JP2958699B2 - 超音波送受波器 - Google Patents
超音波送受波器Info
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- JP2958699B2 JP2958699B2 JP29787589A JP29787589A JP2958699B2 JP 2958699 B2 JP2958699 B2 JP 2958699B2 JP 29787589 A JP29787589 A JP 29787589A JP 29787589 A JP29787589 A JP 29787589A JP 2958699 B2 JP2958699 B2 JP 2958699B2
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- piezoelectric element
- ultrasonic transducer
- damping
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Description
【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は水中または空中等に超音波を放射したり受信
したりする超音波送受波器に係り、特に送受波素子とし
て可撓性複合物圧電材料よりなる圧電素子を用いた超音
波送受波器のダンピング部材の改良に関するものであ
る。
したりする超音波送受波器に係り、特に送受波素子とし
て可撓性複合物圧電材料よりなる圧電素子を用いた超音
波送受波器のダンピング部材の改良に関するものであ
る。
［従来技術］ 超音波送受波器は、通常、第１図に示すように両面に
電極b,cを形成した圧電セラミック製圧電素子ａの背面
（電極面ｃ）にダンピング部材ｄを配設してなり、該ダ
ンピング部材ｄにより圧電素子ａの電極面ｃより発生す
る不要振動波を減衰させ、電極面ｂからの振動波のみを
水中または空中に向けて放射するようにしている。
電極b,cを形成した圧電セラミック製圧電素子ａの背面
（電極面ｃ）にダンピング部材ｄを配設してなり、該ダ
ンピング部材ｄにより圧電素子ａの電極面ｃより発生す
る不要振動波を減衰させ、電極面ｂからの振動波のみを
水中または空中に向けて放射するようにしている。
ところでこの種の超音波送受波器に用いられているダ
ンピング部材は、圧電素子の背面からの振動波を反射な
く伝播させて減衰させる必要から、その音響インピーダ
ンスを、圧電セラミックの音響インピーダンス（約30×
106kg/m2・sec）に近似させている。そしてこのような
ダンピング部材としてエポキシ等の樹脂中に酸化タング
ステン粉末等の無機粉末またはタングステン等の金属粉
末を混合し、この混合物をプレス成形し、あるいは真空
脱泡により内部の空孔を除去したものが使用されてい
る。
ンピング部材は、圧電素子の背面からの振動波を反射な
く伝播させて減衰させる必要から、その音響インピーダ
ンスを、圧電セラミックの音響インピーダンス（約30×
106kg/m2・sec）に近似させている。そしてこのような
ダンピング部材としてエポキシ等の樹脂中に酸化タング
ステン粉末等の無機粉末またはタングステン等の金属粉
末を混合し、この混合物をプレス成形し、あるいは真空
脱泡により内部の空孔を除去したものが使用されてい
る。
［発明が解決しようとする課題］ 従来のダンピング部材は、圧電セラミックとの間で音
響インピーダンスの整合化を図るために、ダンピング部
材内部に空孔が存在しないよう成形しているが、これが
かえって減衰効果を小さくしていた。このためダンピン
グ部材の背面で不要振動波の反射が起こり、第３図に示
したように応答周波数特性に乱れを生じていた。
響インピーダンスの整合化を図るために、ダンピング部
材内部に空孔が存在しないよう成形しているが、これが
かえって減衰効果を小さくしていた。このためダンピン
グ部材の背面で不要振動波の反射が起こり、第３図に示
したように応答周波数特性に乱れを生じていた。
またダンピング部材の減衰効果を一層向上させる手段
として、該部材を厚く（高く）する工夫もあるが構造を
大きくする欠点があった。
として、該部材を厚く（高く）する工夫もあるが構造を
大きくする欠点があった。
更にまた音響インピーダンスを圧電セラミックの音響
インピーダンスに近付けるために樹脂中に分散させる粒
子として、金属粉末を使用すると比抵抗が小さくなって
絶縁不良等の問題を生じる。そこで通常酸化タングステ
ン粉末が用いているが、かかるセラミック粉末は焼成後
に面倒な粉砕工程を要するためダンピング部材の製造コ
ストが高くなるという欠点があった。
インピーダンスに近付けるために樹脂中に分散させる粒
子として、金属粉末を使用すると比抵抗が小さくなって
絶縁不良等の問題を生じる。そこで通常酸化タングステ
ン粉末が用いているが、かかるセラミック粉末は焼成後
に面倒な粉砕工程を要するためダンピング部材の製造コ
ストが高くなるという欠点があった。
［課題を解決するための手段］ 本発明は、圧電素子と、その背面に配設したダンピン
グ部材よりなるものにおいて、前記圧電素子が可撓性複
合圧電材料よりなり、前記ダンピング部材が、空孔を含
む樹脂と、相転移により自己崩壊を生じるチタン酸鉛系
セラミック粒子との混合物からなることを特徴とするも
のである。
グ部材よりなるものにおいて、前記圧電素子が可撓性複
合圧電材料よりなり、前記ダンピング部材が、空孔を含
む樹脂と、相転移により自己崩壊を生じるチタン酸鉛系
セラミック粒子との混合物からなることを特徴とするも
のである。
ここで可撓性圧電材料とは合成樹脂、合成ゴム等の有
機物中にチタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸鉛等の圧電磁
器粉末を均一に分散してなるものをいう。
機物中にチタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸鉛等の圧電磁
器粉末を均一に分散してなるものをいう。
また、相転移により結晶格子の異方性が増し自己崩壊
して粉状となるチタン酸鉛系セラミックとしては、TiO2
とPbOの配合割合が等モルであるPbTiO3を初め、Pb1+xTi
O3+x［ｘ≠０］式で示されるもの、あるいはPb（Ti1-xZ
rx）O3［０＜ｘ≦0,25］で示されるもの、更には(1-x)P
bTiO3−xBiFeO3［０＜ｘ≦0,7］で示されるものを指
し、これらのセラミックは合成後の高温相（立方晶）か
らキュリー点温度を通過し、常温相（正方晶）まで冷却
させる過程でその相転移による格子変形（異方性）が、
室温相の格子定数比c/a≦1.045と大きいために自己崩壊
して粒径の揃った単一粒子の粉末となる。
して粉状となるチタン酸鉛系セラミックとしては、TiO2
とPbOの配合割合が等モルであるPbTiO3を初め、Pb1+xTi
O3+x［ｘ≠０］式で示されるもの、あるいはPb（Ti1-xZ
rx）O3［０＜ｘ≦0,25］で示されるもの、更には(1-x)P
bTiO3−xBiFeO3［０＜ｘ≦0,7］で示されるものを指
し、これらのセラミックは合成後の高温相（立方晶）か
らキュリー点温度を通過し、常温相（正方晶）まで冷却
させる過程でその相転移による格子変形（異方性）が、
室温相の格子定数比c/a≦1.045と大きいために自己崩壊
して粒径の揃った単一粒子の粉末となる。
［作用］ 内部に空孔を含むダンピング部材に、圧電素子の背面
より生じる不要振動波が伝播すると、その一部は無数の
空孔に順次衝突して乱反射して拡散消滅する。また他の
一部はセラミック粒子の振動とその周りの樹脂との分子
摩擦による熱エネルギーに変換される。このため全体と
して大きな減衰効果を発揮する。さらには、相転移によ
り自己崩壊を生じるチタン酸鉛系セラミック粒子を用い
ているから、粒径が揃い、特性が安定化すると共に、粒
子の格別な粉砕工程が要らず、安価に製造できる 尚、空孔を含むダンピング受材の音響インピーダンス
は、空孔を含まないものに比し小さくなるが、圧電素子
に圧電セラミック材料よりも音響インピーダンスが低い
可撓性複合圧電材料を用いているため、両者の音響イン
ピーダンスが近似し、圧電素子からの不要振動波を反射
せず、ダンピング部材の減衰特性を低下するようなこと
はない。
より生じる不要振動波が伝播すると、その一部は無数の
空孔に順次衝突して乱反射して拡散消滅する。また他の
一部はセラミック粒子の振動とその周りの樹脂との分子
摩擦による熱エネルギーに変換される。このため全体と
して大きな減衰効果を発揮する。さらには、相転移によ
り自己崩壊を生じるチタン酸鉛系セラミック粒子を用い
ているから、粒径が揃い、特性が安定化すると共に、粒
子の格別な粉砕工程が要らず、安価に製造できる 尚、空孔を含むダンピング受材の音響インピーダンス
は、空孔を含まないものに比し小さくなるが、圧電素子
に圧電セラミック材料よりも音響インピーダンスが低い
可撓性複合圧電材料を用いているため、両者の音響イン
ピーダンスが近似し、圧電素子からの不要振動波を反射
せず、ダンピング部材の減衰特性を低下するようなこと
はない。
［実施例］ 以下本発明の実施例について説明する。
まず、使用する圧電素子として、チタン酸鉛粒子とク
ロロプレンゴム（残部）とをそれぞれ体積％で60:40に
なるよう配合してなる可撓性複合圧電材料を用いて直径
30mm×厚さ1mmの円板状に成形し、両面に電極となる導
電性ゴムペーストを50μｍの厚さに塗着した後、温度17
0℃、圧力150kg/cm2の条件で加硫を施し、電極間に70KV
/cmの直流電圧を印加して分極したものを準備した。こ
の圧電素子の音響インピーダンスは８×106Kg/m2・sec
であった。
ロロプレンゴム（残部）とをそれぞれ体積％で60:40に
なるよう配合してなる可撓性複合圧電材料を用いて直径
30mm×厚さ1mmの円板状に成形し、両面に電極となる導
電性ゴムペーストを50μｍの厚さに塗着した後、温度17
0℃、圧力150kg/cm2の条件で加硫を施し、電極間に70KV
/cmの直流電圧を印加して分極したものを準備した。こ
の圧電素子の音響インピーダンスは８×106Kg/m2・sec
であった。
また使用するダンピング部材として焼成後に自己崩壊
により自然粉砕したチタン酸鉛粒子（粒度３〜11μｍ）
とウレタン樹脂とをそれぞれ体積％で30:70になるよう
に配合し、これを撹拌棒により良く掻混ぜて空気を混入
させてなるダンピングペーストを用いた。かかるダンピ
ング部材の音響インピーダンスは3.4×106Kg/m2・secで
あり、0.05〜0.5mmφの空孔が体積比で15％程度含まれ
ていた。
により自然粉砕したチタン酸鉛粒子（粒度３〜11μｍ）
とウレタン樹脂とをそれぞれ体積％で30:70になるよう
に配合し、これを撹拌棒により良く掻混ぜて空気を混入
させてなるダンピングペーストを用いた。かかるダンピ
ング部材の音響インピーダンスは3.4×106Kg/m2・secで
あり、0.05〜0.5mmφの空孔が体積比で15％程度含まれ
ていた。
また、又比較のため使用するダンピング部材として、
真空脱泡により内部の空孔を排除した以外は前記と同様
に作成したダンピングペーストを用いた。かかるダンピ
ング部材の音響インピーダンスは、4.6×106Kg/m2・sec
であった。
真空脱泡により内部の空孔を排除した以外は前記と同様
に作成したダンピングペーストを用いた。かかるダンピ
ング部材の音響インピーダンスは、4.6×106Kg/m2・sec
であった。
このように製作した二種のダンピングペーストに前記
圧電素子の背面（電極面ｃ）上に滴下注型して厚さ30mm
のダンピング層を形成した後、周波数応答特性を測定し
た結果を第２図と第３図に示した。
圧電素子の背面（電極面ｃ）上に滴下注型して厚さ30mm
のダンピング層を形成した後、周波数応答特性を測定し
た結果を第２図と第３図に示した。
真空脱泡して内部に空孔を含まないようにしたダンピ
ング部材を用いた場合は、第３図に示されるているよう
に応答周波数特性に乱れを生じているが、内部に空孔を
含む本発明にかかるダンピング部材を用いた場合には、
第２図に示されるように乱れがなく、ダンピング効果を
充分発揮していることが認められた。
ング部材を用いた場合は、第３図に示されるているよう
に応答周波数特性に乱れを生じているが、内部に空孔を
含む本発明にかかるダンピング部材を用いた場合には、
第２図に示されるように乱れがなく、ダンピング効果を
充分発揮していることが認められた。
［発明の効果］ 以上の通り本発明によれば圧電素子の不要振動波を充
分減衰することができるので優れた送受波特性を有する
超音波送受波器を提供することができる。またセラミッ
ク粒子に格別な粉砕工程の要らないチタン酸鉛系セラミ
ック材料を用いたから、安価に製造できるという優れた
効果がある。
分減衰することができるので優れた送受波特性を有する
超音波送受波器を提供することができる。またセラミッ
ク粒子に格別な粉砕工程の要らないチタン酸鉛系セラミ
ック材料を用いたから、安価に製造できるという優れた
効果がある。
添付図面は本発明の実施例を示し、第１図は超音波送受
波器の基本構造を示す縦断側面図、第２図は本発明の超
音波送受波器の応答周波数特性を示すグラフ、第３図は
従来構成の同図である。
波器の基本構造を示す縦断側面図、第２図は本発明の超
音波送受波器の応答周波数特性を示すグラフ、第３図は
従来構成の同図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) H04R 17/00
Claims (1)
- 【請求項１】圧電素子と、その背面に配設したダンピン
グ部材よりなるものにおいて、前記圧電素子が可撓性複
合圧電材料よりなり、前記ダンピング部材が、空孔を含
む樹脂と、相転移により自己崩壊を生じるチタン酸鉛系
セラミック粒子との混合物からなることを特徴とする超
音波送受波器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29787589A JP2958699B2 (ja) | 1989-11-15 | 1989-11-15 | 超音波送受波器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29787589A JP2958699B2 (ja) | 1989-11-15 | 1989-11-15 | 超音波送受波器 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03158100A JPH03158100A (ja) | 1991-07-08 |
| JP2958699B2 true JP2958699B2 (ja) | 1999-10-06 |
Family
ID=17852249
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29787589A Expired - Fee Related JP2958699B2 (ja) | 1989-11-15 | 1989-11-15 | 超音波送受波器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2958699B2 (ja) |
-
1989
- 1989-11-15 JP JP29787589A patent/JP2958699B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03158100A (ja) | 1991-07-08 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |