JP2961222B2 - 皮革粉及び皮革粉含有製品 - Google Patents

皮革粉及び皮革粉含有製品

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、皮革粉、特に、超微細化した不純物の少な
い皮革粉及びこの皮革粉を樹脂に混入した塗料(塗
膜)、レザー(合成樹脂、人工皮革)、フィルム、シー
ト、繊維、成形品などの皮革粉含有製品に関する。
〔背景技術〕
天然皮革様の塗膜、フィルム、シート、繊維(糸)等
を得るため、各種樹脂に皮革粉を混入してコーティング
したり、成形することが行われている。ここで用いられ
る皮革粉は古くは、シェービング屑革のような動物の皮
革粉原料をハンマークラッシャーのような粉砕手段で粗
粉砕して作られていた。
しかし、このような単純な機械的粉砕手段では、粉末
同士が互いに絡み合って綿状あるいは塊状化する結果、
粗大な皮革粉しか得られない。皮革粉の粒径が大きい
と、夫々の用途において種々の制限(例えば塗膜の厚
さ、表面のざらつき、糸切れ等)を受け、製品化に支障
を来す。
そこで近年、微細皮革粉の製造方法又は装置が種々提
案されている。
例えば、特開昭63−156552号には粗粉砕した皮革粉原
料を蒸気で膨潤処理(スチーム蒸煮と呼ばれる)した
後、乾燥、粉砕する方法が、特開昭63−99298号には皮
革粉原料を粗粉砕後、蒸煮、乾燥、微粉砕、及び分級す
る装置が、また特開昭63−286499号には皮革粉原料を溶
剤で脱脂後、スチーム蒸煮、乾燥、微粉砕する方法が開
示されている。また、こうして得られる微細皮革粉は、
実際に例えば特開昭63−233828号では粒径40μm以下の
微粉末として成形品に、また特開平1−314789号では粒
径30μm以下の微粉末として合成皮革に使用されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、以上のような方法で得られる微細皮革
粉は粒径10μm以上のものもかなり含むため、薄肉フィ
ルムや塗料、繊維への混入には不適当である。すなわ
ち、薄肉フィルムでは、一般的には粒径5〜200μmで
よいが、合成皮革のように、基材の表面に皮革粉入り合
成樹脂層を形成する表面コートの場合は粒径5〜30μm
が必要であり、且つ、塗料、繊維では、一般的には粒径
10μm以下が必要で、できるだけ小さい方が好ましい。
また、従来は皮革自体に通常含まれるコラーゲン以外
の不純物について、例えば不純物の量、種類等が考慮さ
れていないために、各種の製品とした場合、長期使用中
又は保存中、湿度、熱等の影響により表面に不純物がブ
リードアウト(滲出)して製品の外観や耐変色性等の性
能の劣化を招くという問題がある。
本発明の目的は、薄肉のフィルム、塗料、繊維等の製
造が可能で、しかも経時による製品の外観や性能の劣化
を低減し得る皮革粉及び皮革粉含有製品を提供するにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、微細皮革粉を再微細化すると共に皮革自体
の不純物を低減すると、従来の皮革粉における前述のよ
うな問題が解消されることに着目し、これにより前記目
的を達成しようとするものである。
即ち、本発明の皮革粉は、平均粒径D50が7μm以下
で且つ前記粒径の標準偏差が3μm以下であって、皮質
分が85wt%以上、油脂分が2wt%以下で皮革粉含有製品
の表面への不純物のブリードアウトが実質的にないこと
を特徴とするものである。
また、本発明の皮革粉は、皮質分が85wt%以上、油脂
分が2wt%以下、水で抽出可能なNa+イオンとCa2+イオン
との合計量が0.5wt%以下であることを特徴とするもの
である。
