JP2970421B2 - ダイヤル検出装置 - Google Patents

ダイヤル検出装置

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JP2970421B2
JP2970421B2 JP21787994A JP21787994A JP2970421B2 JP 2970421 B2 JP2970421 B2 JP 2970421B2 JP 21787994 A JP21787994 A JP 21787994A JP 21787994 A JP21787994 A JP 21787994A JP 2970421 B2 JP2970421 B2 JP 2970421B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、公衆電話回線を伝わる
パルス方式のダイヤル信号の高調波成分を検出し、ダイ
ヤル情報に変換するダイヤル検出装置に関する。さらに
具体的には、電話回線が通話先に接続された後に、電話
機のダイヤル・キーを操作して通話先に何らかの情報を
伝達する場合に、通話先の装置においてダイヤル情報を
確実に検出することのできる新規なダイヤル検出装置を
提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】公衆電話回線に接続されたセンター装置
に音声案内装置とダイヤル信号受信装置を備え、公衆電
話回線側から電話着信があると音声案内を行い会員番号
および商品番号の入力を促し、会員が数値データをダイ
ヤル・キーにより入力すると該当商品の確認を行い受注
するといった通信販売サービスがある。またこれと類似
の形態で、チケット予約あるいは金融情報の配信を行う
といったサービスもある。さらに留守番電話に記憶され
た内容を遠隔地の電話機から制御し再生するといったリ
モート・コントロール、あるいはPBXの内線電話を選
択するダイヤル・インなども広く行われている。
【0003】これらの制御を行うための数値データ入力
は、電話機に備わっているダイヤル・キーを用いるのが
一般的である。専用の入力手段を用いないで電話機に付
属のキーを入力手段として用いることにより、低廉かつ
汎用的な入力が行えるからである。
【0004】ダイヤル・キー情報を伝える手段としてP
B(プッシュ・ボタン)信号方式とパルス方式がある。
ダイヤル・キー情報を用いるサービス等を実現するには
PB信号方式の方が都合が良い。公衆回線の中継系の回
路における直流制限に影響されることなく電話回線に許
容された周波数帯域を用いて確実に情報の伝達ができる
からである。ダイヤルの本来の目的は市内加入者交換機
に宛先の番号を知らせることにあるから、この本来の目
的に関する限りにおいては、いずれの方式を用いても同
じであり、多くの家庭ではパルス式加入回線に加入して
いる。
【0005】ダイヤル・キー情報を用いるサービスは広
範囲にわたる会員がなければ経済的効果を得にくい。パ
ルス式加入回線の電話機からダイヤル・キー情報の入力
が可能であれば広範囲の会員の参加を期待できるが、中
継系の回路における直流をカットして周波数帯域300
〜3.4kHzの電話信号を通すという直流制限がある
ために直流をオン・オフするダイヤル・パルスの検出は
容易ではなく、ダイヤル・キー情報の利用範囲を限定せ
ざるを得なかった。
【0006】中継系通過後の直流成分をもたないダイヤ
ル・パルス波形の検出が容易でない理由は以下の通りで
ある。
【0007】第1にダイヤル・パルス波形は、速度が1
0ppsあるいは20ppsでメイク率が30%である
こと以外に音声信号や回線雑音から区別する特徴がな
い。
【0008】第2にダイヤル“1”あるいはダイヤル
“2”を表わすダイヤル・パルス波形は単発波形あるい
はそれに近い波形であるため、同調フィルタ等による周
期性を特徴とした検出ができない。
【0009】第3に電話回線を伝わったダイヤル・パル
ス波形の受信レベルは−10dBm〜−40dBmと大
きく変動するが、受信される信号が音声波形かダイヤル
・パルス波形か不明である状況では利得制御をかけるこ
とができず安定した検出ができない。
【0010】第4に回転ダイヤル式電話機ではダイヤル
・ミュート(ダイヤル発信者の受話器からガリガリとい
う耳障りな大きなダイヤル発信音を出さないようにする
こと)を行っているため、ミュート開始時点と終了時点
すなわちダイヤル・パルス波形の前と後ろにダイヤル・
パルス波形に良く似たパルス波形が発生するので誤検出
し易い。
【0011】第5に音声信号中にも稀ではあるがダイヤ
ル・パルス波形に似た信号が含まれ、ダイヤル“1”を
表わすダイヤル・パルス波形と誤認識する可能性があ
る。
【0012】第6にダイヤル・パルス波形は電話機,市
内加入者交換機,中継系の組合せにより様々な波形形状
を呈するため、予め波形形状を予定して波形を区別する
方法がとれない。
【0013】このような種々の問題を解決するためのダ
イヤル・パルス波形の比較的有力な検出法として波形を
学習する方法がある。これはダイヤル受信の初期期間に
何んらかの方法でダイヤル・パルス波形であることを検
出し、その時点における波形の特徴を記憶し、その後は
その特徴を用いて認識を行う方法である。この方法によ
れば波形振幅も含め波形に関する多くの特徴を認識に用
いることができるから、周期性のあるダイヤル・パルス
波形はもとよりダイヤル“1”の認識についても認識率
を向上できる。ただし、この方法ではダイヤル・パルス
波形の特徴を記憶するのに多くのメモリが必要となるの
に加え、記憶内容が多いほど記憶情報と後続ダイヤル・
パルス波形の特徴を表わす情報との比較認識に必要とな
る処理量が多くなり、リアル・タイムでの認識が難しく
なるという問題がある。また前記初期期間において、ダ
イヤル・パルス波形であることの検出に失敗すると以降
の認識が全く行えなくなるという危険性を持っている。
【0014】特開平2−231856号では、この危険
性を少なくするために、初期の学習用ダイヤル・パルス
波形として継続時間が長く検出し易いダイヤル“0”お
よび“2”をサンプル・パルス信号列として用いてい
た。受信側では数値が予めわかっているので周期、受信
レベルあるいはミュート・パルスの存在等の波形情報を
時間テンプレートや振幅テンプレートを用いて収拾して
いる。しかし、最初のダイヤルを受信側で既知な数値に
限定することは、各種のサービス等での番号計画の自由
度に制限を加えることになるため改善が望まれている。
また、この種の装置では認識率が100%に限りなく近
いとの仮定のもとにセンター装置に情報を渡していた
が、実際の電話回線は極めて多くの伝達特性を呈し、予
測範囲を越える形状のダイヤル・パルス波形を受信する
可能性がある。したがって認識の限界を越えた場合には
センター装置に報知することが要求される。
【0015】また、センター装置が公衆電話回線側の利
用者に音声案内によりダイヤルをうながすといった利用
形態では、ダイヤル検出装置内の2線4線変換部で音声
案内の信号が回り込みダイヤル・パルス波形に重畳する
ために、音声案内中にはダイヤル・パルスの検出ができ
なかった。このため、センター装置は音声案内にて事前
に確認音の後にダイヤルをするよう利用者に伝え、音声
案内の最後に確認音を出し無音期間にダイヤル・パルス
の検出を行っていた。しかしながら、何度も利用する人
には音声案内の内容が事前に解っているので、実際に確
認音を聞くまでダイヤルするのを待たされることにな
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題を列挙すると、第1は通信開始後の最初のダイ
ヤル・パルス波形を確実に検出することであり、第2は
通信開始後の最初のダイヤル数値が未知であっても確実
に検出することであり、第3は記憶すべきダイヤル・パ
ルス波形情報を少なくしてメモリおよび処理量の削減を
図ることであり、第4は先頭桁に続く後続桁において孤
立ダイヤル・パルス波形を確実に認識することであり、
第5はダイヤル・ミュート波形が付随しているようなダ
イヤル・パルス波形であってもそれを除外し正確な認識
を行うことにあり、第6は電話回線の状況により認識が
不確実になるダイヤル・パルス波形を検出しダイヤル信
号の受信先であるセンター装置に知らせることにあり、
第7はPB信号あるいは音声信号を誤認識しないために
防御手段を講じることにあり、第8は受信レベルに依存
しないダイヤル検出を行うことにある。第9は音声案内
中にもかかわらずダイヤル検出を行うことにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明による装置は、音
声の波形整形を行わないかつ第1ホルマントに相当する
成分を減衰させる高域通過フィルタと高域通過フィルタ
出力を整流し信号帯域を直流側にシフトさせる絶対値演
算部とサンプル数を少なくするための間引き処理部とダ
イヤル・パルス波形に重畳した音声を除去する音声除去
部とを含む前処理部と、受信レベルに依存しない差分演
算により周期性を調べダイヤル・パルス波形であること
を検出し、平均値のまわりの変化分を演算することによ
りPB信号等を排除し、波形の周期および先端および終
端を求め区分することによりダイヤル数値を認識し、異
常波形であったらその旨を報知し、さらに波形および波
形の特徴を求め記憶する先頭桁ダイヤル検出部と、先頭
