JP2971300B2 - ガス回収ホルダにおけるガスカロリーの平滑化装置 - Google Patents

ガス回収ホルダにおけるガスカロリーの平滑化装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス回収ホルダの出側
ガスカロリーを平滑化する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、転炉、高炉またはコークス炉な
どから発生するガスを回収する場合には、それらの炉か
らのガス発生量が経時的に一様でなく振幅があるため、
図6に示すように、前記の炉1から発生したガスは、配
管を通り出口遮断弁3aを介してガス回収ホルダ2内に
貯蔵され、ガスの発生が止まれば、ガス回収ホルダ2内
に貯蔵したガスを、出口遮断弁3bおよび昇圧ブロワー
4を介してガス使用先へ払い出すことにより、ガスを安
定供給する方法が用いられている。
【0003】また、ガスの発生直後や発生終了直後の数
分間は操業の変化によりガスカロリーが大きく変化する
が、この方法では発生したガスが一旦ガス回収ホルダ2
内に貯蔵され、ガス回収ホルダ2内にあったガスと混合
されるので、ガスカロリーの変化が小さくなり、ガス供
給先にカロリー変動のあまりないガスを供給することが
可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
炉からの発生ガスをガス回収ホルダ2内に貯留する方法
では、ガスの発生変動を平滑化することに関しては有効
であるが、ガス回収ホルダ2内のガスの流れ6に影響を
受けて、既存のガスと新たに流入したガスとが充分に混
合せず、ガスのカロリー変動を平滑化するには不充分で
あるという問題があった。
【0005】すなわち、図7から明らかなように、ピス
トン5が矢印方向へ上昇している時には、ガス回収ホル
ダ2内のガスの流れ6はピストン5の上昇に従って上昇
流となる。それによって入口管9から入った流入ガスの
流れ7は、ガス回収ホルダ2内のガス流れ6に沿って上
方へ流れることになり、ガス回収ホルダ2の全容積のガ
スと混合するためカロリーが平滑化されて混合ガス8と
なり出口管10から排出される。
【0006】しかし、図8に示すように、逆にピストン
5の下降時のガス回収ホルダ2内のガスの流れ6は下降
流となる。そのため、入口管9より入った流入ガスの流
れ7は、上方からのガスの流れ6に抑えられてガス回収
ホルダ2の下部に沿った平面的な流れとなり、出口管10
より排出されることになる。
【0007】さらに、図9に示すように、ガス回収ホル
ダ2の上部方向から平面的な流れをみると、流入ガスの
流れ7は入口管9から直接出口管10へ向かう流れを形成
することになる。そのため、ガス回収ホルダ2内のガス
との混合ができず、ガス回収ホルダ出側ガスカロリーの
充分な平滑化が達成できない。
【0008】本発明は、前記課題を解決したガス回収ホ
ルダ2におけるガスカロリーの平滑化装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、転炉、高炉ま
たはコークス炉などからの発生ガスを回収貯留し、貯留
したガスを使用先へ供給するガス回収ホルダにおいて、
該ホルダ内ガス入口部に遮断壁を設けたことを特徴とす
るガス回収ホルダにおけるガスカロリーの平滑化装置で
ある。
【0010】
【作 用】本発明によれば、遮断壁をガス回収ホルダ内
設置してあるため、ガス入口部から直接ガス出口部へ
ガスが流れなくなり、平面的な流れとなっても、ガス回
収ホルダ内のガスとの混合が促進される。
【0011】
【0012】
【実施例】以下に転炉の精錬時に発生するガス回収の例
を基に、本発明の実施例について、図面を参照して説明
する。図1は転炉ガス回収ホルダの側断面図であり、転
炉ガス回収ホルダ2a内の転炉ガス入口部に上向きノズ
ル11を設置している。
【0013】図から明らかなように、上向きノズル11か
らの流入転炉ガスの流れ7は図の矢印のように流れ、転
炉ガス回収ホルダ2a内の転炉ガスと混合して混合ガス
8となり、出口管10から排出される。また、図2は本発
の実施例を示す平面図であり、転炉ガス回収ホルダ2
a内の転炉ガス入口部に遮断壁12を設けたものである。
【0014】図から明らかなように、入口管9からの流
入転炉ガスの流れ7は、遮断壁12に遮られて壁際を迂回
し、その間に転炉ガス回収ホルダ2a内の転炉ガスの流
れ6と合流混合して出口管10から排出される。次に、図
3には図1に示す上向きノズルを設けた例における転炉
発生ガスカロリー13および転炉ガス回収ホルダ2aの出
側ガスカロリー14の経時変化を示し、図4には本発明
施例における転炉発生ガスカロリー13および転炉ガス
回収ホルダ2aの出側ガスカロリー14の経時変化を示
す。
【0015】また、比較のために図5に従来例における
転炉発生ガスカロリー13および転炉ガス回収ホルダ2a
の出側ガスカロリー14の経時変化を示す。なお、発生直
後と発生終了直後の転炉発生ガスカロリー13は少ないの
でこのガスカロリーの経時変化線は山形状になる。図3
および図4に明らかなように、図1に示す上向きノズル
を設けた例における転炉ガス回収ホルダ2aの出側ガス
カロリー14の最大低下値(図3中のA)は0.12×103(Kc
al/Nm3) で、初めの出側ガスカロリー14に戻る時間(図
3中のB)は4.1 分であり、本発明の実施例における転
炉ガス回収ホルダ2aの出側ガスカロリー14の最大低下
値(図4中のA)は0.3 ×103(Kcal/Nm3) で、初めの出
側ガスカロリー14に戻る時間(図4中のB)は7.0 分で
あった。
【0016】いずれも、図5の従来例における転炉ガス
回収ホルダ2aの出側ガスカロリー14の最大低下値(図
5中のA)0.52×103(Kcal/Nm3) および初めの出側ガス
カロリー14に戻る時間(図5中のB)8.4 分に比較して
はるかに最大低下値も所要時間も少なく、転炉ガスカロ
リーの平滑化という目的が達成された。なお、以上の
では、上向きノズル11および遮断壁12をそれぞれ別個に
使用しているが、両方を一緒に実施してもよい。
【0017】また、本実施例は転炉での発生ガスについ
て説明しているが、高炉およびコークス炉のガス回収ホ
ルダにも適用できる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガス回収
ホルダにおけるガスカロリーの平滑化装置によれば、ガ
ス回収ホルダの出側ガスカロリーが平滑化され、その変
動が小さくなるため、ガス供給先のバーナの燃焼性が良
くなり、燃料原単位が向上するほか、ガスカロリーの変
動によるバーナの失火などの危険性がなくなり、安全性
が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】転炉ガス回収ホルダ内入口部に上向きノズルを
設置した転炉ガス流れを示す模式図である。
【図2】転炉ガス回収ホルダ内入口部に遮断壁を設置し
た転炉ガス流れを示す模式図である。
【図3】図1に示す上向きノズルを設けた例における転
炉ガス回収ホルダの入り側転炉発生ガスカロリーと、転
炉ガス回収ホルダの出側ガスカロリーの経時変化を示す
図である。
【図4】図2に示す遮断壁を設けた例における転炉ガス
回収ホルダの入り側転炉発生ガスカロリーと、転炉ガス
回収ホルダの出側ガスカロリーの経時変化を示す図であ
る。
【図5】従来例における転炉ガス回収ホルダ入り側の転
炉発生ガスカロリーと、転炉ガス回収ホルダ出側ガスカ
ロリーとの経時変化を示す図である。
【図6】ガス発生からガス供給に至る系統を示す説明図
である。
【図7】従来のガス回収ホルダにおけるピストン上昇時
のガス流れを示す模式図である。
【図8】従来のガス回収ホルダにおけるピストン下降時
のガス流れを示す模式図である。
【図9】図8における上部方向からみた平面的なガス流
れを示す模式図である。
【符号の説明】
1 炉 2 ガス回収ホルダ 2a転炉ガス回収ホルダ 3a出口遮断弁 3b出口遮断弁 4 昇圧用ブロワー 5 ピストン 6 ガス流れ 7 流入ガス流れ 8 混合ガス 9 入口管 10 出口管 11 上向きノズル 12 遮断壁 13 転炉発生ガスカロリー 14 出側ガスカロリー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−154589(JP,A) 特開 昭59−36539(JP,A) 特開 昭59−215411(JP,A) 実公 昭39−3306(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F27D 17/00 104 C21B 7/00 306 C21C 5/38 F17B 1/00 - 1/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転炉、高炉またはコークス炉などからの
    発生ガスを回収貯留し、貯留したガスを使用先へ供給す
    るガス回収ホルダにおいて、該ホルダ内ガス入口部に遮
    断壁を設けたことを特徴とするガス回収ホルダにおける
    ガスカロリーの平滑化装置。
JP23114293A 1993-09-17 1993-09-17 ガス回収ホルダにおけるガスカロリーの平滑化装置 Expired - Fee Related JP2971300B2 (ja)

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JP5309893B2 (ja) * 2008-10-28 2013-10-09 Jfeスチール株式会社 副生ガスホルダー
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