JP2959663B2 - 湿し水組成物 - Google Patents

湿し水組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な湿し水組成物、さ
らに詳しくは、長期間循環使用しても不感脂化効果の経
時変化が少なく、かつ保存安定性に優れる印刷版用湿し
水組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平板印刷においては、一般に、版の同一
平面に親油性の画線部と、親水性の非画線部とを有し、
この版に湿し水を付着させ、さらにインキを付着させて
印刷する方法がとられている。この湿し水は、例えば非
画線部への印刷インキの着肉防止、非画線部の洗浄(不
感脂化)、画線部の洗浄(水棒ローラとの相乗効果)、
画線部の劣化防止(画線幅の変動防止)、版面温度を一
定に保つ、などの目的で使用される。これらの中で、特
に非画線部の洗浄(不感脂化)が重要であり、洗浄(不
感脂化)効果を向上させることにより、湿し水の量を少
なくすることが可能となる。
【0003】このような目的で使用される湿し水は、通
常pH2〜3の酸性水溶液であり、そして成分として、
例えば硫酸、リン酸、クエン酸などの表面洗浄剤、非イ
オン性界面活性剤、不感脂化剤、リン酸ナトリウム、第
一リン酸アンモニウム、クエン酸ナトリウムなどの緩衝
剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの
保水、乾燥調整剤などを含有している。
【0004】これらの成分中、非画線部の洗浄のために
配合される不感脂化剤には、アラビアゴム、カルボキシ
メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸
アンモニウム、酸化デンプン、ヘキサメタリン酸ナトリ
ウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸
ナトリウムなど菌の栄養素となるものが多く、湿し水を
循環して使用する場合には、大気中や補給水から取り込
まれるバクテリアやカビ、酵母などの微生物が繁殖し、
湿し水の重要な役割である不感脂化効果の低下、湿し水
からの悪臭発生の原因になる上に、スライムを形成し、
湿し水循環システムの各種パイプ及び貯蔵タンクの閉塞
をもたらす。
【0005】保水、乾燥調整剤として用いられるイソプ
ロピルアルコールは、防菌作用を有するため、これを成
分として加えれば、ある程度上記のトラブルを抑制する
ことはできるが、近年労働安全衛生法及び消防法の規制
が強化され、このイソプロピルアルコールの使用が制限
された結果、この使用による防菌作用を期待することは
できなくなった。
【0006】したがって、一般に湿し水には防菌作用を
示す化合物を成分として配合し、バクテリアやカビ、酵
母などの微生物の繁殖を抑制することが行われている。
このバクテリアやカビの発生を防止するための殺菌剤や
防菌剤としては、ジクロロイソシアヌレート、2,4,
6‐トリクロロフェノール、メチレンビスチオシアネー
ト、2‐メルカプトベンゾチアゾール、3,5‐ジメチ
ルテトラヒドロ‐1,3,5‐2H‐チアジアジン‐2
‐チオン、2‐(2‐フリル)‐3‐(5‐ニトロ‐2
‐フリル)アクリルアミド、N‐ブロモアセタミド、
1,4‐ビスブロモアセトキシ‐2‐ブテンなどの化合
物が知られているが、これらの化合物は、湿し水中に発
生するカビに対する効力が低かったり、効力の持続性を
欠いたり、防錆を阻害したり、印刷版のインキ付着性を
低下させたり、インキの乳化を促進させたり、利用条件
に制限があるなどの理由で印刷版用湿し水に配合するに
は、必ずしも満足できるものではない。
【0007】最近、印刷版用処理液に配合する化合物と
して、一般式
【化4】 (式中のR4はH、CH3、CN、C25、COCH3
COC25、CH2COOH、COOC25又はCON
2、R5、R6、R7及びR8は、それぞれH又はCH3
ある)で表わされるグアニジン又はその誘導体のリン酸
塩が提案されている(特公平2−6639号公報)。し
かしながら、この化合物はかなり効果が認められるもの
の、(1)長期間循環して使用すると、不感脂化効果が
著しく低下する、(2)湿し水を調製後、使用せずに保
存する場合、保存安定性が悪く、使用する際に所望の不
感脂化効果が得られない、(3)湿し水を調製する際、
1重量%よりも多く含有させる必要があり、これよりも
少ないと所望の不感脂化効果が得られない、などの欠点
を有している。
【0008】通常、湿し水はメーカーによって含まれる
