JP2962539B2 - 楽音生成装置及び楽音生成方法 - Google Patents

楽音生成装置及び楽音生成方法

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JP2962539B2
JP2962539B2 JP6139184A JP13918494A JP2962539B2 JP 2962539 B2 JP2962539 B2 JP 2962539B2 JP 6139184 A JP6139184 A JP 6139184A JP 13918494 A JP13918494 A JP 13918494A JP 2962539 B2 JP2962539 B2 JP 2962539B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、楽音生成装置及び楽音
生成方法に関し、楽音のフォルマントの各周波数成分を
合成した波形のフォルマント波形信号の生成に関する。
【0002】
【従来技術】従来、楽音生成装置の分野では、フォルマ
ントに関する制御を行うような装置は、ほとんどなかっ
た。ただ、特定フォルマントに対応した複数の特定周波
数帯域の各周波数成分を合成したフォルマント形状信号
をメモリにそれぞれ記憶しておき、このメモリに読み出
しアドレスデータを供給して、記憶されたフォルマント
形状信号を読み出す装置はある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな装置では、単にフォルマント形状信号を読み出すだ
けであり、単調で楽音をいろいろと変化させることがで
きなかった。例えば、指定される音高が変化すると、こ
れに応じて上記読み出しアドレスデータのインクリメン
ト速度を変化させることになる。これにより、音高に応
じたフォルマント形状信号を生成することはできる。し
かし、これに応じてフォルマント形状信号のフォルマン
トの幅及びフォルマント形状信号のフォルマントの各周
波数成分の密度も、音高の変化に比例して変化してしま
う。この比例変化が許容される場合はよいが、変化が許
容されなかったり、比例変化以外の変化が要求されるこ
とも多い。したがって、音高の変化に応じて任意のフォ
ルマント形状信号を発生させることはできなかった。
【0004】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、本発明の目的は、音高その他の変
化があっても、フォルマント形状信号の内容を任意に変
化させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために、本発明は、フォルマント形状信号のフォル
マントの各周波数成分相互のそれぞれの周波数の比を決
定するフォルマント調和度情報について、1つの楽音に
つき、各フォルマント調和度情報がフォルマント中心信
号の周波数情報に基づいて決定されるようにするととも
に、各フォルマント調和度情報の値の変化率が各フォル
マント中心周波数情報の値の変化率に対して異なるよう
にした。これにより、フォルマント中心信号の周波数
と、フォルマントの各周波数成分のそれぞれの周波数と
を、正比例の関係に無い、特殊な相関関係をもって制御
することができる。例えば、1つの楽音の3つのフォル
マントにおいて、フォルマント中心信号の周波数の値が
1:2.6:4.35のとき、フォルマント形状信号の
各倍音の各周波数の差(間隔)の値を1:1.1:1.
2とすることができるし、フォルマント形状信号の各倍
音の周波数の値の比が整数倍または非整数倍いずれも可
能となる。本発明は、特願平5−239669号明細書
に記載の発明の改良である。
【0006】また本発明は、フォルマント形状信号のフ
ォルマントの各周波数成分相互のそれぞれの周波数の比
を決定するフォルマント調和度情報が、上記フォルマン
トの各周波数成分の密度を決定するフォルマント密度情
報に合成され、この合成されたフォルマント密度情報に
基づいて、フォルマント形状信号のフォルマントの各周
波数成分の密度が制御されるようにした。これにより、
フォルマントの各周波数成分の密度の制御が、各周波数
成分の周波数の対比値について行われ、例えば周波数成
分の周波数値の比が整数倍または非整数倍いずれも可能
となる。本発明も、特願平5−239669号明細書に
記載の発明の改良である。
【0007】さらに本発明は、フォルマント形状信号の
フォルマントの各周波数成分の密度を決定するフォルマ
ント密度情報であって、上記フォルマント形状信号の読
み出し速度を決定するフォルマント密度情報につき、記
憶されたフォルマント形状信号の実際の記憶サンプリン
グ周波数と、このフォルマント密度情報に応じた基準と
なる周波数との比または差を示す修正データを、上記フ
ォルマント密度情報に合成するようにした。これによ
り、フォルマント形状信号の実際の記憶サンプリング周
波数に拘束されることなく、任意のフォルマント密度の
フォルマント形状信号を発生させることができる。本発
明は、特開平2−173795号明細書に記載の発明の
改良である。
【0008】またさらに本発明は、フォルマント形状信
号のフォルマントの各周波数成分の密度を決定するフォ
ルマント密度情報であって、上記フォルマント形状信号
の読み出し速度を決定するフォルマント密度情報を、楽
音の音高情報に基づいて発生するようにした。これによ
り、各フォルマントの各周波数成分の密度が楽音の音高
に応じて決定され、音高に応じたフォルマント制御を行
うことができる。本発明も、特願平5−239669号
明細書に記載の発明の改良である。
【0009】
【実施例】1.全体回路 図1は楽音生成装置の全体回路を示す。演奏情報発生部
10からは音高情報その他の演奏情報が発生される。こ
の演奏情報発生部10は、マニュアル操作によって演奏
される発音指示装置、自動演奏装置またはインターフェ
イスであって、音高情報(音域情報)、発音開始からの
経過時間情報、演奏パート情報、楽音パート情報、楽器
パート情報等の音楽的ファクタ情報が発生される。発音
指示装置は、キーボード楽器、弦楽器、吹奏楽器、打楽
器、コンピュータのキーボード等である。自動演奏装置
は、記憶された演奏情報を自動的に再生するものであ
る。インターフェイスは、MIDI(ミュージカルイン
スツルメントデジタルインターフェイス)等、接続され
た装置からの演奏情報を受け取ったり、送り出したりす
る装置である。
【0010】さらに、この演奏情報発生部10には各種
スイッチが設けられ、この各種スイッチは音色タブレッ
ト、エフェクトスイッチ、リズムスイッチ、ペダル、ホ
イール、レバー、ダイヤル、ハンドル、タッチスイッチ
等であって楽器用のものである。この各種スイッチよ
り、音楽的ファクタ情報が入力され、この音楽的ファク
タ情報は音色情報、タッチ情報(発音指示操作の速さ/
強さ)、エフェクト情報、リズム情報、音像(ステレ
オ)情報、クオンタイズ情報、変調情報、テンポ情報、
音量情報、エンベロープ情報、発音開始からの経過時間
等である。
【0011】これら音楽的ファクタ情報も上記演奏情報
に含まれ、上記各種スイッチより入力されるほか、自動
演奏情報に含まれたり、インターフェイスで送受される
演奏情報に含まれたりもする。なお、上記タッチスイッ
チは上記発音指示装置の1つ1つに対応して設けられて
おり、タッチの速さと強さを示すイニシャルタッチデー
タとアフタタッチデータとが発生される。上記音色情報
は、ピアノ、フルート、バイオリン、ドラム等の楽器音
等に対応している。上記エンベロープ情報は、エンベロ
ープレベル、エンベロープフェーズなどである。上記演
奏パート情報、楽音パート情報、楽器パート情報は、例
えばメロディ、伴奏、コード、ベース等、または上鍵
盤、下鍵盤、足鍵盤等に対応している。このような音楽
的ファクタ情報は、コントローラ20へ送られ、後述の
各種信号、データ、パラメータの切り換えが行われる。
【0012】上記演奏情報はコントローラ20で処理さ
れ、各種データがフォルマント制御パラメータ発生部4
0、フォルマント形状波形発生部50及び累算部70へ
送られ、フォルマント合成信号Wj(t)が発生され
る。コントローラ20はCPU等からなっている。プロ
グラム/データ記憶部21はROM、RAM等の記憶装
置からなり、コントローラ20が各種処理を行うための
プログラムや、上述した各種データとその他の各種デー
タが記憶される。この各種データには時分割処理に必要
なデータや時分割チャンネルへの割当のためデータ等も
含まれる。
【0013】フォルマント制御パラメータ発生部40、
フォルマント形状波形発生部50及びフォルマント波形
発生部60より、フォルマント合成信号Wj(t)が時
分割に発生される。Wj(t)のjは時分割処理の分割
次数またはチャンネルナンバを示す。フォルマント制御
パラメータ発生部40では、フォルマント合成信号Wj
(t)を生成するのに必要な各種パラメータ、すなわち
フォルマント制御パラメータωcj(t)、ωfj
(t)、aj(t)、cj(t)、dj(t)等が発生
される。
【0014】このパラメータの詳細は後述する。フォル
マント形状波形発生部50及びフォルマント波形発生部
60では、入力される上記フォルマント制御パラメータ
に基づいて、フォルマント合成信号Wj(t)が読み出
し合成される。このフォルマント合成信号Wj(t)は
累算部70で系列チャンネルごとに累算合成され、音響
出力部80より楽音として放音出力される。
【0015】タイミング発生部30からは、楽音生成装
置の全回路の同期を取るためのタイミングコントロール
信号が各回路に出力される。このタイミングコントロー
ル信号には、各周期のクロック信号のほか、これらのク
ロック信号を論理積または論理和した信号、時分割処理
のチャンネル分割時間の周期を持つ信号、チャンネルナ
ンバデータjなどがある。
【0016】2.フォルマント制御パラメータとフォル
マント 図2、図3及び図4は上述のフォルマント制御パラメー
タとフォルマントとの関係を示す。図2は、フォルマン
トとフォルマント形状信号Ffj(t)との対応を簡単
な例で示したものである。図2(a1)は周波数スペク
トル成分の第1次高調波(基本波)、第2次高調波、第
3次高調波……が、順次等差的にレベルが小さくなって
いくことを示している。この(a1)のフォルマント形
状は半三角形となっている。この(a1)の楽器音のフ
ォルマントに対応した特定周波数帯域の各周波数成分を
合成したフォルマント形状信号Ffj(t)は図2(a
2)のような波形となる。
【0017】図2(b1)は図2(a1)の周波数スペ
クトル成分のうち、奇数次の成分のみを選んだものであ
る。この(b1)のフォルマント形状も半三角形である
が、合成したフォルマント形状信号Ffj(t)は図2
(b2)のような波形となる。図2(c1)は図2(a
1)の周波数スペクトル成分の各次のレベルを変化させ
たものである。この(c1)のフォルマント形状は二山
形であり、合成したフォルマント形状信号Ffj(t)
は図2(c2)のような波形となる。
【0018】ここに示したフォルマント形状信号Ffj
(t)は一例であり、フォルマントの形状を変えること
によって種々のフォルマント形状信号Ffj(t)が実
現される。この種々のフォルマント形状信号Ffj
(t)が、後述するフォルマント形状波形メモリ53に
記憶されている。なお、図2(a1)(b1)(c1)
の周波数スペクトル成分の各周波数は整数倍比である
が、非整数倍比であってもよく、このようなフォルマン
ト形状信号Ffj(t)もフォルマント形状波形メモリ
53に記憶される。
【0019】図3(a)は図2(a2)のフォルマント
形状信号Ffj(t)をフォルマント制御パラメータの
1つのフォルマント密度パラメータωfj(t)に応じ
た速度で読み出して、フォルマントキャリア信号cos
ωc(t)をフォルマント中心信号(基本波)として合
成した楽音波形の周波数スペクトル成分を示している。
フォルマント形状信号Ffj(t)にフォルマントキャ
リア信号cosωc(t)を合成すると、この合成信号
の周波数スペクトルはフォルマントキャリアパラメータ
ωcを中心として、両側に図2(a1)のフォルマント
が形成される。上記フォルマントキャリアパラメータω
cは、上記フォルマントキャリア信号cosωc(t)
の周波数を決定している。
【0020】この図2(a2)のフォルマント形状信号
Ffj(t)をフォルマント密度パラメータωfに応じ
た速度で読み出すと、図3(a)のようにフォルマント
が上下に±7ωfの幅をもち、2倍の2ωfのフォルマ
ント密度パラメータに応じた速度でこのフォルマント形
状信号Ffj(t)を読み出すと、図3(b)のように
フォルマントが上下に±14ωfの幅をもち、フォルマ
ントの幅がひろがる。
【0021】このように、フォルマント密度パラメータ
ωfはフォルマントの幅すなわちフォルマントの各周波
数成分の密度を決定している。また、フォルマント密度
パラメータωfの値が変化すると、フォルマント自体が
周波数軸上でスライドし、フォルマント密度パラメータ
ωfはフォルマントの周波数軸上における位置も決定し
ている。
【0022】図4(a)は、各種フォルマントの形状を
示し、半三角形、つぼ形、三角形、長方形などが示され
ている。フォルマントの形状としては、他にも半円形、
山形、二山形等種々あり、これらの単一フォルマントを
重なるようにまたは重ならないように複数組み合わせた
複数フォルマントもある。これにフォルマントキャリア
信号cosωc(t)を合成すると図4(b)のように
両側にフォルマントが形成される。従って、フォルマン
ト形状信号Ffj(t)のフォルマントの形状自体が同
じであっても、このフォルマントを周波数軸上でシフト
すれば、フォルマントキャリア信号が合成されたとき異
なるフォルマントとなり、この結果合成出力される楽音
の性質も異なってくる。
【0023】上記フォルマント形状信号Ffj(t)に
は、フォルマント形状バイアスパラメータdj(t)が
加算される。この加算後の信号もフォルマント形状信号
Fj(t)と呼ぶ。このフォルマント形状バイアスパラ
メータdj(t)はフォルマント形状信号Ffj(t)
のレベルまたはバイアスを決定するファクタであり、こ
のフォルマント形状バイアスパラメータdj(t)の大
きさによってフォルマントの強さが決定される。フォル
マント形状バイアスパラメータdj(t)の加算は、乗
算であってもよいし、この乗算と上記加算両方を行って
もよいし、他の相加的演算、他の相乗的演算、一方のデ
ータによる他方のデータのビットシフト演算、一方のデ
ータが上位となり他方のデータのデータが下位となる演
算、演算式に基づく演算等であってもよい。
【0024】上記フォルマント形状信号Fj(t)をフ
ォルマント中心信号たるフォルマントキャリア信号co
sωctに乗算合成することにより、音高に応じた楽音
が実現される。この場合、フォルマントキャリア信号c
osωctを中心として、フォルマント形状信号Fj
(t)が高調波成分としてでなく、低調波成分としても
合成され、合成される楽音に拡がりが生じる。
【0025】なお、フォルマント形状信号Fj(t)
(フォルマント形状信号Ffj(t))の読み出し速度
を決定するフォルマント密度パラメータωfj(t)を
指定音高に応じて変えれば、フォルマント形状信号Fj
(t)自体は音高に応じたものになるが、フォルマント
形状信号Fj(t)のフォルマント密度を音高とは独立
に制御することはできなくなる。フォルマント形状信号
Fj(t)のフォルマントキャリア信号cosωctへ
の乗算は、加算であってもよいし、この加算と上記乗算
両方を行ってもよいし、他の相加的演算、他の相乗的演
算、一方のデータによる他方のデータのビットシフト演
算、一方のデータが上位となり他方のデータのデータが
下位となる演算、演算式に基づく演算等であってもよ
い。
【0026】フォルマントキャリア信号cosωctに
は、フォルマントキャリアレベルパラメータaj(t)
が乗算されるとともに、フォルマントキャリアバイアス
パラメータcj(t)が加算される。フォルマントキャ
リアレベルパラメータaj(t)及びフォルマントキャ
リアバイアスパラメータcj(t)はフォルマントキャ
リア信号cosωctのレベルを決定するファクタであ
り、両パラメータの大きさによって楽音全体の強さが決
定される。フォルマントキャリアレベルパラメータaj
(t)は振幅変調レベルと同じ性質をもち、このフォル
マントキャリアレベルパラメータaj(t)の値を変え
ることにより、振幅変調のエフェクトのほか、発音開始
からの経過時間、エンベロープ制御、音像定位制御等も
可能となる。
【0027】上記フォルマント合成信号Wj(t)を上
記フォルマント制御パラメータωcj(t)、aj
(t)、cj(t)、dj(t)及びフォルマント形状
信号Ffj(t)で表すと、以下のようになる。
【0028】Wj(t)={aj(t)・cosωcj
(t)+cj(t)}×{Ffj(t)+dj(t)} フォルマントキャリア信号cosωctは、フォルマン
ト形状信号Ffj(t)に応じたフォルマントのピーク
点のフォルマント中心信号と一致するが、一致しないこ
ともある。例えば、フォルマントキャリア信号cosω
ctのレベルがフォルマント形状信号Ffj(t)に応
じたフォルマントピーク点のレベルより低い場合であ
る。これは、上記フォルマント制御パラメータaj
(t)、cj(t)、dj(t)の各値を適当に選択す
ることによって達成される。
【0029】3.フォルマント制御パラメータ発生部4
図5は、上記フォルマント制御パラメータ発生部40を
示す。上記演奏方法に応じたフォルマント制御パラメー
タはコントローラ20によってパラメータ記憶部41に
書き込まれる。このフォルマント制御パラメータは関数
演算部42で演算処理され、再びパラメータ記憶部41
に書き込まれ、これによりフォルマント制御パラメータ
ωfj(t)、ωaj(t)、aj(t)、cj
(t)、dj(t)が書き換えられていく。
【0030】このフォルマント制御パラメータ発生部4
0は、上記フォルマント密度パラメータωfj(t)、
フォルマントキャリアパラメータωcj(t)、フォル
マントキャリアレベルパラメータaj(t)、フォルマ
ント形状バイアスパラメータdj(t)、フォルマント
キャリアバイアスパラメータcj(t)の演算のそれぞ
について5つ設けられ、各フォルマント制御パラメータ
ωfj(t)、ωcj(t)、aj(t)、cj
(t)、dj(t)がパラレルに生成される。
【0031】4.パラメータ記憶部41 図6は上記パラメータ記憶部41を示す。このパラメー
タ記憶部41も各フォルマント制御パラメータωfj
(t)、ωcj(t)、aj(t)、cj(t)、dj
(t)ごとに5つ設けられている。以下の説明では、1
つのパラメータ記憶部41及びフォルマント制御パラメ
ータValj(Vj)について述べる。
【0032】コントローラ20からフォルマント制御パ
ラメータCDは、セレクタ412を経てパラメータメモ
リ411に書き込まれる。この書き込みは、例えば発音
のイベント信号の発生または発音される楽音のチャンネ
ルへの割当時である。このフォルマント制御パラメータ
CDは、フォルマント制御パラメータTDとして書き込
まれ、フォルマント制御パラメータTDはスピードデー
タSP、目標データO及びミニデータMinからなって
いる。
【0033】スピードデータSPはフォルマント制御パ
ラメータの演算スピードすなわち演算ステップ値を示
し、目標データOは演算の目標値を示し、ミニデータM
inは目標データOより差引いて、目標データOの手前
のデータを求める値を示している。これらスピードデー
タSP、目標データO及びミニデータMinのコントロ
ーラ20による選択は上述の演奏情報発生部10より入
力される音色、タッチ、音域などの上記音楽的ファクタ
情報、後述する発音開始からの経過時間、エンベロープ
レベルまたはエンベロープフェーズ等に基づく。
【0034】これに応じて、上記プログラム/データ記
憶部21には上記音楽的ファクタ情報、発音開始からの
経過時間、エンベロープレベルまたはエンベロープフェ
ーズとスピードデータSP、目標データO及びミニデー
タMin等との対応テーブルが設けられる。この対応テ
ーブルの記憶は、多層的である。例えば、各データS
P、O及びMin等は複数の音色ごとに記憶され、1つ
の音色は複数の楽器パート(音域)ごとに記憶され、1
つの楽器パート(音域)はタッチごとに記憶され、1つ
のタッチは発音開始からの経過時間、エンベロープレベ
ルまたはエンベロープフェーズごとに記憶され……であ
る。したがって、各フォルマント制御パラメータVal
j(ωfj(t)、ωcj(t)、aj(t)、cj
(t)、dj(t))は、音色、タッチ、音域などの上
記音楽的ファクタ情報、発音開始からの経過時間、エン
ベロープレベルまたはエンベロープフェーズに基づいて
変化する。
【0035】また、パラメータメモリ411には、フォ
ルマント制御パラメータVも記憶されている。このフォ
ルマント制御パラメータVは、上記フォルマント制御パ
ラメータTDが関数演算部42で演算されたパラメータ
である。このフォルマント制御パラメータVは、パラメ
ータ値Val、リクエストデータReq及び終了データ
Endからなっている。パラメータ値Valはフォルマ
ント制御パラメータの値であって、上記演算された値で
ある。
【0036】リクエストデータReqは演算値が目標ま
で達して、次の演算に入ることを要求するデータであ
る。終了データEndはパラメータ値Valが“0”に
なってすべての演算が終了したことを示すデータであ
る。
【0037】これらフォルマント制御パラメータTD
(SP、O、Min)、Vは時分割チャンネルに応じた
数だけパラメータメモリ411に記憶されており、第j
チャンネルのフォルマント制御パラメータSPj、O
j、Minj、Vjは、ラッチ415を介して、上記関
数演算部42で演算されてフォルマント制御パラメータ
Vj+として、上記セレクタ412を介してパラメータ
メモリ411に再度書き込まれる。
【0038】また、パラメータメモリ411のフォルマ
ント制御パラメータReq、Endはトライステートバ
ッファ416を介してコントローラ20へ送られ、次の
演算に必要なフォルマント制御パラメータTDのリクエ
ストが行われる。これに応じて、コントローラ20によ
って、エンベロープフェーズが各楽音ごとにカウントさ
れる。この場合、チャンネルへの新たな楽音の割り当て
時にエンベロープフェーズはクリアされ、リクエストデ
ータReqがコントローラ20へ供給されるごとに+1
される。このようなエンベロープフェーズに基づき、上
記コントローラ20によって、上述または後述の各種信
号、データ、パラメータの切り換えが行われる。
【0039】パラメータメモリ411のアドレスデータ
及び読み出し/書き込み信号R/Wは、コントローラ2
0よりセレクタ413を介してパラメータメモリ411
に供給され、またアドレスカウンタ414よりセレクタ
413を介してパラメータメモリ411に供給される。
読み出し/書き込み信号R/Wは、上記トライステート
バッファ416にもセット信号として供給される。
【0040】上記セレクタ412、413にはセレクト
信号S1が供給され、セレクトされるデータが切り換え
られる。また、ラッチ415には、ラッチ信号LP1が
供給される。このラッチ信号LP1の周期はチャンネル
分割時間に等しい。このラッチ信号LP1、上記セレク
ト信号S1、アドレスカウンタ414のカウント信号T
はタイミング発生部30より供給される。
【0041】5.パラメータ記憶部41の動作 図7はパラメータ記憶部41の動作のタイムチャートを
示す。第jチャンネルのフォルマント制御パラメータV
jの読み出し、jチャンネルのフォルマント制御パラメ
ータTDの読み出し、コントローラ20のアクセス及び
jチャンネルの演算後のフォルマント制御パラメータV
jt+の書き込みが順次繰り返される。なお、フォルマ
ント制御パラメータTDの書き込みはコントローラ20
のアクセスのタイミングで行われる。
【0042】ラッチ415の出力は、上述の読み出し及
び書き込みのタイミングより1ステップ遅れるので、図
7に示すとうりとなる。セレクト信号S1は、コントロ
ーラ20のアクセスのときのみローレベルとなる。
【0043】6.関数演算部42 図8及び図9は上記関数演算部42を示す。図8の関数
演算部42はリニアな演算を行い、図9の関数演算部4
2はエクスポーネンシャルな演算を行う。パラメータ値
Valjはアダー424でエクスクルシブオアゲート群
423を経たスピードデータSPjと加算され、アンド
ゲート群425を介して新たなパラメータ値Valj+
として出力される。
【0044】上記パラメータ値Valjはインバータ群
421でプラスマイナス反転され、アダー422で目標
データOjに加算されて+1される。これにより、目標
データOjよりパラメータ値Valjが減算されること
になる。この減算データの符号ビットSBは、上記エク
スクルシブオアゲート群423に供給されるとともに上
記アダー424に供給されて+1され、パラメータ値V
aljより目標データOjが小さいとき、スピードデー
タSPjがプラスマイナス反転され、パラメータ値Va
ljよりスピードデータSPjが減算される。
