JP2962626B2 - 質量分析装置 - Google Patents
質量分析装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマを生成させる
イオン化源を有する質量分析装置に係り、特に、マイク
ロ波により生成させたプラズマを用い有機溶媒中の微量
金属を長時間安定に、かつ、高感度で測定できる質量分
析装置に関する。
イオン化源を有する質量分析装置に係り、特に、マイク
ロ波により生成させたプラズマを用い有機溶媒中の微量
金属を長時間安定に、かつ、高感度で測定できる質量分
析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有機溶媒の分析においては、高周
波誘導結合プラズマイオン化源質量分析計(以下、IC
P−MSという)には、アルゴンプラズマのキャリア−
ガスにのみ酸素を混合する手法を用いていた。これは、
アルゴンプラズマをイオン化源としたICP−MSにお
いては、プラズマの維持上、酸素の混合はキャリア−ガ
スのみにしか行えないことによる。また、キャリア−ガ
スに混合する場合にも酸素混合量に制限があり、プラズ
マ自身の安定性に問題が生じ、前記キャリア−ガスを1
00%酸素に置換することは不可能である。
波誘導結合プラズマイオン化源質量分析計(以下、IC
P−MSという)には、アルゴンプラズマのキャリア−
ガスにのみ酸素を混合する手法を用いていた。これは、
アルゴンプラズマをイオン化源としたICP−MSにお
いては、プラズマの維持上、酸素の混合はキャリア−ガ
スのみにしか行えないことによる。また、キャリア−ガ
スに混合する場合にも酸素混合量に制限があり、プラズ
マ自身の安定性に問題が生じ、前記キャリア−ガスを1
00%酸素に置換することは不可能である。
【0003】一例として、酢酸−2−エトキシエチル,
CH3COOCH2CH2OC2H5(以下、EEAとい
う)を分析する場合を説明する。このEEAを酸素によ
り理想的に分解し、前記EEA中に含まれる炭素を全て
二酸化炭素として気体に変え、インタ−フェイス部への
付着を防止することを検討する。
CH3COOCH2CH2OC2H5(以下、EEAとい
う)を分析する場合を説明する。このEEAを酸素によ
り理想的に分解し、前記EEA中に含まれる炭素を全て
二酸化炭素として気体に変え、インタ−フェイス部への
付着を防止することを検討する。
【0004】
【化1】 2CH3COOCH2CH2OC2H5+1502→12CO2↑+12H2O ・・・・・・・(化1) この(化1)によると酸素は、EEA2モルに対して1
5モル必要となる。いま、試料の吸い込み量を0.5m
l/minとすると、スプレ−チャンバに導入されるE
EAは0.004モル/minとなる。したがって、
(化1)よりこのEEAを完全に分解するために酸素
は、0.03モル/min必要となる。
5モル必要となる。いま、試料の吸い込み量を0.5m
l/minとすると、スプレ−チャンバに導入されるE
EAは0.004モル/minとなる。したがって、
(化1)よりこのEEAを完全に分解するために酸素
は、0.03モル/min必要となる。
【0005】ところで、スプレ−チャンバからプラズマ
イオン化源に導入されるEEAは、スプレ−チャンバ内
で霧化したもののうち、比較的粒経の小さなものとして
分別された2%程度の量となる。したがって、EEAを
理想的に分解するのに必要とされる酸素量を計算する
と、約14ml/minとなる。しかしながら、必要と
される酸素量は、EEAのプラズマ内における拡散およ
びその速度等により理想値とは一致せず、実際には理想
値の4倍から5倍量程度に混合しなければならない。
イオン化源に導入されるEEAは、スプレ−チャンバ内
で霧化したもののうち、比較的粒経の小さなものとして
分別された2%程度の量となる。したがって、EEAを
理想的に分解するのに必要とされる酸素量を計算する
と、約14ml/minとなる。しかしながら、必要と
される酸素量は、EEAのプラズマ内における拡散およ
びその速度等により理想値とは一致せず、実際には理想
値の4倍から5倍量程度に混合しなければならない。
【0006】したがって、さらに分子中に炭素を多く含
んだ有機溶媒を分析する場合、酸素量を増やす必要が生
じ、ICP−MSでは対応が困難となってくる。なお、
