JP2963930B2 - 合成樹脂フイルムによる円筒状物品の自動包装装置 - Google Patents

合成樹脂フイルムによる円筒状物品の自動包装装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は紙ロール等の円筒状物品に合成樹脂フイルム
を長手方向のまわりに角方位を変更させながら連続的に
巻付かせて全面包装する装置に関する。
(従来の技術) 第5図は円筒状物品に合成樹脂フイルム等のウエブ材
料を巻付かせて包装する一般的な方式を示す。円筒状物
品(a)は横軸線の1対の支承回転ローラ(b)上に跨
がって載せられローラの回転駆動により転回させられ、
帯状ウエブ(c)を巻回ストック(d)から引出して周
方向に巻付かせながら巻回ストック(d)を矢印(e)
で示すように軸線方向に移動させて全周面の巻付けを行
う。
特開昭58−64920号は、円筒状物品のウエブ包装の他
の1例を示し、円筒状物品が自軸のまわりに旋回し、そ
のまわりの円筒状物品の長手方向から端面直径方向を囲
回する軌道をウエブ巻回ストックが旋回して全面包装す
る。
(発明が解決しようとする課題) 第5図に示す従来技術の装置は、円筒状物品の端面ま
でフイルムにより包装することは困難であって、別途に
端面を包装する処置をしなければならないので、生産さ
れた円筒状物品のその後の搬出を速やかに行えないとい
う難点がある。
他方、特開昭58−64920号の装置は構造上、小さい盤
状の円筒状物品の包装は可能であっても、印刷用上質紙
ロールのような大形の円筒状物品の包装装置としては、
物品まわりの包装機構が大形化し作動部材の干渉を避け
るため複雑化することを免れないため、産業的装置とし
て経済的なものではない。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、前記のような従来技術の諸問題に解決を与
えるためになされたものであって、その解決手段として
は、先ず大形の円筒状物品を搬送ライン方向に転がらせ
てターンテーブル上に搬入しターンテーブル上の1対の
支承回転ローラが跨座する上に支承する。この際、ガイ
ドポストは、円筒状物品がターンテーブルへ転入出する
方向と交叉する床上に配置されているため、転入出の邪
魔にならない。そしてターンテーブルの縦軸まわりの旋
回により、ターンテーブル側方のガイドポストに沿い昇
降して円筒状物品の中心高さに位置決めされるエレベー
タ上のフイルムロールストックから引出したフイルムを
円筒状物品の直径面のまわりに巻付けながら、支承回転
ローラの回転により円筒状物品における巻付け角方位を
順次に変位させることにより全周全面のフイルム包装が
完了するようにする。このように、ロールストックが包
装しようとする円筒状物品の大きさに応じてエレベータ
により昇降できるため、あらゆる大きさの円筒状物品を
1台の包装装置で自動包装することができる。また、包
装に際して、円筒状物品が回転しつつ旋回動作している
ため、同じ高さでフィルムを供給すると、円筒状物品の
軸方向に平行にフィルムを巻付けることができないが、
ロールストックを上記回転と旋回に同期して昇降させる
ことによって、円筒状物品の軸方向に正確な意味におい
て平行にフィルムを巻き付けることができるため、必要
に応じて、フォークリフトのつめ等を挿通するための
「芯部を明けた包装」をすることができる。さらに、包
装に際し、1対の延伸ローラにより合成樹脂フィルムが
予め延伸された状態で供給されるため、フィルムの消費
量が少なくて済み、しかも密閉状態に包装することがで
きる。しかも、その延伸しようとする反力は円筒状物品
に何ら作用しないため、包装に際し、円筒状物品は、タ
ーンテーブルの1対の支承回転ローラ上に安定して状態
で位置することになる。包装作業が終ればフイルムの後
続尾端はグリッパー、シーラ、カッターからなるアセン
ブリにより円筒状物品のまわりに取付けられ、後続フイ
ルムから切離される。
こうして包装を完了した円筒状物品は支承回転ローラ
の1つの上昇により蹴出されて転出し、搬出ラインに移
行する。
フイルムの巻付けに際してはフイルムをエレベータの
延伸ローラで予備延伸し、ガイドローラと円筒状物品と
に張渡される間のフイルムは延伸されず、従ってフイル
ムからは円筒状物品に殆ど張力がかからないようにして
円筒状物品が支承回転ローラ上に安定に保持されるよう
になっているが、巻付け包装時に必要により、円筒状物
品に上部から1対の上押えローラをプラテンから降下さ
せて押え付け、円筒状物品、ターンテーブルの旋回とと
もに旋回するようにして転落が絶対に起こらないように
する。
これらを総合して、本発明の合成樹脂フィルムによる
円筒状物品の自動包装装置は、構成としては、床上で縦
軸線のまわりに旋回可能なターンテーブル上に1対の横
軸線の円筒状物品の支承回転ローラをターンテーブルの
直径横断位置にその周面上端が搬送レベルに一致するよ
うにターンテーブル床面上に露出させて並設し、該ター
ンテーブルの側方の床上にガイドポストを立設して、こ
のガイドポストに合成樹脂の包装フィルムのロールスト
ックを供給可能に配設し、ガイドローラを経由したフィ
ルムの先端がターンテーブル上の円筒状物品を補足して
包装するべく構成した自動包装装置において、 上記円筒状物品の転入および転出に際し、上記1対の
支承回転ローラのうち転入側あるいは転出側の支承回転
ローラは、その上端が搬送レベルに一致する状態を維持
するよう、且つ、残りの支承回転ローラを、その上端が
上記搬送レベルから上昇するように構成し、 上記ガイドポストを、円筒状物品がターンテーブルへ
転入出する方向と交叉する床上に配置するとともに、 上記ガイドポストに該ガイドポストに沿って昇降可能
なエレベータを配置して、このエレベータに上記ロール
ストックを配置して、大きさの異なる円筒状物品が供給
されても、該円筒状物品の中心位置あるいは略中心位置
にロールストックが位置するようにし、 さらに、上記ガイドローラとロールストックとの間
に、ガイドローラ側のローラの送り速度をロールストッ
ク側のローラの送り速度に比して速くして通過する合成
樹脂フィルムが延伸するよう、一対の延伸ローラを配置
したことを特徴とする。
(作用) 本発明装置によると、生産ラインで製出された紙ロー
ル等の大形の巻回円筒状物品を、転回させて搬送ライン
上を移送する初期に、合成樹脂フイルムにより周面、端
面にわたり全面的に速やかに包装して外部と遮断された
状態に保護を施して搬出することができる。
合成樹脂フイルムは3倍程度に高延伸することがで
き、それにより緊迫力、衝撃強度を向上させ使用量が無
延伸の場合の1/3程度に節減されるとともに、延伸力が
包装中の円筒状物品に及ばないようにすることができる
ので、幅狭の1対の支承回転ローラ上から大形の円筒状
物品を転落させることがないように安定状態に維持して
包装を完了することができる。
従ってまた本発明の包装装置は大形の円筒状物品を全
面包装するために拡がりの大きい装置とする必要はな
く、操作は自動的に短時間で遂行することができ、また
近接調整、修正も容易に加えることができ、装置コスト
も安価で済む。
(実施例) 以下、本発明の合成樹脂フイルムによる円筒状物品の
自動包装装置を、第1〜4図を参照し、実施例により一
層具体的に説明する。第1図は装置の構成原理を示す斜
視図、第2図はその1実施例の平面図、第3図はそのII
I−III線矢視側面図、第4図はそのローラ類と円筒状物
品との位置、寸法関係を示す線図である。
第2図および3図に示す本発明実施例の円筒状物品の
フイルム包装装置においては、床(1)上の3つの円周
配列の旋回ローラ(2)上にターンテーブル(3)が中
心縦軸線のまわりに旋回可能に支承され、図示省略の駆
動装置により0〜26 rpm程度に可変の回転速度で旋回駆
動される。ターンテーブル(3)の上面は点検のため取
外し可能な円形の床板(4)で囲われ、これと同レベル
で隣設して連接するベルトまたはローラコンベヤ等(図
示せず)との間に紙ロール等の円筒状物品(5)を床板
(4)上を転がらせて転入あるいは転出させることがで
きるようになっている。
ターンテーブルの床板(4)は直径横断方向に開口し
ており、ここにターンテーブル(3)上に搭載された1
対の横軸線平行の円筒状物品の支承回転ローラ(6)
(7)が露出し、常時は両ローラ(6)(7)の周面上
部が床板(4)とほぼ同レベルとなるよう水平にならべ
て配置される。支承回転ローラ(6)(7)の軸線方向
はターンテーブル(3)の旋回微動により任意の方位に
向けることができ、円筒状物品(5)の受入れ時には、
例えば矢印(A)で示す移送方向と直交するように持来
される。このようにして転入する円筒状物品(5)は跨
座する両支承回転ローラ(6)(7)にまたがって座乗
して支承される。本発明では例えば支承ローラ径100m
m、軸間距離190mmとし、円筒状物品は径230〜570mm、長
さ380〜1200mm、重量10〜250kgの大径大重量の包装対象
物を取扱うことができる。ただし支承ローラの軸間距離
は第1図に矢印(B)で示すように変更可能とすること
もできる。
この実施例では、1方の支承回転ローラ(6)をモー
タ(8)からチェーン(9)伝動により駆動される回転
駆動ローラとし、他方の支承回転ローラ(7)を自由回
転ローラとし、ローラ(6)の軸上の両端に基端を枢支
され連結された揺動アーム(10)の先端にわたって枢支
し、常時は両ローラ(6)(7)は前記のように水平に
ならぶが、ローラ(7)の下部に設けたエヤーシリン
ダ、エヤーバッグ等のアクチエータ(図示せず)により
圧力空気を導入して旋回扛上げさせることができるよう
になっている。ローラ(7)の上昇により包装された円
筒状物品を蹴出して速かに搬出方向に転出させることが
できる。またこのローラ(7)は包装前の円筒状物品の
転入時の受止めに用いることができる。1ローラを昇降
可能とする代りに両ローラ(6)(7)を個別に昇降可
能とすることができる。
ターンテーブル(3)の側方の円筒状物品(5)の転
入出方向と交叉する位置にガイドポスト(11)を床
(1)上に立設し、エレベータ(12)をモータ(13)駆
動によりガイドポストに沿い高さ位置決めできるように
装備する。エレベータ(12)には取扱う円筒状物品の寸
法に較べて幅の狭い、例えば幅50cmの合成樹脂の包装フ
イルム(14)のロールストック(15)を装着するように
する。包装時にはフイルムの中心の高さが支承回転ロー
ラ(6)(7)上の円筒状物品化(5)の中心コア(1
6)をセンサーで検出する等して円筒状物の中心に一致
する高さに上昇させて位置決めする。
ロールストック(15)からの包装フイルム(14)はエ
レベータ(12)上のモータ(12a)に駆動されて周速の
異なる対の延伸ローラ(17)(18)を経由して約3倍程
度まで延伸され、測長ローラ(19)、ガイドローラ(2
0)を経て円筒状物品(5)に向かって導出され、包装
前にその先端がターンテーブル上の出没式グリッパー
(4a)に挟みあるいは円筒状物品に直接取付けて円筒状
物品に捕捉されるようにする。
このように、包装前の段取りをしたのち、フイルムの
巻付け包装を開始する。この巻付け包装は、第1図に示
すように、ターンテーブル(3)の旋回によりともに旋
回(C)する円筒状物品(5)により包装フイルム(1
4)をエレベータ(12)のロールストック(15)により
第1図には図示省略のローラ(17)(18)(19)(20)
を経由して曳き出し自身の直径横断面の周囲すなわち周
側の軸線方向から端面の直径方向に連続的に巻付けなが
ら支承回転ローラ(6)(7)を回転(D)させて円筒
状物品の巻付けの角方位を順次ずらせることにより円筒
状物品の全面を包被して包装する。
方法フイルム(14)は延伸ローラ(17)(18)により
予備延伸されているので全面包装に必要なフイルムの消
費量は減少するとともに、ガイドローラ(20)、円筒状
物品(5)間に張渡される包装フイルムには延伸のため
の張力を作用させる必要はなく、従ってフイルムの張力
により円筒状物品(5)を支承回転ローラ(6)(7)
から転落させる怖なく、取扱う円筒状物品の径寸法との
比較で小形で簡単な構成の装置で美しく包装を遂行する
ことができる。付随装置として円筒状物品の直上位に持
来される床上装置のプラテン(21)から1対の平行軸線
の上押さえローラ(22)を旋回も可能に保持して、第4
図に示すように円筒状物品に押付けるようにすれば、回
転および旋回する円筒状物品を一層安定に保持すること
ができる。
円筒状物品のまわりに巻付けられた包装フイルムを未
巻付の後続部分から切放すには、包装フイルムが粘着性
を有する材料の場合は、単にカッターで切放して下層の
包装フイルムに貼付けるだけで済ませることができる。
しかし非粘着性フイルムの場合、自動切離しを遂行する
ために、エレベータ(12)からターンテーブル上の円筒
状物品(5)に到る経路の途中のフイルムに対し、支持
揺動アーム(23)の先端にその揺動によりフイルムを円
筒状物品に押付けるフイルム押えローラを有し、その後
熱融着するシーラ(24)を有し、その後に熱溶断する熱
線カッターを有する切放し装置(25)をターンテーブル
の側方に設けることができる。
後続フイルムから切離された包装完了円筒状物品は、
ターンテーブル(3)の旋回により所望の方位に向け、
支承回転ローラ(7)の上昇によりターンテーブル
(3)上から蹴出して所望の方位に転出させることがで
きる。従って円筒状物品の包装移送ラインは一直線に限
定されず、搬入、搬出方向が角度をなすレイアウトとし
たり、搬入方向と逆に搬出する配置としたりすることが
できる。
(発明の効果) 以上のように、本発明によると比較的大形で重い紙ロ
ール等の円筒状物品も合成樹脂フイルムにより自動的に
美しく全面包装して保護し速やかに移動させることがで
き、その装置は比較的小形で構成が簡潔であり、合成樹
脂フイルムの消費は少く、経済的な装置として成立つ等
の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の合成樹脂フイルムによる円筒状物品の
自動包装装置の構成を原理的に示す斜視図、第2図はそ
の1実施例の平面図、第3図は第2図III−III線矢視方
向の側面図、第4図はそのローラ類と円筒状物品との位
置、寸法関係を示す線図、第5図は従来技術のフイルム
包装装置の包装様式を示す斜視図である。 (1)……床、(2)……旋回ローラ、(3)……ター
ンテーブル、(4)……床板、(4a)……グリッパー、
(5)……円筒状物品、(6)(7)……支承回転ロー
ラ、(8)……モータ、(9)……チェーン、(10)…
…揺動アーム、(11)……ガイドポスト、(12)……エ
レベータ、(12a)……モータ、(13)……モータ、(1
4)……包装フイルム、(15)……ロールストック、(1
6)……コア、(17)(18)……延伸ローラ、(19)…
…測長ローラ、(20)……ガイドローラ、(21)……プ
ラテン、(22)……上押えローラ、(23)……支持揺動
アーム、(24)……シーラ、(25)……切放し装置、
(A)(B)(C)(D)……方向矢印、(a)……円
筒状物品、(b)支承回転ローラ、(c)……帯状ウエ
ブ、(d)……巻回ストック、(e)……方向矢印。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−134812(JP,A) 実開 平1−20401(JP,U) 実開 昭60−18902(JP,U) 実公 昭50−10279(JP,Y1)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】床上で縦軸線のまわりに旋回可能なターン
    テーブル上に1対の横軸線の円筒状物品の支承回転ロー
    ラをターンテーブルの直径横断位置にその周面上端が搬
    送レベルに一致するようにターンテーブル床面上に露出
    させて並設し、該ターンテーブルの側方の床上にガイド
    ポストを立設して、このガイドポストに合成樹脂の包装
    フィルムのロールストックを供給可能に配設し、ガイド
    ローラを経由したフィルムの先端がターンテーブル上の
    円筒状物品を補足して包装するべく構成した自動包装装
    置において、 上記円筒状物品の転入および転出に際し、上記1対の支
    承回転ローラのうち転入側あるいは転出側の支承回転ロ
    ーラは、その上端が搬送レベルに一致する状態を維持す
    るよう、且つ、残りの支承回転ローラを、その上端が上
    記搬送レベルから上昇するように構成し、 上記ガイドポストを、円筒状物品がターンテーブルへ転
    入出する方向と交叉する床上に配置するとともに、 上記ガイドポストに該ガイドポストに沿って昇降可能な
    エレベータを配置して、このエレベータに上記ロールス
    トックを配置して、大きさの異なる円筒状物品が供給さ
    れても、該円筒状物品の中心位置あるいは略中心位置に
    ロールストックが位置するようにし、 さらに、上記ガイドローラとロールストックとの間に、
    ガイドローラ側のローラの送り速度をロールストック側
    のローラの送り速度に比して速くして通過する合成樹脂
    フィルムが延伸するよう、一対の延伸ローラを配置した
    ことを特徴とする合成樹脂フィルムによる円筒状物品の
    自動包装装置。
  2. 【請求項2】エレベータからターンテーブル上の円筒状
    物品に到る経路の途中のフィルムに対し、支持揺動アー
    ムの先端にその揺動によりフィルムを円筒状物品に押付
    けるフィルム押さえローラ、その後フィルムを熱融着す
    るシーラ、およびその後フィルムを熱溶断する熱線カッ
    ターからなる切放し装置を装着した請求項1に記載の合
    成樹脂フィルムによる円筒状物品の自動包装装置。
  3. 【請求項3】円筒状物品の上位からその中心線に向かっ
    てターンテーブルの側部に設置したプラテンから降下押
    付け可能な水平軸線の1対の上押えローラを旋回可能に
    設けた請求項1又は2に記載の合成樹脂フィルムによる
    円筒状物品の自動包装装置。
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