JP2972368B2 - Al2 O3 系摺動材およびその製造方法 - Google Patents

Al2 O3 系摺動材およびその製造方法

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JP2972368B2
JP2972368B2 JP3059787A JP5978791A JP2972368B2 JP 2972368 B2 JP2972368 B2 JP 2972368B2 JP 3059787 A JP3059787 A JP 3059787A JP 5978791 A JP5978791 A JP 5978791A JP 2972368 B2 JP2972368 B2 JP 2972368B2
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manufacturing
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芳博 手嶋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はAl2 3 系摺動材およ
びその製造方法に関し、さらに詳しくは広範な回転機械
部品の摺動材に使用され、耐食性、耐摩耗性、耐熱性等
に優れたAl2 3 系摺動材およびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来技術および解決しようとする課題】一般にAl2
3 系摺動材は、耐食性、耐摩耗性、耐熱性等に優れて
いるため、寿命が長く、過酷な条件下で使用されるメカ
ニカルシールや軸受等には不可欠なものとなっている。
【0003】そして、メカニカルシールにおいては、摺
動面に微細なスパイラル状の溝が形成されていると、摺
動時にポンプ作用を生じて、回転部分からの漏れを防止
することができる。また、スラスト軸受に微細なスパイ
ラル状の溝が形成されていると、装置内部の流体を軸受
の作動流体として使用することができ、装置の構造をコ
ンパクト化および省エネルギー化することができる。
【0004】従来、このような微細なスパイラル状の溝
を形成する方法として、Al2 3 系摺動材の表面にフ
ォトレジストを被せ、露出部をプラズマエッチング等の
方法で腐食する方法がある。
【0005】しかしながら、このような溝を形成する方
法は、工程が複雑で、かつ、極めてコストのかかる方法
であり、技術的にも困難な方法であった。
【0006】本発明の目的は、メカニカルシールに使用
すると摺動時にポンプ作用を生じて回転部分からの漏れ
を防止することができ、スラスト軸受に使用すると、装
置内部の流体を軸受の作動流体として使用することがで
きるAl2 3 系摺動材と、簡単な工程で安価に製造で
きるAl2 3 系摺動材の製造方法とを提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明はAl2 3 質で構成される摺動材本体の
摺動面に、イオン注入部がスパイラル状に設けられ、こ
のイオン注入部は窒素、アルゴン等のイオンが所定の加
速電圧で注入されて、アモルファス化していて、前記摺
動材本体が環状体からなりその軸方向端面が摺動面を形
成しているという手段を採用し、また、Al2 3 質で
構成される摺動材本体の摺動面に、マスキングを施して
いない部分がスパイラル状に残るようにマスキングを施
し、マスキングを施していない部分に窒素、アルゴン等
のイオンを所定の加速電圧で注入してイオン注入部と
し、このイオン注入部がアモルファス化されているとい
う手段を採用したものである。
【0008】
【作用】本発明は上記の手段を採用したことにより、摺
動材本体の摺動面にスパイラル状にイオンが注入され、
アモルファス化されたイオン注入部がスパイラル状に形
成され、回転機械部品の摺動材に使用されると、前記イ
オン注入部が選択的に除去され、前記摺動面にスパイラ
ル状の溝が形成される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明のAl2 3 系摺動材の実施例を
示す斜視図である。
【0010】このAl2 3 系摺動材4はAl2 3
で構成される環状の摺動材本体1と、この摺動材本体1
の軸方向端面に形成される摺動面2と、この摺動面2の
表層にスパイラル状に形成されるイオン注入部3とから
構成されている。
【0011】このイオン注入部3は、窒素、アルゴン等
のイオンを所定の加速電圧で摺動材本体1の摺動面2に
注入したものであり、Al2 3はアモルファス化され
ている。
【0012】上記のように構成された本発明によるAl
2 3 系摺動材4にあっては、前記イオン注入部3のA
2 3 はイオンが注入された結果アモルファス化され
て、他の摺動面2と比較して軟化している。そのため、
イオン注入部3の摺動時における単位時間当たりの摩耗
量は、通常のAl2 3 の4倍程であり、前記イオン注
入部3のAl2 3 は選択的に除去され、前記摺動面2
にはスパイラル状の溝が形成される。
【0013】すなわち、イオン種をAr+ として、加速
電圧値が800keVでイオン注入を行ったAl2 3
系摺動材4を水潤滑下で4時間摺動させると深さ0.5
μmの溝が形成される。
【0014】従って、前記Al2 3 系摺動材4がメカ
ニカルシール、軸受等の摺動材として使用されると、前
記イオン注入部3は通常の部分よりも速く摩耗し、所定
形状のスパイラル状の溝が徐々に形成され、メカニカル
シールにおいては、摺動時にポンプ作用を生じて回転部
分からの漏れを防止することができるようになり、軸受
においては、装置内部の流体を軸受の作動流体として使
用することができるようになる。
【0015】次に、Al2 3 系摺動材の製造方法の一
の実施例について説明する。図2、図3にはメカニカル
シールに使用されるAl2 3 系摺動材の製造方法の実
施例が示されている。
【0016】このAl2 3 系摺動材14を製造するに
は、まず、図2に示すように、Al2 3 質で構成され
る環状の摺動材本体11を用意し、この摺動材本体11
の軸方向の端面である摺動面12にマスキングを施して
いない部分16がスパイラル状に残るようにマスキング
15を施し、その後、窒素、アルゴン等のイオンを所定
