JP2965184B2 - エアージェット - Google Patents
エアージェットInfo
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- JP2965184B2 JP2965184B2 JP32310492A JP32310492A JP2965184B2 JP 2965184 B2 JP2965184 B2 JP 2965184B2 JP 32310492 A JP32310492 A JP 32310492A JP 32310492 A JP32310492 A JP 32310492A JP 2965184 B2 JP2965184 B2 JP 2965184B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々のトータルデニー
ルのトウ状繊維束を効率よく巻上げ得る能力を備え、巻
き上げられたフィルタープラグ1本当たりのトウ状繊維
束の充填量が少ないにも関わらず、タバコの煙流からタ
ールやニコチン等を適切に濾過する特性を備えると共
に、初期硬度の発現性が高く、平衡硬度の高いフィルタ
ープラグを製造し得るエアージェットに関する。
ルのトウ状繊維束を効率よく巻上げ得る能力を備え、巻
き上げられたフィルタープラグ1本当たりのトウ状繊維
束の充填量が少ないにも関わらず、タバコの煙流からタ
ールやニコチン等を適切に濾過する特性を備えると共
に、初期硬度の発現性が高く、平衡硬度の高いフィルタ
ープラグを製造し得るエアージェットに関する。
【0002】
【従来の技術】トウ状繊維束をフィルタープラグマシン
にてフィルタープラグに巻き上げるに際して使用される
エアージェットが備えていなければならない要件として
は、次の点が挙げられる。
にてフィルタープラグに巻き上げるに際して使用される
エアージェットが備えていなければならない要件として
は、次の点が挙げられる。
【0003】(1)トータルデニールが数千デニールか
ら数万デニールまでの多様な太さのトウ状繊維束であっ
ても、同トウ状繊維束にフィルタープラグマシンにより
フィルタープラグとして巻上げ得る推力を十分に与え得
るエアージェットであること。
ら数万デニールまでの多様な太さのトウ状繊維束であっ
ても、同トウ状繊維束にフィルタープラグマシンにより
フィルタープラグとして巻上げ得る推力を十分に与え得
るエアージェットであること。
【0004】(2)1本のフィルタープラグ中へのトウ
状繊維束の充填量を少ないものとしながらも、タバコの
煙流からタール、ニコチン等を濾過する効率が適切であ
るフィルタープラグを作り得るエアージェットであるこ
と。
状繊維束の充填量を少ないものとしながらも、タバコの
煙流からタール、ニコチン等を濾過する効率が適切であ
るフィルタープラグを作り得るエアージェットであるこ
と。
【0005】(3)フィルタープラグの取扱性が良好で
あり、喫煙時の変形を起こしにくいフィルタープラグと
するため、初期硬度の発現性、平衡硬度の発現性の良好
なフィルタープラグを作り得るエアージェットであるこ
と。
あり、喫煙時の変形を起こしにくいフィルタープラグと
するため、初期硬度の発現性、平衡硬度の発現性の良好
なフィルタープラグを作り得るエアージェットであるこ
と。
【0006】従来より平衡硬度の高いフィルタープラグ
を作るには、フィルタープラグへ巻き上げるトウ状繊維
束に添加する可塑剤(通常はトリアセチンを用いる。)
の添加量を増加させ、得られるフィルタープラグを構成
する繊維間の結合点を増やす方法が採られてきた。とこ
ろが、トリアセチンの添加量が多いトウ状繊維束から作
られたフィルタープラグは平衡硬度の高いものとはなる
が、このフィルタープラグをタバコシリンダーに結合し
て喫煙すると、煙流の湿分等によって軟弱なフィルター
プラグになってしまうという難点があった。
を作るには、フィルタープラグへ巻き上げるトウ状繊維
束に添加する可塑剤(通常はトリアセチンを用いる。)
の添加量を増加させ、得られるフィルタープラグを構成
する繊維間の結合点を増やす方法が採られてきた。とこ
ろが、トリアセチンの添加量が多いトウ状繊維束から作
られたフィルタープラグは平衡硬度の高いものとはなる
が、このフィルタープラグをタバコシリンダーに結合し
て喫煙すると、煙流の湿分等によって軟弱なフィルター
プラグになってしまうという難点があった。
【0007】初期硬度及び平衡硬度の発現性が良好なフ
ィルタープラグを得る他の方法としては、1本のフィル
タープラグ中に充填するトウ状繊維束量を増大せしめる
方法がある。しかしながら、この方法により得たフィル
タープラグは巻上直後のフィルタープラグにパンク事故
が多発すると共に、得られたフィルターの吸引抵抗は極
めて高く、タバコ用フィルタープラグとしての適性が低
いものとなっていた。
ィルタープラグを得る他の方法としては、1本のフィル
タープラグ中に充填するトウ状繊維束量を増大せしめる
方法がある。しかしながら、この方法により得たフィル
タープラグは巻上直後のフィルタープラグにパンク事故
が多発すると共に、得られたフィルターの吸引抵抗は極
めて高く、タバコ用フィルタープラグとしての適性が低
いものとなっていた。
【0008】また、トウ状繊維束の充填量を多くしてフ
ィルタープラグを巻くには、トウ状繊維束をフィルター
プラグマシンに高い推力で供給することが必要である。
しかしながら、未だトウ状にある繊維束に前述のごとき
高い推力を与え得るようなエアージェットの開発はなさ
れていないのが現状である。
ィルタープラグを巻くには、トウ状繊維束をフィルター
プラグマシンに高い推力で供給することが必要である。
しかしながら、未だトウ状にある繊維束に前述のごとき
高い推力を与え得るようなエアージェットの開発はなさ
れていないのが現状である。
【0009】一方、上述した(1)〜(3)の要件を満
足するエアージェットの開発が幾つか試みられている。
例えば、実公昭60−796号公報には図3に示すごと
き断面構造を有するエアージェットが開示されている。
