JP2969305B2 - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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JP2969305B2 JP34769891A JP34769891A JP2969305B2 JP 2969305 B2 JP2969305 B2 JP 2969305B2 JP 34769891 A JP34769891 A JP 34769891A JP 34769891 A JP34769891 A JP 34769891A JP 2969305 B2 JP2969305 B2 JP 2969305B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼の連続鋳造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造された鋳片のオシレーションマ
ーク部や表皮部での介在物の捕捉を防止する目的で、特
開昭52−111825号公報,特開昭61−2459
49号公報には、凝固開始位置を湯面より下げるため
に、鋳型上部に断熱体または発熱誘導体を設置し、メニ
スカス位置の溶鋼温度を溶鋼の凝固点以上に保持する鋳
造方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来の方
法では、溶鋼温度や鋳造速度の変動があると、断熱部材
での断熱効果や発熱体の発熱量が不足し、本来冷却
開始するはずの鋳片の凝固開始位置が断熱部材や発熱
で始まり、屡々ブレークアウトや凝固不均一による表面
疵の発生が認められた。
【0004】本発明は上記課題に鑑みなされたもので、
凝固開始位置を冷却に一定化し、ブレークアウトの発
生を確実に防止する連続鋳造方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、連続鋳造鋳型
の上部側に断熱部材または発熱体を配置し、その下部側
を水冷抜熱部とし、該鋳型を用いて連続鋳造するに際
し、溶鋼のメニスカス下部において前記鋳型の断熱部材
または発熱体を配置した領域と水冷抜熱部との境界を含
む両領域に跨がるように電磁攪拌装置を配置し、該装置
により前記領域の溶鋼を流動させながら鋳造することを
特徴とする連続鋳造方法である。
【0006】
【作用】鋳型上部に断熱部材または発熱体を配置した鋳
型を用いた鋳造においては、この断熱または発熱領域で
は凝固は原則として開始されず、それに続く冷却領域で
凝固開始となる。
【0007】しかし上述の如く溶鋼温度や鋳造速度の変
動があると、断熱または発熱領域での断熱効果または発
熱量が不足し、本来冷却領域で始まる凝固がこの断熱ま
たは発熱領域で開始され、凝固シェル厚の不均一による
ブレークアウトや表面疵の原因となる。
【0008】本発明者等は、この凝固シェル厚の不均一
を解消するため種々の実験を繰り返した結果、この凝固
シェルに溶鋼流動を与えると、熱伝達および剪断力の増
加によって、薄くかつ強度の低いシェルを溶融または洗
い流すことが可能であることを見出した。
【0009】図1及び図2はそのための機器配置例を示
し、図1は連続鋳造鋳型の上部側に断熱部材を使用した
例を示す断面図であり、1は鋳型,2は鋳型上部に設け
た断熱部材で、断熱部材2としてはBN耐火物やグラフ
ァイト耐火物,ZrB2 耐火物等が好ましい。
【0010】3は水冷鋼板からなる冷却体,4は断熱領
域と冷却領域の境界を含み両領域に跨がって溶鋼流動を
発生させる電磁攪拌装置,5は浸漬ノズル6の吐出孔,
7は溶鋼のメニスカス,8は溶鋼,9は凝固シェルを示
す。
【0011】図2は鋳型の上部側に発熱体を使用した例
を示す断面図であり、鋳型上部を発熱体10および発熱
用コイル11で構成したもので、その他の構成は図1と
同じである。
【0012】ここに電磁攪拌装置4による溶鋼流動は、
薄く強度の低いシェルを溶融,洗い流すのみであるため
に、この個所の溶鋼流速は20cm/sec以上とし、
また上限は100cm/secとすることが好ましい。
【0013】このような溶鋼流動を与えることにより、
断熱または発熱領域で生成した凝固シェルを洗い流すこ
