JP2969892B2 - 時間計測装置における周期決定方法 - Google Patents

時間計測装置における周期決定方法

Info

Publication number
JP2969892B2
JP2969892B2 JP26722390A JP26722390A JP2969892B2 JP 2969892 B2 JP2969892 B2 JP 2969892B2 JP 26722390 A JP26722390 A JP 26722390A JP 26722390 A JP26722390 A JP 26722390A JP 2969892 B2 JP2969892 B2 JP 2969892B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
event
cycle
clock
period
clock pulse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26722390A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04142492A (ja
Inventor
浩史 筈見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP26722390A priority Critical patent/JP2969892B2/ja
Publication of JPH04142492A publication Critical patent/JPH04142492A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2969892B2 publication Critical patent/JP2969892B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Unknown Time Intervals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、クロックパルスを用いて、そのクロックパ
ルスの周期(以下、「クロック周期」という)より小さ
い測定誤差の得られる時間計測装置におけるイベントの
生起される周期(以下、「イベント周期」という)とク
ロック周期とを最適に決定する方法に関する。
【従来技術】
従来、イベントの生起期間を測定するのに、クロック
パルスを計数する方法が広く知られている。この方法
は、本質的に、クロックパルスの量子化誤差が発生し、
クロックパルスの周期以下の測定誤差は得られない。
又、測定誤差を向上させるには、クロックパルスの周期
を小さくすれば良いことになるが、現実の装置では、発
振器、カウンタ等の回路に応答性の限界があり、測定誤
差の改善にも限界が生じる。 そこで、この量子化誤差を小さくする一方法として、
特開昭62−43589号公報に記載の時間計測方法が知られ
ている。 この方法は、複数回生起されるイベントをクロックパ
ルスで計測して、その累積計数値をその回数で平均化し
てイベントの生起期間を計時する方法である。 この方法では、所定周期で繰り返し生起されるイベン
トの生起タイミングに対するクロックパルスの相対的位
相を、結果として、(クロック周期/イベント生起回
数)×整数だけ変移させている。そして、この方法は、
変位されたクロックパルスを変位の小さいパルスから順
に並べた時には、その変位間隔が等間隔になることが特
徴である。 この結果、等価的に(クロック周期/イベント生起回
数)の周期を有するクロックパルスでイベントの生起期
間を測定したことになり、測定誤差を(クロック周期/
イベント生起回数)以下にすることができる。 さらに、このクロックパルスの相対的位相を変化させ
る方法として、位相推移器を用いる方法と、イベントの
生起周期とクロックパルスの周期を決定する発振信号の
周期に所定の関係を持たせた2つの発振器を用いる方法
