JP2962867B2 - 片クラウン金属帯の圧延におけるセットアップ制御方法 - Google Patents

片クラウン金属帯の圧延におけるセットアップ制御方法

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JP2962867B2
JP2962867B2 JP3143881A JP14388191A JP2962867B2 JP 2962867 B2 JP2962867 B2 JP 2962867B2 JP 3143881 A JP3143881 A JP 3143881A JP 14388191 A JP14388191 A JP 14388191A JP 2962867 B2 JP2962867 B2 JP 2962867B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板幅の一方の側端から
他方の側端に向かって板厚が増加することがない片クラ
ウン金属帯を所定の断面形状に圧延する際のセットアッ
プ制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属帯の圧延は古くから一般に左右(駆
動側と操作側)対称な条件で行われてきたが、近年次の
ような事情から左右非対称な条件で圧廷する必要が起こ
ってきている。その事情とは、一旦中間厚さにまで圧延
した広幅金属帯(以下、材の語に代えて言うことがあ
る)を長手方向にスリットして狭幅材とし、それを更に
圧延するケースが最近増えていることである。一般に圧
延材の板厚は幅の中央部分が最も厚くて両側端に向かっ
てほぼ対称的に漸減しており、そして上記スリットでは
広幅材の幅の真中で左右にスリットする場合が多いの
で、このようにして得られるスリット材は板幅の側端か
ら他方の側端に向かって板厚が増加することがない片ク
ラウンの板厚分布となっている。このような片クラウン
材を左右対称な条件で圧延すると、板厚の厚い側の伸び
が大で、板厚の薄い側の伸びが小となるいわゆる片伸び
を発生し易い。そこでこのような片クラウン材を圧延す
る場合、片伸びにならないような断面形状、つまり圧延
前と相似の断面形状になるように、左右非対称な圧延条
件が必要となってくるのである。
【0003】このような圧延状況を図面により説明す
る。図18は6重圧延機による圧延状況を示す説明図で
ある。圧延による片伸び形状の発生を防止する左右非対
称な圧延条件として、図18に示すようにワークロール
1の操作側と駆動側とのベンディング力Wb,Wb’,中
間ロール2の操作側と駆動側とのベンディング力Ib,
Ib’,バックアップロール3の操作側と駆動側にかか
る圧下力P,P’,上下中間ロール2のシフト位置δ,
δ’にそれぞれ差をつけることが採用されており(この
ような方法を非対称形状制御手段と言う)、これにより
ワークロール1のたわみや傾きを変え、操作側と駆動側
との伸び率が等しくなるように上記各圧延条件における
差を制御して金属帯4を圧延するのである。
【0004】各ロールの圧延条件について上記のような
操作側と駆動側との差の値を経験的に設定するときは、
制御精度が悪く、片伸びの発生を防ぐことは困難であっ
た。そこで圧延機出側に形状検出器を設置してそれによ
り得られる圧延後の金属帯の形状情報から、圧延機出側
形状の非対称成分を修正するのに最適な操作側と駆動側
とのワークロール1のベンディング力差dWb,バック
アップロール3にかかる圧下力差dPを算出して形状制
御する方法が特開昭56−59525号公報に開示され
ている。この形状検出器を使用する非対称形状制御方法
は、片伸び形状の修正に大きな効果があった。しかしな
がら、片クラウン材の圧延においては、圧延機入側にお
ける(即ち圧延前の)板幅方向の板厚分布を充分に考慮
する必要があるにも拘らず、この圧延機入側の板厚分布
と圧延機出側(即ち圧延後の)形状との関係が明らかに
されていないため、セットアップ(圧延開始に当って行
う条件設定)時には、各ロールの圧延条件の駆動側と操
作側とのワークロール1のベンディング力差dWb,中
間ロール2のベンディング力差dIb,バックアップロ
ール3にかかる圧下力差dP及び上下中間ロール2のシ
フト位置差dδ(以下において、これらdWb,dIb,
dP及びdδを一括して非対称形状制御項と言うことが
ある)、及び駆動側と操作側とのワークロール1の平均
ベンディング力dWb’,中間ロール2の平均ベンディ
ング力dIb’及び上下中間ロール2の平均シフト位置
dδ’(以下において、これらdWb’,dIb’及びd
δ’を一括して対称形状制御項と言うことがある)を経
験的に設定しているのが現状である。そのため、圧延の
初期において金属帯4の片伸び,中伸び,耳伸び等の形
状不良が発生するなどの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点をなくし、圧延機入側における板幅方向の板厚
分布を充分に考慮したセットアップ制御を行って、圧延
開始のときから形状不良のない圧延を行うこと可能とさ
せることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、圧
延機入側における板幅方向の板厚分布を考慮した片クラ
ウン材のセットアップ制御方法を構成すべく種々検討を
行った結果、金属帯の板幅中央より操作側及び駆動側に