桁ダイヤル検出部に記憶されたダイヤル・パルス波形お
よび波形情報をもとに後続桁のダイヤル・パルス波形を
検出し、検出されたダイヤル・パルス波形からミュート
波形等を除去しダイヤル数値を認識する後続桁ダイヤル
検出部と、認識したダイヤル数値あるいは異常波形情報
をPB信号に変換して後段の音声案内装置等のシステム
に伝達するPB信号送出部とにより主要な部分が構成さ
れている。
【0018】
【作用】本発明による装置の作用を以下に列挙する。
【0019】第1に音声の主要なエネルギー成分である
第1ホルマントに相当する周波数成分を高域通過フィル
タにより減衰させ、さらにダイヤル・パルス波形の周期
性を差分演算により選別検出するようにしたので、音声
あるいは回線雑音を誤検出することなく、ダイヤル・パ
ルス波形を検出できる。
【0020】第2に差分演算による波形選別は一定数以
上のダイヤル・パルス波形の繰り返しがあれば可能であ
るから、先頭桁のダイヤル数値が既知でなくてもダイヤ
ル・パルス波形の検出ができる。
【0021】第3に前処理部において整流することによ
りダイヤル・パルス波形の周波数成分を電話帯域から直
流近傍の帯域に移行させ、さらに間引き処理によりサン
プリング周波数を低下させたから、ダイヤル・パルス波
形の記憶を少ないメモリによって実現できるとともに実
時間での処理が可能になる。
【0022】第4に先頭桁ダイヤル・パルス波形および
波形情報を用いて後続桁を検出するようにしたから、後
続桁のダイヤル・パルス波形には周期性を要求せず、孤
立ダイヤル・パルス波形の検出ができる。
【0023】第5に先頭桁ダイヤル認識あるいは後続桁
ダイヤル認識においてミュート波形の除外判定を行うよ
うにしたので正確なダイヤル数値の認識ができる。
【0024】第6に先頭桁ダイヤル・パルス波形の検出
後に異常波形の判断を行うようにしたから、不正確な認
識結果を出力しないようにできる。
【0025】第7に先頭桁ダイヤル検出部では波形の平
均値と比較した値の変化分を判定し、後続桁ダイヤル・
パルス波形の検出では先頭桁ダイヤル検出部において記
憶された波形情報をもとに検出するようにしたから、P
B信号あるいは音声信号の誤検出を防止できる。
【0026】第8に差分演算時に正規化することによ
り、ダイヤル・パルス波形の受信レベルには依存しない
検出が可能になる。
【0027】第9に、ダイヤル検出装置内の2線4線変
換部で音声案内によって回り込む音声を除去するように
したので、音声案内中にもダイヤル・パルス波形の検出
を行うことができる。
【0028】
【実施例】図1には本発明の一実施例の回路構成を示し
ている。21はダイヤル信号あるいは音声信号を伝える
電話回線であり、1は電話回線の直流ループの閉結およ
び送信信号23と受信信号22を分離するための2線4
線変換を行う電話回線インタフェースであり、2はアナ
ログ信号を8kHzでサンプリングしデジタル信号に変
換するAD変換回路であり、3は8kHzサンプリング
信号をアナログ信号に変換するDA変換回路であり、4
は電話回線インタフェース1内の2線4線変換部の不平
衡が原因で生じる受信信号22への送信信号23の回り
込み、すなわちエコーを低減するためデジタル処理によ
り送信信号25から作成したエコー・レプリカで受信信
号24に含まれるエコー成分を打ち消し受信信号26と
して出力するエコー・キャンセラである。
【0029】5は高域通過フィルタ処理および演算回数
の削減、記憶すべき情報削減のための間引き処理を行う
ダイヤル・パルス波形の前処理部であり、27は20p
psダイヤル・パルス波形検出用のサンプル信号と10
ppsダイヤル・パルス波形検出用のサンプル信号の2
つの信号からなる低速サンプル信号であり、6は通信開
始直後の最初のダイヤル・パルス波形を検出しダイヤル
・パルス数の認識および波形の特徴抽出、波形の記憶を
行う先頭桁ダイヤル検出部であり、7は先頭桁ダイヤル
検出部6により得られた情報を用いて2桁目以降のダイ
ヤル・パルスを検出する後続桁ダイヤル検出部であり、
28は先頭桁ダイヤル検出部6で認識された先頭桁ダイ
ヤル数値情報であり、29は後続桁ダイヤル検出部7で
認識された後続桁ダイヤル数値情報であり、8は先頭桁
ダイヤル数値および後続桁ダイヤル数値情報28,29
をPB信号によりダイヤル信号30に変換するPB信号
送出部である。
【0030】9はPB信号の送出時に受信信号を止めP
B信号を出力するスイッチ(SW)であり、10は受信
信号あるいはPB信号を8kHzサンプリング信号から
アナログの受信信号31に変換するDA変換器であり、
11はアナログ送信信号32を8kHzでサンプリング
しデジタル信号に変換するAD変換器であり、33はダ
イヤル信号を用いてサービスを行うシステムとの間を結
ぶ電話線相当のシステム信号線であり、12は送信信号
32と受信信号31の4線2線変換あるいはシステムへ
の直流供給、直流ループ閉結検出を行うシステム回線イ
ンタフェースであり、34はシステム回線インタフェー
ス12内での直流ループ閉結情報である。直流ループ閉
結情報34は、また、直流ループ閉結時において信号処
理部5および先頭桁ダイヤル検出部6と後続桁ダイヤル
検出部7とPB信号送出部8を初期化後ダイヤル・パル
ス波形の検出を行い、直流ループ開放時にダイヤル・パ
ルス検出を停止するための制御情報としても用いられ
る。
【0031】図1において、エコー・キャンセラ4と前
処理部5およびPB信号送出部8は電話帯域(300〜
3.4kHz)の信号処理であるため8kHzサンプル
速度で信号を処理する必要があるが、先頭桁ダイヤル検
出部6と後続桁ダイヤル検出部7は前処理部5によって
低速化した低速サンプル信号27の処理であるから、8
kHzサンプル信号と混在させたプログラムで処理する
のは効率が悪い。したがって、本発明の一実施例では前
処理部5,先頭桁ダイヤル検出部6,後続桁ダイヤル検
出部7とPB信号送出部8の機能をプログラムに従って
実現するDSP(デジタル信号処理プロセッサ)を8k
Hzサンプル用と低速サンプル用の2種類に分けてい
る。
【0032】8kHzサンプル用DSPでは1サンプル
125μsを時間分割しエコー・キャンセラ信号処理、
ダイヤル・パルス波形の前処理およびPB信号の発生を
行う。低速サンプル用DSPは処理シーケンスを先頭桁
ダイヤル検出段階と後続桁ダイヤル検出段階の2つに分
けて処理する。2つのDSP間では低速サンプル信号の
入出力をシリアル転送で行い、ダイヤル認識結果である
先頭および後続桁ダイヤル数値情報28,29の伝達は
8ビット・パラレル転送で行う。本発明の実施例はこの
ように2つのDSPを用いて実現した場合の一実施例に
もとづいて説明しているが、高速演算処理が可能なDS
Pを用いれば2つに分離する必要はない。
【0033】なお、本発明の一実施例では512ワード
のデータRAMを備えたDSPであれば処理を実現でき
るようRAMの繰り返し利用を図っている。また図1に
おいて、ダイヤル数値認識後の先頭および後続桁ダイヤ
ル数値情報28,29はPB信号に変換しシステム信号
線33によりシステムに伝達しているが、これ以外の方
法として先頭および後続桁ダイヤル数値情報28,29
をRS232C等のインタフェースを用いてシステムに
伝達してもよい。
【0034】図2には、前処理部5の詳細な回路構成が
示されている。26は8kHzでサンプリングされエコ
ーが除かれた受信信号である。41は高域通過フィルタ
(HPF)であり、ダイヤル・パルス検出を行うに当っ
て妨害信号となる音声信号の中で電力的に大きな第1ホ
ルマントを減衰させる目的と、さらに電話回線の低域遮
断周波数(約300Hz)付近の群遅延歪のために生ず
るリンギングを除去する目的を兼ねている。
【0035】図3には高域通過フィルタ41および絶対
値演算部42の作用を説明するための波形図が示されて
いる。同図は帯域制限によりダイヤル・パルスのメーク
期間の前後で生ずるダイヤル・パルス波形を示してお
り、同図(a1)は受信信号26の波形が、(a2)に
は(a1)に示した波形から直接に絶対値をとった場
合、同図(b1)は受信信号26を高域通過フィルタ4
1に通した後に得られる波形を、(b2)には(b1)
に示した波形から絶対値演算部42において絶対値をと
った場合を示している。リンギングが存在する同図(a
1)(a2)の場合、等価的に応答の遅い伝達系を通し
たことになり、パルス間の境界がつけにくいが、リンギ
ングが抑圧された同図(b1),(b2)の場合はパル
ス間の境界が明確になる。
【0036】高域通過フィルタ41の遮断周波数は、音
声信号の第1ホルマントおよび電話回線21の低域遮断
周波数(300Hz)近傍の成分を減衰させる目的から
600Hz程度に選ぶのがよく、また高域通過フィルタ
41の遮断域において群遅延歪を発生させないために高
域通過フィルタ41の位相特性は直線でなければならな
い。直線位相特性のフィルタはFIRフィルタのタップ
係数を対称に選ぶことにより容易に実現される。絶対値
演算部42は受信信号の占有帯域を低域側に移すために
直流を含んだ低域に信号帯域を移しており、それにより
以下に説明する間引き処理が可能になる。
【0037】43aおよび43bは間引きを行う前に必
要な低域通過フィルタ(LPF)であり、43aは20
ppsダイヤル・パルス波形用、43bは10ppsダ
イヤル・パルス波形用である。低域通過フィルタ43
