JP2959310B2 - ナットランナ制御装置 - Google Patents

ナットランナ制御装置

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JP2959310B2
JP2959310B2 JP154693A JP154693A JP2959310B2 JP 2959310 B2 JP2959310 B2 JP 2959310B2 JP 154693 A JP154693 A JP 154693A JP 154693 A JP154693 A JP 154693A JP 2959310 B2 JP2959310 B2 JP 2959310B2
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隆志 江口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ナットランナによるね
じの締付を制御するナットランナ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ナットランナ制御装置としては、従来か
ら、各種の手段によって軸力を管理する装置が知られて
いる。例えば特開平2−152734号公報には、ナッ
トランナのソケット内に超音波センサを内蔵させた構成
が開示されている。この超音波センサはねじの締付に伴
う当該ねじの長さの変化を検出する手段である。この装
置においては、ねじの締付を行いながらねじの長さの変
化を検出し、検出した長さ変化量に基づき軸力を計測し
て管理している。
【0003】また、特開昭61−279472号公報に
は、ねじの締付及び締戻しを行い、その際得られる締付
トルク及び角度のデータから軸力を計算する装置が開示
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
装置においては、超音波センサによる長さの変化の検出
が当該センサが回転している状態で行われるため、セン
サの浮きが生じてしまい、長さを正確に検出できないこ
とがある。また、この回転に起因して、制御装置との間
での信号授受を良好に行うことが困難となり、ノイズが
発生する。従って、前者の装置においては、軸力を安定
的に計測することが困難である。また、超音波センサを
用いる必要があるため、装置コストも大きくなる。
【0005】また、後者の装置においては、ねじの締付
及び締戻しに伴うノイズや滑り、ビビリ等と、トルクレ
ート等の変化とを区別するのが困難である。また、締付
対象となる各ワーク毎にトルクレートの変化傾向が異な
るため、ワークの変更に応じて、軸力の計算方法を修正
する必要がある。従って、適切な計算方法を発見するの
が困難であり、この結果、計算により得られる軸力も不
安定なものとなってしまう。
【0006】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、軸締付時における
軸力計測を行うことなしに、ねじの締付を軸力に基づき
管理することを可能にすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、ナットランナによるねじの締付を
制御する締付制御手段と、ナットランナの動作状態を示
す状態信号の時系列を入力信号としかつ締付後に計測さ
れた軸力を教師信号とした学習が施され、入力される状
態信号の時系列に応じて推定軸力を出力するニューラル
ネットワークと、状態信号の時系列を入力しニューラル
ネットワークに供給する入力手段と、ニューラルネット
ワークから出力される推定軸力の値に応じて締付制御信
号に指令を与え、締付を停止させる締付停止制御手段
と、を備えることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明のナットランナ制御装置においては、ニ
ューラルネットワークを用いて締付に係る軸力が推定さ
れる。このニューラルネットワークは、予め、ナットラ
ンナの動作状態を示す状態信号の時系列を入力信号とし
て、また締付後に計測された軸力を教師信号として、学
習が施されたニューラルネットワークである。従って、
このニューラルネットワークに状態信号の時系列を入力
することにより、締付に係る軸力の推定値(推定軸力)
が得られる。本発明においては、入力手段によって状態
信号の時系列がニューラルネットワークに入力され、こ
れによりニューラルネットワークから得られる推定軸力