向かって等距離にある両側の板側端部及び両側のクォー
タ部のそれぞれにおける伸び率及び板厚について、圧延
機出側における板側端部同士間の伸び率差△εe,クォ
ータ部同士間の伸び率差△εq,板幅中央の伸び率と両
側の板側端部の平均伸び率との差△εe’,板幅中央の
伸び率と両側のクォータ部の平均伸び率との差△εq’
のそれぞれと、圧延機入側における板側端部同士間の板
厚差△He及びクォータ部同士間の板厚差△Hqとの間に
線形の関係が成り立つことを究明して本発明を完成した
のである。
【0007】即ち本発明は、前記伸び率差△εe,△ε
q,△εe’及び△εq’のそれぞれと前記板厚差△He及
び△Hqとが線形関係にあることを利用して、△εe,△
εq,△εe’及び△εq’がそれぞれ目標値△εe0,△
εq0,△εe0’及び△εq0’となるように非対称形状制
御項群dWb,dIb,dP及びdδの中から任意の二つ
及び対称形状制御項群dWb’,dIb’及びdδ’の中
から任意の二つについてその制御量を合理的に導いて設
定するセットアップ制御方法であって、次のように構成
されている。
【0008】本発明の第1は、板幅の一方の側端から他
方の側端に向かって板厚が増加することがない、即ち板
幅の一方の側端から他方の側端に向かって板厚が漸減す
るか又は板幅の一方の側端から他方の側端に向かって板
厚が漸減する部分と等しい部分とを有している、両側非
対称形状の片クラウン金属帯を、6重圧延機以上の多段
圧延機を使用して操作側と駆動側とのワークロールのベ
ンディング力差dWb,同じく中間ロールのベンディン
グ力差dIb,同じくバックアップロールの圧下力差d
P及び上下中間ロールのシフト位置差dδから成る非対
称形状制御項群の一部又は全部と、操作側と駆動側との
ワークロールの平均ベンディング力dWb’,同じく中
間ロールの平均ベンディング力dIb’及び上下中間ロ
ールの平均シフト位置dδ’から成る対称形状制御項群
の一部又は全部についての制御により所定の断面形状に
圧延する際のセットアップ制御において、圧延機出側の
金属帯の板幅中央より操作側及び駆動側のそれぞれに等
距離にある両側の板側端部及び両側のクォータ部の伸び
率に関し、板側端部同士間の伸び率差△εe及びクォー
タ部同士間の伸び率差△εqがそれぞれ目標値△εe0
び△εq0となるように、前記非対称形状制御項群の中か
ら任意の二つの制御項を選んでその制御量dW1及びd
2を、下記の式
【数6】 に従って設定し、板幅中央の伸び率と前記両側の板側端
部の平均伸び率との差△εe’及び板幅中央の伸び率と
前記両側のクォータ部の平均伸び率の差△εq’がそれ
ぞれ目標値△εe0’及び△εq0’となるように、前記対
称形状制御項群の中から任意の二つの対称形状制御項を
選んでその制御量dW1’及びdW2’を、下記の式
【数7】 に従って設定することを特徴とする片クラウン金属帯の
圧延におけるセットアップ制御方法であり、本発明の第
2は、上記第1の発明方法において任意に選ぶ二つの非
対称形状制御項dW1,dW2の他に、更に任意に上記二
つの非対称形状制御項とは別の一つの非対称形状制御項
を選んで任意な制御量dW3に設定し、前記二つの非対
称形状制御項の制御量dW1及びdW2を、下記の式
【数8】 に従って設定することを特徴とする片クラウン金属帯の
圧延におけるセットアップ制御方法であり、本発明の第
3は、上記第1の発明方法において任意に選ぶ二つの非
対称形状制御項dW1,dW2以外の残りの二つの非対称
形状制御項のそれぞれについても任意な制御量dW3
びdW4を設定し、前記二つの非対称形状制御量dW1
びdW2を、下記の式
【数9】 に従って設定することを特徴とする片クラウン金属帯の
圧延におけるセットアップ制御方法に関するものであ
り、本発明の第4は、上記第1から第3の発明方法にお
いて任意に選ぶ二つの対称形状制御項dW1’,dW2
以外の残りの対称形状制御項を任意な制御量dW3’に
設定し、前記二つの制御量dW1’及びdW2’を、下記
の式
【数10】 に従って設定することを特徴とする片クラウン金属帯の
圧延におけるセットアップ制御方法に関するものであ
り、上記における△He,△Hq,a,b,c,d,e,
f,g,h,k,m,n,r,a’,b’,c’,
d’,e’,f’,g’,h’,k’,m’,n’及び
r’については以下において説明する。
【0009】以下に、本発明に係る片クラウン金属帯の
圧延におけるセットアップ制御方法を図面によって具体
的に説明する。図1は金属帯の圧延における圧延機の入
側と出側の板厚分布,板厚差及び伸び率差の説明図、図
2〜図5は板厚差ΔHe及びΔHqのそれぞれと伸び率
差Δεe及びΔεqのそれぞれとの線形関係を示す各説
明図、図6〜図9は非対称形状制御項群dWb,dW
I,dP及びdδのそれぞれと伸び率差Δεe及びΔε
qのそれぞれとの線形関係を示す各説明図、図10〜図
13は板厚差ΔHe及びΔHqのそれぞれと伸び率差Δ
εe’及びΔεq’のそれぞれとの線形関係を示す各説
明図、図14〜図16は対称形状制御項群dWb’,d
Ib’及びdδ’のそれぞれと伸び率差Δεe’及びΔ
εq’のそれぞれとの線形関係を示す各説明図、図17
は実施例及び比較例における全板幅に亘る伸び率を板幅
中央に対する伸び率差で示す図である。
【0010】以下、6重圧延機を例にして説明する。先