a,bの遮断周波数について説明する。絶対値演算後の
信号はダイヤル・パルスの基本速度(20ppsまたは
10pps)と同一周期であるが、20ppsと10p
psダイヤル・パルス波形ではメーク期間とブレーク期
間が異なること、あるいは電話回線の発信者側の加入者
回路によって波形クリップ等が原因してブレーク期間や
メーク期間の中間部分でもパルス波形が生じる場合があ
るため、周波数帯域としては基本周期の5倍程度は必要
である。
【0038】したがって20ppsダイヤル・パルス波
形に対しては100Hz程度、10ppsダイヤル・パ
ルス波形に対しては50Hz程度が低域通過フィルタ4
3a,bの遮断周波数となる。本発明の実施例では20
ppsおよび10ppsに対する低域通過フィルタ43
a,bの遮断周波数を125Hzおよび62.5Hzに
選んでいる。低域通過フィルタ43a,bは高域通過フ
ィルタ41と同様に直線位相特性でなければならないの
で、対称なFIRフィルタで構成する。
【0039】44aおよび44bは間引き処理を行いサ
ンプル速度を低速化する間引処理部であり、44aは2
0ppsダイヤル・パルス波形用、44bは10pps
ダイヤル・パルス波形用である。間引き後のサンプル速
度について説明する。間引き後のサンプル周波数は低域
通過フィルタ43a,43bの遮断周波数の2倍以上で
あれば良いということは標本化定理の教えるところであ
るが、本発明の実施例ではパルス波形間の差分演算によ
りダイヤル・パルスの基本速度(周期)を検出する必要
があり、時間分解能が問題となる。サンプル周期に等し
く、分解能を向上させるためにはサンプル周波数を上げ
ることになる。
【0040】サンプル周波数を極力低くし分解能を確保
するために、本発明の実施例では間引き後のサンプル周
波数を低域通過フィルタ43a,43bの遮断周波数の
4倍に選ぶ。すなわち間引処理部44aでは500Hz
サンプル信号を得るために8kHzサンプル信号から1
6サンプル毎に1サンプルを抜き出し低速サンプル信号
27aを出力する。また間引処理部44bでは250H
zサンプル信号を得るために8kHzサンプル信号から
32サンプル毎に1サンプルを抜き出し低速サンプル信
号27bを出力する。以上説明したように本発明では絶
対値演算および間引き処理によりサンプル周波数を20
pps用で8kHzの1/16、10pps用では1/
32に下げ、以降の処理における演算量および記憶量の
大幅な削減を図っている。
【0041】45a,45bは音声除去部であり、ダイ
ヤル・パルス検出を行うに当って妨害となる電話回線イ
ンタフェース1に含まれている2線4線変換部での回り
込みによって重畳した音声信号を除去する。音声案内を
システムからシステム信号線33を介して流し、電話の
利用者にダイヤルをうながす用途などでは音声案内中の
ダイヤル・パルス検出を必要とする。
【0042】このとき、エコー・キャンセラ4で除去し
きれないで送信信号25側から受信信号26側へ回り込
む音声信号がダイヤル・パルス波形に重畳しダイヤル・
パルス検出の妨害となる。音声除去部45a,45bの
入力である低速サンプル信号46a,46bはすでに絶
対値演算部42で絶対値をとり低域通過フィルタ(LP
F)43a,43bを通しているので電力を表わす波形
になっている。音声信号の平均電力はダイヤル・パルス
信号の平均電力に比べて時間に対する電力変動が緩やか
であるので、この特徴を利用し低速サンプル信号を高域
通過フィルタを通して音声信号電力部分のみを除去する
ことができる。
【0043】図4および図5は、同じ回路構成で示すこ
とのできる音声除去部45a,45bのうちの一方の回
路構成と音声除去部45a,45bの作用を説明するた
めの波形を示している。
【0044】図5(a)は音声除去部45の入力信号と
なる低速サンプル信号46で、回り込みによる緩やかに
変化する音声信号の電力に重畳したダイヤル・パルス波
形を示している。
【0045】高域通過フィルタ(HPF)51は、緩や
かに変化する音声信号の電力である低周波成分を除去し
て図5(b)の信号54を出力する。高域通過フィルタ
(HPF)51の遮断周波数はダイヤル・パルス波形は
通過させ、音声電力波形を減衰させる目的から、20p
psの場合は10Hz、10ppsの場合は5Hz程度
に遮断周波数を選ぶのがよく、また高域通過フィルタ
(HPF)41と同様に直線位相特性でなければならな
いので、対称なFIRフィルタで構成する。ただし、高
域通過フィルタ(HPF)51を通すことにより、図5
(b)の信号54の波形はダイヤル・パルスの平均電力
も除去されるため破線で示したダイヤル・パルス平均電
力の分だけ負側に振れている。DP平均電力付加器52
では、高域通過フィルタ(HPF)51からの信号54
から図5(b)の破線で示したダイヤル・パルスの平均
電力を推定し、これを付加する。
【0046】高域通過フィルタ(HPF)51からの信
号54はダイヤル・パルス波形の電力波形であるから、
図5(b)に破線で示すような負側に振れる部分はダイ
ヤル・パルスの平均電力を相殺するものであり、波線で
示す負側の包絡線がダイヤル・パルスの平均電力の負の
波形に相当する。DP電力付加部52ではこの破線で示
す負側の包絡波形を検出し、これを信号54に付加して
かさ上げして図5(c)の信号55の波形を得る。包絡
波形の検出は、たとえば高域通過フィルタ(HPF)5
1の出力側の信号54の正側信号を0にクリップ(半波
整流)させ、移動平均フィルタを通すことによって得ら
れる。
【0047】ダイヤル・パルスの平均電力付加後の信号
55で負の値に振れるサンプルは電力波形として不要な
部分であるから、リミッタ53で0にクリップして図5
(d)の低速サンプル信号27を得る。
【0048】図6および図7には先頭桁ダイヤル検出部
6においてダイヤル・パルス波形の存在を検出するまで
の信号処理の流れについて示している。先頭桁ダイヤル
検出動作が開始すると、低速サンプル信号27aを周期
2msで1サンプル入力し(S1a、図6)、または、
低速サンプル信号27bを周期4msで1サンプル入力
する(S1b)。図示されてはいないが入力したサンプ
ルはFIFO(先入れ先出し)形式のRAMに逐次記憶
される。RAMには20pps用と10pps用があ
り、それぞれ約8基本周期分の波形すなわち200サン
プルが記憶できるように構成してある。つぎに、信号電
力、すなわち後述の式(3)に示す平均値A(n) の近傍
の変化分V(n) が所定の値、たとえば−40dBm以上
であるか(S2Y)を判定する。信号電力が極端に小さ
い場合は、漏話による他回線のダイヤル・パルス波形で
ある可能性が高く、また後述の式(2)の分母のV(n)
が0に近くなるため演算に異常をきたすからである。信
号電力が小さい場合は次の低速サンプル信号を待つ(S
2N)。
【0049】つぎに振幅変化が所定の変動幅以上である
か(S3Y)を判定する。PBダイヤル信号あるいはフ
ァクシミリ手順信号等の信号は波形包絡が一定であり、
後述の式(2)〜(4)で演算すると周期および電力の
条件を満足してしまうからである。本発明の目的の1つ
は波形包絡が一定なPBダイヤル信号等には感動せず通
過させ(S3N)、振幅変化が所定以上のダイヤル・パ
ルス波形のみを検出するように構成することである。た
とえば、振幅変化は式(3)で求めた変化分V(n) およ
び式(4)で求めた平均値A(n) を用い、つぎの式
(1)で評価できる。同式でαは0.3程度に選ぶ。 V(n) /A(n) ≧α (1)ここでA(n)は、式(4)において、現在のサンプル信
号X(n)よりも1周期T以前からi回目(サンプル番号
i)のサンプルで得たサンプル信号X(n−T-i)の値(サ
ンプル信号の振幅)の累和を期間Tで除したものであ
る。したがって、A(n) は1周期T以前から現在迄のサ
ンプル信号Xの振幅の平均値を表している。式(3)に
おいては、1周期T以前から現在迄のサンプル信号Xの
サンプル毎の振幅が平均値A(n) からどれだけ変化した
かの絶対値の累和を得て、それを1周期Tで除してV
(n)を得ている。すなわち、V(n)は1周期T以前から現
在迄のサンプル信号Xの平均値A(n)近傍の変化分を表
している。
【0050】つぎに差分演算を行う(S4)。差分演算
時の正規化(式(2)のV(n) で除すること)により受
信信号26のレベルによらない(レベルが変動してもそ
の影響を受けることなく)ダイヤル・パルス波形の存在
検出が可能になる。本発明の実施例では、20pps用
および10pps用に、それぞれ5個の周期を準備し差
分演算を行う。5個とした理由はダイヤル・速度が±1
0%の範囲で変動することを考慮し、その変動範囲を覆
うようにしたためで、たとえば20ppsのときは基本
速度(周期)検出用に周期25サンプル(50ms)を
当て、短周期側に24サンプル周期(48ms)と23
サンプル周期(46ms)を当て、長周期側に26サン
プル周期(52ms)と27サンプル周期(54ms)
を当てている。
【0051】これらと一致しない周期(たとえば49m
s、51ms等の中間の周期)のダイヤル・パルスの場
合の差分演算結果(式(2)で求めるr(n) )は原理的
に0にならない。中間の周期のダイヤル・パルス入力の
場合の差分演算結果の劣化は間引き後のサンプリング周
波数に依存するので、この関係についてさらに詳しく説