この型のエアージェットは、トランペットとトランペッ
トホルダーの先端に環状の圧縮空気吹出しスリット49
が設けられ、且つ嘴状部の出口端にスリットを設けたこ
とを特徴とするものであり、従来一般に用いられてきた
図5に示すトランスポート型エアージェットに比べ、よ
り高圧の空気流を用いることができ、トウ状繊維束を高
い推力でもってフィルタープラグマシンに供給すること
ができる。
足するエアージェットの開発が幾つか試みられている。
例えば、実公昭60−796号公報には図3に示すごと
き断面構造を有するエアージェットが開示されている。
この型のエアージェットは、トランペットとトランペッ
トホルダーの先端に環状の圧縮空気吹出しスリット49
が設けられ、且つ嘴状部の出口端にスリットを設けたこ
とを特徴とするものであり、従来一般に用いられてきた
図5に示すトランスポート型エアージェットに比べ、よ
り高圧の空気流を用いることができ、トウ状繊維束を高
い推力でもってフィルタープラグマシンに供給すること
ができる。
【0010】なお、図3において符号41はトランペッ
ト、43はトランペットホルダー、50は嘴状部であ
り、その先端部には軸線に平行な複数のスリット42b
が設けられおり、トランペット41と嘴状部50とは係
合具Aにて締結されている。符号46aはトランペット
41とトランペットホルダー43とにより画成された第
1の空気室であり、その一部は圧縮空気導入口43bに
連なり、前端部は圧縮空気を吹出しトウ状繊維束に推力
を与えるために、トランペット41とトランペットホル
ダー43の先端間に形成された環状スリット49に連通
している。このエアージェットによれば、トウ状繊維束
に高い推力が与えられるため、該エアージェットを組み
込んだプラグマシンにて作られたフィルタープラグは1
本当たりに詰め込まれる繊維量をある程度多くすること
ができ、初期硬度の高いフィルタープラグが得られる。
ト、43はトランペットホルダー、50は嘴状部であ
り、その先端部には軸線に平行な複数のスリット42b
が設けられおり、トランペット41と嘴状部50とは係
合具Aにて締結されている。符号46aはトランペット
41とトランペットホルダー43とにより画成された第
1の空気室であり、その一部は圧縮空気導入口43bに
連なり、前端部は圧縮空気を吹出しトウ状繊維束に推力
を与えるために、トランペット41とトランペットホル
ダー43の先端間に形成された環状スリット49に連通
している。このエアージェットによれば、トウ状繊維束
に高い推力が与えられるため、該エアージェットを組み
込んだプラグマシンにて作られたフィルタープラグは1
本当たりに詰め込まれる繊維量をある程度多くすること
ができ、初期硬度の高いフィルタープラグが得られる。
【0011】また、実開平2−29296号公報には可
塑剤を付着したトウ状繊維束の片面に粒状活性炭を付着
させたものを、トウからの粒状活性炭の脱落を極力抑え
てフィルタープラグマシンへ供給するためのエアージェ
ットが開示されている。このエアージェットは、活性炭
粒子を付着したトウ状繊維束をトランスポート型エアー
ジェットにてフィルタープラグマシンへ移送する際に、
活性炭粒子がトウ状繊維束から吹き飛ばされないように
すると共に、吹き飛ばされた一部の活性炭粒子を回収で
きるような構造としたものである。その構造は、図4に
示すごとく内部にトウ状繊維束の移送路3を有する内筒
2と、該内筒2を囲む外筒1との間に空気循環室4を設
け、内筒2の外周面には軸線方向に複数段の空気誘導壁
5a,5b,5c,5dを周設すると共に、各空気誘導
壁5a,5b,5c,5dの基部の底面に内筒2の空気
循環室4からトウ状繊維束移送路3に貫通し、且つトウ
状繊維束の移送方向に傾斜する空気吹出し孔6a,6
b,6c,6dを長手方向に列設し、上記外筒1の上流
部及び下流部に空気供給口8、9を設けると共に、上記
内筒2のトウ状繊維束移送路3の下流部に設けた空気流
変流ガイド10と、最下流の空気誘導壁5dとの間に環
状の空気吸引スリット11とを形成して、内筒2のトウ
状繊維束移送路3に吹き出した空気を空気循環室4に循
環させ、トウ状繊維束のエアージェットによる移送によ
って脱落した活性炭粒状物を高圧空気により再びトウ状
繊維束内へ送り込むものである。
塑剤を付着したトウ状繊維束の片面に粒状活性炭を付着
させたものを、トウからの粒状活性炭の脱落を極力抑え
てフィルタープラグマシンへ供給するためのエアージェ
ットが開示されている。このエアージェットは、活性炭
粒子を付着したトウ状繊維束をトランスポート型エアー
ジェットにてフィルタープラグマシンへ移送する際に、
活性炭粒子がトウ状繊維束から吹き飛ばされないように
すると共に、吹き飛ばされた一部の活性炭粒子を回収で
きるような構造としたものである。その構造は、図4に
示すごとく内部にトウ状繊維束の移送路3を有する内筒
2と、該内筒2を囲む外筒1との間に空気循環室4を設
け、内筒2の外周面には軸線方向に複数段の空気誘導壁
5a,5b,5c,5dを周設すると共に、各空気誘導
壁5a,5b,5c,5dの基部の底面に内筒2の空気
循環室4からトウ状繊維束移送路3に貫通し、且つトウ
状繊維束の移送方向に傾斜する空気吹出し孔6a,6
b,6c,6dを長手方向に列設し、上記外筒1の上流
部及び下流部に空気供給口8、9を設けると共に、上記
内筒2のトウ状繊維束移送路3の下流部に設けた空気流
変流ガイド10と、最下流の空気誘導壁5dとの間に環
状の空気吸引スリット11とを形成して、内筒2のトウ
状繊維束移送路3に吹き出した空気を空気循環室4に循
環させ、トウ状繊維束のエアージェットによる移送によ
って脱落した活性炭粒状物を高圧空気により再びトウ状
繊維束内へ送り込むものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記実公昭
60−796号公報に開示されたエアージェットを用い
て初期硬度の高いフィルタープラグを作ると、1本のフ
ィルタープラグに充填されるトウ状繊維束の量は増大
し、喫煙抵抗の高いフィルタープラグとなり易いという
難点がある。