ず、本発明においては図1に示すように、圧延機出側の
金属帯の板幅中央の位置(図1中の線L)より操作側及
び駆動側(図面では板厚の厚い方を操作側としている
が、これに拘束されない)に向かってそれぞれに等距離
にある両側の板側端部及び両側のクォータ部のそれぞれ
の板厚を次の各記号で表わす。即ち、圧延機入側におけ
る操作側の板側端部の板厚をHeW,クォータ部の板厚
をHqWとすると共に同じく駆動側の板側端部の板厚を
HeD,クォータ部の板厚をHqD,板幅中央の板厚をH
cとし、圧延機出側における操作側の板側端部の板厚を
heW,クォータ部の板厚をhqWとすると共に同じく駆
動側の板側端部の板厚をheD,クォータ部の板厚をhq
D,板幅中央の板厚をhcとする。本発明において板側
端部とは、圧延された金属帯の板厚が一般に板端から約
20mmの位置より板側端側で急減するので、板側端から20
mmの位置とする。またクォータ部は板幅中央と板側端と
の間の中点とする。
【0011】前記記号を使用して圧延機出側の板側端部
同士間の伸び率差Δεe及びクォータ部同士間の伸び率
差Δεqと、板幅中央の伸び率と両側の板側端部の平均
伸び率差Δεe’と、板幅中央の伸び率と両側のクォー
タ部の平均伸び率差Δεq’とのそれぞれと、板側端部
及びクォータ部の各板厚との関係を考察する。先ず、圧
延機入側における板側端部同士間の板厚差ΔHe及びク
ォータ部同士間の板厚差ΔHqは次の式で表わされる。 ΔHe=HeW−HeD‥‥(1) ΔHq=HqW−HqD‥‥(2) また伸び率差Δεe,Δεq,Δεe’及びΔεq’は
次式で表わされる。 Δεe=−ζ{1n(heW/HeW)−1n(heD/HeD)}‥‥(3) Δεq=−ζ{1n(hqW/HqW)−1n(hqD/HqD)}‥‥(4) Δεe’=−ζ{1n(heW/HeW)−1n(hc/Hc)}/2 −ζ{1n(heD/HeD)−1n(hc/Hc)}/2‥‥(5) Δεq’=−ζ{1n(hqW/HqW)−1n(hc/Hc)}/2 −ζ{1n(hqD/HqD)−1n(hc/Hc)}/2‥‥(6) (ここでζは操作側と駆動側とにおける圧延方向の歪差
と板厚方向の歪差との比である。)
【0012】式(3)〜(6)は次のように誘導され
る。即ち、圧延方向の歪をε,板厚方向の歪をε′,板
幅方向の歪をε″とすると、圧延加工は塑性加工の1種
であるから素材の体積一定の条件から次のような関係が
成り立つ。 ε+ε′+ε″=0‥‥(7) 操作側と駆動側とにおける圧延方向,板厚方向及び板幅
方向の歪差をそれぞれΔε,Δε′及びΔε″とする
と、同様に次のような関係が成り立つ。 Δε+Δε′+Δε″=0‥‥(8) ここで、圧延の前後において板幅は殆ど変化しないとし
て板幅方向の歪差を考慮しない場合にはΔε=−Δε′
となるが、板幅方向の歪差を考慮して圧延方向と板厚方
向の歪差の比をζとすると Δε=−ζΔε′‥‥(9) となる。また、板厚方向の歪は真歪(対数歪)で一般式
1n(h/H)と表わされるから、式(9)の関係と合
わせると、(3)〜(6)式が得られる。
【0013】多くの圧延条件で検討した結果、非対称形
状制御手段を用いない場合、伸び率差△εe及び△εqそ
れぞれと板厚差△He及び△Hqそれぞれとの間に線形の
関係が成り立つことが判明した。従って伸び率差△εe
及び△εqは次式のように表わされる。 △εe=a△He+b△Hq+k1‥‥(10) △εq=c△He+d△Hq+k2‥‥(11) ここで、k1,k2は常数項
【0014】ここで上記係数a,b,c,dの意味を図
2〜図5により説明する。上記各図及び後に説明する図
6〜図16に示すデータは後記実施例に使用した6重圧
延機と同じものを使用して得たデータである。式(1
0)においてΔHqを一定すると、図2に示すようにΔ
εeとΔHeとは線形関係にあり、aはΔHeに対する
Δεeの傾き(即ち、原点に直線が載るように座標軸を
平行移動させたときのΔεe/ΔHe)を示す係数であ
る。また、式(10)においてΔHeを一定すると、
図3に示すようにΔεeとΔHqとは線形関係にあり、
bはΔHqに対するΔεeの傾きを示す係数である。式
(11)においても上記と同様であり、c及びdは図4
及び図5に示すようにそれぞれΔHeに対するΔεqの
傾き及びΔHqに対するΔεqの傾きを示す係数であ
る。
【0015】式(10)及び式(11)において、非対称形
状制御手段を用いない場合に板厚差△He及び△Hqを共
に0とすると、圧延機入側の板厚分布は左右対称となる
から、圧延機出側形状も左右対称(即ち、△εe=0,
△εq=0)となる。従って定数項k1,k2はいずれも
0であり、式(10)及び(11)は △εe=a△He+b△Hq‥‥(12) △εq=c△He+d△Hq‥‥(13) となる。これらをまとめて次のように行列表示する。
【数11】
【0016】次に、上記のように非対称形状制御手段を
用いないで金属帯を圧延する場合に対して、非対称形状
制御手段を用いたときの影響を考察して適切な制御量を
求める。多くの圧延条件についての検討により、伸び率
差△εe及び△εqのそれぞれは非対称形状制御項群dW
b,dIb,dP及びdδのいずれとの間にも線形関係を
有することが判明した。それらの線形関係についての各
例は、dWbとの関係は図6に、dIbとの関係は図7
に、dPとの関係は図8に、そしてdδとの関係は図9
にそれぞれ示す如くである。
