JP2965159B2 - 有機質廃水処理法 - Google Patents

有機質廃水処理法

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JP2965159B2
JP2965159B2 JP30614588A JP30614588A JP2965159B2 JP 2965159 B2 JP2965159 B2 JP 2965159B2 JP 30614588 A JP30614588 A JP 30614588A JP 30614588 A JP30614588 A JP 30614588A JP 2965159 B2 JP2965159 B2 JP 2965159B2
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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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Description

【発明の詳細な説明】 「発明の目的」 この発明は、有機質廃水の処理法に係り、BOD濃度の
高い有機質廃水を空隙率85%以上の合成繊維材による回
転盤を用い長期に亘って安定且つ的確にして連続的且つ
効率的に浄化処理することのできる方法を提供しようと
するものである。
(産業上の利用分野) 各種産業乃至生活環境より排出されるBOD濃度の高い
廃水を殊更に希釈することなしに、しかも1年以上のよ
うな長期に亘って連続的且つ効率的に浄化処理する技
術。
(従来の技術) 都市などにおける生活廃水や各種食品産業等における
有機質廃水により、河川、湖沼等が汚染される事情につ
いては周知の通りであって、このような有機質廃水の処
理法としては、微生物の増殖方法による酸化ないし硝化
作用を利用する生物化学的方法と各種薬剤を用いる化学
的方法に大別することができる。後者、即ち化学的方法
は、有機質廃水に直接、その汚染状態に応じて、各種薬
剤を添加して、処理するものであるから、当然迅速に廃
水処理をなすことのできる方法であるが、個々の廃水処
理ごとに薬剤添加が必要であり、従って処理ごとのラン
ニングコストが嵩むことになるから、有機質廃水の処理
においては一般的なものとはなりえないので、前者であ
る生物化学的方法が次第に普及化されつつある。
即ち、このような微生物を利用した処理法としては、
処理槽内汚水中に空気を吹き込む活性汚泥法や槽内に接
触材を入れて成る接触酸化法(浸漬濾床法)、散水濾床
法などがあるが、回転軸に比較的軽量且つ強固な多数個
の回転板部材を取り付けそれら回転板部体表面積の例え
ば40%程度を浸漬させ、低速回転させることにより回転
板群が空気中と汚水中とに相互に接触し、該回転板部体
群とその表面に付着した微生物により汚水を浄化する回
転板接触法が好ましい方法とされ、例えば1983年の「水
処理技術」誌第24巻第10号35〜40頁などに紹介されてい
る。即ち、この方法によれば槽内汚水中に空気吹き込み
をなすことが不要で、又特別に散水するような必要もな
く、更には、汚泥返送も不要であって最も省エネルギー
的とされ、既に国内の相当数の処理場で稼働されつつあ
る。燃しこの有利な回転円板法による場合においても、
在来の回転円板の場合にはその円板本体を相当に密着さ
せて配設したとしても単位体積(m3)当りの表面積は限
られたものとならざるを得ないので効率的な酸素補給及
びそれに伴った微生物の好ましい酸化作用を求め難い。
そこで、本発明者等は上記したような不利を解消すべ
く可曲性合成繊維材を交錯せしめた空隙率85%以上のよ
うな立体的空隙組織をもつ緩解組織体を前記回転体とし
