵌合さ
れ、その抜止め板18は上端壁5に固定される。スパウ
ト15は、断熱耐火性を有するケイ酸カルシウムより構
成される。スパウト構成材料としてはアルミナ、シリカ
等も用いられる。スパウト15の上方に、水平注湯を行
うための溶湯供給樋19が配置され、その下向きの給湯
口20がスパウト15の上向きの溶湯受入れ口21に連
通する。
【0013】胴状本体2において、その内、外周壁3,
4間の筒状密閉空間22に、電磁誘導式攪拌機23が配
設され、その攪拌機23はスパウト15内の溶湯mに電
磁攪拌力を付与する。攪拌機23は筒状をなす成層鉄心
24と、その成層鉄心24に巻装された複数のコイル2
5とよりなる。成層鉄心24は、図3に明示するよう
に、筒状部26と、その内周面に円周上等間隔に配置さ
れて母線方向に延びる複数の凸条27とよりなる。各コ
イル25は、1つの凸条27において2つのコイル25
の一部分が重なり合うように、相隣る両凸条27に巻装
される。
【0014】成層鉄心24の内側に、各凸条27の先端
面が密着するように薄肉のコイル外止め用筒体28が嵌
合され、その筒体28は内周面の一部を環状ゴムシール
9に密着させて筒状密閉空間22内に固定される。また
成層鉄心24は、下端壁6の環状支持部材29上に載せ
られてその部材29に複数のボルト30およびナット3
1により固定される。1つのコイル25に対して2つの
割合で複数の接続具32が用意され、各接続具32は水
密手段を以て下端壁6を貫通してそれに取付けられてい
る。
【0015】外周壁4に複数の給水口33が形成され、
各給水口33を通じて密閉空間22内に冷却水wが供給
される。成層鉄心24内側の筒体28に、その上端部近
傍に位置させて複数の通孔34が形成され、これにより
環状ゴムシール9の上方に冷却水溜り35が存する。水
冷鋳型13は冷却水溜り35により冷却されると共にそ
の冷却水溜り35の冷却水wを斜め下向きに噴出する複
数の噴出孔36を有する。通孔34は筒体28の下部側
にも形成されている。
【0016】水冷鋳型13と溶湯mとの間に潤滑油を供
給すべく、スパウト15周りには次のような潤滑油通路
が存在する。内周壁3において、その上部筒体7の上端
部には上端壁5の下部板37が一体に設けられている。
上端壁5の上部板38および下部板37間に、スパウト
15を囲繞する環状路39と、その環状路39から放射
方向に延びる複数の直線路40とが設けられる。各直線
路40の端部に、上部板38に形成された入口41が連
通し、その入口41は給油ポンプに接続される。図2に
明示するように、上部筒体7の上半部12内周面と筒体
14外周面間に筒状路42が形成され、その筒状路42
および環状路39間を連通する複数の斜め下向きの通孔
43が上半部12と下部板37との連設部に形成されて
いる。また筒状路42の下端は、環状段部11およびス
パウト15の環状下端面17間に放射状に配列された複
数のV字状出口44に連通する。
【0017】前記構成において、例えばAl合金よりな
る溶湯mを溶湯供給樋19の給湯口20からスパウト1
5内に供給すると、その溶湯mはスパウト15内におい
て攪拌機23による電磁攪拌力を付与され、次いで水冷
鋳型13により冷却されてインゴット、つまり連続鋳造
材料Mが得られる。
【0018】前記攪拌連続鋳造装置1には次のような独
特の構造が備えられている。即ち、電磁誘導式攪拌機2
3は、図1,2,4に明示するように、スパウト15内
の上下方向中間部に、溶湯mを略放射方向aに移動させ
る上部領域Aを形成すると共に、スパウト15内下部
に、溶湯mを周方向bに回転させる下部領域Bを形成す
る機能を有する。またスパウト内周面dの上部領域形成
部eは、それの上部周縁fから下部周縁gに向って内径
が漸増するテーパ形状をなし、またスパウト内周面dの
下部領域形成部hも、それの上部周縁である上部領域形
成部eの下部周縁gからそれの下部周縁である溶湯出口
16に向って内径が漸増するテーパ形状をなす。図示例
では、スパウト内周面dの上、下部領域形成部e,hは
一連の湾曲面であり、上部領域形成部eの曲率半径R1
と、下部領域形成部hの曲率半径R 2 との間にはR1
2 の関係が成立する。
【0019】また連続鋳造材料Mの外周部におけるデン
ドライトの晶出を確実に防止すべく、次のような手段が
採用されている。即ち、スパウト15の溶湯出口16の
内半径をr1 とし、一方、水冷鋳型13の内半径をr2