明する。間引き後のサンプリング周波数を低域通過フィ
ルタ(LPF)43a,bの遮断周波数の2倍にしたと
き、差分演算での時間分解能は4ms、同様に4倍のと
き2ms、8倍のときは1msとなる。2倍のときは時
間分解能の中間(たとえば48ms、52ms等)の周
期のダイヤル・パルス入力で差分演算結果(式(2)で
求めるr(n) )は0.6、同様に4倍のときは時間分解
能の中間(たとえば49ms、51ms等)で差分結果
は0.3、8倍のときは時間分解能の中間(たとえば4
9.5ms、50.5ms等)で0.15となる。
【0052】このように間引き後のサンプリング周波数
を上げ時間分解能を細かくすれば、差分演算は良好な結
果が得られるが、同時に処理における演算量も増加す
る。一方、実際に音声を入力し差分演算を行った場合、
間引き後のサンプリング周波数にかかわらず0.4程度
の差分演算結果が得られることがある。本実施例では音
声による誤検出を避け、かつ演算量あるいは記憶量を削
減するという観点から、サンプリング周波数を低域通過
フィルタ(LPF)43a,43bの遮断周波数の4倍
とした。
【0053】差分演算は、時間的なサンプル位置を示す
サンプル時刻nにおける差分をr(n) 、検出した周期を
T、低速サンプル信号をX(n) 、平均値の近傍の変化分
をV(n) 、平均値をA(n) として式(2)〜(4)のよ
うに行う。なお、よく知られている相関関数により周期
性を検出する方法も考えられるが、相関関数では直流分
を多く含む波形の場合に相関値が高くなるため真に観測
したい波形変化をマスクしてしまう。本発明の実施例で
はこの点に鑑み、波形相互の減算により一致程度を測定
する。 r(n) =(1/T)Σ|{X(n-i)−X(n-T-i)}/V(n)| (2) V(n) =(1/T)Σ|X(n-T-i)−A(n)| (3) A(n) =(1/T)ΣX(n-T-i) (4) ここで、式(2)〜(4)のΣはi=0からT−1まで
の累和を表わしている。本発明の実施例では検出用の周
期Tは20pps用に5個、10pps検出用に5個用
意されているので、式(2)〜(4)の演算は、それぞ
れ低速サンプルを入力する度に10回行う。この式
(2)においては、サンプル番号iのサンプル値X(n-
i) と、丁度1周期T以前におけるi番目のサンプル値
X(n-T-i) との差を求め、それを平均値近傍の変化分V
(n) で除して正規化したものの累和をとり、1周期Tで
除して、サンプル時刻nにおける差分r(n) を得てい
る。すなわち、サンプル値X(n-i)と、1周期Tだけ以
前のサンプル値X(n-T-i)との差は、同じパルス信号が
周期Tで繰り返す場合には、ゼロとなる。してがって、
検出された周期Tが適切な値であれば、差分r(n) は小
さな値となる。
【0054】差分判定では式(2)の差分演算結果r
(n) を用い差分の判定を行う。すなわち10個の差分演
算結果r(n) のうち最小のものが式(5)の条件を満た
すか(S5Y)否か(S5N)を判定する。式(5)で
βは0.3程度に選ぶ。 r(n) ≦β (5) 実際のダイヤル・パルス波形を用いて式(5)を満たす
までの経過周期を観測すると、4周期以内である。した
がって本発明の実施例の場合、ダイヤル数値が“5”以
上であれば先頭桁ダイヤル・パルス波形を検出できる。
つぎに、ステップS5において選ばれた最小のr(n) を
示す周期を仮に周期Ta として記憶する(S6)。
【0055】パルス形状測定(S7)ではダイヤル・パ
ルス波形のパルス形状を測定する。低速サンプル信号2
7a,bにおいて、ダイヤル・パルス波形は音声波形に
比べ波形が急峻に変化するので、波形的な特徴として用
いることができる。パルス形状測定に当っては、第1に
サンプル時刻nから過去の時刻n−2Ta までの間で最
大振幅となるサンプル点bを探し、第2に第1のサンプ
ル点bから所定サンプル分過去まで(たとえば20pp
s周期の時はbからb−13まで)の間で最小もしくは
極小になるサンプル点aを探し、第3に第1のサンプル
点bから所定サンプル分未来まで(たとえば20pps
周期の時はbからb+13まで)の間で最小もしくは極
小になるサンプル点cを探した後、左波高比H1 =X
(a) /X(b) 、右波高比H2 =X(c) /X(b) 、左波形
幅W1 =b−aおよび右波形幅W2=c−bをパルス形
状として記憶する。ただし、この段階で測定したパルス
形状を以降の波形識別条件として用いると条件的に厳し
すぎるので、波高比には緩和係数を掛けた数値を記憶す
る。
【0056】つぎに先頭桁ダイヤル検出部6においてダ
イヤル・パルス波形を切り出し認識するまでの信号処理
について説明する。ダイヤル・パルス波形の周期はステ
ップS6において判明しているので、20pps周期な
らば低速サンプル信号27aを10pps周期ならば低
速サンプル信号27bを入力する(S8、図7)。図示
してはいないがステップS8で入力した1サンプルはF
IFO形式のRAMにステップS1aあるいはS1bで
入力したサンプルに続けて一体化して記憶される。すな
わち、ステップS6において、入力が20pps周期か
10pps周期かのいずれであるかすでに判明している
から、ステップS7以後の処理は個別に区分せず一体化
して記憶する。
【0057】この時点でRAMは20ppsあるいは1
0pps専用とするため本発明の実施例では16基本周
期分の波形すなわち400サンプルを記憶できるよう構
成を変更する。この変更はRAMを管理するポインタの
設定法を変えることにより容易に可能であり、DSP内
の限られたRAM資源を有効に活用することができる。
なお、ダイヤル・パルス波形の記憶容量としては16基
本周期分の記憶容量は不要で、周期変動を考慮しても1
1基本周期分があればよい。しかし、ダイヤル・パルス
波形には回転ダイヤル電話機でダイヤル・ミュート動作
のON/OFF時に発生するミュート・パルス波形ある
いはダイヤル・パルス波形の直近に存在するパルス状音
声波形が含まれるため、ダイヤル・パルス波形の認識が
行われるまでは余裕を持たせた記憶容量が必要になる。
【0058】終端判定(S9)では、ダイヤル・パルス
波形の終了時点を検出する。終了時点はパルス形状を満
足するパルス波形が現われなくなった時点とする。パル
ス形状は所定サンプル数、たとえば13サンプル過去の
サンプル時点n−13を中心としてステップS7で求め
た値との比較を行うことにより判定する。サンプル時点
n−13を中心として左右において式(6),(7)を
満たせばパルス波形有り(S9N)とする。 X(n-13-W1)/X(n-13)≧H1 (6) X(n-13+W2)/X(n-13)≧H2 (7) これを、毎低速サンプル信号について行い、所定の時間
(たとえば1.5Ta )継続してパルス有りとならない
場合、その時点でパルス波形無しと判断し、低速サンプ
ル信号の入力を停止し、過去に1.5Ta 遡った時点を
ダイヤル・パルス波形の終端とする(S9Y)。
【0059】先端検出動作(S10)では、ダイヤル・
パルス波形の先端検出を行う。先端検出に当っては、R
AMに記憶されている波形の先頭、すなわち本発明の実
施例では終端から400サンプル前に戻り、ステップS
7と同様にパルス形状を測定する。すなわち極大値の探
索を終端より400−13サンプル戻った位置から開始
し、極大値を見つけたなら左右13サンプルについて最
小もしくは極小値を探し、左右波高比、左右波形幅をス
テップS7で記憶した値と比較し、最初に条件を満足し
たサンプル点をもって仮に先頭のパルス波形とする。仮
の先頭パルス波形から更に終端側に1.5Ta の間パル
ス形状を測定し、パルスがあれば真の先頭パルス波形と
する。このことによりダイヤル・パルス波形に接近した
音声波形を先頭パルス波形に誤認する確率が少なくな
る。ダイヤル・パルス波形の先端は先頭パルス波形の左
側の最小もしくは極小値のサンプル点とする。
【0060】波形区分動作(S11)では、ダイヤル・
パルス波形の正確な周期検出と波形の区分を行う。周期
検出は、方形波形とRAMに記憶されているダイヤル・
パルス波形との積和s(t,p) を式(8)で演算し、その
値が最大となるときの方形波形の周期とする。
【0061】 s(t,p) =(1/K)Σ{ΣX(jt+i+p)+ΣX(jt+i+p)} (8) ここで最初のΣはj=0からK−1まで、2番目のΣは
i=0からL−1まで、3番目のΣはi=t−Lからt
−1までの累和を表わしている。式(8)において、t
は周期で本発明の実施例では23≦t≦27、pはステ
ップS10で求めたダイヤル・パルス波形の先端を0と
した位相値で0≦p<t、Kは先端から終端までのサン
プル数を周期tで除し余りを切り捨てた整数値、Lは方
形波形を1にする区間のサンプル数で本発明の実施例で
は8、XはRAMに記憶されたダイヤル・パルス波形で
ある。tおよびpを順序に従い変化させ全ての組合せに
ついて式(8)を計算し最大となるときのtおよびpを
最適な周期Tおよび位相Pとする。周期についてはステ
ップS6で記憶された内容である仮周期T a を最適な周
Tに修正する。位相についてはステップS10で求め
た先端サンプル点に位相Pを加え改めて先端とする。波
形の区分は先端を0とし周期Tで区切ることに等しい。
【0062】図8にはステップS11の波形区分処理の
様子を式(8)の値が最大となる場合について示してい