とにより、溶鋼の凝固開始位置を確実に冷却領域にする
ことができる。
【0014】また従来の攪拌のない場合には、冷却領域
でシェルと鋳型の間にエアギャップが生成すると凝固開
始位置が下がり、ブレークアウトの原因となるが、電磁
攪拌による流動によって生じる動圧により凝固シェルを
鋳型壁に押し付ける作用が働き、冷却領域の凝固開始部
で凝固を確実に開始させるとともにエアーギャップの生
成を防止し、凝固シェル厚を均一化させることが可能と
なり、ブレークアウトや表面疵の発生が防止できる。
【0015】さらにメニスカス部に電磁攪拌装置を設置
するとパウダーの巻き込みを起こす場合があるが、本発
明の場合湯面下に電磁攪拌装置があるためにメニスカス
部の流速が小さく、パウダー巻き込みの心配も少ない。
【0016】
【実施例】以下本発明を実施例により詳細に説明する。
【0017】前記図1および図2に示す機器配置の鋳型
を用いて、溶鋼温度1550〜1590℃の低炭素アル
ミキルド鋼を、吐出孔5の径70mm、吐出角度30度
の逆Y型浸漬ノズル6で、鋳造速度1.0m/minで
幅1000mm,厚み245mmのスラブに鋳造した。
【0018】また図1の鋳型の場合、鋳型上部をBN耐
火物からなる断熱部材2とした。また図2の鋳型の場
合、発熱体10には表面温度1300℃となるように通
電加熱した。
【0019】しかして電磁攪拌装置4により断熱領域ま
たは発熱領域と水冷領域の境界を含む双方の領域に表1
記載の溶鋼流動を与えた。この場合比較例は、図1の鋳
型を用いて電磁攪拌装置4を使用しない状態で鋳造した
例である。
【0020】ブレークアウト発生率及び得られたスラブ
を熱間圧延−冷間圧延工程を通して0.8mm×100
0mmの冷却コイルとし、該コイルの磁粉探傷検査及び
目視検査による欠陥発生率を併せ表1に示す。
【0021】尚実施例1〜3は図1に示す装置によるも
の、実施例4〜6は図2に示す装置による成績である。
本発明によればブレークアウトもなくまた表面欠陥は低
い水準で良好な成績であり、内部欠陥の悪化は認められ
なかった。
【0022】
【表1】 ただし*印は、比較例の成績を1とした場合の値であ
る。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、溶鋼のメ
ニスカス下部において鋳型の断熱部材または発熱体を配
置した領域と水冷抜熱部との境界を含む両領域の溶鋼を
流動させつつ鋳造するようにしているので、断熱または
発熱領域で生成した凝固シェルを洗い流し、溶鋼の凝固
開始位置を冷却領域に一定化できるので、凝固シェル厚
を均一化させるとともに、ブレークアウトの発生を確実
に防止できる。
【0024】加えて本発明の場合、湯面下に電磁攪拌装
置があるためにメニスカス部の流速が小さく、またパウ
ダー巻き込みも少ないので、表面疵や介在物性内部欠陥
の発生を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するに好適な連続鋳造鋳型の上部
側に断熱部材を使用した例を示す断面図である。
【図2】図1に示す鋳型の上部側に発熱体を使用した例
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 鋳型 2 断熱部材 3 冷却体 4 電磁攪拌装置 5 吐出孔 6 浸漬ノズル 7 溶鋼のメニスカス 8 溶鋼 9 凝固シェル 10 発熱体 11 発熱用コイル
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/04 B22D 11/10 B22D 11/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造鋳型の上部側に断熱部材または
    発熱体を配置し、その下部側を水冷抜熱部とし、該鋳型
    を用いて連続鋳造するに際し、溶鋼のメニスカス下部に
    おいて前記鋳型の断熱部材または発熱体を配置した領域
    と水冷抜熱部との境界を含む両領域に跨がるように電磁
    攪拌装置を配置し、該装置により前記領域の溶鋼を流動
    させながら鋳造することを特徴とする連続鋳造方法。
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