の値に応じ、締付制御手段に対し指令が与えられる。こ
の指令は、ねじの締付を停止させる旨の指令である。こ
のように、本発明においては、実締付の際に軸力を計測
することなく、軸力によるねじの締付管理が行われるこ
ととなり、軸力の計測に伴う不安定動作やコストの増大
が防止される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。
【0010】図1には、本発明の第1実施例に係るナッ
トランナ制御装置の構成が示されている。この図に示さ
れるナットランナ制御装置10は、ナットランナ締付制
御装置12、ニューラルネットワーク14及び締付停止
制御回路16を備えている。ナットランナ締付制御装置
12は、ナットランナ18のモータ20に制御信号を与
え、当該モータ20によるねじの締付を制御する。モー
タ20には、角度センサ22及びトルクセンサ24が付
設されている。角度センサ22は、モータ20の回転角
を検出し、ナットランナ締付制御装置12に供給すると
共に、ナットランナ制御装置10内のAD変換回路26
にもこの角度を供給する。また、トルクセンサ24は、
モータ20による締付トルクを検出し、検出結果をナッ
トランナ締付制御装置12及びAD変換回路26に供給
する。なお、図中28は、締付の対象となるねじが取り
付けられるソケットであり、このソケット28はモータ
28の回転に伴い回転する。
【0011】ナットランナ締付制御装置12は、角度セ
ンサ22及びトルクセンサ24から入力される角度及び
トルクに基づき、モータ20に制御信号を与えねじの締
付を制御する。その際、ナットランナ締付制御装置12
には、締付停止制御回路16から供給される停止命令に
応じ、モータ20の制御動作、すなわちねじの締付動作
を停止させる。締付停止制御回路16は、実締付時にニ
ューラルネットワーク14から得られる推定軸力に基づ
き、ナットランナ締付制御装置12に停止命令を与え
る。
【0012】ニューラルネットワーク14は、実締付に
先立ち、トルク及び角度時系列データ並びに温度データ
を入力信号として、実測軸力を教師信号として、学習処
理が施されたニューラルネットワークである。ニューラ
ルネットワーク14の学習に用いられ、また実締付時に
ニューラルネットワーク14への入力信号として用いら
れる角度及びトルクの時系列データは、AD変換回路2
6、前処理回路30及びバッファ32によって得られ
る。AD変換回路26は、角度センサ22から得られる
角度信号及びトルクセンサ24から得られるトルク信号
をデジタルデータに変換し、前処理回路30を介してバ
ッファ32に格納する。前処理回路30は、入力される
角度データ及びトルクデータについて、後述するように
シグモード変換等の前処理を施す回路である。前処理回
路30によって前処理が施された角度及びトルクデータ
は、バッファ32において時系列的に格納される。
【0013】また、ニューラルネットワーク14の学習
時及び実締付時に当該ニューラルネットワーク14の入
力信号として用いられる温度データは、温度計34によ
って得られ前処理回路36により前処理が施されたデー
タである。前処理回路36は、前処理回路30と同様に
温度について前処理を施し、ニューラルネットワーク1
4に供給する。また、先に述べたバッファ32上のデー
タ(トルク及び角度時系列データ)並びに温度データ
は、記憶装置38に格納される。この記憶装置38は、
実測軸力をこれらのデータと対応付けて記憶する装置で
ある。
【0014】記憶装置38に格納される実測軸力は、ニ
ューラルネットワーク14の学習時に軸力計測手段40
によって計測された締付終了後の軸力である。軸力計測
手段40によって得られる実測軸力は、前処理回路40
によってシグモイド変換等の前処理が施された上で、記
憶装置38に格納される。このようにして記憶装置38
上に格納される実測軸力は、ニューラルネットワーク1
4の学習時に教師信号として用いられる。
【0015】図2には、本実施例におけるニューラルネ
ットワーク14の内部及びその近傍の構成がより詳細に
示されている。この図に示されるように、ニューラルネ
ットワーク14は、入力層44、所定個数の中間層46
及び出力層48を有している。各層44、46及び48
は、所定個数のニューロン50を有している。隣接する
層44、46及び48のニューロン50の間は、シナプ
ス52によって結合している。このシナプス52による
結合の重みは、ニューラルネットワーク14の学習時に