実際の従来例ではキャリア−ガスに5%程度の酸素を混
ぜている。また、プラズマの維持が可能な範囲において
酸素を混合させても、24Mgプラスイオンの分析は従来
法では極めて困難であった。その理由は、酸素が十分に
混合できないため24C2プラスイオンが生成し、その干
渉が生ずるからである。
んだ有機溶媒を分析する場合、酸素量を増やす必要が生
じ、ICP−MSでは対応が困難となってくる。なお、
実際の従来例ではキャリア−ガスに5%程度の酸素を混
ぜている。また、プラズマの維持が可能な範囲において
酸素を混合させても、24Mgプラスイオンの分析は従来
法では極めて困難であった。その理由は、酸素が十分に
混合できないため24C2プラスイオンが生成し、その干
渉が生ずるからである。
【0007】また、前記生成した24C2プラスイオン
が、多量に質量分析計へ導入されることから、MSの真
空系の汚染を招くという欠点があった。これらについて
は、小林恭子氏らによる、分析化学,Vol.39,
P.835(1990)記載の技術がある。
が、多量に質量分析計へ導入されることから、MSの真
空系の汚染を招くという欠点があった。これらについて
は、小林恭子氏らによる、分析化学,Vol.39,
P.835(1990)記載の技術がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、キ
ャリア−ガスに酸素を添加することにより、インタ−フ
ェイス部に炭素が付着することを防ぎ、有機溶媒の直接
分析を一部行えるようにはしているが、酸素をキャリア
−ガスにのみ混合していることから、プラズマ自身不安
定となるという問題があった。
ャリア−ガスに酸素を添加することにより、インタ−フ
ェイス部に炭素が付着することを防ぎ、有機溶媒の直接
分析を一部行えるようにはしているが、酸素をキャリア
−ガスにのみ混合していることから、プラズマ自身不安
定となるという問題があった。
【0009】また、キャリア−ガスに酸素を混合する体
積比に制約があるため、24C2プラスイオンが生成し、
その干渉のため、24Mgプラスイオン等の分析が困難で
あり、その点配慮がなされていないという問題があっ
た。また、プラズマを安定にするためにキャリア−ガス
のみならず、プラズマガスにも酸素を添加する方法が提
案されているが、ICP−MSにおいてはプラズマが不
安定となり維持することが不可能であった。そのため、
限られた条件下で有機溶媒の分析が行われているという
問題があった。
積比に制約があるため、24C2プラスイオンが生成し、
その干渉のため、24Mgプラスイオン等の分析が困難で
あり、その点配慮がなされていないという問題があっ
た。また、プラズマを安定にするためにキャリア−ガス
のみならず、プラズマガスにも酸素を添加する方法が提
案されているが、ICP−MSにおいてはプラズマが不
安定となり維持することが不可能であった。そのため、
限られた条件下で有機溶媒の分析が行われているという
問題があった。
【0010】さらに従来技術では、24Mgプラスイオン
の分析が困難であることが示すように、24C2プラスイ
オンが生成しており、これが質量分析計の内部に多量に
導入され、その真空系の汚染を招き、装置の寿命の短縮
をもたらし、メンテナンスが煩瑣になるという問題があ
った。
の分析が困難であることが示すように、24C2プラスイ
オンが生成しており、これが質量分析計の内部に多量に
導入され、その真空系の汚染を招き、装置の寿命の短縮
をもたらし、メンテナンスが煩瑣になるという問題があ
った。
【0011】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、マイクロ波により生成させた
プラズマを使用し、キャリア−ガスのみならずプラズマ
ガスにも酸素を混合しその混合比を可変とし、インタ−
フェイス部への炭素の付着を防ぎ、プラズマを安定化さ
せることによって、長時間精度の高いデ−タ−が得られ
る質量分析装置を提供することを目的とする。また、酸
素混合量を増加させることにより24C2プラスイオンを
減少させ、装置の寿命を高めてメンテナンスの頻度を減
少させるようにした質量分析装置を提供することを目的
とする。
るためになされたもので、マイクロ波により生成させた
プラズマを使用し、キャリア−ガスのみならずプラズマ
