JP2968448B2 - Fel装置の波長切替方法 - Google Patents

Fel装置の波長切替方法

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JP2968448B2
JP2968448B2 JP3944895A JP3944895A JP2968448B2 JP 2968448 B2 JP2968448 B2 JP 2968448B2 JP 3944895 A JP3944895 A JP 3944895A JP 3944895 A JP3944895 A JP 3944895A JP 2968448 B2 JP2968448 B2 JP 2968448B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】開示技術は、SR光やFELを発
する電子蓄積リング型加速器に於けるFELの波長を連
続的に、且つ、自動的に発振可能なセッティングを所望
に行うアルゴリズムの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、レーザーは各種産業、医
学,化学,バイオ等の各方面で利用されており、又、群
分離や核融合等の物理学の最先端分野での利用も将来考
えられ、そのうちでもFEL(自由電子レーザー)はそ
の波長が可視領域から遠赤外領域まで、しかも、連続的
に可変である等の種々の利点から多くの研究機関や企業
等において特別に注目され、鋭意の研究が種々なされて
いるが、所謂産業用フオトンとしてのFEL装置の現出
には未ださまざまなネックが横たわっており、そのうち
の1つには当該FELの波長が連続可変であるという本
来的なメリットの特徴において、自動的に当該FELの
波長を所望にセッティング出来ないことがあり、各研究
機関等ではさまざまな研究がなされ、予め所定にセッテ
ィングした波長について、単に各種の研究がなされてい
るに過ぎず、又、NUCLER INSTRUMENTSAND METHODS IN P
HYSICS RESEARCH(1993)ABS34-ABS39 の文献に自発放出
光の波長をアンジュレーターギャップを変更することに
より断続的に手動操作により切り替えることが示されて
あるに過ぎないものである。
【0003】而して、FELの波長を切替するにはリン
グ状に蓄積した電子ビームのエネルギーを変更する方
法、及び、アンジュレーターの該電子ビーム軌道上での
磁場強度を変更する(アンジュレーターギャップの変更
等)方法やこれらの双方を組合せた方法等が理論的に分
ってはいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
の方法もそれらの変更に際し、アンジュレーターの垂直
方向の収束力の変化によるチューンシフトが生じ、その
ため電子蓄積リングのセッティングが変化してしまい、
当該変化が大きくなると、電子ビームが不安定になった
り、該電子ビームの寿命が短くなり、極端な場合は該電
子ビーム自体が失われてしまう欠点がある。
【0005】又、電子蓄積リングに配設介装した四極電
磁石の配列態様においてC.G.やTBAラティス等の
タイプでは同じチューンでも磁場のセッティングが異な
る場合があり、磁場に於ける電子ビームのエネルギーを
変更する場合において、偏向電磁石に印加する電流値を
確認しただけでは当該磁場のヒステリシスにより実際の
磁場強度の再現性が保証出来難いという難点がある。
【0006】そして、これまでの操作方法では電子蓄積
リングに蓄積した電子ビームのエネルギーをモニタリン
グすることに関しては、偏向電磁石の作動の際に印加す
る電流値のみを検出しながら、(例えば、特開平5−4
7500号公報発明)手動操作のみによって波長の切替
を行っていたために、チューンのずれやCOD(電子ビ
ームの閉軌道)のずれを生じ、適切なセッティングがな
されないという不具合があった。
【0007】したがって、特殊な波長にチューン条件を
付与して電磁石の磁場強度等を適宜にコントロールする
ような実験的な操作が行われても、スムーズで自動的、
且つ、連続的にFELの波長の切り替えが実用的には行
えないという不都合さがあった。
【0008】蓋し、該FELの波長λは次式(数1)で
表される。
【0009】
【数1】 λ=λw (1+K2 /2)/2γ2 K=93.4B・λw 但し、λはFELの波長であり、λw はアンジュレータ
ーの周期磁場の周期長、Kは該アンジュレーターの磁場