としたとき、両内半径r1 ,r2 の間に、r1 <r2
よびr2 −r1 Δr(但し、Δrはスパウト15の張
出し量)の関係を成立させる。その張出し量Δrは、溶
湯出口16からの溶湯mが水冷鋳型13の内周面に接触
したとき、デンドライトの晶出を回避するために必要な
間隔の最大値である。
【0020】前記構成において、略放射方向aに移動し
て、スパウト内周面dの上部領域形成部eに衝突した溶
湯mは下部領域Bに向けて移行させられる。この場合、
上部領域Aでは多数の高融点晶出物cが生成されてお
り、上部領域Aから下部領域Bへ移行した多数の高融点
晶出物cは、その下部領域Bにおいて周方向bに回転す
る攪拌作用を受けて球状化すると共に遠心力により外周
部側へ多く移行する。この場合、両曲率半径R1 ,R2
の関係がR2 <R1 では、下部領域Bが狭くなって前記
攪拌作用が不十分となるおそれがある。その後、溶湯m
は水冷鋳型13により冷却される。この間、上部領域A
から下部領域Bへの高融点晶出物cの強制的移行が絶え
間無く行われているので、下部領域Bから上部領域Aへ
の高融点晶出物cの逆流は生じない。
【0021】図5に示すように、前記装置1により得ら
れた連続鋳造材料Mにおいて、その外周部kに存在する
多くの高融点晶出物cは球状化され、また外周部kはデ
ンドライトを含まないので、その外周部kはそれを除く
主体部nと同様の軟化性を示す。したがって連続鋳造材
料Mは良好なレオロジー性を有する。また外周部kに多
くの高融点晶出物cが存在することから、それら高融点
晶出物cによる保形作用によって、連続鋳造材料Mは、
半溶融状態において優れた形状維持性を発揮する。
【0022】以下、前記実施例装置1および比較例装置
による連続鋳造材料の製造例について説明する。 〔第1製造例〕表1は、原料であるAl合金の組成を示
し、このAl合金は共晶成分を含有する。
【0023】
【表1】
【0024】実施例装置1による鋳造条件は次の通りで
ある。
【0025】(1)水冷鋳型13の内半径r2 :77.
3mm;スパウト15の形状:上部領域形成部eの曲率半
径R1 =60mm,下部領域形成部hの曲率半径R2 =7
0mm,溶湯出口16の内半径r1 を変更してスパウト1
5の張出し量Δrを変化させた。このスパウト15を、
以下、異径孔付スパウトと称す。
【0026】(2)鋳造速度:170mm/min ;潤滑
油:PTFE粒子添加鉱物油;潤滑油供給量:1cc/mi
n ;冷却水供給量:80リットル/min ;スパウト15
の溶湯受入れ口21における溶湯温度:650℃;電磁
コイル極数:4極;型壁磁束密度:300Gs;周波
数:50Hz. 比較例装置におけるスパウトは、その全長に亘り等しい
内半径r1 を有し、その内半径r1 を変更することによ
ってスパウトの張出し量Δrを変化させた。このスパウ
トを、以下、等径孔付スパウトと称す。その他の鋳造条
件は前記(1)および(2)と同じである。
【0027】前記鋳造条件に基づき、直径152mmの各
種連続鋳造材料Mを得た。
【0028】表2は、連続鋳造材料Mの例1〜4に関す
る使用スパウト、そのスパウトの張出し量Δrおよび外
周部kにおけるデンドライトの有無を示す。
【0029】
【表2】
【0030】A.レオロジー性について 例1〜4の外周部kおよび中心部o(図5参照)からそ
れぞれ直径3mm、厚さ2mmの試験片を切出した。図6に
示すように天秤45の一方の皿46に20gの分胴47
を載せ、また他方の容器48に試験片49を嵌め込ん
だ。そして試験片49をヒータ50により加熱すると共
に直径1mm、長さ2mmのピン51を試験片49に押し付
け、20gの分胴47と釣合った押圧力でピン51が試
験片49に刺さっていくときの温度、つまりTMA温度
を測定した。表3は測定結果を示し、また図7は表3を
グラフ化したものである。
【0031】
【表3】
【0032】表3および図7において、中心部oのTM
A温度は例1〜4について同じである。ところが、外周
部kのTMA温度は、例1,2の場合は中心部oのそれ
に近似するか、または同じであるが、例3,4の場合は
中心部oのそれに比べて大幅に高い。これは、主とし
て、外周部kにおけるデンドライトの有無に起因する。
例1,2においては、外周部kと中心部oとが同様の軟
化性を示すことが明らかであり、したがって例1,2は
良好なレオロジー性を有する。
【0033】B.形状維持性について 例1〜4について、その外周部kから中心部oまでのC