【0017】先ず非対称形状制御項群の中から任意に選
んだ二つの制御項としてのdW1とdW2とによる非対称
形状制御手段を用いる場合について説明する。非対称形
状制御項dW1とdW2とのそれぞれと伸び率差△εe及
び△εqのそれぞれとの間に成立する直線関係におい
て、dW1に対する△εeの傾き(前記aの場合の傾きと
同じ意味)を示す係数をeとし、dW2に対する△εeの
傾きを示す係数をfとし、dW1に対する△εqの傾きを
示す係数をgとし、dW2に対する△εqの傾きを示す係
数をhとする。
【0018】各非対称形状制御手段の影響は、加算して
考えることが出来る。即ち、適用する非対称形状制御項
の制御量をそれぞれdW1,dW2とすれば、式(12)及
び式(13)は次式のようになる。 △εe=a△He+b△Hq+edW1+fdW2‥‥(15) △εq=c△He+d△Hq+gdW1+hdW2‥‥(16) これらをまとめて次のように行列表示する。
【数12】
【0019】式(17)において、伸び率差△εe,△εq
をそれぞれ目標値△εe0,△εq0と置いて制御量d
1,dW2について解けば制御式(18)を得る。
【数13】 従って、係数a,b,c,d,e,f,g,hを圧延荷
重,板幅等圧延条件の関数として予め求めておき、式
(18)に従ってdW1,dW2を設定することが出来る。
【0020】次に、非対称形状制御項群の中から前記の
場合のように任意に選ぶ二つの非対称形状制御項d
1,dW2とは別の一つの非対称形状制御項dW3を任
意に選び、合計三つの非対称形状制御項dW1,dW2
びdW3による非対称形状制御手段を用いる場合につい
て説明する。前記二つの非対称形状制御項を用いる場合
と同様の考え方により、式(17)に相当して次式(19)
が得られる。
【数14】 ここで、dW3は非対称形状制御項の制御量であり、そ
してkはdW3と△εeとが示す線形関係におけるdW3
に対する△εeの傾きを示す係数であって、mはdW3
△εqとが示す線形関係おけるdW3に対する△εqの傾
きを示す係数である。
【0021】いま式(19)において非対称形状制御項の
制御量dW3を任意の制御量に設定し、伸び率差△εe及
び△εqをそれぞれ目標値△εe0及び△εq0と置いて制
御量dW1,dW2について解けば、式(18)に対応して
制御式(20)を得る。
【数15】 従って、前記二つの非対称形状制御項dW1,dW2によ
る制御手段を用いる場合と同様に係数a〜hと共に係数
k,mについても圧延荷重,板幅等圧延条件の関数とし
て予め求めておき、式(20)に従って制御量dW1,d
2を設定することが出来る。
【0022】次に非対称形状制御項群の中から任意に選
ぶ二つの非対称形状制御項dW1,dW2以外の残りの二
つの非対称形状制御項dW3,dW4を加えた全部の非対
称形状制御項を用いる各場合について説明する。この場
合も、前記二つの非対称形状制御項及び三つの非対称形
状制御項を用いる各場合と同様の考え方により、式(1
7),(19)に相当して次式(21)が得られる。
【数16】 ここにdW4は非対称形状制御項の制御量であり、nは
dW4と△εeとが示す線形関係おけるdW4に対する△
εeの傾きを示す係数であり、rはdW4と△εqとが示
す線形関係おけるdW4に対する△εqの傾きを示す係数
である。
【0023】いま式(21)においてdW3,dW4を任意
の制御量に設定し、伸び率差△εe及び△εqをそれぞれ
目標値△εe0及び△εq0と置いて制御量dW1,dW2
ついて解けば、式(18),(20)に対応して制御式(2
2)を得る。
【数17】 従って、前記三つの非対称形状制御項による制御手段を
用いる場合と同様に係数a〜h,k,mと共に係数n,
rについても圧延荷重,板幅等圧延条件の関数として予
め求めておき、式(22)に従って制御量dW1,dW2
設定することが出来る。
【0024】また、対称形状制御手段を用いない場合、
伸び率差△εe’及び△εq’それぞれと板厚差△He及
び△Hqそれぞれとの間に線形の関係が成り立つことが
判明した。従って、伸び率差△εe’及び△εq’は次式
のように表わされる。 △εe’=a’△He+b’△Hq+e’‥‥(23) △εq’=c’△He+d’△Hq+f’‥‥(24) ここで、e’,f’は常数項
【0025】ここで上記係数a’,b’,c’及びd’
の意味を図10〜図13により説明する。式(23)にお
いて△Hqを一定にすると、図10に示すように△εe’
と△Heとが線形関係にあり、a’は△Heに対する△ε
e’の傾きを示す係数であり、また式(23)において△
Heを一定にすると、図11に示すように△εe’と△H
qとが線形関係にあり、b’は△Hqに対する△εe’の
傾きを示す係数である。式(24)においても上記と同様
にして、c’及びd’は図12及び図13に示すように
それぞれ△Heに対する△εq’の傾き及び△Hqに対す
る△εq’の傾きを示す係数である。式(23)及び式(2
4)をまとめて次のように行列表示する。
【数18】
【0026】次に、上記のように対称形状制御手段を用
いないで金属帯を圧延する場合に対して、対称形状制御
手段を用いたときの影響を考慮して適切な制御量を求め
る。多くの圧延条件についての検討により、伸び率差△
εe’及び△εq’のそれぞれは対称形状制御項群dW
b’,dIb’及びdδ’のいずれとの間にも線形関係を