る。同図において(a)はRAMに記憶されたダイヤル
・パルス波形であり、(b)はRAMに記憶されたダイ
ヤル・パルス波形の周期を有する方形波であり、(c)
は新たな先端サンプル点を0として周期Tで波形を区分
したものである。
【0063】不要波形除外動作(S12)では、ミュー
ト・パルス波形あるいはパルス音声波形である不要波形
がダイヤル・パルス波形の近くにある場合にそれを除外
し、ダイヤル数値を認識する。除外対象の範囲は2周期
分とする。すなわちミュート・パルス等があってもせい
ぜい1周期分であり、2周期を検討の対象とすれば十分
である。図8(a)の除外判定は先端部と終端部につい
てそれぞれ独立に行う。以下に説明する方法では、1周
期目あるいは2周期目がダイヤル・パルス波形であるな
らば、ブレーク期間の変化時点に相当する位置で、ダイ
ヤル・パルス波形であることが確実である3周期目ある
いは4周期目とほぼ等しい電力が観測されるということ
を利用する。
【0064】先端部側の除外判定では第1に先端から3
周期目T3 および4周期目T4 について前側1/3区間
の電力Pf3,Pf4を測定し小さい方の値を前側基準電力
fとし、また後側1/3区間の電力Pb3、Pb4を測定
し小さい方の値を後側基準電力Pb とする。第2に1周
期目T1 および2周期目T2 について前側1/3区間の
電力Pf1、Pf2を測定し、また後側1/3区間の電力P
b1、Pb2を測定する。第3に1周期目T1 についてPf1
>γPf 、かつPb1>γPb であれば、ダイヤル・パル
ス波形とみなし、それ以外は除外とする。γは0.4程
度で選ぶ。第4に1周期目T1 が除外された場合に2周
期目T2 について1周期目T1 と同様な除外判定を行う
(図9参照)。
【0065】つぎに終端部の除外判定でも先端部と同様
に終端から1周期目と2周期目を除外対象とし、終端か
ら3周期目と4周期目の前側および後側電力をそれぞれ
測定し小さい方を基準電力にし、終端から1周期目およ
び2周期目と比較し、除外するか否かの判定をする。
【0066】図9はすでに説明したステップS12の動
作において先端部でミュート・パルスを除外する場合の
区分された波形(図8(c))を示しており、除外すべ
きミュート・パルスが1周期目T1 にある。前側および
後側基準電力Pf ,Pb を3周期目T3 および4周期目
4 の波形から測定し、1周期目T1 の電力Pf1,Pb1
と比較すると、前側のPf1はPf1>γPf の条件を満足
するが、後側Pb1はPb1=0であるからPb1>γPb
条件を満足しないため、1周期目T1 の波形であるミュ
ート・パルスは除外される(S12)。ダイヤル数値
は、ステップS11で判明している不要波形除外前の周
期数(パルス数)からステップS12でダイヤル・パル
ス波形としてカウントしない不要波形を除外したので、
その周期数1を減じた値である。
【0067】つぎのステップS13では異常波形である
か否かを判断する。すなわち、ダイヤル中に音声が混入
したような場合、あるいは電話回線の状況によりダイヤ
ル・パルス波形が時間的に振幅変動するような場合に
は、RAMに記憶した波形を基準波形として後続桁の検
出に使用することができない。また認識した先頭桁のダ
イヤル数値自体が信頼に足るものではない。そこで除外
されずに残されたダイヤル・パルス波形について、以下
のように異常波形検出を行う。まず1周期目の前側1/
3区間の電力Pf 、後側1/3区間の電力Pb を基準電
力とする。つぎに2周期目以降の前側1/3区間の電力
fx、後側1/3区間の電力Pbxを 測定し基準電力P
f との比較を行う(図9参照)。すなわち4つの比較、 Pfx<δ・Pffx>ε・Pfbx<δ・Pbbx>ε・Pb を行い、1つでも満足すれば異常波形と見なす。係数
は、たとえば、δ=0.2、ε=5を選ぶ。
【0068】つぎにステップS14では先頭桁ダイヤル
数値情報28を先頭桁ダイヤル検出部6からPB信号送
出部8に対し出力する。ただし、異常波形として判断さ
れている場合にはダイヤル数値以外の情報、たとえば通
常使用されないダイヤル信号B(ダイヤル信号には0〜
9の数値の他に、Bを含む数種の信号がある。)を出力
する。
【0069】つぎのステップS15では、1周期サンプ
ル数k、先端側で除外した周期の数m、ステップS11
で求めた先端サンプル点p、ステップS12で認識した
ダイヤル数値をnとして、新たな先端サンプル点p+m
・kから新たな終端サンプル点p+m・k+n・kまで
のサンプルをダイヤル・パルス波形として記憶する。さ
らに終端サンプル点から1周期分のサンプルを後尾波形
(図10参照)として記憶する。後尾波形は後続ダイヤ
ル・パルス波形の認識において孤立波形(ダイヤル1)
の認識確度を上げるために用いる。
【0070】ステップS15で記憶するダイヤル・パル
ス波形および後尾波形は後続桁認識における基準波形と
して使用されるので、頻繁にRAMから読み出される。
このため所定のRAMアドレスに先端サンプルが記憶さ
れるよう記憶位置を書き換え、アドレス指定が簡単に行
えるようにする。ステップS15で必要な記憶容量は1
1周期分であるから、本発明の実施例では11×27サ
ンプルあれば良く、ステップS8で波形記憶に用いた4
00サンプルのうち約100サンプルがこの段階で余
る。これは以降の動作におけるパルス形状あるいは後続
桁サンプル等の記憶に用いることによりDSP内蔵資源
の有効利用を図る。
【0071】ステップS16ではステップS15で記憶
された基準波形と後続桁波形の比較の際に必要とする平
均振幅を求め記憶する。平均振幅は基準波形の1周期を
3分割したそれぞれの区間で求める。以降の説明のため
に1周期Tの単位で区分された波形を単位波形と呼び、
単位波形を3分割した波形を分割波形と呼ぶことにす
る。前側分割波形の振幅平均の演算式を式(9)、同じ
く中央分割波形を式(10)、後側分割波形を式(1
1)に示す。
【0072】 Pf(k)=(1/L)Σ|X((k-1)T+i)−V(k)| (9) ここにΣは、i=0からL−1までの累和を表わしてい
る。 Pc(k)=(1/8)Σ|X((k-1)T+i)−V(k)| (10) ここにΣは、i=LからL+7までの累和を表わしてい
る。 Pb(k)=(1/M)Σ|X((k-1)T+i)−V(k)| (11) ここにΣは、i=L+8からT−1までの累和を表わし
ている。式(9)〜(11)においてkは先頭の単位波
形を1とし上限が認識したダイヤル数値に1を加えた値
となる単位波形の連番、L=(T−8)/2(小数点以
下切り捨て)、M=T−L−8、Tは周期、Xは基準波
形、V(k) は式(12)に示す1周期の平均値である。
中央の平均区間長を8としたのは本発明の実施例で約1
/3周期に相当するからである。 V(k)=(1/T)ΣX((k-1)T+i) (12) ここにΣは、i=0からT−1までの累和を表わしてい
る。
【0073】図10は先頭桁ダイヤル検出部6のパルス
形状測定動作を示した波形図である。ステップS17
(図7)では基準波形(周期T1 〜T6 )のなかの3つ
の部分のパルス形状を測定し記憶する。
【0074】第1に周期T1 に存在する先頭の単位波形
の前側分割波形のピーク(時点b1)を中心に左波形幅
3 、左波高比H3 、右波形幅W4 、右波高比H4 を求
める。ここで左波高比H3 は時点a1 の振幅X(a1)を時
点b1 の振幅X(b1)、すなわち、ピークの振幅で除した
値であるから、 H3 =X(a1)/X(b1) となる。右波高比H4 も時点c1 の振幅X(c1) を用い
て同様に H4 =X(c1)/X(b1) となる。
【0075】第2に周期T2 以降周期T6 の終端までの
各周期内の前側分割波形のなかで最も大きいピーク値
(時点b6 )を中心に左波形幅W5 、左波高比H5 、右
波形幅W6 、右波高比H6 を求める。
【0076】第3に周期T2 以降周期T6 の終端までの
各周期内の後側分割波形のなかで最も大きいピーク値
(時点b3 )を中心に左波形幅W7 、左波高比H7 、右
波形幅W8 、右波高比H8 を求める。
【0077】ここで、H5 〜H8 は時点a6 ,b6 ,c
6 ,a3 ,b3 ,c3 の各振幅X(a6) ,X(b6) ,X(c
6) ,X(a3) ,X(b3) ,X(c3)を用いて H5 =X(a6)/X(b6) H6 =X(c6)/X(b6) H7 =X(a3)/X(b3) H8 =X(c3)/X(b3) となる。
【0078】測定部分を3箇所とした理由は、先頭パル
ス波形(図10のT1 )は過渡応答のため以降のパルス
形状とは異なること、前側分割波形と後側分割波形は応
答特性が異なるためそれぞれの代表、すなわち前側分割
波形のうちの最大部分(図10のT6 )と後側分割波形
のうちの最大部分(図10のT3 )が必要になることに
よる。なお、代表を最大ピーク部分としたのは選び易い
からである。波高比HはステップS7の処理において説
明した通り、このままの数値を判定条件としたのでは厳
しすぎるので緩和係数を掛けた値に修正する。
【0079】ステップS18では基準波形の終端に続く
1周期分の後尾波形(図10)を後続桁認識時に比較対
象とすべきか否かを判断する。ステップS12で波形の
終端側において不要波形を除外したときで、かつ基準波
形の終端直前の単位波形の1周期電力(図10の周期T