強度に比例した数値でBはアンジュレーターのピーク磁
場強度、γは電子ビームのエネルギーを電子の静止質量
で割ったものである。
【0010】そして、FEL波長は該電子ビームのエネ
ルギーとアンジュレーターの周期磁場の強度によって決
定され、その切り替えをスムーズに行うためには、当該
アンジュレーターの磁場強度と電子ビームのエネルギー
について精度良くコントロールする必要がある。
【0011】しかしながら、電子蓄積リングに於ては、
電子ビームのエネルギーは偏向電磁石の磁場強度によっ
て決定され、しかも、該電磁石の磁場強度は通常印加さ
れる電流値でコントロールされ、そのうえ、当該印加電
流値を基に波長をセッティングした場合、前述した如く
当該電磁石のヒステリシスにより磁場強度が保証され
ず、したがって、該電磁石の磁場強度を精度良くコント
ロールが出来ないがために、FELの波長の切り替えが
スムーズにコントロール出来ないというデメリットがあ
ったものである。
【0012】又、FELのパワーは蓄積電子ビームのエ
ネルギーや共振系の反射ミラーの反射率,透過率等多く
のパラメータにより決定されるため、現在では直接判定
するのが最も良い方法であると言える。
【0013】
【発明の目的】この出願の発明の目的は上述従来技術に
基づく波長の連続可変性のメリットを有するFEL装置
の本来的に優れた利点を有しながら、実用性のある産業
用フオトンのネックとなっている所望の波長を連続的に
切り替えるセッティングが出来ない問題点を解決すべき
技術的課題とし、理論的に分っている電子ビームのエネ
ルギーを変更する方法、及び、アンジュレーターの電子
ビーム軌道上での磁場強度を変更する(アンジュレータ
ーギャップの変更等)方法、及び、双方を組合せた方法
のいずれかを実用化出来るようにし、当該いずれかの方
法を用いる際にもアンジュレーターの縦方向の収束力の
変化によるチューンシフトが生じないようにし、COD
についてはビームポジションモニタリングをボタン電極
等により行って該電子ビームの位置測定を行い、波長に
関する校正データを予め作成してコンピュータに入力し
ておき、それを基に所定のアルゴリズムに従ってチュー
ンやCOD(電子ビームの閉軌道)を更に修正しなが
ら、波長を連続的に切り替えることが出来るようにし、
結果的に所望のFELの波長の切り替えをスムーズに所
望に行えるようにし、更にFELのパワーの制御も出来
るようにして各種産業における電子エネルギー技術利用
分野に益する優れたFEL装置の波長切替方法を提供せ
んとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述目的に沿い先述特許
請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成は、前述
課題を解決するために、電子蓄積リングにアンジュレー
ターを介設したFEL装置の運転パラメータを認識しな
がらFELの波長を所望にセッティングするFEL装置
の波長切替方法において、予め電子ビームの周回軌道チ
ューンを四極電磁石の磁場強度の調整により一定に保
ち、アンジュレーターのCODを許容範囲内に補正しつ
つ作成したアンジュレーターギャップと偏向電磁石の磁
場強度と波長との間の較正データテーブルを利用して上
記チューンをモニタリングし、一定に保つよう補正しつ
つ、併せてアンジュレーターのCODを許容範囲内にす
るように補正しながらアンジュレーターギャップもしく
は偏向電磁石の磁場を所定に変えるようにした制御のア
ルゴリズムに従って波長を徐々に切り替えていくように
することによりFELの波長を連続的に設定時間内で所
望にセッティングするようにすることを第一の基幹とす
るようにする。
【0015】又、電子蓄積リングにアンジュレーターを
介設したFEL装置の運転パラメータを認識しながらF
ELの波長を所望にセッティングするFEL装置の波長
切替方法において、予め電子ビームの周回軌道チューン
を四極電極石の磁場強度の調整により一定に保ち、アン
ジュレーターのCODを許容範囲内に補正しつつ作成し
たアンジュレーターギャップと偏向電磁石の磁場強度と
波長との間の較正データテーブルを利用して上記チュー
ンをモニタリングし、一定に保つよう補正しつつ、併せ
てアンジュレーターのCODを許容範囲内にするように
補正しながらアンジュレーターギャップもしくは偏向電
磁石の磁場を所定に変えるようにした制御のアルゴリズ