更に、本発明の皮革粉は、皮質分が85wt%以上、油脂
分が2wt%以下、水で抽出可能なNa+イオンとCa2+イオン
との合計量が0.5wt%以下、及び平均粒径D50が7μm以
下で且つ前記粒径の標準偏差が3μm以下であることを
特徴とするものである。
また、本発明の皮革粉含有製品は前記皮革粉を合成樹
脂に混入したことを特徴とする。
本発明の皮革粉において、皮質分等の特性値を限定し
たのは、次のような理由による。
1)皮質分85wt%以上: 皮質分の含有量が多いということは、不純物の量が少
ないことを意味すると同時に、レザー、塗料等に混入し
た製品の表面状態、タッチ感等を向上させる重要な因子
となることを意味する。即ち皮質分が多い方が少ない粉
末量で効率的に製品の表面状態等を改善できる。
2)油脂分2wt%以下(好ましくは0.5wt%以下): 動物皮革に存在する油脂分は熱等で変質し、混合製品
の悪臭、着色及びブリードアウトによる表面風合の悪化
(ベタベタ、ヌルヌル、テカテカ感)の原因となる。従
って、油脂分は少ない程、好ましい。
3)水で抽出可能な遊離イオン(Na+,Ca2+)の合計量
0.5wt%以下: 皮革原料に由来する不純物のうち、水で抽出された遊
離イオン量が多いと、製品化した場合、湿度、熱等の影
響を受け、製品表面にその塩(例えばNaCl,Na2SO4,CaS
O4等)がブリードアウトし、製品外観の悪化につなが
る。なお、水で抽出可能な遊離イオンとしてはNa+,Ca
2+の陽イオンの他に、Cl-,SO4 2-の陰イオンが存在する
が、ブリードアウトしてくるものは、それらイオンの対
イオンの塩の形態でしか生じないため、量の少ない陽イ
オンであるNa+とCa2+との合計量で規定した。
4)平均粒径D50≦7μmで且つ標準偏差σ≦3μm: 粒径は薄肉製品には決定的な因子で、粒径が大きけれ
ば、分散不良による欠陥及び表面風合の悪化(ザラザラ
感、凹凸感)につながる。一方、粒径が小さいほど分散
が良好となり、製品欠陥の少ない(ボイド、糸切れ等)
タッチ感の良好な表面状態をもった製品が得られる。ま
た、標準偏差が小さいことは分布上大きな粒子の混入が
少ないことを意味する。
また、上記特性値の測定法は、次の通りである。
A)皮質分及び油脂分: JIS K6550−1976「皮革試験方法」6.7及び6.4によ
る。
B)水で抽出可能な遊離イオン(Na+,Ca2+)の合計
量: 乾燥皮革粉10gを純水100ml中で一昼夜攪拌し、皮革粉
中の遊離イオンを抽出する。抽出液中のNa+,Ca2+を原
子吸光法で定量し、皮革粉からの抽出量として求める。
C)平均粒径及び標準偏差の分布: 数十mgの皮革粉を100mlのメタノールに分散し、コー
ルターカウンター(コールター・エレクトロニクス社
製)で粒子の分布を測定し、平均粒径及び標準偏差を求
める。
なお、皮革粉の密度範囲は通常0.38〜0.43g/cc(皮革
粉を120℃で2時間乾燥後、JIS K6721に準じて測定)で
ある。密度が大き過ぎると、粒径が増大して所定の平均
粒径7μmを超えるし、一方、密度が小さ過ぎると、皮
革粉が繊維状になったり、セン毛部分が多く出て合成樹
脂と均一に分散し難くなることがあるからである。
次に以上のような本発明に係る皮革粉の製造方法を第
1図の製造工程図に従って詳しく説明する。なお、図中
の点線又は点線内は本方法の改良点を示す。
まず後工程の微粉砕を容易にするため、皮革粉原料を
ジョークラッシャー、カッターミル、ハンマークラッシ
ャー等の粗砕機で粒径10mm以下程度に粗粉砕する。こう
して得られる粗砕皮革粉は通常40〜60wt%の水分を含ん
でいる。なお皮革粉原料としてはシェービング屑革、床
革等が使用できる。
次に後工程での脱脂(油脂分の除去)を容易にするた