【0045】上記アダー422からの減算データはエク
スクルシブオアゲート群426を介してコンパレータ4
27に供給される。エクスクルシブオアゲート群426
には、上記符号ビットSBが供給されており、上記減算
データがマイナス値のときプラス値に反転される。これ
により、エクスクルシブオアゲート群426より、パラ
メータ値Valjと目標データOjとの差の絶対値|O
j−Valj|が出力される。
【0046】この差|Oj−Valj|はコンパレータ
427でミニデータMinjと比較され、ミニデータM
injより差|Oj−Valj|が小さくなれば、コン
パレート信号が上記リクエストデータReqj+として
出力される。また、上記アダー424からのパラメータ
値Valjの符号ビットSBはインバータ428を介し
て反転され上記終了データEndj+として出力され
る。従って、この終了データEndj+はパラメータ値
Valjが演算が終了してマイナス値になったときのみ
ハイレベルとなる。この終了データEndj+は上記ア
ンドゲート群425に供給され、パラメータ値Valj
+を値“0”にする。上述の演算は以下のようになる。
【0047】Valj+=Valj±SPj 図9のエクスポーネンシャルな演算を行う関数演算部4
2では、インバーター群421及びアダー422を介し
てパラメータ値Valjと目標データOjとの減算デー
タ(Oj−Valj)が求められ、マルチプライヤ42
9でスピードデータSPjと乗算されて、アダー424
でパラメータ値Valjに加算され、アンドゲート群4
25よりパラメータ値Valj+として出力される。他
は上述の図8の関数演算部42と同じである。上述の演
算は以下のようになる。
【0048】 Valj+=(Oj−Valj)×SPj+Valj 上記フォルマント制御パラメータTD(スピードデータ
SP、目標データO及びミニデータMin)、リクエス
トデータReq及び終了データEndは、エンベロープ
波形のアタック、ディケイ、サスティン及びリリースの
各フェーズのエンベロープレベルを演算するのに使われ
たり、または発音開始から発音終了までの経過時間を演
算するのに使われる。
【0049】この場合、この演算結果データである次述
するフォルマント制御パラメータaj(t)がエンベロ
ープレベルを表わし、フォルマント制御パラメータcj
(t)またはdj(t)が発音開始からの経過時間を表
わす。そして、スピードデータSPが大きくまたは目標
データOが小さければ、演算結果データがエンベロープ
レベルとして用られることができ、スピードデータSP
が小さくまたは目標データOが大きければ、演算結果デ
ータが発音開始からの経過時間として用いられことがで
きる。このようなエンベロープレベル、発音開始からの
経過時間は、上記コントローラ20へ送られ、上述また
は後述の各種信号、データ、パラメータの切り換えが行
われる。
【0050】この演算結果データが上記各フォルマント
制御パラメータValj(ωfj(t)、ωcj
(t)、aj(t)、cj(t)、dj(t))となる
が、パラメータωfj(t)、ωcj(t)のみを固定
値としたり、パラメータaj(t)、cj(t)、dj
(t)も同一または固定値としてもよい。そうすれば関
数演算部42が単一になったり、または関数演算部42
の一部が省略できる。なお、パラメータωfj(t)、
ωcj(t)を変化させることにより、周波数変調を実
行したり、フォルマント形状信号Ffj(t)のフォル
マントの各周波数成分の密度を上記エンベロープまたは
発音開始からの経過時間に応じて変化させることができ
る。
【0051】この関数演算部42での演算は、デジタル
シグナルプロセッサ、演算回路等を用いて、ある演算式
に基づいた演算であってもよい。また、メモリにパラメ
ータ値Valを記憶し、これを順次読み出して、上記演
算に代えてもよい。この場合、パラメータ値Valとし
て、特願平4−230136号のゆらぎデータメモリ2
1からのゆらぎデータSWを使用したり、特願平4−3
46063号の周波数変調データFM1〜3、SFM、
振幅変調データAM1〜3、SAMを使用してもよい。
【0052】なお、上記発音開始からの経過時間を示す
フォルマント制御パラメータValj(ωfj(t)、
ωcj(t)、aj(t)、cj(t)、dj(t))
の演算は、図8及び図9の回路ではなく、例えばカウン
タで行われてもよい。このカウンタは、発音のイベント
信号または発音される楽音のチャンネルへの割当時の信
号によってリセットかつカウント開始され、固定周期ま
たは設定テンポに応じた周期のクロックパルス信号によ
ってカウントされる。そして、このカウンタでは、時分
割にカウントが行われ、各チャンネルごとに発音開始か
らの経過時間がカウントされる。
【0053】さらに、後述する累算フォルマント密度パ
ラメータΣωfj(t)または累算フォルマントキャリ
アパラメータΣωcj(t)はフォルマント形状信号F
fj(t)またはフォルマントキャリア信号cosωc
tの読み出しアドレスである。この信号の繰り返し読み
出し回数及び累算パラメータΣωfj(t)、Σωcj
(t)(読み出しアドレス)の値も発音開始からの経過
時間を示し、この値が発音開始からの経過時間として使
用されることもできる。特に、フォルマント形状信号F
fj(t)またはフォルマントキャリア信号cosωc
tが立上がりから立上がり以降の複数周期記憶される場
合、または発音開始から発音終了までの全周期記憶され
る場合には有効である。このような発音開始からの経過
時間は、上記コントローラ20へ送られ、上述または後
述の各種信号、データ、パラメータの切り換えが行われ
る。
【0054】また、図8及び図9の回路は、共に本楽音
生成装置に設けられ、上記音楽的ファクタ、上記エンベ
ロープまたは発音開始からの経過時間に応じて切り換え
選択可能である。この切り換えのためのデータとして
は、上記演奏情報発生部10からの音楽的ファクタまた
は上記パラメータValj(ωfj(t)、ωcj
(t)、aj(t)、cj(t)、dj(t))の一部
または全部である。
【0055】7.フォルマント形状波形発生部50 図10は上記フォルマント形状波形発生部50を示す。
上記演算されたパラメータ値Valjの1つであるフォ
ルマント密度パラメータωfj(t)は位相演算部51
で演算されてフォルマント密度記憶部52に記憶され
る。このフォルマント密度パラメータωfj(t)は全
チャンネル分記憶される。フォルマント密度記憶部52
に記憶されたフォルマント密度パラメータωfj(t)
は各チャンネルごとに読み出されてフォルマント形状波
形メモリ53に供給されるとともに、位相演算部51に
帰還されて累算される。この累算のスタート値すなわち
リピートトップデータTaはコントローラ20より供給
される。
【0056】フォルマント形状波形メモリ53には、上
述のフォルマント形状信号Ffj(t)が多数記憶さ
れ、フォルマント形状信号Ffj(t)がタッチ情報ご
と、音域情報ごと、音色情報、上述の発音開始からの経
過時間、エンベロープレベルまたはエンベロープフェー
ズ等ごとに記憶されている。
【0057】なお、フォルマント形状波形メモリ53は
フォルマント形状信号Ffj(t)を他の音楽的ファク
タ情報ごと、例えばエフェクト情報ごと、リズム情報ご
と、音像(ステレオ)情報ごと、変調情報、演奏パート
情報、楽音パート情報、楽器パート情報等ごとにも記憶
可能である。この音楽的ファクタごとの記憶は、多層的
である。例えば、各パラメータは複数の音色ごとに記憶
され、1つの音色は複数の楽器パート(音域)ごとに記
憶され、1つの楽器パート(音域)はタッチごとに記憶
され、1つのタッチは発音開始からの経過時間、エンベ
ロープレベルまたはエンベロープフェーズごとに記憶さ
れ……である。
【0058】これらの各情報ごとのフォルマント形状信
号Ffj(t)の選択は、上述のコントローラ20から
のリピートトップデータTaに基づいて行われ、このリ
ピートトップデータTaのコントローラ20による選択
は上述の演奏情報発生部10より入力される音色、タッ
チ、音域などの上記音楽的ファクタ情報、上述の発音開
始からの経過時間、エンベロープレベルまたはエンベロ
ープフェーズ等に基づく。
【0059】これに応じて、上記プログラム/データ記
憶部21には上記音楽的ファクタ情報等とリピートトッ
プデータTa、リピートエンドデータEa等との対応テ
ーブルが設けられる。この対応テーブルの記憶は、多層
的である。例えば、各データTa、Eaは複数の音色ご
とに記憶され、1つの音色は複数の楽器パート(音域)
ごとに記憶され、1つの楽器パート(音域)はタッチご
とに記憶され、1つのタッチは発音開始からの経過時
間、エンベロープレベルまたはエンベロープフェーズご
とに記憶され……である。
【0060】この場合、上記音楽的ファクタには、上述
のエンベロープ情報にしたがって変化するまたは時間の
経過にしたがって変化するフォルマント制御パラメータ
Valjが、乗算、加算、相加的演算、相乗的演算また
はその他の演算によって合成される。
【0061】上記フォルマント形状信号Ff(t)のフ
ォルマントは、図4に示す半三角形、つぼ形、三角形、
長方形、半円形、山形、二山形等種々あり、さらにこれ
らの単一フォルマントを重なるようにまたは重ならない
ように複数組み合わせた複数フォルマントもある。
【0062】フォルマント形状波形メモリ53より時分
割に読み出されたフォルマント形状信号Ffj(t)
は、アダー54で上記フォルマント形状バイアスパラメ
ータdj(t)と加算され、バイアスが付加されてフォ
ルマント形状信号Fj(t)として上記フォルマント波
形発生部60へ送られる。このバイアスの付加は、フォ
ルマント形状バイアスパラメータdj(t)のフォルマ
ント形状信号Ffj(t)への乗算であってもよいし、
この乗算と上記加算両方を行ってもよいし、相加的演
算、相乗的演算、演算式に基づく演算等であってもよ
い。
【0063】上記フォルマント密度パラメータωfj
(t)は、直接コントローラ20より送られることもで
きる。このコントローラ20からの転送は、上述の演奏
情報発生部10より入力される音色、タッチ、音域など
の上記音楽的ファクタ情報に基づく。これに応じて、上
記プログラム/データ記憶部21には音楽的ファクタ情
報とフォルマント密度パラメータωfj(t)との対応
テーブルが設けられる。
【0064】したがって、フォルマント形状信号Ffj
(t)のフォルマントの各周波数成分の密度及びフォル
マントキャリア信号からの周波数軸上のスライド位置
は、音色、タッチ、音域などの上記音楽的ファクタ情
報、上述の発音開始からの経過時間、エンベロープレベ
ルまたはエンベロープフェーズ等に基づいて変化する。
この音楽的ファクタ等ごとの記憶は、多層的である。例
えば、各フォルマント密度パラメータωfj(t)は複
数の音色ごとに記憶され、1つの音色は複数の楽器パー
ト(音域)ごとに記憶され、1つの楽器パート(音域)
はタッチごとに記憶され、1つのタッチは発音開始から
の経過時間、エンベロープレベルまたはエンベロープフ
ェーズごとに記憶され……である。
【0065】8.フォルマント密度記憶部52 図11は上記フォルマント密度記憶部52を示す。この
フォルマント密度記憶部52は上記パラメータ記憶部4
1とほぼ同じ構成である。コントローラ20からのフォ
ルマント制御パラメータCDは、セレクタ521を経て
フォルマント密度メモリ523に書き込まれる。この書
き込みは、例えば発音のイベント信号の発生または発音
される楽音のチャンネルへの割当時である。
【0066】このフォルマント制御パラメータCDは、
上記リピートトップデータTa、リピートエンドデータ
Ea及びアップ/ダウンフラグU/Dからなっている。
リピートトップデータTa及びリピートエンドデータE
aはフォルマント形状波形メモリ53の中の読み出すフ
ォルマント形状信号Ffj(t)が記憶されているエリ
アの先頭アドレスデータ及び末尾アドレスデータを示
す。アップ/ダウンフラグU/Dは、フォルマント密度
パラメータωfj(t)の累算が加算であるか減算であ
るかを示している。
【0067】また、位相演算部51で累算されたフォル
マント密度パラメータωfj(t)、すなわち累算フォ
ルマント密度パラメータΣωfj(t)はセレクタ52
1を経てフォルマント密度メモリ523に書き込まれ
る。これら、累算フォルマント密度パラメータΣωfj
(t)、フォルマント制御パラメータTa、Ea、U/
Dは、時分割チャンネルに応じた数だけフォルマント密
度メモリ523に記憶されており、第jチャンネルの累
算フォルマント密度パラメータΣωfj(t)、フォル
マント制御パラメータTaj、Eaj、U/Djは、ラ
ッチ525を介して、上記位相演算部51へ送られるほ
か、トライステートバッファ526を介してコントロー
ラ20へ送られ、次の演算に必要なフォルマント制御パ
ラメータCDのリクエスト等が行われる。
【0068】フォルマント密度メモリ523のアドレス
データCA及び読み出し/書き込み信号R/Wは、コン
トローラ20よりセレクタ522を介してフォルマント
密度メモリ523に供給され、またアドレスカウンタ5
24よりセレクタ522を介してフォルマント密度メモ
リ523に供給される。読み出し/書き込み信号R/W
は、上記トライステートバッファ526にもセット信号
として供給される。
【0069】上記セレクタ521、522には、セレク
ト信号S1が供給され、セレクトされるデータが切り換
えられる。また、ラッチ525には、ラッチ信号LP1
が供給される。このラッチ信号LP1の周期はチャンネ
ル分割時間に等しい。このラッチ信号LP1、上記セレ
クト信号S1、アドレスカウンタ524のカウント信号
Tはタイミング発生部30より供給される。
【0070】9.フォルマント密度記憶部52の動作 図12はフォルマント密度記憶部52の動作のタイムチ
ャートを示す。第jチャンネルの累算フォルマント密度
パラメータΣωfj(t)及びアップ/ダウンフラグU
/Djの読み出し、第jチャンネルのリピートトップデ
ータTaj及びリピートエンドデータEajの読み出
し、コントローラ20のアクセス、第jチャンネルの累
算後の累算フォルマント密度パラメータΣωfj(t)
+及びアップ/ダウンフラグU/Dj+の書き込みが順
次繰り返される。なお、リピートトップデータTaj及
びリピートエンドデータEajの書き込みはコントロー
ラ20のアクセスのタイミングで行われる。
【0071】ラッチ525の出力は、上述の読み出し及
び書き込みのタイミングより1ステップ遅れるので、図
12に示すとうりとなる。セレクト信号S1は、コント
ローラ20のアクセスのときのみローレベルとなる。
【0072】10.位相演算部51 図13は上記位相演算部51を示す。上記フォルマント
制御パラメータ発生部40からのフォルマント密度パラ
メータωfj(t)はエクスクルシブオアゲート群51
2を経て、アダー511でフォルマント密度記憶部52
からの累算フォルマント密度パラメータΣωfj(t)
に加算すなわち累算され、サブトラクタ514でリピー
トトップデータTajまたはリピートエンドデータEa
jとの到達差データΔjが求められる。この到達差デー
タΔjは、エクスクルシブオアゲート群516を介し
て、アダー517でリピートトップデータTajまたは
リピートエンドデータEajに加算され、累算後の累算
フォルマント密度パラメータΣωfj(t)+として出
力され、フォルマント密度記憶部52へ送られる。
【0073】また、フォルマント密度記憶部52からの
アップ/ダウンフラグU/Djは上記エクスクルシブオ
アゲート群512に供給され、フォルマント密度パラメ
ータωfj(t)の累算が減算のとき、フォルマント密
度パラメータωfj(t)がプラスマイナス反転され
る。フォルマント密度記憶部52からのリピートトップ
データTaj及びリピートエンドデータEajはセレク
タ513でいずれかが選択され、上記サブトラクタ51
4及びアダー517へ送られる。上記アップ/ダウンフ
ラグU/Djは、セレクタ513にセレクト信号として
供給され、フォルマント密度パラメータωfj(t)の
累算が加算のときリピートエンドデータEajが選択さ
れ、フォルマント密度パラメータωfj(t)の累算が
減算のときリピートトップデータTajが選択される。
【0074】アップ/ダウンフラグU/Djはエクスク
ルシブノアゲート515に入力されるとともに、エクス
クルシブノアゲート515には上記サブトラクタ514
からの到達差データΔjの符号ビットSBも入力され
る。これにより、このエクスクルシブノアゲート515
では、累算フォルマント密度パラメータΣωfj(t)
が累算によってリピートトップデータTajまたはリピ
ートエンドデータEajを越えたことが検出される。エ
クスクルシブノアゲート515からの検出信号は、上記
エクスクルシブオアゲート群516へ送られて、到達差
データΔjの値がプラスマイナス反転される。上記到達
差データΔjの符号ビットSBはインバータ518を介
して、アップ/ダウンフラグU/Dj+としてフォルマ
ント密度記憶部52へ送られる。なお、累算フォルマン
ト密度パラメータΣωfj(t)がリピートエンドデー
タEajを越えたら、累算フォルマント密度パラメータ
Σωfj(t)が減算されず、リピートトップデータT
ajにジャンプしてもよい。
【0075】上記フォルマント形状波形メモリ53に記
憶される各フォルマント形状信号Ffj(t)は、1周
期または複数周期である。この複数周期のフォルマント
形状信号Ffj(t)は、立上がり部分の複数周期と立
上がり以降の部分の複数周期とが記憶され、立上がり部
分が1回読み出され、立上がり以降の部分が繰り返し読
み出されるものであり、または発音開始から発音終了ま
での全波形が記憶され、この全波形が1回読み出される
ものである。
【0076】この場合、上記リピートトップデータTa
jとリピートエンドデータEajとは、繰り返し読み出
される立上がり以降の部分の先頭と末尾とを示し、イニ
シャルデータIajは最初に読み出される立上がり部分
の先頭を示す。従って、フォルマント密度メモリ523
にはイニシャルデータIajも記憶される。
【0077】このイニシャルデータIajは、コントロ
ーラ20によってフォルマント制御パラメータCDの1
つとして、リピートトップデータTaj、リピートエン
ドデータEajと同じように上記音楽的ファクタ、エン
ベロープ等に応じて決定され、フォルマント密度メモリ
523に書き込まれる。このイニシャルデータIaj
は、フォルマント密度メモリ523より読み出され、ラ
ッチ525を介して、フォルマント形状波形メモリ53
に送られるとともに、位相演算部51へ送られる。
【0078】位相演算部51では、イニシャルデータI
ajは、セレクタ(図示せず)を介し、累算フォルマン
ト密度パラメータΣωfj(t)+として出力される。
このセレクタでは、アダー517の出力である累算フォ
ルマント密度パラメータΣωfj(t)+とイニシャル
データIajとが選択される。このセレクタには、キー
オンイベント信号が選択切り換え信号として供給され
る。従って、発音のイベント信号の発生または発音され
る楽音のチャンネルへの割当時に、イニシャルデータI
ajが累算フォルマント密度パラメータΣωfj(t)
+として出力されて順次累算されていく。
【0079】そして、このパラメータΣωfj(t)
(イニシャルデータIaj)は、フォルマント密度記憶
部52のセレクタ521を介し、再びフォルマント密度
メモリ523に書き込まれる。これ以降、累算フォルマ
ント密度パラメータΣωfj(t)が、イニシャルデー
タIajからリピートエンドデータEajに向かって順
次累算され、さらにリピートトップデータTajからリ
ピートエンドデータEajへの累算が繰り返される。
【0080】11.位相演算部51の動作 図14は上記位相演算部51におけるフォルマント密度
パラメータωfj(t)の累算動作と、リピートトップ
データTa及びリピートエンドデータEaとの関係を示
す。アップ/ダウンフラグU/Dが加算、到達差データ
Δjの符号ビットがマイナスであれば、エクスクルシブ
ノアゲート515の出力はローレベルで、累算フォルマ
ント密度パラメータΣωfj(t)+フォルマント密度
パラメータωfj(t)はリピートエンドデータEa+
到達差データΔjとなる。
【0081】アップ/ダウンフラグU/Dが加算、到達
差データΔjの符号ビットがプラスであれば、エクスク
ルシブノアゲート515の出力はハイレベルで、累算フ
ォルマント密度パラメータΣωfj(t)+フォルマン
ト密度パラメータωfj(t)はリピートエンドデータ
Ea−到達差データΔjとなり、累算フォルマント密度
パラメータΣωfj(t)がリピートエンドデータEa
を越えたときの折り返し補正が行われる。
【0082】アップ/ダウンフラグU/Dが減算、到達
差データΔjの符号ビットがプラスであれば、エクスク
ルシブノアゲート515の出力はローレベルで、累算フ
ォルマント密度パラメータΣωfj(t)+フォルマン
ト密度パラメータωfj(t)はリピートトップデータ
Ta+到達差データΔjとなる。
【0083】アップ/ダウンフラグU/Dが減算、到達
差データΔjの符号ビットがマイナスであれば、エクス
クルシブノアゲート515の出力はハイレベルで、累算
フォルマント密度パラメータΣωfj(t)+フォルマ
ント密度パラメータωfj(t)はリピートトップデー
タTa−到達差データΔjとなり、累算フォルマント密
度パラメータΣωfj(t)リピートトップデータTa
を越えたときの折り返し補正が行われる。
【0084】12.フォルマント波形発生部60 図15は上記フォルマント波形発生部60を示す。上記
フォルマント制御パラメータ発生部40からのフォルマ
ントキャリアパラメータωcj(t)は、アダー62で
位相シフトレジスタ61からの累算フォルマントキャリ
アパラメータΣωcj(t)に累算され、再び位相シフ
トレジスタ61にセットされる。位相シフトレジスタ6
1は、チャンネル数に応じたシフトエリアを有し、全チ
ャンネルの累算フォルマントキャリアパラメータΣωc
j(t)が記憶され順次シフト出力される。この累算フ
ォルマントキャリアパラメータΣωcj(t)は、三角
関数テーブル63に読み出しアドレスデータとして供給
される。三角関数テーブル63には、余弦波の波形デー
タが記憶されており、この余弦波波形データcosωc
j(t)がフォルマントキャリア信号として時分割に読
み出される。
【0085】このフォルマントキャリア信号cosωc
j(t)は、マルチプライヤ64で上記フォルマントキ
ャリアレベルパラメータaj(t)が乗算されてエンベ
ロープ制御等され、アダー65で上記フォルマントキャ
リアバイアスパラメータcj(t)が加算され、さらに
マルチプライヤ66で上記フォルマント形状信号Fj
(t)が乗算合成される。これにより、フォルマントキ
ャリア信号にフォルマント形状信号Fj(t)が合成さ
れたフォルマント合成信号Wj(t)が合成出力され、
累算部70へ送られる。これにより、フォルマント形状
信号Fj(t)にフォルマントキャリア信号cosωc
j(t)がフォルマント中心信号(基本波)として合成
される。
【0086】このフォルマントキャリア信号の周波数
と、フォルマント形状信号Fj(t)(フォルマント形
状信号Ffj(t))の周波数とは、それぞれ独立に選
択することができ、多種類の楽音を生成することができ
る。フォルマントキャリア信号の周波数は指定された音
高のほか、フォルマントに関する各種の周波数情報、そ
の他の周波数情報及び周波数変調情報等に応じて決定さ
れ、フォルマント形状信号Fj(t)(フォルマント形
状信号Ffj(t))の周波数は、上述の音色、タッ
チ、音域等の上記音楽的ファクタ情報に応じて決定され
る。
【0087】フォルマントキャリア信号cosωcj
(t)は、デジタルシグナルプロセッサ、演算回路等を
用いて、演算式に基づいた演算の実行により生成しても
よい。三角関数テーブル63には、余弦波の波形データ
ではなく、正弦波、三角波、矩形波、その他高調波成分
を含んだ複雑な形状の波形データが記憶されてもよい。
【0088】また、フォルマント形状信号Fj(t)を
累算フォルマントキャリアパラメータΣωcj(t)の
代わりに三角関数テーブル63に供給してもよいし、累
算フォルマントキャリアパラメータΣωcj(t)にフ
ォルマント形状信号Fj(t)を加算または乗算して、
三角関数テーブル63に供給してもよい。フォルマント
形状信号Fj(t)とフォルマントキャリア信号cos
ωcj(t)との合成は、上記乗算のほか、加算、除
算、減算、一方のデータによる他方のデータのビットシ
フト演算、一方のデータが上位となり他方のデータのデ
ータが下位となる演算、他の相加的演算、他の相乗的演
算、演算式に基づく演算回路での演算などによる合成で
もよい。これにより、フォルマント形状信号Fj(t)
のフォルマントキャリア信号cosωcj(t)への合
成を複雑にして、多様な楽音を実現できる。
【0089】上記フォルマントキャリアパラメータωc
j(t)は、直接コントローラ20より送られることも
できる。このコントローラ20からの転送は、上述の演
奏情報発生部10より入力される音高などの演奏情報に