がある。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記方法において、位相推移器を用いる方法
は、正確に、(クロック周期/イベント生起回数)で位
相を推移させる必要があるが、イベント生起回数が大き
くなる程、短時間の時間制御が必要となる。従って、測
定誤差を小さくしようとするほど、高速応答性が要求さ
れ、測定誤差の減少には限界がある。又、短時間の位相
推移を行う程、等分割の位相推移は益々困難となる。 又、2つの発振器を用いる方法は次の条件を満たすよ
うに各発振器の周期が設定される。各イベント周期にお
けるクロックパルス列を各イベント周期に対する位相関
係を保持した状態で、同一のイベント周期に写像した時
に得られるクロックパルス列(以下、「等価クロックパ
ルス列」という)を想定する。この等価クロックパルス
列の周期が正確に(クロック周期/イベントの生起回
数)となり、パルス間隔が等間隔となるように、それぞ
れの発振信号の周期を所定の関係に定めている。即ち、
各イベント周期において、クロックパルスのイベント周
期に対する位相関係は全て異なり、クロック周期の整数
倍がイベント周期の生起回数倍に正確に等しくなるよう
に定めている。 しかし、現実には、2つの発振器を、その発振信号の
周期を厳格に所定の関係に保持した状態で、製造するこ
とは困難である。製品間で周期がばらついたり、温度変
動、経年変化により発振信号の周期が変動する。 このような発振信号の周期変動が測定誤差に与える影
響については、従来は全く考察されていない。 本発明者は、この周期変動と測定誤差との関係を精密
に解析した結果、上記の所定の関係に2つの発振信号の
周期を設定することよりは、他の周期の関係の方が、周
期変動に対する測定誤差の安定性が向上することを発見
した。 従って、本発明の目的は、時間計測装置における測定
誤差の安定化を図ることである。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための発明の構成は、各イベント
周期Tp内で生起されるクロックパルスの列を同一イベン
ト周期内に写像した等価クロックパルス列を想定し、 その等価クロックパルス列における各等価クロックパ
ルスの周期Tc/nの等間隔パルス列における各パルスに対
する各変位に基づいて、測定誤差を評価する評価関数
を、イベント周期Tp、クロック周期Tc、イベントの生起
回数nの関数として求め、さらに、イベント周期Tpの許
容誤差、クロックパルス周期Tcの許容誤差の範囲におい
て、評価関数の値が要求された測定誤差を満たすところ
のイベント周期Tpとクロック周期Tcを決定することであ
る。
【作用】
量子化誤差は、等価クロックパルス列の周期Tc/nの等
間隔パルス列における各パルスに対する各変位によって
決定される。一般的には、等価クロックパルス列の各パ
ルスの変位は、一定でなく、一定の関数で分布する。よ
って、量子化誤差も測定回数に対して分布することにな
り、この分布を考慮して、測定誤差の評価関数が求めら
れる。この評価関数は、イベント周期Tp、クロック周期
Tc、イベントの生起回数nの関数となる。 次に、この評価関数に、さらに、イベント周期Tp、ク
ロック周期Tcの許容誤差範囲が考慮される。即ち、イベ
ント周期Tp、クロック周期Tcの許容誤差範囲における評
価関数の最大値を持って、設計上のイベント周期Tp、ク
ロック周期Tcにおける測定誤差と評価される。 この測定誤差が要求された測定誤差を満たすようなイ
ベント周期Tp、クロック周期Tcが設計上の周期として決
定される。
【実施例】
以下、本発明を具体的な一実施例に基づいて説明す
る。 1.時間計測装置 第1図は時間計測装置を示した回路図である。 パルス発生器1は、イベント周期Tpの矩形波を遅延回
路2、フリップフロップ回路(以下、「FF回路」と記
す)3及びパルスカウンタ6に出力している。遅延回路
2は、入力した矩形波を所定時間遅延させた矩形波をFF
回路3のリセット端子Rに出力している。従って、FF回
路3はパルス発生器1の出力する矩形波の立ち上がりに