め、この含水粗粉末を20〜30wt%程度の水分になる迄、
乾燥する。
次にこの乾燥粗粉末を適当な溶剤を用いて脱脂する。
ここで脱脂用溶剤としてはn−ヘキサン、ベンジン、メ
チレンクロライド、アセトン、酢酸エチル、トルエン等
が使用できる。
引続き、粗粉末中の残存溶剤を除去するため、脱脂後
の粗粉末を熱処理する。熱源としては通常、安全上から
スチームが使用されるため、この工程はスチームパージ
とも呼ばれる。他の熱源としては加熱窒素、加熱空気等
も使用できる。
次に従来は後工程の微粉砕を容易にするため、調湿工
程を行うことが知られているが、本発明では特に皮革中
の遊離イオン(Na+,Ca2+)を抽出、除去すると共に、
粗粉末に所定の水分を保持させるため、調湿工程の代わ
りに水洗工程及び濾過による脱水工程を行う。この一連
の水洗操作はバッチ式で数回繰り返す方法が効果的で、
例えば溶剤除去後の粗粉末に一定量の水を供給し、所望
時間攪拌及び必要あれば空気によるバブリングを行った
後、脱水する方法を通常数回、好ましくは3〜4回繰り
返す。この際、粗粉末に対する水の供給量にもよるが、
十分の水が供給されれば、5回以上行っても抽出率は殆
ど向上せず、また3回でも4回の場合と同程度の抽出率
が得られることがある。脱水は通常、操作の簡便性の点
から濾過(水切り又は水抜き)により行なわれるが、遠
心脱水等、他の方法で行なってもよい。
1回毎の水の供給量は前記粗粉末の7倍(重量)以上
が好ましい。6倍以下では嵩密度の関係から水量不足
で、粗粉末が水に充分浸漬しないので、抽出効果が悪
い。水量は多い程、1回当りの抽出量が多く、有利であ
るが、洗浄容器の容量制限や脱水時間の制限があり、実
際には浸漬に必要な最少水量で繰り返し水洗操作を行っ
た方が効果的である。従って、連続式水洗操作は使用水
量が多くなり、有利とは言えないが、可能である。
水温は、常温でよく、好ましくは30℃以下である。こ
れ以上水温を上げても、抽出率は殆ど変化しない。反
面、高温で抽出を行うと、コラーゲンの劣化を招くので
好ましくない。
以上のような一連の水洗操作により遊離のNa+イオン
とCa2+イオンとの合計量(乾燥重量換算)が0.5wt%以
下で、水分が通常65〜70%の含水粗粉末が得られる。な
お従来、調湿工程は溶剤除去後の粗粉末に水分が65〜70
%になる迄、水を補給することにより行われていたが、
本発明では前記一連の水洗操作により最終的に粗粉末は
通常65〜70%の水分を保持することになるので、この水
分の確認だけで調湿工程は事実上廃止できる。
ここで、粗粉末に所定量の水分を保持又は補給するの
は次のような理由による。即ち、乾いた状態では次工程
のスチーム蒸煮後微粉砕を行っても、微粉化が進まな
い。しかし水分を含み、従って膨潤した粗粉末をスチー
ム蒸煮すると、一部熱変性し、乾燥すると、締まって固
くなり、粉砕、微粉化し易くなるからである。
次に後工程の微粉砕を容易にするため、脱水後の粗砕
皮革粉を攪拌しながらスチームにより膨潤処理(スチー
ム蒸煮)を行う。なお膨潤処理の条件は従来と同じでよ
く、例えばスチームの温度100〜130℃、スチームの圧力
1〜2.5kg/cm2Gである。
引続き、後工程の微粉砕を容易にするため、膨潤処理
後の粗砕皮革粉を水分3wt%以下程度になる迄、乾燥す
る。この乾燥工程は通常、ドライヤーによる予備乾燥及
び真空乾燥機による本乾燥を組み合わせて行われる。な
お予備乾燥及び本乾燥の温度条件は従来と同じでよく、
例えば夫々90〜100℃及び30〜45℃(真空乾燥)であ
る。
次に後工程の再微粉砕を容易にするため、乾燥後の粗
砕皮革粉をビクトリーミル、ボールミル、コロイドミ
ル、ジェットミル、ローラーミル、ハンマーミル等の乾
