JP2971088B2 - 化学的気相成長による薄膜形成用の固体原料供給装置 - Google Patents

化学的気相成長による薄膜形成用の固体原料供給装置

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JP2971088B2 JP2054828A JP5482890A JP2971088B2 JP 2971088 B2 JP2971088 B2 JP 2971088B2 JP 2054828 A JP2054828 A JP 2054828A JP 5482890 A JP5482890 A JP 5482890A JP 2971088 B2 JP2971088 B2 JP 2971088B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、化学的気相成長による薄膜形成用の固体原
料を供給する装置に関する。
特に、本発明は、酸化物超導電薄膜を形成するため金
属ハロゲン化物の原料を供給したり制御したりする装置
に関する。
〔従来の技術〕
今日の薄膜形成技術の分野において、固体原料の供給
は重要な部分を占めている。固体原料の供給装置として
は種々の方式のものが知られているが、代表的なものと
しては、真空蒸着方式、ボート方式、バブリング方式が
ある。
真空蒸着方式として知られる方法は反応炉内の圧力が
10-4トル以下の場合に使用されるが、この方法では、気
体分子の平均自由行程が十分長くなるため、反応炉内で
は分子同士の衝突が殆ど無くなり分子は直線的に運動す
る。このような状態で、固体原料はルツボに入れられ、
ヒーター線加熱、高周波加熱又は電子ビーム加熱等によ
り融解され蒸発させられて、分子線として供給される。
そして、この分子線の途中に適当なシャッターを配置し
て分子線を遮断し、これにより原料を供給したり遮断し
たりすることができる。しかしながら、この方法では、
形成される膜の粒径があらく、また、ステップカバレー
ジが悪いという欠点がある。
また、いわゆるボート方式として知られる方法は反応
炉内の圧力が10-4トル以上の場合に使用されるが、この
方法では、気体分子は粘性流状態となり、分子同士の衝
突が支配的になる。このような状態では、分子線が形成
されないため、真空蒸着方式において使用されたシャッ
ターによる方法では、原料を遮断することができない。
かかる粘性流状態で、固体原料は反応炉内のボートに置
かれ、ボートの加熱と同時にボート上を通過するキャリ
ヤガスにより搬送される。そして、原料の遮断はキャリ
ヤガスの遮断によって行われる。しかしながら、ボート
が反応炉内に設置されているためにキャリヤガスを供給
しなくとも反応炉内の熱対流やガスの流れにより蒸発し
た原料の一部が搬送されてしまうので、各原料を独立し
てオン・オフすることができず、また、成長圧力とボー
トの圧力が同じになってしまうという欠点がある。
さらに、バブリング方式と称する方法が知られてい
る。この方法では、比較的蒸気圧の高い固体原料が温度
制御されたバブラー内に収容され、気化した原料はキャ
リヤガスにより反応炉に搬送される。また、途中に適当
なバルブを設置してキャリヤガスの供給を制御すること
もできる。しかしながら、この方法では、原料が析出し
ないようにするために、配管やバルブの温度をバブラー
の温度と同一の温度に維持する必要があるので、200℃
以上の高融点材料を使用することができないという欠点
がある。
以上のように、従来の固体原料の供給方法では、粘性
流領域において高融点の個体原料を供給したり制御した
りするのは困難であり、今後予想される高品質の新機能
薄膜を開発するに際して克服しなければならない重要な
問題である。
〔発明が解決しようとする課題〕
従って、本発明の目的は、使用する固体原料の蒸気圧
に作用されることなしに、固体原料の供給及び遮断を容
易に行うことができる薄膜形成用固体原料供給装置を提
供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために、本発明は、化学的気相成
長による薄膜形成用の固体原料供給装置であって、一端
が閉鎖し他端が開放した供給管を含み、該供給管の閉鎖
端にはオリフィスが設けられ開放端にはキャリヤガスを
供給するための手段が連結されており、オリフィスに隣
接して供給管の内部に設けられていて、固体原料を供給
するためのボートと、供給管の内部の温度を検知するた
めの手段と、固体原料を加熱するための手段と、オリフ
ィスに隣接して供給管の外側に設けられていて、オリフ
ィスから供給される気化した原料の供給を制御するため
の手段とをさらに含むことを特徴とする装置を提供す
る。
〔実施例〕
次に、第1図を参照して本発明の実施例を詳細に説明
する。
本発明の薄膜形成用の固体原料供給装置が、全体とし
て参照符号1で示されている。装置1は、一端が閉鎖し
他端が開放した細長い供給管2を有する。この供給管2
の閉鎖端には、オリフィス3が設けられている。供給管
2の内部には、オリフィス3に隣接した個所に、固体原
料4を供給するためのボート5が配置されている。ま
た、供給管2の内部には熱電対6が設けられており、こ
の熱電対6によって供給管内部の温度が検知される。
供給管2の周囲は、ボート5に置かれた固体原料4を
加熱するために、ヒータ線7で覆われている。ヒータ線