て採用し、好ましい空気補給を図り、しかも微生物が該
繊維組織中において活発に繁殖し、依って汚水中の有機
物(BOD分)その他の汚染成分を効果的に酸化分解し、
浄化処理し得ることについての例えば実願昭58−2161
号(実開昭59−110096号)、同−176665号(実開昭60
−86500号)、同59−116464号(実開昭61−33696号)
のような提案をなしている。即ち、本発明者等の先願技
術によれば、前記繊維材により95%以上の空隙率状態を
形成し接触面積を180〜250m3程度とすることが可能で、
例えば40%水没方式で運転した場合においては約20日間
の運転によりその繊維組織材周面に微生物が旺盛に付着
繁殖することが確認されており、しかものような提
案によるときはそのような旺盛な微生物(汚泥)の付着
生成によっても繊維材の分離ないし各部材の折損などを
見ることのない安定な運転操業をなし得ることが実験的
に確かめられ、前記のような旺盛な微生物の増殖により
その重量は運転スタート時の8〜15倍に達することも確
認されている。
(発明が解決しようとする課題) 上記したような本発明者等の提案によるものは合成繊
維の交錯した微細な組織を利用し、回転盤の回転によっ
て該組織中に有機質廃水と空気の供給とを相互且つ適切
な時間間隔を採って繰返すものであることから好気性微
生物(菌類)を効率的に増殖せしめることが可能で、BO
D負荷を従来の効果的設備とされている濾床方式による
ものの少なくとも数倍ないしそれ以上に向上することが
でき、除去率60〜95%のような効果的処理が確保され、
各方面において実用化されている。ところがこのような
本発明者等による設備の高性能化に伴い、更には廃水規
制の厳格化なども原因して従来設備で採用されている原
水(有機質廃水)におけるBOD濃度500ppm以下の限度を
超え、1000ppmないしそれ以上で微細SS分も相当に高い
高濃度廃水を処理することが多くなり、事実このように
高濃度廃水を処理することにより殊更に稀釈して被処理
水量を2倍ないしそれ以上に増大することなく、従って
余分な清浄水を必要とせず、処理を効率化し、多量の処
理済み水を発生することなしに処理し、何れの面からし
ても有利な操業をなすことが可能となる。
然して斯うした高濃度廃水による操業であっても、少
なくとも2ケ月、場合によっては数カ月程度は安定且つ
能率的な浄化処理を実施することが可能であるが、そう
した限度を超えて連続運転することによりそれまで順調
に付着成長していた繊維周面の汚泥が急激に脱落し、同
時に処理効率の著しい低下を招き、一旦このような現象
が発生すると、その機能を回復することが非常に困難で
あって、数カ月ないしそれ以上も稀釈された低濃度廃水
による回復処理を実施しても回転板接触機構のみなら
ず、処理後の被処理液を分別して汚泥分を除去する沈澱
槽をも含めた全般の浄化機能を回復し高度の処理効率を
得ることができない。
即ち、従来法によるものの数十倍にも相当するような
高度の処理効率は上記したような2〜3カ月あるいは数
カ月間の使用で急激に低下し、その有利な操業を確保す
るための機構的改善に関する前記本発明者等の提案にも
拘らず、再び本来の高能率浄化処理を求め難いような事
態を発生することとなり、又この故に成程高濃処理の可
能なことが実験的、データ的に確認されていても、わざ
わざ稀釈した不利な操業に従わざるを得ない。
「発明の構成」 (課題を解決するための手段) 径が0.5〜1.2mmの合成繊維を不規則に交錯せしめ圧縮
成形し空隙率85〜99%とされた立体的空隙組織を有する
合成繊維回転体を有機質廃水中に部分浸漬した状態で回
転せしめ有機質廃水と空気との接触を交互に行わせ、前
記繊維表面に於いて好気性微生物による付着増殖を図り
