JP2970150B2 - 亜鉛−臭素電池の形成方法 - Google Patents

亜鉛−臭素電池の形成方法

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JP2970150B2 JP3330315A JP33031591A JP2970150B2 JP 2970150 B2 JP2970150 B2 JP 2970150B2 JP 3330315 A JP3330315 A JP 3330315A JP 33031591 A JP33031591 A JP 33031591A JP 2970150 B2 JP2970150 B2 JP 2970150B2
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    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M12/00Hybrid cells; Manufacture thereof
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は亜鉛−臭素電池の形成
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】亜鉛−臭素電池は正極活物質に臭素、負
極活物質に亜鉛を用いた2次電池で、この電池は例えば
電力の昼と夜のアンバランスを解決させるために、夜間
の電力需要が少ない時の電力を貯蔵して、昼間に放出さ
せるため等に使用される。この電池に使用されるバイポ
ーラ電極材料としてはポリエチレンをバインダーとして
導電性を与えるために、カーボンブラック,グラファイ
トをそれぞれ6:3:1の配分比で混合したカーボンプ
ラスチック電極が使用される。なお、正極電極側表面は
臭素の反応過電圧を減少させるために、カーボンクロス
を熱融着させている。また、電解液は電池本体と別置き
にし、充放電時ポンプで循環させるように構成されてい
る。
【0003】充電時に正極電極側で発生した臭素は電解
液に添加した臭素錯化剤(4級アミン)と反応し、オイ
ル状の沈澱物となり、貯蔵タンクへもどされ、放電時は
ポンプで単電池(セル)内へ送り込まれて還元される。
電解液の成分はZnBr2水溶液に液の抵抗を下げるた
めに、NH4Cl等の塩を添加するとともに負極亜鉛の
デンドライトを防止し、均一な電着を促進させるために
Pb,Sn,4級アンモニウム塩類、さらに臭素錯化剤
が加えられている。正極電極側と負極電極側の間にはセ
パレータを用い正極電極側で発生した臭素が負極電極側
へ拡散し、亜鉛と反応して自己放電するのを抑制してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した亜鉛−臭素電
池は電解液をポンプで循環させる方式を採用している
が、最近、電解液を循環させない、液静止型とする亜鉛
−臭素電池が開発されるようになった。この電池の場
合、液静止型であるため、正極室,負極室とも密閉構造
に形成されるため、電解液は吸水シートに染み込ませて
各室に挿入するか、シリカを添加したペースト液を電極
にコーティングする等の手段が必要となる。特に後者の
手段は作業能率が著しく悪いので、前者の吸水シートを
用いる手段が採られる。
【0005】ところが、吸水シートの場合、電解液を染
み込ませたシートを電極の上に重ねて行く手段を製造時
に用いるため、電解液が垂れて電池の製作が大変にやり
にくい問題がある。
【0006】また、正極室および負極室を密閉構造とす
るには、電極の外周を構成するフレームをボルト締めに
よるシール手段が用いられる。この場合、両室に電解液
を注入しない状態でシールを行い、その後、前記フレー
ム部分に穿設されたマニホールドから電解液を注入する
手段を採っている。電解液注入後はマニホールドを閉塞
するが、前述のようにボルト締めによるシール手段では
電解液の漏れに対する信頼性が著しく劣る問題がある。
【0007】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、熱融着シール手段を用いて液漏れに対する信頼性
を向上させるようにした亜鉛−臭素電池の形成方法を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するために、カーボンプラスチック電極板間にセパ
レータ板を介挿する工程と、セパレータ板と前記両電極
板間に吸水シートを介挿する工程と、誘導加熱により前
記電極板とセパレータ板との外周をシールして正極室と
負極室を形成する工程と、前記電極板およびセパレータ
板に設けられるマニホールドから電解液を正極室および
負極室に注入する工程と、この工程により電解液を両室
に注入した後、前記マニホールドを閉塞する工程とから
なることを特徴とするものである。
【0009】また、マニホールドを閉塞した後、その部
位にタップを形成してから、樹脂性ボルトを螺装させた
ことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】カーボンプラスチック電極板とセパレータ板と
の外周を誘導加熱によりシールして正極室および負極室
を形成する。その後、マニホールドから電解液を注入さ
せ、一定時間電解液を循環させる。液が両室に満たされ
たなら正極室が下に負極室が上となるように配置して一
定時間、その状態を維持させる。その後、マニホールド
を閉塞してから、その部位に樹脂性ボルトを螺装する。
【0011】
