JP2969302B2 - サメ皮等のなめし方法と皮革製品の製造方法 - Google Patents

サメ皮等のなめし方法と皮革製品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サメ皮やエイ皮等の軟
骨魚類の皮革製品化におけるサメ皮等のなめし方法及び
皮革の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりサメ皮のなめし方法としては、
通常、他の哺乳動物の獣皮と同様にクロム、タンニン等
を用いたなめし方法が採用されている。しかしながら、
これらのなめし方法は、主として哺乳動物の獣皮に対す
るなめし方法であり、軟骨魚類であるサメ皮やエイ皮
等、あるいは一般的な魚皮のコラーゲン構造と哺乳動物
のコラーゲン構造とは、分子構造が極めて異なっている
ので、その技術をサメ皮やエイ皮等の魚皮のなめし方法
に用いると、その皮革は極めて固くなり、柔軟性がなく
なるものであった。そこで、クロムを用いたなめし方法
においてはスラッジを形成させないようにプロパノール
やペンタノールの混合溶媒を用いる技術があった(例え
ば特開昭59−157095号公報)。しかしながら、
近年になって、従来のクロムを用いたなめし方法におい
ては、なめしの際に用いるクロムによる環境汚染が問題
となっており、省クロム、非クロム化の方向でなめし技
術の検討開発が成されている。
【0003】このような環境問題に対処し、かつ皮革の
柔軟性を得るためにタンニンを用いたなめし方法が開発
されている。このタンニンを用いたなめし方法は、例え
ば水浴中で魚皮を軟化させ、除鱗及びそれぞれ石灰処理
を施し、脱石灰及び洗浄による脱毛、並びに酸及び塩を
含有する液体中で酸洗し、そしてタンニン処理を施し、
更に洗浄、加脂処理、乾燥を行って皮革を得るというも
のである。しかしながら、一般的な魚皮と軟骨魚類であ
るサメ皮やエイ皮等とは、内皮におけるコラーゲンが特
殊な構造であることから上記のようなタンニンを用いた
魚皮のなめし方法の技術をそのまま応用することは出来
ないという問題を有していた。また、サメ皮のなめし工
程における脱脂手段としてはイオン系界面活性剤等の脱
脂剤を加えておこなっているのが普通であった。そこ
で、発明者等はサメ皮の性状を検討するためにコラーゲ
ンを分画し、その得られたコラーゲンを分析して、サメ
皮を皮革製品化するためのなめし方法を検討した。
【0004】まず、サメ皮の真皮としてヨシキリサメの
サメ皮を用い、これを細切りし、10倍量の10%Na
Clで4℃において24時間3回抽出し、アセトン脱水
・脱脂の後、水洗いを行った。1/15M燐酸緩衝液抽
出と0.5M酢酸抽出とを、間に水洗いを入れて交互に
24時間3回行った後、水洗いし、残渣を凍結乾燥し、
不溶性コラーゲンとして分別した。燐酸緩衝液、酢酸の
抽出液は、0.5M酢酸酸性とし、終濃度5%となるよ
うにNaClを加え、コラーゲンを沈殿させ、これを再
び0.5M酢酸に溶解させ、上記操作を繰り返し、水洗
い後、凍結乾燥し、中性塩可溶性コラーゲン、酸可溶性
コラーゲンを得た。そして、得られた凍結乾燥試料につ
いて分析を行った。なお以上の操作はすべて4℃の条件
下で行い、抽出残渣の分離は、10,000rpm 10分
間の遠心分離で行った。
【0005】上記で得られた3つのコラーゲン画分、及
び比較のために豚真皮酸可溶性コラーゲンについて11
0℃24時間酸可水分解を行い分析した。その結果、ヨ
シキリサメ真皮の窒素化合物組成及び水分、灰分を分析
した結果は、表1に示すとおりで、ゼラチン態窒素及び
エラスチン態窒素が高い値を示した。
【0006】
【表1】
【0007】また、真皮を中性塩可溶性コラーゲンと酸
可溶性コラーゲン、及び不可溶性コラーゲンに分画した
結果、表2に示すとおりであり、ヨシキリサメ真皮コラ
ーゲンには、酸可溶性コラーゲンの割合が多いというこ
とが確認できた。更に分画したサメ真皮の3つのコラー
ゲンと豚真皮酸可溶性コラーゲンについてアミノ酸分析
を行った。その結果、アミノ酸組成に大きな差は認めら
れなかった。
【0008】
【表2】
【0009】以上のようなサメ皮の性状結果から、なめ
し剤としてタンニンを用い、製品物性のバリエーション
を増す目的でアセトンに代表される有機溶媒を加えて製
品革の状態を調べた。
【0010】本発明の目的は、サメ皮等のタンニンなめ
しの際に水とアセトンあるいはアルコールの混合溶媒を
用いることにより、なめしと同時に脱脂を行うことによ
って工程の簡略化を図り、タンニンを用いたなめし方法
の特長である革の色の茶褐色化のコントロールと共に、
なめし反応速度のコントロールを行うことを目的とする
ものである。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明は上記の目的を
達成する手段として、次のように構成したものである。
特許を受けようとする第1の発明は、タンニンを用いた
なめし方法に際して水とアセトン、あるいはアルコール
の混合溶媒を用いたサメ皮等のなめし方法である。この
発明において、アセトンを添加すると皮にしなやかさが
あらわれ、風合いの異なる皮ができ、アセトンの添加割
合が多いほど、皮の伸びが大きくなり、厚さが薄くな