ガスにも酸素を混合しその混合比を可変とし、インタ−
フェイス部への炭素の付着を防ぎ、プラズマを安定化さ
せることによって、長時間精度の高いデ−タ−が得られ
る質量分析装置を提供することを目的とする。また、酸
素混合量を増加させることにより24C2プラスイオンを
減少させ、装置の寿命を高めてメンテナンスの頻度を減
少させるようにした質量分析装置を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る質量分析装置の構成は、マイクロ波によ
りプラズマを生成させるイオン化源と、前記イオン化源
に試料を導入するためのキャリアーガスとプラズマを生
成するためのプラズマガスを供給するガス制御部と、質
量分析計と、前記イオン化源からのイオンを前記質量分
析計に導入するインターフェイス部と、前記各部を制御
する制御部とからなる質量分析装置において、前記ガス
制御部は、前記キャリアーガスへ酸素を混合させ、その
酸素混合比を可変にする手段と、前記プラズマガスへ酸
素を混合させ、その混合比を可変にする手段とを備えた
ことを特徴とするものである。キャリアーガスへの酸素
混合比は、0〜100%の間で可変であることを特徴と
するものである。インターフェイス部は、そのイオン導
入口の閉塞度を検出する検出手段を備え、前記ガス制御
部は、前記検出手段により検出した閉塞度が所定の値以
上になった場合、前記キャリアーガスの酸素混合比を酸
素100%の状態にすることを特徴とする請求項1記載
の質量分析装置。インターフェイス部のイオン導入口の
閉塞度の検出手段は、前記イオン導入口の真空度を検出
するように構成したことを特徴とするものである。
に本発明に係る質量分析装置の構成は、マイクロ波によ
りプラズマを生成させるイオン化源と、前記イオン化源
に試料を導入するためのキャリアーガスとプラズマを生
成するためのプラズマガスを供給するガス制御部と、質
量分析計と、前記イオン化源からのイオンを前記質量分
析計に導入するインターフェイス部と、前記各部を制御
する制御部とからなる質量分析装置において、前記ガス
制御部は、前記キャリアーガスへ酸素を混合させ、その
酸素混合比を可変にする手段と、前記プラズマガスへ酸
素を混合させ、その混合比を可変にする手段とを備えた
ことを特徴とするものである。キャリアーガスへの酸素
混合比は、0〜100%の間で可変であることを特徴と
するものである。インターフェイス部は、そのイオン導
入口の閉塞度を検出する検出手段を備え、前記ガス制御
部は、前記検出手段により検出した閉塞度が所定の値以
上になった場合、前記キャリアーガスの酸素混合比を酸
素100%の状態にすることを特徴とする請求項1記載
の質量分析装置。インターフェイス部のイオン導入口の
閉塞度の検出手段は、前記イオン導入口の真空度を検出
するように構成したことを特徴とするものである。
【0013】また、インタ−フェイス部はそのイオン導
入口の閉塞度を検出する検出手段を備え、前記ガス制御
部は、前記検出手段により検出した閉塞度が、所定の値
以上になった場合、キャリア−ガスの酸素混合比を所定
の混合比から酸素100%に置換し、所定の値以下にな
った場合、所定の混合比とするようにしたものである。
さらに、インタ−フェイス部のイオン導入口の閉塞度を
検出する検出手段は、前記イオン導入口の真空度を検出
するようにしたものである。
入口の閉塞度を検出する検出手段を備え、前記ガス制御
部は、前記検出手段により検出した閉塞度が、所定の値
以上になった場合、キャリア−ガスの酸素混合比を所定
の混合比から酸素100%に置換し、所定の値以下にな
った場合、所定の混合比とするようにしたものである。
さらに、インタ−フェイス部のイオン導入口の閉塞度を
検出する検出手段は、前記イオン導入口の真空度を検出
するようにしたものである。
【0014】
【作用】上記各技術的手段の働きは次のとおりである。
前記質量分析装置のイオン化源にマイクロ波によって励
起したプラズマを使用することによって、キャリア−ガ
スのみならずプラズマガスにも酸素を混合できるように
なり、プラズマそのものが安定となり、有機溶媒測定時
の優れたイオン化源となるだけでなく、インタ−フェイ
ス部における炭素の付着も長時間抑制することができる
ため、有機溶媒中の微量金属を再現性良く、しかも高精
度で測定することができる。
前記質量分析装置のイオン化源にマイクロ波によって励