60−796号公報に開示されたエアージェットを用い
て初期硬度の高いフィルタープラグを作ると、1本のフ
ィルタープラグに充填されるトウ状繊維束の量は増大
し、喫煙抵抗の高いフィルタープラグとなり易いという
難点がある。
【0013】また、上記実開平2−29296号公報に
開示されたエアージェットは、活性炭粒子付着トウ状繊
維束から活性炭の脱落を防ぎながらトウ状繊維束をプラ
グマシンのガニチャー部へ移送することはできるが、初
期硬度が高い満足できるフィルタープラグを製造するこ
とが困難であるという欠点を有している。
開示されたエアージェットは、活性炭粒子付着トウ状繊
維束から活性炭の脱落を防ぎながらトウ状繊維束をプラ
グマシンのガニチャー部へ移送することはできるが、初
期硬度が高い満足できるフィルタープラグを製造するこ
とが困難であるという欠点を有している。
【0014】本発明は上述のごとき状況に鑑みてなされ
たものであり、その目的は可塑剤の付着量が過大でない
トウ状繊維束を用いても、初期硬度及び平衡硬度に優れ
たフィルタープラグを形成し得ると同時に、上記(1)
〜(3)の要件をも満足するエアージェットを開発する
ことにある。
たものであり、その目的は可塑剤の付着量が過大でない
トウ状繊維束を用いても、初期硬度及び平衡硬度に優れ
たフィルタープラグを形成し得ると同時に、上記(1)
〜(3)の要件をも満足するエアージェットを開発する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、エアージェットの
嘴状部のトウ状繊維束移送路にトウ状繊維束を開繊・交
絡させるための手段を備えさせると共に、同嘴状部の後
端部を先端外周に圧縮空気吹出し環状スリットを有する
トランペットを結合すると初期の目的が達成し得ること
を見いだし、本発明を完成させた。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、エアージェットの
嘴状部のトウ状繊維束移送路にトウ状繊維束を開繊・交
絡させるための手段を備えさせると共に、同嘴状部の後
端部を先端外周に圧縮空気吹出し環状スリットを有する
トランペットを結合すると初期の目的が達成し得ること
を見いだし、本発明を完成させた。
【0016】即ち、本発明の要旨とするところは、圧縮
空気を用いてトウ状繊維束に推力を与えるべく使用され
るタバコフィルタープラグ製造用エアージェットであっ
て、トランペットホルダーに嵌合固着されたトランペッ
トからなるトランペット部と、インナーチューブホルダ
ーに嵌合固着されたインナーチューブからなる嘴状部と
を備え、前記トランペットホルダーとトランペットとの
間には環状の第1空気室が形成されると共に、同トラン
ペットホルダーとトランペットの先端部には前記第1空
気室と連通する圧縮空気吹出スリットが形成されてお
り、前記インナーチューブホルダーとインナーチューブ
との間には環状の第2空気室が形成されると共に、同イ
ンナーチューブのトウ状繊維束移送路内には前記第2空
気室と連通し、同繊維束を開繊・交絡するための開繊・
交絡手段を有しており、前記トランペット部の先端部と
前記嘴状部との後端部とがトウ状繊維束移送路を共有し
て結合されてなることを特徴とするものである。
空気を用いてトウ状繊維束に推力を与えるべく使用され
るタバコフィルタープラグ製造用エアージェットであっ
て、トランペットホルダーに嵌合固着されたトランペッ
トからなるトランペット部と、インナーチューブホルダ
ーに嵌合固着されたインナーチューブからなる嘴状部と
を備え、前記トランペットホルダーとトランペットとの
間には環状の第1空気室が形成されると共に、同トラン
ペットホルダーとトランペットの先端部には前記第1空
気室と連通する圧縮空気吹出スリットが形成されてお
り、前記インナーチューブホルダーとインナーチューブ
との間には環状の第2空気室が形成されると共に、同イ
ンナーチューブのトウ状繊維束移送路内には前記第2空
気室と連通し、同繊維束を開繊・交絡するための開繊・
交絡手段を有しており、前記トランペット部の先端部と
前記嘴状部との後端部とがトウ状繊維束移送路を共有し
て結合されてなることを特徴とするものである。
【0017】
【作用】トランペット部より導入されたトウ状繊維束
は、その周面が環状のスリットより吹出す圧縮空気と接
触して推力が与えられ、同トランペット部のトウ状繊維
束導出口を通り、嘴状部のインナーチューブ内に導かれ
る。推力を与えられたトウ状繊維束はインナーチューブ
のトウ状繊維束に対する開繊・交絡処理部を通過すると
き、トウ状繊維束を高度に開繊させると共に繊維同士間
に交絡が与えられ、フィルタープラグに巻き上げられた
ときは適切な初期硬度が発現したものとなる。
は、その周面が環状のスリットより吹出す圧縮空気と接
触して推力が与えられ、同トランペット部のトウ状繊維
束導出口を通り、嘴状部のインナーチューブ内に導かれ
る。推力を与えられたトウ状繊維束はインナーチューブ
のトウ状繊維束に対する開繊・交絡処理部を通過すると
き、トウ状繊維束を高度に開繊させると共に繊維同士間
に交絡が与えられ、フィルタープラグに巻き上げられた
ときは適切な初期硬度が発現したものとなる。
【0018】本発明のエアージェットの圧縮空気供給部
を、トランペットの先端とトランペットホルダーとによ
って形成された環状スリット部と、嘴状部の中間部とに
分離して設けてあるため、フィルタープラグマシンへ供
給するトウ状繊維束への推力調整が容易となり、かなり
大きなトータルデニールを有するトウ状繊維束のフィル
タープラグへの巻上を可能にする。また、嘴状部にトウ
状繊維束の開繊・交絡手段を設けたことにより、トウ状
繊維束の充填量が少ないフィルタープラグであっても、
初期硬度及び平衡硬度の発現性が良好なフィルタープラ
グを作り得る。
を、トランペットの先端とトランペットホルダーとによ
って形成された環状スリット部と、嘴状部の中間部とに
分離して設けてあるため、フィルタープラグマシンへ供
給するトウ状繊維束への推力調整が容易となり、かなり
大きなトータルデニールを有するトウ状繊維束のフィル