上記した有機質廃水の浄化を行なわしめてから該廃水を
沈澱処理して排水するに当り、前記した合成繊維立体的
空隙組織回転体による接触処理にBOD濃度が1100ppm以上
とされた有機質廃水を連続供給せしめ、しかも該接触処
理に際し上記した合成繊維回転体部分に吹込機構により
給気してその合成繊維面に付着生成した好気性微生物に
よる汚泥膜厚を制御することを特徴とする有機質廃水処
理法。
(作用) 径0.5〜1.2mmの合成繊維を用いることにより旺盛な好
気性微生物による汚泥の付着増殖に耐える強度を確保
し、又空隙率85%以上のような空隙を形成して回転盤回
転時における有機質廃水と空気の供給を円滑化し、繊維
表面における効率的増殖を図り、前記有機質廃水のBOD
分などに関する高い除去率を得しめる。
供給される有機質廃水(原水)におけるBOD濃度を110
0ppm以上とすることにより各種食品製造施設その他から
排出される高濃度廃水を稀釈することなしに浄化処理す
ることを可能とし、稀釈のための清浄水を不要ないし大
幅に縮減すると共に処理済み排水量の大幅縮減をもたら
す。
前記した合成繊維回転盤部分に給気することにより合
成繊維周面に過剰状態に付着生成し、あるいは過剰状態
に生成しようとする汚泥の膜厚を制御し、繊維間空隙の
閉塞をなからしめて空気および有機質廃水を常に円滑に
供給し、又繊維材面ないしその近傍における嫌気性微生
物の発生ないし増殖を皆無化ないし制限する。従ってこ
のような嫌気性微生物による急激な汚泥脱落をなからし
め、又該嫌気性微生物による回転接触機構ないしそれに
連続して用いられる沈澱槽などにおける妨害作用を防止
する。
これらの結果として上記のように旺盛な好気性微生物
による高能率で、しかも高濃度廃水に対する清浄化処理
を長時間に亘って安定に行なわせる。
(実施例) 上記したような本発明について更に具体的に説明する
と、本発明を実施するための装置の全般的な構成関係の
1例は第1図に示す如くであって、前記したような有機
質廃水は適宜に原水ピット(2)に受入れられたものが
スクリーン(4)によって粗粒分を除去されてから調整
槽(3)を介して合成繊維回転盤(11)を配設した接触
処理機構(1)に定量宛供給されるように成っている。
即ち食品工業その他の廃水発生源から得られる原水(有
機質廃水)は、仮に一般家庭からの生活廃水であっても
経時的にその発生排出量および濃度が相当に変動し、こ
れを上記のような原水ピット(2)および調整槽(3)
において調整した状態で接触処理機構(1)に対し定常
供給して接触浄化処理する。
接触処理機構(1)からの処理水は適宜に曝気槽
(5)を介して沈澱槽(6)に送られて沈降した汚泥分
を分離し、次いで処理水槽(7)や消毒槽(8)を経し
めて排水する。沈澱槽(6)に対しては適宜に汚泥消化
槽(9)を付設して消化処理することは図示の如くであ
るが、本発明においては空気吹込機構(10)を備え、調
整槽(3)に対し適宜に空気吹込みをなすと共に接触機
構(1)の合成繊維回転盤(11)部分に対し吹込機構
(10a)により空気吹込みをなすようにされている。な
おこの第1図のものは比較的大型で、入念な処理を行な
うものが示されているが、本発明によるものは適宜に簡
略化して実施でき、場合によっては原水供給部と接触処
理機構(1)および沈澱槽(6)の如きでもよい。
前記した合成繊維回転盤(11)についての具体的構成
は前記した先願技術に従い、素材板(11a)として第3
図に示すようにビニリデンその他の熱可塑性合成繊維の
み、または熱可塑性合成繊維に対し適宜の他の繊維を混
合したものを所定の長さに切断し且つ必要に応じて適当
な加熱条件下のカール状屈曲加工を施したものを緩解し
た状態で混合配列し、この緩解混合配列状態のものに合