適宜調整される。ニューラルネットワーク14に前置さ
れるバッファ32は、前処理回路30を介して入力され
るトルク及び角度のデータを時系列格納すべく、トルク
及び角度それぞれに対応してn個の記憶領域を有してい
る。バッファ32に入力されるトルク及び角度のデータ
は、バッファ32に次のデータが格納されると、図中下
方向にシフトされる。このシフトが進行し、格納時点か
らnタイミング経過すると、当該データは消失すること
となる。
【0016】図3には、この実施例におけるシステム構
築の流れが示されている。この図に示されるように、本
実施例に係るシステムを実締付(100)に用いる場
合、これに先立ち工程外でデータ収集102及び学習1
04を実行しておく必要がある。データ収集102に
は、ニューラルネットワーク14の学習に必要なデータ
を収集するステップであり、学習104は、データ収集
100において収集されたデータに基づくニューラルネ
ットワーク14の学習を行うステップである。
【0017】図4には、この実施例におけるデータ収集
処理の流れが示されている。この実施例においては、ま
ず、データの収集のために用いられるねじについて、締
付停止条件がランダムに設定される(200)。ねじの
締付は、例えは図5に示されるように、仮締過程と本締
過程にわかれており、ステップ200において設定され
る締付停止条件としては、例えば、締付停止に係るトル
ク値、角度値及び仮締開始からの経過時間等を挙げるこ
とができる。
【0018】締付停止条件が設定されると、次に、当該
ねじについての締付が開始される(202)。締付が開
始されると、まず、図5に示されるように仮締が実行さ
れ30、ねじの着座が、トルクセンナ24によって検知
される締付トルクの上昇又は図示しないストロークセン
サ等によって検出されると、これに伴いねじの本締が開
始される。
【0019】図4の処理においては、ステップ202実
行後に、判定に係るステップ204が実行される。この
ステップ204は、サンプリングタイミングか否かの判
定に係るステップである。すなわち、前述したようにス
トロークセンサ等によってねじの着座が検出されると、
データの取得期間が開始され、サンプリング周期ω毎に
サンプリングが行われる。ステップ204における判定
は、このサンプリング周期ωに係るサンプリングタイミ
ングが到来したか否かの判定である。
【0020】この判定の結果、サンプリングタイミング
が未だ到来していないと判定された場合にはステップ2
06が実行される。ステップ206においては、図5に
示される締付停止条件が満たされたか否か、すなわち当
該ねじの締付を終了させるべきか否かの判定が行われ
る。この判定の結果、締付停止条件が未だ満たされてい
ないと判定された場合にはステップ204に戻る。
【0021】ステップ204において、サンプリングタ
イミングであると判定された場合にはステップ208が
実行される。このステップ208においては、前処理さ
れたトルク及び角度データがバッファ32上に格納され
る。ここに、トルク及び角度データについて前処理回路
30によって施される前処理は、例えば図6に示される
ような内容である。この図に示される関数はシグモイト
関数sig(x)であり、この関数を用いて行われる変
換はシグモイド変換と呼ばれる。前処理回路30によっ
てトルクTに施される前処理は、sig(k1 T−
0 )であり、角度θに施される前処理はθ/k3 πで
ある。ここに、k1 及びk3 は定数であり、T0 はトル
クの設計値である。
【0022】このような前処理が施されたデータは、ス
テップ208において、バッファ32上に格納される。
バッファ32は、前述のようにnこの記憶領域を有して
いる。従って、図5に示される着座タイミングからn個
のサンプリングタイミングを経過した後は、最新n個の
トルク及び角度に係るデータのみがバッファ32上に保
存される。ステップ208実行後は、ステップ206に
移る。
【0023】ステップ206において締付停止条件が満
たされていると判定された場合、ステップ210が実行
される。ステップ210は、軸力及び温度の計測に係る
ステップである。すなわち、ニューラルネットワーク1
4の学習の際に入力信号として用いるトルク及び角度の
時系列データがバッファ32上に得られた状態で、軸力
計測手段40により得られる軸力が実測軸力として入力
され、また、温度計34によって得られる温度データが
入力される。軸力計測手段40によって得られる軸力に