u濃度およびSi濃度を調べたところ、図8,9の結果
を得た。CuおよびSiはAl合金の融点を下げる化学
成分であり、Cu濃度等が低いということはその部分に
おける高融点晶出物cが多いということである。図8,
9から明らかなように、例1,2は例3,4に比べて外
周部kにおけるCu濃度およびSi濃度が低いことが判
る。
【0034】次に、図10に示すように、例1〜4に関
する直径152mm、長さ250mmの連続鋳造材料Mを支
持部材52上に立て、その材料Mを高周波コイル53内
に設置し、固相率50%の半溶融状態まで加熱し、その
ときの液相の垂れ落ち率を求めたところ、図11の結果
を得た。例1〜4共に形状維持性は良い。これは、例
1,2の場合、高融点晶出物cの保形作用に起因する
が、例3,4の場合はデンドライトの保形作用に因る。
【0035】なお、異径孔付スパウト15を使用した場
合において、その張出し量ΔrをΔr>5mm、例えば1
0mmに設定すると、連続鋳造材料Mの外周部kにデンド
ライトの晶出が認められた。また鋳造速度を150mm/
min に設定したという点を除く他の条件を前記例4と同
様に設定して直径177mmの連続鋳造材料Mを製造し、
次いで、前記材料Mに機械加工を施して、その外周部k
を厚さ12.5mmに亘り除去した。このようにデンドラ
イトを除去したものは、レオロジー性は良いが、前記垂
れ落ち率が10wt%と高く、形状維持性の悪いことが
判明した。
【0036】〔第2製造例〕表4は、原料であるAl合
金の組成を示し、このAl合金は共晶成分を含有しな
い。
【0037】
【表4】
【0038】実施例装置1による鋳造条件を第1製造例
と同じにし、また比較例装置におけるスパウトとして、
第1製造例と同様に等径孔付スパウトを用いると共にそ
の他の鋳造条件を第1製造例と同じにして、直径152
mmの各種連続鋳造材料Mを得た。
【0039】表5は、連続鋳造材料Mの例5〜8に関す
る使用スパウト、そのスパウトの張出し量Δrおよび外
周部kにおけるデンドライトの有無を示す。
【0040】
【表5】
【0041】A.レオロジー性について 第1製造例同様に、例5〜8の外周部kおよび中心部o
からそれぞれ直径3mm、厚さ2mmの試験片を切出し、次
いで図6に示した方法と同様の方法で各試験片49のT
MA温度を測定した。表6は測定結果を示し、また図1
2は表6をグラフ化したものである。
【0042】
【表6】
【0043】表6および図12において、中心部oのT
MA温度は例5〜8について略同じである。ところが、
外周部kのTMA温度は、例5,6の場合は中心部oの
それに近似するか、または同じであるが、例7,8の場
合は中心部oのそれに比べて大幅に高い。これは、主と
して、外周部kにおけるデンドライトの有無に起因す
る。例5,6においては、外周部kと中心部oとが同様
の軟化性を示すことが明らかであり、したがって例5,
6は良好なレオロジー性を有する。
【0044】B.形状維持性について 例5〜8について、その外周部kから中心部oまでのC
u濃度を調べたところ、図13の結果を得た。CuはA
l合金の融点を下げる化学成分であり、Cu濃度が低い
ということはその部分における高融点晶出物cが多いと
いうことである。図13から明らかなように、例5,6
は例7,8に比べて外周部kにおけるCu濃度が低いこ
とが判る。
【0045】次に、図10に示した方法と同様の方法
で、例5〜8に関する連続鋳造材料Mを固相率50%の
半溶融状態まで加熱し、そのときの液相の垂れ落ち率を
求めたところ、図14の結果を得た。例5〜8共に形状
維持性は良い。これは、例5,6の場合、高融点晶出物
cの保形作用に起因するが、例7,8の場合はデンドラ
イトの保形作用に因る。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、前記のように構成する
ことによって、良好なレオロジー性を有し、また半溶融
状態における形状維持性の優れた連続鋳造材料を得るこ
とが可能な攪拌連続鋳造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】攪拌連続鋳造装置の縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】成層鉄心とコイルの関係を示す要部平面図であ
る。
【図4】スパウトの図1,4−4線断面図である。
【図5】連続鋳造材料の要部破断正面図である。