有することが判明した。それらの線形関係についての各
例は、dWb’との関係は図14に、dIb’との関係は
図15に、そしてdδ’との関係は図16にそれぞれ示
す如くである。
【0027】先ず、対称形状制御項群の中から任意に選
んだ二つの制御項としてのdW’とdW’とによる
対称形状制御手段を用いる場合について説明する。対称
形状制御項dW’とdW’とのそれぞれと伸び率差
Δεe’及びΔεq’のそれぞれとの間に成立する直線
関係において、dW’に対するΔεe’の傾き(前記
a’の場合の傾きと同じ意味)を示す係数をg’とし、
dW’に対するΔεe’の傾きを示す係数をh’
し、dW’に対するΔεq’の傾きを示す係数をk’
とし、且つdW’に対するΔεq’の傾きを示す係数
m’とする。
【0028】各対称形状制御手段の影響は、加算して考
えることができる。即ち、適用する対称形状制御項の制
御量をそれぞれdW1’,dW2’とすれば、式(23)及
び式(24)は次式のようになる。 △εe’=a’△He+b’△Hq+e’+g’dW1’+h’dW2’‥‥(26) △εq’=c’△He+d’△Hq+f’+k’dW1’+m’dW2’‥‥(27) これらをまとめて次のように行列表示する。
【数19】
【0029】式(28)において、伸び率差△εe’,△
εq’をそれぞれ目標値△εe0’,△εq0’と置いて制
御量dW1’,dW2’について解けば制御式(29)を得
る。
【数20】 従って、係数a’,b’,c’,d’,e’,f’,
g’,h’,k’,m’を圧延荷重,板幅等圧延条件の
関数として予め求めておき、式(29)に従ってd
1’,dW2’を設定することができる。
【0030】次に、任意に選ぶ二つの対称形状制御項d
1’,dW2’以外の残りの対称形状制御項dW3’を
加えた全部の対称形状制御項を用いる場合について説明
する。この場合も前記二つの対称形状制御項を用いる場
合と同様の考え方により、式(28)に相当して次式(3
0)が得られる。
【数21】 ここで、dW3’は対称形状制御項の制御量であり、そ
してn’はdW3’と△εe’とが示す線形関係における
dW3’に対する△εe’の傾きを示す係数であり、r’
はdW3’と△εq’とが示す線形関係おけるdW3’に
対する△εq’の傾きを示す係数である。
【0031】いま式(30)において対称形状制御項の制
御量dW3’を任意の制御量に設定し、伸び率差△εe’
及び△εq’をそれぞれ目標値△εe0’及び△εq0’と
置いて制御量dW1’,dW2’について解けば、式(2
9)に対応して制御式(31)を得る。
【数22】 従って、前記二つの対称形状制御項dW1’,dW2’に
よる制御手段を用いる場合と同様に係数a’〜h’,
k’,m’と共に係数n’,r’についても圧延荷重,
板幅等圧延条件の関数として予め求めておき、式(31)
に従って制御量dW1’,dW2’を設定することが出来
る。
【0032】以上の非対称形状制御項による制御と対称
形状制御項による制御とを組合せることにより、本発明
に係る片クラウン金属帯の圧延におけるセットアップ制
御方法が得られるのである。
【0033】圧延後における金属帯の所定の断面が金属
帯の形状不良を発生させないためのものである場合は、
圧延前後の金属帯の断面は相似である。そのような断面
に限りなく近付くためには、操作側と駆動側との伸び率
差が小さい程好ましい。従って、セットアップ時に制御
式(18),(20)及び(22)において、目標値△εe0
び△εq0は共に0となるように制御量dW1’,dW2
を設定することによって圧延開始当初から片伸び,中伸
び,耳伸び等の形状不良を発生させずに圧延することが
出来る。
【0034】以上、本発明方法を6重圧延機を使用する
場合について説明したが、6重圧延機以上の多段圧延機
においても同様な制御方法を用いることができる。多段
圧延機において、中間ロールやバックアップロールを複
数本備えている場合は、dP,dIb,dδについては
それぞれdP(最上部のバックアップロールにかかる操
作側と駆動側の圧下力差)、dIb(ワークロールと接
触する中間ロールの操作側と駆動側のベンディング力
差)、dδ(ワークロールと接触する上下中間ロールの
シフト位置差)とし、dWb,dIb,dP,dδのう
ち任意の2〜4手段を用い、制御式(18),(2
0),(22)に従って制御量dW,dWを設定す
れし、dIb’,dδ’についてはそれぞれdIb’
(ワークロールと接触する中間ロールの操作側と駆動側
の平均ベンディング力)、dδ’(ワークロールと接触
する上下中間ロールの平均シフト位置)とし、dW
b’,dIb’,dδ’のうち任意の2〜3手段を用
い、制御式(29),(31)に従って制御量
’,dW を設定すればよい。
【0035】以上のようにしてセットアップ制御を行っ
て圧延を開始した後は、例えば圧延機出側にその板幅方
向に複数に分割した部分の金属帯の各部分の張力を測定
することによってその部分の形状を求める形状検出器を
設置しておいてそれにより得られる圧延後の形状情報に
よって圧延条件を修正しながら圧延するなどの既知技術
により圧延を続ければ良い。
【0036】
【実施例】以下に本発明方法を6重圧延機による圧延の
セットアップに適用した実施例によって具体的に説明す
る。使用した6重圧延機は、ロール諸元をロール径,ロ
ール胴長,チョック間距離の順で括弧内に示す標準的な