基づく。これに応じて、上記プログラム/データ記憶部
21には音高情報とフォルマントキャリアパラメータω
cj(t)との対応テーブル(周波数ナンバメモリ)が
設けられる。
【0090】上記フォルマントキャリア信号{aj
(t)・cosωcj(t)+cj(t)}すなわちフ
ォルマント中心信号は、フォルマント形状信号{Ffj
(t)+dj(t)}に応じたフォルマントのピーク点
の中心信号と一致するが、一致しないこともある。例え
ば、フォルマントキャリア信号のレベルがフォルマント
ピーク点のレベルより低い場合である。図4の例では、
フォルマントキャリア信号のレベルが小さくなると、フ
ォルマントピーク点は、中心の1つから、中心の両側の
2つとなる。この場合、音色など楽音の性質も変化す
る。これは、上記フォルマント制御パラメータaj
(t)、cj(t)、dj(t)の各値を適当に選択す
ることによって達成され、この結果、上述の音楽的ファ
クタ情報、エンベロープ情報または発音開始からの経過
時間情報などに応じて、楽音の性質が変化する。
【0091】なお、このフォルマント形状信号Ffj
(t)にフォルマントキャリア信号cosωcj(t)
を乗算合成せず、フォルマント密度パラメータωfj
(t)を指定音高に応じたものとし、直接フォルマント
形状信号Ffj(t)を楽音として出力することもでき
る。
【0092】13.累算部70 図16は上記累算部70を示す。上記フォルマント波形
発生部60からのフォルマント合成信号Wj(t)は、
アダー76でラッチ75からの累算フォルマント合成信
号ΣW(gr(j))に累算され、ラッチ77及びアン
ドゲート群78を介して、累算メモリ74に書き込まれ
る。累算メモリ74は2つの記憶エリアを有し、両エリ
アは書き込みと読み出しが交互にトグル的に切り換えら
れる。この累算メモリ74の両エリアは、さらに系列ご
とに分かれており、系列ごとにフォルマント合成信号W
j(t)の累算が行われる。
【0093】書き込みが行われているエリアの累算フォ
ルマント合成信号ΣW(gr(j))は順次系列チャン
ネルごとに累算され、ラッチ75へ送られる。読み出し
が行われているエリアの累算フォルマント合成信号ΣW
(gr(j))は系列チャンネルごとの累算が終了した
データであり、ラッチ79を介して上記音響出力部80
へ送られる。
【0094】上記系列は、各チャンネルのフォルマント
合成信号Wj(t)の音楽的ファクタに応じて分けられ
たグループを示し、この系列ごとにフォルマント合成信
号Wj(t)の累算合成が行われる。この系列ごとの処
理も時分割に行われ、チャンネルが形成されるが、この
系列チャンネルは上述した楽音割当チャンネルとは異な
るものである。この系列に応じた音楽的ファクタは、上
述した音色、タッチ、音域、音像(ステレオ)等であ
り、この音色ごとは例えば打楽器音系と弦/キーボード
楽器系であり、音域ごとは例えば高音域と低音域であ
り、音像ごとは例えば右音像と左音像である。
【0095】上記ラッチ77、75、79には、それぞ
れラッチ信号LP3、LP4、LP5が供給される。上
記アンドゲート群78には、チャンネル時間ごとにロー
レベルとなるゼロ信号Zeroが印加され、出力済の累
算フォルマント合成信号ΣW(gr(j))がクリアさ
れる。上記累算メモリ74には、分割切換信号Divが
供給され、累算フォルマント合成信号ΣW(gr
(j))の書き込みと読み出しとが切り換えられる。
【0096】系列メモリ71には、コントローラ20に
よって、各チャンネルに割り当てられた楽音すなわちフ
ォルマント合成信号Wj(t)の系列データgrが各チ
ャンネルごとに記憶される。従って、系列メモリ71は
全チャンネルに対応した記憶エリアがある。系列データ
grは、例えば系列が2種類であれば“0”“1”、系
列が4種類であれば“00”“01”“10”“11”
となる。この各チャンネルの系列データgr(j)は、
順次セレクタ73を介して、上記累算メモリ74にアド
レスデータとして供給される。またセレクタ73を介し
て、音響出力部80またはコントローラ20からの系列
データgrがやはり累算メモリ74にアドレスデータと
して供給される。
【0097】コントローラ20からの系列メモリ71の
アドレスデータまたはタイミング発生部30内のチャン
ネルカウンタ(図示せず)からの時分割のチャンネルナ
ンバデータjはセレクタ72を介して上記系列メモリ7
1に供給される。上記セレクタ72、73にはセレクト
信号S3が供給され、セレクトされるデータが切り換え
られる。このセレクト信号S3、上記ゼロ信号Zero
及び分割切換信号Divはタイミング発生部30より供
給される。
【0098】14.累算部70の動作 図17は上記累算部70の動作のタイムチャートを示
す。累算する累算フォルマント合成信号ΣW(gr
(j))の読み出し、累算済の累算フォルマント合成信
号ΣW(gr(j))の読み出し、累算した累算フォル
マント合成信号ΣW(gr(j))の書き込み、累算済
の累算フォルマント合成信号ΣW(gr(j))のクリ
アが各系列ごとに順次繰り返される。ゼロ信号Zero
は累算済の累算フォルマント合成信号ΣW(gr
(j))のクリアのときにローレベルとなる。
【0099】分割切換信号Divは全チャンネルの累算
が一巡すると、図17の実線で示す信号から破線で示す
信号に切り換えられ、系列メモリ71の両エリアの読み
出し及び書き込みが入れ換わり、トグル動作が行われ
る。ラッチ79の出力とラッチ75の出力は、図17の
タイミングでそれぞれ1ステップ遅れるので、図17に
示すとうりとなる。
【0100】15.フォルマント中心信号(フォルマン
トキャリア)のパラメータ 図18は上記プログラム/データ記憶部21内の高調波
メモリ211を示す。この高調波メモリ211には“k
=1”〜“k=n”の複数組のフォルマントキャリアパ
ラメータωcjk(t)(成分波形の周波数)、フォル
マントキャリアレベルパラメータajk(t)(成分波
形の振幅係数)及びフォルマントキャリアバイアスパラ
メータcj(t)(合成波形の直流分)が記憶されてい
る。
【0101】そして、このn組のパラメータωcjk
(t)、ajk(t)、cj(t)は、それぞれさらに
音楽的ファクタ、上述の発音開始からの経過時間、エン
ベロープレベルまたはエンベロープフェーズ等ごとに記
憶されている。この音楽的ファクタ等は上述した音色、
タッチ、音域等である。この音楽的ファクタ等ごとの記
憶は、多層的である。例えば、各パラメータは複数の音
色ごとに記憶され、1つの音色は複数の楽器パート(音
域)ごとに記憶され、1つの楽器パート(音域)はタッ
チごとに記憶され、1つのタッチは発音開始からの経過
時間、エンベロープレベルまたはエンベロープフェーズ
ごとに記憶され……である。この各音楽的ファクタごと
のパラメータωcjk(t)、ajk(t)、cj
(t)の選択は、上述の演奏情報発生部10より入力さ
れる音色、タッチ、音域などの上記音楽的ファクタ情報
または操作者の設定指示に基づく。
【0102】また、これらパラメータωcjk(t)、
ajk(t)、cj(t)の切り換えは、、上記エンベ
ロープまたは発音開始からの経過時間に応じて切り換え
選択可能である。この切り換えのためのデータとして
は、上記関数演算部42からのパラメータValj(ω
fj(t)、ωcj(t)、aj(t)、cj(t)、
dj(t))の一部または全部である。
【0103】上記複数組のフォルマントキャリアパラメ
ータωcjk(t)、フォルマントキャリアレベルパラ
メータajk(t)及びフォルマントキャリアバイアス
パラメータcj(t)は、1つのフォルマントキャリア
信号を生成するためのパラメータである。1つのフォル
マントキャリア信号は周波数の異なる複数のサイン波ま
たはコサイン波すなわち成分波形を加算合成又は累算合
成した信号である。
【0104】上記フォルマントキャリアパラメータωc
jk(t)は、この各コサイン波の読出速度すなわち周
波数(周波数ナンバ)を決定する。上記フォルマントキ
ャリアレベルパラメータajk(t)は、同じく各コサ
イン波のレベル(振幅係数)すなわち重み付けを決定す
る。上記フォルマントキャリアバイアスパラメータcj
(t)は、各コサイン波が合成されたフォルマントキャ
リア信号の直流分すなわちバイアスを決定し、各組にお
いて1つのみ記憶される。このフォルマントキャリアバ
イアスパラメータcj(t)も、1つの音楽的ファクタ
につき“k=1”〜“k=n”の複数記憶することもで
きる。
【0105】上記複数組のパラメータωcjk(t)、
ajk(t)、cj(t)は、“k=1”〜“k=n”
のn組が高調波メモリ211に記憶されており、“k=
1”のフォルマントキャリアレベルパラメータajk
(t)は、他のフォルマントキャリアレベルパラメータ
ajk(t)より大きく設定され、“k=1”は第1次
高調波すなわち基本波を表している。しかし、“k=
1”以外のフォルマントキャリアレベルパラメータaj
k(t)が、いちばん大きい値とされ、この“k=1”
以外のフォルマントキャリアレベルパラメータajk
(t)に応じた成分波形が基本波とされ、高調波成分以
外に低調波成分も記憶されてもよい。
【0106】上記フォルマントキャリアパラメータωc
jk(t)は、周波数ナンバの値ではなく、基本波の周
波数ナンバに対する相対比または相対差を示している。
例えば、基本波のフォルマントキャリアパラメータωc
jk(t)の値を“1”とすると、他のフォルマントキ
ャリアパラメータωcjk(t)は“2”、“3”、
“4”、“5”…“0.5”、“0.25”、“0.1
25”…等である。これらは、高調波成分又は低調波成
分の各周波数が基本波の周波数に対し整数倍比の関係に
ある。
【0107】しかし、例えば“1.1”、“1.2”、
“1.3”…“2.1”、“2.2”、“2.3”…
“1.01”、“1.02”、“1.03”…“0.
9”、“0.8”、“0.7”…“0.4”、“0.
3”、“0.2”…“0.99”、“0.98”、
“0.97”…という、非整数倍比であってもよい。
【0108】さらに各フォルマントキャリアパラメータ
ωcjk(t)が基本波のフォルマントキャリアパラメ
ータωcjk(t)に対する相対差の場合には、各フォ
ルマントキャリアパラメータωcjk(t)は、例えば
“+0.01”、“+0.02”、“+0.03”…
“+0.11”、“+0.12”、“+0.13”…
“−0.01”、“−0.02”、“−0.03”…
“−0.11”、“−0.12”、“−0.13”…等
である。
【0109】上記各フォルマントキャリアパラメータω
cjk(t)に基づいて、演奏情報発生部10より入力
された音高情報すなわち周波数ナンバデータは、相対比
に応じた乗除算または相対差に応じた加減算、一方のデ
ータによる他方のデータのビットシフト演算、一方のデ
ータが上位となり他方のデータのデータが下位となる演
算、相加的演算、相乗的演算、演算式に基づく演算とい
った演算が行われ、後述するフォルマント波形発生部6
0へ送られる。
【0110】16.フォルマント波形発生部60 図19は、上述のフォルマント波形発生部60の別の実
施例を示す。各高調波発生器611では、1つのフォル
マントキャリア信号の成分波形すなわち各高調波または
各低調波に応じたコサイン波が生成され、アダー612
で加算合成され、1つのフォルマントキャリア信号とし
て出力される。
【0111】上記高調波メモリ211よりコントローラ
20によって読み出された、上記音楽的ファクタに応じ
たパラメータωcjk(t)、ajk(t)、cj
(t)は、それぞれシフトレジスタ601…、602
…、603に格納される。このシフトレジスタ601
…、602…、603はチャンネル数に応じたシフトエ
リアを有し、このフォルマント波形発生部60で合成さ
れる楽音が割り当てられたチャンネルのチャンネルタイ
ミングに上記格納が行われ、各チャンネルのパラメータ
ωcjk(t)、ajk(t)、cj(t)が順次シフ
ト出力される。この場合、この格納されたフォルマント
キャリアパラメータωcjk(t)は上述した周波数ナ
ンバ値へ変換演算されたものである。
【0112】シフトレジスタ601…からのフォルマン
トキャリアパラメータωcjk(t)は、アダー614
…で位相シフトレジスタ61…からの累算フォルマント
キャリアパラメータωcjk(t)に累算され、再び位
相シフトレジスタ61…に格納される。位相シフトレジ
スタ61…は、“j=1”〜“j=32等”のチャンネ
ル数に応じたシフトエリアを有し、全チャンネルの累算
フォルマントキャリアパラメータΣωcjk(t)が記
憶され順次シフト出力される。
【0113】この累算フォルマントキャリアパラメータ
Σωcjk(t)は、三角関数テーブル63…に読み出
しアドレスデータとして供給される。三角関数テーブル
63…には、コサイン波の波形データが記憶されてお
り、このコサイン波の波形データcosωcjk(t)
がフォルマントキャリア信号Gj(t)の1つの成分波
形として時分割に読み出される。
【0114】このフォルマントキャリア信号Gj(t)
の成分波形は、マルチプライヤ64…でシフトレジスタ
602…からのフォルマントキャリアレベルパラメータ
ajk(t)が乗算されてエンベロープ制御等され、ア
ダー612で他の高調波発生器611からの同じく乗算
された成分波形と加算合成され、マルチプライヤ66で
上記フォルマント形状信号Fj(t)が各チャンネルご
とに乗算合成される。この合成されたフォルマントキャ
リア信号Gj(t)は、マルチプライヤ67で上記フォ
ルマント制御パラメータ発生部40からのフォルマント
キャリアレベルパラメータaj(t)が乗算されてエン
ベロープ制御等され、アダー65で、シフトレジスタ6
03からのフォルマントキャリアバイアスパラメータc
j(t)が加算され直流分が付加される。
【0115】こうして、フォルマント形状信号Fj
(t)に合成されるフォルマントキャリア信号Gj
(t)を高調波成分を含んだ波形とすることができる。
特に、高調波メモリ211に記憶されるフォルマントキ
ャリアパラメータωcjk(t)、フォルマントキャリ
アレベルパラメータajk(t)及びフォルマントキャ
リアバイアスパラメータcj(t)を任意に設定した
り、種々選択切換することにより、高調波成分又は低調
波成分の構成を変え、これによりフォルマントキャリア
信号Gj(t)の成分波形の内容を変えて、フォルマン
トキャリア信号Gj(t)の波形形状自体を種々変更切
換選択することができる。この場合、フォルマントキャ
リアレベルパラメータajk(t)のいくつかを“0”
にすることにより、フォルマントキャリア信号Gj
(t)の成分波形の数、範囲を変更できる。
【0116】また、これにより、フォルマントキャリア
信号Gj(t)にフォルマント形状信号Fj(t)が合
成されたフォルマント合成信号Wj(t)が合成出力さ
れ、累算部70へ送られる。そして、フォルマント形状
信号Fj(t)にフォルマントキャリア信号Gj(t)
がフォルマント中心信号(基本波)として合成される。
【0117】なお、このフォルマントキャリアバイアス
パラメータcj(t)は“k=1”〜“k=n”の複数
とされ、それぞれシフトレジスタ…に格納され、上記マ
ルチプライヤ64…の前また後に設けたアダーに供給さ
れてもよい。また、上記アダー65はマルチプライヤと
され、フォルマントキャリアバイアスパラメータcj
(t)が乗算されても良い。
【0118】また、フォルマントキャリア信号Gj
(t)とフォルマント形状信号Fj(t)との合成は、
図20に示す回路で行うこともできる。この場合、各チ
ャンネルのフォルマントキャリア信号Gj(t)とフォ
ルマント形状信号Fj(t)とは同時にパラレルに発生
され、各チャンネルのフォルマントキャリア信号Gj
(t)とフォルマント形状信号Fj(t)とはマルチプ
ライヤ621…で乗算合成され、アダー622で加算合
成されて出力される。この場合、図15または図19の
フォルマント波形発生部60及び図10のフォルマント
形状波形発生部50はチャンネル数に応じた数だけ設け
られる。
【0119】さらに、マルチプライヤ64でのフォルマ
ントキャリアレベルパラメータajk(t)の乗算は、
フォルマントキャリアレベルパラメータajk(t)の
加算、“1”以下のときは除算、マイナスのときは減算
のほか、他の相加的演算、他の相乗的演算、一方のデー
タによる他方のデータのビットシフト演算、一方のデー
タが上位となり他方のデータのデータが下位となる演
算、演算式に基づく演算回路での演算でもよいし、パラ
メータajk(t)の乗算が省略されてもよい。
【0120】また、これらの演算内容は、上記音楽的フ
ァクタ、エンベロープ、発音開始からの経過時間に応じ
て変化してもよい。例えば、タッチが小さく、音域も小
さく、音色が複雑で、エンベロープが小さく、発音開始
からの経過時間も小さいとき、上記演算が乗算となり、
タッチが大きく、音域も大きく、音色が単純で、エンベ
ロープが大きく、発音開始からの経過時間も大きいと
き、上記演算が上記ビットシフトとなる。この場合、各
演算に応じた演算回路が複数設けられ、各演算回路への
データ入力が上記音楽的ファクタに応じて切り換えられ
る。
【0121】またさらに、上記高調波発生器611は、
高速時分割処理により、数を少なくしたり、単一とした
りすることができる。この場合、シフトレジスタ601
…、602…、位相シフトレジスタ61の数は“(チャ
ンネル数)×(高調波次数)”となり、シフトレジスタ
603の数は(高調波次数)となり、アダー65は累算
器となる。
【0122】このように、上記フォルマントキャリア信
号Gj(t)の周波数と、フォルマント形状信号Fj
(t)(フォルマント形状信号Ffj(t))の周波数
とは、それぞれ独立に選択することができ、多種類の楽
音を生成することができる。フォルマントキャリア信号
Gj(t)の周波数は指定された音高のほか、フォルマ
ントに関する各種の周波数情報、その他の周波数情報及
び周波数変調情報等に応じて決定され、フォルマント形
状信号Fj(t)(フォルマント形状信号Ffj
(t))の周波数は、上述の音色、タッチ、音域等の音
楽的ファクタ情報に応じて決定される。
【0123】上記フォルマントキャリア信号Gj(t)
または各成分波形cosωcjk(t)は、デジタルシ
グナルプロセッサ、演算回路等を用いて、演算式に基づ
いた演算の実行により生成してもよい。三角関数テーブ
ル63には、余弦波の波形データではなく、サイン波、
三角波、矩形波、その他高調波成分を含んだ複雑な形状
の波形データが記憶されてもよい。
【0124】また、フォルマント形状信号Fj(t)が
累算フォルマントキャリアパラメータΣωcjk(t)
の代わりに三角関数テーブル63に供給されてもよい
し、累算フォルマントキャリアパラメータΣωcjk
(t)にフォルマント形状信号Fj(t)が加算または
乗算されて、三角関数テーブル63に供給されてもよ
い。フォルマント形状信号Fj(t)とフォルマントキ
ャリア信号Gj(t)との合成は、上記乗算のほか、加
算、除算、減算、他の相加的演算、他の相乗的演算、一
方のデータによる他方のデータのビットシフト演算、一
方のデータが上位となり他方のデータのデータが下位と
なる演算、演算式に基づく演算回路での演算などによる
合成でもよい。これにより、フォルマント形状信号Fj
(t)のフォルマントキャリア信号cosωcjk
(t)への合成が複雑になり、多様な楽音が実現され得
る。
【0125】上記フォルマントキャリア信号{aj
(t)・Gj(t)+cj(t)}すなわちフォルマン
ト中心信号は、フォルマント形状信号{Ffj(t)+
dj(t)}に応じたフォルマントのピーク点の中心信
号と一致するが、一致しないこともある。例えば、フォ
ルマントキャリア信号Gj(t)のレベルがフォルマン
トピーク点のレベルより低い場合である。図4の例で
は、フォルマントキャリア信号Gj(t)のレベルが小
さくなると、フォルマントピーク点は、中心の1つか
ら、中心の両側の2つとなる。この場合、音色など楽音
の性質も変化する。これは、上記フォルマント制御パラ
メータajk(t)、cj(t)、dj(t)の各値を
適当に選択することによって達成され、この結果、上述
の音楽的ファクタ情報、エンベロープ情報または発音開
始からの経過時間情報などに応じて、楽音の性質が変化
する。
【0126】なお、このフォルマント形状信号Ffj
(t)にフォルマントキャリア信号Gj(t)を乗算合
成せず、フォルマント密度パラメータωfj(t)を指
定音高に応じたものとし、直接フォルマント形状信号F
fj(t)を楽音として出力することもできる。
【0127】また、高調波メモリ211に記憶されるフ
ォルマントキャリアパラメータωcjk(t)の全部ま
たは一部は省略することができる。この場合、演奏情報
発生部10より入力された音高情報すなわち周波数ナン
バデータがビットシフトされて、2倍、4倍、8倍…、
1/2倍、1/4倍、1/8倍…され、上記シフトレジ
スタ601…へ送られ、高調波成分及び低調波成分が生
成される。
【0128】上記フォルマントキャリアパラメータωc
jk(t)、フォルマントキャリアレベルパラメータa
jk(t)及びフォルマントキャリアバイアスパラメー
タcj(t)は、上述のフォルマント制御パラメータV
alj(ωfj(t)、ωcj(t)、aj(t)、c
j(t)、dj(t))と同様に、発音開始からの時間
の経過に応じて変化されることもできる。
【0129】この場合、このパラメータωcjk
(t)、ajk(t)、cj(t)は、上記高調波メモ
リ211よりコントローラ20によって読み出されてフ
ォルマント制御パラメータ発生部40へ送られ、発音開
始からの経過時間に応じた値に演算され、この後、図1
9のフォルマント波形発生部60へ送られる。これによ
り、フォルマントキャリアパラメータωcjk(t)
(成分波形の周波数)、フォルマントキャリアレベルパ
ラメータajk(t)(成分波形の振幅係数)及びフォ
ルマントキャリアバイアスパラメータcj(t)(合成
波形の直流分)、そして成分波形の内容は、発音開始か
らの時間の経過に応じて変化される。
【0130】また、マルチプライヤ64でのフォルマン
トキャリアレベルパラメータajk(t)の演算内容
は、上記発音開始からの時間の経過に応じて変化しても
よい。例えば、この経過時間が小さいとき、上記演算が
乗算となり、経過時間が大きいとき、上記演算が上記ビ
ットシフトとなる。この場合、各演算に応じた演算回路
が複数設けられ、各演算回路へのデータ入力が上記音楽
的ファクタに応じて切り換えられる。
【0131】上述したまたは後述するフォルマント制御
パラメータValj(ωfj(t)、ωcj(t)、a
j(t)、cj(t)、dj(t))について述べた種
々の修正、変更、使用、転用、置換、付加等は、上述ま
たは後述のフォルマントキャリアパラメータωcjk
(t)、フォルマントキャリアレベルパラメータajk
(t)及びフォルマントキャリアバイアスパラメータc
j(t)の修正等についても、そっくりそのまま直接的
かつ一義的に可能である。なぜなら、パラメータVal
j(ωcj(t)、aj(t)、cj(t))と、パラ
メータωcjk(t)、ajk(t)及びcj(t)と
は、性質がまったく同じものだからである。長文化を避
けるため、ここでは述べない。
【0132】なお、上述したフォルマントキャリア信号
Gj(t)、フォルマントキャリアレベルパラメータa
jk(t)及びフォルマントキャリアバイアスパラメー
タcj(t)は、フォルマント形状信号Ffj(t)生
成のためのパラメータとしてもそっくりそのまま転用で
きる。
【0133】この場合、高調波メモリ211に各音楽的
ファクタごとに記憶された各パラメータがコントローラ
20によって読み出され、上記相対比または相対差に応
じた演算変換が行われ、フォルマント波形発生部60の
シフトレジスタ601…、602…、603に格納され
る。そして、各成分波形が三角関数テーブル63…より
読み出され、マルチプライヤ64…で振幅係数が乗算さ
れ、アダー612で振幅制御された各成分波形が加算合
成される。これが高調波(低調波)合成方式によって生
成されたフォルマント形状信号Ffj(t)である。
【0134】この合成されたフォルマント形状信号Ff
j(t)は、マルチプライヤ67でパラメータaj
(t)が乗算合成され、アダー65でパラメータcj
(t)が加算合成され、さらにマルチプライヤ66でフ
ォルマントキャリア信号Gj(t)に乗算合成される。
【0135】なお、上記振幅係数の周波数スペクトル成
分のフォルマント形状は、図3、図4のように種々のも
のがあり、それぞれが上記音楽的ファクタ、エンベロー
プレベル、エンベロープフェーズまたは発音開始からの
経過時間に応じて切換え選択される。また、上述のマル
チプライヤ67でのパラメータaj(t)の乗算等は省
略可能である。
【0136】この場合、フォルマントキャリア信号Gj
(t)の周波数が合成される楽音の音高を決定するの
で、フォルマント形状信号Ffj(t)の各成分波形の
基本波の周波数は、音高に関係なく一定とされたり、音
高に関係なく任意に設定されることができる。
【0137】また、フォルマントキャリア信号Gj
(t)とフォルマント形状信号Ffj(t)の両方は、