式粉砕機で平均粒径50μm程度になる迄、微粉砕する。
次に同様な理由から、得られた微粉砕皮革粉を重力式
分級機;慣性式分級機;サイクロン、ミクロンセパレー
ター等の遠心式分級機;ふるい分け機等により微粉末
(例えば平均粒径D50=30μm以下のもの)と粗粉末
(例えばD50=60μm以上)とに分級する。なお粗粉末
は必要に応じて微粉砕工程に循環することができる。
以上の微粉砕及び分級工程自体は従来と同じである
が、本発明では前記微粉末を更に、D50=7μm以下に
なる迄、再微粉砕する工程を行う。この後、更に前記D
50=7μm以下の微粉末からD50=2μm以下の微粉末
を分級除去する工程を付け加えてもよい。再微粉砕工程
は前述のような乾式粉砕機のうち、微粉化に適したジェ
ットミル、コロイドミル等の粉砕機によって実施でき
る。また、分級工程は前述のような分級機により実施で
きる。
以上の方法では、一連の水洗操作を脱脂工程の後で行
ったが、この水洗操作は脱脂の前あるいは微粉化後でも
可能である。但し、脱脂の前では脱脂溶剤が疎水性であ
る場合は水をはじき、浸透が困難になり好ましくない。
親水性溶剤の場合は問題なく実施可能である。一方、微
粉化後の水洗は水の分離除去がフィルターで取り除く方
法以外に事実上ないが、濾過が困難で乾燥時にも塊とな
り易い。また、微粉化後、水洗し、濾過工程で揮発性の
高い親水性溶剤により脱水と脱脂を同時に行うと、濾過
がやや容易になり、乾燥も容易になる。
以上のようにして得られる本発明の超微細皮革粉は、
予備乾燥後、各種樹脂に配合して第2図(A)に示すよ
うに、本発明の皮革粉1を混入した合成樹脂2を、布等
の基材3上に所定厚さに付着させてレザー(合成皮革、
人工皮革)としたり、第2図(B)に示すように、本発
明の皮革粉1を配合した塗料とし、成形品5の表面に所
定厚さの塗膜4を形成したりする。また、第2図(C)
に示すように、本発明の皮革粉1を配合した合成樹脂2
を紡糸して繊維等として製品化される。なお、配合割合
は通常、樹脂10〜99wt%、皮革粉90〜1wt%の範囲であ
る。
〔実施例〕
以下に本発明を、実施例及び試験例(応用例)によっ
て説明する。
実施例1(クロムなめしD50≦7μmの水洗皮革粉の製
造) クロムなめしした牛皮屑革(シェービング革)の塊12
00kgを解砕機(ホソカワミクロン社製)で、元のシェー
ビング屑革の形状(max:1cm幅×12cm長)にほぐした
後、粗砕機(オダテ社製ハンマーミル:能力600kg/Hr)
に順次送り込み、粒径約10mm以下の粗砕皮革粉とする。
この粗粉末の水分は40〜60wt%であった。
次に、この湿潤粗砕皮革粉350kgを真空乾燥機に入
れ、水分が20〜30wt%になる迄、乾燥する。引続き、こ
の乾燥粗砕皮革粉270kgを脱脂機に投入し、n−ヘキサ
ンを100l/minでフィードしながら1時間15分攪拌、抽出
を行って脱脂後、濾過する。得られた脱脂粗粉末中の残
存油脂分は0.5wt%以下であった。
次に、この脱脂粗砕皮革粉中の残存溶剤を130℃,2kg/
cm2Gの蒸気で溶剤(ヘキサン)臭がなくなるまでパー
ジする。
同脱脂機に常温の水2m3を補給し30分攪拌後、濾過に
より水切りする。このバッチ水洗操作を計4回行って屑
革中の金属イオン等の遊離イオン及び水溶性成分を除去
する。濾過、水切り後の粗砕皮革粉は65〜70wt%の水分
を含んでいた。
次に、これを調湿することなく、スチーム蒸煮機に移
し、攪拌しながら130℃,2kg/cm2Gの蒸気で45分間蒸煮
する。
次に蒸煮後の粗砕皮革粉を、90℃に保持されたドライ
ヤーで30〜40wt%の水分になるまで3時間予備乾燥した
後、真空乾燥機で45℃、8時間乾燥し、水分1wt%以下
