JP2955042B2 - Al2 O3 系摺動材の製造方法 - Google Patents

Al2 O3 系摺動材の製造方法

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JP2955042B2 JP3063674A JP6367491A JP2955042B2 JP 2955042 B2 JP2955042 B2 JP 2955042B2 JP 3063674 A JP3063674 A JP 3063674A JP 6367491 A JP6367491 A JP 6367491A JP 2955042 B2 JP2955042 B2 JP 2955042B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はAl2 3 系摺動材の製
造方法に関し、さらに詳しくは広範な回転機械部品の摺
動材に使用され,耐腐食性、耐摩耗性、耐熱性等に優れ
たAl2 3 系摺動材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術および解決しようとする課題】一般にAl2
3 系摺動材は,耐腐食性、耐摩耗性、耐熱性等に優れ
ているため、寿命が長く、過酷な条件下で使用されるメ
カニカルシールや軸受等には不可欠なものとなってい
る。
【0003】そして、メカニカルシールにおいては、摺
動面に微細なスパイラル状の溝が形成されていると、摺
動時にポンプ作用を生じて、回転部分からの漏れを防止
することができる。また、スラスト軸受に微細なスパイ
ラル状の溝が形成されていると,装置内部の流体を軸受
の作動流体として使用することができ、装置の構造をコ
ンパクト化および省エネルギー化することができる。
【0004】従来、このような微細なスパイラル状の溝
を形成する方法として、Al2 3 系摺動材の表面にフ
ォトレジストを被せ、露出部をプラズマエッチング等の
方法で腐食する方法がある。
【0005】しかしながら、このような溝を形成する方
法は、工程が複雑で、かつ、極めてコストのかかる方法
であり、技術的にも困難な方法であった。
【0006】本発明の目的は、簡単な工程で安価に摺動
面に微細なスパイラル状の溝を形成することができるA
2 3 系摺動材の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明はAl2 3 質で構成される摺動材本体の
一方の端面に窒素、アルゴン等のイオンを所定の加速電
圧で注入してイオン注入部とし、このイオン注入部に、
マスキングを施していない部分がスパイラル状に残るよ
うにマスキングを施し、マスキングを施していない部分
に対してショットブラストを行い、マスキングを施して
いない部分のイオン注入部を除去して前記摺動材本体の
一方の端面にスパイラル状のスパイラル溝を形成する。
また、Al2 3 質で構成される摺動材本体の一方の端
面に窒素、アルゴン等のイオンを所定の加速電圧で注入
してイオン注入部とし、このイオン注入部に、マスキン
グを施していない部分がスパイラル状に残るようにマス
キングを施し、マスキングを施していない部分に対して
ショットブラストを行い、マスキングを施していない部
分のイオン注入部を除去して前記摺動材本体の一方の端
面にスパイラル状のスパイラル溝を形成し、所定の温度
で熱処理を行い、除去されずに残ったイオン注入部を再
結晶化させるという手段を採用したものである。
【0008】
【作用】本発明は上記の手段を採用したことにより、イ
オン注入部のAl23 が軟化しているため、摺動面に
微細なスパイラル状のスパイラル溝を容易に形成するこ
とができる。また、本発明によって製造されたAl2
3 系摺動材がメカニカルシール、軸受等に使用されると
所定の摺動特性を発揮することとなる。
【0009】
【実施例】以下、本発明によるAl2 3 系摺動材の製
造方法の一の実施例を図面を参照しつつ説明する。図1
〜図5にはメカニカルシールに使用されるAl2 3
摺動材の製造方法の実施例が示されている。
【0010】まず、図1、図2に示すように、Al2
3 質で構成される環状の摺動材本体2の軸方向の端面全
面に窒素、アルゴン等のイオンを所定の加速電圧でイオ
ン注入し、イオン注入部5を形成する。このイオン注入
部5は、イオンが注入された結果Al2 3 がアモルフ
ァス化し、イオンが注入される前のAl2 3 と比較し
て軟化している。
【0011】また、アモルファス化された前記イオン注
入部5の厚さは前記イオン注入時の加速電圧値に比例す
る。次に、図3、図4に示すように、マスキング6を施
さない部分がスパイラル状に残るように前記イオン注入
部5にマスキング6を施す。
【0012】そして、前記イオン注入部5のうちでマス
キング6を施さない部分にショットブラストを行う。前
記イオン注入部5は、イオンが注入された結果Al2
3 がアモルファス化して軟化しているため、ショットブ
ラストを行うと、通常のAl2 3 の5倍以上の除去速
度で除去される。
【0013】そして、イオン注入部5のうちで、マスキ
ング6を施していなかった部分にスパイラル状のスパイ
ラル溝4が形成される。
【0014】次に、マスキング6を除去して、前記摺動
材本体2の除去されずに残ったイオン注入部5に所定の
温度で熱処理を行い、アモルファス化しているAl2
3 を再結晶させ、本来のAl2 3の強度を回復させて
摺動面3を形成する。このようにして、図5に示すAl
2 3 系摺動材1を製造する。
【0015】上記のような本発明のAl2 3 系摺動材
の製造方法によれば、摺動面に所定形状のスパイラル溝
を容易に形成することができる。また、本発明によって
製造されたAl2 3 系摺動材1がメカニカルシールの
摺動材に使用されると、摺動時にポンプ作用を生じて回
転部分からの漏れを防止することができる。