同期してセットされ、遅延回路2の出力する矩形波の立
ち上がりに同期してリセットされる。この結果、FF回路
3の出力端子Qからは、遅延回路2で設定された所定の
遅延時間をパルス幅とし、イベント周期Tpを周期とする
パルス信号がクロックカウンタ5の一方のイネーブル端
子EN1に出力される。以下、FF回路3の出力端子Qから
出力される時間計測の対象となっている信号をイベント
信号という。本実施例の時間計測装置は、イベント信号
の高レベル期間、即ち、イベントの生起期間Tx(遅延回
路2による遅延時間)を計測する装置である。 クロック発生回路4はクロック周期Tcのクロックパル
スをクロックカウンタ5の入力端子に出力している。 一方、パルスカウンタ6は、初期リセットされた後、
パルス発生器1の出力する矩形波をその立ち上りに同期
して、イベント生起回数nだけ計数し、その間だけ高レ
ベル信号をクロックカウンタ5の他方のイネーブル端子
EN2に出力している。 したがって、クロックカウンタ5は、パルスカウンタ
6の出力信号が高レベル、かつ、FF回路3の出力端子Q
から出力されるイベント信号が高レベルの間において、
クロック発生回路4から出力されるクロックパルスを計
数する。ディバイダ7はクロックカウンタ5の累積計数
値をイベントの生起回数nで除して、1イベント周期に
おけるイベントの生起期間Txの時間を平均値として演算
する回路である。 このような構成の時間計測装置において、本発明は、
パルス発生器1の出力する信号のイベント周期Tp及びク
ロック発生器4の出力するクロックパルスのクロック周
期Tcを最適に決定する方法である。 尚、遅延回路2はイベント信号を生起させる一例であ
る。 実際には、対象物体までの距離を、対象物体に光を投
射した時点から反射光を受光した時点までの時間の計測
で測定する測路装置への応用が考えられる。この装置の
場合には、この遅延回路2に代えて、ドライバー及びレ
ーザダイオードと、対象物体からの反射光を受光するホ
ォトダイオード及びレシーバーとで構成される。そし
て、パルス発生器1の出力する矩形波信号でドライバー
が駆動され矩形波信号の光が投射され、矩形波信号の反
射光に対応する電気信号がレシーバーからFF回路3に出
力される。よって、FF回路3から出力されるイベント信
号の生起期間Tx(高レベル期間)は光の投射時点からの
光の受光時点までの時間とすることができる。 2.時間計測 イベント信号は第2図の(a)に示すように、イベン
ト周期Tpで生起回数nだけ繰り返し生起される。そし
て、イベント信号が高レベルをとる生起期間Txが測定対
象の時間である。このイベント信号の各イベント周期に
おける各生起期間Txが、第2図(b)に示すクロック周
期Tcのクロックパルスによって累積計数される。その累
積計数値をZとすると、イベント信号の生起期間Txにお
けるクロックパルスの生起数Wは平均値(Z/n)で求め
られる。従って、イベントの生起期間Txは次式で求めら
れる。 Tx=Tc・(Z/n) …(1) 尚、第2図で示すように、第1イベント周期のイベン
ト信号の立上がりとクロックパルスとを同期させる必要
はない。 3.等価クロックパルス列(等間隔パルス列) 各イベント周期におけるクロックパルス列をイベント
信号との位相関係を保持した状態で、第1イベント周期
に全て写像する。この写像により得られたパルス列が等
価クロックパルス列である。 今、イベント周期Tp,クロック周期Tc,生起回数nとの
間に、次式の関係が成立するとする。 n・Tp=r・Tc …(2) 但し、n,rは互いに素である。 ここで、rは全イベント周期n・Tpにおけるクロック
パルス数を示している。(2)式の関係を満たすクロッ
クパルス列のイベント信号との位相関係は、全イベント
周期n・Tpを最小の1周期とする完全な周期関数であ
る。即ち、(2)式の関係を満たす場合には、クロック
パルスとイベント信号との位相関係は、全てのイベント
周期で異なる。よって、(2)式の関係がある場合に
は、等価クロックパルス列は、第3図に示すように、周