起したプラズマを使用することによって、キャリア−ガ
スのみならずプラズマガスにも酸素を混合できるように
なり、プラズマそのものが安定となり、有機溶媒測定時
の優れたイオン化源となるだけでなく、インタ−フェイ
ス部における炭素の付着も長時間抑制することができる
ため、有機溶媒中の微量金属を再現性良く、しかも高精
度で測定することができる。
【0015】また、キャリア−ガスへの酸素の混合量比
を0から100%まで可変となるようにしたので、24C
2プラスイオンを消滅させることができるようになり、
有機溶媒の測定において困難であった24Mgプラスイオ
ンの分析ができる。また、酸素の混合比を増加させるこ
とによって、本分析装置内へ多量の24C2プラスイオン
が導入しないようになり、装置の寿命を延ばし、かつ、
保守性を向上させることができる。
を0から100%まで可変となるようにしたので、24C
2プラスイオンを消滅させることができるようになり、
有機溶媒の測定において困難であった24Mgプラスイオ
ンの分析ができる。また、酸素の混合比を増加させるこ
とによって、本分析装置内へ多量の24C2プラスイオン
が導入しないようになり、装置の寿命を延ばし、かつ、
保守性を向上させることができる。
【0016】さらに、インタ−フェイス部における閉塞
度を真空度をモニタ−することにより検出し、インタ−
フェイス部への炭素の付着した場合、キャリア−ガスを
100%酸素に置換し、炭素を取り除くことができるよ
うにしたものであり、これにより多種多様な有機溶媒の
分析にも対応できる。
度を真空度をモニタ−することにより検出し、インタ−
フェイス部への炭素の付着した場合、キャリア−ガスを
100%酸素に置換し、炭素を取り除くことができるよ
うにしたものであり、これにより多種多様な有機溶媒の
分析にも対応できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図3を
参照して説明する。図1は、マイクロ波励起プラズマ
(以下、MIPという)をイオン化源に持った質量分析
装置の説明図、図2は、図1の質量分析装置のガス制御
部の詳細説明図、図3は、図1の質量分析装置によりエ
チルアルコ−ル中の24Mgプラスイオンを検量したデ−
タ−線図である。
参照して説明する。図1は、マイクロ波励起プラズマ
(以下、MIPという)をイオン化源に持った質量分析
装置の説明図、図2は、図1の質量分析装置のガス制御
部の詳細説明図、図3は、図1の質量分析装置によりエ
チルアルコ−ル中の24Mgプラスイオンを検量したデ−
タ−線図である。
【0018】図1,2において、1はガス制御部、2は
マイクロ波キャビティ、3はプラズマト−チ、4はプラ
ズマ、5はサンプリングコ−ン、6はスキマ−コ−ン、
7は導波管、8はマグネトロン発振部、9はマグネトロ
ン電源、10はスプレ−チャンバ、11はネブライザ
−、12はイオンレンズ、13は排気系、14は質量分
析部、15は検知器、16は偏向電極、17は制御コン
ピュタ−、18は試料、19は質量分析計、20はキャ
リア−ガス、21はプラズマ化されるガス(以下プラズ
マガス)、22はピラニ−ゲ−ジである。
マイクロ波キャビティ、3はプラズマト−チ、4はプラ
ズマ、5はサンプリングコ−ン、6はスキマ−コ−ン、
7は導波管、8はマグネトロン発振部、9はマグネトロ
ン電源、10はスプレ−チャンバ、11はネブライザ
−、12はイオンレンズ、13は排気系、14は質量分
析部、15は検知器、16は偏向電極、17は制御コン
ピュタ−、18は試料、19は質量分析計、20はキャ
リア−ガス、21はプラズマ化されるガス(以下プラズ
マガス)、22はピラニ−ゲ−ジである。
【0019】図1の質量分析装置は、プラズマガス21
とキャリア−ガス20とを制御するガス制御部1と、導
波管7,マグネトロン発振部8,マグネトロン電源9等
からなるマイクロ波電源部と、マイクロ波キャビティ
2,プラズマト−チ3,スプレ−チャンバ10,ネブラ
イザ−11等からなるイオン化源部と、イオンレンズ1
2、排気系13、質量分析部14、検知器15、偏向電
極16等からなる質量分析計19と、サンプリングコ−
ン5,スキマ−コ−ン6等からなるインタ−フェイス部
と、制御コンピュタ−17等からなる制御部とに大別さ
れる。
とキャリア−ガス20とを制御するガス制御部1と、導