7で覆われた供給管2は、断熱管8の内部に置かれてい
る。両端の閉鎖した外管9が、断熱管8、従って、ヒー
タ線7で覆われた供給管2の全体を取り囲んでいる。供
給管2に設けられたオリフィス3の位置する側の外管9
の端には、オリフィス3から噴射される気化した原料が
通過することができるように、オリフィス3に対応する
位置にこれよりも寸法の大きな孔10が設けられている。
また、孔10の設けられた端と反対側の端には、供給管2
の貫通する開口部11を介して外管9と流体連通するチャ
ンバ12が設けられている。供給管2と外管9の端壁13と
の間は、後述するように外管9内に充満するパージガス
が漏れないようにシールされている。チャンバ12には、
キャリヤガスの供給口14が設けられており、外管9の端
壁13の近くには,パージガス供給口15が設けられてい
る。また、外管9の外側には、その孔10に隣接してシャ
ッター16が設けられており、このシャッター16を開閉す
ることにより、孔10から噴出する原料を供給したり遮断
したりすることができる。シャッター16は、周知の駆動
手段(図示せず)によって開閉されるが、この駆動手段
は本願発明の要旨を構成しないので、詳細な説明は省略
する。
次に、本発明の装置の作動について説明する。
薄膜を形成すべきウエハー17を、装置1の孔10、従っ
て、オリフィス3の近くに配置する。供給管2のボート
5に置かれた固体原料4をヒータ線7により加熱すると
ともに、キャリヤガス供給口14からキャリヤガスを供給
する。これと同時に、パージガス供給口15からパージガ
スを供給する。すると、加熱されて気化した固体原料が
キャリヤガスによって搬送され、オリフィス3、次い
で、孔10を通り、薄膜を形成すべきウエハー17の表面に
向けて噴出される。なお、オリフィス3から出た原料の
噴流は、パージガス供給口15から供給され断熱管8と外
管9との間を通ってオリフィス3付近に達するパージガ
スによって、オリフィス3から孔10を通って装置1の外
部に確実に噴射されるようになっている。シャッター16
を開閉することにより、原料の供給を容易に制御するこ
とができる。
なお、薄膜を形成すべきウエハーを中心として本発明
の装置を放射状に配置することにより、薄膜の多元同時
成長が可能となる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明により、固体原料の蒸気
圧による制約を大幅に改善することができた。
具体的には、本願発明は、以下のような効果を奏す
る。
気化した原料をオリフィスより高速で噴射するために
ある程度の直進性を有する。従って、適当なシャッター
を使用することにより、原料を容易に供給したり停止し
たりすることができる。又、本発明の装置を反応炉に対
して放射状に配置することにより、数種の固体原料をそ
れぞれ独立して制御することができる。更に、反応炉内
の状態(例えば、プラズマ状態等)に影響されることな
しに、原料を安定的に供給することができる。
原料を気化させる位置がオリフィスを介して反応炉と
直結しているため、前述のバブリング方式のような配管
内の原料析出の問題がない。従って、蒸気圧の低い固体
原料であっても、反応炉内に原料を容易に供給すること
ができる。
オリフィスの寸法、キャリヤガスの量、ソースチャン
バ内の圧力、ソースチャンバの温度等により、反応炉内
への原料の供給量を制御することができる。従って、原
料の供給を精密に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による固体原料供給装置の長さ方向略
断面図である。 1……装置、2……供給管、 3……オリフィス、5……ボート、 6……熱電対、7……ヒータ線、 9……外管、 14……キャリヤガス供給口、 15……パージガス供給口、 16……シャッター、17……ウエハー。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 16/00 - 16/44 C30B 23/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学的気相成長による薄膜形成用の固体原
    料供給装置であって、一端が閉鎖し他端が開放した供給
    管を含み、該供給管の閉鎖端にはオリフィスが設けられ
    開放端にはキャリヤガスを供給するための手段が連結さ
    れており、オリフィスに隣接して供給管の内部に設けら
    れていて、固体原料を供給するためのボートと、供給管
    の内部の温度を検知するための手段と、固体原料を加熱
    するための手段と、オリフィスに隣接して供給管の外側
    に設けられていて、オリフィスから供給される気化した
    原料の供給を制御するための手段とをさらに含むことを
    特徴とする装置。
  2. 【請求項2】供給管を収容する両端の閉鎖した外管をさ
    らに含み、供給管のオリフィスに対応した外管の端には
    オリフィスから出た原料が通過するための孔が設けられ
    ており、前記端と反対側の端に隣接してパージガスを供
    給するための手段が設けられていることを特徴とする請
    求項(1)に記載の装置。
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