の乾燥粗砕皮革粉190kgを得る。
次に、これをファインビクトリーミル(ホソカワミク
ロン社製)で2時間1700rpmで微粉砕する。
引続き、これをサイクロン式分級機で分級し、平均粒
径D50=約30μmの微細皮革粉35kg及びD50=約60μmの
粗大皮革粉155kgを得る。なお、D50=約60μmの粗大皮
革粉は前記微粉砕工程に循環した。
更に、このD50=約30μmの皮革粉35kgをジェットミ
ル(セイシン企業社製)により、空気圧8kg/cm2G、風
量10m3/mim、処理量20kg/Hrの条件で全量がD50≦7μm
になる迄、再微粉砕する。
最後に、これをサイクロン(セイシン企業社製)で分
級してD50≦7μmの超微細皮革粉33.25kg及びD50=2
μm以下の超微細皮革粉(バグフィルター中)1.75kgを
得る。
実施例2(アルデヒドなめしD50≦7μmの水洗皮革粉
の製造) クロムなめしした牛皮屑革の代わりにアルデヒドなめ
しした牛皮屑革(シェービング屑革)を用い、バッチ水
洗操作を2回とし(水洗により除去される遊離イオンが
少ないため、2回でよい。)、且つ再微粉砕工程でD50
=約30μmの微細皮革粉を25kg用いた他は実施例1と同
じ方法を繰り返し、D50≦7μmの超微細皮革粉23.75kg
を得る。なお、アルデヒドなめし品は、クロムなめし品
に比べて粉砕が困難で、D50=約30μmの微粉末の収量
は25kgと少なかったため、実施例1に比べて使用量を少
なくした。D50=約60μmの粗粉末の収量は165kgと多か
った。バグフィルター中のD50≦2μmの超微細皮革粉
量は1.25kgである。
比較例1 皮革粉原料であるクロムなめしの牛皮屑革(実施例1
の原料と同じ)を何ら処理することなく用いた。
比較例2 比較粉原料であるアルデヒドなめしの牛皮屑革(実施
例2の原料と同じ)を何ら処理することなく用いた。
比較例3 スチームパージ後の粗砕皮革粉(皮革粉原料はクロム
なめしの牛皮屑革)を、水洗操作を行わずに、そのまま
蒸煮機に移し、この粗粉末に水分が65〜70wt%になる
迄、水を補給、調湿した後、蒸煮を行い、且つ再微粉砕
及びそれ以後の工程を省略した他は、実施例1と同じ方
法を繰り返し、D50=約60μmの粗大皮革粉及びD50=約
30μmの微細皮革粉を製造した。
比較例4 スチームパージ後の粗砕皮革粉(皮革粉原料はアルデ
ヒドなめしの牛皮屑革)を、水洗操作を行わずに、その
まま蒸煮機に移し、この粗粉末に水分が65〜70wt%にな
る迄、水を補給、調湿した後、蒸煮を行い、且つ再微粉
砕及びそれ以後の工程を省略した他は、実施例2と同じ
方法を繰り返し、D50=約60μmの粗大皮革粉及びD50
約30μmの微細皮革粉を製造した。
比較例5 比較例3で得られたD50=約30μmの微細皮革粉を実
施例1と同様にジェットミルで再微粉砕後、サイクロン
で分級してD50≦7μmの超微細皮革粉を製造した。
比較例6 比較例4で得られたD50=約30μmの微細比較粉を実
施例1と同様にジェットミルで再微粉砕後、サイクロン
で分級してD50≦7μmの超微細比較粉を製造した。
以上のようにして得られた比較粉の性状を表1に示
す。また表1中の粒径分布についての詳細を表2に示
す。
試験例1(塗料) (クロムなめし水洗皮革粉 D50=5.7μm,σ=1.6μ
m) 実施例1で製造した皮革粉20重量部と2液タイプポリ
ウレタン塗料の樹脂成分80重量部に溶剤としてシンナー
100重量部を攪拌、混合し、これをABS樹脂成形品へ塗
布、乾燥(溶剤蒸発)したものは、65℃,95%RH,24時間
の耐湿テストでも皮革粉中の水溶性遊離イオンが少ない
ため塗膜表面への白色ブリード物は見られず、しかも皮
革粉の粒径が小さいため塗膜の表面状態も滑らかでタッ