期Tc/nの等間隔のパルス列となる。 従って、クロック周期Tc及びイベント周期Tpが完全に
正確で変動が全くない場合には、量子化誤差、即ち、測
定誤差はTc/nとなる。 4.等価クロックパルス列(不等間隔パルス列) ところが、現実の回路においては、クロック周期Tc及
びイベント周期Tpを、(2)式を正確に満たすように設
定することは不可能である。即ち、発振器の発振周波数
は温度変動や他の要因により変動し、発振器を構成する
回路素子の回路定数の誤差等により正確に設計値通りに
はならない。 そこで、測定誤差を(2)式の厳格な関係を満たすイ
ベント周期Tpとクロック周期Tcとの点における値で評価
するのではなく、ある許容誤差範囲における測定誤差を
評価する必要がある。 それには、(2)式による厳格な制約を解いて、任意
の関係にあるイベント周期Tpとクロック周期Tcにおける
量子化誤差の変化特性を改めて評価する必要がある。 任意の関係として、次式を導入する。 n・Tp=Tc+q …(3) 但し、0≦q≦Tc さらに、(3)式は次式に変形できる。 Tp=(m+d)Tc …(4) 但し、mは自然数、0≦d≦1である。 (4)式は、(2)式の厳格な制約と異なり、m,dに
よりイベント周期Tpとクロック周期Tcとはどのような関
係でも取り得ることを示している。 この一般状態における第1図に示すクロックパルス列
をイベント周期との位相関係を保持して、第1イベント
周期に写像する。その結果、得られる等価クロックパル
ス列は、第4図に示すように不等間隔のパルス列とな
る。しかし、もとのクロックパルス列はクロック周期Tc
の完全な周期関数であるので、等価クロックパルス列も
クロック周期Tcの周期関数となる。 従って、等価クロックパルス列の並び方を検討する場
合には、1周期Tc内における等価クロックパルス列の並
び方のみを考慮すれば良いことになる。 5.測定誤差の評価関数 第4図の等価クロックパルス列が不等間隔になると、
量子化誤差は第3図に示す等間隔の等価クロックパルス
列に比べて大きくなる。 そこで、等価クロックパルス列による測定誤差の評価
関数を次のように求める。 (1)等価クロックパルス列の位置の決定。 第1イベントの第1クロックパルスを始点とするTcの
区間に存在するn個の等価クロックパルスの存在位置ai
を、始点を原点として求める。但し、説明のしやすさの
ために、地点が第1イベントの始点と一致する場合で計
算する。 第1クロック周期に存在する等価パルス列は、各イベ
ント周期において最初に現れるクロックパルスを写像し
て得られたものである。 従って、まず、各イベント周期において最初に現れる
各クロックパルスのその周期の始めから測定された位置
aiが次式で求められる。 ai=Tc−(i−1)Tp+Tc・[(i−1)Tp/Tc] …(5) 但し、[X]はXを越えない最大の整数であり、iは
イベント周期の番号を示しi=2,…,nである。なお、i
=1の場合はai=0である。 (5)式の各項の意味は、第5図に示されている。 [i−1)Tp/Tc]は、第(i−1)イベント周期
(但し右端の境界は含まない)までのクロックパルスの
区間数を示す。 従って、Tc・〔(i−1)Tp/Tc]は、第(i−1)
イベント周期の最後に現れるクロックパルスの第1イベ
ント周期の始めから測定した存在位置を示す。 よって、(i−1)Tp−Tc・[(i−1)Tp/Tc]
は、第(i−1)イベント周期の最後に現れるクロック
パルスから第iイベント周期の始めまでの経過時間であ
る。 よって、(5)式は、第iイベント周期の最初に現れ
るクッロクパルスの第iイベント周期の始めから測定し
た経過時間となる。また、この式はi=1の場合も成立
する。 以上のように得られるaiは区間Tcの始点と第1イベン
トの始点が一致しない場合でも同じ値である。 (2)評価関数の導入 この数列aiを昇順に整列し直した数列をbiとする。 次に、第4図に示されているように、各等価パルスの
周期Tc/nの等間隔パルス列に対する変位Δが次式で演