ついては、図6に示されるシグモイド関数による前処理
が前処理回路42によって実行される。軸力Tp に係る
前処理は、sig(k2 p −Tp0)である。ここに、
2 は定数、Tp0は軸力設計値である。なお、温度デー
タについても、適当な前処理が施される。
【0024】ステップ210において軸力及び温度に係
るデータが得られると、このデータは、バッファ32上
のトルク及び角度時系列データと共に、記憶装置38上
に記憶される(212)。すなわち、記憶装置38上に
は、トルク及び角度の時系列データ並びに温度データを
実測軸力と対応付けた記憶空間が形成される。ステップ
212実行後は、続いて、ステップ214が実行され
る。ステップ214は、において必要な個数のデータ群
が得られたか否かが判定される。十分なデータが得られ
ていないと判定された時には次のワークに係るデータ収
集を開始すべく、ステップ200に移行する。
【0025】図7には、本実施例における学習処理の流
れが示されている。この図に示されるように、本実施例
においては、学習に当ってまずワークがランダムに選択
される。次に、選択されたワークに係るデータが、記憶
装置38上から読み出される(302)。読み出された
データは、ニューラルネットワーク14の学習に係る入
力信号または教師信号として用いられる。
【0026】すなわち、記憶装置38上から読み出され
たトルク及び角度時系列データ並びに温度データは、ニ
ューラルネットワーク14の入力層44に入力される
(304)。この結果、出力層48のニューロン50か
ら、ある値が出力される(306)。この値は、十分学
習を行った後には軸力の推定値(推定軸力)として用い
得るのであるが、学習の中途では、実測軸力とある程度
異なる値となることが通常である。本実施例において
は、記憶装置38上に格納されている実測軸力に対する
出力層48の出力値の2乗誤差Eが次の式により求めら
れる(308)。
【0027】
【数1】 このようにして得られた2乗誤差Eは、ニューラルネッ
トワーク14におけるニューロン50間の結合重みの調
節に用いられる(310)。すなわち、結合重みとしき
い値をベクトルwと表すこととすると、−dE/dwの
方向にベクトルwを調節することにより、いわゆる誤差
逆伝搬学習を行うことができる。
【0028】このような重みの調節を行った後は、ステ
ップ312が実行される。ステップ312においては、
全ワークについての誤差が十分小か否かが判定される。
ここに言う全ワークについての誤差とは、ステップ30
8において計算した2乗誤差Eを全ワークについて合計
した値等を言う。この誤差が十分小さく零に近い場合、
学習が十分に進行したとみなせるため、学習処理を終了
する。誤差が十分小さくなければ、次のワークに係る学
習を行うべく、ステップ300に戻る。
【0029】図8には、本実施例における実締付処理の
流れが示されている。この図に示される処理は、前述し
たデータ収集102及び学習104を経た後に工程内に
おいて実行される処理である。
【0030】この処理においては、まず、締付対象たる
ねじの締付が開始された後(400)、前述のステップ
204と同様の判定に係る402が実行される。この判
定の結果、まだサンプリングタイミングでないと判定さ
れた場合には引き続きサンプリングタイミングの到来待
ちが実行される。サンプリングタイミングが到来したと
判定された場合には、続いて、ステップ404が実行さ
れる。
【0031】ステップ404においては、前処理回路3
0により前処理されたトルク及び角度データがバッファ
32に格納される。この後に実行されるステップ406
は、バッファ32上にn組のデータがあるか否かの判定
である。すなわち、ねじの着座タイミンクからがn個の
サンプリングタイミングが経過していれば、バッファ3
2上には、トルク及び角度データがnタイミングに亘っ
て存在していることとなる。ステップ406は、バッフ
ァ32上にこのような時系列データが形成されているか
否かの判定である。ステップ406において、n組のデ
ータが存在していないと判定された場合にはステップ4
02に戻り、存在していると判定された場合にはステッ
プ408に移行する。
【0032】ステップ408においては、温度計34に
よる温度の計測すなわち前処理回路36によって前処理
が施された温度データの入力が実行される。ステップ4
08において計測され前処理された温度は、前処理が施
された上で、バッファ32上のデータと共に入力信号と