チ感も良好であった。
試験例2(塗料) (アルデヒドなめし水洗皮革粉 D50=6.1μm,σ=2.7
μm) 実施例1で製造した皮革粉の代わりに、実施例2で製
造した皮革粉を使用した他は試験例1と同様にしてABS
樹脂成形品へ塗布、乾燥したものは、65℃,95%RH,24時
間の耐湿テストでも皮革粉中の水溶性遊離イオンが少な
いため塗膜表面への品色ブリード物は見られず、しかも
皮革粉の粒径が小さいため塗膜の表面状態も滑らかでタ
ッチ感も良好であった。
試験例3(レザー) (クロムなめし水洗皮革粉 D50=5.7μm,σ=1.6μ
m) 実施例1で製造した皮革粉20重量部とエマルジョン状
態の塩化ビニル樹脂80重量部との混合物でグラビア表面
仕上げした塩化ビニルレザーは、4時間レザー表面が乾
燥しないように水を補給しながら70℃に保持しても、皮
革粉中の水溶性遊離イオンが少ないためレザー表面に白
色ブリード物の発生は見られなかった。しかも皮革粉が
小さいため塗膜の表面状態も滑らかでタッチ感も良好で
あった。
試験例4(レザー) (クロムなめし水洗皮革粉 D50=5.7μm,σ=1.6μ
m) 実施例1で製造した皮革粉20重量部とポリウレタン樹
脂80重量部に、溶剤としてジメチルホルムアミドを混
合、攪拌し、これでグラビア表面処理仕上げした人工皮
革(又は合成皮革)は、4時間レザー表面が乾燥しない
ように水を補給しながら70℃に保持しても、皮革粉中の
水溶性遊離イオンが少ないためレザー表面に白色ブリー
ド物の発生は見られなかった。しかも皮革粉が小さいた
め塗膜の表面状態も滑らかでタッチ感も良好であった。
比較試験例1(塗料) (クロムなめし未洗皮革粉 D50=27.0μm,σ=8.9μ
m) 実施例1で製造した皮革粉の代わりに、比較例3で製
造した皮革粉を使用した他は試験例1と同様にしてABS
樹脂成形品へ塗布、乾燥したものは、65℃,95%RH,24時
間の耐湿テストでは皮革粉中の水溶性遊離イオンが多い
ため、塗膜表面に白色ブリード物が顕著に表れ、製品の
外観異常となった。又実施例1よりも皮革粉の粒径が大
きいため、塗膜厚さとの関係で表面状態は滑らかさに欠
け、タッチ感はやや不良となった。なお、塗料及びレザ
ーでも同じであるが、ブリード物の分析では、CaSO4,N
a2SO4及びNaClの結晶が確認され、これらは原料のシェ
ービング屑革に含まれるなめし処理剤等の成分であるこ
とが判明している。
比較試験例2(塗料) (アルデヒドなめし未洗皮革粉 D50=29.1μm,σ=11.
0μm) 実施例1で製造した皮革粉の代わりに、比較例4で製
造した皮革粉を使用した他は試験例1と同様にしてABS
樹脂成形品へ塗布、乾燥したものは、65℃,95%RH,24時
間の耐湿テストでは、皮革原料中に水溶性遊離イオンが
もともと多くはないため、塗膜表面の白色ブリード物は
顕著ではないが、製品の外観不良は免れない。又実施例
1よりも皮革粉の粒径が大きいため、塗膜厚さとの関係
で表面状態は滑らかさに欠けタッチ感はやや不良となっ
た。
比較試験例3(塗料) (クロムなめし未洗皮革粉 D50=52.3μm,σ=25.7μ
m) 実施例1で製造した皮革粉の代わりに、比較例3で製
造した皮革粉を使用した他は試験例1と同様にしてABS
樹脂成形品へ塗布、乾燥したものは、65℃,95%RH,24時
間の耐湿テストでは皮革粉中の水溶性遊離イオンが多い
ため、塗膜表面に白色ブリード物が顕著に現れ、製品の
外観異常となった。又実施例1よりも皮革粉の粒径が大
きいため、塗膜厚さとの関係で表面状態はマット調を通
り越してザラザラしタッチ感は不良となった。
比較試験例4(塗料) (アルデヒドなめし未洗皮革粉 D50=57.8μm,σ=20.