ともに高調波(低調波)合成方式によって生成されるこ
ともできる。そして、この方式によって合成生成された
両信号は乗算等の合成が行われて放音出力される。
【0138】さらにこのように高調波(低調波)合成方
式によって生成されたフォルマントキャリア信号Gj
(t)またはフォルマント形状信号Fj(t)は、いっ
たんメモリに書き込んでストックしておき、後の発音時
に読み出して楽音として発音することもできる。この場
合、合成生成された信号は上記フォルマント形状波形メ
モリ(RAM)53または三角関数テーブル(RAM)
63に書き込まれる。
【0139】なお、上述したまたは後述するフォルマン
トキャリア信号Gj(t)についてのパラメータωcj
k(t)、ajk(t)、cj(t)について述べた種
々の修正、変更、使用、転用、置換、付加等は、上述ま
たは後述のフォルマント形状信号Ffj(t)のパラメ
ータの修正等についてもそっくりそのまま直接的かつ一
義的にあてはまる。なぜなら、両パラメータは性質が同
じものだからである。長文化を避けるため、ここでは述
べない。
【0140】また、シフトレジスタ601…、602
…、603の各入力端には、セレクタが設けられている
が、図面では省略されている。このセレクタでは、通常
時にはシフトレジスタ601…、602…、603の出
力が選択されて帰還入力され、パラメータωcjk
(t)、ajk(t)、cj(t)がコントローラ20
によって書き込まれる時には、コントローラ20によっ
て選択が切り換えられる。
【0141】17.重み付け補間回路 図21は重み付け補間回路80を示す。この重み付け補
間回路80は、図20のアダー612とマルチプライヤ
67との間に設けられる。上記アダー612より加算合
成された信号Gj(t)、Ffj(t)はアンドゲート
群801a、801b、801c、801dを介して、
合成波形メモリ802a、802b、802c、802
dのいずれかに書き込まれる。上記アダー612からの
信号はフォルマント形状信号Ffj(t)またはフォル
マントキャリア信号Gj(t)いずれかであるが、ここ
ではフォルマント形状信号Ffj(t)として説明す
る。この場合図19のマルチプライヤ66へ入力される
フォルマント形状信号Fj(t)とフォルマントキャリ
ア信号Gj(t)とはそれぞれ入れ換わる。
【0142】これら合成波形メモリ802a、802
b、802c、802dへのフォルマント形状信号Ff
j(t)の書き込みは図22に示すように、いずれか1
つのメモリ802a〜dであり、書き込まれるメモリ8
02a〜dがセレクタ801によって順次切り換えられ
る。これら合成波形メモリ802a〜dのうち変更後の
フォルマント形状信号Ffj(t)として読み出される
合成波形メモリ802a〜dは、図22に示すように、
最新の書き込みが行われた合成波形メモリ802a〜d
であり、変更前のフォルマント形状信号Ffj(t)と
して読み出される合成波形メモリ802a〜dは、この
最新の書き込みが行われた合成波形メモリ802a〜d
の1つ前に書き込みが行われた合成波形メモリ802a
〜dである。
【0143】上記アンドゲート群801a、801b、
801c、801d、803a、803bに対するセレ
クト信号は、図22に示す読み出し/書き込みを可能に
し、時分割処理のチャンネルのチャンネルカウントデー
タを変換したもの、またはコントローラ20からのセレ
クト信号が使われる。合成波形メモリ802a、802
b、802c、802dへの読み出し/書き込み信号R
/Wは、上記アンドゲート群801a、801b、80
1c、801dの開成信号がそのまままたは反転されて
使われる。
【0144】上記合成波形メモリ802a、802b、
802c、802dは時分割チャンネル分(16または
32等)のチャンネルエリアを有し、各チャンネルに割
り当てられた全楽音についてのフォルマント形状信号F
fj(t)またはフォルマントキャリア信号Gj(t)
が記憶される。
【0145】上記合成波形メモリ802a、802b、
802c、802dの書き込みアドレスデータWADま
たは読み出しアドレスデータRADは、基本波を発生す
る上記高調波発生器611の位相シフトレジスタ61の
累算フォルマントキャリアパラメータΣωcjk(t)
の上記整数データが使われる。これにより、フォルマン
ト形状信号Ffj(t)の発生とフォルマント形状信号
Ffj(t)の合成波形メモリ802a〜dへの書き込
み/読み出しを同期させることができる。
【0146】この書き込みアドレスデータWAD及び読
み出しアドレスデータRADは、上記位相演算部51の
累算フォルマント密度パラメータΣωfj(t)または
上記位相シフトレジスタ61の累算フォルマントキャリ
アパラメータΣωcj(t)の上位整数データを使用し
てもよい。また、上記書き込みアドレスデータWADま
たは読み出しアドレスデータRADは、アドレスカウン
タ(図示せず)からのカウントデータを使用してもよ
い。このアドレスカウンタはチャンネルタイミング信号
CHφによってカウントされる。
【0147】上記合成波形メモリ802a、802b、
802c、802dには、一周期のフォルマント形状信
号Ffj(t)が書き込まれる。この場合、フォルマン
ト形状信号Ffj(t)は音高に関係ないため、フォル
マント形状信号Ffj(t)の一周期の長さが音高によ
って変動してしまうことがない。またフォルマント形状
信号Ffj(t)の読み出しにおいても音高に応じて読
み出し速度を変える必要がない。むろん音高等に応じて
読み出し速度を変えてもよい。なお、合成波形メモリ8
02a〜dにフォルマントキャリア信号Gj(t)が書
き込まれ、読み出される場合には、読み出しアドレスデ
ータRADとして上記位相シフトレジスタ61の累算フ
ォルマントキャリアパラメータΣωcj(t)の上位整
数データが使われる。
【0148】上記合成波形メモリ802a〜dに複数周
期のフォルマント形状信号Ffj(t)、フォルマント
キャリア信号Gj(t)が書き込まれる場合には、以下
のようになる。すなわち、各高調波発生器611…の三
角関数テーブル63…に複数周期のコサイン波が記憶さ
れる。または、合成波形メモリ802a〜dの書き込み
アドレスデータWADまたは読み出しアドレスデータR
ADに使われる位相シフトレジスタ61の累算フォルマ
ントキャリアパラメータΣωcjk(t)の上位整数デ
ータについて、さらに桁上げ上位ビット群が付加され
る。
【0149】合成波形メモリ802a、802b、80
2c、802dの各フォルマント形状信号Ffj(t)
は、セレクタ803aで、いずれかが選択され変更前の
フォルマント形状信号Ffj(t)として出力される。
また合成波形メモリ802a、802b、802c、8
02dの各フォルマント形状信号Ffj(t)は、セレ
クタ803bで、いずれかが選択され変更後のフォルマ
ント形状信号Ffj(t)として出力される。
【0150】上記セレクタ803aからの変更前のフォ
ルマント形状信号Ffj(t)は、マルチプライヤ80
4aで重み付けデータWT1が乗算され、上記セレクタ
803bからの変更後のフォルマント形状信号Ffj
(t)は、マルチプライヤ804bで重み付けデータW
T2が乗算され、アダー805で両フォルマント形状信
号Ffj(t)が相加的に合成され、これにより両フォ
ルマント形状信号Ffj(t)の補間が行われて、上記
マルチプライヤ67へ送られる。
【0151】上記重み付けデータWT1と重み付けデー
タWT2との関係は、両データの和が“1”になる。従
って重み付けデータWT1、WT2の一方は、他方のデ
ータを“1”から減算してもよい。この重み付けデータ
WT1は、上記合成波形メモリ802a〜dの読み出し
アドレスデータRADの上位データまたは全データを使
うことができ、重み付けデータWT2はこの読み出しア
ドレスデータRADを“1”から減算したデータを使う
ことができる。
【0152】上記重み付けデータWT1、WT2は、例
えば“1,0”、“7/8,1/8”、“6/8,2/
8”、“5/8,3/8”……“1/8,7/8”、
“0,1”というように変化し、これにより、変更前の
フォルマント形状信号Ffj(t)と変更後のフォルマ
ント形状信号Ffj(t)との間の重み付けは前者から
後者へと順次シフトし、両フォルマント形状信号Ffj
(t)の間の補間が変更前から変更後へシフトされ、フ
ォルマント形状信号Ffj(t)の変化が滑らかにな
る。
【0153】上述の場合は、変更前のフォルマント形状
信号Ffj(t)と変更後のフォルマント形状信号Ff
j(t)との補間される区間は合成波形メモリ802a
〜dに記憶されたフォルマント形状信号Ffj(t)の
全区間である。しかしこの両フォルマント形状信号Ff
j(t)の一部とすることもできる。この場合、補間さ
れない区間では、重み付けデータWT1、WT2とし
て、上記“1”、“0”の固定値が使用され、一方、補
間される区間では、重み付けデータWT1、WT2とし
て、上述したように読み出しアドレスデータRADの上
位データまたは全データが使われる。
【0154】これを実現するのが図21のセレクタ80
6及びコンパレータ807である。セレクタ806を介
して“1”データまたは読み出しアドレスデータRAD
いずれかが上記マルチプライヤ804aにそのまま供給
され、減算器808を介して“1”から読み出しアドレ
スデータRADの減算値が上記マルチプライヤ804b
に供給される。
【0155】コンパレータ807では、区間指定データ
PSと上記読み出しアドレスデータRADとが比較さ
れ、読み出しアドレスデータRADが区間指定データP
Sを越えると、コンパレータ807より検出信号が出力
されセレクタ806のセレクトデータが切り換えられ
る。従って、この区間指定データPSは、上記補間され
る区間を決定している。
【0156】この区間指定データPSは、上記高調波メ
モリ211に、上記パラメータωcjk(t)、ajk
(t)、cj(t)とともに、各音楽的ファクタ、発音
経過時間等ごとに記憶され、チャンネル割り当てされ発
音される楽音に応じた区間指定データPSが読み出され
て、区間指定シフトレジスタ809に格納される。この
区間指定シフトレジスタ809はチャンネル数に応じた
シフトエリアを有し、このフォルマント波形発生部60
で合成される楽音が割り当てられたチャンネルのチャン
ネルタイミングに上記格納が行われ、各チャンネルの区
間指定データPSが順次シフト出力される。
【0157】上記区間指定シフトレジスタ809の入力
端には、セレクタが設けられているが、図面では省略さ
れている。このセレクタでは、通常時には区間指定シフ
トレジスタ809の出力が選択されて帰還入力され、区
間指定データPSがコントローラ20によって書き込ま
れる時には、コントローラ20によって選択が切り換え
られる。
【0158】上述したように、各高調波発生器611…
における各成分波形の内容、振幅係数ajk(t)、演
算内容、重み付けデータWT1、WT2、区間指定デー
タPSは音楽的ファクタ(音色、音量、エフェクト、フ
ィルタ特性等)、エンベロープレベル、エンベロープフ
ェーズまたは発音開始からの経過時間、操作者の設定指
示に応じて変更される。この音楽的ファクタ等の変化は
上記コントローラ20によって検出され、上記各成分波
形等の内容の変更が行われる。この変更により各高調波
発生器611…から合成出力されるフォルマント形状信
号Ffj(t)の波形、補間内容、補間区間も変化す
る。この各変化におけるフォルマント形状信号Ffj
(t)は、上記合成波形メモリ802a〜dに書き込ま
れて、この変化における上記補間が行われる。
【0159】なお、上述したように図21、22におけ
るフォルマント形状信号Ffj(t)はそっくりこのま
まフォルマントキャリア信号Gj(t)と入れ換えて、
フォルマントキャリア信号Gj(t)についても時分割
に高調波合成を行うことができる。また、上記合成波形
メモリ802a〜dのうち1つを省略して、フォルマン
ト形状信号Ffj(t)の書き込みも読み出しも行われ
ない状態のメモリを省くこともできる。
【0160】さらに、上記合成波形メモリ802a〜d
はすべて省略し、変更前のフォルマント形状信号Ffj
(t)を成分合成する高調波発生器611…及びアダー
612と変更後のフォルマント形状信号Ffj(t)を
成分合成する高調波発生器611…及びアダー612と
を設け、両変更前及び変更後の両フォルマント形状信号
Ffj(t)につき上記マルチプライヤ804a、80
4b、アダー805、セレクタ806、コンパレータ8
07、減算器808で重み付け補間を行ってもよい。
【0161】上述のような複数周期のフォルマント形状
信号Ffj(t)が合成波形メモリ802a〜dに記憶
されることにより、各高調波発生器611で発生される
各高調波の周波数が基本波の周波数の非整数倍であって
も、末尾のゼロクロスポイントを一致させることができ
る。例えば基本波“1”に対し、“1.25”“1.0
5”の非整数倍の高調波成分が合成されると、合成波形
は基本波と一周期ではゼロクロスポイントが一致せず位
相がそろわない。
【0162】しかし基本波につき20周期分記憶すれ
ば、合成波形と基本波とは末尾において位相がそろう。
これを示すのが図23である。図23では、基本波
“1”と高調波“1.25”との合成波形が破線で示さ
れている。この合成波形は基本波と先頭で位相がそろっ
ているものの、途中のゼロクロスポイントは一致しなく
なる。しかし、末尾ではゼロクロスポイントは一致し、
位相もそろっている。
【0163】また、このような非整数倍の高調波成分の
成分波形の含有による位相のずれは位相補正データPC
によって訂正される。この図23の例では、位相補正デ
ータPCによって、破線の合成波形の全ての位相及びゼ
ロクロスポイントが実線の基本波の全ての位相及びゼロ
クロスポイントに一致する。この位相補正データPC
は、合成波形の音高を漸次修正するものであり、上記変
更前または変更後のフォルマント形状信号Ffj(t)
の読み出しアドレスデータRADまたは書き込みアドレ
スデータWADに加算または乗除減の演算がされる。こ
れにより、変更前または変更後のフォルマント形状信号
Ffj(t)の書き込み時または読み出し時のいずれか
または両方において位相補正を行うことができる。
【0164】上記位相補正データPCは、上記高調波メ
モリ211に、上記パラメータωcjk(t)、ajk
(t)、cj(t)とともに、各音楽的ファクタ、発音
経過時間等ごとに記憶され、チャンネル割り当てされ発
音される楽音に応じた位相補正データPCが読み出され
て、位相補正メモリ(図示せず)に書き込まれる。この
位相補正メモリにも上記読み出しアドレスデータRAD
が供給されて、位相補正データPCが順次読み出され、
上記合成波形メモリ802a、802b、802c、8
02dの読み出しアドレスデータRADに時分割に上記
演算される。この補正メモリは、合成波形メモリ802
a、802b、802c、802dに対し、それぞれ設
けられる。
【0165】これにより、位相補正ができるし、非整数
倍の高調波成分の成分波形を含む合成波形が合成波形メ
モリ802a、802b、802c、802dに記憶さ
れる場合でも、各合成波形の記憶周期を一周期にするこ
ともできる。むろん、複数周期が記憶されてもよい。
【0166】上記位相補正はフィルタで行うこともでき
る。この場合、変更前または変更後のフォルマント形状
信号Ffj(t)のいずれかまたは両方が、上記フィル
タを介して上記合成波形メモリ802a〜d、802に
書き込まれ、または上記フィルタを介してマルチプライ
ヤ804a、804bへ送られる。上記位相補正データ
PCはフィルタ特性データとして上記フィルタに送られ
る。
【0167】なお、上記アダー805における補間は相
加平均であり直線補間であったが、マルチプライヤを使
って相乗平均であって曲線補間を行ってもよい。また、
上記セレクタ803aからの変更前のフォルマント形状
信号Ffj(t)の値(又は補間値)を“A”、セレク
タ803bからの変更後のフォルマント形状信号Ffj
(t)の値を“B”とし、この両値と上記重み付けデー
タWTから“A+(B−A)×WT→A”の演算を繰り
返し行う演算回路を使って補間が行われてもよい。ここ
で重み付けデータWTを“1/2”とすれば補間値
“A”と目標値“B”との差“B−A”を1ビット下位
にシフトするだけで済み、演算回路の構成が簡単にな
る。
【0168】さらに、上記セレクタ806、コンパレー
タ807及び区間指定シフトレジスタ809が省略さ
れ、また区間指定データPSも省略されて、上記読み出
しアドレスデータRADが常時マルチプライヤ804
a、804bに供給され、上記補間される区間として、
合成波形メモリ802a〜dに記憶されたフォルマント
形状信号Ffj(t)、Gj(t)の全区間が指定され
てもよい。
【0169】図24は、上記重み付け補間回路80の別
の実施例を示す。この実施例では、フォルマント信号F
j(t)、Gj(t)の書き込み/読み出しが1つのメ
モリにつき時分割に切り換えられる。上記合成波形メモ
リ802a、802b、802c、802dは、1つの
メモリ802に合体され、2つのメモリバンクを有し、
両メモリバンクに全チャンネルの変更後、変更前の両フ
ォルマント信号Fj(t)、Gj(t)が記憶される。
【0170】そして、チャンネル割り当てされた各楽音
ごとに変更後のフォルマント信号Fj(t)、Gj
(t)の書き込み、変更前のフォルマント信号Fj
(t)、Gj(t)の読み出しの2状態がさらに時分割
に切り換えられる。上記合成波形メモリ802に書き込
まれる変更後のフォルマント信号Fj(t)、Gj
(t)は上記マルチプライヤ804aへも送られ、合成
波形メモリ802から読み出された変更前のフォルマン
ト信号Fj(t)、Gj(t)は、上記マルチプライヤ
804bへ送られる。変更後及び変更前の両フォルマン
ト信号Fj(t)、Gj(t)の重み付け補間が行われ
る。
【0171】切り換えシフトレジスタ811には、切り
換えデータCG“01”、“10”が記憶されており、
順次リングシフトされる。このうち上位ビットは、上記
合成波形メモリ802の書き込み/読み出しアドレスデ
ータWAD/RADの上位データであってバンク切り換
えデータとして供給される。切り換えシフトレジスタ8
11のシフトクロック信号2CHφの周波数は、上記チ
ャンネルクロック信号CHφの周波数の2倍である。
【0172】上記切り換えシフトレジスタ811の切り
換えデータCG“01”、“10”の上位ビットまたは
下位ビットはセレクタ812を介して、上記合成波形メ
モリ802に読み出し/書き込み信号R/Wとして供給
される。上記合成波形メモリ802の書き込み/読み出
しアドレスデータWAD/RADの各ビットはノアゲー
ト813を介して、フリップフロップ814に反転信号
として供給される。このフリップフロップ814の出力
信号は上記セレクタ812にセレクト信号として供給さ
れる。
【0173】従って、書き込み/読み出しアドレスデー
タWAD/RADが“000……0(オール0)”にな
った時のみ、上記切り換えデータCG“01”、“1
0”の上位ビットまたは下位ビットの出力選択が切り換
えられる。これにより、上記合成波形メモリ802の書
き込み/読み出しが行われるバンクが交互に切り換えら
れる。他の構成並びに動作及び種々の修正、変更、使
用、転用、置換、付加等は上記図21の実施例と同じで
ある。
【0174】上記合成波形メモリ802a〜dのそれぞ
れ、合成波形メモリ802の各バンクには、変更前(ま
たは変更後)のフォルマント形状信号Ffj(t)が記
憶され、この変更前(または変更後)のフォルマント形
状信号Ffj(t)と変更後(または変更前)のフォル
マント形状信号Ffj(t)との各サンプル点ごとの差
分波形が記憶されてもよい。そして、両フォルマント信
号は、一方または両方が上記位相補正されて相加的に合
成され出力される。
【0175】なお、上記合成波形メモリ802はシフト
レジスタ型または遅延線型のCCDからなるメモリに置
き換えてもよい。このメモリでは、フォルマント信号F
j(t)、Gj(t)のビット数と同数の列のCCDが
設けられ、全チャンネル分のフォルマント信号Fj
(t)、Gj(t)がシフトクロック信号SCφによっ
て順次シフトされ、一周期後または複数周期後に出力さ
れる。
【0176】このCCDの合成波形メモリ802の入力
である変更後のフォルマント信号Fj(t)、Gj
(t)は上記マルチプライヤ804aへ送られ、出力で
ある変更前のフォルマント信号Fj(t)、Gj(t)
は上記マルチプライヤ804bへ送られ、上記重み付け
補間が行われる。上記シフトクロック信号SCφの周期
は、上記書き込み/読み出しアドレスデータWAD/R
ADのインクリメント周期に等しい。他の事項は上記図
21の実施例と同じである。
【0177】なお、上記合成波形メモリ802として、
他のシフトレジスタ、遅延メモリ、ラッチメモリ等が使
われてもよい。また、上記合成波形メモリ802から時
分割に読み出された変更前(または変更後)のフォルマ
ント信号Fj(t)、Gj(t)と、この変更前のさら
に変更前(または変更前)のフォルマント信号Fj
(t)、Gj(t)とは、上記マルチプライヤ804
a、804bで重み付けデータWT1、WT2が乗算さ
れた後、累算器で累算合成されて、上記マルチプライヤ
67へ送られてもよい。さらに、上記合成波形メモリ8
02a、802b、802c、802d、802には、
上記フォルマント形状波形メモリ53からのフォルマン
ト形状信号Ffj(t)または三角関数テーブル63
(上述の変更含む)からのフォルマントキャリア信号G
j(t)が書き込まれかつ読み出されてもよい。
【0178】なお、上述したまたは後述するフォルマン
トキャリア信号Gj(t)、フォルマント形状信号Fj
(t)、その他のパラメータValj(ωfj(t)、
ωcj(t)、aj(t)、cj(t)、dj(t)、
ωfjk(t)、ωcjk(t)、ajk(t)、cj
k(t)、djk(t)、WAD/RAD等)、データ
TD、SP、O、Min、Req、End、Ea、Ta
について述べた種々の修正、変更、使用、転用、置換、
付加等は、図18〜図24において述べたまたは後述の
フォルマントキャリア信号Gj(t)、フォルマント形
状信号Fj(t)、その他のパラメータの修正等につい
てもそっくりそのまま直接的かつ一義的にあてはまる。
なぜなら、両信号、両パラメータ、両データは性質が同
じものだからである。長文化を避けるため、ここでは述
べない。
【0179】18.フォルマント形状テーブル212 図25はプログラム/データ記憶部21のフォルマント
形状テーブル212を示す。このフォルマント形状テー
ブル212には、上述した多数のリピートトップデータ
Taが上記音楽的ファクタごと及び発音開始からの経過
時間、エンベロープレベルまたはエンベロープフェーズ
ごとに記憶されている。
【0180】このリピートトップデータTaは上記フォ
ルマント形状波形メモリ53に各音楽的ファクタごと及
び発音開始からの経過時間、エンベロープレベルまたは
エンベロープフェーズに記憶されたフォルマント形状信
号Ffj(t)のそれぞれに対応し指定するものであ
る。このフォルマント形状テーブル212には、リピー
トトップデータTaのほか、上記リピートエンドデータ
Ea、フォルマント密度パラメータωfj(t)、スピ
ードデータSP、目標データO、ミニデータMinも各
音楽的ファクタごと及び発音開始からの経過時間、エン
ベロープレベルまたはエンベロープフェーズごとに記憶
されている。
【0181】そして、リピートトップデータTa、フォ
ルマント密度パラメータωfj(t)及びリピートエン
ドデータEaは対応して一組ずつ記憶される。リピート
トップデータTaは上述したようにフォルマント形状波
形メモリ53に記憶された多数のフォルマント形状信号
Ffj(t)を選択指定する。
【0182】このリピートトップデータTa、フォルマ
ント密度パラメータωfj(t)及びリピートエンドデ
ータEaの組の数は、音楽的ファクタごと及び発音開始
からの経過時間、エンベロープレベルまたはエンベロー
プフェーズごとに異なっている。また、これらのパラメ
ータωfj(t)、データTa、Ea、SP、O、Mi
nの選択切り換えは、操作者によって演奏情報発生部1
0のパネルスイッチ群から入力されて指定もされる。こ
の場合、この選択切り換えに応じて、対応するパラメー
タ、データがこのフォルマント形状テーブル212に書
き込まれる。これら各音楽的ファクタ、発音開始からの
経過時間、エンベロープフェーズ又はエンベロープレベ
ルの変化に応じて生成される1つの楽音についてのフォ
ルマント形状信号Fj(t)の数または組合せも変化し
決定される。
【0183】このフォルマント形状信号Fj(t)の数
または組合せが変化すると1つの楽音に割り当てられる
チャンネルの数または組合せもこれに応じて変化する。
これら音楽的ファクタごと及び発音開始からの経過時
間、エンベロープフェーズ又はエンベロープレベルごと
の記憶は多層的である。例えば各データは複数の音色ご
とに記憶され、1つの音色のデータは音域または楽器パ
ートごとに記憶され、1つの音域または楽器パートのデ
ータはタッチごとに記憶され、1つのタッチのデータは