の加速電圧で前記摺動材本体11の摺動面12のマスキ
ングを施していない部分16に注入する。
【0017】その結果、図3に示すように、摺動材本体
11の摺動面12のマスキングを施していない部分16
にイオンが注入されてイオン注入部13がスパイラル状
に形成される。
【0018】また、このイオン注入部13のAl2 3
はイオンが注入された結果アモルファス化し、他の摺動
面12と比較して軟化している。従って、前記イオン注
入部13は摺動時において選択的に除去されて、前記摺
動面12にはスパイラル状の溝が形成される。
【0019】例えば、イオン注入条件を、イオン種がA
+ で、加速電圧値が800keVとしてイオン注入を
行い、イオン注入後、Al2 3 系摺動材14を水潤滑
下で4時間摺動させると深さ0.5μmの溝が形成され
る。
【0020】また、アモルファス化された前記イオン注
入部13の厚さは前記イオン注入時の加速電圧値に比例
する。
【0021】そして、メカニカルシールの摺動部材に本
発明の製造方法によって製造されたAl2 3 系摺動材
14が使用された場合には、使用される過程でイオン注
入部13が選択的に除去されて、スパイラル状の溝が徐
々に形成され、摺動時にポンプ作用を生じて回転部分か
らの漏れを防止することができるようになる。
【0022】次に、Al2 3 系摺動材の製造方法の他
の実施例を説明する。図4、図5にはスラスト軸受に使
用されるAl2 3 系摺動材の製造方法の実施例が示さ
れている。
【0023】このAl2 3 系摺動材24を製造するに
は、まず、図4に示すように、Al2 3 質で構成され
る環状の摺動材本体21を用意し、この摺動材本体21
の軸方向の端面である摺動面22にマスキングを施して
いない部分26がスパイラル状に残るようにマスキング
25を施し、その後、窒素、アルゴン等のイオンを所定
の加速電圧で前記摺動材本体21の摺動面22のマスキ
ングを施していない部分26に注入する。
【0024】その結果、図5に示すように、摺動材本体
21の摺動面22のマスキングを施していない部分26
にイオンが注入されてイオン注入部23がスパイラル状
に形成される。
【0025】また、このイオン注入部23のAl2 3
はイオンが注入された結果アモルファス化し、他の摺動
面22と比較して軟化している。従って、前記イオン注
入部23は摺動時において選択的に除去されて、前記摺
動面22にはスパイラル状の溝が形成される。
【0026】例えば、イオン注入条件を、イオン種がA
+ で、加速電圧値が800keVとしてイオン注入を
行い、イオン注入後、Al2 3 系摺動材24を水潤滑
下で4時間摺動させると深さ0.5μmの溝が形成され
る。
【0027】また、アモルファス化された前記イオン注
入部23の厚さは前記イオン注入時の加速電圧値に比例
する。
【0028】そして、スラスト軸受の摺動部材に本発明
の製造方法によって製造されたAl2 3 系摺動材24
が使用された場合には、使用される過程でイオン注入部
23が選択的に除去されて、スパイラル状の溝が徐々に
形成され、装置内部の流体を軸受の作動流体として使用
することができるようになる。
【0029】
【発明の効果】本発明は前記のように構成したことによ
り、Al2 3 質からなる摺動材本体の摺動面にスパイ
ラル状にイオン注入部を設け、メカニカルシール、軸受
等の摺動材として使用する過程でイオン注入部を選択的
に除去してスパイラル状の溝を形成させ、メカニカルシ
ールにおいては摺動時にポンプ作用を生じて回転部分か
らの漏れを防止することができ、軸受においては装置内
部の流体を軸受の作動流体として使用することができ、
装置の構造をコンパクト化し、かつ省エネルギー化する
ことができる。また製造工程も簡単で、しかも安価に製
造することができるというすぐれた効果を有するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるAl2 3 系摺動材の実施例を示
す斜視図である。
【図2】本発明によるAl2 3 系摺動材の製造方法の
一の実施例におけるイオン注入前の状態を説明する図で
ある。
【図3】本発明によるAl2 3 系摺動材の製造方法の
一の実施例におけるイオン注入後の状態を説明する図で
ある。
【図4】本発明によるAl2 3 系摺動材の製造方法の
他の実施例におけるイオン注入前の状態を説明する図で
ある。
【図5】本発明によるAl2 3 系摺動材の製造方法の
他の実施例におけるイオン注入後の状態を説明する図で
ある。
【符号の説明】
1、11、21……摺動材本体 2、12、22……摺動面 3、13、23……イオン注入部 4、14、24……Al2 3 系摺動材 15、25……マスキング 16、26……マスキングを施していない部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10N 70:00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al2 3 質で構成される摺動材本体の
    摺動面に、イオン注入部がスパイラル状に設けられ、該
    イオン注入部は窒素、アルゴン等のイオンが所定の加速
    電圧で注入されて、アモルファス化していることを特徴
    とするAl2 3 系摺動材。
  2. 【請求項2】 前記摺動材本体が環状体からなりその軸
    方向端面が摺動面を形成している請求項1記載のAl2
    3 系摺動材。
  3. 【請求項3】 Al2 3 質で構成される摺動材本体の
    摺動面に、マスキングを施していない部分がスパイラル
    状に残るようにマスキングを施し、マスキングを施して
    いない部分に窒素、アルゴン等のイオンを所定の加速電
    圧で注入してイオン注入部とし、該イオン注入部がアモ
    ルファス化されていることを特徴とするAl2 3 系摺
    動材の製造方法。
JP3059787A 1991-03-01 1991-03-01 Al2 O3 系摺動材およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2972368B2 (ja)

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