1μm) 実施例1で製造した皮革粉の代わりに、比較例4で製
造した皮革粉を使用した他は試験例1と同様にしてABS
樹脂成形品へ塗布、乾燥したものは、65℃,95%RH,24時
間の耐湿テストでは、皮革原料中に水溶性遊離イオンが
もともと多くはないため、塗膜表面の白色ブリードは顕
著ではないが、製品の外観不良は免れない。又実施例1
よりも皮革粉の粒径がかなり大きいため、塗膜厚さとの
関係で表面状態はマット調を通り越してザラザラしタッ
チ感は不良となった。
比較試験例5(レザー) (クロムなめし未洗皮革粉 D50=27.0μm,σ=8.9μ
m) 実施例1で製造した皮革粉の代わりに、比較例3で製
造した皮革粉を使用した他は試験例3と同様にして表面
仕上げした塩化ビニルレザーは、4時間レザー表面が乾
燥しないように水を補給しながら70℃に保持した場合、
皮革粉中の水溶性遊離イオンが多いためレザー表面に白
色ブリード物が顕著に現れ、製品の外観異常となった。
又実施例1よりも皮革粉の粒径が大きいため、塗膜厚さ
との関係で表面状態は滑らかさに欠けタッチ感はやや不
良となった。
比較試験例6(レザー) (クロムなめし未洗皮革粉 D50=27.0μm,σ=8.9μ
m) 実施例1で製造した皮革粉の代わりに、比較例3で製
造した皮革粉を使用した他は試験例3と同様にしてグラ
ビア表面仕上げした人工皮革は、4時間レザー表面が乾
燥しないように水を補給しながら70℃に保持した場合、
皮革粉中の水溶性遊離イオンが多いため、レザー表面に
白色ブリード物が顕著に現れ、製品の外観異常となっ
た。又実施例1よりも皮革粉の粒径が大きいため、塗膜
厚さとの関係で表面状態は滑らかさに欠けタッチ感はや
や不良となった。
比較試験例7(塗料) (クロムなめし未洗皮革粉 D50=6.0μm,σ=2.0μ
m) 実施例1で製造した皮革粉の代わりに、比較例5で製
造した皮革粉を使用した他は試験例1と同様にしてABS
樹脂成形品へ塗布、乾燥したものは、65℃,95%RH,24時
間の耐湿テストでは、皮革粉中の水溶性遊離イオンが多
いため、塗膜表面に白色ブリード物が顕著に現れ、製品
の外観異常となった。又実施例1と皮革粉の粒径は同等
なため、塗膜の表面状態は滑らかでタッチ感も良好であ
った。
比較試験例8(塗料) (アルデヒドなめし未水洗皮革粉 D50=6.0μm,σ=2.
6μm) 実施例1で製造した皮革粉の代わりに、比較例6で製
造した皮革粉を使用した他は試験例1と同様にしてABS
樹脂成形品へ塗布、乾燥したものは、65℃,95%RH,24時
間の耐湿テストでは、皮革原料中に水溶性遊離イオンが
もともと多くないため、塗膜表面の白色ブリードは顕著
ではないが、製品の外観不良は免れない。又実施例1と
皮革粉の粒径は同等なため、塗膜の表面状態は滑らかで
タッチ感も良好であった。
以上の試験例及び比較試験例の結果の詳細を表3に示
す。
〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明によれば、不純物の少な
い超微細皮革粉が得られるので、このような皮革粉を用
いれば、薄肉のフィルム、塗料、繊維等の製造が可能
で、しかも経時による製品の外観や性能の劣化を低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明皮革粉の一例の製造工程図、第2図
(A),(B)及び(C)は本発明の皮革粉を用いて夫
々、レザー(合成皮革、人工皮革)、塗料(塗膜とし
て)、繊維として製品化した製品の概略構成図である。 1…本発明の皮革粉、2…樹脂、3…基材、4…塗膜、
5…成形品。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草本 伸夫 東京都中央区銀座4丁目12番18号 出光 石油化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−318100(JP,A) 特開 昭64−70598(JP,A) 特開 昭64−70599(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06N 3/00 C14B 7/04 B32B 9/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径D50が7μm以下で且つ前記粒径
    の標準偏差が3μm以下であって、皮質分が85wt%以
    上、油脂分が2wt%以下で皮革粉含有製品の表面への不
    純物のブリードアウトが実質的にないことを特徴とする
    皮革粉。
  2. 【請求項2】皮質分が85wt%以上、油脂分が2wt%以
    下、水で抽出可能なNa+イオンとCa2+イオンとの合計量
    が0.5wt%以下であることを特徴とする皮革粉。
  3. 【請求項3】皮質分が85wt%以上、油脂分が2wt%以
    下、水で抽出可能なNa+イオンとCa2+イオンとの合計量
    が0.5wt%以下、及び平均粒径D50が7μm以下で且つ前
    記粒径の標準偏差が3μm以下であることを特徴とする
    皮革粉。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれかに記載された皮
    革粉を合成樹脂に混入したことを特徴とする皮革粉含有
    製品。
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