JP2969733B2 - パルス波形対称性測定回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気ディスク装置等のリード信号のパルス波
形の対称性を測定するためのパルス波形対称性測定回路
に関する。

〔従来の技術〕 磁気ディスク装置等のリード信号のパルス波形の対称
性を測定するための従来のパルス波形対称性測定手段
は、第３図に示すように、リード信号21をオシロスコー
プ20に入力し、その波形を肉眼で観察することによって
測定を行っている。

すなわち、第２図に示すリード信号21がオシロスコー
プ20に入力すると、オシロスコープ20は、リード信号21
の各エッジによってトリガ掃引した波形を重ね書きし、
観測波形104を表示する。

一方、リード信号21において、各パルス幅T₁〜T_Nの平
均値をＴ、リード信号21の測定時間内のパルス数をＮと
すると、Ｔは次式（１）によって求められる。

ここで、リード信号21におけるパルス波形の対称性を
示す値Δｔを、次式（２）のように定義する。

従って、従来のパルス波形対称性測定手段は、オシロ
スコープ20の掃引波形から、パルス幅の中心点ｄと各パ
ルスのエッジの平均値を示す点との差であるパルス波形
対称性値Δｔを、肉眼の観察によって測定している。

〔発明が解決しようとする課題〕

上述したように、従来のパルス波形対称性測定手段
は、オシロスコープによるのが一般的であり、この場
合、オシロスコープ20の掃引波形から、パルス幅の中心
点ｄと各パルスのエッジの平均値を示す点との差である
パルス波形対称性値Δｔを、肉眼の観察によって測定し
なければならないため、測定誤差や測定者によるばらつ
きが大きいという欠点がある。

本発明の目的は、上述のような従来のパルス波形対称
性測定手段の欠点を除去し、正確にパルス波形の対称性
を測定を行うことのできるパルス波形対称性測定回路を
提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明のパルス波形対称性測定回路は、磁気ディスク
装置等の磁気ヘッドからのリード信号の各パルス間隔と
予め設定した一定幅のパルス間隔との差を積算する積算
器と、前記リード信号のパルス数を計数するパルスカウ
ンタと、前記リード信号の測定時間を計測するタイムカ
ウンタと、前記積算器の積算値と前記パルスカウンタの
計数したパルス数と前記タイムカウンタの計測した測定
時間を入力して所定の演算式に従った演算処理を行うこ
とによってパルス波形の対称性を演算する演算器と備え
ている。

〔実施例〕

次に本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図は本発明の一実施例を示すブロック図、第２図
はリード信号および関連信号の波形を示す波形図であ
る。

第１図において、１は磁気ディスク装置等の磁気ヘッ
ドからのリード信号21の測定時間を計測するためのタイ
ムカウンタ、２は上記の測定時間内のパルス数を計数す
るためのパルスカウンタ、３はリード信号21の立上りに
よって一定時間幅のパルス信号を発生する標準パルス発
生器、４は標準パルス発生器３からの上記の一定時間幅
のパルス信号の立下りによって一定時間のカウントダウ
ンを開始するダウンカウンタ、５はリード信号21の立上
りにおいてダウンカウンタ４の残数を積算して保持する
積算器、６は積算器５の積算値のパルスカウンタ２の計
数したパルス数とタイムカウンタ１の計測した測定時間
を入力した演算処理を行うことにりよってパルス波形の
対称性を演算する演算器である。

次に、上述の実施例の動作について第２図を参照して
説明する。

リード信号21は、タイムカウンタ１およびパルスカウ
ンタ２および標準パルス発生器３およびダウンカウンタ
４に入力する。

タイムカウンタ１は、リード信号21の測定時間T_Mを計
測して演算器６に出力する。パルスカウンタ２は、測定
時間T_M内のリード信号21のパルス数Ｎを計数して演算器
６に出力する。リード信号21の各パルス間隔T₁〜T_nの平
均パルス間隔Ｔは、次式（３）によって求められる。