波管7,マグネトロン発振部8,マグネトロン電源9等
からなるマイクロ波電源部と、マイクロ波キャビティ
2,プラズマト−チ3,スプレ−チャンバ10,ネブラ
イザ−11等からなるイオン化源部と、イオンレンズ1
2、排気系13、質量分析部14、検知器15、偏向電
極16等からなる質量分析計19と、サンプリングコ−
ン5,スキマ−コ−ン6等からなるインタ−フェイス部
と、制御コンピュタ−17等からなる制御部とに大別さ
れる。
【0020】ガス制御部1は、プラズマガス21とキャ
リア−ガス20とを所定の混合比のガスとして送り出す
が、本実施例においては、プラズマガスにN2を使用し
ている場合について説明するが、不活性ガスであれば、
ヘリウムであっても良いしその他のものでも良い。
リア−ガス20とを所定の混合比のガスとして送り出す
が、本実施例においては、プラズマガスにN2を使用し
ている場合について説明するが、不活性ガスであれば、
ヘリウムであっても良いしその他のものでも良い。
【0021】イオン化源部は、試料18がキャリア−ガ
ス20により吸引され、ネブライザ−11で霧化され
る。このうち、比較的大きな液滴がスプレ−チャンバ1
0で分別,除去され、細かい液滴がプラズマト−チ3へ
と導かれる。前記プラズマト−チ3は、二重の石英管
(図示せず)であって、中心部の細管には霧化された液
状試料を含むキャリア−ガス20を流し、外側の細管に
はプラズマガス21が流れる構造となっいる。そして、
このプラズマト−チ3はマイクロ波キャビティ2内に配
設されている。
ス20により吸引され、ネブライザ−11で霧化され
る。このうち、比較的大きな液滴がスプレ−チャンバ1
0で分別,除去され、細かい液滴がプラズマト−チ3へ
と導かれる。前記プラズマト−チ3は、二重の石英管
(図示せず)であって、中心部の細管には霧化された液
状試料を含むキャリア−ガス20を流し、外側の細管に
はプラズマガス21が流れる構造となっいる。そして、
このプラズマト−チ3はマイクロ波キャビティ2内に配
設されている。
【0022】一方、マイクロ波電源部は、マグネトロン
電源9から供給された電力がマグネトロン発振部8でマ
イクロ波に変換され、導波管7を通りイオン化源部のマ
イクロ波キャビティ2へと進行する。この進行したマイ
クロ波は、マイクロ波キャビティ2によって、ガス制御
部1より供給されるプラズマガス21を強力に励起し、
前記プラズマト−チ3においてプラズマ4を生成し試料
18もイオン化する。
電源9から供給された電力がマグネトロン発振部8でマ
イクロ波に変換され、導波管7を通りイオン化源部のマ
イクロ波キャビティ2へと進行する。この進行したマイ
クロ波は、マイクロ波キャビティ2によって、ガス制御
部1より供給されるプラズマガス21を強力に励起し、
前記プラズマト−チ3においてプラズマ4を生成し試料
18もイオン化する。
【0023】イオン化した試料18は質量分析計19と
のインタ−フェイスであるサンプリングコ−ン5,スキ
マ−コ−ン6を通り、質量分析計19へと進む。質量分
析計19へと進んだ試料18は、イオンレンズ12,質
量分析部14等が配置されているその真空系に入る。こ
のときインタ−フェイス部のイオン導入口の閉塞度の検
出は、そのイオン導入口の真空度をピラニ−ゲ−ジ22
によりモニタ−することにより実施される。
のインタ−フェイスであるサンプリングコ−ン5,スキ
マ−コ−ン6を通り、質量分析計19へと進む。質量分
析計19へと進んだ試料18は、イオンレンズ12,質
量分析部14等が配置されているその真空系に入る。こ
のときインタ−フェイス部のイオン導入口の閉塞度の検
出は、そのイオン導入口の真空度をピラニ−ゲ−ジ22
によりモニタ−することにより実施される。
【0024】イオンレンズ12に進行したイオン化した
試料18は、イオンレンズ12により収束され、質量分
析部14によりm/z(m:質量,z:電荷)毎に分け
られ、不要なガスは排気系13より排出される。そのの
ちデフレクター16により偏向され、検知器15に入射
し分析される。これら一連の分析動作はコンピューター
17により制御される。
試料18は、イオンレンズ12により収束され、質量分
析部14によりm/z(m:質量,z:電荷)毎に分け
られ、不要なガスは排気系13より排出される。そのの
ちデフレクター16により偏向され、検知器15に入射
