JP2972811B2 - 木材強化桁 - Google Patents

木材強化桁

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JP2972811B2
JP2972811B2 JP10129557A JP12955798A JP2972811B2 JP 2972811 B2 JP2972811 B2 JP 2972811B2 JP 10129557 A JP10129557 A JP 10129557A JP 12955798 A JP12955798 A JP 12955798A JP 2972811 B2 JP2972811 B2 JP 2972811B2
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重和 佐藤
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RINYACHO TOHOKU SHINRIN KANRIKYOKUCHO
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RINYACHO TOHOKU SHINRIN KANRIKYOKUCHO
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、山岳地の一般林道
並びに軽車道用の橋梁に使用される木材強化桁に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自然環境への優しさを背景として、木橋
の柔らかさが見直されてきたが、走行車両の大型重量化
と大径原木の不足により、木橋の主桁は、必然的に、小
径材を張り合わせ加工した集成材桁に依存しなければな
らず、経済的上不利なばかりでなく、原木の素朴性が損
なわれ、重量面でも同強度を保つ鋼桁の数倍に当たるな
どの不合理を忍ばなければならなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記一連の不合理を解
決するためには、山岳地の現場で容易に調達できる素
材、すなわち供給過剰な低廉な間伐材を、その場で、加
工せずに利用でき、しかも、従来の鋼桁並の強度が保証
される安全な桁を創出しなければならない。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するために、本発明の木材強化桁は、同じ長さに切り揃
えた偶数本の間伐材1を、太い元口と細い末口とを交互
に組み合わせてほぼ一様な一本の桁に編成し、当該桁の
両端には座金2を被せ、桁の中間下方の対称位置2か所
に、同高の枕材10を配置し、両枕材10間に挿入した
ターンバックル13の締めにより、両座金2間をワイヤ
ロープ7で緊張させ、間伐材1に撓みを保たせるもので
ある。
【0005】
【発明の実施の形態】元口と末口を相互に組み合わせ、
同じ長さに切り揃えた偶数本、4本を基準とする間伐材
1を一組とし、両端に半円盤又は円盤付き座金2を被
せ、間伐材の中間には、2か所対称の位置に、同じ高さ
の枕材10を配置し、座金中央の半円盤又は円盤を経
て、ワイヤロープ7を掛け渡し、ターンバックル13で
締め、一定の撓み、すなわち初期撓みを間伐材に与えて
おく。この合成桁の上部に荷重が掛かれば、間伐材は伸
びようとするが、そのためには、間伐材が縮むか、又
は、ワイヤロープ7が伸びなければ、その変形は起こら
ない。間伐材の短期的圧縮変形現象は極めて微量なの
で、無視されるが、ワイヤロープ7は弾性体であるか
ら、伸び変形を起こして抗張力が増大し、均衡点で桁の
変形は停止する。それは、上からの荷重と、ワイヤロー
プ張力による枕材の押し上げ力(下支え)とのバランス
点と解される。荷重が更に増大すれば、ワイヤロープ7
も弾性伸長を続け、間伐材は直線状態になり、更に負荷
が大きくなれば、直線を越えて逆方向に(下に向かっ
て)撓むであろうが、設計荷重の範囲では、木材並びに
ワイヤロープの安全限度を越えない設計にしておくの
で、所定の撓みを越えた撓み増にはならない。勿論、初
期の撓みを、支障ない限り大きく採っておけば、直線状
態になる以前の段階(上方への撓みの範囲内)で、桁と
して使われ得る。なお、長期使用の途上では、木材の乾
燥収縮などに起因して、ワイヤロープの循環システムに
恒久的な緩みが発生する可能性もあるが、ターンバック
ルで、締め増しの管理を行えるので問題はない。