Ｔ＝T_M/N ……（３） 標準パルス発生器３は、リード信号21の各パルスの立
上り（点ａ）と同時に、一定時間幅T_hのパルス信号102
を発生してダウンカウンタ４に入力する。ダウンカウン
タ４は、パルス信号102の各パルスの立下り（点ｂ）と
同時に、一定時間幅T_jの間カウントダウンを行う。第２
図の参照符号103は、そのタイミングを示したものであ
る。第２図の時間間隔T_mは、リード信号21の平均パルス
間隔Ｔよりも長い時間（T_m＞Ｔ）であって、一定時間幅
T_hおよびT_jに関して次式（４）が成立つように適当に設
定する。

T_m＝T_h＋T_j ……（４） 積算器５は、リード信号21の各パルスの立上りでダウ
ンカウンタ４の残数d_tiを入力し、残数（d_t1〜d_tn）を
積算した値 を求める。

このようにすると、第２図の各パルス間隔T₁〜T_nのそ
れぞれについて次式（５）が成立つ。

T₁＝T_m−d_t1,T₂＝T_m−d_t2,〜 T_n＝T_m−d_tn ……（５） 次に、演算器６において行う演算について説明する。

式（２）および式（３）および式（５）から式（６）
が得られる。

上述のように、（T_m＞Ｔ）であるから、式（６）は式
（７）のように変形される。

従って、パルス波形対称性値Δｔは、式（７）によっ
て算出することができる。演算器６は、積算器５におい
て求めた と、タイムカウンタ１において求めた測定時間T_Mと、パ
ルスカウンタ２において求めたパルス数Ｎと、式（４）
が成立つように設定した標準パルス発生器３で発生する
パルスの一定時間幅T_hおよびダウンカウンタ４で発生す
るパルスの一定時間幅T_mとを、式（７）に基いて数学的
な演算処理を行ってパルス波形対称性値Δｔを算出す
る。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明のパルス波形対称性測定
回路は、被測定リード信号の各パルス間隔と予じめ設定
した一定幅のパルス間隔との差を積算した積算値と、被
測定リード信号のパルス数と、被測定リード信号の測定
時間とを入力して演算処理を行うことによってパルス波
形対称性値を得ることができるという効果があり、従っ
て正確なパルス波形対称性値を測定することができると
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すブロック図、第２図は
リード信号および関連信号の波形を示す波形図、第３図
は従来のパルス波形対称性測定手段の一例を示すブロッ
ク図である。 １……タイムカウンタ、２……パルスカウンタ、３……
標準パルス発生器、４……ダウンカウンタ、５……積算
器、６……演算器、20……オシロスコープ。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気ディスク装置等の磁気ヘッドからのリ
   ード信号の各パルス間隔と予め設定した一定幅のパルス
   間隔との差を積算する積算器と、前記リード信号のパル
   ス数を計数するパルスカウンタと、前記リード信号の測
   定時間を計測するタイムカウンタと、前記積算器の積算
   値と前記パルスカウンタの計数したパルス数と前記タイ
   ムカウンタの計測した測定時間を入力して所定の演算式
   に従った演算処理を行うことによってパルス波形の対称
   性を演算する演算器と備えることを特徴とするパルス波
   形対称性測定回路。
2. 【請求項２】磁気ディスク装置等の磁気ヘッドからのリ
   ード信号の測定時間を計測するタイムカウンタと、前記
   測定時間内のパルス数を計数するパルスカウンタと、前
   記リード信号の立上りによって一定時間幅のパルス信号
   を発生する標準パルス発生器と、前記一定時間幅のパル
   ス信号の立下りによって一定時間のカウントダウンを開
   始するダウンカウンタと、前記リード信号の立上りにお
   いて前記ダウンカウンタの残数を積算して保持する積算
   器と、前記積算器の積算値と前記パルスカウンタの計数
   したパルス数と前記タイムカウンタの計測した測定時間
   を入力して所定の演算式に従った演算処理を行うことに
   りよってパルス波形の対称性を演算する演算器とを備え
   ることを特徴とするパルス波形対称性測定回路。