し分析される。これら一連の分析動作はコンピューター
17により制御される。
【0025】次に、上記質量分析動作中におけるガス制
御部1の動作を説明する。図2において、ガス制御部1
は、流量調整用のバルブ23,24,25,26,2
7,28と流量計29,30,31,32,33,34
とストップバルブ35とから構成される。
御部1の動作を説明する。図2において、ガス制御部1
は、流量調整用のバルブ23,24,25,26,2
7,28と流量計29,30,31,32,33,34
とストップバルブ35とから構成される。
【0026】水溶液試料の場合には、酸素を混合する必
要がないので、バルブ23,バルブ24,バルブ26は
閉状態となる。また、バルブ25,ストップバルブ35
は開状態で使用される。プラズマガスN221はバルブ
28と流量計34によってその流量が制御され、プラズ
マト−チ3の外側細管に流れる。キャリア−ガス20と
なるN2ガスは、ストップバルブ35を通過しバルブ2
7と流量計33によってその流量が制御され、試料18
を吸引しネブライザ−11,スプレ−チャンバ10,プ
ラズマト−チ3の中心部の細管へと流入する。
要がないので、バルブ23,バルブ24,バルブ26は
閉状態となる。また、バルブ25,ストップバルブ35
は開状態で使用される。プラズマガスN221はバルブ
28と流量計34によってその流量が制御され、プラズ
マト−チ3の外側細管に流れる。キャリア−ガス20と
なるN2ガスは、ストップバルブ35を通過しバルブ2
7と流量計33によってその流量が制御され、試料18
を吸引しネブライザ−11,スプレ−チャンバ10,プ
ラズマト−チ3の中心部の細管へと流入する。
【0027】有機溶媒分析において、プラズマガスにの
み酸素を混合する場合には、バルブ24とバルブ26を
閉じて、ストップバルブ35は開放にする。N2ガスは
バルブ25と流量計31によりその流量を調整される。
混合されるO2ガスはバルブ23と流量計29によりそ
の流量を調整され、酸素混合比が決定される。そして、
N2+O2のプラズマガス21の流量はバルブ28と流量
計34により決定される。一方、この場合のキャリア−
ガス20となるN2は、ストップバルブ35を通過しバ
ルブ27と流量計33によりその流量が制御され、試料
18を吸引しネブライザ−11,スプレ−チャンバ10
へと流入する。
み酸素を混合する場合には、バルブ24とバルブ26を
閉じて、ストップバルブ35は開放にする。N2ガスは
バルブ25と流量計31によりその流量を調整される。
混合されるO2ガスはバルブ23と流量計29によりそ
の流量を調整され、酸素混合比が決定される。そして、
N2+O2のプラズマガス21の流量はバルブ28と流量
計34により決定される。一方、この場合のキャリア−
ガス20となるN2は、ストップバルブ35を通過しバ
ルブ27と流量計33によりその流量が制御され、試料
18を吸引しネブライザ−11,スプレ−チャンバ10
へと流入する。
【0028】次に、プラズマガスガス21とキャリア−
ガス20との両方に酸素を混合する場合には、以下のよ
うに制御を行う。ストップバルブ35は閉じた状態と
し、N2ガスはバルブ25と流量計31によりその流量
を調整される。混合されるO2ガスはバルブ23と流量
計29によりその流量を調整され、N2ガスとO2ガスと
の混合比が決定される。N2+O2のプラズマガス21の
流量はバルブ28と流量計34により決定されプラズマ
ト−チ3へ流れる。
ガス20との両方に酸素を混合する場合には、以下のよ
うに制御を行う。ストップバルブ35は閉じた状態と
し、N2ガスはバルブ25と流量計31によりその流量
を調整される。混合されるO2ガスはバルブ23と流量
計29によりその流量を調整され、N2ガスとO2ガスと
の混合比が決定される。N2+O2のプラズマガス21の
流量はバルブ28と流量計34により決定されプラズマ
ト−チ3へ流れる。
【0029】キャリア−ガス20は、プラズマガス21
となるN2+O2ガスをバルブ26と流量計32とよりな
る管路にて分流しその流量を調整し、O2ガスはバルブ
24と流量計30によりその流量を調整し、この両ガス
を混合して作成される。全流量はバルブ27と流量計3
3により決まる。キャリア−ガス20を酸素100%に
するためには、バルブ26を閉じれば良い。したがっ