成分が異なるが、湿し水の不感脂化効果を阻害すること
なく、かつ長期間循環使用しても湿し水としての効果が
持続するという要望にこたえうるものは、これまで知ら
れていないのが実状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、長期間循環使用しても不感脂化効果が低
下することなく、かつ保存安定性に優れる上、有効成分
の配合量を少なくすることのできる湿し水組成物を提供
することを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、湿し水組
成物について鋭意研究を重ねた結果、特定のビグアニジ
ン系化合物を所定の割合で含有させれば、長期間循環使
用しても不感脂化効果が低下しないことを見出し、この
知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、一般式
【化5】 (式中のAは−(CH26−、Bは−(CH28NH
(CH28NH−、R1、R2及びR3はそれぞれ水素原
子又は低級アルキル基であり、それらはたがいに同一で
あってもよいし、異なっていてもよく、p及びrはそれ
ぞれ0又は1である)で表わされる骨格を有するビグア
ニジン系化合物0.001〜0.5重量%を含有するこ
とを特徴とする湿し水組成物を提供するものである。本
発明の湿し水組成物において用いられるビグアニジン系
化合物は、一般式
【化6】 で表わされる骨格を有する化合物である。
【0012】前記一般式(II)において、Aは−(C
26−、Bは−(CH28NH(CH28NH−であ
り、また、p及びrはそれぞれ0又は1である。R1
2及びR3は、それぞれ水素原子又はメチル基、エチル
基、n‐プロピル基、イソプロピル基などの低級アルキ
ル基であり、それらはたがいに同一であってもよいし、
異なっていてもよい。
【0013】また、このビグアニジン系化合物は遊離型
のものであってもよいし、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸など
と結合して成る塩型のものであってもよいが、水に対す
る溶解性及びpHなどの点から酸付加塩型のものが好ま
しい。
【0014】前記一般式(II)で表わされる骨格を有
するビグアニジン系化合物としては、種々のものがある
が、例えば式
【化7】 で表わされる構成単位を有する平均分子量900〜18
00程度の塩酸ポリヘキサメチレンビグアニド、式
【化8】 で表わされる1,1′‐イミノジ(オクタメチレン)ジ
グアニジン・三酢酸塩(農業用殺菌剤:イミノオクタジ
ントリアセテート)などを挙げることができるが、これ
らの中で泡立ちのトラブルや、長期間循環使用した場合
でも有害微生物によるトラブルがないなどの点から、塩
酸ポリヘキサメチレンビグアニドが好適である。本発明
においては、これらのビグアニジン系化合物は、それぞ
れ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。
【0015】本発明の湿し水組成物を調製する場合は、
あらかじめビグアニジン系化合物を高濃度で含むマスタ
ー溶液の形に調製しておき、必要に応じ、これを水で希
釈して所定の濃度に調整するのが有利である。マスター
溶液を調製する際のビグアニジン系化合物の濃度につい
ては特に制限はないが、マスター溶液を50〜200倍
程度に希釈して湿し水組成物を調製するのに適した濃度
が好ましい。
【0016】本発明の湿し水組成物におけるビグアニジ
ン系化合物の含有量は0.001〜0.5重量%、好ま
しくは0.01〜0.06重量%の範囲で選ぶことが必
要である。この含有量が0.01重量%未満では不感脂
化効果が十分に発揮されず、保存安定性が悪く、かつ長
期循環使用が困難であるし、0.1重量%を超えると湿
し水としての性能が低下し、印刷版の親水性の部分にも
インキが付着して所望の印刷画像が得られにくくなる。
【0017】本発明の湿し水組成物は、前記ビグアニジ
ン系化合物以外に、従来湿し水に慣用されている各種成
分、例えば硫酸、リン酸、クエン酸などの表面清浄剤、
非イオン性界面活性剤などの界面活性剤、アラビアゴ
ム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウ
ム、アルギン酸アンモニウム(高粘度品、低粘度品)、
酸化デンプン、ヘキサメタリン酸ナトリウム、酒石酸ナ
トリウムなどの不感脂化剤、リン酸ナトリウム、第一リ
ン酸アンモニウム、クエン酸ナトリウムなどの緩衝剤、
エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの保水
・乾燥調整剤などを含有することができる。
【0018】
【発明の効果】本発明の湿し水組成物は、長期間循環使
用しても性能が低下することなく、特に不感脂化効果が
持続し、しかも調製液の保存安定性に優れる上、該組成
物中に含有するビグアニジン系化合物の量を小量に抑え
ることができるので、低コスト化が可能である。
【0019】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、湿し水組成物の評価は、マスタ
ー溶液を滅菌水で100倍に希釈して湿し水組成物を調
製し、以下に示す方法に従って行った。
【0020】(1)残存インキの有無 アルミニウム板表面に、90日間循環使用した試料を塗
布し、湿った状態において、市販の印刷インキを1滴滴
下したのち、軽く布で拭き取り、表面上にインキが残る
か否かを目視により判定した。
【0021】(2)両線部のインキ付着性 10cm2の枠の中に50本の直線を引いた画線を用意
し、それを90日間循環使用した試料を用いて100枚
印刷し、100枚目の画線の本数を目視にて計測し、次
の記号に従い評定した。 ○:48〜50本の線が見える △:40〜47本の線が見える ×:40本未満の線が見える
【0022】(3)保存安定性 調製した湿し水組成物を40℃の恒温室に保管し、経日
的に各試料の一部を採取し、液体クロマトグラフィー法
により、ビグアニジン系化合物又はリン酸グアニル尿素
の残存濃度を測定し、次式により残存率を求めた。 残存率(%)=(X′/X)×100 ただし、Xはビグアニジン系化合物又はリン酸グアニル
尿素の初期濃度、X′は45日及び90日後のビグアニ
ジン系化合物又はリン酸グアニル尿素の濃度を示す。
【0023】(4)印刷性 枚葉の四色平板印刷機を使用し、1時間に4000枚印
刷を行い、90日後の印刷画像を目視にて観察し、次の
記号に従い評定した。 ○:鮮明である △:線に多少滲みがある ×:画像全体が滲んでいる
【0024】実施例1 水75重量部に、塩酸ポリヘキサメチレンビグアニド5
重量部、カルボキシメチルセルロース5重量部、リン酸
ナトリウム5重量部、正リン酸2重量部、第一リン酸ア
ンモニウム1重量部、非イオン性界面活性剤2重量部及
びクエン酸5重量部を溶解し、湿し水のマスター溶液を
調製した。性能の評価結果を表1に示す。
【0025】実施例2〜6、比較例1〜3 表1及び表2に示す組成の湿し水のマスター溶液を調製
し、性能を評価した。結果を表1及び表2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】これらの結果から、本発明の湿し水組成物
は、いずれも比較例のものに比べ、長期間循環使用して
も不感脂化効果を持続し、かつ長期間保存安定性に優れ
ることが分かる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中のAは−(CH26−、Bは−(CH28NH
    (CH28NH−、R1、R2及びR3はそれぞれ水素原
    子又は低級アルキル基であり、それらはたがいに同一で
    あってもよいし、異なっていてもよく、p及びrはそれ
    ぞれ0又は1である)で表わされる骨格を有するビグア
    ニジン系化合物0.001〜0.5重量%を含有するこ
    とを特徴とする湿し水組成物。
  2. 【請求項2】 ビグアニジン系化合物が、式 【化2】 で表わされる構成単位を有する塩酸ポリヘキサメチレン
    ビグアニドである請求項1記載の湿し水組成物。
  3. 【請求項3】 ビグアニジン系化合物が、式 【化3】 で表わされる1,1′‐イミノジ(オクタメチレン)ジ
    グアニジン・三酢酸塩である請求項1記載の湿し水組成
    物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2865532A1 (de) * 2013-10-23 2015-04-29 LANXESS Deutschland GmbH Feuchtmittel

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EP2865532A1 (de) * 2013-10-23 2015-04-29 LANXESS Deutschland GmbH Feuchtmittel

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