してニューラルネットワーク14の入力層44に入力さ
れる(410)。このとき、ニューラルネットワーク1
4にはすでに先に述べた処理により学習が施されている
ため、当該ニューラルネットワーク14から軸力の推定
値、すなわち推定軸力が出力される(412)。このよ
うにして得られる推定軸力は、ステップ414における
判定に供される。
【0033】ステップ414においては、締付停止制御
回路16に係る判定が実行される。すなわち、ニューラ
ルネットワーク14から得られる推定軸力が、狙いとす
る軸力に至ったか否かが判定され、至っていないと判定
された場合にはステップ402に戻り、至っていると判
定された場合には締付停止制御回路16からナットラン
ナ締付制御回路12に停止命令が発せられ(416)、
ねじの締付が停止される。ねじの締付が停止された後
は、次のワークに係る締付が開始される(400)。
【0034】このように、本実施例においては、実締付
時の軸力計測を行うことなく、軸力に基づくねじ締め管
理を行うことが可能となる。従って、不安定な軸力に基
づくねじ締付管理が廃止され、また、超音波センサの付
設等に伴なうコストの増大が防止される。従って、本実
施例の装置は、より安定な軸力データに基づきより低廉
な装置構成で軸力によるねじ締管理を行うことを可能に
している。
【0035】また、ニューラルネットワーク14は、い
わゆる汎化能力、すなわち補間機能を有している。従っ
て、実締付時のトルク及び角度のパターンがニューラル
ネットワーク14に学習させていないパターンであって
も、軸力を推定することが可能である。また、トルクや
角度の波形がノイズや滑り等に起因して多少歪んでいる
場合でも、ニューラルネットワーク14から出力される
推定軸力が、当該歪に影響されにくいため、安定した制
御を行うことができる。また、締付後の軸力を計測して
学習を行っているため、締付時のイナーシャを含んだ軸
力の推定が可能である。そして、ねじの焼付きが発生し
たときのトルクや角度データを学習させておくことによ
り、ねじの焼付け等を検出してねじの締付を停止させる
ことが可能である。
【0036】さらに、本実施例によれば、摩擦係数の値
の如何(値、その安定性等)に左右されずに軸力を推定
できる。すなわち、学習時に摩擦係数の影響が入力信号
(トルク、角度)に含まれているため、推定に当たって
摩擦の影響が極めて小さくなる。
【0037】図9には、本発明の第2実施例に係るナッ
トランナ制御装置の構成が示されている。この図に示さ
れるナットランナの制御装置54は、第1実施例におけ
るニューラルネットワーク14に代え時系列処理ニュー
ラルネットワーク56を採用しており、これにより、前
処理が施されたトルク及び角度データを時系列的に格納
するバッファ32を廃止している。すなわち、前処理回
路30の出力は、バッファ32を経ることなく記憶装置
38に格納され、また時系列処理ニューラルネットワー
ク56に入力される。
【0038】この実施例において用いられる時系列処理
ニューラルネットワーク56は、図10に示されるよう
な構成を有している。すなわち、中間層に属するニュー
ロン50にそれぞれその状態を保持するためのニューロ
ン(状態ユニット)58を加えた構成である。このニュ
ーロン58によって、中間層46内において一次遅れ特
性が実現される。従って、バッファ32を用いることな
しにデータの時系列処理を行うことが可能となる。
【0039】また、このような装置構成の変更に伴い、
前述したデータ収集処理、学習処理及び実締付処理にも
変更が加えられる。まず、データ収集処理においては、
図11に示されるように、ステップ208に代えステッ
プ216が、ステップ212に代えステップ218が、
それぞれ実行される。ステップ216においては、前処
理回路30によって前処理されたトルク及び角度データ
が、バッファ32にではなく記憶装置38に格納され
る。また、前述のステップ212においてはバッファ3
2上のデータ及び前処理された実測軸力及び温度データ
が記憶装置38に格納されていたのに対し、この実施例
で実行されるステップ218においては、前処理された
実測軸力及び温度データが記憶装置38に格納される。
このステップ218においても、格納されるデータが、
先にステップ216において格納されたデータと対応付
けられることは言うまでもない。
【0040】次に、学習処理においては、誤差の収束判
定に係るステップ312において、近似計算を行うこと