る。また、アセトンの添加割合が多いほど、皮の茶褐色
が薄くなる。したがって、アセトンの添加割合は得よう
とする皮革製品によって異なるものであるが、茶褐色の
濃い色合で、しっかりとした厚みのある皮革を得ようと
する場合には、アセトンの添加割合を少なくし、逆に薄
目の茶色でしなやかさを求めようとする場合にはアセト
ンの添加割合を大目に調整すればよい。
【0012】特許を受けようとする第2の発明は、軟骨
魚類の皮を水漬、水とアセトンあるいはアルコール混合
溶媒によるタンニンなめし(前なめし)、水洗、塩水
漬、酸処理、水洗、脱鱗、水絞り、脱渋、漂白、再なめ
し、水洗、加脂、仕上げ工程を経て、皮革品を得ること
を特徴とする皮革製品の製造方法である。この発明は上
記第1の発明を応用してサメ皮やエイ皮等の軟骨魚類の
皮を用いて皮革製品を得る製造方法である。
【0013】以下、本発明に係るサメ皮等のなめし方法
と製造方法について説明する。まずサメ皮を水漬し、そ
の後、前なめし用の合成タンニン、天然タンニンの水と
アセトンあるいはアルコール混合溶媒による前なめしを
おこない、水洗いした皮を塩水に漬け込み、水、塩、塩
酸の混液に浸漬して酸処理し、鱗をとり、水洗い、中和
をおこなう。続いて、合成タンニンで再なめしをおこな
い、水洗い後、合成加脂剤により加脂し、仕上げ処理す
る。表3は水とアセトンの混合溶媒でなめした後のそれ
ぞれ皮の状態を官能的に表した結果を示すものである。
【0014】
【表3】
【0015】この結果より、一般にアセトンを添加する
と、皮にしなやかさがあらわれ、風合いの異なる革が出
来ていることが認められる。アセトンの添加割合が多い
ほど、革の伸びが大きくなり、厚さが薄くなる傾向が見
られた。更に、アセトンの割合が多いほど革の茶褐色が
薄いのは、タンニンの皮への吸着量が少ないことが予想
され、なめしが不十分である可能性が考えられる。表4
に水とアセトン混合溶媒でなめした革の熱収縮温度を測
定した結果を示すが、40%以下のアセトン添加割合の
皮は熱収縮温度に影響を及ぼしていないことが分かる。
【0016】
【表4】
【0017】以上より、なめし工程にアセトン等の有機
溶媒を用いることは、通常行われている界面活性剤によ
る脱脂工程を省略できるのみならず、なめし度合いや革
の仕上り具合の調節が可能になると考えられる。
【0018】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、タン
ニンを用いたなめし方法に際して水とアセトンあるいは
アルコールの混合溶媒を用いたサメ皮等のなめし方法で
ある。したがって、従来、一般に使われていた脱脂剤を
使わずに、なめしと同時に脱脂を行うことができるの
で、なめし工程の簡略化と、革の色の茶褐色化のコント
ロールを自在に行うことができると共に、なめし反応速
度のコントロールを行うことができる。
【0019】
【実施例】ヨシキリサメを解凍し、肉片を取り除いたサ
メ皮を2日間水漬した後、皮重量の300%の水あるい
は水とアセトン混合溶媒(アセトン20〜90%)、8
%の前なめし用合成タンニン剤、10%の天然タンニン
と合成タンニンを25分ごと3度に分けて添加、撹拌し
た。時々撹拌しながら、5日間浸漬[前なめし]し、水
洗い、水きり後、40℃の10%濃度の食塩水に漬け込
み、一夜放置した。皮重量の400%の水、40%の
塩、400%の塩酸(40℃)中に30分間漬け、水洗
い。800%水、4%亜硫酸水素ナトリウム中で一夜放
置した。水洗い後、鱗をこすり取り[脱鱗]、水絞り、
皮裏面の結締組織を取り除いた後、1000%水、1%
炭酸ナトリウム(1:15)、1%重炭酸ナトリウム
(1:15)混液(35℃)中に2時間浸漬した。10
00%水、10%漂白中和剤、1.5%蓚酸中に1時間
浸漬して再なめしをおこない、水洗いした。700%
水、2%ぎ酸(1:10)、84%合成加脂剤中にて3
時間浸漬後、冷水で水洗い、脱水、乾燥した。その結
果、アセトン60%程度までは、十分になめされ、しな
やかな皮革が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法による工程図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C14C 1/02 C14C 3/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンニンを用いたなめし方法に際して水
    とアセトンあるいはアルコールの混合溶媒を用いたサメ
    皮等のなめし方法。
  2. 【請求項2】 軟骨魚類の皮を水漬、水とアセトンある
    いはアルコール混合溶媒によるタンニンなめし、水洗、
    塩水漬、酸処理、水洗、脱鱗、水絞り、脱渋、漂白、再
    なめし、水洗、加脂、仕上げ工程を経て皮革製品を得る
    ことを特徴とする皮革製品の製造方法。
JP30394691A 1991-10-22 1991-10-22 サメ皮等のなめし方法と皮革製品の製造方法 Expired - Fee Related JP2969302B2 (ja)

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