6 の電力)に比べ後尾波形電力(図10)が所定以上
(たとえば−6dB以上)あれば、後尾波形をミュート
・パルスとみなして後続桁認識での後尾波形比較を可能
にする。
【0080】なおステップS10〜S18の信号処理中
は、先頭ダイヤルと2番目のダイヤルの桁間に相当する
無音信号期間であり、その桁間は20ppsダイヤル・
パルス波形の場合450ms以上、10ppsダイヤル
・パルス波形の場合600ms以上の桁間時間がある。
したがって、ステップS10〜S18の処理は低速サン
プル信号27の入力を停止し、400ms以内に処理を
終了すればよい。
【0081】つぎに図11および図12を用いて後続桁
認識において1周期目を検出するまでの処理を説明す
る。ステップS19では低速サンプル信号27a,27
bを1サンプル入力する。入力サンプルは図示してはい
ないFIFO形式のRAMに記憶される。記憶容量は、
最長周期27サンプルに左右のパルス形状を測定するた
めの13サンプルを加えた、53サンプルである。ステ
ップS20では基本波形と入力波形との比較を行う。比
較は前側分割波形、中央分割波形、後側分割波形の3部
分に対して独立に行う。このための差分演算を式(1
3)〜(15)に示す。
【0082】 Ef(k) =(1/L)Σ[|Y(n-12-T+i)−X((k-1)T+i)|]/Pf(k) (13) ここでΣは、i=0からL−1までの累和を表わしてい
る。 Ec(k) =(1/8)Σ[|Y(n-12-T+i)−X((k-1)T+i)|]/Pc(k) (14) ここでΣは、i=LからL+7までの累和を表わしてい
る。 Eb(k) =(1/M)Σ[|Y(n-12-T+i)−X((k-1)T+i)|]/Pb(k) (15) ここでΣは、i=L+8からT−1までの累和を表わし
ている。
【0083】式(13)〜(15)で、nは現在のサン
プル時刻(サンプル位置)を表わし、L、M、Tおよび
XはステップS16でのそれらと同じであり、Yはステ
ップS19で入力し記憶した波形であり、Pf(k)、P
c(k)およびPb(k)はステップS16で記憶した分割波形
の振幅平均である。kはステップS16でのkと同じ連
番であるが、上限値はそれから1を減じた値である。Y
のポインタ式の中の12はパルス形状測定をする都合に
よるもので、後側分割波形のピーク値から右側のサンプ
ル値を知るためである。比較演算の終了後、Ef(k)の中
で最小の値を選択し、それを最小値Ef 、同じくEc(k)
について最小値Ec 、Eb(k)について最小値Eb とし、
差分値r(n) を式(16)に示すように3者の平均値と
して求める。 r(n) =(Ef +Ec +Eb )/3 (16)
【0084】このような差分演算を行う理由を説明す
る。通常はダイヤル・パルス波形と後続ダイヤル・パル
ス波形は極めて類似しているので、1周期単位で比較す
れば後続ダイヤル・パルス波形を検出し音声波形等は排
除できる。しかし稀に先端波形が先頭ダイヤル・パルス
波形のそれと異なること、あるいは先頭ダイヤル・パル
ス波形の波形数が後続の波形数より少ない場合、たとえ
ば先頭桁が“5”で後続桁が“0”の場合には先頭桁か
ら作成した基準波形には存在しないパルス波形が後続桁
のパルス波形には含まれることがあり、1周期単位の比
較では条件が厳し過ぎてしまうため、後続ダイヤル・パ
ルス波形を検出できずに見過ごしてしまう。これを解決
する簡単な方法は、差分演算結果の判定基準を緩めるこ
とであるが、音声波形等に対する防御が緩くなってしま
う。そこで本発明の実施例では、1周期Tの中を3分割
し分割波形単位で比較できるようにし(図9参照)、分
割波形の組み合わせで成る合成1周期波形が比較対象と
なるようにした。このように基準となるパルス波形の特
徴を温存しながら、数多くの基準波形を作ることにより
後続桁のパルス波形を見過ごすことがなくなる。
【0085】ステップS21では差分判定を行う。すな
わちステップS20で求めた差分値r(n) がζ以下なら
一致しているとして新たなステップに進み(S21
Y)、そうでなければ次のサンプル入力を行う(S21
N)。このとき、ζは0.5程度に選ぶ。ステップS2
2では音声波形等が差分判定をすり抜けた場合に、その
音声波形等を排除するためにパルス形状を測定し判定す
る。RAMには2周期分の波形記憶容量があるので前側
分割波形の左側に13サンプル、後側分割波形の右側に
13サンプル記憶されるから、パルス形状を測定するこ
とができる(図9参照)。前側分割波形のピーク値(位
置をP1 (図10のb1 に対応))および後側分割波形
のピーク値(位置をP2 (図10のb3 に対応))を探
し、それを中心にして、ステップS17で記憶したパル
ス形状と比較する。
【0086】すなわち式(17)〜(20)を満たせ
ば、ダイヤル・パルス波形と判定する。 Y(P1-W3)/Y(P1)≧H3 (17) Y(P1-W4)/Y(P1)≧H4 (18) Y(P2-W7)/Y(P2)≧H7 (19) Y(P2-W8)/Y(P2)≧H8 (20) これらの式で前側および後側のパルス形状を満たしたと
き、ダイヤル・パルス波形とみなす。
【0087】ステップS23ではカウンタを初期化す
る。カウンタは単位波形の区分位置で0になり最大1.
2T(切り上げ整数化、以下同様)までのサンプル数を
カウントする。ただし後続桁の先端検出の場合は特殊
で、RAMにはすでに差分条件を満足した1周期分の波
形が記憶されているので、周期カウンタの値はダイヤル
・パルス波形とみなした時点で1.0Tとする。これは
一時的な決定であり、この後引き続き行われる差分演算
の結果がさらに良い値となった場合には、その時点で再
修正する。
【0088】ステップS24(図12)ではステップS
19と同様に1サンプルを入力する。ステップS25で
はカウンタをインクリメントする。ステップS26では
ステップS20と同様の差分演算を行う。ステップS2
7では1つ前のサンプルでの差分値r(n-1)と現在のサ
ンプルでの差分値r(n)を比べ、 r(n-1)>r(n) ならば最小差分値Rv として記憶し、その時のカウンタ
の値を最小差分位置Rpとして記憶する。ステップS2
8ではカウンタの値が1.2TであるならばステップS
29に処理を進め(S28Y)、それ以下なら差分値を
調べるため次の入力(S24)に戻る(S28N)。差
分演算を行う範囲の上限を1.2Tとした理由は、先頭
桁ダイヤル検出(S11)で求めた周期Tに対し、後続
桁ダイヤルの周期がジッタをもつため、ジッタがあって
もダイヤル値の検出を可能とするために、1周期Tより
2割程広い範囲(1.2T)でダイヤル値の検出をす
る必要があるからである。
【0089】ステップS29では最小差分位置Rp を用
いてカウンタを初期化する。すなわち1.2T−Rp
カウンタの値とする。このことにより単位波形の境界位
置がカウンタ値で0になる。ステップS30では最小差
分位置Rp を終端とする単位波形のパルス形状を測定し
パルス形状値Ps を決める。測定はステップS22と同
様に行う。つぎに前側分割波形および後側分割波形のい
ずれもがパルスであったとき、Ps =2とし、一方がパ
ルスでなかったとき、Ps =1とし、いずれもパルスで
なかったとき、Ps =0とする。ステップS30におい
てはすでにステップS22でパルス形状が確認されてい
るので、必ずPs =2となる。
【0090】図13には、ステップS27ないしS30
で求めた最小差分値Rv , 最小差分位置Rp およびパル
ス形状値Ps から尤度(もっともらしさ)を決定する様
子が示されている。ステップS31では、この尤度情報
を測定する。尤度情報は、ダイヤル・パルス波形の終端
検出に用いるもので単位波形を区切る度に測定する。ス
テップS31における尤度情報は先頭の単位波形を検出
した直後であるから2となる。
【0091】図14には時点aで立上がるミュート・パ
ルスが時点bからdまでを周期とする正規なダイヤル・
パルス波形に接近したため、時点aからcまでの疑似単
位波形として検出してしまう場合の波形を示している
が、このような場合はステップS24〜S31(図1
2)で説明した後続桁の先端検出条件で排除することが
できないので、2周期目の処理において判断する。
【0092】図15および図16には、この2周期目の
処理の動作の流れが示されている。ステップS32、S
33ではステップS24、S25と同じ処理をする。ス
テップS34では不必要に情報を取り込まないようにす
るために波形を比較する時間範囲の下限をカウンタが越
えるまでは(S34N)、サンプル値の記憶のみを行う
よう制御する。下限値は0.5Tであり、これを越える
とステップS35に移行する。ステップS35、S36
ではステップS26、S27と同様な処理を行い最小差
分値Rv および最小差分位置Rp を求める。
【0093】ステップS37では後尾波形との比較を行
う。比較演算は式(13)〜(15)を用い、ステップ
S16で用いたkを後尾波形を示す値、すなわち先頭桁
で認識したダイヤル数値に1を加えた値として行う。そ
の後、3つの演算結果を平均し、その平均値が、たとえ
ば0.3以下ならば後尾波形の比較結果Rt を1にし、
満足しない場合はRt =0とする。ただし、Rt =1で
あるときはこれを0に戻すことはしない。後尾波形の比
較結果はダイヤル“1”のように情報量の少ない波形の
補間情報として終端検出時に利用される。