発音開始からの経過時間、エンベロープフェーズまたは
エンベロープレベル等ごとに記憶され……である。
【0184】この音楽的ファクタは上述したように演奏
情報発生部10より入力され、発音開始からの経過時間
は上述したようにフォルマント制御パラメータVal
j、累算フォルマント密度パラメータΣωfj(t)、
累算フォルマントキャリアパラメータΣωcj(t)ま
たはタイムカウントデータが使われ、エンベロープレベ
ルデータは上記フォルマント制御パラメータaj(t)
が使われ、エンベロープフェーズは上記リクエストデー
タReqのカウント数に基づく。
【0185】これらリピートトップデータTa、フォル
マント密度パラメータωfj(t)、リピートエンドデ
ータEa及び各データSP、O、Minは対応するもの
が決定されて読み出されアサイメントメモリ213の割
当チャンネルに応じたチャンネルメモリエリアにコント
ローラ20によって書き込まれる。この書き込まれた各
データのうち、データSP、O、Minはフォルマント
制御パラメータ発生部40へ送られ、リピートトップデ
ータTa、フォルマント密度パラメータωfj(t)及
びリピートエンドデータEaはフォルマント形状波形発
生部50へ送られて、合成フォルマントの形状が変えら
れ、フォルマント形状信号Fj(t)の数または組合せ
が制御される。
【0186】この送付は、コントローラ20によって対
応するチャンネルタイミングごとに行われる。この送付
方法は、例えば特願平1−42298号、特願平1−3
05818号、特願平1−312175号、特願平2−
2089178号、特願平2−409577号、特願平
2−409578号に示された方法が使われる。
【0187】なお、このフォルマント形状テーブル21
2には、さらに上述のフォルマント制御パラメータcj
(t)、dj(t)であって固定値のものも音楽的ファ
クタ、発音開始からの経過時間、エンベロープフェーズ
またはエンベロープレベルごとにまたは上記リピートト
ップデータTa、フォルマント密度パラメータωfj
(t)及びリピートエンドデータEaに対応して記憶可
能である。
【0188】19.アサインメントメモリ213 図26は、プログラム/データ記憶部21のアサインメ
ントメモリ213を示す。アサインメントメモリ213
には、複数(16または32等)のチャンネルメモリエ
リアが形成されており、上記フォルマント制御パラメー
タ発生部40、フォルマント形状波形発生部50及びフ
ォルマント波形発生部60に形成された複数の楽音生成
チャンネルに割り当てられた楽音に関するデータが記憶
される。
【0189】これら各チャンネルメモリエリアには、チ
ャンネルが割当られた楽音のリピートトップデータT
a、フォルマント密度パラメータωfj(t)、リピー
トエンドデータEa及び各データSP、O、Minのほ
か、オン/オフデータ、周波数ナンバデータFN(また
はキーナンバデータKN)、エンベロープフェーズデー
タ、エンベロープレベルデータ等が記憶される。
【0190】オン/オフデータは割り当られ発音する楽
音がキーオン中または発音中(“1”)かキーオフ中ま
たは消音中(“0”)かを示す。周波数ナンバデータF
Nは割り当られ発音する楽音の音高を示す。周波数ナン
バデータFNの上位データは音域またはオクターブを示
す。この周波数ナンバデータFNは上記コントローラ2
0によって対応するチャンネルタイミングに上記フォル
マント波形発生部60へ送られる。エンベロープフェー
ズデータはエンベロープのアタック、ディケィ、サステ
ィンまたはリリースを示し、上記リクエストデータRe
qの出力数に応じてカウントされる。
【0191】周波数ナンバデータFNは、リピートトッ
プデータTa、フォルマント密度パラメータωfj
(t)及びリピートエンドデータEaの組が1つであっ
て、割り当てられ発音する楽音につき複数である場合、
この複数と同じ数だけ各チャンネルメモリエリアに、ほ
ぼ同じ発音開始タイミングに書き込まれる。この場合、
書き込まれる複数の周波数ナンバデータFNは同じ値で
あるが、それぞれわずかに異なる値としてもよい。
【0192】これら各チャンネルに割り当てられた複数
のフォルマント形状信号Fj(t)と複数のフォルマン
トキャリア信号Gj(t)とは、フォルマント制御パラ
メータ発生部40、フォルマント形状波形発生部50及
びフォルマント波形発生部60で生成されて、それぞれ
相乗的にまたは相加的に合成される。
【0193】また、このアサインメントメモリ213の
各チャンネルメモリエリアには割り当てられ発音する楽
音の上記音楽的ファクタデータ等も記憶可能である。さ
らに、このアサインメントメモリ213は、プログラム
/データ記憶部21の中ではなく、フォルマント制御パ
ラメータ発生部40、フォルマント形状波形発生部50
またはフォルマント波形発生部60の中に設けてもよ
い。このアサインメントメモリ213の各チャンネルメ
モリエリアには上述のフォルマント制御パラメータcj
(t)、dj(t)であって固定値のものも記憶可能で
ある。
【0194】上記時分割処理によって形成されるチャン
ネル、すなわち複数の楽音を並行して発生するための複
数の楽音発生システムへの各楽音の割り当て方法または
トランゲート方法は、例えば特願平1−42298号、
特願平1−305818号、特願平1−312175
号、特願平2−2089178号、特願平2−4095
77号、特願平2−409578号に示された方法が使
われる。
【0195】20.フォルマントの数、組合せの変化状
図27は、上述のようにして数または組合せが制御され
るフォルマント形状信号Fj(t)と合成波形のフォル
マントとの関係を示す。図27(1)では、フォルマン
ト密度パラメータωfj(t)とフォルマント制御パラ
メータdj(t)を変えることにより1つのフォルマン
ト形状信号Fj(t)から3つのフォルマント形状信号
Fj(t)を生成している。そして、この3つのフォル
マント形状信号Fj(t)は2つ、1つと数が変化して
いく。フォルマント形状信号Fj(t)の組合せには変
化はない。
【0196】図27(2)では、フォルマント形状信号
Fj(t)の組合せが変化している。フォルマント形状
信号Fj(t)の数には変化はない。図27(3)で
は、フォルマント形状信号Fj(t)の組合せと数両方
が変化している。図27(4)では、フォルマント形状
信号Fj(t)の数、組合せに変化はないように見え
る。これは、フォルマント密度パラメータωfj(t)
とフォルマント制御パラメータdj(t)のみを変化さ
せたものである。これも実はフォルマント形状信号Fj
(t)の組合せの変化の1つである。
【0197】以上のように、音楽的ファクタ、発音開始
からの経過時間、エンベロープレベルまたはエンベロー
プフェーズに応じて、フォルマント形状信号Fj(t)
の数または組合せを変えることができ、楽音の性質を多
種多様に変化させることができる。この場合、各フォル
マントのピーク点の数、位置、高さも変化する。
【0198】なお、上述の変化において、同じフォルマ
ント形状信号Fj(t)につきフォルマント制御パラメ
ータdj(t)のみを変えていくこともできる。またフ
ォルマントキャリア信号Gj(t)は、合成の回数分だ
け相加されている。さらに図27の変化はこれに限られ
ず逆方向にしたり、順番を一部入れ替えたり、変化パタ
ーンを増減したりしてもよい。
【0199】また、合成されるフォルマント形状信号F
j(t)の数は4つ以上であってもよい。さらに、フォ
ルマント形状信号Fj(t)のフォルマントは一部分ま
たは全部を重ならせることもできる。これは、各フォル
マント密度パラメータωfj(t)の値を選ぶことによ
り可能である。これにより、フォルマントが重なりあっ
た部分のレベルが相加的に大きくなり、新たなフォルマ
ントピーク点が生成されることもできる。
【0200】21.フォルマント形状波形発生部50 図28は、上記フォルマント形状波形発生部50の別の
実施例を示す。このフォルマント形状波形発生部50で
は、1つのチャンネルの分割時間の間に、4つのフォル
マント形状信号Ffj(t)が時分割に読み出される。
従ってフォルマント形状信号Ffj(t)の読み出しの
時分割周期は、楽音全体の生成処理の時分割周期の1/
4となっている。
【0201】フォルマント密度記憶部52のフォルマン
ト密度メモリ523には、累算フォルマント密度パラメ
ータΣωfj(t)、フォルマント制御パラメータTa
j、Eaj、U/Djが、(時分割チャンネル数)×4
だけ記憶されており、フォルマント形状波形メモリ53
からフォルマント形状信号Ffj(t)が各チャンネル
ごとに4つずつ読み出される。これに応じて、パラメー
タ記憶部41のパラメータメモリ411にもフォルマン
ト制御パラメータValj、TD、Vも(時分割チャン
ネル数)×4だけ記憶される。
【0202】読み出された4つのフォルマント形状信号
Ffj(t)は順次累算器55で各チャンネルごとに累
算され、アダー54で上記フォルマント形状バイアスパ
ラメータdj(t)と加算され、フォルマント形状信号
Fj(t)としてフォルマント波形発生部60へ送られ
る。
【0203】これにより、図27(1)〜(4)に示す
ような、複数のフォルマント形状信号Fj(t)が相加
的に合成され、複数のフォルマントを合成したフォルマ
ントをもつフォルマント形状信号Fj(t)が合成生成
され、フォルマント形状信号Fj(t)の数、組合せが
制御されることができる。この合成フォルマント形状信
号Fj(t)は、フォルマント波形発生部60のマルチ
プライヤ66、621でフォルマントキャリア信号Gj
(t)に相乗的にまたは相加的に合成される。
【0204】本実施例では1つのフォルマントキャリア
信号Gj(t)に対し4つのフォルマント形状信号Fj
(t)が相乗的にまたは相加的に合成される。なお、こ
の合成されるフォルマント形状信号Fj(t)の数は4
つ以外にすることもできる。この場合、フォルマント形
状信号Fj(t)の読み出し時分割周期を変更するか、
4つのうちのいくつかにつき、フォルマント制御パラメ
ータ発生部40のフォルマント密度パラメータωfj
(t)及びフォルマント密度記憶部52の累算フォルマ
ント密度パラメータΣωfj(t)の値を“0”とし、
フォルマント形状信号Fj(t)が一部読み出されない
ようにすればよい。これによりフォルマント形状信号F
j(t)の数、組合せの制御を行うことができる。
【0205】また、フォルマントキャリア信号Gj
(t)と複数のフォルマント形状信号Fj(t)との合
成は、図20に示す回路で行うこともできる。この場
合、各チャンネルのフォルマントキャリア信号Gj
(t)とフォルマント形状信号Fj(t)とは同時にパ
ラレルに発生され、各チャンネルのフォルマントキャリ
ア信号Gj(t)とフォルマント形状信号Fj(t)と
はマルチプライヤ621…で乗算合成され、アダー62
2で加算合成されて出力される。この場合、図15また
は図19のフォルマント波形発生部60及び図10また
は図28のフォルマント形状波形発生部50はチャンネ
ル数に応じた数だけ設けられる。
【0206】22.フォルマント波形発生部60 図29は、フォルマント波形発生部60の別の実施例を
示す。第1多重合成系列635において、複数のフォル
マント形状信号Fj(t)−1、Fj(t)−2は、ア
ダー631で相加的に合成され、次いで3つのマルチプ
ライヤ632、632、632で順次フォルマントキャ
リア信号Gj(t)−1、Gj(t)−2、Gj(t)
−3と多重的かつ相乗的に合成される。このような多重
合成を行っても、合成フォルマントの形状が変えられ、
フォルマント形状信号Fj(t)の数、組合せが変えら
れていくことができる。
【0207】これは、図31に示される。フォルマント
形状信号Fj(t)−1、Fj(t)−2を合成して合
成フォルマントを生成し、これに、フォルマントキャリ
ア信号Gj(t)−1、Gj(t)−2、Gj(t)−
3を次々と合成していくことにより、合成フォルマント
の数がどんどん増えていき、より複雑なフォルマント形
状をもつ楽音が生成されることができる。
【0208】このことは、他の第2多重合成系列63
5、第3多重合成系列635、第4多重合成系列63
5、第5多重合成系列635…でも同様である。この場
合、合成されるフォルマント形状、組合せ、位置、数は
第1多重合成系列635のものとは異なる。なお、上記
アダー631…、マルチプライヤ632…は2入力のタ
イプでもよいし、3入力以上のタイプでもよく、2つを
越えるフォルマント信号Gj(t)、Fj(t)が同時
に相加的または相乗的に合成されてもよい。
【0209】本実施例では、図1のフォルマント波形制
御部60は省略され、複数種類のフォルマントキャリア
信号Gj(t)もフォルマント形状信号Fj(t)の1
つとして、フォルマント密度記憶部52に記憶される。
そして、1つの楽音につき5つのチャンネルが割り当て
られ、この各チャンネルを通じて、選択切り換えされた
上記フォルマントキャリア信号Gj(t)またはフォル
マント形状信号Fj(t)が生成される。この1楽音あ
たりのチャンネル数は5つ以外でもよい。
【0210】上記フォルマントキャリア信号Gj(t)
またはフォルマント形状信号Fj(t)の選択切り換え
は、上述の音楽的ファクタごと及び発音開始からの経過
時間、エンベロープレベルまたはエンベロープフェーズ
に基づく。この場合、上記フォルマント形状テーブル2
12が使用され、このフォルマント形状テーブル212
には、上述した多数のリピートトップデータTa、リピ
ートエンドデータEa、フォルマント密度パラメータω
fj(t)(またはフォルマントキャリアパラメータω
cj(t))、スピードデータSP、目標データO、ミ
ニデータMinが上記音楽的ファクタごと及び発音開始
からの経過時間、エンベロープレベルまたはエンベロー
プフェーズごとに記憶されている。
【0211】また、上記フォルマント信号Gj(t)、
Fj(t)の選択切り換えは、操作者によって演奏情報
発生部10のパネルスイッチ群から入力されて指定され
る。この場合、この選択切り換えに応じて、対応するデ
ータTa、Ea、ωfj(t)(ωcj(t))、S
P、O、Minが上記フォルマント形状テーブル212
に書き込まれる。
【0212】そして、リピートトップデータTa、フォ
ルマント密度パラメータωfj(t)(またはフォルマ
ントキャリアパラメータωcj(t))及びリピートエ
ンドデータEaは対応して一組ずつ記憶される。この場
合、フォルマントキャリアパラメータωcj(t)によ
って読み出されるフォルマントキャリア信号Gj(t)
とフォルマント密度パラメータωfj(t)によって読
み出されるフォルマント形状信号Fj(t)とは、同じ
メモリ53に記憶されるので、両パラメータωcj
(t)とωfj(t)とは同じものになる。
【0213】アサインメントメモリ213の各チャンネ
ルメモリエリアには、チャンネルが割当られた楽音のリ
ピートトップデータTa、フォルマント密度パラメータ
ωfj(t)(ωfj(t))、リピートエンドデータ
Ea及び各データSP、O、Minのほか、オン/オフ
データ、周波数ナンバデータFN(またはキーナンバデ
ータKN)、エンベロープフェーズデータ、エンベロー
プレベルデータ等が記憶される。
【0214】これらのデータは、フォルマント制御パラ
メータ発生部40及びフォルマント形状波形発生部50
へ送られ、上記フォルマントキャリア信号Gj(t)ま
たはフォルマント形状信号Fj(t)が時分割に読み出
し生成される。この各フォルマント信号Gj(t)、F
j(t)は、デマルチプレクサ637を介して、パラレ
ルにラッチ群638にセットされ、各多重合成系列63
5…のアダー631…またはマルチプライヤ632…に
供給される。各多重合成系列635…で多重的に合成さ
れたフォルマント合成信号Wj(t)は、アダー634
で各楽音が相加的に合成され出力される。このデマルチ
プレクサ637、ラッチ群638は上記図20の回路に
入力側に設け、時分割に送られてくるフォルマント信号
Gj(t)、Fj(t)を取り込むようにしてもよい。
【0215】23.多重合成系列635 図30は、上記多重合成系列635のより詳しい回路を
示す。上記各マルチプライヤ632…の各出力はアンド
ゲート群638…を介して、他のマルチプライヤ632
…または自己のマルチプライヤ632…に帰還入力され
る。この帰還入力により、フォルマント信号Gj
(t)、Fj(t)が、自己の信号Gj(t)、Fj
(t)または他の信号Gj(t)、Fj(t)に合成さ
れ、より複雑かつ多重的に合成されることができるし、
合成フォルマントの形状が変えられ、フォルマント形状
信号Fj(t)の数、組合せが制御されることができ
る。
【0216】また、上記各マルチプライヤ632…の各
出力はアンドゲート群639…を介して、アダー634
へ入力される。これにより、多重合成系列635におけ
る最終または途中の合成信号が出力されることができ、
多重合成ステップが切り換えられていくことができる
し、合成フォルマントの形状が変えられ、フォルマント
形状信号Fj(t)の数、組合せが制御されることがで
きる。
【0217】さらに、上記各マルチプライヤ632…の
各出力はアンドゲート群640…を介して、他の多重合
成系列635のアダー631…、マルチプライヤ632
…へ入力される。これにより、上述の多重的合成がより
複雑かつさらに多重的になるし、合成フォルマントの形
状が変えられ、フォルマント形状信号Fj(t)の数、
組合せが制御されることができる。
【0218】上記各アンドゲート群639…の開成信号
群ENは、アルゴリズムラッチ641からパラレルに同
時に送られてくる。この開成信号群ENの内容は、音楽
的ファクタごと及び発音開始からの経過時間、エンベロ
ープレベルまたはエンベロープフェーズごとに変化す
る。これにより多重合成経路すなわち合成演算のアルゴ
リズムも変化するし、合成されるフォルマント信号Gj
(t)、Fj(t)の組み合わせも変わり、合成フォル
マントの形状も変えられ、フォルマント形状信号Fj
(t)の数、組合せも制御されることができる。
【0219】この場合、上記フォルマント形状テーブル
212と同じように、開成信号群ENが音楽的ファクタ
ごと及び発音開始からの経過時間、エンベロープレベル
またはエンベロープフェーズごとに多層的に記憶され、
対応するものが読み出され、上記コントローラ20によ
ってアルゴリズムラッチ641にセットされる。
【0220】また、この開成信号群ENの内容は、操作
者によって演奏情報発生部10のパネルスイッチ群から
入力される。この場合、この入力された開成信号群EN
が上記フォルマント形状テーブル212と同じ上記テー
ブルに書き込まれる。なお、上記マルチプライヤ632
…のそれぞれの入力端には、実際にはオアゲート群が設
けられているが、図面では省略されている。
【0221】24.多重合成系列635 図32は、上記図29のフォルマント波形発生部60を
時分割回路で実現したものである。上記フォルマント形
状波形発生部50から時分割に順次生成されるフォルマ
ント信号Gj(t)、Fj(t)は、アンドゲート群6
43aまたは643bを介して、アダー631またはマ
ルチプライヤ632に供給される。また、ラッチ646
からの合成演算された信号は、アンドゲート群644a
または644bを介して、アダー631またはマルチプ
ライヤ632に供給される。
【0222】上記アダー631またはマルチプライヤ6
32では、上記両信号が相加的合成または相乗的合成さ
れ、アンドゲート群645aまたは645bを介して、
上記ラッチ646に格納される。そして、各チャンネル
時間ごとにフォルマント信号Gj(t)、Fj(t)の
相加的合成または相乗的合成の演算が多重的に繰り返さ
れ、合成フォルマントの形状が変えられ、フォルマント
形状信号Fj(t)の数、組合せが制御されることがで
きる。
【0223】このラッチ646の合成されたフォルマン
ト合成信号Wj(t)は、アンドゲート群647を介し
て出力される。アンドゲート群の開成信号は、カウンタ
648からのオーバーフロー信号であり、このカウンタ
648にはチャンネルクロック信号CHφがインクリメ
ント信号として入力される。このカウンタ648は一楽
音あたりに割り当てられるチャンネル数と同じ5進であ
るが、チャンネル数が異なれば進数も異なる。
【0224】上記各アンドゲート群643a、644a
及び645aには、アルゴリズムシフトレジスタ649
からの開成信号群ENが順次時分割チャンネルごとにシ
リアルにそのまま供給され、アンドゲート群643b、
644b及び645bには、アルゴリズムシフトレジス
タ649からの開成信号がインバータ650で反転され
て供給される。この開成信号群ENの内容は、音楽的フ
ァクタごと及び発音開始からの経過時間、エンベロープ
レベルまたはエンベロープフェーズごとに変化し、これ
により多重合成経路すなわち合成演算のアルゴリズムも
変化するし、合成されるフォルマント信号Gj(t)、
Fj(t)の組み合わせも変わり、合成フォルマントの
形状も変えられ、フォルマント形状信号Fj(t)の
数、組合せも制御されることができる。
【0225】この場合、上記フォルマント形状テーブル
212と同じように、開成信号群ENが音楽的ファクタ
ごと及び発音開始からの経過時間、エンベロープレベル
またはエンベロープフェーズごとに多層的に記憶され、
または操作者によって演奏情報発生部10のパネルスイ
ッチ群より入力され、対応するものが読み出され、上記
コントローラ20によってアルゴリズムシフトレジスタ
649にセットされる。アルゴリズムシフトレジスタ6
49の段数は(一楽音あたりのチャンネル数)×(全楽
音数)で循環シフトタイプのものである。そして、新た
な楽音発音時に、この発音される楽音の各チャンネルタ
イミングに、上記開成信号ENがセットされる。この開
成信号ENは多重合成経路を時系列的に決定する。
【0226】この図32の回路では自己の信号への帰還
のアルゴリズムはできない。しかし、図32の鎖線で示
すように、ラッチ646の出力がアンドゲート群651
を介してアンドゲート群643a及び643bに供給さ
れれば可能である。ただし、自己帰還演算のチャンネル
タイミングのとき、アンドゲート群643a及び643
bには、フォルマント形状波形発生部50からフォルマ
ント信号Gj(t)、Fj(t)が供給されない。この
場合、このチャンネルタイミングに対応したチャンネル
にはデータが割り当てられない。なお、図32の回路で
は他の信号への帰還のアルゴリズムはできる。
【0227】また、この開成信号群ENの内容は、操作
者によって演奏情報発生部10のパネルスイッチ群から
入力される。この場合、この入力された開成信号群EN
が上記フォルマント形状テーブル212と同じ上記テー
ブルに書き込まれる。
【0228】なお、上記実施例のフォルマント形状テー
ブル212、アサインメントメモリ213について述べ
た種々の修正、変更、使用、転用、置換、付加等は、本
実施例の修正等についてもそっくりそのまま直接的かつ
一義的に可能である。長文化を避けるため、ここでは述
べない。また、上記ラッチ646、アンドゲート群64
3a、643bのそれぞれの入力端には、実際にはオア
ゲート群が設けられているが、図面では省略されてい
る。さらに、アルゴリズムシフトレジスタ649の入力
端には、セレクタが設けられているが、図面では省略さ
れている。このセレクタでは、通常時にはアルゴリズム
シフトレジスタ649の出力が選択されて帰還入力さ
れ、開成信号がコントローラ20によって書き込まれる
時には、コントローラ20によって選択が切り換えられ
る。
【0229】このような多重合成では、上記フォルマン
トキャリア信号Gj(t)自体も1本線のフォルマント
をもつと仮定すれば、フォルマントキャリア信号Gj
(t)はフォルマント形状信号Fj(t)と同じように
相加的、相乗的に合成することができる。このようにし
て合成を多重的に行うことにより、より複雑なフォルマ
ント形状をもつ楽音を生成することができるし、フォル
マント形状信号Fj(t)の数、組合せを制御すること
ができる。
【0230】また、フォルマント形状信号Fj(t)を
フォルマントキャリア信号Gj(t)の代わりに使い、
複数のフォルマント形状信号Fj(t)を相乗的に合成
することもできる。この場合、生成されるフォルマント
の形状はフォルマント形状信号Fj(t)のフォルマン
トの形状を変形することになるし、フォルマント形状信
号Fj(t)の数、組合せを制御することができる。
【0231】さらに、上記各多重合成系列635…にお
いてアダー631…に入力される信号のいずれかのレベ
ルを“0”としたり、またはマルチプライヤ632…に
入力される信号のいずれかのレベルを“1”とすれば、
アダー631…、マルチプライヤ632…をスルー状態
とし、ここだけ合成のない状態とすることができる。こ
のようなレベル制御により、合成フォルマントの形状を
変えて、フォルマント形状信号Fj(t)の数、組合せ
が制御されることができる。
【0232】この場合、上記フォルマント形状テーブル
212、アサインメントメモリ213に記憶され、かつ
フォルマント信号Gj(t)、Fj(t)に対応するデ
ータはノーオペレーション−0、−1となる。ノーオペ