【0016】次に、Al2 3 系摺動材の製造方法の他
の実施例について説明する。図6〜図10にはスラスト
軸受に使用されるAl2 3 系摺動材の製造方法の実施
例が示されている。
【0017】まず、図6、図7に示すように、Al2
3 質で構成される円板状の摺動材本体12の軸方向の端
面全面に窒素、アルゴン等のイオンを所定の加速電圧で
イオン注入し、イオン注入部15を形成する。
【0018】このイオン注入部15は、イオンが注入さ
れた結果Al2 3 がアモルファス化し、イオンが注入
される前のAl2 3 と比較して軟化している。また、
アモルファス化された前記イオン注入部15の厚さは前
記イオン注入時の加速電圧値に比例する。
【0019】次に、図8、図9に示すように、マスキン
グ16を施さない部分がスパイラル状に残るように前記
イオン注入部15にマスキング16を施す。そして、前
記イオン注入部15のうちで、マスキング16を施さな
い部分にショットブラストを行う。
【0020】前記イオン注入部15は、イオンが注入さ
れた結果、Al2 3 がアモルファス化して軟化してい
るため、ショットブラストを行うと、通常のAl2 3
の5倍以上の除去速度で除去される。そして、イオン注
入部15のうちで、マスキング16を施していなかった
部分にスパイラル状のスパイラル溝14が形成される。
【0021】次に、マスキング16を除去して、前記摺
動材本体12の除去されずに残ったイオン注入部15に
所定の温度で熱処理を行い、アモルファス化しているA
2 3 を再結晶させ、本来のAl2 3 の強度を回復
させて摺動面13を形成する。このようにして図10に
示すAl2 3 系摺動材11を製造する。
【0022】上記のような本発明のAl2 3 系摺動材
の製造方法によれば、摺動面に所定形状のスパイラル溝
を容易に形成することができる。また、本発明によって
製造されたAl2 3 系摺動材11がスラスト軸受の摺
動材に使用されると、装置内部の流体を軸受の作動流体
として使用することができ、装置の構造をコンパクト化
し、かつ、省エネルギー化することができる。なお、両
実施例においては、熱処理によってアモルファス化して
いるAl2 3 を再結晶させる手段を採用したがこれに
限定されることなく、他の手段で再結晶させてもよい。
【0023】〔実施例−1〕イオン注入条件をイオン種
がAr+ で、加速電圧値が800keVとしてイオン注
入を行う。そして、マスキングを施した後に、ショット
ブラストを30分間行った。次に、マスキングを除去
し、形成されたスパイラル溝を観察したところ、0.5
μmの溝が形成されていたことが確認された。
【0024】
【発明の効果】本発明は、前記のように構成したことに
より、イオン注入によりAl2 3 を軟化させ、ショッ
トブラストを行うことにより、短時間で容易に摺動面に
スパイラル溝を形成することができるというすぐれた効
果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるAl2 3 系摺動材の製造方法の
一の実施例におけるイオン注入後の状態を示す概略正面
図である。
【図2】図1の右側面を示す概略右側面図である。
【図3】本発明によるAl2 3 系摺動材の製造方法の
一の実施例におけるイオン注入部にマスキングを施した
状態を示す概略正面図である。
【図4】図3の右側面を示す概略右側面図である。
【図5】本発明によるAl2 3 系摺動材の製造方法の
一の実施例によって製造されたAl2 3 系摺動材を示
す概略正面図である。
【図6】本発明によるAl2 3 系摺動材の製造方法の
他の実施例におけるイオン注入後の状態を示す概略正面
図である。
【図7】図6の右側面を示す概略右側面図である。
【図8】本発明によるAl2 3 系摺動材の製造方法の
他の実施例におけるイオン注入部にマスキングを施した
状態を示す概略正面図である。
【図9】図8の右側面を示す概略右側面図である。
【図10】本発明によるAl2 3 系摺動材の製造方法
の他の実施例によって製造されたAl2 3 系摺動材を
示す概略正面図である。
【符号の説明】
1、11……Al2 3 系摺動材 2、12……摺動材本体 3、13……摺動面 4、14……スパイラル溝 5、15……イオン注入部 6、16……マスキング

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al2 3 質で構成される摺動材本体の
    一方の端面に窒素、アルゴン等のイオンを所定の加速電
    圧で注入してイオン注入部とし、該イオン注入部に、マ
    スキングを施していない部分がスパイラル状に残るよう
    にマスキングを施し、マスキングを施していない部分に
    対してショットブラストを行い、マスキングを施してい
    ない部分のイオン注入部を除去して前記摺動材本体の一
    方の端面にスパイラル状のスパイラル溝を形成すること
    を特徴とするAl2 3 系摺動材の製造方法。
  2. 【請求項2】 Al2 3 質で構成される摺動材本体の
    一方の端面に窒素、アルゴン等のイオンを所定の加速電
    圧で注入してイオン注入部とし、該イオン注入部に、マ
    スキングを施していない部分がスパイラル状に残るよう
    にマスキングを施し、マスキングを施していない部分に
    対してショットブラストを行い、マスキングを施してい
    ない部分のイオン注入部を除去して前記摺動材本体の一
    方の端面にスパイラル状のスパイラル溝を形成し、所定
    の温度で熱処理を行い、除去されずに残ったイオン注入
    部を再結晶化させることを特徴とするAl2 3 系摺動
    材の製造方法。
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