【0094】ステップS38ではステップS28と同様
にカウンタ値が1.2T以下では以前の処理が繰り返さ
れるように制御し(S38N)、カウンタの値が1.2
Tであるならば(S38Y)ステップS39に進む。
【0095】ステップS39(図16)ではミュート・
パルス等の除外判定を行う。すなわち、図14のミュー
ト・パルスを先端とした場合、2周期目における最小差
分位置がずれることを利用して判定する。ミュート・パ
ルスを先端波形として誤認した場合は、図14に示すよ
うに時点aが先端サンプル点となる。2周期目は時点c
を0としてカウントするが、その時点cからカウンタが
1.2Tとなるサンプル点の間には正規のダイヤル・パ
ルス波形が存在する。このため最小差分位置Rp は正規
のダイヤル・パルス波形を区切る位置すなわち時点dと
なり、正規の先端サンプルとなる時点bから計測した値
よりも少なくなる。少なくなる程度はパルス波形幅の時
点bとcの間にほぼ等しく、0.2T〜0.3Tであ
る。したがって、本発明の実施例では最小差分位置Rp
が0.8以下であれば、ミュート・パルスによる誤検出
と判定する。誤検出と判定し、その波形を除外すべきで
あると決定した場合は(S39N)ステップS40に、
そうでない場合は正規の波形を検出したとして(S39
Y)、ステップS41に進む。
【0096】ステップS40ではカウンタの値を1.2
T−Rp に初期化し、ダイヤル数値を1とする。ステッ
プS41ではカウンタの値を1.2T−Rp に初期化
し、ダイヤル数値を2とする。ステップS42ではステ
ップS30と同様にパルス形状値Ps を求める。ステッ
プS43では図13に従い尤度情報を測定する。尤度情
報は単位波形毎に測定され記憶されるので、ミュート・
パルスの除外が行われた場合には、ステップS31で求
めた尤度情報は廃棄され、このステップS43で求めた
尤度情報が最初の記憶値となる。
【0097】図17および図18には後続桁ダイヤル検
出部7における終端検出、ダイヤル数値認識の3周期目
以降の動作の流れが示されている。3周期目以降の処理
の前半は2周期目処理(図15,16)とほぼ同じで、
ステップS44はステップS32、ステップS45はス
テップS33、ステップS46はステップS34、ステ
ップS47はステップS35、ステップS48はステッ
プS36、ステップS49はステップS37、ステップ
S50はステップS38、ステップS51はステップS
42、ステップS52はステップS43と同等な処理を
行う。ステップ53ではカウンタを初期化して、その値
を1.2T−Rp に設定する。最小差分値Rv が0.5
以上となった場合には明確な単位波形区分が行えないの
で1.0Tで区分し、カウンタには0.2Tを設定す
る。ステップS54ではダイヤル数値をインクリメント
する。ステップS55では終端の判定を行う。終端判定
は尤度情報の並びを基に判断し、図13に示した直近の
3つの尤度情報の和が1以下であれば終端とする(S5
5Y)。
【0098】ダイヤル・パルス波形後尾にミュート・パ
ルスがついていない場合は、尤度情報の並びが“00
0”になった時点が終端(和が0)であり、ミュート・
パルスがついている場合は“100”、“010”、
“001”のうちの1つ(和が1)になる。3つの尤度
情報の並びで終端を判断する理由は、ダイヤル・パルス
波形の途中にノイズが乗ったような場合に現われる“2
01”、“101”、“110”のような並びを許容す
ることにある。2つの尤度情報の並びではこのような判
断はできない。終端と判定されない場合はステップS4
4からの動作を繰り返す(S55N)。
【0099】終端と判定したなら、ステップS56に進
む。ステップS56ではダイヤル数値の決定を行う。ダ
イヤル数値は以前のステップで記憶したダイヤル数値か
ら3を引いた数である。ステップS57ではダイヤル波
形認定を行う。すなわち、ステップS18(図7)にお
いて後尾波形比較が可能と判断されている場合で、後尾
波形比較結果Rt が1になっている場合にはダイヤル・
パルス波形とみなし、Rt =0の場合はダイヤル・パル
ス波形とみなさずダイヤル数値は廃棄する。ステップS
18において、後尾波形比較が可能とされていない場合
はダイヤル・パルス波形とみなす。このような認識処理
を行うことにより音声信号をダイヤル“1”に誤認識す
る確率が少なくなる。ステップS58ではダイヤル・パ
ルス波形とみなされた場合に、ダイヤル数値をPB信号
送出部8に出力する。以降さらに後続のダイヤル・パル
ス波形を検出するため入力波形を記憶するRAMのクリ
ア等の初期化動作を行った後、ステップS19(図1
1)に戻る。
【0100】
【発明の効果】本発明によれば以下の効果が生ずる。
【0101】第1に先頭桁ダイヤルを複数の周期を用い
た差分演算により検出するようにしたから、検出側にお
いてダイヤル数値が既知でなくてもダイヤル・パルス波
形を検出でき、また受信レベルに依存しない検出が可能
になる。
【0102】第2に先頭桁検出においてダイヤル・パル
ス波形検出時のパルス形状を測定しダイヤル・パルス波
形の終端を検出するようにしたから、音声波形等を排除
した終端検出ができる。
【0103】第3に先頭桁検出において矩形波形との積
和演算により単位波形を正確に区別するようにし、さら
にダイヤル・パルス波形であることが確実である部分の
分割波形電力との比較判定を行うようにしたから、先端
部および終端部のミュート・パルス等の妨害信号を除外
し、正確なダイヤル数値の認識ができる。
【0104】第4に後続桁検出においてダイヤル・パル
スのメーク率が30%であるところから基準波形の1周
期を3分割し、それぞれを組み合わせた波形と入力波形
の差分演算をするようにし、差分演算結果の判定基準を
緩めない判定を行うことにより、音声波形等の誤認を少
なくできる。
【0105】第5に後続桁検出において尤度情報を用い
て終端を検出するようにしたから、ダイヤル・パルス波
形の途中において終端を誤認することなく正確にダイヤ
ル数値を認識できる。
【0106】第6に後続桁検出において2周期目の最小
差分位置を調べ、所定値よりも小さい場合は先端位置を
修正するようにしたから、ミュート・パルスを含んだ疑
似的なダイヤル・パルス波形を除外することができる。
【0107】第7に後続桁検出においてダイヤル波形を
区分するカウンタの初期値の最小差分位置によって修正
するようにしたから、ジッタを含んだダイヤル・パルス
波形の検出が可能になる。
【0108】第8に後続桁検出において有効な後尾波形
との比較を行いダイヤル波形であるか否かの認定を行う
ようにしたので、音声信号を孤立ダイヤル・パルス波形
に誤認することが少なくなる。
【0109】第9に絶対値演算および間引き処理により
サンプル速度を下げ、またダイヤル・パルス波形が検出
される以前は20pps用低速サンプル信号と10pp
s用低速サンプル信号を記憶する手段を独立に準備し、
ダイヤル・パルス波形が検出された後は一体の記憶手段
となるよう構成を変更するようにしたから、記憶容量の
少ない安価なDSPを用いて実現できる。
【0110】第10に先頭桁ダイヤル波形の区分後に異
常波形判断を行い、特殊ダイヤル数値で受け側システム
に知らせるようにしたから、システム側で電話のかけ直
し等を発呼者に対し要求する処理が可能になる。
【0111】第11に受信信号を電話回線の低域遮断周
波数より十分高い遮断周波数をもち位相特性が直線であ
る高域通過フィルタに通し、リンギングおよび音声の第
1ホルマントを減衰させるようにしたから、確実にダイ
ヤル・パルス波形の検出ができる。
【0112】第12に過去一定期間の平均値と平均値の
回りの変化分を比較し変化分の少ない波形はダイヤル・
パルス波形とみなさないようにしたから、PB信号等を
排除できる。
【0113】第13に2線4線変換部で回り込む音声を
除去するようにしたので、音声案内中にもかかわらずダ
イヤル・パルスを正しく検出できる。したがって、本発
明の効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回路構成を示す回路構成図である。
【図2】図1の構成要素である前処理部の詳細な構成を
示す回路構成図である。
【図3】図2の構成要素である高域通過フィルタと絶対
値演算部の作用を説明する波形図である。
【図4】図2の構成要素である音声除去部の内部構成を
示す回路構成図である。
【図5】図4の回路構成の各部の波形図である。
【図6】図1の構成要素である先頭桁ダイヤル検出部の
動作の流れを説明するフローチャートである。
【図7】図6とともに図1の構成要素である先頭桁ダイ
ヤル検出部の動作の流れを説明するフローチャートであ
る。
【図8】先頭桁ダイヤル検出部の波形区分動作を説明す
るための波形図である。
【図9】先頭桁ダイヤル検出部の先端側のミュート・パ
ルスを除外する動作を説明する波形図である。
【図10】先頭桁ダイヤル検出部のパルス形状測定動作
を説明するための波形図である。
【図11】図1の構成要素である後続桁ダイヤル検出部
におけるダイヤル波形検出動作の流れを示すフローチャ
ートである。
【図12】図11とともに図1の構成要素である後続桁
ダイヤル検出部におけるダイヤル波形検出動作の流れを
示すフローチャートである。
【図13】尤度情報の決定方法を説明するための尤度図
である。
【図14】後続桁ダイヤル検出部のミュート・パルス除