レーション−0は、フォルマント形状メモリ52からデ
ータ“0”読み出すことを指示するコマンドであり、ノ
ーオペレーション−1は、フォルマント形状メモリ52
からデータ“1”読み出すことを指示するコマンドであ
る。
【0233】このようなノーオペレーション−0、−1
も、音楽的ファクタごと及び発音開始からの経過時間、
エンベロープレベルまたはエンベロープフェーズごとに
多層的に決定され、また操作者によって演奏情報発生部
10のパネルスイッチ群から入力される。
【0234】またさらに、フォルマント信号Gj
(t)、Fj(t)が、上記各多重合成系列635…の
いずれに入力されるか、すなわち発音する楽音がいずれ
のチャンネルに割り当てられるかは、音楽的ファクタご
と及び発音開始からの経過時間、エンベロープレベルま
たはエンベロープフェーズごとに多層的に決定され、ま
た操作者によって演奏情報発生部10のパネルスイッチ
群から入力される。これに応じて、プログラム/データ
記憶部21には、音楽的ファクタ及び発音開始からの経
過時間、エンベロープレベルまたはエンベロープフェー
ズと割り当てチャンネルとの対応テーブルであって、上
記フォルマント形状テーブル212と同様のテーブルが
設けられる。そして、このテーブルに上記操作者の入力
データが書き込まれる。
【0235】なお、上記アダー631…のいくつかをマ
ルチプライヤに切り換え、また上記マルチプライヤ63
2…のいくつかをアダーに切り換えることにより、相加
的合成と相乗的合成とを入れ換え、合成内容を変化さ
せ、合成フォルマントの形状が変えられ、フォルマント
形状信号Fj(t)の数、組合せが制御されることがで
きる。また、図29及び図30の多重合成系列635…
はさらにアダー631…またはマルチプライヤ632…
を付加して、より多段にすることもできる。
【0236】なお、上述したまたは後述するフォルマン
トキャリア信号Gj(t)、フォルマント形状信号Fj
(t)、その他のパラメータValj(ωfj(t)、
ωcj(t)、aj(t)、cj(t)、dj(t)、
ωfjk(t)、ωcjk(t)、ajk(t)、cj
k(t)、djk(t)、WAD/RAD等)、データ
TD、SP、O、Min、Req、End、Ea、T
a、テーブル212、214、215、216、アサイ
ンメントメモリ213について述べた種々の修正、変
更、使用、転用、置換、付加等は、図18〜図40にお
いて述べたまたは後述のフォルマントキャリア信号Gj
(t)、フォルマント形状信号Fj(t)、その他のパ
ラメータ、テーブル212、214〜216、メモリ2
13の修正等についてもそっくりそのまま直接的かつ一
義的にあてはまる。なぜなら、各信号、各パラメータ、
各データ、各テーブル、各メモリは性質、構成が同じも
のだからである。長文化を避けるため、ここでは述べな
い。
【0237】25.調和度制御回路90 図33は別の実施例の全体回路を示す。上記プログラム
/データ記憶部21のアサインメントメモリ213から
コントローラ20などによって時分割に読み出された各
周波数ナンバデータFN(音高情報)は、または、フォ
ルマント制御パラメータ発生部40からのフォルマント
密度パラメータωfj(t)若しくはフォルマントキャ
リアパラメータωcj(t)は、調和度制御回路90へ
送られる。
【0238】このデータFN(ωfj(t)、ωcj
(t))は、調和度制御回路90で、フォルマント制御
パラメータ発生部40からのフォルマントキャリアパラ
メータωcj(t)及びコントローラ20からのサンプ
リング修正データSfj(t)及び合成フォルマント調
和度Hj(t)が合成され、上記フォルマント密度ωf
j(t)として、パラメータフォルマント形状波形発生
部50へ送られる。
【0239】この合成によりフォルマント形状信号Ff
j(t)、Fj(t)のフォルマントの各周波数成分の
それぞれの周波数の対比値が決定されて、フォルマント
の各周波数成分の調和度が制御される。この場合、上記
周波数ナンバデータFNは、そのまま調和度制御回路9
0へ送られたり、演算処理されて調和度制御回路90へ
送られる。
【0240】図34は上記調和度制御回路90を示す。
上記周波数ナンバデータFN(音高情報)(またはフォ
ルマント密度パラメータωfj(t)若しくはフォルマ
ントキャリアパラメータωcj(t))は、マルチプラ
イヤ91で上記サンプリング修正データSfj(t)が
乗算合成され、アダー92で合成フォルマント調和度デ
ータHj(t)が加算合成されて、上記フォルマント密
度パラメータωfj(t)としてフォルマント形状波形
発生部50へ送られる。
【0241】この周波数ナンバデータFN(音高情報)
(またはフォルマント密度パラメータωfj(t)若し
くはフォルマントキャリアパラメータωcj(t))
は、楽音発音開始時にシフトレジスタに格納され、順次
マルチプライヤ91へ送られてもよい。このシフトレジ
スタは、次述するシフトレジスタ95及び96と同じで
ある。
【0242】上記フォルマントキャリアパラメータωc
j(t)(または上記周波数ナンバデータFN)は周波
数非調和テーブル93へ供給されて周波数フォルマント
調和度データHfj(t)が読み出される。この周波数
フォルマント調和度データHfj(t)はマルチプライ
ヤ94で全体フォルマント調和度データHwj(t)と
乗算合成され、上記合成フォルマント調和度データHj
(t)として上記アダー92へ送られる。この全体フォ
ルマント調和度データHwj(t)は、周波数フォルマ
ント調和度データHfj(t)に対して、重み付けを行
う重み付けデータとしての役目を果たしている。
【0243】上記音楽的ファクタ等に応じた全体フォル
マント調和度データHwj(t)及びサンプリング修正
データSfj(t)は、フォルマント調和テーブル21
5及びサンプリング修正テーブル216よりコントロー
ラ20によって読み出され、楽音発音開始時にそれぞれ
シフトレジスタ95及び96に格納される。この場合、
全体フォルマント調和度データHwj(t)及びサンプ
リング修正データSfj(t)は、いったんアサインメ
ントメモリ213の各チャンネルメモリエリアに書き込
まれ、コントローラ20などによって時分割に読み出さ
れて、調和度制御回路90へ送られることもできる。
【0244】このシフトレジスタ95および96はチャ
ンネル数に応じたシフトエリアを有し、このフォルマン
ト波形発生部60で合成される楽音が割り当てられたチ
ャンネルのチャンネルタイミングに上記格納が行われ、
各チャンネルの全体フォルマント調和度データHwj
(t)及びサンプリング修正データSfj(t)が順次
シフト出力される。
【0245】このシフトレジスタ95および96の入力
端には、セレクタが設けられているが、図面では省略さ
れている。このセレクタでは、通常時にはシフトレジス
タ95および96の出力が選択されて帰還入力され、全
体フォルマント調和度データHwj(t)及びサンプリ
ング修正データSfj(t)がコントローラ20によっ
て書き込まれる時には、コントローラ20によって選択
が切り換えられる。
【0246】上記出力されるフォルマント密度パラメー
タωfj(t)は、上述した図3に示すように、フォル
マントの各周波数成分の密度すなわちフォルマントの幅
を決定している。従って、このフォルマント密度パラメ
ータωfj(t)にフォルマント調和度データHj
(t)を加算合成すると、フォルマントの各周波数成分
の密度が変化することになる。そして、このフォルマン
ト調和度データHj(t)(周波数フォルマント調和度
データHfj(t)または全体フォルマント調和度デー
タHwj(t))の値を適当に選ぶことにより、発生楽
音のフォルマントの各周波数成分を整数倍または非整数
倍にすることができる。
【0247】ここで、各周波数成分の周波数値が整数倍
のときは、図37(a)に示すように、各周波数成分の
周波数値が、低い方から、例えば1倍、2倍、3倍、4
倍…となる。これに対し、各周波数成分の周波数値が非
整数倍のときは、図37(b)に示すように、各周波数
成分の周波数値が、低い方から、1倍、2倍、3倍、4
倍…とならず、例えば、1倍、2.2倍、3.6倍、
5.2倍、7倍、9倍……となったりする。
【0248】なお、各周波数成分の周波数値は、これ以
外の倍数となることもできるし、次述する準整数倍とな
ったりすることもできる。各周波数成分の周波数値が準
整数倍の場合は、例えば各周波数成分の周波数値が、1
倍、2倍、3倍、4倍……(第1フォルマント)、5.
1倍、6.2倍、7.3倍、8.4倍……(第2フォル
マント)、9.6倍、10.8倍、12倍、13.2倍
……(第3フォルマント)というような比となる。
【0249】図35の中の曲線(1)は、上記周波数フ
ォルマント調和度データHfj(t)の値を示す。この
周波数フォルマント調和度データHfj(t)の値は、
上記フォルマントキャリアパラメータωcj(t)の値
が大きくなるほど、大きくなっている。従って、図36
(a)に示すように、フォルマントキャリアパラメータ
ωcj(t)が大きいほど、すなわち形成される各フォ
ルマントの中心のフォルマントキャリア信号Gj(t)
の周波数値(c0、c1、c2、c3…)の値が大きい
ほど、各フォルマントの各倍音の各周波数成分(f0、
f1、f2、f3…)の密度も小さく各フォルマントの
幅も広くなる。
【0250】しかも、この曲線(1)では、周波数フォ
ルマント調和度データHfj(t)の値の変化率は、フ
ォルマントキャリアパラメータωcj(t)の値の変化
率より小さくて異なっている。例えば、簡単な例とし
て、1つの楽音の3つのフォルマントにおいて、第1フ
ォルマントのフォルマント中心信号の周波数が200H
z、第1フォルマントのフォルマント形状信号の2つの
倍音周波数が100Hz、300Hz、第2フォルマン
トのフォルマント中心信号の周波数が520Hz、第2
フォルマントのフォルマント形状信号の2つの倍音周波
数が410Hz、630Hz、第3フォルマントのフォ
ルマント中心信号の周波数が870Hz、第3フォルマ
ントのフォルマント形状信号の2つの倍音周波数が75
0Hz、990Hzとする。
【0251】すると、各フォルマントのフォルマント中
心信号の周波数の値が1:2.6:4.35となり、各
フォルマントのフォルマント形状信号の各倍音の各周波
数の差(間隔)の値が1:1.1:1.2となる。この
場合の音高情報すなわち周波数ナンバデータFNは、2
00Hzに応じた値となる。そして、周波数ナンバデー
タFN(音高情報)が変化すると、これに連動して、各
フォルマント中心信号の周波数、各フォルマント形状信
号の倍音周波数が連動して変化する。この場合、上記
1:2.6:4.35、1:1.1:1.2の比率は変
化しない。しかし、周波数フォルマント調和度データH
fj(t)または全体フォルマント調和度データHwj
(t)の値が変化すると、上記比率は変化する。
【0252】なお、上記各フォルマント中心信号の周波
数の値、上記各フォルマント形状信号の2つの倍音周波
数の値は一例であり、他の値、他の比率であってもよい
し、各フォルマント形状信号の倍音の数も2つを越える
数でもよい。
【0253】これに対し、上記全体フォルマント調和度
データHwj(t)の値を「0」にすると、図36
(b)に示すように、フォルマントキャリアパラメータ
ωcj(t)の値は全フォルマントにつき同じ値とな
り、各フォルマントの各倍音の各周波数成分の密度も同
じとなる。これにより、各フォルマントの各周波数成分
の周波数の対比値すなわち各フォルマントの各周波数成
分の密度を変化させて、楽音の各周波数の調和度を制御
することができる。この周波数フォルマント調和度デー
タHfj(t)は、各フォルマントキャリアパラメータ
ωcj(t)の値が1倍、2倍、3倍、4倍…となるよ
うな値であってもよい。
【0254】また、周波数ナンバデータFN(音高情
報)によって、フォルマント密度パラメータωfj
(t)の値が決定されるので、各フォルマントの各周波
数成分の密度が楽音の音高に応じてシフトされ、音高に
応じたフォルマント制御を行うことができる。
【0255】上述したように、上記マルチプライヤ91
に供給される周波数ナンバデータFN(音高情報)は、
フォルマント密度パラメータωfj(t)またはフォル
マントキャリアパラメータωcj(t)に置き換えるこ
とができる。この置き換えられたフォルマントキャリア
パラメータωcj(t)によって、フォルマント密度パ
ラメータωfj(t)の値が決定されるので、各フォル
マントの各周波数成分の密度が楽音の音高に応じてシフ
トされ、フォルマントキャリア信号Gj(t)の周波数
に応じたフォルマント制御を行うことができる。
【0256】また、このフォルマント密度パラメータω
fj(t)の置き換えにより、フォルマント密度パラメ
ータωfj(t)自身が種々のファクタによって制御、
修正、変更されて出力されることになる。
【0257】さらに、上述したように、上記周波数非調
和テーブル93に供給されるフォルマント密度パラメー
タωfj(t)は、周波数ナンバデータFN(音高情
報)に置き換えることができる。この置き換えられた周
波数ナンバデータFNによって、周波数フォルマント調
和度データHfj(t)の値が決定されるので、フォル
マント形状信号Fj(t)のフォルマントの各周波数成
分のそれぞれの周波数の対比値が、楽音の音高によって
制御されることができる。
【0258】この調和度制御回路90における処理、調
和度の制御は、各周波数ナンバデータFN、各フォルマ
ントキャリアパラメータωcj(t)(各フォルマント
密度パラメータωfj(t))につき時分割に行われ
る。この周波数ナンバデータFN、フォルマント密度パ
ラメータωfj(t)、フォルマントキャリアパラメー
タωcj(t)は図26のアサインメントメモリ213
に記憶される。
【0259】この場合、図26のアサインメントメモリ
213の周波数ナンバデータFN、フォルマント密度パ
ラメータωfj(t)、フォルマントキャリアパラメー
タωcj(t)、リピートトップデータTa、リピート
エンドデータEa及び各データSP、O、Min等は、
1つの楽音について複数組または1組であり、複数組の
場合、この複数と同じ数だけ各チャンネルメモリエリア
に同時に書き込まれる。
【0260】この複数組の場合、各組における周波数ナ
ンバデータFN、フォルマント密度パラメータωfj
(t)、フォルマントキャリアパラメータωcj
(t)、リピートトップデータTa、リピートエンドデ
ータEaまたは各データSP、O、Min等のいずれか
は、同じ値として、1つの楽音の各フォルマントのフォ
ルマント形状信号Ffj(t)、Fj(t)の種類、振
幅またはフォルマント密度、フォルマント中心信号Gj
(t)の周波数または振幅などのいずれかが同じであっ
てもよい。
【0261】なお、図34の調和度制御回路90におい
ては、マルチプライヤ91及びアダー92が省略され
て、マルチプライヤ94からの出力がフォルマントキャ
リアパラメータωcj(t)として出力されたり、アダ
ー92が省略されてマルチプライヤ91からの出力がフ
ォルマントキャリアパラメータωcj(t)として出力
されたりしてもよい。また、シフトレジスタ96及びマ
ルチプライヤ91が省略されて、周波数ナンバデータF
Nが直接アダー92に供給されたり、シフトレジスタ9
5及びマルチプライヤ94が省略されて、周波数非調和
テーブル93からの周波数フォルマント調和度データH
fj(t)が直接アダー92に供給されたり、周波数非
調和テーブル93及びマルチプライヤ94が省略され
て、シフトレジスタ95からの全体フォルマント調和度
データHwj(t)が直接アダー92に供給されたりし
てもよい。さらのマルチプライヤ91、94、アダー9
2における各データの合成は、1つの多入力マルチプラ
イヤまたは1つの多入力アダー等によって一括して行う
こともできる。
【0262】26.フォルマント中心テーブル214 図38はプログラム/データ記憶部21のフォルマント
中心テーブル214を示す。このフォルマント中心テー
ブル214と上述のフォルマント形状テーブル212と
は、演奏情報発生部10のパネルスイッチ群の操作者に
よる選択操作により、いずれかが選択使用されることが
できる。このフォルマント中心テーブル214には、上
述したフォルマントキャリアパラメータωcj(t)の
対比データが上記音楽的ファクタごと及び発音開始から
の経過時間、エンベロープレベルまたはエンベロープフ
ェーズごとに種々の値で記憶されている。
【0263】このフォルマント中心テーブル214に
は、このフォルマントキャリアパラメータωcj(t)
の対比データのほか、上記フォルマント密度パラメータ
ωfj(t)、リピートトップデータTa、リピートエ
ンドデータEa、スピードデータSP、目標データO、
ミニデータMinも各音楽的ファクタごと及び発音開始
からの経過時間、エンベロープレベルまたはエンベロー
プフェーズごとに種々の値で記憶されている。
【0264】これら音楽的ファクタごと及び発音開始か
らの経過時間、エンベロープフェーズ又はエンベロープ
レベルごとの記憶は多層的である。例えば各データは複
数の音色ごとに記憶され、1つの音色のデータは音域ま
たは楽器パートごとに記憶され、1つの音域または楽器
パートのデータはタッチごとに記憶され、1つのタッチ
のデータは発音開始からの経過時間、エンベロープフェ
ーズまたはエンベロープレベル等ごとに記憶され……で
ある。
【0265】上記フォルマントキャリアパラメータωc
j(t)の対比データに基づいて、図36に示されるよ
うに、1つの楽音において同時に形成される複数のフォ
ルマントのフォルマントキャリア信号Gj(t)が生成
される。各フォルマントのうち周波数の一番低いフォル
マントキャリア信号Gj(t)(c1)のフォルマント
キャリアパラメータωcj(t)は、指定音高に応じた
周波数ナンバデータFNと同じ値または応じた値とな
る。従って、1つの楽音の周波数の一番低いフォルマン
トキャリア信号Gj(t)(c1)のフォルマントキャ
リアパラメータωcj(t)の対比データは「1」とな
るか、または記憶されない。
【0266】他のフォルマントキャリア信号Gj(t)
(c2、c3、c4…)のフォルマントキャリアパラメ
ータωcj(t)の対比データは、周波数の一番低いフ
ォルマントキャリア信号Gj(t)(c1)に対する他
のフォルマントキャリア信号Gj(t)(c2、c3、
c4…)の対比データとなる。これにより、指定音高に
応じて各フォルマントキャリア信号Gj(t)の周波数
を決定することができる。
【0267】上記フォルマントキャリアパラメータωc
j(t)の対比データは、この音楽的ファクタ及び発音
開始からの経過時間、エンベロープレベルまたはエンベ
ロープフェーズごとに、値(周波数)または数が変化し
ている。これにより、複数のフォルマントキャリア信号
Gj(t)の周波数または数が、この音楽的ファクタ等
に応じて制御される。このフォルマントキャリア信号G
j(t)の数が変化すると1つの楽音に割り当てられる
チャンネルの数もこれに応じて変化する。この場合、周
波数の一番低いフォルマントキャリア信号Gj(t)
(c1)についてのみ、対比データの値を一定または無
しとして、上記値(周波数)または数の変化を禁止する
こともできる。
【0268】また、スピードデータSP、目標データ
O、ミニデータMinも、この音楽的ファクタ及び発音
開始からの経過時間、エンベロープレベルまたはエンベ
ロープフェーズごとに、値が変化している。これによ
り、これらデータSP、O、Minによって演算され
る、複数のフォルマントキャリア信号Gj(t)の振幅
aj(t)も、この音楽的ファクタ等に応じて制御され
る。この場合、周波数の一番低いフォルマントキャリア
信号Gj(t)(c1)についてのみ、値を一定とし
て、上記振幅aj(t)の変化を禁止することもでき
る。
【0269】これらのパラメータωcj(t)の対比デ
ータ、ωfj(t)、データTa、Ea、SP、O、M
inの選択切り換えは、操作者によって演奏情報発生部
10のパネルスイッチ群から入力されて指定もされる。
この場合、この選択切り換えに応じて、対応するパラメ
ータ、データがこのフォルマント中心テーブル214に
書き込まれる。これら各音楽的ファクタ、発音開始から
の経過時間、エンベロープフェーズ又はエンベロープレ
ベルの変化に応じて生成される1つの楽音についてのフ
ォルマントキャリア信号Gj(t)の周波数または数も
変化される。
【0270】この音楽的ファクタは上述したように演奏
情報発生部10より入力され、発音開始からの経過時間
は上述したようにフォルマント制御パラメータVal
j、累算フォルマント密度パラメータΣωfj(t)、
累算フォルマントキャリアパラメータΣωcj(t)ま
たはタイムカウントデータが使われ、エンベロープレベ
ルデータは上記フォルマント制御パラメータaj(t)
が使われ、エンベロープフェーズは上記リクエストデー
タReqのカウント数に基づく。
【0271】これらフォルマントキャリアパラメータω
cj(t)の対比データ、フォルマント密度パラメータ
ωfj(t)、リピートトップデータTa、リピートエ
ンドデータEa及び各データSP、O、Minは対応す
るものが決定されて読み出されアサイメントメモリ21
3の割当チャンネルに応じたチャンネルメモリエリアに
コントローラ20によって書き込まれる。
【0272】この書き込まれた各データのうち、データ
SP、O、Minはフォルマント制御パラメータ発生部
40へ送られ、リピートトップデータTa、フォルマン
ト密度パラメータωfj(t)及びリピートエンドデー
タEaはフォルマント形状波形発生部50へ送られ、フ
ォルマントキャリアパラメータωcj(t)の対比デー
タは、指定音高に応じた周波数ナンバデータFNが乗算
されてフォルマントキャリアパラメータωcj(t)が
求められ、フォルマント波形制御部60へ送られて、合
成フォルマントの数、形状が変えられる。
【0273】この送付は、コントローラ20によって対
応するチャンネルタイミングごとに行われる。この送付
方法は、例えば特願平1−42298号、特願平1−3
05818号、特願平1−312175号、特願平2−
2089178号、特願平2−409577号、特願平
2−409578号の各明細書に示された方法が使われ
る。
【0274】なお、このフォルマント中心テーブル21
4には、さらに上述のフォルマント制御パラメータcj
(t)、dj(t)であって固定値のものも音楽的ファ
クタ、発音開始からの経過時間、エンベロープフェーズ
またはエンベロープレベルごとにまたは上記フォルマン
トキャリアパラメータωcj(t)、フォルマント密度
パラメータωfj(t)、リピートトップデータTa及
びリピートエンドデータEaに対応して記憶可能であ
る。また、上記パラメータωcj(t)、ωfj
(t)、データTa、Ea、SP、O、Minによっ
て、図5のフォルマント制御パラメータ発生部40、図
10または図28のフォルマント形状波形発生部50
で、上述のようにして発生されたフォルマントキャリア
信号Gj(t)とフォルマント形状信号Fj(t)と
は、上述したように、図15、図19、図20、図2
1、図24、図29、図30または図32の回路で合成
される。
【0275】上記フォルマントキャリアパラメータωc
j(t)の対比データそれぞれに対し、フォルマント密
度パラメータωfj(t)は異なっていてもまたは同じ
で単一でもよいし、リピートトップデータTaまたはリ
ピートエンドデータEaは異なっていてもまたは同じで
単一でもよいし、各データSP、O、Minは異なって
いてもまたは同じで単一でもよい。
【0276】これにより、図36の各フォルマントごと
の各周波数成分の密度、各フォルマントごとのフォルマ
ント形状信号Fj(t)の形状、各フォルマントキャリ
ア信号Gj(t)の振幅またはバイアス、各フォルマン
ト形状信号Fj(t)のバイアスを、それぞれ異なるよ
うに制御したり同じように同期して制御したりすること
ができる。
【0277】上記音楽的ファクタ等ごとに記憶されるフ
ォルマントキャリアパラメータωcj(t)の対比デー
タ、フォルマント密度パラメータωfj(t)、リピー
トトップデータTa、リピートエンドデータEa、デー
タSP、O、Minは、上記発音開始からの経過時間に
応じたもののみが省略されてもよい。
【0278】この場合、代わりに図15、図19、図2
1、図24、図28のフォルマント波形発生部60また
は重み付け補間回路80の累算フォルマントキャリアパ
ラメータΣωcj(t)またはフォルマントキャリアパ
ラメータωcj(t)、フォルマント制御パラメータa
j(t)、cj(t)、図10の累算フォルマント密度
パラメータΣωfj(t)またはフォルマント密度パラ
メータωfj(t)、フォルマント制御パラメータdj
(t)、スピードデータSPに、上記発音開始からの経
過時間を示すフォルマント制御パラメータValj、累
算フォルマント密度パラメータΣωfj(t)、累算フ
ォルマントキャリアパラメータΣωcj(t)またはタ
イムカウントデータが演算合成されていく。
【0279】この演算合成は、アダーによる加算合成、
マルチプライヤによる乗算合成、データシフタによるビ