タープラグへの巻上を可能にする。また、嘴状部にトウ
状繊維束の開繊・交絡手段を設けたことにより、トウ状
繊維束の充填量が少ないフィルタープラグであっても、
初期硬度及び平衡硬度の発現性が良好なフィルタープラ
グを作り得る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面等を参照しつつ
更に詳細に説明する。
更に詳細に説明する。
【0020】図1は本発明のエアージェットの代表的な
構造例を示す断面図である。図1において、符号21は
トウ状繊維束をプラグマシンへ導入するためのトランペ
ットである。このトランペット21の外側には、底面の
中央に円錐面を有する開口が形成された有底円筒状のト
ランペットホルダー22が0リング23を介して嵌合さ
れている。こうしてトランペット21とトランペットホ
ルダー22とが組付けられて、本発明の一特徴部である
トランペット部20を構成する。前記トランペット21
とトランペットホルダー22との間には、第1の空気室
24が形成されており、この第1の空気室24はトラン
ペットホルダー22の周面部の一部に形成された圧縮空
気導入口22bと連通している。また、該トランペット
21の先端部25とトランペットホルダー22の先端部
26との間には環状の間隙が形成され、同間隙はトウ状
繊維束を高速で吸引してプラグマシンへ送り込む圧縮空
気吹込部となる環状のスリット部27を構成する。な
お、符号22aはトウ状繊維束の導出口を示す。
構造例を示す断面図である。図1において、符号21は
トウ状繊維束をプラグマシンへ導入するためのトランペ
ットである。このトランペット21の外側には、底面の
中央に円錐面を有する開口が形成された有底円筒状のト
ランペットホルダー22が0リング23を介して嵌合さ
れている。こうしてトランペット21とトランペットホ
ルダー22とが組付けられて、本発明の一特徴部である
トランペット部20を構成する。前記トランペット21
とトランペットホルダー22との間には、第1の空気室
24が形成されており、この第1の空気室24はトラン
ペットホルダー22の周面部の一部に形成された圧縮空
気導入口22bと連通している。また、該トランペット
21の先端部25とトランペットホルダー22の先端部
26との間には環状の間隙が形成され、同間隙はトウ状
繊維束を高速で吸引してプラグマシンへ送り込む圧縮空
気吹込部となる環状のスリット部27を構成する。な
お、符号22aはトウ状繊維束の導出口を示す。
【0021】本発明のエアージェットは、上記トランペ
ット部20の先端部に、トウ状繊維束を開繊して交絡さ
せる処理手段を備えた嘴状部30が結合されている点に
最も大きな特徴を有している。この嘴状部30のトウ状
繊維束の開繊・交絡処理手段は、図1に示すごとくトウ
状繊維束の外周に圧縮空気を吹き付けるために形成され
た開孔部31aにより構成される。この開孔部31aは
嘴状部30の構成部材の一つであるインナーチューブ3
1の円周上に所定の間隔を隔てて列設され、穿孔するこ
とにより形成される。この開孔部31aは、図2に示す
ごとくトウ状繊維束の進行方向に対して10°〜120
°の範囲の角度αで形成されていることが好ましく、ま
たその孔径dは0.5〜20mmが好ましい。インナー
チューブ壁の円周方向に設けられる開孔部31aの数は
インナーチューブ内を通過するトウ状繊維束に均一な開
繊交絡処理を付与するため2〜20個が好ましく、2〜
16個がより好ましい。また、孔列は同一円周上に1
列、又は2つの円周上に平行させて2列配列するのが好
ましい。
ット部20の先端部に、トウ状繊維束を開繊して交絡さ
せる処理手段を備えた嘴状部30が結合されている点に
最も大きな特徴を有している。この嘴状部30のトウ状
繊維束の開繊・交絡処理手段は、図1に示すごとくトウ
状繊維束の外周に圧縮空気を吹き付けるために形成され
た開孔部31aにより構成される。この開孔部31aは
嘴状部30の構成部材の一つであるインナーチューブ3
1の円周上に所定の間隔を隔てて列設され、穿孔するこ
とにより形成される。この開孔部31aは、図2に示す
ごとくトウ状繊維束の進行方向に対して10°〜120
°の範囲の角度αで形成されていることが好ましく、ま
たその孔径dは0.5〜20mmが好ましい。インナー
チューブ壁の円周方向に設けられる開孔部31aの数は
インナーチューブ内を通過するトウ状繊維束に均一な開
繊交絡処理を付与するため2〜20個が好ましく、2〜
16個がより好ましい。また、孔列は同一円周上に1
列、又は2つの円周上に平行させて2列配列するのが好
ましい。
【0022】嘴状部30のインナーチューブ31に設け
る開孔部31aの角度αがトウ状繊維束の進行方向に対
し10°未満の場合には、この開孔部31aを通す圧縮
空気量及び空気圧力を調整しても、ここを通るトウ状繊
維束に開繊・交絡効果を付与することができにくいた
め、目的とする初期硬度、平衡硬度を備えたプラグを作
り得るエアージェットとはなりがたい。一方、開孔部3
1aの角度αが120°を超えるインナーチューブ31
では、内部を通過するトウ状繊維束の高速通過性が妨げ
られ好ましくない。従って、インナーチューブ31の内
部を通過するトウ状繊維束の通過性を損なうことなく、
トウ状繊維束に好適な開繊・交絡効果を与え、得られる
フィルタープラグの初期高度及び平衡高度を良好なもの
とするには、嘴状のインナーチューブ31に穿孔する開
孔部31aの角度αを10°〜120°とすることが好
ましく、20°〜100°の範囲とするのが特に好まし
い。
る開孔部31aの角度αがトウ状繊維束の進行方向に対
し10°未満の場合には、この開孔部31aを通す圧縮
空気量及び空気圧力を調整しても、ここを通るトウ状繊
維束に開繊・交絡効果を付与することができにくいた
め、目的とする初期硬度、平衡硬度を備えたプラグを作
り得るエアージェットとはなりがたい。一方、開孔部3
1aの角度αが120°を超えるインナーチューブ31
では、内部を通過するトウ状繊維束の高速通過性が妨げ