が必要とされる。これは、図10に示されるように状態
を保持するニューロン58を設けたことに起因して、誤
差の逆伝搬が無限に繰り返されることによるものであ
る。言い換えれば、学習処理に係る判定312において
近似計算を導入することにより、誤差の逆伝搬の無限繰
返しに伴う計算時間の長期化が防止される。
【0041】そして、実締付処理においては、図12に
示されるように、ステップ404に代えステップ418
が、ステップ410に代えステップ420が、それぞれ
実行される。ステップ418は、前処理されたトルク及
び角度データをバッファ32にではなく記憶装置38へ
格納するステップである。また、ステップ420は、バ
ッファ32上のデータではなく記憶装置38上のデータ
を、前処理された温度データと共に入力層44へ入力す
るステップである。
【0042】このように、本実施例によれば、第1実施
例とほぼ同様の効果を得ることができる。また、バッフ
ァ32を廃止してより装置構成を簡素化することができ
る。図13には、本発明の第3実施例に係るナットラン
ナ制御装置のシステム構築の流れが示されている。本実
施例の装置構成は前述した第1実施例及び第2実施例い
ずれの構成であっても良く、また、データ収集102、
学習104及び実締付100に係る処理の内容も、第1
実施例及び第2実施例のいずれに係る処理であっても構
わない。この実施例が特徴とするところは、ねじの締付
に係る工程内において、抜取り検査を行いつつ、ニュー
ラルネットワーク14又は56の更新を行うことにあ
る。
【0043】すなわち、図13に示されるように、実締
付100を行う際に所定の頻度で(106)抜取り検査
を実行し、抜き取ったワークについて軸力計測手段40
による軸力計測を実行する(108)。この時、抜き取
られたワークに係るトルク及び角度データは、時系列デ
ータとしてバッファ32または記憶装置38上に格納さ
れており、また、温度計報34によって温度データも得
られている。続くステップ110においては、トルク及
び角度時系列データ並びに温度データを入力信号とし
て、軸力計測手段40によってステップ108において
得られた実測軸力を教師信号として、ニューラルネット
ワーク14または56の学習が行われる(110)。こ
のようにすると、ニューラルネットワーク14又は56
における結合重みが、周囲の環境の変化、ナットランナ
18の状況、ワークの状況等に応じて経時的に適応する
こととなる。また、実締付110実行時に学習110を
実行しているため、ネットワーク14又は56の学習が
適当な頻度で行われることとなり、推定軸力の値の信頼
性が向上する。
【0044】図14には、本発明の第4実施例に係るナ
ットランナ制御装置におけるデータ収集処理の内容が示
されている。この実施例は、装置構成及び各処理の流れ
としては、前述の第1乃至第3実施例のいずれの構成及
び動作でも実現できる。この実施例が特徴とするところ
は、ニューラルネットワーク14または56の推定能力
を増強し、かつニューラルネットワーク14または56
の学習のためのデータをより多く収集するために、デー
タ収集時にステップ的な締付を行うことを特徴としてい
る。
【0045】すなわち、データを収集する際、ナットラ
ンナ締付制御装置12は、図14(a)に示されるよう
な角度指令又は図14(b)に示されるような速度指令
をモータ20に対し制御信号として与える。図14
(a)に示される角度指令においては、指令値が、時刻
の経過と共にステップ的に増加している。また、図14
(b)に拡大図示されるように、角度指令はほぼステッ
プ的に増加する。図14(b)に示される速度指令は、
図14(a)に示される角度指令を速度指令として表し
たものである。角度指令及び速度指令の拡大波形は、図
14(d)又は(e)に示されるような波形である。速
度指令は、角度指令が立上る時点で立上る。
【0046】このような角度指令または速度指令をモー
タ20に制御信号として与えた場合のトルクセンサ24
の出力は、図14(c)に示されるようなものとなる。
すなわち、角度指令又は速度指令の立上り時点で立上
る。図14(c)に示されるトルク出力の波形は、角度
指令に対する応答波形(角度センサ22の出力波形)が
図14(f)に示されるようなものであり、これに対応
するモータ20の速度応答が図14(g)に示されるよ
うなものであることから、図14(h)に拡大図示され
るような波形となる。
【0047】本実施例においては、ニューラルネットワ