成樹脂ラテックスを噴霧状に散布して該ラテックスを繊
維面にそって流動させ、各繊維の交点に凝集した状態で
加熱処理を行ない、上記したような各交点で繊維相互の
締結を図り、しかも前述したようなカール状屈曲加工に
よりバルキー性を採らしめる。
前記のようにして得られる素材板(11a)は既述した
ように旺盛な微生物の増殖とそれに伴う原水中回転時に
おける抵抗ないし摩擦によっても締結された繊維材が部
分的に脱落分離することを防止するために前記先願実開
昭61−33696号に示されたような手法に従い、素材板(1
1a)の周側および組立部材挿通孔(11b)部分を圧扁溶
着部(15)(15a)とするものであり、即ち上記のよう
に熱可塑性合成繊維を用いたものを部分的に圧縮すると
共に加熱することによって該熱可塑性合成繊維は溶着し
てそれなりの他の繊維が配合されたものでも圧扁緻密状
態を形成し、単なる合成樹脂成形板のように剛体化した
圧扁溶着部(15)または(15a)が形成される。
又、上記のような回転体は円形状とすることが好まし
いことは明らかで、前記素材板(11a)としては複数個
の扇形単位体として形成することが有利であり、即ちこ
の扇形単位体としての素材板(11a)はその挿通孔(11
b)部分に形成された圧扁溶着部(15a)に対して筒形の
間隔部材(12)を用いて組立てられる。この間隔部材
(12)は第3図に示すように軸筒部(21)の両端部に鍔
部(22)が対設され、しかもこのような鍔部(22)から
それぞれ突出または凹入し相互に係合する雄螺部(23)
と雌螺部が形成されたもので、組立てに当たっては前記
素材板(11a)の両側に位置した2つの間隔部材(12)
(12)における一方に関しその雌螺部を挿通孔(11b)
中に挿入した状態で、他方の間隔部材(12)の雄螺部
(23)を該雌螺部中に螺入することによって両間隔部材
(12)(12)における鍔部(22)(22)間に圧扁溶着部
(15a)が挟み込まれる。前記した挿通孔(11b)は各素
材板(11a)に関して複数個が配設されることは第3図
に示す通りで、これらの挿通孔(11b)部分にそれぞれ
間隔部材(12)が用いられ、圧扁溶着部(15a)に鍔部
(22)が埋め込まれた状態でセットされることも第3図
に示す如くである。斯うして間隔部材(12)をその軸方
向において順次に螺合接続し、それら間隔部材(12)の
鍔部(22)(22)間に素材板(11a)を挟入支持させる
と剛体である間隔部材(2)の寸法と剛体化した圧扁溶
着部(15a)の厚さ寸法とによって各素材板(11a)(11
a)の厚さ方向における間隔が自動的に決定され、一定
の間隔を採って位置せしめられる。
従ってこのようにして取付けられた間隔部材(12)の
内孔に第4図に示すような緊締杆(13)を挿通し端板
(16)間に取付けるならば素材板(11a)の複数個によ
って形成される各回転盤(11)を略正確な位置を採って
第4図のように組付けることができ、各素材板(11a)
の両側における直線状の圧扁溶着部(15)部分も略整合
状態を採ることは図示の通りである。
第2図に示すように上記したような端板(16)および
回転盤(11)は軸杆(19)で機枠(14)に軸受けされ、
モータのような原動機構で回転駆動される。接触処理機
構(1)に対しては適宜にカバー(1a)を施す。
各素材板(11a)に用いられる熱可塑性合成繊維など
の太さおよびそれによって形成される空隙率については
適宜に選ばれるが、本発明においてはその表面に微生物
による汚泥が付着繁殖せしめられた条件下で、供給され
た廃水中で回転せしめられることから相当の強度を必要
とし、好ましい範囲としては径が0.5〜1.2mm、特に0.7
〜1.0mmであり、又空隙率は85〜99%、特に89〜98%程
