JP2967894B2 - 沈降式分級方法及び装置 - Google Patents

沈降式分級方法及び装置

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JP2967894B2
JP2967894B2 JP12574393A JP12574393A JP2967894B2 JP 2967894 B2 JP2967894 B2 JP 2967894B2 JP 12574393 A JP12574393 A JP 12574393A JP 12574393 A JP12574393 A JP 12574393A JP 2967894 B2 JP2967894 B2 JP 2967894B2
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靖司 河野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、沈降式分級方法及び装
置に係り、詳しくは液体中に混入された被分級物の終端
速度の差を利用して、多種類の分級物を多量に分級する
沈降式分級方法及び装置に関し、特に細胞塊等の分級に
好適な沈降式分級方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、粉粒体状の微小物体を選別す
る方法として、篩を用いた篩分けの方法、あるいは遠心
分離器による方法、又は流体中における沈降速度の差を
利用して物体を大きさ又は密度の異なる群に分級する分
級装置を用いた方法等が考えられている。
【0003】例えば、特公昭52−47715号及び特
開平2−247541号に記載の発明は、遠心分離器を
用いて精密な分級を可能としている。しかし、この方法
は回分法であるため連続的な選別はできず、また細胞塊
を分級するような場合には、遠心分離器へ出し入れする
際に雑菌や不純物に汚染される虞もある。
【0004】また、次のような分級装置も提案されてい
る。すなわち、実開昭63−99259号記載の考案
は、分級槽内で物体を自由落下させ、槽の底に設置され
た巻取りベルトにより、ベルト上に落下した物体から順
に取り出し分級を行う装置である。しかしながら、この
装置では連続的な分級は不可能であり、ベルトより分級
した物体を取り出すのに手間がかかるため、大量に分級
することもできない。また、ベルトの巻取り部分から発
生する油分、金属粉等の不純物が混入する可能性があ
り、細胞塊の分級には不適当である。
【0005】このような問題が生じないものとして、特
公平3−99号、特開昭59−196760号及び特開
平3−178352号に記載の発明がある。特公平3−
99号記載の発明は、分級する物体を含む物体群を流体
中に分散させた分散液を底部が上下に摺動できるピスト
ンを備えた容器中に入れ、一定の速度でその容器の底部
を押し上げることにより、乱流を防止した上昇流を作り
出し、その押し上げ速度より小さい沈降速度を有する粒
子を容器上部より溢流させることにより高精度な分級を
行えるようになっている。
【0006】また、特開昭59−196760号及び特
開平3−178352号に記載の発明は、流体の密度を
調整することにより、調整した密度より大きな密度をも
つ物体を沈降させ、小さな密度をもつ物体を浮上させ、
二群に分級するものである。また更に、特公昭57−5
582号は微小物体を含む懸濁液を槽内で静置し、沈降
させ、懸濁液抜き出し管により抜き出し、分級する方法
である。上述したものは、いずれも被分級物を二群に分
流するものである。
【0007】特公昭53−16933号に記載の発明
は、直立円筒体と拡開円筒体とを交互に組み合わせたも
ので、その構造により乱流を防ぎ、かつ多群に分級でき
るようにしたものである。
【0008】また更に、実開昭58−166882号に
記載の考案は、粉粒物の分級装置であって、流れる気体
中に上部から被分級物である粉粒物を供給し、粉粒物の
降下速度差を利用して、落下位置の違いにより分級する
ものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法の多くは物体を二群に分けるだけであり、細胞塊
を生育段階毎に多群に分けるような分級はできず、また
管内に乱流が発生するため、細胞塊などのような物体に
適した分級精度は期待できない。また、特公昭53−1
6933号に記載の発明は、物体の回収口の入り口が狭
く、また拡開円筒体部で管内流速と等しい沈降速度であ
る物体は回収できないため、全体的に物体の回収効率が
悪く、大量に分級できないという問題がある。また、実
開昭58−166882号に記載の考案は、分級する物
体にかかる風力,重力,摩擦抵抗が分級中に釣り合わな
いため、物体は曲線を描いて落下するので、落下軌跡が
不安定となり落下位置が正確に把握できず分級精度がで
ない。また、細胞塊のように培養液中にて培養・生育さ
せるものでは、分級・選別も液体中で行う必要があり、
この装置のような気体中での分級は適さない。
【0010】本発明は、細胞塊等のように生育段階毎に
種々の群が存在する被分級物を多群に、かつ多量に分級
できる沈降式分級装置の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した本発
明に係る沈降式分級方式は、管内を水平方向の一端側か
ら他端側に向かって等速で水平に流れる層流を、被分級
物が混入された液体により前記管内に発生させ、前記
体中を沈降していく被分級物の終端速度に基づく落下位
置の違いにより被分級物を前記管内で分級するようにし
たことを特徴としている。
【0012】また、請求項2に記載した本発明に係る沈
降式分級方式は、管内に発生させた、該管内の水平方向
の一端側から他端側に向かって等速で水平に流れる液体
の層流中に、被分級物を落とし、前記液体中を沈降して
いく被分級物の終端速度に基づく落下位置の違いにより
被分級物を前記管内で分級するようにしたことを特徴と
している。
【0013】また、請求項3に記載した本発明に係る沈
降式分級装置は、軸方向が水平に配置された円筒状の分
級槽と、該分級槽の下部軸方向に配列され、弁を開とす
ることにより他の装置と連通する複数の仕切部と、該分
級槽の一方の開口部端に接続され、側面視、上部が一定
の高さに保たれ、下部が外方に向かって斜めに立ち上が
り、先端部が開口した第1の斜円錐状管路と、該分級槽
の他方の開口部端に接続され、側面視、下部が一定の高
さに保たれ、上部が外方に向かって斜めに立ち下がり、
先端部が開口した第2の斜円錐状管路とを備え、前記第
1の斜円錐状管路の先端部から前記一方の開口部端を経
て前記分級槽内に被分級物の混入液体を流入させ、前記
他方の開口部端を経て前記第2の斜円錐状管路の先端部
から前記分級槽の外部に液体を流出させるようにしたこ
とを特徴としている。
【0014】また、請求項4に記載した本発明に係る沈
降式分級装置は、軸方向が水平に配置された円筒状の分
級槽と、該分級槽の下部軸方向に配列され、弁を開とす
ることにより他の装置と連通する複数の仕切部と、該分
級槽の一方の開口部端に接続され、外方に向かって細く
なり、先端部が開口した第1の円錐状管路と、該分級槽
の他方の開口部端に接続され、外方に向かって細くな
り、先端部が開口した第2の円錐状管路と、前記分級槽
の前記一方の開口部端近傍に配置された整流格子とを備
え、前記第1の円錐状管路の先端部から前記一方の開口
部端を経て前記分級槽内に流入させる液体を前記整流格
子により、前記分級槽内を前記一方の開口部端から前記
他方の開口部端に向かって等速で水平に流れる層流と
し、前記他方の開口部端を経て前記第2の円錐状管路の
先端部から前記分級槽の外部に液体を流出させるように
するとともに、前記分級槽の前記一方の開口部端近傍の
上部に設けた投入口から前記分級槽内に被分級物を投入
するようにしたことを特徴としている。
【0015】また更に、請求項5に記載した本発明に係
る沈降式分級方法や請求項6に記載した本発明に係る沈