外動作を説明する波形図である。
【図15】後続桁ダイヤル検出部におけるミュート・パ
ルス除外動作の流れを示すフローチャートである。
【図16】図15とともに後続桁ダイヤル検出部におけ
るミュート・パルス除外動作の流れを示すフローチャー
トである。
【図17】後続桁ダイヤル検出部におけるダイヤル数値
認識動作の流れを示すフローチャートである。
【図18】図17とともに後続桁ダイヤル検出部におけ
るダイヤル数値認識動作の流れを示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1 電話回線インタフェース 2 AD変換器 3 DA変換器 4 エコー・キャンセラ 5 前処理部 6 先頭桁ダイヤル検出部 7 後続桁ダイヤル検出部 8 PB信号送出部 9 スイッチ 10 DA変換器 11 AD変換器 12 システム回線インタフェース 21 電話回線 22,24,26,31 受信信号 23,25,32 送信信号 27,27a,27b 低速サンプル信号 28 先頭桁ダイヤル数値情報 29 後続桁ダイヤル数値情報 30 ダイヤル信号 33 システム信号線 34 直流ループ閉結情報 41 高域通過フィルタ(HPF) 42 絶対値演算部 43a,43b 低域通過フィルタ(LPF) 44a,44b 間引処理部 45a,45b 音声除去部 46,46a,46b 低速サンプル信号 51 高域通過フィルタ(HPF) 52 DP平均電力付加器 53 リミッタ 54,55 信号

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤル信号を含んだ受信信号(26)
    の絶対値を得ることにより占有する周波数帯域を直流分
    を含む低域側に移すための絶対値演算部(42)と前記
    占有する周波数帯域を直流分を含む低域側に移した信号
    から音声信号を除去した低速サンプル信号(27)を出
    力するための音声除去部(45)を含む前処理手段
    (5)と、 前記低速サンプル信号(27)に含まれた前記ダイヤル
    信号の成分に対して複数のダイヤル速度の変動範囲を覆
    うようにダイヤル・パルス波形の周期に対応した複数の
    異なる周期で前記ダイヤル・パルス波形の周期の1周期
    前の成分との差をとるための差分演算(S1〜S4)
    行って差分が所定値以下となる前記ダイヤル信号の成分
    の波形を検出して波形情報を記憶し(S5〜S18)
    先頭桁のダイヤル数値を認識するための先頭桁ダイヤル
    検出手段(6)と、 前記記憶された波形情報と波形比較をして後続桁におけ
    差分演算をし(S20,S26,S35,S47)差
    分が所定値以下となる後続のダイヤル信号の成分の波形
    を検出して後続桁のダイヤル数値を認識するための後続
    桁ダイヤル検出手段(7)とを含むダイヤル検出装置。
  2. 【請求項2】 前記先頭桁ダイヤル検出手段(6)が、 前記波形情報を検出した時点から所定期間において波形
    を検出しないときには波形の終端を検出したとして認識
    する(S9)請求項1のダイヤル検出装置。
  3. 【請求項3】 前記先頭桁ダイヤル検出手段(6)が、 前記記憶した波形情報による波形とこの波形の周期をあ
    らわす方形波との積和演算をして周期および位相の最適
    値を求め単位波形に区分して(S11)、この区分内の
    前側部分の前側分割波形と後側部分の後側分割波形の電
    力(Pf ,Pb)を判定してミュート・パルスを除外判
    定する(S12)ようにした請求項1のダイヤル検出装
    置。
  4. 【請求項4】 前記先頭桁ダイヤル検出手段(6)が、 前記ダイヤル信号の成分の波形を検出するダイヤル波形
    の仮周期検出記憶時点 (S6)迄は、ダイヤル速度の異
    なる複数のダイヤル信号の成分の波形を検出して各波形
    情報を個別に区分して記憶し得るようにし、前記ダイヤ
    ル波形の仮周期検出記憶時点(S6)以降は前記ダイヤ
    ル速度の異なる複数のダイヤル信号の成分から検出した
    波形情報は個別に区分せずに一体化して記憶するように
    した(S7〜S15)請求項1のダイヤル検出装置。
  5. 【請求項5】 前記後続桁ダイヤル検出手段(7)が、 前記波形比較をして差分演算をする場合に(S20)
    前記記憶された波形情報(S18)が表わす波形の周期
    の前側,中央,後側に3分割した波形を単位として前記
    波形比較を行うようにした(S21)請求項1のダイヤ
    ル検出装置。
  6. 【請求項6】 前記後続桁ダイヤル検出手段(7)が、 前記波形比較をして差分演算をする場合に(S26,S
    35,S47)、前記記憶された波形情報が表わす波形
    の周期の前側,中央,後側に3分割して区分した波形を
    単位として前記波形比較をし、前記波形を区分する区分
    の数を計数するカウンタ値が、前記ダイヤル・パルス信
    号の周期がジッタをもつためにそれよりも広くなるよう
    に選ばれた期間の範囲において測定された(S28,S
    38,S50)前記波形比較をして差分演算(S26,
    S35,S47)により得た差分値が最小値を示す位置
    である最小差分位置(Rp )の値を用いて初期化される
    (S29,S40,S41,S53)請求項1のダイヤ
    ル検出装置。
  7. 【請求項7】 前記後続桁ダイヤル検出手段(7)が、 前記波形比較をして差分演算をする場合に(S35)
    前記波形比較をして差分演算により得た差分値が最小値
    を示す位置である最小差分位置が最初に検出されてから
    所定の期間内に第2の最小差分位置が検出されたときに
    (S39N)、前記最初の最小差分位置のパルスをミ
    ュート・パルスと認定して除外し、前記第2の最小差分
    位置を新たな先端サンプル位置として認定する(S4
    )請求項1のダイヤル検出装置。
  8. 【請求項8】 前記後続桁ダイヤル検出手段(7)が、 前記波形比較をして差分演算をする場合に(S26,S
    35,S47)、前記記憶された波形情報が表わす波形
    の周期の前側,中央,後側に3分割して区分した波形を
    単位として前記波形比較をし、前記差分演算により得た
    差分値が最小を示す最小差分値(Rv )と、この最小差
    分値の時間的位置を示す前記最小差分位置(Rp )と、
    前記検出された後続のダイヤル信号の成分の波形を表わ
    すパルス形状値(Ps )とをもとにしてパルス波形の存
    在を示す尤度情報を測定して(S31)、この測定値が
    所定値を示したときには前記パルス波形が終端したもの
    と判断する(S31,S43,S52)請求項1のダイ
    ヤル検出装置。
  9. 【請求項9】 前記後続桁ダイヤル検出手段(7)が、 前記記憶された波形情報と波形比較をして差分演算をし
    (S35,S47)後続のダイヤル信号の成分の波形を
    検出する場合に、前記記憶された波形情報のうちの後尾
    の波形と前記波形比較をすることによってダイヤル・パ
    ルス波形であるか否かを認定する(S37,S49)
    求項1のダイヤル検出装置。
  10. 【請求項10】 前記前処理手段(5)が、 前記ダイヤル・パルス信号を含んだ受信信号を前記絶対
    値演算部に印加する場合に前記絶対値演算部に印加する
    前記受信信号を電話回線の低域遮断周波数よりも十分に
    高い周波数で遮断するための位相特性が実質的に直線で
    ある高域通過フィルタ(41)を含んでいる請求項1の
    ダイヤル検出装置。
  11. 【請求項11】 前記前処理手段(5)が、 前記絶対値演算部の出力を間引きサンプルして前記低速
    サンプル信号(27)を得るための間引処理部(44
    a,44b)を含んでいる請求項1のダイヤル検出装
    置。
  12. 【請求項12】 前記先頭桁ダイヤル検出手段(6)
    が、 過去の所定の期間の前記受信信号の平均値に対する受信
    信号の変化分が所定量以下のときにはダイヤル信号とし
    ては認めないように動作する(S3)請求項1のダイヤ
    ル検出装置。
  13. 【請求項13】 前記先頭桁ダイヤル検出手段(6)
    が、 前記低速サンプル信号(S27)中に前記ダイヤル信号
    の成分の波形を検出することができず、異状波形を検出
    したときには、ダイヤル信号を検出しなかったことを報
    知するためにダイヤル数値以外の報知情報を出力する
    (S13,S14)請求項1のダイヤル検出装置。
  14. 【請求項14】 前記音声除去部(45)が、 前記占有する周波数帯域を直流分を含む低域側に移した
    信号から低域側に移された音声信号にもとづく成分を除
    去して前記ダイヤル信号の成分を得るための高域通過フ
    ィルタ(51)と、 前記ダイヤル信号の成分に前記ダイヤル信号の平均電力
    を付加して前記低速信号(27)を得るためのDP平均
    電力付加器(52)とを含む請求項1のダイヤル検出装
    置。
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