JP2966483B2 - ドラム式衣類乾燥機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ドラム式衣類乾燥機に関する。

〔従来の技術〕

従来、ドラム式乾燥機においては、ドラム内の衣類を
乾燥中に衣類から発生する綿塵が、ドラム温風入口より
侵入して発熱装置に堆積し、発熱装置の温度上昇等によ
つて、この綿塵が焼損，発煙する原因となつたり、ま
た、発熱装置が半導体ヒータの場合は、この綿塵が通風
路の抵抗を増大し、発熱量低下させる原因になつてい
た。特に、ドラム温風出口に一般に設けられている綿塵
捕集フイルターが目詰まりして来るとドラム内の風圧が
アツプし、発熱装置に堆積しやすくなる。

このために、実用新案登録第1,449,656号（実公昭56
−54960号）に示すように、発熱装置とドラム温風入口
間にフイルターを設けてあるが、発熱装置部への堆積は
防止できても、フイルターに堆積するのは防止できず、
通風路の抵抗増大を押えることができなかつた。

また、他に従来の実施例で示すごとく、発熱装置とド
ラム温風入口間に設けたフイルターをドラム温風入口に
密接させて設けたものもあるが、ドラム内の綿塵が侵入
する量を押える効果はあるものの、一旦侵入した綿塵
は、発熱装置とドラム温度入口間から出ることができ
ず、徐々に堆積するのは、避けようなかつた。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来技術は、発熱装置部への綿塵の堆積を押さえ
ることは、可能であっても、通風路への堆積は防止でき
ず、これが、半導体ヒータの時は、発熱量の低下につな
がる要因となっていた。

また、ドラム温風入口に密接に設けると綿塵侵入の絶
対量は、減らせても、長時間の使用では、通風路内に堆
積する欠点を有していた。

本発明は、フィルターが目詰まりするのを防止した安
全なドラム式衣類乾燥機を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、乾燥される衣類が収納さ
れるドラムと、前記ドラム内に送風する送風ファンと、
前記ドラム内に送風される空気を加熱する発熱装置と、
前記ドラムおよび前記送風ファンを回転駆動するモータ
とを備えるドラム式衣類乾燥機において、 前記ドラムを回転自在に支持しかつ前記ドラムの一部を
担うドラムサポートを前記ドラムの前部に有し、前記ド
ラムサポートには、前記ドラムの内側に臨む部位に多数
の孔からなるドラム温風入口を形成し、前記ドラム温風
入口の温風の上流側には前記発熱装置を前記温風入口に
対向するように設置し、前記発熱装置と前記ドラム温風
入口との間に備える綿塵侵入防止用フィルターは、前記
ドラム温風入口に対して所定の間隔をもつ平行に、かつ
近接させて設置したことを特徴とする。

〔作用〕

衣類がドラム下に落下する際に綿塵が一時的に温風入
口から入っても、フィルターとドラム温風入口が近接し
て平行に設置されているため、綿塵が再び出しやすくな
り、フィルターが目詰まりしにくくなる。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例について説明する。

１は、外枠で、前面には、衣類投入口２が、またこの
衣類投入口を塞ぐドア３が設けてある。

４は、衣類を回転撹拌するドラムで、外枠１上部に配
されたモータ５によつてドラムベルト６を介して駆動さ
れる。ドラム前部７は、ドラムサポート8,ドラム後部９
は、外枠１に支持された後部支持板10によつてドラム４
は、回転支持される。

ドラムサポート８には、ドラム温風入口11（通常３〜
5mmの穴）が、また、ドラム後部９には、ドラム温風出
口12が設けてあり、ドラム後部９後方に設けてある送風
フアン13によつて、フアンケーシング14,中間ダクト15,
前部ダクト16によつて循環通風路17が形成されている。
中間ダクト15下部には、除湿水を導く排水口18がある。

送風フアン13は、フアンベルト19を介してモータ５に
よつて駆動される。

フアンケーシング14は、外枠１後部の開口部20をカバ
ーする裏蓋21と通風板22で、冷却通風路23を形成してい
る。

24は冷却通風路入口、25は冷却通風路出口である。

送風フアン13は、波形羽根で構成され、片面は、循環
通風路17の循環用送風フアン、一方の面は冷却通風路23
内の冷却用送風フアンの機能をもつとともに、この両面
の温度差で、循環通風路17の温風を冷却，凝縮させ排水
口18に導く熱交換器の機能も合わせてもつ。

フアンケーシング14には、循環通風路17と冷却通風路
を仕切る仕切板が設けてある。

循環通風路17内のドラム温風出口12には、循環通風路
17内に綿塵が入らないように綿塵捕集フイルター26が配
設、また、前部ダクト16とドラム温風入口11には、発熱
装置27が配設されている。

発熱装置27は、半導体ヒータを使用した場合の実施例
で、28は半導体ヒータでヒータ支持ベース29に給電板3
0,31を介して絶縁材32,ねじ33に固定され、発熱装置27
を形成する。

発熱装置27とドラム温風入口11との間の循環通風路17
内には、綿塵侵入防止用のフイルター34が設けてある
が、従来例では、ドラム温風入口11に密接して、本実施
例では、間隙Ａを持たせて配設してある。このフイルタ
ーは、通常30〜50メツシユ程度の金網が使用されてい
る。

次に動作について説明するとドラム４内に投入された
衣類は、モータ５によつて撹拌回転されて、発熱装置27
によつて加熱された温風がドラム温風入口11よりドラム
４内に送られ、衣類の中の水分を奪い、ドラム温風出口
により循環通風路17内に送られる。

この時、送風フアン13によつて、冷却通風路23に送り
こまれた冷風によつて、送風フアン13の両面に温度差が
生じ、温風が冷却，凝縮される。

凝縮された水は、循環通風路17内を通つて、排水口18
より機外に排水される。冷却，凝縮された温風は、中間
ダクト15,前部ダクト16を通り、再び、発熱装置27に送
り込まれ、再加熱されてドラム４に送られ、乾燥行程が
継続される。

この乾燥行程中、衣類の落下衝撃による風圧等で衣類
付着した綿塵や乾燥中に生じた綿塵が、ドラム温風入口
より発熱装置27に侵入する。

この侵入する形態としては、 衣類の落下の衝撃による風圧で、風の流れに、抗じて
侵入する。

この形態は、綿塵捕集フイルター26が目詰りして来る
程ドラム４内の風圧が上昇するため、侵入しやすくな
る。

ドラム４内の衣類が、ドラム温風入口11に当接するこ
とによつて綿塵が無理無理発熱装置27に押しこまれる。

従来の実施例では、風圧による侵入に対しては、フイ
ルター34の目が小さいため、綿塵が侵入しにくいが、布
の当接によつてフイルター綿をこすられて侵入した綿塵
は、発熱装置27に入つたら出ることができず徐々に堆積
される（第４図）。

本実施例では、フイルター34とドラム温風入口11間に
間隙Ａを設けたことによつて、風圧による侵入に対して
は、フイルター34の目が小さいため従来の実施例と同等
の効果がある。

そして、布の当接によつて侵入した綿塵は、ドラム温
風入口11より侵入するが、フイルター34に直接布が当接
することがなく、風圧による侵入と同じようにフイルタ
ー34面の堆積にとどまる。つまり、間隙Ａに堆積する
（第２図）。この部に堆積した綿塵は、ドラム温風入口
11に近いため、離れていると滞流し堆積しやすくなる。
循環通風路17内の送風フアン13の風圧によつて、運転中
に再度、ドラム温風入口11を通つてドラム内に戻され
る。

このことの繰り返しが行なわれるため、発熱装置27と
ドラム温風入口11の間のしかも、フイルター34面に一時
的に綿塵が堆積されることは有つても、継続的堆積，発
熱装置７への堆積を防ぐことができる。

〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明は、乾燥される衣類が収
納されるドラムと、前記ドラム内に送風する送風ファン
と、前記ドラム内に送風される空気を加熱する発熱装置
と、前記ドラムおよび前記送風ファンを回転駆動するモ
ータとを備えるドラム式衣類乾燥機において、前記ドラ
ムを回転自在に支持しかつ前記ドラムの一部を担うドラ
ムサポートを前記ドラムの前部に有し、前記ドラムサポ
ートには、前記ドラムの内側に臨む部位に多数の孔から
なるドラム温風入口を形成し、前記ドラム温風入口の温
風の上流側には前記発熱装置を前記温風入口に対向する
ように設置し、前記発熱装置と前記ドラム温風入口との
間に備える綿塵侵入防止用フィルターは、前記ドラム温
風入口に対して所定の間隔をもって平行に、かつ近接さ
せて設置したことを特徴とするドラム式衣類乾燥機にあ
る。

この構成によれば、ドラムの回転によって衣類が持ち
上げられ、その後ドラム下方に落下する際の衝撃によっ
て綿塵が一時的に温風入口から入っても、フィルターと
ドラム温風入口が平行に設置されているため、ヒータか
らの温風によって、綿塵が再びドラム温風入口から出や
すくなり、フィルターが目詰まりしにくくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の要部縦断面図、第２図はそ
の綿塵が一時的に堆積した状態を示す縦断面図、第３図
は従来の実施例を示す要部縦断面図、第４図はその綿塵
が堆積した状態を示す縦断面図、第５図は本発明の一実
施例の全体図である。４……ドラム、５……モータ、11
……ドラム温風入口、13……送風フアン、27……発熱装
置、34……フイルター。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 威 茨城県日立市東多賀町１丁目１番１号 株式会社日立製作所多賀工場内 (56)参考文献 実公 昭56−54960（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】乾燥される衣類が収納されるドラムと、前
   記ドラム内に送風する送風ファンと、前記ドラム内に送
   風される空気を加熱する発熱装置と、前記ドラムおよび
   前記送風ファンを回転駆動するモータとを備えるドラム
   式衣類乾燥機において、 前記ドラムを回転自在に支持しかつ前記ドラムの一部を
   担うドラムサポートを前記ドラムの前部に有し、前記ド
   ラムサポートには、前記ドラムの内側に臨む部位に多数
   の孔からなるドラム温風入口を形成し、前記ドラム温風
   入口の温風の上流側には前記発熱装置を前記温風入口に
   対向するように配置し、前記発熱装置と前記ドラム温風
   入口との間に備える綿塵侵入防止用フィルターは、前記
   ドラム温風入口に対して所定の間隔をもって平行に、か
   つ近接させた設置したことを特徴とするドラム式衣類乾
   燥機。