度とする。即ちこのようにすることにより適切な原水お
よび空気の供給関係を得しめ、しかも安定した微生物の
付着増殖を図ることができる。
上記したような設備による操業において、その高度の
処理効率が急激に低下する事態が発生することは前記の
如くであって、このような処理効率低下は以下のように
考えられる。即ち、メデイア(media)たる繊維表面に
おける微生物(汚泥)の増殖が進んで表面全般を完全に
覆い、次いでその膜の密度が増加し、既に生じている膜
の表面に新細胞が覆う関係で増殖が進行し、隣接繊維の
夫々の表面にそうした増殖が得られる結果、それがある
期間を経ることにより繊維間における空隙が閉塞されて
通気および給水が阻害され、特に内部の繊維境界面部分
でそうした通気、給水が困難となることから増殖してい
た好気性微生物が死亡し始め、好気的作用をしないこと
となり、代って嫌気性微生物が発生し死亡した好気性微
生物体を食物とし増殖する。つまりこのような嫌気性微
生物の発生、増殖によって繊維境界部の最低層までも食
べ尽くされると、それまでの好気性微生物による構造体
が失われ、しかもガス発生が起って多量の汚泥が急激に
脱落することとなるものの如く推定される。しかもこの
ような脱落が発生した場合には当該接触機構槽およびそ
れに連続した沈澱槽において嫌気性微生物が相当に残る
ことになり、このような嫌気性微生物によって本来の好
気性微生物の発生ないし増殖が著しく阻害され、更にそ
うして残った嫌気性微生物を完全に死滅ないし排除する
ことも容易でないことから、一旦汚泥脱落の発生した設
備においては好気性菌による従前通りの旺盛な好気性微
生物の増殖が求め難いこととなるものと考えられた。
そこで本発明においては上記のような繊維材表面から
の急激且つ大きな脱落を回避し、安定な好気性微生物の
増殖を長期に亘って継続せしめた操業を行なわせるため
に前記した接触処理機構(1)の底部に散気管(10a)
から合成繊維回転盤(11)部分に空気を吹込み、その上
昇空気流(気泡)を形成し、この空気による気泡上昇力
およびそれに伴う液流あるいは気泡の破裂力などの複合
した衝撃作用ないし接触摩擦力、更には乱流撹拌作用を
与え過剰に付着生成した汚泥を脱離するものである。即
ちこのようにして過剰付着汚泥が脱離せしめられること
により各繊維間が汚泥によって閉塞せしめられることな
く、従って各繊維面において付着している好気性微生物
への給気が有効に行なわれて各基質に適応した最適状態
の浄化処理が継続される。つまり各繊維面において汚泥
が過大に付着せず、被包膜を介した酸素の供給が繊維面
まで継続して行なわれることから繊維面における好気性
微生物の死亡も殆どなくなり、嫌気性微生物の発生ない
し増殖は抑制されるので、発酵やガス発生も皆無状態
で、深層(繊維面)からの多量の汚泥脱落を的確に防止
することができる。更に斯うして嫌気性微生物の発生増
殖が抑制されることにより、そうした嫌気性微生物に原
因した接触処理機構ないし沈澱槽での嫌気性微生物に原
因した妨害作用も解消する。
前記したような空気の吹込みは理論的には繊維面に例
えば厚さが0.2mm程度の汚泥(好気性微生物)が付着生
成した時点から行なうことが好ましく、それ以前の状態
で吹込んでも過剰汚泥の付着がないことから効果的でな
い。即ち空気吹込みのない状態で浄化処理をスタート
し、それなりの汚泥付着がなされた状態から空気吹込み
をなすことにより、上記したような最適状態の浄化処理
を長期に亘って継続し得ることとなる。
然し、実際の操業に当たって前記した適正汚泥付着範
囲内から過剰汚泥付着状態に移行する時点を正確に求め
ることは容易でない。即ち付着厚さを細部に亘って測定
するようなことが容易でないと共に視覚によって判定し
ようとしても繊維面全般が同じ汚泥色をなしているから