られ好ましくない。従って、インナーチューブ31の内
部を通過するトウ状繊維束の通過性を損なうことなく、
トウ状繊維束に好適な開繊・交絡効果を与え、得られる
フィルタープラグの初期高度及び平衡高度を良好なもの
とするには、嘴状のインナーチューブ31に穿孔する開
孔部31aの角度αを10°〜120°とすることが好
ましく、20°〜100°の範囲とするのが特に好まし
い。
【0023】また、孔径が0.5mmより小さいか又は
2mmを超える開孔部31aとすると、同開孔部31a
から吹出す空気流によるトウ状繊維束の開繊・交絡処理
効果が発現しにくかったり、処理斑が発生したりするた
め、この型のエアージェットを用いたフィルタープラグ
は初期硬度の発現性が不足するか、又は斑の大きなもの
となり易い。なお、孔径は0.6〜1.6mmの範囲が
より好ましいものである。
2mmを超える開孔部31aとすると、同開孔部31a
から吹出す空気流によるトウ状繊維束の開繊・交絡処理
効果が発現しにくかったり、処理斑が発生したりするた
め、この型のエアージェットを用いたフィルタープラグ
は初期硬度の発現性が不足するか、又は斑の大きなもの
となり易い。なお、孔径は0.6〜1.6mmの範囲が
より好ましいものである。
【0024】また、嘴状部30のインナーチューブ壁の
円周方向に形成する前記開孔部31aの孔数が1個であ
る場合、又は孔配列が図4に示すような長手方向に多数
の開孔を有するインナーチューブ5よりなるエアージェ
ットでは、トウ状繊維束に均一な開繊・交絡処理を与え
ることができにくいので、初期硬度の発現性が良好なフ
ィルタープラグを製造することは困難である。更に、嘴
状部30の内部を通過するトウ状繊維束に与える推進力
を小から大まで広範囲にわたって調整することも困難で
ある。
円周方向に形成する前記開孔部31aの孔数が1個であ
る場合、又は孔配列が図4に示すような長手方向に多数
の開孔を有するインナーチューブ5よりなるエアージェ
ットでは、トウ状繊維束に均一な開繊・交絡処理を与え
ることができにくいので、初期硬度の発現性が良好なフ
ィルタープラグを製造することは困難である。更に、嘴
状部30の内部を通過するトウ状繊維束に与える推進力
を小から大まで広範囲にわたって調整することも困難で
ある。
【0025】これに対し、本発明のエアージェットはト
ウ状繊維束に与える推進力を小から大まで調整できるの
で種々の太さを有するトウ状繊維束をフィルタープラグ
に巻き上げることができるという特徴を有する。
ウ状繊維束に与える推進力を小から大まで調整できるの
で種々の太さを有するトウ状繊維束をフィルタープラグ
に巻き上げることができるという特徴を有する。
【0026】本発明のエアージェットの嘴状部30はフ
ィルタープラグマシンのトング部に接して設置され使用
されるため、その運転時には嘴状部30の先端とトング
との間から圧縮空気が吹き出される。この圧縮空気の吹
出し処理を効率良く行わせないと、この部分を通過する
トウ状繊維束に乱れが生ずる場合もあり不都合である。
このような不都合を防ぐには図2に示す嘴状部30の先
端から20mmを超えない範囲に軸線方向に平行な複数
個のスリット32を設けることによって改良される。な
お、図2に示すスリット長さlが20mmを超えるスリ
ット32を備えたインナーチューブ31では、同スリッ
ト32からの圧縮空気の漏れが激しくなり、トウ状繊維
束をフィルタープラグマシンへ効率よく送り込むことが
できにくくなる。なお、前記スリット長さlは12mm
以下が好ましい。
ィルタープラグマシンのトング部に接して設置され使用
されるため、その運転時には嘴状部30の先端とトング
との間から圧縮空気が吹き出される。この圧縮空気の吹
出し処理を効率良く行わせないと、この部分を通過する
トウ状繊維束に乱れが生ずる場合もあり不都合である。
このような不都合を防ぐには図2に示す嘴状部30の先
端から20mmを超えない範囲に軸線方向に平行な複数
個のスリット32を設けることによって改良される。な
お、図2に示すスリット長さlが20mmを超えるスリ
ット32を備えたインナーチューブ31では、同スリッ
ト32からの圧縮空気の漏れが激しくなり、トウ状繊維
束をフィルタープラグマシンへ効率よく送り込むことが
できにくくなる。なお、前記スリット長さlは12mm
以下が好ましい。
【0027】本発明のエアージェットの構成部材をなす
嘴状部30は、インナーチューブ31と、その外周を取
り囲みOリング33で固定された中空円錐台形状のイン
ナーチューブホルダー34とにより構成される。インナ
ーチューブ31とインナーチューブホルダー34とは軸
心を同一にして取り付けられる。このときインナーチュ
ーブ31とインナーチューブホルダー34との間に第2
の空気室35を設けると、トウ状繊維束の開繊・交絡処
理部である開孔部31aに均一な圧力の空気を送ること
ができるので好ましい。第2の空気室35はインナーチ
ューブホルダー34の圧縮空気導入口34bに連なって
いる。
嘴状部30は、インナーチューブ31と、その外周を取
り囲みOリング33で固定された中空円錐台形状のイン
ナーチューブホルダー34とにより構成される。インナ
ーチューブ31とインナーチューブホルダー34とは軸
心を同一にして取り付けられる。このときインナーチュ
ーブ31とインナーチューブホルダー34との間に第2
の空気室35を設けると、トウ状繊維束の開繊・交絡処
理部である開孔部31aに均一な圧力の空気を送ること
ができるので好ましい。第2の空気室35はインナーチ
ューブホルダー34の圧縮空気導入口34bに連なって
いる。
【0028】嘴状部30とトランペット21との結合
は、図1に示すごとくトランペットホルダー22の先端
とインナーチューブホルダー34の後端部とを、トラン
ペット21の先端とインナーチューブ31の後端部との
間にトウ状繊維束の導出口22aが形成されるようにし
てネジ止め機構にて結合するのがよい。なお、この結合
はボルト/ナットによる結合、或いは接着剤による結合
によってもよい。
は、図1に示すごとくトランペットホルダー22の先端