ムに従って波長を徐々に切り替えていくようにし、該較
正データテーブルに蓄積電流値とFELパワーのデータ
を加味し波長切り替え中のFELパワーを所望に制御す
るようにすることも可能とし、連続的に設定時間内でF
ELの波長を所望にセッティングするようにすることを
第二の基幹とし、而して、上記電子ビームの周回軌道の
チューンのモニタリングを電子ビームの放射光に対して
フォトダイオードを介して行うようにすることを第2の
基幹とするようにした技術的手段を講じたものである。
【0016】
【作用】而して、上述構成において、SR光やFELを
放射する電子蓄積リングにアンジュレーターを介設した
加速器であって、該FELの波長を所望に連続的に切り
替えするに際し、上述波長切り替えを行う方法について
は蓄積電子ビームのエネルギーのみを変化させる方法、
アンジュレーターの磁場のみを変化させる方法、又、該
電子ビームのエネルギーとアンジュレーターの磁場の双
方を変化させる方法があるものであり、そして、上述3
つの測定制御系については電磁石へ電源を印加するため
の電源の制御も行うコンピューターを介し所定のアルゴ
リズムに従い、当該電磁石へ電源を印加するための電源
の制御も行うコンピューターに予めインプットしてお
き、電子ビームのエネルギーについて蓄積した電子ビー
ムの安定を図るには、パラメータのチューンを固定する
べく、電子ビームの放射光をフォトダイオード等で受光
して電気信号に変換し、その電気信号をFFTアナライ
ザーを介してフーリエ解析により常時モニタリングする
ことで、プローブとして用い、そして、電子蓄積リング
において、当該蓄積した電子ビームのエネルギーについ
てホール素子やNMR等の磁場測定装置により常時偏向
電磁石の磁場を測定し、これまたプローブとして用いる
ようにし、又、アンジュレーターの磁場強度のコントロ
ールについては上下に設置された磁石の間隔をモータ駆
動等により変更することにより行い、COD補正につい
てはビームポジションのモニタリングとしてボタン電極
等を用い補正コイルにより電子ビーム軌道を校正するよ
うし、その際、予め上記インプットされている測定波長
のデータテーブルに従って算出して波長切り替え、及
び、FELパワー制御を行うようにしたものである。
【0017】
【発明が実施しようとする形態】次に、この出願の発明
の実施しようとする形態を実施例の態様として図面を参
照して説明すれば以下の通りである。
【0018】図1,図2に示す実施例において、1はこ
の出願の発明の要旨の中心を成すFEL波長切替方法に
使用する機能を有するSR光やFELを放射する電子蓄
積リング型加速器であり、その電子蓄積リング2にはセ
プタム電磁石3に対し図示しないリニアックから放出さ
れる電子の入射径路4が斜交して臨まされ、続いて後で
詳述する三種類の四極電磁石5,5´ ,5´´偏向電
磁石6等がレーストラック状に配列され、その所定の中
途部にはアンジュレーター7がその延長線上に発振用の
ミラー13,13をセットされてキッカー電磁石8を介
し、更に四極電磁石5,5´ ,5´´や偏向電磁石6
等を設置され、更にRFキャビティ9、及び、RFノッ
クアウト電極10が所定に配列されているものである。
【0019】而して、アンジュレーター7の直前,直後
にはCODのモニタリング用として周公知のボタン電極
11,11が設けられて電子ビームの位置検出器(検波
器等)14に接続され、更に、コンピュータ15に接続
されている。
【0020】又、該コンピュータ15にデータを読み取
るために電気的に接続されているFFTアナライザー
(トラッキングジュネレータ28,FFTアナライザー
本体29を含む)17からはRF出力が増幅器16を介
してRFノックアウト電極10へ送信されるように電気
的に接続されている。
【0021】又、セプタム電磁石3の後段に設けられて
いる偏向電磁石6からの放射光に対してはチューンモニ
タリングヘッド18が設けられて該FFTアナライザー
17へ接続されている。
【0022】而して、図2の実施例に示す様に、蓄積し
た電子ビーム2´ の安定性を保持するためには、チュ
ーンのパラメータを固定することが前述の如く必要であ
るが、当該周知のチューンモニタリング機構については
当該図2に示す様に、偏向電磁石6からの該電子ビーム
2´ から放射される放射光2´´を反射ミラー12を
経てフォーカスレンズ25を介し、フォトダイオード2
6へ入力されて電気変換され、各アンプ27にて出力を
増幅し、各フォトダイオード26からの出力の該アンプ