ーク14又は56の学習に係るデータ収集を行う際に、
図14に示されるような制御によってねじの締付を行う
ようにしている。すなわち、図14(a)又は(b)に
示されるような角度指令又は速度指令の各ステップ毎
に、データを収集して、ニューラルネットワーク14又
は56の学習に使用している。
【0048】この実施例においてニューラルネットワー
ク14又は56の学習のために収集されるデータは、ナ
ットランナ締付制御装置12からモータ20に与える速
度指令又はその応答、角度指令又はその応答、トルクセ
ンサ24の出力及び軸力計測手段40によって得られる
実測軸力である。学習は、角度指令又は速度指令の各ス
テップ毎に得られるこれらのデータの組合せに基づき実
行する。すなわち、各ステップにおいて得られる速度指
令又はその応答、角度指令又はその応答及びトルクデー
タを入力信号として、実測軸力を教師信号として、学習
を行う。このような学習を、図14に示される各ステッ
プにおいて得られるデータの組合わせ毎に繰返し行うこ
とにより、ニューラルネットワーク14又は56が学習
構築される。実締付時には、やはり、図14に示される
ような制御によってねじの締付を行い、ステップ毎に、
締付停止制御回路16による締付停止に係る判定を行
う。この結果、当該ステップにおいてニューラルネット
ワーク14又は56から得られる推定軸力が狙いとする
軸力に至っている場合にはねじの締付を測定させるべく
停止命令を締付停止制御回路16からナットランナ締付
制御装置12に与えるようにする。
【0049】このようにすることにより、本実施例によ
れば、ニューラルネットワーク14又は56の学習に係
るデータを収集する際、1個のワークから収集できるデ
ータの個数が格段に増大するため、データ収集効率が増
大する。これとともに、ニューラルネットワーク14又
は56の学習に係るデータを豊富に収集することができ
るため推定能力の向上を実現することができる。さら
に、ねじの締付制御が例えば図5に示されるような締付
過程に比べ簡素化されるため、ねじの締付に係る制御が
容易となる。さらに、角度指令又は速度指令の立上りに
応じてトルクセンサ24の出力が変化する際、摩擦係数
の寄与分がそれに対応して変化するため、摩擦係数の寄
与分と軸力の寄与分を分離することができる。
【0050】なお、この実施例においては、ねじの締付
に係る環境データとして温度データをニューラルネット
ワーク14又は56に入力するようにしているが、温度
データに代え、又は温度データに付加して、他の環境デ
ータ(湿度等)をニューラルネットワーク14又は56
に入力するようにしても構わない。また、ねじの締付に
係る環境が十分に温度等の制御が行き渡った環境である
場合には、環境に係るデータをニューラルネットワーク
14又は56の学習に用いる必要がなく、これらのデー
タの収集は不要となる。さらに、第1乃至第3実施例に
おいては、ナットランナ18の動作状態を示す信号とし
て角度及びトルクに係る信号を入力しているが、これ以
外の信号を入力するようにしても構わない。例えば第4
実施例において行われているように、モータ20の速度
応答を入力しても構わない。この場合には、モータ20
の速度を何らかの手段で監視する必要がある。さらに、
第1乃至第3実施例においては、ナットランナ18の動
作状態の実測値が入力されているが、これは、第4実施
例において行われるているように、動作状態の変更に係
る指令を用いても構わない。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ナットランナの動作状態を示す状態信号の時系列を入力
信号として、かつ締付後に計測された軸力を教師信号と
して学習が施されたニューラルネットワークを、実締付
時に軸力の推定に用い、この推定軸力の値に応じてねじ
の締付に係る制御を管理するようにしたため、実締付時
に不安定性を伴う軸力計測を行う必要がなくなり、軸力
に基づくねじの締付管理をより安定的に行うことが可能
となる。また、その際、超音波センサ等を用いる必要が
ないため、装置構成がより簡素なもので足りることとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るナットランナ制御装
置の装置構成を示すブロック図である。
【図2】この実施例の要部構成を示すブロック図であ
る。
【図3】この実施例におけるシステム構築の流れを示す
フローチャートである。