とインナーチューブホルダー34の後端部とを、トラン
ペット21の先端とインナーチューブ31の後端部との
間にトウ状繊維束の導出口22aが形成されるようにし
てネジ止め機構にて結合するのがよい。なお、この結合
はボルト/ナットによる結合、或いは接着剤による結合
によってもよい。
【0029】本発明のエアージェットをフィルタープラ
グマシンに組み込み、トウ状繊維束のフィルタープラグ
への巻上は次の如く行われる。即ち、本発明のエアージ
ェットのトランペット部20より導入されたトウ状繊維
束は環状のスリット27より吹出す圧縮空気と接触して
推力が与えられ、トウ状繊維束の導出口22aを通り、
嘴状部30のインナーチューブ31内に導かれる。推力
を与えられたトウ状繊維束はインナーチューブのトウ状
繊維束の開繊・交絡処理部である開孔部31aを通過す
ることによってトウ状繊維束を高度に開繊させた後に繊
維同士間に交絡が与えられ、フィルタープラグに巻き上
げられたときに初期硬度の発現したものとなる。
グマシンに組み込み、トウ状繊維束のフィルタープラグ
への巻上は次の如く行われる。即ち、本発明のエアージ
ェットのトランペット部20より導入されたトウ状繊維
束は環状のスリット27より吹出す圧縮空気と接触して
推力が与えられ、トウ状繊維束の導出口22aを通り、
嘴状部30のインナーチューブ31内に導かれる。推力
を与えられたトウ状繊維束はインナーチューブのトウ状
繊維束の開繊・交絡処理部である開孔部31aを通過す
ることによってトウ状繊維束を高度に開繊させた後に繊
維同士間に交絡が与えられ、フィルタープラグに巻き上
げられたときに初期硬度の発現したものとなる。
【0030】本発明のエアージェットは上述のごとく圧
縮空気の供給部としてトランペット21の先端とトラン
ペットホルダー22の先端との間に形成した環状スリッ
ト部27と、嘴状部30の中間部の開孔部31aとに分
離して設けてあり、フィルタープラグマシンへ供給する
トウ状繊維束への推力調整が容易となり、かなり大きな
トータルデニールを有するトウ状繊維束のフィルタープ
ラグへの巻上が可能となった。また、特に嘴状部30に
トウ状繊維束の開繊・交絡手段を設けたことにより、ト
ウ状繊維束の充填量が少ないフィルタープラグであって
も、初期硬度、平衡硬度の発現性が良好なフィルタープ
ラグを作り得るようになった。
縮空気の供給部としてトランペット21の先端とトラン
ペットホルダー22の先端との間に形成した環状スリッ
ト部27と、嘴状部30の中間部の開孔部31aとに分
離して設けてあり、フィルタープラグマシンへ供給する
トウ状繊維束への推力調整が容易となり、かなり大きな
トータルデニールを有するトウ状繊維束のフィルタープ
ラグへの巻上が可能となった。また、特に嘴状部30に
トウ状繊維束の開繊・交絡手段を設けたことにより、ト
ウ状繊維束の充填量が少ないフィルタープラグであって
も、初期硬度、平衡硬度の発現性が良好なフィルタープ
ラグを作り得るようになった。
【0031】以下、本発明のエアージェットを適用した
具体例を比較例と共に詳述する。なお、下記具体例及び
比較例中の特性の評価法は次のとおりである。 1)初期硬度:巻上終了後20分以内のフィルタープラ
グの硬度をフイルトロナ社製FTS−400測定器で測
定した。 2)平衡硬度:巻き上げたフィルタープラグを20℃、
65%RHの恒温、恒湿に一昼夜放置したものをフイル
トロナ社製FTS−400測定器で測定した。 3)通過抵抗:フイルトロナ社製FTS−400測定器
で測定した。(ISO6565−1983) 4)巻上範囲:ケーパビリティカーブにおいて細孔にフ
ィルタープラグ重量(上限重量)から最低のフィルター
プラグ重量(下限重量)を引いた値を巻上範囲とし、そ
の値の大きいもの程、フィルタープラグマシンへのトウ
状繊維束の送り込み能力が高いエアージェットであるこ
とを示す。
具体例を比較例と共に詳述する。なお、下記具体例及び
比較例中の特性の評価法は次のとおりである。 1)初期硬度:巻上終了後20分以内のフィルタープラ
グの硬度をフイルトロナ社製FTS−400測定器で測
定した。 2)平衡硬度:巻き上げたフィルタープラグを20℃、
65%RHの恒温、恒湿に一昼夜放置したものをフイル
トロナ社製FTS−400測定器で測定した。 3)通過抵抗:フイルトロナ社製FTS−400測定器
で測定した。(ISO6565−1983) 4)巻上範囲:ケーパビリティカーブにおいて細孔にフ
ィルタープラグ重量(上限重量)から最低のフィルター
プラグ重量(下限重量)を引いた値を巻上範囲とし、そ
の値の大きいもの程、フィルタープラグマシンへのトウ
状繊維束の送り込み能力が高いエアージェットであるこ
とを示す。
【0032】(具体例1〜4)単繊維繊度3デニール、
繊維断面形状がY型断面であり、トータルデニール3
6,000のセルロースジアセテート繊維からなる捲縮
トウ状繊維束を使用した。フィルタープラグマシンには
上述の構造を有するエアージェットを取り付けた。イン
ナーチューブのトウ状繊維束の開繊・交絡処理部の開孔
部は1列開孔とし、孔径は1mmとした。また孔の数は
表1に示すようなものとした。また、用いたインナーチ
ューブは長さ(L)が76mm、内径(D)12mmで
あり、スリットの長さ(l)が5mm、スリットの幅
(W)が1mmのスリットを8個設けてあり、更に孔の
角度αを表1のごとくした。また、トランペット21の
先端部におけるトウ状繊維束通過部の最小内径は10m
mとした。
繊維断面形状がY型断面であり、トータルデニール3
6,000のセルロースジアセテート繊維からなる捲縮
トウ状繊維束を使用した。フィルタープラグマシンには
上述の構造を有するエアージェットを取り付けた。イン
ナーチューブのトウ状繊維束の開繊・交絡処理部の開孔
部は1列開孔とし、孔径は1mmとした。また孔の数は
表1に示すようなものとした。また、用いたインナーチ
ューブは長さ(L)が76mm、内径(D)12mmで
あり、スリットの長さ(l)が5mm、スリットの幅
(W)が1mmのスリットを8個設けてあり、更に孔の
角度αを表1のごとくした。また、トランペット21の