27を経た後、左右方向のチューン用のアンプ27´
と上下方向のチューン用のアンプ27´´を経てFFT
アナライザー17のFFTアナライザー本体29により
所定にFFT解析される。
【0023】そして、電子ビーム2´ に対し設定チュ
ーンに相当したRFノックアウトを与え共振させるた
め、トラッキングジェネレータ28を経てアンプ27を
通し、その出力の一方側はフェーズコントローラー30
へ、他方側は直接にアンプ27へ出力され、上下、或い
は、左右に電子ビーム2´ にRF振動を効率良く補給
することが出来るようにしておく。
【0024】以上のようにRFノックアウトにより電子
ビーム2´ に振動を与え、その振動に共振した振動を
フォトダイオード26により検出しFFT解析すること
により、常時モニタリングすることが出来、それをチュ
ーンのプローブとして利用する。
【0025】そして、各電磁石へ電源を印加するための
電源の制御も行うコンピュータ15からは図1に示す様
に、偏向電磁石電源19、四極電磁石用電源20,2
1,22、及び、補正コイル22´ 用へと次述データ
信号が入力されて送信されていくようにされている。
【0026】このようにして電子ビーム2´ の放射光
2´´をフォトダイオード26を介し光電変換を介しそ
の電気信号をFFTアナライザー本体29を介しフーリ
エ解析して常時モニタリングすることにより、チューン
のプローブとして使用する。
【0027】しかし、電子ビームを水平方向にフォーカ
スし、垂直方向にデフォーカスする四極電磁石QF5、
及び、該電子ビームを水平方向にデフォーカスし、垂直
方向にはフォーカスする四極電磁石QD5´ 、及び、
第3の四極電磁石QF5´´の印加電流値の制御を介し
てチューンをコントロールし、一定に保持するようにす
るが、前記DBAやTBA等の電磁石の配列の種類によ
る3種の四極電磁石(3種の四極電磁石QF5,5´
´,QD5´ の配列は当業者にとって周知の如く電子
ビームの周回を調整するためである)を有する電子蓄積
リング2にあっては蓄積電子ビームのエネルギー分散に
よる該電子ビームの大きさを決定し、且つ横方向にフォ
ーカスさせる第3の四極電磁石QF5´´の磁場強度も
磁場測定装置によってモニタリングする必要があるが、
これは同じチューンであっても、その値が違う値であれ
ば異なったビームパラメータとなるからである。
【0028】これに対処するには、図3に示す実施例の
如く、蓄積リング2に蓄積された電子ビームのエネルギ
ーのプローブとしての偏向電磁石6、第3の四極電磁石
QF5´´の1つに周知のホール素子やNMR等の磁場
測定装置24,24´ を常設状態にし、該偏向電磁石
6、第3の四極電磁石QF5´´用のコントローラ2
3,23´ を介し電磁石へ電源を印加するための電源
の制御も行うコンピュータ15に電気的に接続し、プロ
ーブとして用いる。
【0029】又、アンジュレーター7の磁場強度のコン
トロールは永久磁石を用いるならば電子ビームが通過す
る磁石間の間隔をモーター等により駆動し、エンコーダ
等によりそのギャップ間隔を測定して制御するようにす
る。
【0030】このように磁場,アンジュレーター7のギ
ャップ,チューン,COD(電子ビームの閉軌道)の4
つの測定、及び、コントロールを行い、コントロールに
関する校正データを予め作成し、これを基に所定のアル
ゴリズムに従ってチューンやCOD(電子ビームの閉軌
道)を更に修正しながら、FELの波長を徐々に切り替
えるように調整するが、波長とアンジュレーターギャッ
プと偏向磁石との関係については表1とは同一内容であ
る。
【0031】そこで、それぞれのパラメータを変更した
時の波長を次の表1に示す様に、可能な限り多く用意
し、それらの各波長の測定には分光器やモノクロメータ
ーを用いて測定し、これらのデータを予め所定のコンピ
ュータのデータバンクに入力しておく。
【0032】更に、各波長の蓄積電流値とFELパワー
の関係も電流モニタ(DCCT)とフォトダイオード等
を用いて測定し、該データバンクに入力しておく。
【0033】
【表1】 次に、FELの波長を切り替えする手段としては基本的
に蓄積された電子ビームのエネルギーのみを変化させ
る手段、アンジュレーターの磁場のみを変化させる手
段、蓄積された電子ビームのエネルギーとアンジュレ
ーターの磁場の両方を変化させる手段の3つがあり、次
にそれらの各手段についてのアルゴリズムを図4,図
5,図6に従って説明する。
【0034】まず、電子ビームのエネルギーのみの変更
による波長切替のチャートを図4により示すと、現在の
波長λ1 、及び、偏向電磁石6の磁場強度B1 (或いは
エネルギー)をコンピュータ15に入力する(実質的に
は波長,磁場強度、アンジュレーター7のギャップのう
ちの2つのパラメータのみで良い)、又、第3の四極電
磁石5´´の磁場強度モニタリングを行い、値のずれが
ないことをチェックしたうえで、新たに切り替えしてセ
ッティングしたい波長λ2 、及び、これに対応した磁場
強度B2 を上述の如くコンピュータ15にインプットさ
れた測定波長の表1のデータテーブルから算出して入力
する。
【0035】次いで、1回当りの偏向電磁石6の磁場強
度の変更幅ΔBを入力する。
【0036】そして、チューンをモニタリングしてフォ
ーカス四極電磁石QF5、及び、デフォーカスする四極
電磁石QD5´ の該両四極電磁石QF5,QD5´ の
値を磁場強度調整変更し、そして、COD補正を行いな
がら、徐々にエネルギーを変更していく。
【0037】そして、この場合、各パラメータの変更の
刻み値は測定された前記表1のデータテーブルの較正デ
ータを用い、データがない場合は補間した値を用い、チ
ューンやCODの補正が許容度を超えた場合はそれぞれ
の修正ループにより値を両四極電磁石QF5,QD5´
の磁場強度の変更を介してチューンを再補正し、修正
していき、それぞれ修正された値は波長についてλ1
らλ2 への修正データとしてデータ記録しておく。
【0038】そして、最終的に偏向電磁石6の磁場強度
をB2 に変更し、変更されてない場合は偏向電磁石6の
磁場強度をΔB変更するループをたどるようにし波長の
連続的切り替えを終了させる。
【0039】次に、アンジュレーターギャップのみを変
更することによる波長切り替えのフローチャートは図5
に示すアルゴリズムの通りであり、現在の波長λ1 、及
び、偏向電磁石6の磁場強度B1 (或いは、エネルギ
ー)をコンピュータ15に入力し、又、第3の四極電磁
石QF5´´の磁場強度をモニタリングし、値ずれがな
いことをチェックしたうえで、次に設定したい波長λ2
をコンピュータに入力し、これに対応したアンジュレー
ターギャップの間隔h2 を予めコンピュータ15に予め
作成しインプットされた表1の測定波長のデータテーブ
ルから算出する。
【0040】次に、1回当りの変更幅Δhを入力し、次
いで、アンジュレーターギャップΔhのみを変更させ
る。
【0041】そして、チューンやCODの補正が許容度
を越えた場合はそれぞれの修正ループにより値を修正
し、それぞれの修正された値は波長λ1 からλ2 への修
正データとしてデータ記録する。
【0042】このようなステップを繰り返しながら、ア
ンジュレーターギャップの値をh2へ変更し、波長λの
切り替えを完了する。
【0043】次に、電子ビームのエネルギー、及び、ア
ンジュレーターギャップの両方を変更する波長切替チャ
ートについてのアルゴリズムは図6に示す通りであり、
上述アルゴリズム同様に現在の波長λ1 、及び、偏向電
磁石6の磁場強度B1 (或いは、エネルギー)を行うコ
ンピュータ15へ入力する。
【0044】又、第3の四極電磁石5´´の磁場強度を
モニタリングし、値ずれがないことをチェックしたうえ
で、次に設定したい波長λ2 、及び、アンジュレーター
ギャップの値h2 、或いは、磁場強度B2 をコンピュー
タ15に入力し、それに対応した偏向電磁石6の磁場強
度B2 、或いは、アンジュレーターギャップ間隔h2
電磁印加カレント用コンピュータに予めインプットされ
た前記表1の測定波長のデータテーブルから算出する。
【0045】そして、それぞれの1回当りの変更幅Δ
h、及び、ΔBを入力する。
【0046】次に、アンジュレーターギャップをh1
らΔhの変更をさせ、チューンやCOD(電子ビームの
閉軌道)の補正が許容度を超えた場合にはそれぞれの修
正ループにより値を修正し、それぞれの修正された値は
波長λ1 からλ2 への修正データとしてデータ記録す
る。
【0047】同様にして修正ループにてCODとチュー
ンの修正を行い、同様にデータ記録をする。
【0048】このようなステップを繰り返し偏向電磁石
6の値をB2 へ、アンジュレーターギャップの値をh2
で変更し、波長切り替えを完了させる。
【0049】尚、図4,5,6に於てQF(図1中
5),QD(図1中5´) はフォーカス四極電磁石、
デフォーカス四極電磁石を示すものである。
【0050】尚、上述3態様において更に連続的にスム
ーズに波長切り替えを行う場合には、以上の試みで修正
されたデータによって行うが、この場合、COD(電子
ビームの閉軌道)やチューンの修正は必要がないため
に、処理スピードの改善に役立つものである。
【0051】このようにしてFELの波長の所望の切替
セッティングが連続的、且つ、自動的にスムーズに可及
的に速やかに行うことが出来る。
【0052】特に、蓄積された電子ビームのエネルギー
とアンジュレーターギャップの両方を変更する方法を用
いれば、現在の蓄積電流値をインプットし、波長切り替
え中のエネルギーとアンジュレーターギャップの変更値
を各波長でのFEL出力データを考慮して決定すること
により、例えば、波長切り替え中、一定のFEL出力が
得られるような波長切り替えが可能となる。
【0053】尚、この出願の発明の実施態様は上述各実
施例に限るものでないことは勿論であり、例えば、チュ
ーンの補正ループやCODの補正ループにPID制御を
用いて独立、或いは、従属的に常時補正し、ループを機
能させておき、それとは独立に上述した3つの手法で波
長を変更する方法も考えられる。(そして、当該図4,
5,6のQF,QDは図1中の5,5´ に示すもので
ある。)
【0054】
【発明の効果】以上、この出願の発明によれば、基本的
に波長が連続的に可変である優れた利点を潜在的に有す
るFELの波長切替について電子蓄積リングに蓄積した
電子ビームのエネルギーを変更する方法やアンジュレー
ターの磁場強度を変更するアンジュレーターギャップ変
更方法、又、双方を組合せた方法等の3態様が理論的に
は考えられてはいるものの、実際には該電子蓄積リング
に蓄積した電子ビームのエネルギーをモニタリングして
偏向電磁石の印加電流値のみを認識しながら、手動操作
によってチューンの変更をしていたために、チューンの
変化やCOD(電子ビームの閉軌道)のずれ等に微妙に
対応出来ず、スムーズな切替が出来なかったものが、波
長に関する校正データテーブルを予め作成し、それを基
に所定の制御のアルゴリズムに従ってチューンやCOD
を調整しながら、波長を徐々に切り替えしていくように
し磁場のギャップ,チューン,COD(電子ビームの閉
軌道)の測定、及び、コントロールを行うことが出来る
ために、波長の所望の切り替えが極めてスムーズに、且
つ、自動的に更に連続的に行え、しかも、FEL出力の
制御も行うことが出来るという優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の1実施例の模式機構図であ
る。
【図2】図1のチューンモニタリングの模式機構図であ
る。
【図3】他の実施例の図1相当の模式機構図である。
【図4】電子ビームのエネルギーのみを変更する場合の
波長切替チャートのアルゴリズムのフローチャート図で
ある。
【図5】アンジュレーターギャップのみを変更する場合
の波長切替チャートのアルゴリズムのフローチャート図
である。
【図6】アンジュレーターギャップ、及び、電子ビーム
のエネルギーを変更する波長アンジュレーターチャート
のアルゴリズムのフローチャート図である。
【符号の説明】
1 FEL装置 2 電子蓄積リング 2´ ビーム 2´´ 放射光 3 セプタム電磁石 4 ビーム入射経路 5 フォーカス四極電磁石 5´ デフォーカス四極電磁石 5´´ 第3の四極電磁石 6 偏向電磁石 7 アンジュレーター 8 キッカー電磁石 9 RFキャビティ 10 RFノックアウト電極 11 ボタン電極 12 反射ミラー 13 FEL共振ミラー 14 ビーム位置検出器(検波器等) 15 コンピュータ 16 増幅器 17 FFTアナライザー(トラッキングジェネレ
ータを含む) 18 チューンモニタリングヘッド 19 偏向電磁石電源 20,21,22 四極電磁石用電源 22´ 補正コイル用電源 23,23´ 磁場測定装置コントローラ 24 磁場測定装置 25 フォーカスレンズ 26 分割フォトダイオード 27 アンプ 27´ 差分アンプ 28 トラッキングジェネレータ 29 FFTアナライザー 30 フェーズコントローラ 12,13 反射ミラー
フロントページの続き (72)発明者 濱田 信治 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 山崎 鉄夫 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 工業 技術院 電子技術総合研究所内 (72)発明者 山田 家和勝 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 工業 技術院 電子技術総合研究所内 審査官 山下 崇 (56)参考文献 特開 平6−326422(JP,A) 特開 平5−47500(JP,A) 特開 平6−294900(JP,A) Ohgaki et al,”Pro ceedings of the 7t h Symposium on Acc elerator Science a nd Technology”,Res earch Center for N uclear Physics OSA KA Univ.,Dec.1989.p. 284−286 横山稔、外7名、”自由電子レーザ発 振技術の研究(第1報)−可視域での発 振について−”、川崎重工技報、平成5 年4月、第117号、p.1−10 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/30 G21K 5/00 H05H 13/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子蓄積リングにアンジュレーターを介設
    したFEL装置の運転パラメータを認識しながらFEL
    の波長を所望にセッティングするFEL装置の波長切替
    方法において、予め電子ビームの周回軌道チューンを四
    極電極石の磁場強度の調整により一定に保ち、アンジュ
    レーターのCODを許容範囲内に補正しつつ作成したア
    ンジュレーターギャップと偏向電磁石の磁場強度と波長
    との間の較正データテーブルを利用して上記チューンを
    モニタリングし、一定に保つよう補正しつつ、併せてア
    ンジュレーターのCODを許容範囲内にするように補正
    しながらアンジュレーターギャップもしくは偏向電磁石
    の磁場を所定に変えるようにした制御のアルゴリズムに
    従って波長を徐々に切り替えていくようにすることによ
    りFELの波長を連続的に設定時間内で所望にセッティ
    ングするようにすることを特徴とするFEL装置の波長
    切替方法。
  2. 【請求項2】電子蓄積リングにアンジュレーターを介設
    したFEL装置の運転パラメータを認識しながらFEL
    の波長を所望にセッティングするFEL装置の波長切替
    方法において、予め電子ビームの周回軌道チューンを四
    極電極石の磁場強度の調整により一定に保ち、アンジュ
    レーターのCODを許容範囲内に補正しつつ作成したア
    ンジュレーターギャップと偏向電磁石の磁場強度と波長
    との間の較正データテーブルを利用して上記チューンを
    モニタリングし、一定に保つよう補正しつつ、併せてア
    ンジュレーターのCODを許容範囲内にするように補正
    しながらアンジュレーターギャップもしくは偏向電磁石
    の磁場を所定に変えるようにした制御のアルゴリズムに
    従って波長を徐々に切り替えていくようにし、該校正デ
    ータテーブルに蓄積電流値とFELパワーのデータを加
    味し波長切り替え中のFELパワーを所望に制御するよ
    うにすることも可能とし、連続的に設定時間内でFEL
    の波長を所望にセッティングするようにすることを特徴
    とするFEL装置の波長切替方法。
  3. 【請求項3】上記電子ビームの周回軌道のチューン
    ニタリングを電子ビームの放射光に対してフォトダイオ
    ードを介して行うようにすることを特徴とする請求項
    1,2いずれか記載のFEL装置の波長切替方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Ohgaki et al,"Proceedings of the 7th Symposium on Accelerator Science and Technology",Research Center for Nuclear Physics OSAKA Univ.,Dec.1989.p.284−286
横山稔、外7名、"自由電子レーザ発振技術の研究(第1報)−可視域での発振について−"、川崎重工技報、平成5年4月、第117号、p.1−10

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