【図4】この実施例におけるデータ収集処理の流れを示
すフローチャートである。
【図5】この実施例におけるねじの締付過程を示す図で
ある。
【図6】この実施例において実行される前処理の一例を
示す図である。
【図7】この実施例において実行される学習処理の流れ
を示すフローチャートである。
【図8】この実施例において実行される実締付処理の流
れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施例に係るナットランナ制御装
置の装置構成を示すブロック図である。
【図10】この実施例において用いられるニューラルネ
ットワークの構成を示すシナプス結合図である。
【図11】この実施例において実行されるデータ使用収
集処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】この実施例において実行される実締付処理の
流れを示すフローチャートである。
【図13】本発明の第3実施例に係るナットランナ制御
装置において実行されるシステム構築の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図14】本発明の第4実施例に係るナットランナ制御
装置において実行される締付制御の内容を示す図であ
り、図14(a)は角度指令波形を、図14(b)は速
度指令波形を、図14(c)はトルク出力波形を、図1
4(d)は角度指令の拡大波形を、図14(e)は速度
指令の拡大波形を、図14(f)は角度応答の波形を、
図14(g)は速度応答の波形を、図14(h)はトル
ク出力の拡大波形を、それぞれ示す図である。
【符号の説明】
10,54 ナットランナ制御装置 12 ナットランナ締付制御装置 14 ニューラルネットワーク 16 締付停止制御回路 18 ナットランナ 20 モータ 22 角度センサ 24 トルクセンサ 32 バッファ 34 温度計 38 記憶装置 40 軸力計測手段 44 入力層 46 中間層 48 出力層 50 ニューロン 52 シナプス 56 時系列処理ニューラルネットワーク 58 状態を保持するニューロン T トルクデータ Tp 軸力 θ 角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 規 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−90472(JP,A) 特開 平4−35878(JP,A) 特開 平2−139139(JP,A) 特開 昭59−118380(JP,A) 特開 昭61−50777(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23P 19/06 B25B 23/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナットランナによるねじの締付を制御す
    る締付制御手段と、 ナットランナの動作状態を示す状態信号の時系列を入力
    信号としかつ締付後に計測された軸力を教師信号とした
    学習が施され、入力される状態信号の時系列に応じて推
    定軸力を出力するニューラルネットワークと、 状態信号の時系列を入力しニューラルネットワークに供
    給する入力手段と、 ニューラルネットワークから出力される推定軸力の値に
    応じて締付制御手段に指令を与え、締付を停止させる締
    付停止制御手段と、 を備えることを特徴とするナットランナ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のナットランナ制御装置に
    おいて、 ニューラルネットワークの学習に用いる入力信号及び教
    師信号を収集する際に、締付がねじ1個毎に複数ステッ
    プに分解して行われるよう締付制御手段がねじの締付を
    制御することを特徴とするナットランナ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のナットランナ制御
    装置において、 上記ニューラルネットワークが、ねじ締めに係るトルク
    を含む状態信号の時系列を入力信号としかつ締付後に計
    測された軸力を教師信号とした学習が施されたニューラ
    ルネットワークであることを特徴とするナットランナ制
    御装置。
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