ットシフト演算合成、一方のデータが上位となり他方の
データが下位となる演算合成、演算回路による演算式に
基づいた合成等である。
【0280】27.周波数フォルマント調和度データH
fj(t) 図35の曲線(1)は、上述したように、周波数非調和
テーブル93の周波数フォルマント調和度データHfj
(t)の値を示す。この周波数フォルマント調和度デー
タHfj(t)は、フォルマントキャリアパラメータω
cj(t)が下位読み出しアドレスデータとされて、周
波数非調和テーブル93より読み出され、フォルマント
キャリアパラメータωcj(t)が大きくなるほど周波
数フォルマント調和度データHfj(t)も累算的に大
きくなる。しかも、周波数フォルマント調和度データH
fj(t)の値の変化率は、フォルマントキャリアパラ
メータωcj(t)の値の変化率より小さくて異なって
いる。例えば以下のとうりである。
【0281】Hfj(t)=a・ωcj(t)bn (n
=1、2、…、a、b:定数) Hfj(t)=a{exp(b・ωcj(t))−1}
(a、b:定数) なお、周波数フォルマント調和度データHfj(t)
は、フォルマントキャリアパラメータωcj(t)に対
し、図35破線で示されるような特性であってもよい。
曲線(2)では、フォルマントキャリアパラメータωc
j(t)が大きくなるほど周波数フォルマント調和度デ
ータHfj(t)も大きくなり、周波数フォルマント調
和度データHfj(t)の値の変化率は、フォルマント
キャリアパラメータωcj(t)の値の変化率より大き
くて異なっている。
【0282】直線(3)では、フォルマントキャリアパ
ラメータωcj(t)が大きくなるほど周波数フォルマ
ント調和度データHfj(t)も大きくなり、周波数フ
ォルマント調和度データHfj(t)の値の変化率は、
フォルマントキャリアパラメータωcj(t)の値の変
化率と同じである。その他の曲線では、フォルマントキ
ャリアパラメータωcj(t)が大きくなるほど周波数
フォルマント調和度データHfj(t)が小さくなる。
この場合、周波数フォルマント調和度データHfj
(t)の変化の割合は大きくなったり小さくなったり同
じであったりする。
【0283】この周波数非調和テーブル93の周波数フ
ォルマント調和度データHfj(t)は、上記音楽的フ
ァクタごと及び発音開始からの経過時間、エンベロープ
レベルまたはエンベロープフェーズごとに多層的に記憶
されている。例えば、周波数フォルマント調和度データ
Hfj(t)は、複数の音色ごとに記憶され、1つの音
色のデータHfj(t)は音域または楽器パートごとに
記憶され、1つの音域または楽器パートごとのデータH
fj(t)はタッチごとに記憶され、1つのタッチごと
のデータは発音開始からの経過時間、エンベロープフェ
ーズまたはエンベロープレベル等ごとに記憶され…であ
る。
【0284】この音楽的ファクタは上述したように演奏
情報発生部10より出力され、発音開始からの経過時間
は上述したようにフォルマント制御パラメータValj
(場合によっては累算フォルマント密度パラメータΣω
fj(t)または累算フォルマントキャリアパラメータ
Σωcj(t))またはタイムカウントデータが使わ
れ、エンベロープレベルデータは上記フォルマント制御
パラメータalj(t)が使われ、エンベロープフェー
ズは上記リクエストデータReqのカウント数に基づ
く。
【0285】これら音楽的ファクタ等のデータは、上記
周波数非調和テーブル93に上位読み出しアドレスデー
タとして供給される。また、このような音楽的ファクタ
等ごとの周波数フォルマント調和度データHfj(t)
は、操作者によって演奏情報発生部10のパネルスイッ
チ群から入力された選択データ(上位読み出しアドレス
データ)によっても選択読み出しされる。
【0286】28.全体フォルマント調和度データHw
j(t) 図39はプログラム/データ記憶部21のフォルマント
調和テーブル215の上記全体フォルマント調和度デー
タHwj(t)を示す。この全体フォルマント調和度デ
ータHwj(t)は、例えば「0」〜「1」の間の値を
とり、上記周波数フォルマント調和度データHfj
(t)にマルチプライヤ94で乗算される。これによ
り、周波数フォルマント調和度データHfj(t)の値
が重み付けされて出力され、全体フォルマント調和度デ
ータHwj(t)が「0」のときは、周波数フォルマン
ト調和度データHfj(t)も「0」となる。
【0287】この全体フォルマント調和度データHwj
(t)は、上記フォルマント調和テーブル215に上記
音楽的ファクタごと及び発音開始からの経過時間、エン
ベロープレベルまたはエンベロープフェーズごとに多層
的に記憶されている。例えば、全体フォルマント調和度
データHwj(t)は、複数の音色ごとに記憶され、1
つの音色のデータHwj(t)は音域または楽器パート
ごとに記憶され、1つの音域または楽器パートごとのデ
ータHwj(t)はタッチごとに記憶され、1つのタッ
チごとのデータは発音開始からの経過時間、エンベロー
プフェーズまたはエンベロープレベル等ごとに記憶され
…である。
【0288】この音楽的ファクタは上述したように演奏
情報発生部10より出力され、発音開始からの経過時間
は上述したようにフォルマント制御パラメータValj
(場合によっては累算フォルマント密度パラメータΣω
fj(t)または累算フォルマントキャリアパラメータ
Σωcj(t))またはタイムカウントデータが使わ
れ、エンベロープレベルデータは上記フォルマント制御
パラメータalj(t)が使われ、エンベロープフェー
ズは上記リクエストデータReqのカウント数に基づ
く。
【0289】これら音楽的ファクタ等のデータは、上記
フォルマント調和テーブル215に読み出しアドレスデ
ータとして供給される。また、このような音楽的ファク
タ等ごとの全体フォルマント調和度データHwj(t)
は、操作者によって演奏情報発生部10のパネルスイッ
チ群から入力された選択データ(読み出しアドレスデー
タ)によっても選択読み出しされる。
【0290】なお、この全体フォルマント調和度データ
Hwj(t)の値は、「0」〜「1」の値以外の値、例
えば「0」〜「2」、「0」〜「10」、「0」〜「1
/10」、「0」〜「−1」、「0」〜「−10」…等
の値でもよい。
【0291】29.サンプリング修正データSfj
(t) 上記サンプリング修正データSfj(t)は、フォルマ
ント形状波形メモリ53にサンプリング記憶されたフォ
ルマント形状信号Ffj(t)のフォルマントの各周波
数成分の密度を修正する。例えば、フォルマント形状信
号Ffj(t)が周波数fsのサンプリング信号によっ
てサンプリング記憶され、このサンプリング記憶された
フォルマント形状信号Ffj(t)が周波数fa(f
s、1/2fs、3fs…)でインクリメントされるア
ドレスデータで読み出されると、この読み出されたフォ
ルマント形状信号Ffj(t)のフォルマントの各周波
数成分の各差は、fs、1/2fs、3fs…となる。
【0292】また、逆に、読み出しアドレスデータのイ
ンクリメント速度が周波数fa=fsで、フォルマント
形状信号Ffj(t)の書き込みサンプリング信号の周
波数がfs、2fs、1/3fs…であれば、読み出さ
れるフォルマント形状信号Ffj(t)のフォルマント
の各周波数成分の各差は、fs、1/2fs、3fs…
となる。一方、読み出しアドレスデータのインクリメン
ト速度は、上記フォルマント密度パラメータωfj
(t)の値とフォルマント密度パラメータωfj(t)
の累算速度すなわち装置のシステムクロック周波数の値
とによって決定される。
【0293】従って、フォルマント形状信号Ffj
(t)の書き込みサンプリング信号の周波数fsが変化
すれば、これに応じてフォルマント密度パラメータωf
j(t)の値を修正する必要がある。
【0294】これが上記サンプリング修正データSfj
(t)である。上記フォルマント密度パラメータωfj
(t)の値が、ある基準となる記憶サンプリング周波数
fs1に基づいて決定され、これに応じてフォルマント
形状信号Ffj(t)が記憶されていれば、実際の記憶
サンプリング周波数が“fs2”のとき、サンプリング
修正データSfj(t)は対比データfs1/fs2と
なる。
【0295】これにより、フォルマント形状信号Ffj
(t)を任意の周波数のサンプリング信号によってサン
プリング記憶することができる。このサンプリング記憶
にあたっては、公知のサンプリング記憶システムが用い
られ、上記フォルマント形状波形メモリ53にフォルマ
ント形状信号Ffj(t)がサンプリング記憶される。
【0296】このサンプリング修正データSfj(t)
は、上記フォルマント形状波形メモリ53より読み出さ
れるフォルマント形状信号Ffj(t)に対応したもの
が、サンプリング修正テーブル216からコントローラ
20によって読み出され、上記シフトレジスタ96にセ
ットされる。
【0297】このサンプリング修正データSfj(t)
は、フォルマント形状信号Ffj(t)の記憶サンプリ
ング周波数fsが、上記音楽的ファクタごと、発音開始
からの経過時間、エンベロープレベルまたはエンベロー
プフェーズごとに異なれば、これに応じて値も異なる。
なお、全てのフォルマント形状信号Ffj(t)の記憶
サンプリング周波数fsが一定のときは、サンプリング
修正データSfj(t)及びマルチプライヤ91は省略
することができる。
【0298】上記サンプリング修正データSfj(t)
は、図40に示すように、プログラム/データ記憶部2
1のサンプリング修正テーブル216に上記音楽的ファ
クタごと及び発音開始からの経過時間、エンベロープレ
ベルまたはエンベロープフェーズごとに多層的に記憶す
ることができる。例えば、サンプリング修正データSf
j(t)は、複数の音色ごとに記憶され、1つの音色の
データSfj(t)は音域または楽器パートごとに記憶
され、1つの音域または楽器パートごとのデータSfj
(t)はタッチごとに記憶され、1つのタッチごとのデ
ータSfj(t)は発音開始からの経過時間、エンベロ
ープフェーズまたはエンベロープレベル等ごとに記憶さ
れ…である。
【0299】この音楽的ファクタは上述したように演奏
情報発生部10より出力され、発音開始からの経過時間
は上述したようにフォルマント制御パラメータValj
(場合によっては累算フォルマント密度パラメータΣω
fj(t)または累算フォルマントキャリアパラメータ
Σωcj(t))またはタイムカウントデータが使わ
れ、エンベロープレベルデータは上記フォルマント制御
パラメータalj(t)が使われ、エンベロープフェー
ズは上記リクエストデータReqのカウント数に基づ
く。
【0300】これら音楽的ファクタ等のデータは、上記
サンプリング修正テーブル216に読み出しアドレスデ
ータとして供給される。また、このような音楽的ファク
タ等ごとのサンプリング修正データSfj(t)は、操
作者によって演奏情報発生部10のパネルスイッチ群か
ら入力された選択データ(読み出しアドレスデータ)に
よっても選択読み出しされる。
【0301】なお、上記サンプリング修正データSfj
(t)は対差データ(fs1−fs2)とし、フォルマ
ント密度パラメータωfj(t)にサンプリング修正デ
ータSfj(t)を上記乗算修正ではなく、加算修正し
てもよい。この場合、上記マルチプライヤ91はアダー
となる。また、このサンプリング修正データSfj
(t)はフォルマントキャリアパラメータωcj(t)
(周波数ナンバデータFN)に対し修正を行って上記周
波数非調和テーブル93に供給されることもできる。こ
の場合、周波数非調和テーブル93の前にマルチプライ
ヤ91または上記アダーが設けられ、サンプリング修正
データSfj(t)の値自体も変化する。
【0302】さらに、上記アダー92におけるフォルマ
ント調和度データHj(t)と周波数ナンバデータFN
(フォルマントキャリアパラメータωcj(t)、フォ
ルマント密度パラメータωfj(t))との合成は、マ
ルチプライヤによる乗算合成、データシフタによるビッ
トシフト演算合成、一方のデータが上位となり他方のデ
ータが下位となる演算合成等でもよい。
【0303】また、上記周波数フォルマント調和度デー
タHfj(t)または全体フォルマント調和度データH
wj(t)は、上述の音楽的ファクタ、発音開始からの
経過時間等々を示すフォルマント制御パラメータVal
j等々を演算(乗算、加算、ビットシフト演算等)処理
して求めたり、上述の演算式に基づく演算回路での演算
で求めてもよい。この周波数フォルマント調和度データ
Hfj(t)と全体フォルマント調和度データHwj
(t)との合成は、アダーによる加算合成、データシフ
タによるビットシフト演算合成、一方のデータが上位と
なり他方のデータが下位となる演算合成等でもよい。
【0304】さらに、この周波数フォルマント調和度デ
ータHfj(t)と全体フォルマント調和度データHw
j(t)とは、いずれか一方を省略することもできる
し、周波数非調和テーブル93の読み出しアドレスデー
タはフォルマントキャリアパラメータωcj(t)また
は音楽的ファクタ等に基づいたパラメータValj等の
いずれか一方のみとすることもできる。
【0305】また、この周波数フォルマント調和度デー
タHfj(t)、全体フォルマント調和度データHwj
(t)及びサンプリング修正データSfj(t)を演算
合成した値がテーブルに記憶され、上記音楽的ファクタ
等を示すパラメータValj等、フォルマント密度パラ
メータωfj(t)及びフォルマントキャリアパラメー
タωcj(t)が、読み出しアドレスデータとして読み
出されてもよい。
【0306】さらに、この周波数フォルマント調和度デ
ータHfj(t)及び全体フォルマント調和度データH
wj(t)は、上記音楽的ファクタごと及び発音開始か
らの経過時間、エンベロープレベルまたはエンベロープ
フェーズごとに多層的ではなく、個別に記憶され、音楽
的ファクタ等に応じた各周波数フォルマント調和度デー
タHfj(t)及び全体フォルマント調和度データHw
j(t)が読み出され、加算合成、乗算合成、データシ
フタによるビットシフト演算合成、一方のデータが上位
となり他方のデータが下位となる演算合成がなされても
よい。
【0307】本発明は上記実施例に限定されず、本発明
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例え
ば、周波数変調を行うこともできる。この場合、あるフ
ォルマント制御パラメータValjを図15のフォルマ
ント波形発生部60の累算フォルマントキャリアパラメ
ータΣωcj(t)(Σωcjk(t))に演算すれば
よい。この演算は、乗算、加算、除算、減算、他の相加
的演算、他の相乗的演算、一方のデータによる他方のデ
ータのビットシフト演算、一方のデータが上位となり他
方のデータのデータが下位となる演算、演算式に基づく
演算回路での演算等である。
【0308】これにより、フォルマントキャリア信号c
osωcj(t)、Gj(t)全体ばかりでなく、フォ
ルマントキャリア信号cosωcj(t)、Gj(t)
の各成分波形cosωcjk(t)ごとにも周波数変調
が可能となる。このとき、上記フォルマント制御パラメ
ータValjを図10のフォルマント形状波形発生部5
0の累算フォルマント密度パラメータΣωfj(t)に
乗算又は加算してもよい。そうすれば、周波数変調に応
じてフォルマント密度を微妙に変化させ、音色を変える
ことができる。
【0309】フォルマント形状波形メモリ53のフォル
マント形状信号Ffj(t)を読み出す累算フォルマン
ト密度パラメータΣωfj(t)を、音高等に応じた累
算フォルマントキャリアパラメータΣωcj(t)に置
き換えてもよい。この場合、位相演算部51にはフォル
マント密度パラメータωfj(t)の代わりに、フォル
マントキャリアパラメータωcj(t)が送られる。
【0310】また、1つの発音指示または1つの音高に
対し、複数の時分割チャンネルに同時に複数の楽音が割
り当てられてもよい。この複数の楽音は、音像定位を形
成するため左右の楽音波形データ音、基本波部分の楽音
と高調波部分の楽音及び楽音の発音開始から発音終了ま
でのうちの立ち上がり部分の楽音、途中部分の楽音並び
に減衰部分の楽音等でもよい。この場合、割当される楽
音のフォルマント形状信号Ffj(t)であって、フォ
ルマント形状波形メモリ53から読み出されるフォルマ
ント形状信号Ffj(t)の組み合わせは、音色、タッ
チ、音域などの上記音楽的ファクタに応じて切換選択さ
れる。そして、このフォルマント形状信号Fj(t)に
フォルマントキャリア信号cosωcj(t)、Gfj
(t)を乗算合成せず、フォルマント密度パラメータω
fj(t)を指定音高に応じたものとし、直接フォルマ
ント形状信号Fj(t)を楽音として出力することもで
きる。
【0311】上述のフォルマント制御パラメータVal
j(ωfj(t)、ωcj(t)、aj(t)、cj
(t)、ωcjk(t)、ajk(t)、dj
(t))、ωcjk(t)、ajk(t)及びcj
(t)は、特願平4−230136号明細書記載のゆら
ぎデータメモリ21からのゆらぎデータSWを使用した
り、特願平4−346063号明細書記載の周波数変調
データFM1〜3、SFM、振幅変調データAM1〜
3、SAMを使用してもよい。
【0312】上述のパラメータ記憶部41(パラメータ
メモリ411)、フォルマント密度記憶部52(フォル
マント密度メモリ523)及びフォルマント形状波形メ
モリ53は、1つまたは2つのメモリに合体し、各デー
タを時分割に読み出し/書き込みしてもよい。この合体
メモリには、上述の位相シフトレジスタ61、三角関数
テーブル63、累算メモリ74、系列メモリ71、プロ
グラム/データ記憶部21なども含めることもできる。
上述のすべての加算、相加的合成はバイアス付加を意味
し、上述のすべての乗算、相乗的合成は重み付けを意味
する。
【0313】上記フォルマント形状波形メモリ53に記
憶されるフォルマント形状信号Ffj(t)またはフォ
ルマント波形制御部60に記憶されるフォルマントキャ
リア信号Gj(t)は、時間的部分楽音、エンベロープ
部分楽音、周波数帯域的部分楽音であってもよい。時間
的部分楽音は、1つの楽音を、立上がり、立上がり以
降、減衰に分けた各部分楽音であり、エンベロープ部分
楽音は、1つの楽音を、アタック、ディケイ、サスティ
ン、リリースに分けた各部分楽音であり、周波数帯域的
部分楽音は、1つの楽音を、低域、中域、高域に分けた
各部分楽音であり、各楽音は互いに一部重なっているこ
とも可能である。
【0314】この場合、時間的部分楽音は、上記発音開
始からの経過時間に基づいて、読み出し開始時が決定さ
れる。エンベロープ部分楽音は、上記エンベロープフェ
ーズに基づいて、読み出し開始時が決定される。周波数
帯域的部分楽音は、上記エンベロープレベルまたは音楽
的ファクタに基づいて、読み出し開始時が決定される。
【0315】また、上述の乗算器による乗算処理または
相乗的処理は、加算処理または相加的処理とすることも
できる。この場合、乗算される信号、データまたはパラ
メータが対数変換器で変換され、またはこの信号、デー
タまたはパラメータが発生時点から対数値とされ、アダ
ーで加算されて、この後、指数変換器で逆変換される。
【0316】上記音楽的ファクタ等ごとに記憶される各
パラメータωcj(t)、ωcjk(t)、ωfj
(t)、データTa、Ea、SP、O、Min、aj
(t)、cj(t)、開成信号群EN、ノーオペレーシ
ョン−0、フォルマント信号Gj(t)、Fj(t)、
周波数フォルマント調和度データHfj(t)、全体フ
ォルマント調和度データHwj(t)、サンプリング修
正データSfj(t)は、上記発音開始からの経過時間
に応じたもののみが省略されてもよい。
【0317】代わりに図15、図19、図21、図2
4、図28のフォルマント波形発生部60または重み付
け補間回路80の累算フォルマントキャリアパラメータ
Σωcj(t)(Σωcjk(t))またはフォルマン
トキャリアパラメータωcj(t)(ωcjk(t))
(対比データ)、フォルマント制御パラメータaj
(t)、cj(t)(ajk(t)、cjk(t))、
図10の累算フォルマント密度パラメータΣωfj
(t)(Σωfjk(t))またはフォルマント密度パ
ラメータωfj(t)(ωfjk(t))、フォルマン
ト制御パラメータdj(t)(djk(t))、スピー
ドデータSPに、上記発音開始からの経過時間を示すフ
ォルマント制御パラメータValj、累算フォルマント
密度パラメータΣωfj(t)、累算フォルマントキャ
リアパラメータΣωcj(t)またはタイムカウントデ
ータが演算合成されていく。
【0318】また、発音開始時のパラメータωcj
(t)、ωfj(t)、aj(t)、cj(t)、(ω
cjk(t)、ajk(t)、dj(t))、ωcjk
(t)、ajk(t)及びcj(t)、データTa、E
a、SP、O、Min等の値を記憶しておき、発音開始
からの時間経過後は、このパラメータωcj(t)等の
値に上記発音開始からの経過時間を示すデータまたはエ
ンベロープレベルデータが演算合成されてもよい。この
演算合成は、アダーによる加算合成、マルチプライヤに
よる乗算合成、データシフタによるビットシフト演算合
成、一方のデータが上位となり他方のデータが下位とな
る演算合成、演算回路による演算式に基づいた合成等で
ある。
【0319】この場合、発音開始からの経過時間を示す
データまたはエンベロープレベルデータが変換された、
重み付けデータが演算合成されてもよい。この変換は、
テーブルに記憶された重み付けデータがアドレスである
発音経過時間またはエンベロープレベルデータによって
読み出されたり、発音経過時間またはエンベロープレベ
ルデータが重み付けデータに変換演算されたりする。こ
の重み付けデータは、一定または変化、プラスまたはマ
イナス、いずれの値もとる。
【0320】さらに、上記音楽的ファクタ等ごとに記憶
される各パラメータωcj(t)等は、代表的な値のみ
記憶し、他の値については、この代表的な値に対する対
比データまたは対差データを記憶して、読み出し時に上
記代表的な値に対比データまたは対差データを演算して
もよい。
【0321】上記アサインメントメモリ213の各チャ
ンネルメモリエリアには、図26に示されるデータ以外
の上述したデータ、パラメータ、各種音楽的ファクタ、
発音経過時間も記憶可能であり、これらのデータは、各
チャンネルタイミングごとにコントローラ20などによ
って読み出され送り出される。この場合、各音楽的ファ
クタ、発音経過時間は、各テーブル212、214、2
15、216…で変換されて送り出される。本発明の実
施の態様は次の通りである。 [A]楽音の特定フォル
マントの各周波数成分を合成した波形のフォルマント形
状信号を発生するフォルマント形状信号発生手段と、
このフォルマント形状信号発生手段によって発生される
フォルマント形状信号に合成されるフォルマント中心信
号を1つの楽音について複数発生するフォルマント中心
信号発生手段と、 このフォルマント中心信号発生手段
から発生される各フォルマント中心信号の周波数情報を
発生するフォルマント中心周波数情報発生手段と、 こ
のフォルマント中心周波数情報発生手段から発生された
各フォルマント中心周波数情報に基づいて、上記フォル
マント形状信号発生手段から発生されるフォルマント形
状信号のフォルマントの各周波数成分のそれぞれの周波
数の対比値を決定するフォルマント調和度情報を発生す
るものであって、この各フォルマント調和度情報の値の
変化率は、上記各フォルマント中心周波数情報の値の変
化率に対して異なるものである、フォルマント調和度情
報発生手段と、 このフォルマント調和度情報発生手段
から発生された各フォルマント調和度情報を、上記フォ
ルマント形状信号発生手段から発生されるフォルマント
形状信号のフォルマントの周波数成分の密度を示すフォ
ルマント密度情報として発生し、このフォルマント密度
情報に基づいて、上記フォルマント形状信号発生手段よ
り発生されるフォルマント形状信号のフォルマントの各
周波数成分の密度を制御するフォルマント密度制御手段
と、 このフォルマント密度制御手段によって制御さ
れ、かつ上記フォルマント形状信号発生手段によって発
生されたフォルマント形状信号と、上記フォルマント中
心信号発生手段によって発生されたフォルマント中心信
号とを合成する合成手段とを備えたことを特徴とする楽
音生成装置。 [B]上記各フォルマント調和度情報すなわち各フォル
マント密度情報の値の変化率は、上記各フォルマント中
心周波数情報の値の変化率に対して小さい若しくは大き
い、または上記各フォルマント調和度情報すなわち各フ
ォルマント密度情報の値は、上記各フォルマント中心周
波数情報の値に対して、エクスポーネンシャルの関係に
あることを特徴とする請求項A記載の楽音生成装置。 [C]上記楽音生成装置は、上記楽音の音高を示す音高
情報に基づいて上記フォルマント密度情報を発生するフ
ォルマント密度情報発生手段をさらに有し、上記フォル
マント密度制御手段は、このフォルマント密度情報発生
手段から発生されたフォルマント密度情報に、上記フォ
ルマント調和度情報発生手段から発生されたフォルマン
ト調和度情報を合成することを特徴とする請求項A記載