【図6】TMA温度測定方法を示す説明図である。
【図7】各例のTMA温度を示すグラフである。
【図8】連続鋳造材料の外周面から中心までの距離とC
u濃度との関係を示すグラフである。
【図9】連続鋳造材料の外周面から中心までの距離とS
i濃度との関係を示すグラフである。
【図10】連続鋳造材料の形状維持性を測定する方法の
説明図である。
【図11】各例の垂れ落ち率を示すグラフである。
【図12】各例のTMA温度を示すグラフである。
【図13】連続鋳造材料の外周面から中心までの距離と
Cu濃度との関係を示すグラフである。
【図14】各例の垂れ落ち率を示すグラフである。
【符号の説明】
1 攪拌連続鋳造装置 13 水冷鋳型 15 スパウト 16 溶湯出口 21 溶湯受入れ口 23 攪拌機 A 上部領域 B 下部領域 a 放射方向 b 周方向 d スパウト内周面 e 上部領域形成部 f 上部周縁 g 下部周縁 h 下部領域形成部
フロントページの続き (72)発明者 中村 武義 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 溝上 清信 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホ ンダエンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−230347(JP,A) 特開 平6−142847(JP,A) 特開 平8−141704(JP,A) 特開 平8−295963(JP,A) 特開 平9−1289(JP,A) 特公 平3−38019(JP,B2) 特公 平8−4877(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/00 - 11/22

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上向きの溶湯受入れ口(21)および下
    向きの溶湯出口(16)を有するスパウト(15)と、
    前記溶湯出口(16)からの溶湯(m)を冷却すべく、
    前記スパウト(15)の直下に配置された筒状水冷鋳型
    (13)と、前記スパウト(15)内の溶湯(m)に電
    磁攪拌力を付与する攪拌機(23)とを備えた攪拌連続
    鋳造装置において、前記攪拌機(23)は、前記スパウ
    ト(15)内に、溶湯(m)を略放射方向(a)に移動
    させる上部領域(A)と、溶湯(m)を周方向(b)に
    回転させる下部領域(B)とを形成する機能を有し、略
    放射方向(a)に移動して、スパウト内周面(d)の上
    部領域形成部(e)に衝突した溶湯(m)を前記下部領
    域(B)に向けて移行させるべく、前記上部領域形成部
    (e)を、それの上部周縁(f)から下部周縁(g)に
    向って内径が漸増するテーパ形状にしたことを特徴とす
    る攪拌連続鋳造装置。
  2. 【請求項2】 前記スパウト内周面(d)の下部領域形
    成部(h)を、それの上部周縁である、前記上部領域形
    成部(e)の前記下部周縁(g)からそれの下部周縁で
    ある前記溶湯出口(16)に向って内径が漸増するテー
    パ形状にした、請求項1記載の攪拌連続鋳造装置。
  3. 【請求項3】 前記スパウト内周面(d)の前記上、下
    部領域形成部(e,h)は一連の湾曲面であり、前記上
    部領域形成部(e)の曲率半径R1 と、前記下部領域形
    成部(h)の曲率半径R2 との間にR1 <R2 の関係が
    成立する、請求項2記載の攪拌連続鋳造装置。
  4. 【請求項4】 前記スパウト(15)の前記溶湯出口
    (16)の内半径をr 1 し、また前記水冷鋳型(1
    3)の内半径をr 2 したとき、両内半径r 1 ,r 2
    には、r1 <r2 およびr2 −r1 Δr(但し、Δr
    はスパウト(15)の張出し量)の関係が成立し、その
    張出し量Δrは、前記溶湯出口(16)からの溶湯
    (m)が前記水冷鋳型(13)の内周面に接触したと
    き、デンドライトの晶出を回避するために必要な間隔の
    最大値である、請求項1,2または3のいずれか一項に
    記載の攪拌連続鋳造装置。
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