降式分級装置は、請求項1又は2に記載した本発明に係
る沈降式分級方法や請求項3又は4に記載した本発明に
係る沈降式分級装置で分級する被分級物は細胞塊である
ことを特徴としている。
【0016】
【作用】請求項1又は2に記載した本発明に係る沈降式
分級方法では、管内において被分級物が、その被分級物
にかかる重力,浮力,液体との摩擦抵抗の相互関係によ
り定まる速度で液体中を沈降していく。この速度を終端
速度といい、被分級物の密度,質量,体積,形状等の相
違によって異なる。そして、上述のように、被分級物が
混入されて管内を水平方向の一端側から他端側に向かっ
て流れる液体や、被分級物が落される管内に水平方向の
一端側から他端側に向かって流される液体が、等速の層
流とされることから、管内における被分級物の沈降位置
が異なっても、被分級物にかかる重力,浮力,液体との
摩擦抵抗の相互関係が常に同じとなり、したがって被分
級物は、終端速度と液体の流速とにより定まる傾斜で
め下方に直線状の軌跡を描いて落下する。この落下位置
の違いにより被分級物は、その密度,質量等の差に応じ
分級される。
【0017】また請求項3に記載した本発明に係る沈降
式分級装置では、先端部から第1の斜円錐状管路の内部
に被分級物の混入液体を流入させると、第1の斜円錐状
管路の内部が次第に拡開していることから、水平方向に
おける混入液体の流速が漸減する。しかも、第1の斜円
錐状管路の上部が一定の高さに保たれ、下部が分級槽に
向かって斜めに立ち下がるように傾斜していることか
ら、混入液体にかかる重力は、その混合液体を鉛直方向
に分散させるように作用する。したがって、第1の斜円
錐状管路内に流入した混入液体は、分級槽の一方の開口
部端に対する接続部分に達する頃には、鉛直方向のどの
地点においても水平方向における流速が一定な層流とな
り、この層流となった混入液体が一方の開口部端から分
級槽内に流入することになる。そして、この層流となっ
た分級槽内の混入液体中の被分級物は、その終端速度の
差に従って、分級槽の下部軸方向に配列された仕切部に
順に入る。これらの仕切部に繋がる弁を開とすることに
より、仕切部内に分級されて入った被分級物は他の装置
へと運ばれる。
【0018】また更に、請求項4に記載した本発明に係
る沈降式分級装置では、先端部から第1の斜円錐状管路
の内部に被分級物の混入液体を流入させると、第1の斜
円錐状管路の内部が次第に拡開することから水平方向に
おける混入液体の流速が漸減する。そして、一方の開口
部端から分級槽内に流入した混入液体は、一方の開口部
端近傍に配置された整流格子により整流されて、鉛直方
向のどの地点においても水平方向における流速が一定な
層流とされ、この層流となった混入液体が他方の開口部
端に向かって分級槽内を流れることになる。そして、こ
の層流となった混入液体が流れる分級槽の前記一方の開
口部端近傍の上部に設けた投入口から被分級物を投入す
ると、被分級物は整流格子により乱流の少ない液体中を
一定の速度で沈降し、分級槽の下部軸方向に配列された
仕切部に順に入る。これらの仕切部に繋がる弁を開とす
ることにより、仕切部内に分級されて入った被分級物は
他の装置へと運ばれる。また、請求項5に記載した本発
明に係る沈降式分級方法や、請求項6に記載した本発明
に係る沈降式分級装置では、被分級物を分級する管や分
級槽の内部における被分級物の移送を液体により行うこ
とから、被分級物が細胞塊のように培養液中にて培養・
生育させるものであっても、その培養液を被分級物の搬
送用の液体とすることが可能となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。その前に、重力を用いた沈降分級装置の原理につい
て説明する。物体を静止液体中で自由落下させたとき、
物体にかかる重力,浮力,流体との摩擦抵抗が釣り合
い、やがて物体は等速で落下するようになる。この速度
を終端速度といい、物体の質量,体積,密度,形状等の
性質によって異なる。この操作を、水平方向に一定で、
流路内のどの場所でも同じ流速である水平方向に延びた
管路内にて行うと、終端速度に差がある2物体は、図3
に示すように、落下開始位置から落下終了位置までの水
平移動距離に差が生じる。このときに生じる水平移動距
離の差により物体を分級することが重力を用いた沈降式
分級方法である。
【0020】図1には、本発明に係る沈降式分級装置の
第1の実施例が示されている。図において、4は軸方向
が水平に配置された内側が滑らかな円筒状の分級槽であ
り、該分級槽4の一方の開口部端には、側面視、上部が
一定の高さに保たれ、下部が外方に向かって斜めに立ち
上がり、先端部2aが開口した第1の斜円錐状管路2
が、フランジ5を利用してビスで取付けられている。こ
の第1の斜円錐状管路2は、先端部2aから見ると液体
が乱流にならない程度に分級槽4に向かって次第に拡開
している。
【0021】この第1の斜円錐状管路部2の先端部2a
には、ユニオン3を用いてパイプ1が着脱可能に取り付
けられており、該パイプ1には分級を行う細胞塊の微小
物体を含む懸濁液を送り込むためのポンプ等が接続され
ている。分級槽4の下部には下方に狭くなる筒状の仕切
部6(6a,6b,・・)が分級槽4の軸方向に配列さ
れており、これら仕切部6の最下部にはそれぞれハーフ
ユニオン7が接続されていて、それぞれシリコン等のチ
ューブ8が簡単に着脱できるようになっている。なお、
シリコン等のチューブ8の開閉をピンチコック9にて行
われる。
【0022】また、分級槽4の他方の開口部端には、乱
流にならない程度に内側が滑らかで、側面視、上部が外
方に向かって斜めに立ち上がり、下部が一定の高さに保
たれ、先端部10aが開口した第2の斜円錐状管路10
が、フランジ11を利用してビス止め11されている。
この第2の斜円錐状管路10の先端部10aには、ユニ
オン12にてパイプ13が着脱可能に取付けられてい
る。
【0023】次に、この装置の動作について説明する。
分級する微小物体を細胞塊として、液体を培養液などの
密度が1g/cm3 の液とするとき、培養タンクからパイ
プ1内を一定流量で液体とともに流れてきた細胞塊は、
先ず第1の斜円錐状管路2に入る。液体は密度が1g/
cm3 であり、また細胞塊の密度は1g/cm3 をわずかに
上回る程度なので、本例液体中では細胞塊にかかる重力
と浮力と摩擦抵抗が即座に釣合い、鉛直方向の動きのみ
に注目すると、落下開始直後に等速となって落下する。
なお、このときの細胞塊の速度を終端速度と呼ぶ。
【0024】第1の斜円錐状管路2中で、細胞塊は鉛直
方向に等速で落下するが、管路が次第に拡開しているた
め液体は水平方向の流速は漸減するので、細胞塊は図の
ように放物線を描いて落下する。細胞塊が第1の斜円錐
状管路2から分級槽4に入ると、分級槽4では槽内のど
の地点でも水平方向に一定で等しい流速で流れるため、
細胞塊は図のような斜め下向きの直線を描いて落下し、
分級槽4の下部の仕切部6内に入り、シリコンチューブ
8を通り、それぞれ次の工程へ輸送される。このとき、
終端速度の速い、形状の大きな細胞塊ほど図において左
側の仕切部6aの方へ入り、終端速度の遅い、形状の小
さな細胞塊ほど右側の仕切部6dの方へ入り、細胞塊の
大きさ、生育段階により分級できる。仕切部6d内に入
らないほど終端速度の遅い細胞塊は液体とともに第2の
斜円錐状管路10、パイプ13を通り培養タンクへ戻さ
れ、再び培養される。
【0025】以上のことから、本発明実施例の沈降式分
級方法及び装置を用いることにより、微小物体を連続し
て大量に多群に分級可能となる。また、分級は外部と隔
離された管路内で行われるため雑菌や不純物に汚染され
ることがなく、また装置は分解可能であるため装置の洗
浄、滅菌が簡単に行えることから細胞塊等の物体にも有
効である。また、流体として液体を用いているため、気
体のように分級する物体にかかる風力,重力,摩擦抵抗
が分級中に釣り合わず物体が曲線を描いて落下し、落下
軌跡が不安定となって、落下位置が正確に把握できず分
級精度がでないという欠点がない。また、細胞塊のよう
に培養液中にて培養・生育させるものでは、分級・選別
も液体中で行う必要があるので、本実施例のような装置
が分級に好適である。
【0026】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。なお、第1の実施例で説明したものと同一または
相当する部分には同一符号を付す。図2には、本発明に
係る沈降式粉流物分級装置の第2の実施例が示されてい
る。図において、4は軸方向が水平に配置された内側が
滑らかな円筒状の分級槽であり、該分級槽4の一方の開
口部端には、外方に向かって細くなり、先端部15aが
開口した第1の円錐状管路15がフランジ5を利用して
ビスで取付けられている。この第1の斜円錐状管路15
は、先端部15aから見ると液体が乱流にならない程度
に分級槽4に向かって次第に拡開している。
【0027】また、該分級槽4の他方の開口部端には、
外方に向かって細くなり、先端部17aが開口した第2
の円錐状管路17がフランジ5を利用してビスで取付け
られている。この第2の斜円錐状管路17も、先端部1
7aから見ると液体が乱流にならない程度に分級槽4に
向かって次第に拡開している。
【0028】前記第1の斜円錐状管路15の先端部15
aには、ユニオン3を用いてパイプ1が着脱可能に取り
付けられており、前記第2の斜円錐状管路17の先端部
17aにも、ユニオン12によりパイプ13が接続され
ていて、該パイプ13は一周して前記パイプ1と接続さ
れているが、パイプ13→パイプ1のライン中に順にド
レイン18、ポンプ19、流量調整バルブ20、流量計
21が接続されている。
【0029】また、前記分級槽4の前記一方の開口部端
近傍には整流格子16が配置されており、該整流格子1
6は極めて薄い材料にて格子状に形成されていて、着脱
可能な嵌め込み式にて取り付けられている。該整流格子
16は、前記第1の円錐状管路15から流入した液体を
整流して乱流とならないようにするものである。また、
分級槽4の前記一方の開口部端近傍の上部には被分級物
を投入するための投入孔4aが設けられており、該投入
孔4aには、鉛直方向に延びたパイプ27がユニオン2
8を用いて接続されている。該パイプ27の中間にはボ
ールバルブ(ON、OFFバルブ)29が配置されてお
り、上端部には分級を行う細胞塊等の微小物体を含む懸
濁液が入った容器(不図示)が接続されている。図4に
は、本装置の具体的な形状が示されており、(a)は平
面図、(b)は側面図であり、図2に示す符号を付して
説明を省略する。
【0030】また、分級槽4の下部には、実施例1の場
合と同様、下方に狭くなる筒状の複数個仕切部6(6
a,6b,・・)が設けられており、これら仕切部6の
最下部にはそれぞれハーフユニオン7が接続されてい
て、それぞれシリコン等のチューブ8が簡単に着脱でき
るようになっている。なお、シリコン等のチューブ8の
開閉をピンチコック9にて行われる。シリコン等のチュ
ーブ12のもう一方の端はそれぞれ各次工程と接続され
ている。
【0031】次に、この装置の動作について説明する。
装置内は液体で満たされ、その液体はポンプ19にて装
置内を循環する。流れの向きは分級槽4内では図におい
て左から右である。また、分級槽4内の流速はポンプ1
9の下流の流量調整バルブ20により制御され、その速
度は流量調整バルブ20下流の流量計21の値を測定す
ることにより知ることができる。また、分級槽4内の液
体が管路の急拡大、急縮小により乱流になるのを防止す
るため、分級槽4の左右に第1の円錐状管路15、第2
の円錐状管路17を接続し、更に整流格子16にて分級
槽4内の流れをどの地点であっても水平方向で一定で等
しい流速に保っている。また、装置は洗浄、滅菌が容易
に行えるよう、部品は着脱可能となっている。
【0032】例として分級を行う微小物体を細胞塊、液
体を培養液として説明する。先ず、細胞塊はパイプ27
を自由落下して、分級槽4に供給される。このとき、液
体である培養液と細胞塊の密度の関係は細胞塊の方が培
養液より若干密度が大であるため液体内を落下する細胞
塊は落下直後に細胞塊にかかる重力と浮力と摩擦抵抗力
が釣合い即座に等速で落下する。この時の速度を終端速
度と呼ぶ。
【0033】細胞塊はパイプ27中を落下して分級槽4
内に落下した時点には終端速度に達し、以後等速で落下
する。分級槽4内では、液体は水平方向に一定流速で流
れているため、分級槽4内に入った細胞塊は図のように
斜め下向きの直線を描いて落下し、分級槽4下部の仕切
部6(6a,6b,・・・)に入り、分級される。この
とき、終端速度の速い形状の大きな細胞塊ほど、左の仕
切部6aの方へ入り、終端速度の遅い形状の小さな細胞
塊になるにつれて右の仕切部6bの方へ入るようにな
る。このようにして、細胞塊を形状の大きさ、すなわち
生育段階により分級選別できる。各仕切部6内に入った
細胞塊はシリコン等のチューブ8を通ってそれぞれ次工
程に移される。
【0034】図4に示すように、分級槽4内部の直径を
R、液体の流速をV、分級する微小物体の鉛直下向きの
終端速度U、微小物体の水平方向の移動距離をX、微小
物体が落下するのにかかる時間(水平移動距離Xに達す
るまでの時間)をtとすると、微小物体は水平、鉛直方
向共に等速で移動するため、 t=R/U ・・・・・・・・ t=X/V ・・・・・・・・ の関係にある。
【0035】上記,より水平移動距離Xは、 X=RV/U・・・・・・・・ となる。したがって、微小物体の水平移動距離は、分級
槽4内部の直径と流速、物体の終端速度が分かれば、計
算により簡単に求められる。このため、分級を行う物体
の終端速度が分かれば、計算により分級に最適な分級槽
4の直径、水平方向の長さ、流速、仕切部6を設けるた
めの仕切り板の位置を設定してやることができる。
【0036】次に、この装置を用いて行った実験例を図
5を参照して説明する。 (実験例)長軸長が1〜4mmのニンジン不定胚(ニン
ジンの生体の一部を切取り、培養することにより生じた
将来芽と根になる部分を持つ細胞塊)を長軸長1〜2m
m,2〜3mm,3〜4mmの3群のニンジン不定胚に
分級するとする。この分級を行うのに、分級槽4内部の
直径を300mm、流速を3mm/sec、液体を0.1
%アルギン酸ナトリウム水溶液とした。先ず、長軸長1
〜2mm,2〜3mm,3〜4mmのニンジン不定胚の
終端速度はそれぞれ平均1.772 、2.443 、3.503 mm/
secであるので、前述の式より水平移動距離はそれぞ
れ507.9 、368.4 、256.9 mmである。このことから、
仕切部6を設けるための仕切り板の位置をパイプ27の
中心より256.9 〜368.4 mmの中央と、368.4 〜507.9
mmの中央とに設けた。これによりに、生育の揃った3
群の不定胚を得ることができた。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載し
た本発明に係る沈降式分級方法によれば、管内を水平方
向の一端側から他端側に向かって等速で水平に流れる層
流を、被分級物が混入された液体により前記管内に発生
させ、前記液体中を沈降していく被分級物の終端速度に
基づく落下位置の違いにより被分級物を前記管内で分級
するようにし、また、請求項2に記載した本発明に係る
沈降式分級方法によれば、管内に発生させた、該管内の
水平方向の一端側から他端側に向かって等速で水平に流
れる液体の層流中に、被分級物を落とし、前記液体中を
沈降していく被分級物の終端速度に基づく落下位置の違
いにより被分級物を前記管内で分級するようにした。
のため、被分級物が混入されて管内を水平方向の一端側
から他端側に向かって流れる液体や、被分級物が落され
る管内に水平方向の一端側から他端側に向かって流され
る液体を、鉛直方向における管内のどの地点においても
水平方向における流速が一定な層流として、被分級物を
その密度,質量等の差に応じて正確に、多群に、かつ多
量に分級することができる。 また、請求項3に記載した
本発明に係る沈降式分級方法によれば、軸方向が水平に
配置された円筒状の分級槽と、該分級槽の下部軸方向に
配列され、弁を開とすることにより他の装置と連通する
複数の仕切部と、該分級槽の下部軸方向に配列され、弁
を開とすることにより他の装置と連通する複数の仕切部
と、該分級槽の一方の開口部端に接続され、側面視、上
部が一定の高さに保たれ、下部が外方に向かって斜めに
立ち上がり、先端部が開口した第1の斜円錐状管路と、
該分級槽の他方の開口部端に接続され、側面視、下部が
一定の高さに保たれ、上部が外方に向かって斜めに立ち
下がり、先端部が開口した第2の斜円錐状管路とを備
え、前記第1の斜円錐状管路の先端部から前記一方の開
口部端を経て前記分級槽内に被分級物の混入液体を流入
させ、前記他方の開口部端を経て前記第2の斜円錐状管
路の先端部から前記分級槽の外部に液体を流出させるよ
うにした。 このため、上部が一定の高さに保たれ、下部
が分級槽に向かって斜めに立ち下がるように傾斜した第
1の斜円錐状管路内に流入した混入液体を、分級槽の一
の開口部端に対する接続部分に達する頃に、鉛直方向
のどの地点においても水平方向における流速が一定な層
流として、被分級物をその密度,質量等の差に応じて正
確に、多群に、かつ多量に分級することができる。 さら
に、請求項4に記載した本発明の沈降式分級方法によれ
ば、軸方向が水平に配置された円筒状の分級槽と、該分
級槽の下部軸方向に配列され、弁を開とすることにより
他の装置と連通する複数の仕切部と、該分級槽の一方の
開口部端に接続され、外方に向かって細くなり、先端部
が開口した第1の円錐状管路と、該分級槽の他方の開口
部端に接続され、外方に向かって細くなり、先端部が開
口した第2の円錐状管路と、前記分級槽の前記一方の開
口部端近傍に配置された整流格子とを備え、前記第1の
円錐状管路の先端部から前記一方の開口部端を経て前記
分級槽内に流入させる液体を前記整流格子により、前記
分級槽内を前記一方の開口部端から前記他方の開口部端
に向かって等速で水平に流れる層流とし、前記他方の開
口部端を経て前記第2の円錐状管路の先端部から前記分
級槽の外部に液体を流出させるようにするとともに、前
記分級槽の前記一方の開口部端近傍の上部に設けた投入
口から前記分級槽内に被分級物を投入するようにした。
このため、第1の斜円錐状管路から一方の開口部端を経
て分級槽内に流入した混入液体を、一方の開口部端近傍
に配置された整流格子により整流して、鉛直方向のどの
地点においても水平方向における流速が一定な層流と
し、被分級物をその密度,質量等の差に応じて正確に、
多群に、かつ多量に分級することができる。 また更に、
請求項5に記載した本発明に係る沈降式分級方法や請求
項6に記載した本発明に係る沈降式分級装置によれば、
請求項1又は2に記載した本発明に係る沈降式分級方法
や請求項3又は4に記載した本発明に係る沈降式分級装
置で分級する被分級物は細胞塊であるものとした。 この
ため、培養液中にて培養・生育させる細胞塊が被分級物
であっても、その培養液を被分級物の搬送用の液体とし
て分級を行い、雑菌等の不純物による細胞塊の汚染を防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の側面図である。
【図2】本発明の第2の実施例の側面図である。
【図3】沈降による分級原理を説明する図である。
【図4】第2の実施例に係る沈降式分級装置の具体的外
観を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図であ
る。
【図5】図2に示す第2の実施例の原理を説明する図で
ある。
【図6】実験例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 パイプ 2 第1の斜円錐状管路 3 ユニオン 4 分級槽 4a 投入孔 5 フランジ 6 仕切 7 ハーフユニオン 8 シリコンチューブ 9 ピンチコック 10 第2の斜円錐状管路 11 フランジ 12 ユニオン 13 パイプ 15 第1の円錐状管路 16 整流格子 17 第2の円錐状管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−25557(JP,A) 特開 昭53−32469(JP,A) 特開 昭62−193661(JP,A) 特開 昭54−62568(JP,A) 実開 平1−107439(JP,U) 特公 昭40−16588(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B03B 1/00 - 13/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管内を水平方向の一端側から他端側に向
    かって等速で水平に流れる層流を、被分級物が混入され
    た液体により前記管内に発生させ、 前記 液体中を沈降していく被分級物の終端速度に基づく
    落下位置の違いにより被分級物を前記管内で分級するよ
    うにしたことを特徴とする沈降式分級方法。
  2. 【請求項2】 管内に発生させた、該管内の水平方向の
    一端側から他端側に向かって等速で水平に流れる液体の
    層流中に、被分級物を落とし、前記 液体中を沈降していく被分級物の終端速度に基づく
    落下位置の違いにより被分級物を前記管内で分級するよ
    うにしたことを特徴とする沈降式分級方法。
  3. 【請求項3】 軸方向が水平に配置された円筒状の分級
    槽と、 該分級槽の下部軸方向に配列され、弁を開とすることに
    より他の装置と連通する複数の仕切部と、 該分級槽の一方の開口部端に接続され、側面視、上部が
    一定の高さに保たれ、下部が外方に向かって斜めに立ち
    上がり、先端部が開口した第1の斜円錐状管路と、 該分級槽の他方の開口部端に接続され、側面視、下部が
    一定の高さに保たれ、上部が外方に向かって斜めに立ち
    下がり、先端部が開口した第2の斜円錐状管路とを備
    え、 前記第1の斜円錐状管路の先端部から前記一方の開口部
    端を経て前記分級槽内に被分級物の混入液体を流入さ
    せ、前記他方の開口部端を経て前記第2の斜円錐状管路
    の先端部から前記分級槽の外部に液体を流出させるよう
    にしたことを特徴とする沈降式分級装置。
  4. 【請求項4】 軸方向が水平に配置された円筒状の分級
    槽と、 該分級槽の下部軸方向に配列され、弁を開とすることに
    より他の装置と連通する複数の仕切部と、 該分級槽の一方の開口部端に接続され、外方に向かって
    細くなり、先端部が開口した第1の円錐状管路と、 該分級槽の他方の開口部端に接続され、外方に向かって
    細くなり、先端部が開口した第2の円錐状管路と、 前記分級槽の前記一方の開口部端近傍に配置された整流
    格子とを備え、 前記第1の円錐状管路の先端部から前記一方の開口部端
    を経て前記分級槽内に流入させる液体を前記整流格子に
    より、前記分級槽内を前記一方の開口部端から前記他方
    の開口部端に向かって等速で水平に流れる層流とし、前
    記他方の開口部端を経て前記第2の円錐状管路の先端部
    から前記分級槽の外部に液体を流出させるようにすると
    ともに、前記分級槽の前記一方の開口部端近傍の上部に
    設けた投入口から前記分級槽内に被分級物を投入するよ
    うにしたことを特徴とする沈降式分級装置。
  5. 【請求項5】 前記被分級物が細胞塊であることを特徴
    とする請求項1又は2記載の沈降式分級方法
  6. 【請求項6】 前記被分級物が細胞塊であることを特徴
    とする請求項3又は4記載の沈降式分級装置。
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