て、インタ−フェイス部のイオン導入口に炭素が付着
し、その閉塞度を検知するピラニ−ゲ−ジ22が高真空
側に変化した場合には、バルブ26を閉じバルブ27と
流量計33とにより酸素100%のキャリア−ガス20
の流量を制御すれば良い。
となるN2+O2ガスをバルブ26と流量計32とよりな
る管路にて分流しその流量を調整し、O2ガスはバルブ
24と流量計30によりその流量を調整し、この両ガス
を混合して作成される。全流量はバルブ27と流量計3
3により決まる。キャリア−ガス20を酸素100%に
するためには、バルブ26を閉じれば良い。したがっ
て、インタ−フェイス部のイオン導入口に炭素が付着
し、その閉塞度を検知するピラニ−ゲ−ジ22が高真空
側に変化した場合には、バルブ26を閉じバルブ27と
流量計33とにより酸素100%のキャリア−ガス20
の流量を制御すれば良い。
【0030】図3は、エチルアルコ−ル中の24Mgプラ
スイオンの検量線デ−タ−を示した線図であり、横軸に
24Mgプラスイオン、縦軸に検知器15による強度(c
ps)を表し、優れた直線性が得られている。
スイオンの検量線デ−タ−を示した線図であり、横軸に
24Mgプラスイオン、縦軸に検知器15による強度(c
ps)を表し、優れた直線性が得られている。
【0031】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、本発明に
よれば、マイクロ波により生成させたプラズマを使用
し、キャリア−ガスのみならずプラズマガスにも酸素を
混合しその混合比を可変とし、インタ−フェイス部への
炭素の付着を防ぎ、プラズマを安定化させることによっ
て長時間精度の高いデ−タ−が得られ、さらに、キャリ
ア−ガスへの酸素混合量を増加させることにより24C2
プラスイオンを減少させ、装置の寿命を高め、かつ、メ
ンテナンスの頻度を減少させるようにした質量分析装置
を提供することができる。
よれば、マイクロ波により生成させたプラズマを使用
し、キャリア−ガスのみならずプラズマガスにも酸素を
混合しその混合比を可変とし、インタ−フェイス部への
炭素の付着を防ぎ、プラズマを安定化させることによっ
て長時間精度の高いデ−タ−が得られ、さらに、キャリ
ア−ガスへの酸素混合量を増加させることにより24C2
プラスイオンを減少させ、装置の寿命を高め、かつ、メ
ンテナンスの頻度を減少させるようにした質量分析装置
を提供することができる。
【図1】MIPをイオン化源に持った質量分析装置の説
明図である。
明図である。
【図2】図1の質量分析装置のガス制御部の詳細説明図
である。
である。
【図3】図1の質量分析装置によりエチルアルコ−ル中
の24Mgプラスイオンを検量したデ−タ−線図である。
の24Mgプラスイオンを検量したデ−タ−線図である。
1 ガス制御部 2 マイクロ波キャビティ 3 プラズマト−チ 4 プラズマ 5 サンプリングコ−ン 6 スキマ−コ−ン 7 導波管 8 マグネトロン発振部 9 マグネトロン電源 10 スプレ−チャンバ 11 ネブライザ− 12 イオンレンズ 13 排気系 14 イオン分離電極 15 検知器 16 偏向電極 17 制御コンピュタ− 18 試料 19 質量分析計 20 キャリア−ガス 21 プラズマガス 22 ピラニ−ゲ−ジ 23,24,25,26,27,28 バルブ 29,30,31,32,33,34 流量計 35 ストップバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−31759(JP,A) 特開 昭61−292846(JP,A) 実開 平3−64463(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 49/04 H01J 49/10
Claims (4)
- 【請求項1】 マイクロ波によりプラズマを生成させる
イオン化源と、前記イオン化源に試料を導入するための
キャリアーガスとプラズマを生成するためのプラズマガ
スを供給するガス制御部と、質量分析計と、前記イオン
化源からのイオンを前記質量分析計に導入するインタ−
フェイス部と、前記各部を制御する制御部とからなる質
量分析装置において、 前記ガス制御部は、前記キャリアーガスへ酸素を混合さ
せ、その酸素混合比を可変にする手段と、前記プラズマ
ガスへ酸素を混合させ、その混合比を可変にする手段と