ワークロール(135mm,850mm,1075mm)、中間ロール
(300mm,850mm,1660mm),及びバックアップロール(6
30mm,850mm,1475mm)を図18と同じロール構成に備
えていて、非対称形状制御項群dWb,dIb,dP,d
δ及び対称形状制御項群dWb’,dIb’,dδ’の制
御可能なものであった。このような6重圧延機を使用し
て、△He=30μm,△Hq=7μmである板幅600mmの
普通鋼クラウン材を、圧延機の入側板厚0.6mm,出側板
厚0.36mm,圧延荷重170トンの圧延条件で圧延する場合
について、セットアップ時に本発明方法により非対称形
状制御項及び対称形状制御項の制御量を設定した場合、
圧延の初期における普通鋼帯の全幅に亘って伸び率を測
定した。
【0037】(イ)請求項1に記載の方法に基づいて制御
を行う場合:非対称形状制御項群の中から任意に選んだ
圧下力差dP(その制御量をdW1とする),上下中間
ロールのシフト位置差dδ(その制御量をdW2とす
る)による非対称形状制御手段と、対称形状制御項群の
中から任意に選んだワークロールの平均ベンディング力
dWb’(その制御量をdW1’とする),中間ロールの
平均ベンディング力dIb’(その制御量をdW2’とす
る)による対称形状制御手段とでセットアップ制御を行
った。ここで、圧延機出側の△εe及び△εqの目標値を
△εe0=0及び△εq0=0として、制御式(18)により
dW1=−0.04(トン),dW2=−18.0(mm)を得、また圧
延機出側の△εe’及び△εq’の目標値を△εe0’=0
及び△εq0’=0として、制御式(29)によりdW1
=−1.10(トン),dW2’=−5.20(トン)を得、そのよ
うに圧下力差dP,上下中間ロールのシフト位置差d
δ,ワークロールの平均ベンディング力dWb’,中間
ロールの平均ベンディング力dIb’を設定して圧延を
開始した。この場合の圧延の初期における普通鋼帯の伸
び率を全幅に亘って図17に(イ)で示す。
【0038】(ロ)請求項2に記載の方法に基づいて制御
を行う場合:上記(イ)の場合に非対称形状制御項とした
圧下力差dP(その制御量をdW1とする)及び上下中
間ロールのシフト位置差dδ(その制御量をdW2とす
る)に、ワークロールの平均ベンディング力差dWb
(その制御量をdW3とする)を加えた3つの非対称形
状制御項を用い、制御量dW3を任意な値のdW3=−0.
05(トン)に設定した。ここで、圧延機出側の△εe及び
△εqの目標値を△εe0=0及び△εq0=0として、制
御式(20)によりdW1=0.00(トン),dW2=−17.3(m
m)を得、また圧延機出側の△εe’及び△εq’の目標値
を△εe0’=0及び△εq0’=0として、制御式(29)
によりdW1’=1.10(トン),dW2’=5.20(トン)を
得、そのように圧下力差dP,上下中間ロールのシフト
位置差dδ,ワークロールの平均ベンディング力dW
b’及び中間ロールの平均ベンディング力dIb’をそれ
ぞれ上記dW1,dW2,dW1’及びdW2’の値に設定
して圧延を開始した。この場合の圧延の初期における普
通鋼帯の伸び率を全幅に亘って図17に(ロ)で示す。
【0039】(ハ)請求項3に記載の方法に基づいて制御
を行う場合:上記(ロ)の場合に非対称形状制御項とした
圧下力差dP(その制御量をdW1とする),上下中間
ロールのシフト位置差dδ(その制御量をdW2とす
る)及びワークロールの平均ベンディング力差dWb
(その制御量をdW3とする)に中間ロールのベンディ
ング力差dIb(その制御量をdW4とする)を加えた4
つ全部の非対称形状制御項を用い制御量dW3及びdW4
を任意な値のdW3=−0.03(トン)及びdW4=0.03(ト
ン)に設定した。ここで圧延機出側の△εe及び△εqの
目標値を△εe0=0及び△εq0=0として、制御式(2
3)によりdW1=0.02(トン),dW2=−17.7(mm)を
得、また圧延機出側の△εe’及び△εq’の目標値を△
εe0’=0及び△εq0’=0として、制御式(29)によ
りdW1’=1.10(トン),dW2’=5.20(トン)を得、そ
のように圧下力差dP,上下中間ロールのシフト位置差
dδ,ワークロールの平均ベンディング力dWb’及び
中間ロールの平均ベンディング力dIb’をそれぞれ上
記したdW1,dW2,dW1’及びdW2’の値に設定し
て圧延を開始した。この場合の圧延の初期における普通
鋼帯の伸び率を全幅に亘って図17に(ハ)で示す。
【0040】(ニ)請求項4に記載の方法に基づいて制御
を行う場合:上記(イ)の場合のワークロールの平均ベン
ディング力dWb’(その制御量をdW1’とする)及び
中間ロールの平均ベンディング力dIb’(その制御量
をdW2’とする)に上下中間ロールのシフト位置d
δ’(その制御量をdW3’とする)を加えた3つ全部
の対称形状制御項を用い、制御量dW3’を任意な値の
dW3’=−15.0(mm)に設定した。ここで圧延機出側の
△εe及び△εqの目標値を△εe0=0及び△εq0=0と
して、制御式(18)によりdW1=−0.04(トン),dW2
=−18.0(mm)を得、また圧延機出側の△εe’及び△ε
q’の目標値を△εe0’=0及び△εq0’=0として、
制御式(31)によりdW1’=1.97(トン),dW2’=6.