【実施例】以下この発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1において、11は正極側の端板電極で、この
端板電極11はフレーム11aと電極部11bから形成
される。フレーム11bの周端部には後述のセパレータ
板の凸部が嵌め込まれる凹部11cを設ける。11dは
電解液流通用のマニホールドである。12はセパレータ
板で、このセパレータ板12はフレーム12aと微細多
孔膜からなるセパレータ12bから形成される。フレー
ム12aの周端部の図示下側には前記凹部11cに嵌め
込むための凸部12eが、図示上側には凹部12cが設
けられる。12dはマニホールドである。13はカーボ
ンプラスチック電極で、この電極13は図2に示すよう
に、整流パターンを持つもので、フレーム13aの中央
部にバイポーラ電極13bが配設され、その周端部には
凸部13e,凹部13cが設けられる。13dはマニホ
ールドである。14は吸水シールあるいは不織布であ
る。
【0012】上記のように構成された端板電極11、セ
パレータ板12およびカーボンプラスチック電極13を
順次重ねて正極室15および負極室16を構成した後、
カーボンプラスチック電極13の上にセパレータ板17
と負極側の端板電極18を設けてセルを形成する。セル
を形成するとき、誘導加熱によって前記凸部と凹部分の
位置でシールを行う。このシールのとき凹部11c,1
2c,13cに図3に示すような鉄線19を嵌め込んで
おけば、誘導加熱による作用でシール効果が確実に行わ
れるようになる。なお、セパレータ板17および端板電
極18において、17a,18aはフレーム、17bは
セパレータ、18bは電極部、17cは凹部、17d,
18dはマニホールド、17e,18eは凸部である。
【0013】シール後、マニホールド11d,12d,
13dから図示しないポンプを用いて電解液を正極室1
5および負極室16に注入する。注入後、一定時間電解
液を循環させ、液が両室15,16に満たされたなら、
セルを図1のように水平横置にして、一定時間その状態
を維持させる。その後、図4に示すようにマニホールド
11d,12d,13d部分にタップねじ込み孔を形成
し、そのねじ込み孔に樹脂性のボルトをねじ込んでマニ
ホールドを閉塞する。なお、図1において、20は正極
用端板ブスバー、21は負極用端板ブスバーである。
【0014】<実施例1>上記のような方法で形成した
セルを5積層し、電極面積800cm2の電池を用いて
充電20mA/cm2、2時間、放電20mA/cm2
1V/セルまでのサイクル試験を行った。このときの、
エネルギ効率は図5に示すように70〜75%で安定し
ており、また、液漏れは発生しなかった。なお、放電後
の完全放電は行っていないが、充電時間が短いためと、
それにともなう抑制剤の効果があるものと推測される。
【0015】<実施例2>シール手段のため誘導加熱の
発熱体として鉄線19を用いたので、鉄の電解液への溶
出が懸念されるけれども、上記電池を実験後、解体し、
液の分析を行った結果、鉄イオンの溶出はみられなかっ
た。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
電解液を含まない吸水シートを正極室および負極室に設
けて、シールを行ったので、熱融着によるシールがで
き、電解液の漏れに対する信頼性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す構成説明図、
【図2】カーボンプラスチック電極の構成を示す説明
図、
【図3】誘導加熱用鉄線をフレームの凹部に装着したと
きの拡大図、
【図4】樹脂性ボルトによるマニホールド閉塞手段を示
す概略構成図、
【図5】電池のサイクル試験特性図。
【符号の説明】
11…正極側の端板電極、 12,17…セパレータ板、 13…カーボンプラスチック電極、 14…吸水シートあるいは不織布 15…正極室、 16…負極室、 18…負極側の端板電極、 11c,12c,13c…凹部、 11d,12d,13d…マニホールド、 12e,13e…凸部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 俊介 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式 会社明電舎内 (56)参考文献 特開 平4−98771(JP,A) 特開 平4−39873(JP,A) 特開 平4−39874(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 12/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボンプラスチック電極板間にセパレ
    ータ板を介挿する工程と、セパレータ板と前記両電極板
    間に吸水シートを介挿する工程と、誘導加熱により前記
    電極板とセパレータ板の外周をシールして正極室と負極
    室を形成する工程と、前記電極板およびセパレータ板に
    設けられるマニホールドから電解液を正極室および負極
    室に注入する工程と、この工程により電解液を両室に注
    入した後、前記マニホールドを閉塞する工程とからなる
    ことを特徴とする亜鉛−臭素電池の形成方法。
  2. 【請求項2】 マニホールドを閉塞した後、その部位に
    タップを形成してから、樹脂製ボルトを螺装させたこと
    を特徴とする請求項1記載の亜鉛−臭素電池の形成方
    法。
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