の楽音生成装置。 [D]上記楽音生成装置は、上記フォルマント中心周波
数情報発生手段から発生されたフォルマント中心周波数
情報に基づいて上記フォルマント密度情報を発生するフ
ォルマント密度情報発生手段をさらに有し、上記フォル
マント密度制御手段は、このフォルマント密度情報発生
手段から発生されたフォルマント密度情報に、上記フォ
ルマント調和度情報発生手段から発生されたフォルマン
ト調和度情報を合成することを特徴とする請求項A記載
の楽音生成装置。 [E]楽音の特定フォルマントの各周波数成分を合成し
た波形のフォルマント形状信号を発生するフォルマント
形状信号発生手段と、 このフォルマント形状信号発生
手段から発生されるフォルマント形状信号のフォルマン
トの各周波数成分の密度を示すフォルマント密度情報を
発生するフォルマント密度情報発生手段と、 上記フォ
ルマント形状信号発生手段から発生されるフォルマント
形状信号のフォルマントの各周波数成分のそれぞれの周
波数の対比値を決定するフォルマント調和度情報を発生
するフォルマント調和度情報発生手段と、 このフォル
マント調和度情報発生手段から発生されたフォルマント
調和度情報を、上記フォルマント密度情報発生手段から
発生されたフォルマント密度情報に合成するフォルマン
ト密度情報合成手段と、 このフォルマント密度情報合
成手段によって合成されたフォルマント密度情報に基づ
いて、上記フォルマント形状信号発生手段より発生され
るフォルマント形状信号のフォルマントの各周波数成分
の密度を制御するフォルマント密度制御手段と、 上記
フォルマント形状信号発生手段によって発生されるフォ
ルマント形状信号に合成されるフォルマント中心信号を
発生するフォルマント中心信号発生手段と、 このフォ
ルマント中心信号発生手段によって発生されたフォルマ
ント中心信号と、上記フォルマント密度制御手段によっ
て制御され、かつ上記フォルマント形状信号発生手段に
よって発生されたフォルマント形状信号とを合成する合
成手段とを備えたことを特徴とする楽音生成装置。 [F]上記フォルマント調和度情報は、上記フォルマン
ト形状信号のフォルマントの各周波数成分の各周波数値
それぞれが整数倍また非整数倍であることを決定する情
報である請求項AまたはE記載の楽音生成装置。
[G]上記フォルマント形状信号発生手段は、複数のフ
ォルマント形状信号を発生することができ、指定された
音楽的ファクタに応じて対応するフォルマント形状信号
を発生することを特徴とする請求項AまたはE記載の楽
音生成装置。 [H]上記フォルマント調和度情報は、
音楽的ファクタに応じて変化することを特徴とする請求
項AまたはE記載の楽音生成装置。 [I]上記フォルマント調和度情報は、発音開始からの
時間の経過にしたがって変化することを特徴とする請求
項AまたはE記載の楽音生成装置。 [J]上記フォル
マント形状信号発生手段は複数のフォルマント形状信号
を発生し、上記フォルマント中心信号発生手段は複数の
フォルマント中心信号を発生し、上記合成手段は、これ
ら複数のフォルマント形状信号とフォルマント中心信号
とをそれぞれ合成し、1つの楽音として出力することを
特徴とする請求項AまたはE記載の楽音生成装置。
[K]上記フォルマント密度情報発生手段は複数のフォ
ルマント密度情報を発生し、または上記フォルマント密
度制御手段は複数のフォルマント調和度情報を発生する
ことを特徴とする請求項J記載の楽音生成装置。 [L]上記フォルマント調和度情報の値は、操作者によ
って設定されることを特徴とする請求項AまたはE記載
の楽音生成装置。 [M]上記フォルマント調和度情報
の値は、上記フォルマント中心信号の周波数情報の値に
応じて変化することを特徴とする請求項A記載の楽音生
成装置。 [N]上記フォルマント調和度情報の値は、
重み付け手段からの重み付けデータによって重み付けさ
れることを特徴とする請求項A、C、DまたはE記載の
楽音生成装置。 [O]楽音の特定フォルマントの各周波数成分を合成し
た波形のフォルマント形状信号を記憶するフォルマント
形状信号記憶手段と、 このフォルマント形状信号記憶
手段に記憶されたフォルマント形状信号を読み出すフォ
ルマント形状信号読み出し手段と、 上記フォルマント
形状信号読み出し手段によって読み出されるフォルマン
ト形状信号に合成されるフォルマント中心信号を発生す
るフォルマント中心信号発生手段と、 このフォルマン
ト中心信号発生手段によって発生されたフォルマント中
心信号と、上記フォルマント形状信号発生手段によって
発生されたフォルマント形状信号とを合成する合成手段
と、 上記フォルマント形状信号発生手段から発生され
るフォルマント形状信号のフォルマントの各周波数成分
の密度を示すフォルマント密度情報であって、上記フォ
ルマント形状信号の読み出し速度を決定するフォルマン
ト密度情報を発生するフォルマント密度情報発生手段
と、 このフォルマント密度情報発生手段によって発生
されたフォルマント密度情報に基づいて、上記フォルマ
ント形状信号発生手段より発生されるフォルマント形状
信号のフォルマントの各周波数成分の密度を制御するフ
ォルマント密度制御手段と、 上記フォルマント形状信
号記憶手段に記憶されたフォルマント形状信号の実際の
記憶サンプリング周波数と、上記フォルマント密度情報
に応じた基準となる周波数との対比または対差を示す修
正データを記憶する修正データ記憶手段と、 この修正
データ記憶手段に記憶された修正データを読み出す修正
データ読み出し手段と、 この修正データ読み出し手段
によって読み出された修正データを上記フォルマント密
度情報発生手段によって発生されたフォルマント密度情
報に合成して、上記フォルマント密度制御手段に供給す
る修正合成手段とを備えたことを特徴とする楽音生成装
置。 [P]上記フォルマント密度情報は、音楽的ファクタに
応じて変化し、この音楽的ファクタは、音色、タッチ、
音高、音域、楽音パート、音像、エンベロープレベル、
エンベロープフェーズ、エフェクト、クオンタイズまた
は発音開始からの経過時間であることを特徴とする請求
項O記載の楽音生成装置。 [Q]楽音の特定フォルマントの各周波数成分を合成し
た波形のフォルマント形状信号を記憶するフォルマント
形状信号記憶手段と、 このフォルマント形状信号記憶
手段に記憶されたフォルマント形状信号を読み出すフォ
ルマント形状信号読み出し手段と、 上記フォルマント
形状信号読み出し手段によって読み出されるフォルマン
ト形状信号に合成されるフォルマント中心信号を発生す
るフォルマント中心信号発生手段と、 このフォルマン
ト中心信号発生手段によって発生されたフォルマント中
心信号と、上記フォルマント形状信号読み出し手段によ
って読み出されたフォルマント形状信号とを合成する合
成手段と、 上記楽音の音高を示す音高情報を発生する
音高情報発生手段と、 上記フォルマント形状信号発生
手段から発生されるフォルマント形状信号のフォルマン
トの各周波数成分の密度を示すフォルマント密度情報で
あって、上記フォルマント形状信号の読み出し速度を決
定するフォルマント密度情報を、上記音高情報発生手段
から発生された音高情報に基づいて発生するフォルマン
ト密度情報発生手段と、 このフォルマント密度情報発
生手段によって発生されたフォルマント密度情報に基づ
いて、上記フォルマント形状信号読み出し手段よって読
み出されるフォルマント形状信号のフォルマントの各周
波数成分の密度を制御するフォルマント密度制御手段と
を備えたことを特徴とする楽音生成装置。 [R]請求項Aのフォルマント調和度情報手段から発生
されたフォルマント調和度情報に対し、請求項Qの修正
合成手段によって修正データが合成されたフォルマント
密度情報がさらに合成されることを特徴とする楽音生成
装置。 [S]請求項Eのフォルマント密度情報合成手
段によって合成されたフォルマント密度情報に対し、請
求項Qの修正合成手段によって修正データが合成された
フォルマント密度情報がさらに合成されることを特徴と
する楽音生成装置。
【0322】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、フォル
マント形状信号のフォルマントの各周波数成分のそれぞ
れの周波数の対比値を決定するフォルマント調和度情報
について、1つの楽音につき、各フォルマント調和度情
報がフォルマント中心信号の周波数情報に基づいて決定
されるようにするとともに、各フォルマント調和度情報
の値の変化率が各フォルマント中心周波数情報の値の変
化率に対して異なるようにした。従って、フォルマント
中心信号の周波数と、フォルマントの各周波数成分のそ
れぞれの周波数とを、正比例の関係に無い、特殊な相関
関係をもって制御することができる等の効果を奏する。
【0323】また本発明は、フォルマント形状信号のフ
ォルマントの各周波数成分のそれぞれの周波数の対比値
を決定するフォルマント調和度情報が、上記フォルマン
トの各周波数成分の密度を示すフォルマント密度情報に
合成され、この合成されたフォルマント密度情報に基づ
いて、フォルマント形状信号のフォルマントの各周波数
成分の密度が制御されるようにした。従って、フォルマ
ントの各周波数成分の密度の制御が、各周波数成分の周
波数の対比値について行われ、例えば周波数成分の周波
数値の比が整数倍または非整数倍いずれも可能となる等
の効果を奏する。
【0324】さらに本発明は、フォルマント形状信号の
フォルマントの各周波数成分の密度を示すフォルマント
密度情報であって、上記フォルマント形状信号の読み出
し速度を決定するフォルマント密度情報につき、記憶さ
れたフォルマント形状信号の実際の記憶サンプリング周
波数と、このフォルマント密度情報に応じた基準となる
周波数との対比または対差を示す修正データを、上記フ
ォルマント密度情報に合成するようにした。従って、フ
ォルマント形状信号の実際の記憶サンプリング周波数に
拘束されることなく、任意のフォルマント密度のフォル
マント形状信号を発生させることができる等の効果を奏
する。
【0325】またさらに本発明は、フォルマント形状信
号のフォルマントの各周波数成分の密度を示すフォルマ
ント密度情報であって、上記フォルマント形状信号の読
み出し速度を決定するフォルマント密度情報を、楽音の
音高情報に基づいて発生するようにした。従って、各フ
ォルマントの各周波数成分の密度が楽音の音高に応じて
決定され、音高に応じたフォルマント制御を行うことが
できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】楽音生成装置の全体回路図である。
【図2】フォルマント形状とフォルマント形状信号Ff
j(t)との対応を示す図である。
【図3】フォルマント形状とフォルマント密度パラメー
タωfj(t)との関係を示す図である。
【図4】各種フォルマントの形状を示す図である。
【図5】フォルマント制御パラメータ発生部40を示す
回路図である。
【図6】パラメータ記憶部41を示す回路図である。
【図7】パラメータ記憶部41のタイムチャート図であ
る。
【図8】リニアな演算を行う関数演算部42を示す回路
図である。
【図9】エクスポーネンシャルな演算を行う関数演算部
42を示す回路図である。
【図10】フォルマント形状波形発生部50を示す回路
図である。
【図11】フォルマント密度記憶部52を示す回路図で
ある。
【図12】フォルマント密度記憶部52のタイムチャー
ト図である。
【図13】位相演算部51を示す回路図である。
【図14】位相演算部51の動作を示す図である。
【図15】フォルマント波形発生部60を示す回路図で
ある。
【図16】累算部70を示す回路図である。
【図17】累算部70のタイムチャート図である。
【図18】プログラム/データ記憶部21内の高調波メ
モリ211を示す図である。
【図19】フォルマント波形発生部60の第2実施例を
示す図である。
【図20】フォルマント波形発生部60の第3実施例を
示す図である。
【図21】重み付け補間回路80を示す回路図である。
【図22】重み付け補間回路80における合成波形メモ
リ802a〜dの書き込み/読み出しの切り換え状態を
示すタイムチャート図である。
【図23】基本波に非整数倍比の高調波を合成した波形
と基本波との位相のずれを示す図である。
【図24】重み付け補間回路80の第2実施例を示す回
路図である。
【図25】プログラム/データ記憶部21のフォルマン
ト形状テーブル212を示す図である。
【図26】プログラム/データ記憶部21のアサインメ
ントメモリ213を示す図である。
【図27】数、組合せが制御されるフォルマント形状信
号Fj(t)と合成フォルマントの形状を示す図であ
る。
【図28】フォルマント形状波形発生部50の第2実施
例を示す図である。
【図29】フォルマント波形発生部60の第4実施例を
示す図である。
【図30】多重合成系列635のより詳しい回路を示す
図である。
【図31】数、組合せが制御されるフォルマント形状信
号Fj(t)及びフォルマントキャリア信号Gfj
(t)と合成フォルマントの形状を示す図である。
【図32】フォルマント波形発生部60の第5実施例を
示す図である。
【図33】別の実施例の楽音生成装置の全体回路図であ
る。
【図34】調和度制御回路90を示す回路図である。
【図35】周波数非調和テーブル93の周波数フォルマ
ント調和度データHfj(t)を示す図である。
【図36】1つの楽音の各フォルマントの各周波数成分
の密度、調和度、各フォルマントの振幅、数、中心周波
数を示す図である。
【図37】周波数成分の周波数値が整数倍の場合と非整
数倍の場合を示す図である。
【図38】フォルマント中心テーブル214を示す図で
ある。
【図39】フォルマント調和テーブル215の全体フォ
ルマント調和度データHwj(t)を示す図である。
【図40】サンプリング修正テーブル216のサンプリ
ング修正データSfj(t)を示す図である。なお、各
図におけるパラメータの“ω”は一部、便宜上“w”で
示してある。
【符号の説明】
10…演奏情報発生部、20…コントローラ、21…プ
ログラム/データ記憶部、30…タイミング発生部、4
0…フォルマント制御パラメータ発生部、50…フォル
マント形状波形発生部、60…フォルマント波形発生
部、70…累算部、41…パラメータ記憶部、42…関
数演算部、411…パラメータメモリ、51…位相演算
部、52…フォルマント密度記憶部、53…フォルマン
ト形状波形メモリ、523…フォルマント密度メモリ、
61…位相シフトレジスタ、63…三角関数テーブル、
71…系列メモリ、74…累算メモリ、211…高調波
メモリ、611…高調波発生器、212…フォルマント
形状テーブル、213…アサインメントメモリ、214
…フォルマント中心テーブル、215…フォルマント調
和テーブル、216…サンプリング修正テーブル、63
5…多重合成系列、636…デマルチプレクサ、637
…ラッチ群、638、639、640…アンドゲート
群、641…アルゴリズムラッチ、646…ラッチ、6
43a、643b、644a、644b、645a、6
45b、651…アンドゲート群、648…カウンタ、
649…アルゴリズムシフトレジスタ、80…重み付け
補間回路、802a、802b、802c、802d、
802…合成波形メモリ、809…区間指定シフトレジ
スタ、811…デマルチプレクサ、812…メモリラッ
チ、813…切り換えシフトレジスタ、90…調和度制
御回路、93…周波数非調和テーブル。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】楽音のフォルマントの各周波数成分を合成
    した波形のフォルマント形状信号を発生する手段と、 この発生されるフォルマント形状信号に合成されるフォ
    ルマント中心信号を発生する手段であって、このフォル
    マント中心信号は上記フォルマント形状信号に合成され
    ることにより、上記フォルマント形状信号の音高または
    基本周波数が決定され、 この発生されるフォルマント中心信号の周波数情報を発
    生する手段と、 この発生されるフォルマント中心信号の周波数情報に基
    づいて、上記発生されるフォルマント形状信号のフォル
    マントの各周波数成分の密度を決定するフォルマント密
    度情報を発生する手段であって、このフォルマント密度
    情報の値の変化率は、上記フォルマント中心信号の周波
    数情報の値の変化率に対して異なっており、 この発生されるフォルマント密度情報に基づいて、上記
    発生されるフォルマント形状信号のフォルマントの各周
    波数成分の密度を制御する手段と、 このようにして密度が制御されるフォルマント形状信号
    と、上記発生されたフォルマント中心信号とを合成する
    手段とを備えたことを特徴とする楽音生成装置。
  2. 【請求項2】楽音のフォルマントの各周波数成分を合成
    した波形のフォルマント形状信号を発生させ、 この発生されるフォルマント形状信号に合成されるフォ
    ルマント中心信号を発生させることであって、このフォ
    ルマント中心信号は上記フォルマント形状信号に合成さ
    れることにより、上記フォルマント形状信号の音高また
    は基本周波数が決定され、 このフォルマント中心信号の周波数情報に基づいて、上
    記発生されるフォルマント形状信号のフォルマントの各
    周波数成分の密度を決定するフォルマント密度情報を発
    生させることであって、このフォルマント密度情報の値
    の変化率は、上記フォルマント中心信号の周波数情報の
    値の変化率に対して異なっており、 この発生されるフォルマント密度情報に基づいて、上記
    発生されるフォルマント形状信号のフォルマントの各周
    波数成分の密度を制御させ、 このようにして密度が制御されるフォルマント形状信号
    と、上記発生されたフォルマント中心信号とを合成させ
    ることを特徴とする楽音生成方法。
  3. 【請求項3】楽音のフォルマントの各周波数成分を合成
    した波形のフォルマント形状信号を発生する手段と、 この発生されるフォルマント形状信号のフォルマントの
    各周波数成分の密度を決定するフォルマント密度情報を
    発生する手段と、 上記発生されるフォルマント形状信号のフォルマントの
    各周波数成分相互のそれぞれの周波数の比を決定するフ
    ォルマント調和度情報を発生する手段と、 この発生されるフォルマント調和度情報を、上記発生さ
    れるフォルマント密度情報に合成する手段と、 この合成されるフォルマント密度情報に基づいて、上記
    発生されるフォルマント形状信号のフォルマントの各周
    波数成分の密度を制御する手段と、 上記発生されるフォルマント形状信号に合成されるフォ
    ルマント中心信号を発生する手段であって、このフォル
    マント中心信号は上記フォルマント形状信号に合成され
    ることにより、上記フォルマント形状信号の音高または
    基本周波数が決定され、 この発生されるフォルマント中心信号と、上記密度が制
    御されたフォルマント形状信号とを合成する手段とを備
    えたことを特徴とする楽音生成装置。
  4. 【請求項4】楽音のフォルマントの各周波数成分を合成
    した波形のフォルマント形状信号を発生させ、 この発生されるフォルマント形状信号のフォルマントの
    各周波数成分の密度を決定するフォルマント密度情報を
    発生させ、 上記発生されるフォルマント形状信号のフォルマントの
    各周波数成分相互のそれぞれの周波数の比を決定するフ
    ォルマント調和度情報を発生させ、 この発生されるフォルマント調和度情報を、上記発生さ
    れるフォルマント密度情報に合成させ、この合成される
    フォルマント密度情報に基づいて、上記発生されるフォ
    ルマント形状信号のフォルマントの各周波数成分の密度
    を制御させ、 上記発生されるフォルマント形状信号に合成されるフォ
    ルマント中心信号を発生させることであって、このフォ
    ルマント中心信号は上記フォルマント形状信号に合成さ
    れることにより、上記フォルマント形状信号の音高また
    は基本周波数が決定され、 この発生されるフォルマント中心信号と、上記密度が制
    御されたフォルマント形状信号とを合成させることを特
    徴とする楽音生成方法。
  5. 【請求項5】楽音のフォルマントの各周波数成分を合成
    した波形のフォルマント形状信号を記憶する手段と、 この記憶されたフォルマント形状信号を読み出す手段
    と、 この読み出されるフォルマント形状信号に合成されるフ
    ォルマント中心信号を発生する手段であって、このフォ
    ルマント中心信号は上記フォルマント形状信号に合成さ
    れることにより、上記フォルマント形状信号の音高また
    は基本周波数が決定され、 この発生されるフォルマント中心信号と、上記読み出さ
    れるフォルマント形状信号とを合成する手段と、 上記読み出されるフォルマント形状信号のフォルマント
    の各周波数成分の密度を決定するフォルマント密度情報
    であって、上記フォルマント形状信号の読み出し速度を
    決定するフォルマント密度情報を発生する手段と、 この発生されるフォルマント密度情報に基づいて、上記
    読み出されるフォルマント形状信号のフォルマントの各
    周波数成分の密度を制御する手段と、 上記記憶されたフォルマント形状信号の実際の記憶サン
    プリング周波数と、上記フォルマント密度情報に応じた
    周波数との比または差を示す修正データを発生する手段
    と、 この発生される修正データを上記発生されるフォルマン
    ト密度情報に合成する手段とを備えたことを特徴とする
    楽音生成装置。
  6. 【請求項6】楽音のフォルマントの各周波数成分を合成
    した波形のフォルマント形状信号を記憶する手段に対し
    て、 この記憶されたフォルマント形状信号を読み出しさせ、 この読み出されるフォルマント形状信号に合成されるフ
    ォルマント中心信号を発生させることであって、このフ
    ォルマント中心信号は上記フォルマント形状信号に合成
    されることにより、上記フォルマント形状信号の音高ま
    たは基本周波数が決定され、 この発生されるフォルマント中心信号と、上記読み出さ
    れるフォルマント形状信号とを合成させ、 上記読み出されるフォルマント形状信号のフォルマント
    の各周波数成分の密度を決定するフォルマント密度情報
    であって、上記フォルマント形状信号の読み出し速度を
    決定するフォルマント密度情報を発生させ、 この発生されるフォルマント密度情報に基づいて、上記
    読み出されるフォルマント形状信号のフォルマントの各
    周波数成分の密度を制御させ、 上記記憶されたフォルマント形状信号の実際の記憶サン
    プリング周波数と、上記フォルマント密度情報に応じた
    周波数との比または差を示す修正データを発生させ、 この発生される修正データを上記発生されるフォルマン
    ト密度情報に合成させることを特徴とする楽音生成方
    法。
  7. 【請求項7】楽音のフォルマントの各周波数成分を合成
    した波形のフォルマント形状信号を発生する手段と、 この発生されるフォルマント形状信号に合成されるフォ
    ルマント中心信号を発生する手段であって、このフォル
    マント中心信号は上記フォルマント形状信号に合成され
    ることにより、上記フォルマント形状信号の音高または
    基本周波数が決定され、 この発生されるフォルマント中心信号と、上記発生され
    るフォルマント形状信号とを合成する手段と、 上記楽音の音高を示す音高情報を発生する手段と、 上記発生されるフォルマント形状信号のフォルマントの
    各周波数成分の密度を決定するフォルマント密度情報
    を、上記発生される音高情報に基づいて発生する手段
    と、 この発生されるフォルマント密度情報に基づいて、上記
    発生されるフォルマント形状信号のフォルマントの各周
    波数成分の密度を制御する手段とを備えたことを特徴と
    する楽音生成装置。
  8. 【請求項8】楽音のフォルマントの各周波数成分を合成
    した波形のフォルマント形状信号を発生させ、 この発生されるフォルマント形状信号に合成されるフォ
    ルマント中心信号を発生させることであって、このフォ
    ルマント中心信号は上記フォルマント形状信号に合成さ
    れることにより、上記フォルマント形状信号の音高また
    は基本周波数が決定され、 この発生されるフォルマント中心信号と、上記発生され
    るフォルマント形状信号とを合成させ、 上記発生されるフォルマント形状信号のフォルマントの
    各周波数成分の密度を決定するフォルマント密度情報
    を、上記楽音の音高情報に基づいて発生させ、 この発生されるフォルマント密度情報に基づいて、上記
    発生されるフォルマント形状信号のフォルマントの各周
    波数成分の密度を制御させることを特徴とする楽音生成
    方法。
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