先端部におけるトウ状繊維束通過部の最小内径は10m
mとした。
【0033】上記構造のエアージェットをフィルタープ
ラグマシン(KDF II/AFII、Hauni社製)に
取り付け、第1の空気室24の圧力を1.5kg/cm
2 G、第2の空気室26bの圧力を2.0kg/cm2
Gとし、フィルタープラグの巻上速度を400m/分と
し、得られるフィルタープラグの円周長24.8mm、
可塑剤付着量6重量%、トウ重量6.5g/10本なる
フィルタープラグを得る条件にてフィルタープラグマシ
ンの運転を行った。得られたフィルタープラグの特性を
測定した結果を表1に示した。
ラグマシン(KDF II/AFII、Hauni社製)に
取り付け、第1の空気室24の圧力を1.5kg/cm
2 G、第2の空気室26bの圧力を2.0kg/cm2
Gとし、フィルタープラグの巻上速度を400m/分と
し、得られるフィルタープラグの円周長24.8mm、
可塑剤付着量6重量%、トウ重量6.5g/10本なる
フィルタープラグを得る条件にてフィルタープラグマシ
ンの運転を行った。得られたフィルタープラグの特性を
測定した結果を表1に示した。
【0034】本発明のエアージェットを用いて作られた
フィルタープラグの初期硬度は全て84%以上であり、
平衡硬度も高いものであった。また、その通気抵抗は初
期硬度が高いにも拘らず336〜339と適切なもので
あった。更に、本発明のエアージェットの巻上範囲は
1.62〜2.15と極めて広く、低トータルデニール
のトウ状繊維束のフィルタープラグへの巻上げができる
エアージェットであった。
フィルタープラグの初期硬度は全て84%以上であり、
平衡硬度も高いものであった。また、その通気抵抗は初
期硬度が高いにも拘らず336〜339と適切なもので
あった。更に、本発明のエアージェットの巻上範囲は
1.62〜2.15と極めて広く、低トータルデニール
のトウ状繊維束のフィルタープラグへの巻上げができる
エアージェットであった。
【0035】(比較例1〜2)具体例1で用いたものと
同じトウ状繊維束を用い、エアージェットとして図3に
示した構造のエアージェット及び従来一般に用いられて
いる第5図に示したトランスポート型エアージェットを
それぞれ用い、空気圧1.5kg/cm2 Gとしてフィ
ルタープラグマシンを運転し、フィルタープラグを作っ
た。得られたそれぞれのフィルタープラグの特性を評価
した結果を表1に示した。なお、図5において符号22
はトランペット、23’はトランペットホルダー、28
は弾性舌片を示す。
同じトウ状繊維束を用い、エアージェットとして図3に
示した構造のエアージェット及び従来一般に用いられて
いる第5図に示したトランスポート型エアージェットを
それぞれ用い、空気圧1.5kg/cm2 Gとしてフィ
ルタープラグマシンを運転し、フィルタープラグを作っ
た。得られたそれぞれのフィルタープラグの特性を評価
した結果を表1に示した。なお、図5において符号22
はトランペット、23’はトランペットホルダー、28
は弾性舌片を示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】以上の説明から理解できるように本発明
のエアージェットを用いると、トウ状繊維束のフィルタ
ープラグマシンへの送り込む過程で、トウ状繊維束が開
繊され、同時に交絡を与え得るので、初期硬度及び平衡
硬度に優れ、通気抵抗が適切な喫煙感の良好なフィルタ
ープラグを製造することができるという優れた効果を発
揮する。
のエアージェットを用いると、トウ状繊維束のフィルタ
ープラグマシンへの送り込む過程で、トウ状繊維束が開
繊され、同時に交絡を与え得るので、初期硬度及び平衡
硬度に優れ、通気抵抗が適切な喫煙感の良好なフィルタ
ープラグを製造することができるという優れた効果を発
揮する。
【図1】本発明のエアージェットの代表的な構造を示す
断面図である。
断面図である。
【図2】本発明のエアージェットの構成部材の一つであ
るインナーチューブの一例を示す断面図である。
るインナーチューブの一例を示す断面図である。
【図3】従来提案されているエアージェット例の概略を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図4】従来用いられてきたエアージェットの一例を示
す断面図である。
す断面図である。
【図5】従来のトランスポート型エアージェットの一例
を示す断面図である。
を示す断面図である。
1 外筒 2 内筒 3 トウ状繊維束移送路 4 空気循環室 5a,5b,5c,5d 空気誘導壁 6a,6b,6c,6d 空気吹出し孔 8,9 空気供給口 10 空気流変流ガイド 11 空気吸引スリット 20 トランペット部 21,41 トランペット 22,22',43 トランペットホルダー 22a トウ状繊維束の導出口 22b,43b 圧縮空気導入口 23 Oリング 24,46a 第1空気室 25,26 先端部 27 環状スリット 28 補助ガイド 30,50 嘴状部 31 インナーチューブ 31a 開孔部 32,42b 圧縮空気抜き用スリット 33 Oリング 34 インナーチューブホルダ
ー 34a 圧縮空気導入口 35 第2空気室
ー 34a 圧縮空気導入口 35 第2空気室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭56−150396(JP,U) 実開 昭58−16094(JP,U) 実開 昭63−151794(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A24D 3/00 - 3/18
Claims (4)
- 【請求項1】 圧縮空気を用いてトウ状繊維束に推力を
与えるべく使用されるタバコフィルタープラグ製造用エ
アージェットであって、トランペットホルダーに嵌合固
着されたトランペットからなるトランペット部と、イン
ナーチューブホルダーに嵌合固着されたインナーチュー
ブからなる嘴状部とを備え、前記トランペットホルダー