を備えたことを特徴とする質量分析装置。 - 【請求項2】 キャリアーガスへの酸素混合比は、0〜
100%の間で可変であることを特徴とする請求項1記
載の質量分析装置。 - 【請求項3】 インターフェイス部は、そのイオン導入
口の閉塞度を検出する検出手段を備え、前記ガス制御部
は、前記検出手段により検出した閉塞度が所定の値以上
になった場合、前記キャリアーガスの酸素混合比を酸素
100%の状態にすることを特徴とする請求項1記載の
質量分析装置。 - 【請求項4】 インターフェイス部のイオン導入口の閉
塞度の検出手段は、前記イオン導入口の真空度を検出す
るように構成したことを特徴とする請求項3記載の質量
分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5001717A JP2962626B2 (ja) | 1993-01-08 | 1993-01-08 | 質量分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5001717A JP2962626B2 (ja) | 1993-01-08 | 1993-01-08 | 質量分析装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06203790A JPH06203790A (ja) | 1994-07-22 |
JP2962626B2 true JP2962626B2 (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=11509322
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5001717A Expired - Fee Related JP2962626B2 (ja) | 1993-01-08 | 1993-01-08 | 質量分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2962626B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP4783891B2 (ja) * | 2006-09-05 | 2011-09-28 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | ガスクロマトグラフに誘導結合プラズマ質量分析装置を結合させた分析装置 |
JP4753083B2 (ja) * | 2006-09-05 | 2011-08-17 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 誘導結合プラズマ質量分析及び発光分析装置 |
JP5454416B2 (ja) * | 2010-08-20 | 2014-03-26 | 株式会社島津製作所 | 質量分析装置 |
US8987664B2 (en) | 2013-02-07 | 2015-03-24 | Shimadzu Corporation | Mass spectrometry device |
GB201316688D0 (en) * | 2013-09-20 | 2013-11-06 | Micromass Ltd | Automated cleanliness diagnostic for mass spectrometer |
WO2015040385A1 (en) * | 2013-09-20 | 2015-03-26 | Micromass Uk Limited | Automated cleanliness diagnostic for mass spectrometer |
CN117147670B (zh) * | 2023-10-26 | 2023-12-29 | 广州源古纪科技有限公司 | 一种VOCs检测方法、系统及设备 |
-
1993
- 1993-01-08 JP JP5001717A patent/JP2962626B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH06203790A (ja) | 1994-07-22 |
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