【0006】
【実施例】以下、本発明の木材強化桁の実施例を添付図
面に基づいて説明する。間伐材は、森林を造成する長期
的な保育過程で、密生する林を間引き伐採して得られる
多量の林産物であるが、材径が細く、曲がり易く、未成
熟のため、利用価値に欠けるのが昨今の林業界最大問題
の一つとされている。本発明は、細くて曲がり易いのが
欠点の代名詞になっている間伐材(直径平均10〜18
cm)に陽を当てて用途開発する視点からも意義が大きい
といえる。勿論、間伐材の樹高は、十数メートル以下な
ので、長い桁への応用はできないが、山岳林道橋のスパ
ンは、通常6〜8メートル以下に限られるので、一般的
需要には十分応え得るものである。
【0007】図1に示すように、間伐材1を一定の長
さ、この例では平均直径13cmの間伐材を4mに切り揃
えた。そして、2本並列に並べられた前記間伐材1の一
組の端部に、2本の間伐材1を嵌合させることができる
座金2を取り付け、座金2は金属板を溶接して箱状にし
たもので、座金2は、2本の間伐材1を並べた幅よりや
や幅広の底板3と、2本の間伐材1の木口面を覆う面積
の底板3に直角に溶接された端板4と、前記底板3と反
対側のそれぞれの間伐材1の幅でワイヤロープ7の間隔
をあけて端板4に直角に溶接された2枚の上板5と、上
板5と前記底板3とに跨って間伐材1の側面を覆うよう
に溶接された2枚の台形の側板6とから構成される。さ
らに、前記座金2の端板4には、前記上板5間に位置す
る部分を通ってきたワイヤロープ7が係合する厚さの半
円盤8を中央上下方向に溶接しており、半円盤8の円周
端面にはワイヤロープ7を嵌合するロープ溝9が形成さ
れている。なお、前記座金2の底板3は、ワイヤロープ
7と接触しないように適宜設計変更を施すことができ
る。
【0008】また、図2に示すように、前記間伐材1の
一端から、1/3、2/3の距離の2か所に、高さが3
0〜40cm、直径25cmの枕材10を配置し、枕材10
の上面は2本の間伐材1に均等に跨ぎ、下面にはロープ
ガイド11付き受け部材12を被せる。そして、一本の
ワイヤロープ7(直径12.5mm弾性係数10,000
kg/mm、破断荷重11.5トンの構造用ストランドロー
プ)7をエンドレス状に張り、ワイヤロープの末端は、
係止環20を介してターンバックル13のフック14を
引っかけて枕材10間に位置するターンバックル13を
締めて、間伐材に1%(4cm)の撓みを与えた。なお、
枕材は、撓んだだけであり、強力なワイヤーロープの緊
張力で常時十分固定されていた。
【0009】次に、本発明の木材強化桁の実験について
述べると、実験は、大型の強度試験機を用いて行い、荷
重と撓み変形量(歪み)の関係を、歪み量が−1%にな
るまでの間、計測した。なお、この初期撓み1%は、間
伐材の許容曲げ応力200Kg/cm を十分下回り、余裕の
ある撓み量である。試験の結果は、理論値にかなり近
く、この強化桁に固有の「荷重下支え効果」を確認でき
た。なお、追試の結果、実際には、2%の初期撓みを与
えても、間伐材は健全であり、その柔らかさが再確認さ
れた。
【0010】上記の試験結果から、木材強化桁の理論的
推定に妥当性が得られたので、今度は、ワイヤロープの
張りを変えて、図3〜5のように、ワイヤロープ7を両
端別々に、それぞれ2重掛けとする改良方式を考えた。
座金2は、半円盤8に代えて円盤15を用い、円盤15
の全円周端面にはロープ溝9が形成されている。また、
図4に示すように、受け部材12は、ワイヤロープ7を
左右から案内するように底面に溶接した案内板16と、
案内板16を補強するために三角板17と、図5に示す
ように、ワイヤロープ7を上下から円盤15に掛け渡
し、2本の間伐材間を通してワイヤロープ7の両端をタ
ーンバックル13に木片19を挟んで係止する。
【0011】上記の実験結果から、この方法によればワ
イヤロープの荷重下支え力は倍増するので、一層有利に
なるものと推定される。例えば、スパン6m、設計荷重
8トン、間伐材の平均径13cmの場合は、高さ30cmの
枕材、直径20mm、破断強度28.5トンの構造用スト
ランドロープを用いると、初期撓み量1%とした場合、
−1%に至る撓みの範囲内で対応でき、ワイヤロープの
安全率、間伐材の圧縮、負荷時の曲げ、並びに座屈に対
する安全性は、いずれも許容範囲に収まることが算定さ
れた。これを同じ荷重条件での鋼桁Iビームに置き替え
てみると、間伐材強化桁の14%重量増の資材を導入し
なければならない計算になり、軽量化の面でも、鋼材を
若干上回る特性が、ハイブリットの所産として期待でき
ることになる。同様に、木材の集成材桁と比べても、集
成材では、約4倍の重量増に甘んじなければならない理
となる。
【0012】なお、従来の剛性桁では、木橋の場合でも
撓み限度をスパンの1/300に抑えているが、これ
は、主として、振動影響からの規制による。これに対し
て、間伐材強化桁の場合は、その3倍を越すけれども、
ハイブリット構造の桁であって基本条件を異にしてお
り、高張力下のワイヤロープが振動を吸収し、しかも林
道の車両走行速度が小さいことからも、実用上、問題に
はならないものである。以上の計算は、林道規程による
車両の設計荷重20トンを前提にしているが、勿論、こ
れよりも規模を縮めて、軽車道用の設計も可能であり、
用途は更に広がるものと思われる。
【0013】
【発明の効果】従来の桁は、剛性が命であり、剛性の増
強のみが命題とされ、桁の変形をできるだけ小さくする
のが常識であったが、本発明の木材強化桁は、その逆
に、曲がり易い柔の材料を用いなければ、裏役を努める
ワイヤロープの出番がなく、当該ハイブリット効果は、
従来の剛性桁を上回るものがあり、「柔よく剛を制す」
効果が生まれるものである。しかも、当木材強化桁は、
構造が簡単で架橋し易く、原木資材の現場調達も容易で
極めて経済的であり、余剰な間伐材用途開発の意味も大
きい。勿論、木材は腐朽ちするのが、欠点であるが、交
換は容易なので、数年に一度の定期的更新を図ればよ
い。また、使用途上で、ターンバックルの増し締めによ
り、強度を制御できるのも、従来の剛性桁では得られな
い特徴といえる。この木材強化桁の開発により、床版、
欄干にも間伐材を使用することにより、将来は、山岳地
の自然環境にマッチした、風致上好ましい林道橋が増
え、林業と国民休養との調和が増進されるものと思われ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木材強化桁の斜視図。
【図2】本発明の木材強化桁の説明図。
【図3】本発明の他の木材強化桁の一部側面図。
【図4】本発明の他の木材強化桁の受け部材の正面図。
【図5】本発明の他の木材強化桁の図3A−A断面矢視
図。
【符号の説明】
1 間伐材 2 座金 3 底板 4 端板 5 上板 6 側板 7 ワイヤーロープ 8 半円盤 9 ロープ溝 10 枕材 11 ロープガイド 12 受け部材 13 ターンバックル 14 フック 15 円盤 16 案内板 17 三角板 18 円弧板 19 木片 20 係止環
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭48−64216(JP,U) 登録実用新案3015392(JP,U) 特許2688631(JP,B2) 特許2698795(JP,B2) 実公 昭57−53771(JP,Y2) 特公 昭31−9148(JP,B1) 実公 昭48−7141(JP,Y1) 実公 昭48−24656(JP,Y1) 実公 昭48−32963(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04C 3/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同じ長さに切り揃えた偶数本の間伐材
    を、太い元口と細い末口とを交互に組み合わせてほぼ一
    様な一本の桁に編成し、当該桁の両端には座金を被せ、
    桁の中間下方の対称位置2か所に、同高の枕材を配置
    し、両枕材間に挿入したターンバックルの締めにより、
    両座金間をワイヤーロープで緊張させ、間伐材に撓みを
    保たせることを特徴とする木材強化桁。
JP10129557A 1998-04-22 1998-04-22 木材強化桁 Expired - Lifetime JP2972811B2 (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2688631B2 (ja) 1989-11-14 1997-12-10 憲英 今川 張弦梁構造体と張弦梁構造体におけるプレストレス導入方法
JP2698795B2 (ja) 1989-11-14 1998-01-19 憲英 今川 張弦梁構造体

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