判定が困難である。1つの手法として浄化効率を求める
ことが考えられ、即ち過剰汚泥付着によって浄化効率が
低下するからこの時点を検知して空気吹込みを開始する
ことが予想されるが、実際の操業においてそうした時点
を的確に求めることが困難である。つまり分析して効率
を求めるには相当の設備を必要とし、一般的には特定の
機関に試料を随時に送ってその報告を得ることになり、
そうした結果が得られるには1週間ないしそれ以上のよ
うな期間を必要とするからそのような結果の入手できた
時点では該分析結果が相当過去のものとなる。即ち供給
される廃水条件や外界温度条件などによって汚泥の付着
増殖がそれなりに変動し繊維面では好気性微生物の死
滅、嫌気性微生物の発生増殖が避け得ないこととなり、
発生混入する嫌気性微生物による妨害作用が生ずる余地
が残る。
従ってそうした関係をも考慮して実地的に安定な操業
を得るには未だ汚泥付着の充分でない時点、場合によっ
ては浄化処理スタート時から空気吹込みを実施すること
が考えられ、本発明者等はそうした関係についても検討
したところ、浄化処理スタート時点からの継続的吹込み
によっても安定した能率的浄化を実施できることが確認
された。即ち浄化処理スタート時においては繊維間に充
分な空間が保持されていることから同一量の空気吹込み
がなされても吹込み空気による剥離作用が比較的弱いも
のとなり、一方前記した微生物はそれが生物であること
から空気および原水の流動に対する剥離作用抵抗力を帯
び且つスタート時からの吹込みで強化されるものの如く
で、適度の空気吹込み条件下においては安定した付着増
殖を得しめることができる。このように浄化処理スター
ト時から継続的に空気吹込みをなすことにより、空気吹
込みを間欠的に行なうための吹込み時点を求めるために
特別な考慮をなす必要がないことになり、発生混入する
嫌気性微生物による妨害作用を回避した操業を安定に実
施することが可能となる。
本発明によるものの具体的な操業例について説明する
と以下の如くである。
操業例1(洋菓子製造工場の例) BODが1800〜3200ppm(平均約2400ppm)、SSが500〜30
00ppm(平均1138ppm)、N−ヘキサン100〜300ppm(平
均201ppm)で、pHが3.5〜5.0(平均4.1)の洋菓子工場
廃水を処理した結果を各週毎に要約して示すと次の第1
表の如くであり、この場合の除去率をグラフとして示し
たのが第5図であって、設備としては第1図を簡略して
第5図の上部に示すようにし、即ちスクリーン(4)、
調整槽(3)、接触処理機構(1)と沈澱槽(6)を用
いたものとした。用いた接触処理機構(1)としては容
積4.5m3の槽内に、直径2mで径が0.8mmの塩化ビニリデン
繊維を空隙率95.6%とし、厚さが約5cmの回転盤(11)
を24枚並列して、周速約20m/minで回転させながら処理
した。接触処理機構(1)に対する原水の供給量は3〜
5m3/hr(平均3.5m3/hr)である。
即ち処理運転を開始してから約3週間後まではBOD除
去率が次第に向上し、91%に達したが、その次第に減少
し、11週間目にはこのBOD除去率が68%と70%を下回っ
たので空気吹込機構(10)による吹込みをなし、即ち0.
2m3/minの空気を約15分間吹込んで過剰付着状態の汚泥
をその表層部において除去したところ除去率は88%に回
復した。
この状態で運転を継続し、15週目には再び除去率70%
に低下したので、同様に0.2m3/minの空気を20分間吹込
んだところ85%の除去率に回復し、更に21週目にも除去
率66%に低下したので0.2m3/minの空気を30分間吹込ん
だところ除去率83%に回復した。
なお29週目には除去率55%に低下したので、以後は0.
1〜0.15m3/minの空気を継続して吹込み操業したとこ
ろ、30週間以降は80%以上、一般的には87〜89%の高い
除去率を確保することができ、これは運転初期3〜8週
間の間の高除去率に相当した優れた性能である。
操業例2 食肉センター(と場)の例 BOD1100〜1600ppm(平均1358ppm)、SSが500〜1300pp
m(平均795ppm)、N−ヘキサンが200〜500ppm(平均29
6ppm)で、pHが6.5〜6.8(平均6.7)の食肉処理場廃水
を処理した結果を同様に各週毎に要約して示すと次の第
2表の如くであり、これを図表としたものが第6図であ
り、設備としては接触処理機構(1)を2基採用し、曝
気槽(5)を用いた以外は前記第5図のものと同様であ
る。
原水の供給量は6〜9.5m3/hr(平均8m3/hr)であ
り、その他の運転条件は操業例1に略準じて実施した。
即ち、この場合には運転を開始してから10週目におい
てBOD除去率が70%に低下したので、0.2m3/minで15分間
の空気吹込みをなしたところ、3日後の分析値では90%
以上に回復した。
然してこの場合においては14週目においてBOD除去率
が60%と低下したけれども試験的にそのまま空気吹込み
なしの操業を継続したところ、15週の2日目には異状悪
臭の発生が感じられ、次いで汚泥が黒変し、付着汚泥の
急激な脱落が発生した。
そこで、このような脱落後の復元措置として、高圧の
工業用水を用いて残存している嫌気性汚泥(黒色)を完
全状態に除去し、数日経過後に新しい廃水を供給すると
共に0.1〜0.15m3/minの空気を継続供給して操業をなし
たところ、除去率は次第に向上し、17週目には80%近い
除去率が得られ、19週目以降は90%以上の高い除去率に
よる操業を継続することができ、50週を超えてもこの高
除去率が完全に維持することができた。
操業例3(製麺、米飯工場の場合) BOD:2200〜3000ppm(平均2465ppm)、SS:1500〜2500p
pm(平均1985ppm)、Nヘキサン:30〜50ppm(平均30.5p
pm)、pH:3.1〜7.0(平均4.4)の製麺、米飯工場廃水を
処理した結果を同様に各週毎に要約して示すと次の第3
表の如くであり、これを図表としたものが第7図であっ
て、設備的には操業例2と同様である。
原水の供給量は6.5〜8m3/hr、平均7m3/hrであり、
その他の運転条件は操業例1に略準じて実施した。
即ち、この操業例においては運転を開始して7週目に
BOD除去率が56%に低下し、同週2日目には異状悪臭の
発生、次いで汚泥の黒変と付着汚泥の急激な脱落が認め
られた。このため、このような脱落後の復元措置とし
て、高圧の工業用水を用いて残存する嫌気性汚泥(黒
色)を完全状態に除去し、操業を再開したところ、BOD
除去率は当初の36%を超える46%を示し、爾後順当な除
去率の向上を示した。
更に、第13週目においてBOD除去率が39%迄急激に低
下したので、0.2m3/minで30分間の空気吹込みをなした
ところ、次週においては73%迄除去率は回復した。
然して、第16週目において除去率が58%迄低下したの
で爾後この操業においては連続的に0.15〜0.2m3/minの
空気吹込みをなしたところ、除去率は向上し、次週以降
常に80%を上廻る高い除去率による操業を50週を超えて
安定に継続することができた。
操業例4(製麺工場の場合) BOD:1300〜2000ppm(平均1847ppm)、SS:300〜1000pp
m(平均770ppm)、Nヘキサン:30〜50ppm(平均35.9pp
m)、pH:3.1〜7.0(平均3.3)の製麺工場廃水を同様に
各週毎に要約して示したものが次の第4表であり、これ
を図表としたものが第8図であって、設備的には操業例
1と同様である。
原水の供給量は4m3/hrであり、その他の運転条件は
操業例1に略準じて実施した。
即ち、この操業例においては運転当初より0.1〜0.15m
3/hrの空気吹込みを連続的になしたところ、BOD除去率
は向上し、第4週目以降常に90%を上廻る高い除去率を
示す操業を継続して実施することができ、50週を経ても
安定した効率的操業をなし得ることが確認された。
「発明の効果」 以上説明したような本発明によるときは合成樹脂繊維
材を緩解状態で締結させた大きな表面積を有すると共に
95%以上のような高い空隙率をもった合成繊維回転盤を
用い、高能率な微生物増殖によりBODが1100ppm以上で、
SS分についても数百ppmないし1000ppmを超えるような高
濃度廃水に対し有効な処理をなし、従って実際の各種生
産設備からの廃水をそのまま適切に処理せしめ得、しか
も少なくとも1年以上、一般的には数年ないしそれ以上
に亘る長期間、少なくとも80%以上の高い除去率を確保
し安定且つ経済的な清浄化処理を円滑に実施し得るもの
であって、工業的にその効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の技術的内容を示すものであって、第1図
は本発明方法を実施する設備の全般的な構成関係の1例
を示した説明図、第2図はその接触機構についての部分
切欠斜面図、第3図はその素材板についての斜面図、第
4図は回転盤の取付関係を部分的に示した側面図、第5
図は本発明における操業例1の実施結果を要約して示し
た図表、第6図から第8図はそれぞれ操業例2〜4につ
いて実施結果を要約して示した図表であって、これら第
5〜8図においては具体的に採用された設備の説明図を
も併せて示している。 然してこれらの図面において、(1)は接触処理機
構、(2)は原水ピット、(3)は調整槽、(4)はス
クリーン、(5)は曝気槽、(6)は沈澱槽、(7)は
処理水槽、(8)は消毒槽、(9)は汚泥消化槽、(1
0)は空気吹込機構、(11)は合成繊維回転盤、(11a)
はその素材板、(11b)はその挿通孔、(12)は間隔部
材、(13)は緊締杆、(14)は機枠、(15)(15a)は
圧扁溶着部、(16)は端板、(17)は原動機構、(19)
軸杆、(20)は軸筒部、(21)は軸筒部、(22)は鍔
部、(23)は雄螺部、(24)は雌螺部を示すものであ
る。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】径が0.5〜1.2mmの合成繊維を不規則に交錯
    せしめ圧縮成形し空隙率85〜99%とされた立体的空隙組
    織を有する合成繊維回転体を有機質廃水中に部分浸漬し
    た状態で回転せしめ有機質廃水と空気との接触を交互に
    行わせ、前記繊維表面において好気性微生物による付着
    増殖を図り上記した有機質廃水の浄化を行なわしめてか
    ら該廃水を沈澱処理して排水するに当り、前記した合成
    繊維立体的空隙組織回転体による接触処理にBOD濃度が1
    100ppm以上とされた有機質廃水を連続供給せしめ、しか
    も該接触処理に際し上記した合成繊維回転体部分に吹込
    機構により給気してその合成繊維面に付着生成した好気
    性微生物による汚泥膜厚を制御することを特徴とする有
    機質廃水処理法。
  2. 【請求項2】合成繊維回転体部分に対し給気することな
    く接触処理を開始し合成繊維面に好気性微生物による所
    定厚さの汚泥膜が形成されてから給気による汚泥膜厚制
    御を開始する請求項1に記載の有機質廃水処理法。
  3. 【請求項3】接触処理開始と実質的同時に給気し汚泥膜
    制御をなしながら接触処理する請求項1に記載の有機質
    廃水処理法。
  4. 【請求項4】有機質廃水におけるBOD濃度が1100〜10000
    ppmである請求項1に記載の有機質排水処理法。
  5. 【請求項5】SSが300〜5000ppmの有機質廃水を供給処理
    する請求項1に記載の有機質廃水処理法。
  6. 【請求項6】繊維材に付着生成した汚泥が黒変し急激な
    脱落が発生した場合に高圧水により残存する嫌気性汚泥
    を完全状態に除去し空気を連続吹込みして運転を再開す
    る請求項1に記載の有機質廃水処理法。
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