とトランペットとの間には環状の第1空気室が形成され
ると共に、同トランペットホルダーとトランペットの先
端部には前記第1空気室と連通する圧縮空気吹出スリッ
トが形成されており、前記インナーチューブホルダーと
インナーチューブとの間には環状の第2空気室が形成さ
れると共に、同インナーチューブのトウ状繊維束移送路
内には前記第2空気室と連通し、同繊維束を開繊・交絡
するための開繊・交絡手段を有しており、前記トランペ
ット部の先端部と前記嘴状部との後端部とがトウ状繊維
束移送路を共有して結合されてなることを特徴とするエ
アージェット。 - 【請求項2】 前記開繊・交絡手段は、インナーチュー
ブ円周上に2以上穿設された孔径0.5〜2mmの開孔
部からなることを特徴とする請求項1記載のエアージェ
ット。 - 【請求項3】 インナーチューブの円周上に周設された
開孔部の角度がインナーチューブ内のトウ状繊維束の進
行方向に対し10〜120°の角度であることを特徴と
する請求項2記載のエアージェット。 - 【請求項4】 嘴状部の先端部には20mmを超えない
範囲で軸心に平行な複数のスリットを設けたことを特徴
とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のエアージ
ェット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32310492A JP2965184B2 (ja) | 1991-12-09 | 1992-12-02 | エアージェット |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32439091 | 1991-12-09 | ||
JP3-324390 | 1991-12-09 | ||
JP32310492A JP2965184B2 (ja) | 1991-12-09 | 1992-12-02 | エアージェット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05211860A JPH05211860A (ja) | 1993-08-24 |
JP2965184B2 true JP2965184B2 (ja) | 1999-10-18 |
Family
ID=26571060
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32310492A Expired - Fee Related JP2965184B2 (ja) | 1991-12-09 | 1992-12-02 | エアージェット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2965184B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1987000555A1 (en) | 1985-07-18 | 1987-01-29 | Nippon Kokan Kabushiki Kaisha | Continuous strip steel processing line having direct firing furnace |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4632055A (en) * | 1985-03-22 | 1986-12-30 | Ryder International Corp. | Apparatus for tinting soft contact lenses |
JP2001321147A (ja) * | 2000-05-19 | 2001-11-20 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | エアージェット |
DE102006001643A1 (de) * | 2006-01-12 | 2007-07-26 | Rhodia Acetow Gmbh | Umlenkvorrichtung, Maschine umfassend eine derartige Umlenkvorrichtung und Verfahren zum Fördern und Umlenken wenigstens eines Filtertowstranges |
JP5450246B2 (ja) * | 2010-05-14 | 2014-03-26 | 株式会社ダイセル | 長尺状繊維トウの開繊物の製造方法と、そのための製造装置 |
US10064429B2 (en) * | 2011-09-23 | 2018-09-04 | R.J. Reynolds Tobacco Company | Mixed fiber product for use in the manufacture of cigarette filter elements and related methods, systems, and apparatuses |
JP5824343B2 (ja) * | 2011-11-29 | 2015-11-25 | 株式会社ダイセル | 長尺状繊維トウの開繊物の製造装置 |
-
1992
- 1992-12-02 JP JP32310492A patent/JP2965184B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1987000555A1 (en) | 1985-07-18 | 1987-01-29 | Nippon Kokan Kabushiki Kaisha | Continuous strip steel processing line having direct firing furnace |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05211860A (ja) | 1993-08-24 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |