JP2959288B2 - 移動通信方法およびその装置 - Google Patents

移動通信方法およびその装置

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充 上杉
佳子 斉藤
和久 椿
光一 本間
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基地局と移動局との間
の移動通信方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、移動通信はその需要が急激に増加
しており、それに応じて周波数の利用効率を大幅に上げ
る必要が生じており、そのためには、送信信号の狭帯域
化や音声信号の圧縮などの方法があるが、それだけでは
需要に追いつけないのが現状である。
【0003】以下に従来の移動通信装置について説明す
る。図3は従来の移動通信装置の基地局の概略構成を示
すものであり、図4はその動作を説明するためのキャリ
ア配置とスペクトルを示したものである。図3におい
て、1は音声CODEC、FAXなどの送信データ発生
器、2は基地局と移動局の距離を測定する距離測定器、
3はTA信号生成器である。TA信号生成器3は、基地
局と移動局の距離が長いと、移動局から送信した信号が
基地局で受信されるまでに時間差が生じ、その差を吸収
するため、移動局側の送信タイミングを基地局からの距
離に応じて、基準タイミングから早める必要があり、そ
の量をTA(タイムアドバンス)と呼び、TAを制御信
号に挿入して移動局に送信してその時間差を吸収するよ
うに制御する。4は通信時にチャネルを割り当てるチャ
ネル割当器、5は割り当てたチャネルを移動局に知らせ
るための制御信号を生成するチャネル信号生成器、6は
現在使用しているチャネルを記憶しておくチャネル使用
情報記憶器、7は変復調に用いるキャリアを発生させる
シンセサイザ、8は送信データ、TA信号およびチャネ
ル信号を送信できる形に構成する送信信号構成器、9は
変調器、10は送信アンテナである。
【0004】以上のように構成された移動通信装置につ
いて、以下その動作について説明する。まず、移動局が
発呼する場合は、移動局から送信された要求信号中に含
まれる同期信号などを用いて基地局の距離測定器2で距
離を測定する。また、基地局から発呼する場合も、最初
に基地局から呼出信号が送信される以外は上記と同様で
ある。
【0005】次に、基地局のTA信号生成器3では、測
定した距離から移動局が基準タイミングからどれだけ早
く送信を行なえば良いかを計算して移動局を制御するT
A信号を生成する。またそれと同時に、チャネル割当器
4でチャネル使用情報記憶器6を参照して空いているチ
ャネルを選び、シンセサイザ7にそのチャネルのキャリ
アを指定する。また、チャネル信号生成器5では、割り
当てたチャネルを移動局に知らせるための制御信号を生
成する。そして、送信信号構成器8では、TA信号生成
器3からのTA信号とチャネル信号生成器5からの制御
信号とを送信できる形に構成し、変調器9でシンセサイ
ザ7からのキャリアで変調をかけ、送信アンテナ10か
ら送信する。移動局では、送られてきたTA信号に従っ
て送信タイミングを基準タイミングからずらし、指定さ
れたチャネル(FDMAなどの場合はキャリア、TDM
Aなどの場合はキャリアとスロット番号)により送信を
行なう。チャネルがつながったら、送信データ発生器1
からの信号を送信信号構成器8で送信信号に挿入して通
信を行なう。
【0006】上記従来の装置に使用されるキャリアは、
図4(a)に示すように等しい間隔Xでキャリアが配置
されている。この場合、図4(b)、(c)のように、
セルの端付近などのように、隣接波(図中の斜線の部
分)のパワーが大きい場合には、図4(c)のようにキ
ャリア間隔をXより小さいYにとると干渉が大きく、所
望の品質が得られないので、図4(b)のように、隣接
波による干渉がないようにキャリア間隔Xを定めてあ
る。また、図5のように、セルの中心付近などのよう
に、隣接波のパワーが小さい場合には、干渉が小さいの
で品質を十分に保つことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の移動通信装置では、キャリアの間隔を、セルの端付
近などでも隣接波による干渉を防止できるような広さに
等間隔に配置されているので、移動局がセルの中心付近
にいる場合のように隣接波による干渉の小さい場合で
も、干渉の大きい場合と同じだけキャリア間隔を必要と
するため、周波数に無駄を生じるという問題を有してい
た。
【0008】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
であり、周波数の無駄を少なくして、有限の周波数帯域
内に確保できるチャネル数を増やすことができる優れた
移動通信方法およびその装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、基地局と移動局間の通信に使用する周波
数のキャリア間隔を複数用意しておき、基地局に設けら
れた距離測定器は、移動局と基地局の距離を測定し、キ
ャリア選択器は、前記距離測定器からの信号により、移
動局が基地局から遠い場合は大きい間隔のキャリアを、
近い場合は小さい間隔のキャリアを割り当てるものであ
る。
【0010】
【0011】
【作用】本発明は、上記構成によって、例えば移動局が
セルの中心付近にいる場合は間隔の狭いキャリアに、遠
くにいる場合は間隔の広いキャリアに割り当てることに
よって、限られた帯域内でキャリア間隔を一定にした場
合よりもより多くのチャネルを使用することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。図1は本発明の一実施例における移
動通信装置の基地局の概略構成を示すもので、図2はそ
の動作を説明するためにキャリア配置とスペクトルを示
したものである。図1において、11は音声CODE
C、FAXなどの送信データ発生器、12は基地局と移
動局の距離を測定する距離測定器、13はTA信号生成
器である。14は通信時にチャネルを割り当てるチャネ
ル割当器、15は割り当てたチャネルを移動局に知らせ
るための制御信号を生成するチャネル信号生成器、16
は現在使用しているチャネルを記憶しておくチャネル使
用情報記憶器、17は変復調に用いるキャリアを発生さ
せるとともに、複数のキャリア間隔が用意されているシ
ンセサイザ、18は送信データ、TA信号およびチャネ
ル信号を送信できる形に構成する送信信号構成器、19
は変調器、20は送信アンテナ、21は基地局と移動局
の距離から使用すべきキャリア間隔を選択するキャリア
選択器である。
【0013】以上のように構成された移動通信装置につ
いて、以下その動作について説明する。まず、移動局が
発呼する場合は、移動局から送信された要求信号中に含
まれる同期信号などを用いて基地局の距離測定器12で
距離を測定する。また、基地局から発呼する場合も、最
初に基地局から呼出信号が送信される以外は上記と同様
である。
【0014】次に、基地局のTA信号生成器13では、
測定した距離から移動局が基準タイミングからどれだけ
早く送信を行なえば良いかを計算して移動局を制御する
TA信号を生成する。またそれと同時に、キャリア選択
器21では、測定した距離に応じて、基地局と移動局の
距離が遠い場合にはキャリア間隔が広いキャリアを、近
い場合にはキャリア間隔が狭いキャリアを選択する。チ
ャネル割当器14では、チャネル使用情報記憶器16を
参照して、そのキャリア上で空いているチャネルを選
び、シンセサイザ17にそのチャネルのキャリアを指定
し、またチャネル信号生成器15では、割り当てたチャ
ネルを移動局に知らせるための制御信号を生成する。そ
して、送信信号構成器18では、TA信号生成器13か
らのTA信号とチャネル信号生成器15からの制御信号
とを送信できる形に構成し、変調器19でシンセサイザ
17からのキャリアで変調をかけ、送信アンテナ20か
ら送信する。移動局では、送られきたTA信号に従って
送信タイミングを基準タイミングからずらし、指定され
たチャネル(FDMAなどの場合はキャリア、TDMA
などの場合はキャリアとスロット番号)により送信を行
なう。チャネルがつながったら、送信データ発生器11
からの信号を送信信号構成器18で送信信号に挿入して
通信を行なう。
【0015】次に、図2を用いて上記した移動通信装置
の動作についてさらに詳しく説明する。まず、キャリア
を等間隔でなく、図2(a)のように、例えば周波数の
低い方は狭い間隔Yで、周波数の高い方は広い間隔Xで
配置する。移動局が基地局との距離が近いセルの中心付
近にいる場合は、隣接のセルとの距離は遠いために、図
2(b)のように、斜線で示す隣接波のパワーは小さ
く、キャリア間隔が小さいYで所望の品質が保てる。一
方、移動局が基地局との距離が離れているセルの端付近
にいる場合には、隣接波のパワーが大きいため、図2
(c)のようにキャリア間隔を大きいXにしないと所望
の品質が得られない。そこで、距離測定器12の測定結
果がある距離以上であった場合には、広いキャリア間隔
Xを選び、それ以下であった場合には、狭いキャリア間
隔Yを選ぶ。移動局が移動した場合は、その位置に応じ
て、チャネルの再割当(セル内チャネル切り替え)を随
時行なう。このことにより、全キャリアにおいて所望の
品質を満足させつつ、多くのキャリア(チャネル)を使
用することができる。
【0016】本実施例による移動通信装置のキャリア数
と従来の移動通信装置のキャリア数の例を(表1)に比
較して示している。
【0017】
【表1】
【0018】この(表1)から明らかなように、本実施
例による移動通信装置は、キャリア数を従来例に比べて
多くとれ、使用できるチャネルを増やせる点で優れた効
果が得られる。なお、上記実施例ではキャリア間隔を大
小2種類としたが、これは何種類でも良い。
【0019】以上のように、本実施例によれば、キャリ
ア間隔を一定でなくし、基地局と移動局の距離に応じて
使用するキャリアの間隔を選択するキャリア選択器を設
け、移動局がセルの中心付近にいる場合にはキャリア間
隔の狭いキャリアを、端付近にいる場合にはキャリア間
隔の広いキャリアを割り当てることにより、全キャリア
において所望の品質を保ちつつ、使用可能なキャリア数
を増やすことができる。
【0020】
【発明の効果】以上のように、本発明は、基地局と移動
局間の通信に使用する周波数帯を異なったキャリア間隔
に分割し、各キャリア間隔をそれぞれ異なったチャネル
として使用するようにしたので、単一のキャリア間隔に
分割した場合に比べて限られた帯域内でより多くのチャ
ネルを使用することができるという効果を有する。
【0021】本発明はまた、基地局と移動局の距離に応
じて、移動局がセルの中心付近にいる場合にはキャリア
間隔の狭いキャリアを、端付近にいる場合にはキャリア
間隔の広いキャリアを選択するようにしたので、全キャ
リアにおいて所望の品質を保ちつつ、使用可能なキャリ
ア数すなわちチャネル数を増やすことができるという効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における移動通信装置の基地
局の概略構成を示すブロック図
【図2】(a)同装置におけるキャリア配置図 (b)同装置におけるセルの中心付近のスペクトル図 (c)同装置におけるセルの端付近のスペクトル図
【図3】従来の移動通信装置の基地局の概略構成を示す
ブロック図
【図4】(a)同装置におけるキャリア配置図 (b)同装置における隣接波のパワーが大きい場合のス
ペクトル図 (c)同装置におけるキャリア間隔を狭めた場合のスペ
クトル図
【図5】同装置における隣接波のパワーが小さい場合の
スペクトル図
【符号の説明】
11 送信データ発生器 12 距離測定器 13 TA信号生成器 14 チャネル割当器 15 チャネル信号生成器 16 チャネル使用情報記憶器 17 シンセサイザ 18 送信信号構成器 19 変調器 20 送信アンテナ 21 キャリア選択器
フロントページの続き (72)発明者 本間 光一 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番 1号 松下通信工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−198237(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 7/24 - 7/26 102 H04Q 7/00 - 7/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基地局と移動局間の通信に使用する周波
    数のキャリア間隔を複数用意しておき、基地局に設けら
    れた距離測定器は、移動局と基地局の距離を測定し、キ
    ャリア選択器は、前記距離測定器からの信号により、移
    動局が基地局から遠い場合は大きい間隔のキャリアを、
    近い場合は小さい間隔のキャリアを割り当てる移動通信
    方法。
  2. 【請求項2】 基地局と移動局間の通信に使用する周波
    数のキャリア間隔を複数用意しておき、基地局側に、回
    線接続時に移動局と基地局の距離を測定する距離測定器
    と、この距離測定器からの信号により、移動局が基地局
    から遠い場合は大きい間隔のキャリアを、近い場合は小
    さい間隔のキャリアを割り当てるキャリア選択器とを備
    えた移動通信装置。
  3. 【請求項3】 回線接続時だけでなく、距離測定器によ
    り常に移動局と基地局の距離を測定し、キャリア選択器
    によりその距離に応じたキャリアを選択する請求項2記
    載の移動通信装置。
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