JP2967000B2 - 車両用連結装置の伸縮装置 - Google Patents

車両用連結装置の伸縮装置

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JP2967000B2 JP4105665A JP10566592A JP2967000B2 JP 2967000 B2 JP2967000 B2 JP 2967000B2 JP 4105665 A JP4105665 A JP 4105665A JP 10566592 A JP10566592 A JP 10566592A JP 2967000 B2 JP2967000 B2 JP 2967000B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば磁気浮上式車
両、鉄道車両の車両用連結装置の伸縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記磁気浮上式車両(以下、単に車両と
いう。)は、図4に示すように地上側に設置されている
推進1次コイル1と車両2、3側に設けられている推進
2次コイル4の反発力及び吸引力によって図4の右方向
に走行する。ただし、走行中に所定の推進力や制動力を
得るためには、推進1次コイル1と推進2次コイル4の
走行方向の取り付け位置の精度を或る一定の許容値(2
4mm程度)以下とする必要がある。
【0003】しかし、車両2、3は、軽量化の為にアル
ミ等により製作されており、例えば夏期と冬期による温
度変化の為に1車両当たり最大15mm程度伸縮する。
従って、車両2、3が例えば12両編成とされると、こ
の12両編成された車両の伸縮の幅は180mmとな
り、許容値の24mmを大きく上回る車両が発生すると
いう問題があった。
【0004】そこで、この問題を解決することを目的す
る車両の連結装置が特開平2−258470号公報に開
示されている。この連結装置は、図5に示すように互い
に連結する一方の車両と結合されている外筒5と、他方
の車両と結合されている内部材6と、外筒5と内部材6
とを連結するボルト7とからなっている。今、この連結
装置を使用して推進1次コイル1と推進2次コイル4の
走行方向の取り付け位置の精度を24mm以下に調節す
るときは、まず、外気温度を測定する温度センサ(図示
せず。)又はこの12両の車両の長さを測定する測長器
(図示せず。)を用いて1台の連結装置当たりの調節量
を算出する。そして、この算出した調節量に基づいて各
連結装置の長さを調節して推進1次コイル1と推進2次
コイル4の走行方向の取り付け位置の精度を24mm以
下にする。つまり、この12両の車両の長さが規定の長
さよりも長い場合は、図5のボルト7を取り外し、例え
ば内部材6の穴10の位置と外筒5の穴8の位置とが合
うように内部材6を外筒5側に移動させて、これら連結
装置の長さを上記調節量分だけ短縮させる。そして、ボ
ルト7を穴8、10、8に通して締結する。逆に、この
12両の車両の長さが規定の長さよりも短い場合は、ボ
ルト7を取り外し、内部材6の穴9の位置と外筒5の穴
8の位置とが合うように内部材6を外筒5から離れる側
に移動させて上記調節量分だけ伸長させる。そして、ボ
ルト7を穴8、9、8に通して締結すればよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、車両の長さ寸
法は、季節ごとの気温の変化によるのみならず、走行す
る区間等のその日の気温の変化によっても伸縮する。そ
の為に、上記従来の連結装置では、走行前に必ず温度セ
ンサ又は測長器を用いて12両の車両2、3、・・・・
の寸法を測定し、この測定結果に基づいて作業者が手動
でこの連結装置の長さを調節する必要があり、ひじょう
に手間である。
【0006】また、例えば走行中に車体が空冷されて1
両当たり例えば4mm収縮した場合、1編成が12両で
あると、1編成で48mm収縮することとなり、許容値
の24mmを超えることがある。しかし、上記従来の連
結装置では走行中に連結装置の長さを調節することがで
きないという問題がある。ただし、走行中の車両の収縮
量を見越してこの連結装置の長さを予め調節しておくこ
とも考えられるが、走行中の車両の収縮量は走行する地
域、天候等によっても左右されるので、正確に予測する
ことは不可能であり、従って、従来の連結装置では走行
中の車両の伸縮に対して編成された車両の長さを規定の
長さに調節することができないという問題がある。
【0007】本発明は、上記問題点を解決する車両用連
結装置の伸縮装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、車両を連
結する車両用連結装置において、温度の変化により変形
し固定される側の基端部及び変位する側の出力端を有す
る温度センサと、上記出力端と連結しこの出力端の変位
方向と対応して設けられている所定の開口部から上記出
力端の変位量に基づく量の流体を流出させるマスタシリ
ンダ部と、このマスタシリンダ部の上記所定の開口部か
ら流出する流体によって伸縮し本体側が上記一方の車両
と連結すると共にピストン側が上記他方の車両と連結す
る伸縮シリンダと、を具備することを特徴とするもので
ある。
【0009】第2の発明は、請求項1に記載の車両用連
結装置の伸縮装置において、上記伸縮シリンダ内の流体
の圧力が上記マスタシリンダ部内の流体の圧力よりも或
る一定以上高くなったとき、上記マスタシリンダ部の開
口部と上記伸縮シリンダとを連通する流体の流路を閉塞
するようにその流路に弁を設けたことを特徴とするもの
である。
【0010】
【作用】第1及び第2の発明によると、温度センサは外
気温度の変化により例えば長さ方向に変形し、この変形
量を出力端の変位量として出力する。マスタシリンダ部
は、温度センサの出力端と連結しており、出力端が例え
ば伸長方向に変位した場合、その伸長量と対応する量の
流体を所定の開口部Aから流出させる。そして、出力端
が例えば短縮した場合、その短縮量と対応する量の流体
を上記開口部Aとは別の所定の開口部Bから流出させ
る。伸縮シリンダは、マスタシリンダ部の夫々の所定の
開口部A、Bから流出する流体が流入することによって
伸縮する。つまり、マスタシリンダ部の開口部Aから流
出する流体が伸縮シリンダ内に流入したときに、伸縮シ
リンダが伸長すると共に、マスタシリンダ部の開口部B
から流出する流体が伸縮シリンダ内に流入したときに、
伸縮シリンダが短縮するようにマスタシリンダ部と伸縮
シリンダとを流体の流路を介して接続する。これによ
り、温度センサが伸長したとき、伸縮シリンダが短縮し
て車両の連結装置を短縮させることができ、これによ
り、車両どうしの間隔を温度センサの伸長量と対応する
長さ(例えば温度センサの伸長量の5倍の長さ)だけ狭
めることができる。そして、温度センサが短縮したと
き、伸縮シリンダが伸長して車両の連結装置を伸長させ
ることができ、車両どうしの間隔を温度センサの短縮量
と対応する長さ(例えば温度センサの短縮量の5倍の長
さ)だけ広げることができる。従って、この発明による
と、外気温度が変化して互いに連結されている車両の長
さが伸長又は短縮した寸法だけ連結装置の長さを短縮又
は伸長させることができるので、外気温度の変化に拘わ
らず、連結されている車両の長さの伸縮量を或る一定の
許容範囲内に収めることができる。
【0011】第2の発明によると、第1の発明のマスタ
シリンダ部の夫々の開口部と伸縮シリンダとを連通する
流路に設けた弁は、伸縮シリンダ内の流体の圧力がマス
タシリンダ部内の流体の圧力よりも或る一定以上高くな
ったときに、マスタシリンダ部と伸縮シリンダとを連通
する流路を閉塞して、高圧の流体がマスタシリンダ内に
流入しないようにすることができる。これにより、例え
ば伸縮シリンダに引っ張り方向の力又は圧縮方向の力が
かかっても、伸縮シリンダ内の流体が外部に流出しない
ので、伸縮シリンダのピストンと本体との相対位置を元
の位置に維持することができ、ひいては伸縮シリンダに
上記力がかかっても、伸縮シリンダの長さを元の長さに
維持することができる。
【0012】
【実施例】本発明の一実施例を図1及び図4を参照して
説明する。この実施例の車両用連結装置の伸縮装置は、
図4に示すように、12両編成された磁気浮上式車両
(図4には2両が現れている。)(以下、単に車両とい
う。)2、3、・・・・の各車両を連結する11台の連
結装置に適用されている。そして、この車両2、3、・
・・・は、地上側に走行方向に沿って所定の間隔を隔て
て順次設置されている推進1次コイル1と各車両2、
3、・・・・に走行方向に沿って所定の間隔を隔てて順
次設けられている推進2次コイル4との互いに反発し合
う反発力を及び互いに吸引し合う吸引力によって推進力
又は制動力を受ける。そして、所定の推進力や制動力が
得られるように、これら推進1次コイル1の取り付け位
置に対する推進2次コイル4の取り付け位置の誤差が、
走行方向に24mm以下にすべきことが要求されてい
る。
【0013】これら11台の車両用連結装置の伸縮装置
は、全て同等であるので、1台のみを説明する。この伸
縮装置は、図1に示すように、温度センサ11、マスタ
シリンダ12、伸縮シリンダ13、弁14、15を備え
ている。温度センサ11は、柱状をなし、材質がベーク
ライト又は形状記憶合金である。この温度センサ11
は、図1に示すように、長さ方向を鉛直線方向に平行に
して配置されており、上端の基端部が固定金具16を介
して後側車両3の前部側壁面に固定して取り付けられて
いる。そして、下端の自由端は、出力端17となってい
る。
【0014】マスタシリンダ12は、図1に示すよう
に、シリンダ本体18(以下、単に本体18とい
う。)、ロッド19及びピストン20を備えている。本
体18は、後側車両3の前部側壁面の温度センサ11の
下方位置に固定して取り付けられており、ロッド19は
温度センサ11の中心軸線上に沿って配置されている。
このロッド19は、上端が連結具21(自在継手)を介
して温度センサ11の出力端17と連結しており、中央
位置にはピストン20が固定して結合されている。そし
て、このピストン20は、円筒状の本体18内に収容さ
れており、ロッド19の上端部側がこの本体18の上側
開口を閉塞する上側壁部22に設けられている貫通孔に
挿通している。そして、ロッド19の下端部側が本体1
8の下側開口部を閉塞する下側壁部23に設けられてい
る貫通孔に挿通している。更に、ピストン20は、温度
センサ11の伸縮によって、本体18の筒方向に沿って
摺動可能に設けられている。なお、図1に示すように、
ピストン20の上面と上側壁部22との間には上側室2
4が形成されており、ピストン20の下面と下側壁部2
3との間には下側室25が形成されている。そして、こ
れら上側室24と下側室25には圧油が充填されてい
る。なお、マスタシリンダ12の製作用の詳細な断面図
を図2に示す。ただし、図2の断面図に示すロッド19
は、同図に示すように、ピストン20によって連結され
ている2本のロッドからなっている。
【0015】伸縮シリンダ13は、図1に示すように、
後側車両3に設けられている連結部27と前側車両2に
設けられている連結部26との間に設けられており、ロ
ッド28、ピストン29及びシリンダ本体30(以下、
単に本体30という。)を備えている。この円筒状の本
体30は、筒方向が走行方向に対して略平行した状態で
配置され、後側車両3に設けられている連結部27の下
側部材31と結合されている。ロッド28は、軸方向が
本体30の筒方向に対して平行した状態で配置され、右
側端部が前側車両2に設けられている連結部26の下側
部材32と結合されており、中央位置にピストン29が
固定して結合されている。そして、このロッド28の右
端部側がこの本体30の右側開口を閉塞する右側壁部3
3に設けられている貫通孔に挿通しており、左端部側が
本体30の左側開口部を閉塞する左側壁部34に設けら
れている貫通孔に挿通している。更に、ピストン29
は、本体30の筒方向に沿って摺動可能に設けられてい
る。なお、図1に示すように、ピストン29の右面と右
側壁部33との間には右側室35が形成されており、ピ
ストン29の左面と左側壁部34との間には左側室36
が形成されている。そして、これら右側室35と左側室
36には圧油が充填されている。また、この伸縮シリン
ダ13の左側室36とマスタシリンダ12の上側室2
4、伸縮シリンダ13の右側室35とマスタシリンダ1
2の下側室25は、夫々チューブ(37、38)、(3
9、40)を介して連通している。更に、図1に示す4
1はパッキンであり、各室24、25、35、36を密
封するためのものである。なお、伸縮シリンダ13の製
作用の詳細な断面図を図3に示す。ただし、図3の断面
図に示すロッド28は、同図に示すように、ピストン2
9によって連結されている2本のロッドからなってい
る。
【0016】弁15は、図1に示すように、マスタシリ
ンダ12の上側室24と伸縮シリンダ13の左側室36
とを連通するチューブ37、38の途中に設けられてい
る。ただし、この弁15は、伸縮シリンダ13の左側室
36内の油圧がマスタシリンダ12内の油圧よりも或る
一定以上高くなったときにチューブ37を閉塞する機能
を備えている。即ち、図1に示すように、上側室24か
ら導出されているチューブ37の開口端部側に弁座42
が設けられており、この弁座42と対向する位置に所定
の間隔を隔てて弁体43が設けられている。そして、弁
体43と弁座42との間には、ばね44が配置されてい
る。つまり、この弁15によると、伸縮シリンダ13の
左側室36内の油圧がマスタシリンダ12の上側室24
内の油圧よりも或る一定以上高くなったとき、左側室3
6内の圧油がばね44の力に抗して弁体43を弁座42
に押し付けることによりチューブ37を閉塞する。ただ
し、伸縮シリンダ13の左側室36内の油圧がマスタシ
リンダ12の上側室24内の油圧よりも高いが、油圧の
高さが或る一定値未満であるとき、又は上側室24の油
圧が左側室36の油圧よりも高いときは、弁15は開状
態であり圧油を通す。
【0017】弁14は、弁15と同等のものであり、マ
スタシリンダ12の下側室25と伸縮シリンダ13の右
側室35とを連通するチューブ39、40の途中に設け
られている。つまり、伸縮シリンダ13の右側室35内
の油圧がマスタシリンダ12の下側室25内の油圧より
も或る一定以上高くなったとき、右側室35内の圧油が
ばね45の力に抗して弁体46を弁座47に押し付ける
ことによりチューブ39を閉塞する。ただし、伸縮シリ
ンダ13の右側室35内の油圧がマスタシリンダ12の
下側室25内の油圧よりも高いが、油圧の高さが或る一
定値未満であるとき、又は下側室25の油圧が右側室3
5の油圧よりも高いときは、弁14は開状態であり圧油
を通す。
【0018】連結部26、27は、同等のものであるの
で、前側車両2に設けられているもののみを説明する。
この連結部26は、図1に示すように上側部材48と下
側部材32とからなっている。上側部材48は、前側車
両2の後端下面に固定して取り付けられている基端部と
この基端部の下面に下方に突出する突出部とからなって
おり、この突出部の先端には球状部49が形成されてい
る。下側部材32は、この球状部49と係合する球状の
凹部が設けられており、伸縮シリンダ13のロッド28
と結合している。一方、後側車両3に設けられている連
結部27の下側部材31は、伸縮シリンダ13の本体3
0と結合している。
【0019】これら各連結部26、27は、各下側部材
32、31が対応する球状部49、50を中心にして回
動自在に各上側部材48、51と係合されている。従っ
て、これら連結された車両2、3がカーブを通過すると
き等において、互いに連結されている各車両2、3が同
一直線上から外れた位置に移動したとき、これら各連結
部26、27の各下側部材32、31が対応する各球状
部49、50を中心にして回動することにより、各車両
2、3の上下方向及び左右方向の相対位置の変化を許容
することができる。
【0020】次に、この車両用連結装置の伸縮装置の作
用を説明する。この伸縮装置によると、外気の温度が変
化しても、この12両編成された車両の伸縮量を例えば
24mmの或る一定の許容範囲内に収めることができ
る。即ち、外気の温度が上昇して1両の車両が例えば1
4mm延びると、温度センサ11も外気の上昇により3
mm伸長し、図1に示す温度センサ11の出力端17が
下方向に3mm移動して、連結具21及びロッド19を
介してマスタシリンダ12のピストン20を下方に3m
m押し下げる。ピストン20が下方に移動すると、マス
タシリンダ12の下側室25内の圧油の一部がチューブ
39、弁14及びチューブ40を通って伸縮シリンダ1
3の右側室35内に流入し、この右側室35内に流入し
た圧油がピストン29を左方向に15mm移動させる。
これにより、伸縮シリンダ13のロッド28が図1の左
側に15mm移動するので、前側及び後側車両2、3に
設けられている2つの連結部26、27の間隔を元の間
隔よりも15mm短縮させることができる。従って、車
両1両当たり14mm延びると12両で168mm延び
るが、連結部26、27の間隔が1箇所当たり15mm
短縮するので11箇所の合計で165mm短縮する。結
果として、12両の車両の全長は3mm延びたことにな
り、24mmの許容範囲内に収めることができる。な
お、伸縮シリンダ13のピストン29が左方向に移動す
ると、左側室36内の圧油の一部はチューブ38、弁1
5及びチューブ37を通ってマスタシリンダ12の上側
室24内に流入する。
【0021】逆に、外気の温度が下降して1両の車両が
14mm短縮すると、温度センサ11も外気の下降によ
り3mm短縮し、図1に示す温度センサ11の出力端1
7が上方向に3mm移動して、連結具21及びロッド1
9を介してマスタシリンダ12のピストン20を上方に
3mm引き上げる。これにより、マスタシリンダ12の
上側室24内の圧油の一部がチューブ37、弁15及び
チューブ38を通って伸縮シリンダ13の左側室36内
に流入して、ピストン29を右方向に15mm移動させ
る。これにより、伸縮シリンダ13のロッド28が図1
の右側に15mm移動するので、これら2つの連結部2
6、27の間隔を元の間隔よりも15mm伸長させるこ
とができる。従って、車両1両当たり14mm短縮する
と12両で168mm短縮するが、連結部の間隔が1箇
所当たり15mm延びるので11箇所の合計で165m
m伸長する。結果として、12両の車両の全長は3mm
短縮したことになり、24mmの許容範囲内に収めるこ
とができる。なお、伸縮シリンダ13のピストン29が
右方向に移動すると、右側室35内の圧油の一部はチュ
ーブ40、弁14及びチューブ39を通ってマスタシリ
ンダ12の下側室25内に流入する。
【0022】このように、この実施例では、車両の伸長
量(14mm)又は短縮量に対して、温度センサ11の
伸長量(3mm)又は短縮量が約1/4.7倍であり、
マスタシリンダ12のピストン20の下方向の移動量
(3mm)又は上方向の移動量に対して、伸縮シリンダ
13のピストン29の左方向の移動量(15mm)又は
右方向の移動量が5倍となるように、温度センサ11、
マスタシリンダ12のピストン20の直径及び伸縮シリ
ンダ13のピストン29の直径を形成してあり、これに
よって12両の車両2、3、・・・・の合計伸縮量を1
1台の伸縮装置により24mmの許容範囲内に自動的に
収めることができる。
【0023】また、例えば走行中に前側車両2と後側車
両3とが離隔する方向に急激な力が働き、この伸縮装置
に引っ張り方向の力がかかると、伸縮シリンダ13のピ
ストン29が本体30に対して右方向に急激な速度で移
動しようとするが、この際、伸縮シリンダ13の右側室
35内の圧油が圧縮され、これによりチューブ40内の
圧油がばね45の力に抗して弁体46を弁座47に押し
付けるのでチューブ39が閉塞される。これにより、ピ
ストン29の右方向の移動を阻止することができる。逆
に、前側車両2と後側車両3とが接近する方向に急激な
力が働き、この伸縮装置に圧縮方向の力がかかると、伸
縮シリンダ13のピストン29が本体30に対して左方
向に急激な速度で移動しようとするが、この際、伸縮シ
リンダ13の左側室36内の圧油が圧縮され、チューブ
38内の圧油がばね44の力に抗して弁体43を弁座4
2に押し付けるのでチューブ37が閉塞される。これに
より、ピストン29の左方向の移動を阻止することがで
きる。従って、走行中に伸縮シリンダ13に引っ張り方
向又は圧縮方向の力がかかっても、伸縮シリンダ13の
長さ(連結部間の距離)をそのときの長さに維持するこ
とができ、ひいては連結されている12両の車両2、
3、・・・・の長さをそのときの長さに維持することが
できる。そして、伸縮シリンダ13内の高圧の圧油がマ
スタシリンダ12内に流入することを防止することがで
きるので、温度センサ11に過大な負荷がかからないよ
うにすることができる。
【0024】上記実施例において、温度センサ11の出
力端17とマスタシリンダ12のロッド19とを連結具
21を介して連結し、出力端17の変位量と等しい距離
だけピストン20を上下方向に移動させる構成とした
が、出力端17とロッド19との間に出力端17の変位
量を拡大する拡大装置(図示せず。)を取り付けた構成
とすることができる。つまり、この実施例の伸縮装置
は、外気が或る一定温度上昇して温度センサ11が3m
m伸長すると、伸縮シリンダ13が15mm短縮するよ
うになっているが、この拡大装置によって温度センサ1
1の3mmの伸長を例えば6mmの伸長方向の変位量に
拡大して、伸縮シリンダ13を30mm短縮させるよう
にすることができる。これにより、外気が或る一定温度
上昇したとき、1両当たり28mm伸長する車両が12
両編成されている場合にも、この伸縮装置を適応させる
ことができる。勿論、温度センサ11の熱膨張率と車両
の熱膨張率と関係に応じて、拡大装置を取り付ける代わ
りに縮小装置を取り付けることもできる。なお、この拡
大装置及び縮小装置は、例えばラック、ピニオンを組み
合わせた構成とすることにより、出力端17の変位量を
拡大したり又は縮小させることができる。
【0025】そして、この実施例では、外気の温度の変
化により温度センサ11が伸縮し、この伸縮量を出力端
17の変位量として出力し、この出力端17の変位によ
りマスタシリンダ12のピストン20を移動させる構成
としたが、外気の温度の変化により温度センサ11が屈
曲し、その屈曲する温度センサ11の先端部の元の位置
からの移動量を出力端17の変位量として出力し、この
出力端17の変位によりマスタシリンダ12のピストン
20を移動させる構成とすることができる。
【0026】また、この実施例では、車両用連結装置の
伸縮装置を磁気浮上式車両に設けられている連結装置に
適用したが、鉄道車両に設けられている連結装置に適用
することができる。これにより、例えば各車両に設けら
れている昇降口とホームの所定の昇降位置とを正確に一
致させることができる。
【0027】更に、本発明は、車両と車両との間が連接
台車で連結されている鉄道車両においても、例えば一方
の車両と連接台車との間に伸縮装置を用いることにより
適用することができる。
【0028】
【発明の効果】本発明の車両用連結装置の伸縮装置は、
例えば外気温度が上昇した為に車両が伸長したとき、そ
の伸長量と略等しい長さだけ連結装置を自動的に短縮さ
せることができると共に、外気温度が下降した為に車両
が短縮したとき、その短縮量と略等しい長さだけ連結装
置を自動的に伸長させることができる。従って、磁気浮
上式車両が走行中に所定の推進力や制動力を得ることが
できるように、推進1次コイルと推進2次コイルの走行
方向の取り付け位置の精度を或る一定の許容値(24m
m程度)以下とする為に、従来のように走行前に温度セ
ンサ又は測長器を用いて例えば12両編成の車両の長さ
を測定し、この測定結果に基づいて作業者が手動で連結
装置の長さを調節する必要がなく、よってその作業者の
労力を削減することができるという効果がある。
【0029】そして、作業者が連結装置の長さの調節を
する必要がないので、作業ミスがなく、確実に推進1次
コイルと推進2次コイルの走行方向の取り付け位置の精
度を許容値の24mm以下とすることができるという効
果がある。
【0030】また、従来の連結装置では、連結された車
両が走行中に空冷されて短縮した場合、連結装置の長さ
を走行中に調節することができないが、本願の伸縮装置
では外気温度に応じて自動的に連結装置を伸縮させるこ
とができるので、走行中の車両の長さを規定の長さに調
節することができ、これにより走行中における所定の推
進力や制動力を確保することができ、走行の安全性を高
めることができるという効果がある。
【0031】更に、本願の伸縮装置を、編成された車両
の全ての連結装置又は所定の連結装置に適用することに
より、外気温度の変化に係わらず、編成された車両の台
数が多くなっても又は少なくなっても全体の長さを規定
の長さ範囲に調節することができるので、上記と同様に
走行の安全性を高めることができるという効果がある。
【0032】そして、第2の発明によると、伸縮シリン
ダ内の流体の圧力がマスタシリンダ部内の流体の圧力よ
りも或る一定以上高くなったときに、マスタシリンダ部
と伸縮シリンダとを連通する流体の流路を弁が閉塞し
て、高圧の流体がマスタシリンダ部内に流入しないよう
にすることができる。つまり、例えば車両が走行中に、
伸縮シリンダの本体とピストンが互いに引き離される方
向(又は接近する方向)に力を受けて、伸縮シリンダ内
の流体の圧力が高圧となったとき、その高圧の流体がマ
スタシリンダ部内に流入しないようにすることができ
る。これにより、伸縮シリンダ内の流体が外部に流出し
ないので、伸縮シリンダのピストンと本体との相対位置
を元の位置に維持することができる。よって、伸縮シリ
ンダに上記外力がかかっても、伸縮シリンダの長さを元
の長さ(規定の長さ)に維持することができるという効
果がある。更に、マスタシリンダ部に高圧の流体が流入
しないようにすることができるので、マスタシリンダ部
と連結する温度センサに或る一定以上の過大な負荷がか
からないようにすることができるので、温度センサが破
損しないように保護することができるという効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る車両連結装置の伸縮
装置の機械的構成を示す部分断面図である。
【図2】同実施例のマスタシリンダの拡大断面図であ
る。
【図3】同実施例の伸縮シリンダの拡大断面図である。
【図4】同実施例の磁気浮上式車両の平面図である。
【図5】従来の車両用連結装置の一例を示す縦断面図で
ある。
【符号の説明】
11 温度センサ 12 マスタシリンダ 13 伸縮シリンダ 14 弁 15 弁 17 出力端 24 上側室 25 下側室 28 ロッド 29 ピストン 30 本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B61G 5/00 - 7/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両を連結する車両用連結装置におい
    て、温度の変化により変形し固定される側の基端部及び
    変位する側の出力端を有する温度センサと、上記出力端
    と連結しこの出力端の変位方向と対応して設けられてい
    る所定の開口部から上記出力端の変位量に基づく量の流
    体を流出させるマスタシリンダ部と、このマスタシリン
    ダ部の上記所定の開口部から流出する流体によって伸縮
    し本体側が上記一方の車両と連結すると共にピストン側
    が上記他方の車両と連結する伸縮シリンダと、を具備す
    ることを特徴とする車両用連結装置の伸縮装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両用連結装置の伸縮
    装置において、上記伸縮シリンダ内の流体の圧力が上記
    マスタシリンダ部内の流体の圧力よりも或る一定以上高
    くなったとき、上記マスタシリンダ部の開口部と上記伸
    縮シリンダとを連通する流体の流路を閉塞するようにそ
    の流路に弁を設けたことを特徴とする車両用連結装置の
    伸縮装置。
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