16(トン)を得、そのように圧下力差dP,上下中間ロー
ルのシフト位置差dδ,ワークロールの平均ベンディン
グ力dWb’及び中間ロールの平均ベンディング力dI
b’をそれぞれ上記したdW1,dW2,dW1’及びdW
2’の値に設定して圧延を開始した。この場合の圧延の
初期における普通鋼帯の伸び率を全幅に亘って図17に
(ニ)で示す。
【0041】また比較のため、対称形状制御項のみ制御
式(29)に従って設定し、全ての非対称形状制御項を0
に設定して得た圧延の初期における普通鋼帯の伸び率を
全幅に亘って図17に(ホ)で示す。図17から本発明方
法による(イ)〜(ニ)の場合には、伸び率差△εe,△ε
q,△εe’及び△εq’はいずれも0.2×10-4以下となっ
ていることが判る。これに対して非対称形状制御手段を
とらない場合は伸び率差△εe及び△εqはほぼ0.7×10-
4に達していることが判る。従来の方法により非対称形
状制御項の制御量を経験的に設定するときは、上記の比
較例よりも伸び率差△εe及び△εqが小さくなる場合は
あるが、その程度は本発明方法に比べて大きくしかも一
定しない。
【0042】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明に係る片クラ
ウン金属帯の圧延におけるセットアップ制御方法は、片
クラウン材の圧延において伸び率差△εe,△εq,△ε
e’及び△εq’のそれぞれと板厚差△He及び△Hqのそ
れぞれとが線形関係にあることを利用して非対称形状制
御項dWb,dIb,dP及びdδのうち任意の二つ及び
対称形状制御項dWb’,dIb’及びdδ’のうち任意
の二つについて、その制御量を合理的に導いた制御式に
より得てセットアップ制御するように構成したことによ
り、圧延の初期から圧延機出側の金属帯の断面形状を所
定のものにすることが出来る。従って、圧延機出側の金
属帯の断面形状を入側のそれと相似にすることにより、
圧延の初期から片伸び,中伸び,耳伸び等の形状不良を
発生させることがないから、品質改善と共に歩留向上が
図れる。また形状不良に伴って生じる板破断現象の発生
もなくなり、能率向上を図ることが出来る。このような
効果を有する本発明方法の工業的価値は非常に大きなも
のがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属帯の圧延における圧延機の入側と出側の板
厚分布,板厚差及び伸び率差の説明図である。
【図2〜図5】板厚差△He及び△Hqのそれぞれと伸び
率差△εe及び△εqのそれぞれとの線形関係を示す各説
明図である。
【図6〜図9】非対称形状制御項群dWb,dIb,dP
及びdδのそれぞれと伸び率差△εe及び△εqのそれぞ
れとの線形関係を示す各説明図である。
【図10〜図13】板厚差△He及び△Hqのそれぞれと
伸び率差△εe’及び△εq’のそれぞれとの線形関係を
示す各説明図である。
【図14〜図16】対称形状制御項群dWb’,dIb’
及びdδ’のそれぞれと伸び率差△εe’及び△εq’の
それぞれとの線形関係を示す各説明図である。
【図17】実施例及び比較例における全板幅に亘る伸び
率を板幅中央に対する伸び率差で示す図である。
【図18】6重圧延機による圧延状況を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 ワークロール 2 中間ロール 3 バックアップロール 4 金属帯 Wb ワークロールの操作側のベンディング力 Wb’ ワークロールの駆動側のベンディング力 Ib 中間ロールの操作側のベンディング力 Ib’ 中間ロールの駆動側のベンディング力 P バックアップロールの操作側にかかる圧下力 P’ バックアップロールの駆動側にかかる圧下力 δ 上中間ロールのシフト位置 δ’ 下中間ロールのシフト位置 L 圧延機出側の金属帯の板幅中央の位置 HeW 圧延機入側における金属帯の操作側の板側端部
の板厚 HqW 圧延機入側における金属帯の操作側のクォータ
部の板厚 HeD 圧延機入側における金属帯の駆動側の板側端部
の板厚 HqD 圧延機入側における金属帯の駆動側のクォータ
部の板厚 heW 圧延機出側における金属帯の操作側の板側端部
の板厚 hqW 圧延機出側における金属帯の操作側のクォータ
部の板厚 heD 圧延機出側における金属帯の駆動側の板側端部
の板厚 hqD 圧延機出側における金属帯の駆動側のクォータ
部の板厚

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板幅の一方の側端から他方の側端に向か
    って板厚が増加することがない両側非対称形状の片クラ
    ウン金属帯を、6重圧延機以上の多段圧延機を使用し
    て、操作側と駆動側とのワークロールのベンディング力
    差dWb,同じく中間ロールのベンディング力差dI
    b,同じくバックアップロールの圧下力差dP及び上下
    中間ロールのシフト位置差dδから成る非対称形状制御
    項群の一部又は全部と、操作側と駆動側とのワークロー
    ルの平均ベンディング力dWb’,同じく中間ロールの
    平均ベンディング力dIb’及び上下中間ロールの平均
    シフト位置dδ’から成る対称形状制御項群の一部又は
    全部についての制御により所定の断面形状に圧延する際
    のセットアップ制御において、圧延機出側の金属帯の板
    幅中央より操作側及び駆動側のそれぞれに等距離にある
    両側の板側端部及び両側のクォータ部の伸び率に関し、
    板側端部同士間の伸び率差Δεe及びクォータ部同士間
    の伸び率差Δεqがそれぞれ目標値Δεe及びΔεq
    となるように、前記非対称形状制御項群の中から任意
    の二つの非対称形状制御項を選んでその制御量dW
    びdWを、下記の式 【数1】 ここで ΔHe:圧延機入側の金属帯の板幅中央より操作側及び
    駆動側のそれぞれに等距離にある板側端部同士間の板厚
    差、 ΔHq:圧延機入側の金属帯の板幅中央より操作側及び
    駆動側のそれぞれに等距離にあるクォータ部同士間の板
    厚差、 a:ΔHeと△εeとが示す線形関係におけるΔHeに
    対するΔεeの傾きを示す係数、 b:ΔHqとΔεeとが示す線形関係におけるΔHqに
    対するΔεeの傾きを示す係数、 c:ΔHeとΔεqとが示す線形関係におけるΔHeに
    対するΔεqの傾きを示す係数、 d:ΔHqとΔεqとが示す線形関係におけるΔHqに
    対するΔεqの傾きを示す係数、 e:dWとΔεeとが示す線形関係におけるdW
    対するΔεeの傾きを示す係数、 f:dWとΔεeとが示す線形関係におけるdW
    対するΔεeの傾きを示す係数、 g:dWとΔεqとが示す線形関係におけるdW
    対するΔεqの傾きを示す係数、 h:dWとΔεqとが示す線形関係におけるdW
    対するΔεqの傾きを示す係数、 に従って設定し、板幅中央の伸び率と前記両側の板側端
    部の平均伸び率との差Δεe’及び板幅中央の伸び率と
    前記両側のクォータ部の平均伸び率との差Δεq’がそ
    れぞれ目標値Δεe’及びΔεq’となるように、
    前記対称形状制御項群の中から任意の二つの対称形状制
    御項を選んでその制御量dW’及びdW’を、下記
    の式 【数2】 ここで a’:ΔHeとΔεe’とが示す線形関係におけるΔH
    eに対するΔεe’の傾きを示す係数、 b’:ΔHqとΔεe’とが示す線形関係におけるΔH
    qに対するΔεe’の傾きを示す係数、 c’:ΔHeとΔεq’とが示す線形関係におけるΔH
    eに対するΔεq’の傾きを示す係数、 を示す係数、 d’:ΔHqとΔεq’とが示す線形関係におけるΔH
    qに対するΔεq’の傾きを示す係数、 e’:いずれの非対称形状制御項も零の場合のΔεe’
    の値、 f’:いずれの非対称形状制御項も零の場合のΔεe’
    の値、、 g’:dW’とΔεe’とが示す線形関係におけるd
    ’に対するΔεe’の傾きを示す係数、 h’:dW’とΔεe’とが示す線形関係におけるd
    ’に対するΔεe’の傾きを示す係数、 k’:dW’とΔεq’とが示す線形関係におけるd
    ’に対するΔεq’の傾きを示す係数、 m’:dW’とΔεq’とが示す線形関係におけるd
    ’に対するΔεq’の傾きを示す係数、 に従って設定することを特徴とする片クラウン金属帯の
    圧延におけるセットアップ制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の片クラウン金属帯の圧
    延におけるセットアップ制御方法において、任意に選ぶ
    二つの非対称形状制御項dW1,dW2の他に、更に任意
    に上記二つの非対称形状制御項とは別の一つの非対称形
    状制御項を選んで任意な制御量dW3に設定し、前記二
    つの非対称形状制御項の制御量dW1及びdW2を、下記
    の式 【数3】 ここで k:dW3と△εeとが示す線形関係におけるdW3に対
    する△εeの傾きを示す係数、 m:dW3と△εqとが示す線形関係におけるdW3に対
    する△εqの傾きを示す係数、 に従って設定することを特徴とする片クラウン金属帯の
    圧延におけるセットアップ制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の片クラウン金属帯の圧
    延におけるセットアップ制御方法において、任意に選ぶ
    二つの非対称形状制御項dW1,dW2以外の残りの二つ
    の非対称形状制御項のそれぞれについて任意な制御量d
    3及びdW4を設定し、前記二つの制御量dW1及びd
    2を、下記の式 【数4】 ここで n:dW4と△εeとが示す線形関係におけるdW4に対
    する△εeの傾きを示す係数、 r:dW4と△εqとが示す線形関係におけるdW4に対
    する△εqの傾きを示す係数、 に従って設定することを特徴とする片クラウン金属帯の
    圧延におけるセットアップ制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から3までのいずれか1項に記
    載の片クラウン金属帯の圧延におけるセットアップ制御
    方法において、任意に選ぶ二つの対称形状制御項d
    1’,dW2’以外の残りの対称形状制御項を任意な制
    御量dW3’に設定し、前記二つの制御量dW1’及びd
    2’を、下記の式 【数5】 ここで n’:dW3’と△εe’とが示す線形関係におけるdW
    3’に対する△εe’の傾きを示す係数、 r’:dW3’と△εq’とが示す線形関係におけるdW
    3’に対する△εq’の傾きを示す係数、 に従って設定することを特徴とする片クラウン金属帯の
    圧延におけるセットアップ制御方法。
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