算される。 Δ=bi−(i−1)Tc/n …(6) この変位Δは、クロックパルスが右方に変位してい
る時正値をとり、クロックパルスが左方に変位している
時負値をとる。第1クロック周期における全右方変位の
中での最大値をtRMAX,全左方変位の中での絶対値の最大
値をtLMAXとする。 等価クロックパルス列が第4図に示すように不等間隔
の場合には、量子化誤差は、イベント信号の立ち上がり
と立ち下がりが存在するところの等価クロックパルスの
変位によって決定される。イベント信号の立ち上がり、
立ち下がりと等価クロックパルスの位相関係は、全く、
任意となるので、量子化誤差は時間計測の度に変化す
る。 従って、先ずは、最悪状態を想定して、測定誤差を量
子化誤差の最大値で評価する。 次に、その量子化誤差の最大値を決定する評価関数R
を求める。 この評価関数Rは、上記の議論からイベント生起回数
n,クロック周期Tc,イベント周期Tpの関数となる。 R(n,Tp,Tc)=Tc/n+tRMAX+tLMAX …(7) =Tc/n+Max(Δ)−Min(Δ) …(8) =Tc/n+Max(bi−(i−1)Tc/n) −Min(bi−(i−1)Tc/n) …(9) 尚、Max(x),Min(x)は、符号を含めたxの最大
値、最小値を示す関数である。また、(8),(9)式
はΔiが全て正数あるいは全て負数となる場合も成立す
る。 6.評価関数の特性 一例として、n=50,Tc=10nsecに固定すると、評価
関数はイベント周期Tpのみの関数となる。R(50,Tp,1
0)を数値解析により演算した結果を第6図に示す。 第6図に示す評価関数の意味は次の通りである。先
ず、Tp=1000nsec,1010nsecで評価関数の値が10nsecで
あるのは、イベント周期とクロックパルスとの位相関係
が、50回繰り返される全てのイベント周期において等し
くなり、等価パルス列においてクロックパルスが50個重
なり、その間隔がクロック周期Tcになるからである。
又、例えば、イベント周期Tpが(2)式を満たす所、例
えば、Tp=1000.2nsec等では、評価関数の値が0.2nsec
となるのは、50回繰り返される全てのイベント周期にお
いて、クロックパルス列とイベント周期との位相関係が
全て異なるためで、等価クロックパルス列の間隔が可能
最小値Tc/nの等間隔となるからである。イベント周期Tp
が他の値をとる場合には、それらの中間値をとることに
なる。 評価関数の特性をまとめると次のようになる。 等価クロックパルス列が等間隔となるイベント周期で
は、評価関数の値は、その等価クロックパルスのパルス
間隔となる。尚、この場合には、量子化誤差は変化しな
い単一の値となる。 等価クロックパルス列が不等間隔となるイベント周期
では、評価関数の値は、その等価クロックパルスの右方
変位の最大値、左変位の最大値、Tc/nで決定される。
尚、等価クロックパルスの変位に分布を生じているイベ
ント周期の場合には、量子化誤差は変化し、等価クロッ
クパルスの変位が一定であるイベント周期の場合には、
量子化誤差も一定である。 評価関数のイベント周期Tpに関する変化率は、イベン
ト周期Tpによって顕著に異なる。 例えば、Tp=1000.2nsecの場合には、評価関数のその
付近の特性は第7図に示す特性となり、Tp=1009.2nsec
における評価関数のその付近の特性は第8図に示す特性
となる。この両図を比較すれば明らかなように、Tp=10
00.2nsecの場合には評価関数の値が急峻に変化し、Tp=
1009.2nsecの場合には、評価関数の値は余り変化しな
い。例えば、Tp=1000.2nsecの場合には、イベント周期
Tpが中心Tp=1000.2nsecに対して±10ppm(0.01nsec)
変化すると、評価関数の値は0.7〜0.2の範囲で変化す
る。それに対して、Tp=1009.2nsecの場合には、中心Tp
=1000.2nsecに対して±10ppm(±0.01nsec)変化する
と、評価関数の値は0.5〜0.4の範囲で変化する。 換言すれば、イベント周期をTp=1000.2nsecに設定す
るよりは、Tp=1009.2nsecに設定した方が、測定誤差の
安定性は向上することになる。 このことは、時間測定装置の製品毎の測定誤差のばら
つきを減少させ、温度変動、その他の要因に伴う周波数
変動に対する測定誤差の拡大が少ないことを意味してい
る。 現実には、イベント周期Tpを設計値通りにすることは
不可能であるから、現実の装置を設計するには、周期の
許容誤差の範囲を考慮した上で、その誤差範囲内におい
て測定誤差を評価する必要がある。イベント周期の許容
誤差の範囲±0.01nsecを考慮すると、イベント周期Tpを
1009.2nsecに設定した方が、1000.2nsecに設定するより
は、測定誤差の安定性及びばらつきの観点から優れてい
ると結論できる。 このイベント周期Tpが1009.2nsecの時は、等価クロッ
クパルス列は不等間隔パルス列である。 7.評価関数の一般化 第6.項では、生起回数nとクロック周期Tcを固定した
場合のイベント周期Tpに対する評価関数の特性について
述べた。 しかし、上述したように、測定誤差はイベント周期Tp
及びクロック周期Tcの許容誤差範囲の全体で評価される
べきものである。例えば、許容誤差範囲における量子化
誤差の最大値をもって測定誤差を評価すべきである。 そこで、イベント周期Tpの変動率α、クロック周期Tc
の変動率βを導入して、周期の許容誤差範囲における量
子化誤差の最大値を測定誤差の新たな評価関数Sとす
る。 S(n,Tp,Tc,α0) Max(R(n,Tp(1+α),Tc(1+β)) …(10) (10)式は次のように変形できる。 S(n,Tp,Tc,α0) ≒Max(R(n,Tp(1+α)/(1+β),Tc)) …(11) ≒Max(R(n,Tp(1+α−β),Tc)) …(12) 但し、−α≦α≦α0,−β≦β≦β である。又、Maxはパラメータα、βを所定範囲で変化
させた時の最大値を示す関数である。 正確な解析を行うには、設計上要求された周期の許容
誤差範囲を決定するパラメータα0をを用いて、
(10)式により新たな評価関数Sを数値解析して、その
関数値が要求される測定誤差よりも小さくなるところの
イベント周期Tp,クロック周期Tc、生起回数nを決定す
ることになる。 しかし、一次近似により、評価関数Sは、次のように
簡約化できる。 測定誤差の評価関数Rは、上述したように等価クロッ
クパルス列の並び方によって決定される。この等価クロ
ックパル列の並び方は、イベント周期Tpとクロック周期
Tpとの相対的位相関係によって決定される。 従って、イベント周期Tpとクロック周期Tcとの両方が
変動すると見なす代わりに、許容誤差範囲が狭い場合に
は、一次近似として、クロック周期Tcを固定して、クロ
ック周期Tcの変動をイベント周期Tpの変動で置き換える
ことが可能である。上記(12)式は、一次近似による新
たな評価関数である。 結局、イベント周期Tpの許容誤差範囲を±(α+β
)Tpに拡大して、その許容範囲における量子化誤差の
最大値として測定誤差の新たな評価関数Sを求めれば良
い。 そして、この評価関数を上述した式により数値解析し
て求め、評価関数Sの値が要求される測定誤差を満たす
ように、イベント周期Tp,生起回数nを決定すれば良
い。 尚、近似方法としては、イベント周期Tpを固定して、
クロック周期Tcにイベント周期Tpの許容誤差範囲を含め
るようにしても良い。 8.評価関数の他の検討例 n=1000,Tc=10nsec,Tp=1000.01nsec,α0=50
ppm(ppm=×10-6)(α+β)Tp=0.1nsecの場
合。 新たな評価関数Sの値=10nsec 又、評価関数Rの値=0.01nsec(=Tc/n) 即ち、本条件のTc,Tpは(2)式を満たす値である。
従って、Tc,Tpの変動が全くない場合には、測定誤差は
0.01nsecと可能最低値となる。 しかし、各周期に50ppmの許容誤差範囲を設定する
と、その範囲の最大量子化誤差は10nsecとなる。従っ
て、現実の装置としては、測定誤差をベストモードの0.
01nsecとすべきではなく、最悪状態の10nsecとすべきで
ある。 換言すれば、上記条件で装置を作成すれば、装置の測
定誤差が0.01nsecから10nsecの範囲で変動し得ることを
意味している。即ち、測定誤差に安定性がないと言え
る。 n=1000,Tc=10nsec,Tp=1000.1856nsec,α0
50ppm(ppm=×10-6)(α+β)Tp=0.1nsecの場
合。 新たな評価関数Sの値=0.36nsec 又、評価関数Rの値=0.16nsec 即ち、本条件は、(2)式の条件を満たさない。 しかし、現実に周期に50ppmの許容誤差範囲を設定し
た場合には、測定誤差の変動範囲は0.16nsecから0.36ns
ecである。従って、現実の装置としては、測定誤差は0.
36nsecより大きなることはない。 、の場合を比較すれば、の条件で装置を設計し
た方が、の場合に比べて、測定誤差の安定性に優れ、
測定誤差は約28倍に改善されることが理解される。 9.評価関数の生起回数に対する特性 生起回数nを無限に大きくすれば、評価関数Rは無限
に小さくなる。 生起回数nを無限に大きくしても、評価関数Sは無限
に小さくならず、変動範囲α0で決定されるある値
に収束する。 10.評価関数の他の形式 上記の測定誤差の評価関数Rは、等価クロックパルス
の変位の最大変位、即ち、量子化誤差の最大値によって
決定した。しかし、等価クロックパルスの変位はある分
布を持っているので、時間計測の回数に対する量子化誤
差もある分布を持つ事になる。 従って、評価関数Rを量子化誤差の最大値とするので
はなく、量子化誤差の分布における標準偏差としても良
い。そして、周期の許容誤差範囲を考慮した新たな評価
関数Sをその許容誤差範囲におけるその標準偏差の最大
値としても良い。 要するに、許容誤差範囲において、測定誤差が小さく
なるような周期決定を行うのが目的であるから、評価関
数Rとしては、量子化誤差を統計的に評価できる関数で
あれば良い。同様に新たな評価関数SもRの最大値では
なくRの標準偏差などを用いても良い。
【発明の効果】
本発明は、等価クロックパルス列における各等価クロ
ックパルスの周期Tc/nの等間隔パルス列における各パル
スに対する各変位に基づいて、測定誤差を評価する評価
関数を、イベント周期Tp、クロック周期Tc、イベントの
生起回数nの関数として求め、さらに、イベント周期Tp
の許容誤差、クロックパルス周期Tcの許容誤差の範囲に
おいて、評価関数の値が要求された測定誤差を満たすと
ころのイベント周期Tpとクロック周期Tcを決定するよう
にしている。 従って、等価クロックパルス列を等間隔且つ可能最小
間隔が得られるように設計する従来の決定方法と異な
り、本発明では、周期変動の許容誤差範囲の全体に渡っ
て量子化誤差が評価されている。即ち、周期に対する量
子化誤差の変化率が考慮されることになるので、測定誤
差の安定性を向上させることができる。 本発明の周期決定方法により製造された時間測定装置
は製品毎の測定誤差のばらつきが少なくなると共に、温
度変動等、経年変化による測定誤差の変動も小さくな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法が適用される時間計測装置の具体的
な構成を示した回路図、第2図はイベント信号とクロッ
クパルスとの一般的関係を示したタイミングチャート、
第3図はイベント信号と等間隔の等価クロックパルスと
の関係を示したタイミングチャート、第4図はイベント
信号と不等間隔の等価クロックパルスとの関係及び等価
クロックパルスの変位を示したタイミングチャート、第
5図は等価クロックパルスの変位演算を説明するための
タイミングチャート、第6図は評価関数の具体例を示し
た特性図、第7図、第8図はその評価関数の部分拡大図
である。 1……パルス発生器、4……クロック発生器 7……クロックカウンタ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一の生起期間Txを有するイベントをイベ
    ント周期Tpで生起回数nだけ繰り返し生起させ、クロッ
    ク周期Tcで連続して生起しているクロックパルスを、前
    記各イベントの前記各生起期間Txの間において、累積計
    数し、その累積計数値を生起回数nによって平均化する
    ことで、前記イベントの生起期間Txを前記クロック周期
    Tcより小さい誤差で測定する装置において、 前記各イベント周期Tp内で生起される前記クロックパル
    スの列を同一イベント周期内に写像した等価クロックパ
    ルス列を想定し、 その等価クロックパルス列における各等価クロックパル
    スの周期Tc/nの等間隔パルス列における各パルスに対す
    る各変位に基づいて、測定誤差を評価する評価関数を、
    前記イベント周期Tp、前記クロック周期Tc、前記イベン
    トの生起回数nの関数として求め、 前記イベント周期Tpの許容誤差、前記クロックパルス周
    期Tcの許容誤差の範囲において、前記評価関数の値が要
    求された測定誤差を満たすところのイベント周期Tpとク
    ロック周期Tcを決定することを特徴とする周期決定方
    法。
JP26722390A 1990-10-03 1990-10-03 時間計測装置における周期決定方法 Expired - Fee Related JP2969892B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26722390A JP2969892B2 (ja) 1990-10-03 1990-10-03 時間計測装置における周期決定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26722390A JP2969892B2 (ja) 1990-10-03 1990-10-03 時間計測装置における周期決定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04142492A JPH04142492A (ja) 1992-05-15
JP2969892B2 true JP2969892B2 (ja) 1999-11-02

Family

ID=17441849

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26722390A Expired - Fee Related JP2969892B2 (ja) 1990-10-03 1990-10-03 時間計測装置における周期決定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2969892B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100692569B1 (ko) * 2005-03-25 2007-03-13 삼성전자주식회사 저주파 신호를 이용한 거리 측정 방법 및 장치
SG10201402890UA (en) * 2014-06-04 2016-01-28 Lantiq Deutschland Gmbh Probabilistic digital delay measurement device

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04142492A (ja) 1992-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20200201380A1 (en) Fine-Grained Clock Resolution using Low and High Frequency Clock Sources in a Low-Power System
EP0419823B1 (en) Digital time base generator with adjustable delay between two outputs
KR100721349B1 (ko) 확산 스펙트럼 클록 생성기를 제어하기 위한 방법 및 확산 스펙트럼 클록 생성 회로
EP1412768B1 (en) System and method for delay line testing
JP3591835B2 (ja) センサ信号の周波数計数を測定する装置及び方法
US5764598A (en) Delay time measurement apparatus for delay circuit
US6864833B2 (en) Time-base generator with self-compensating control loop
US5367200A (en) Method and apparatus for measuring the duty cycle of a digital signal
US7196778B2 (en) Circuitry and method for measuring time interval with ring oscillator
CN104460304A (zh) 一种具有自动校正功的高分辨率时间间隔测量装置
US5097490A (en) Apparatus and method for improving the resolution with which a test signal is counted
JPH02112784A (ja) 距離検出装置
US20080172194A1 (en) Time Interval Measuring Apparatus and Jitter Measuring Apparatus Using the Same
JP2969892B2 (ja) 時間計測装置における周期決定方法
CZ287914B6 (cs) Digitální fázový detektor
JPH0312275B2 (ja)
JP5914718B2 (ja) 発振器を有する時間ベース、周波数分割回路及びクロックパルス抑制回路
US6373313B1 (en) Delay time regulation method and delay time regulation circuit
KR102420037B1 (ko) 실시간 캘리브레이션을 지원하는 tdc
US7259637B1 (en) Delay loop correction for a processor
JPH1168862A (ja) 通信装置
Räisänen-Ruotsalainen et al. Integrated time-to-digital converters based on interpolation
JPH06289135A (ja) 距離測定装置
JPS59100815A (ja) クロツクパルス発生回路
RU1830515C (ru) Способ определени времени запаздывани элемента задержки

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080827

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100827

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees