JP2958441B2 - 磁性を有する軽量材料 - Google Patents

磁性を有する軽量材料

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JP2958441B2 JP8145224A JP14522496A JP2958441B2 JP 2958441 B2 JP2958441 B2 JP 2958441B2 JP 8145224 A JP8145224 A JP 8145224A JP 14522496 A JP14522496 A JP 14522496A JP 2958441 B2 JP2958441 B2 JP 2958441B2
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慶三 小林
敏幸 西尾
公洋 尾崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性を有する軽量
材料の製造および成形に関する。さらに詳しくは、マグ
ネシウムあるいはマグネシウム合金を基にした軽量な磁
性材料の製造および成形に関する。
【0002】
【従来の技術】マグネシウムあるいはマグネシウム合金
は金属材料の中で最も軽量な材料であるが、マグネシウ
ムが活性な金属材料であるため複合化は非常に困難であ
る。特に、鉄あるいは鉄を含む合金はマグネシウムとの
比重差が大きく、溶融マグネシウムあるいは溶融マグネ
シウム合金との濡れ性が悪く、複合化は不可能であっ
た。
【0003】また、イオン化傾向の差からマグネシウム
と鉄は複合化しても、局部電池を形成し腐食されやすく
なるため、マグネシウムあるいはマグネシウム合金と鉄
あるいは鉄を含む合金との複合化はほとんど検討されて
いない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、比重差の大
きなマグネシウムあるいはマグネシウム合金と、鉄ある
いは鉄を含有する合金を均一に複合化し、軽量で磁性を
有するマグネシウム基複合材料を提供するためになされ
たものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決するため鋭意研究した結果、マグネシウムあ
るいはマグネシウム合金の液体状態を経ずに鉄あるいは
鉄を含有する合金を混合・分散させることにより、マグ
ネシウムあるいはマグネシウム合金中に均一に鉄あるい
は鉄を含有する合金を均一に分散できるとともに、歪み
を残留させることにより耐食性が改善できることを見い
出し、本発明を完成した。本発明は、従来液体を利用し
て複合化あるいは成形されていた複合材料を、液体が関
与しない状態で複合化し、液体量が極めて少ない領域で
成形することにより、マグネシウムあるいはマグネシウ
ム合金中に鉄あるいは鉄を含む合金を均一に分散させて
複合化を達成するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いる材料には、市販の
マグネシウム粉末あるいはマグネシウム合金粉末、ある
いは合金を構成する金属粉末の混合体が利用できる。ま
た、鉄あるいは鉄を含む合金粉末には市販のものや合金
を構成する金属粉末を各々所定の組成になるよう配合し
たものが用いられる。粉末の粒度については特に指定し
ないが、固相反応法や機械的合金化法が利用できるよう
1mm以下が望ましい。
【0007】固相反応法には、スタンプミルを用いるこ
とも機械的合金化法(メカニカルアロイング法)を用い
ることもできる。マグネシウム合金中のマグネシウムの
割合が高い場合には、酸化量が増加するので雰囲気が調
節できる機械的合金化法が好ましい。
【0008】鉄あるいは鉄を含有する合金は、あらかじ
め機械的合金化法などで微細化あるいは合金化した粉末
を用いても良い。また、マグネシウム合金もあらかじめ
機械的合金化法などで微細化あるいは合金化したものを
用いても良い。添加する鉄あるいは鉄を含有する合金の
量は、0.5mass%から90mass%まで、好ましくは1mass%か
ら30mass%である。0.5mass%以下では添加する鉄あるい
は鉄を含有する合金粉末量の制御が難しく、90mass%以
上ではマグネシウムあるいはマグネシウム合金量の制御
が難しい。
【0009】固相反応法に供する時間は特に指定しない
が、機械的合金化法においては30時間から100時間が一
般的である。また、処理する雰囲気も特に指定しない
が、高純度アルゴンガス雰囲気や減圧アルゴンガス、真
空などの雰囲気が利用できる。
【0010】固相反応法で得られた材料は一般にパンケ
ーキ状で発火の危険性は少ないので、大気中での取り出
しが可能である。この材料をマグネシウムあるいはマグ
ネシウム合金から発生する液体量が50vol%以下、好まし
くは30vol%以下の状態に加熱して成形が行える。液体量
が50vol%以上では液体の見かけ粘度が低下し、鉄あるい
は鉄を含有する合金粉末を材料中に保持できなくなり、
分離されてしまう。
【0011】加熱方法については特に指定しないが、短
時間で目的温度に達成する方法が好ましく、赤外線イメ
ージ炉や高周波加熱炉、通電加熱を利用した炉が利用で
きる。加熱温度は、マグネシウム合金の組成によって決
定されるため、特に指定しない。目的の量の液体が存在
する状態で加圧成形を行う。加圧方法も特に指定しない
が、マグネシウムあるいはマグネシウム合金から発生し
た液体は比重が小さいため小さな加圧力で十分変形でき
る。したがって、油圧プレスや空圧プレス、機械的な機
構のプレスも利用できる。
【0012】加圧時にダイスなどを通過してチキソトロ
ピー性を発現させて、さらに複雑な形状に成形すること
もできる。
【0013】加熱雰囲気は、マグネシウムの酸化を防止
するため高純度アルゴンガス、真空、六フッ化硫黄ガス
などが利用できる。
【0014】本発明で得られた成形体は、鉄あるいは鉄
を含有する合金粉末が微細分散しているため、鉄あるい
は鉄を含有する合金粉末の量により磁性の強度を変化さ
せることが可能であり、マグネシウムが主成分であるこ
とから従来の磁性材料よりはるかに軽量となる。
【0015】以下実施例で本発明をさらに詳細に説明す
る。
【実施例】実施例1 マグネシウム粉末(和光純薬製試薬特級)32gに遊星型
ボールミルで50時間粉砕した電解鉄粉末8gを添加して、
50時間の機械的合金化処理を施した。機械的合金化の雰
囲気は減圧アルゴンとし、粉末とボール重量比が約0.1
になるようにした。得られた材料は直径3mm程度のパン
ケーキ状であり、サブミクロンの鉄粉末が均一に分散し
ていた。
【0016】得られた材料を直径15mmの黒鉛型に入れ、
真空中で通電加熱を行った。温度は500℃で5分間保持
し、加圧力は400kg/cm2で成形した。得られた成形体
は、比重が約2.0であり、市販の磁石材料(MK鋼)に
くっついた。
【0017】成形体は、マグネシウム中に鉄粉末が均一
に分散しており、室温においては大気中で1ヶ月保持し
ても、重量の増減は観察されなかった。
【0018】実施例2 マグネシウム合金(AZ91組成:Mg-9mass%Al-1mass%Zn)
組成になるように市販のマグネシウム粉末、アルミニウ
ム粉末、亜鉛粉末を混合し、ボールミルで50時間粉砕し
た電解鉄粉末を添加して振動型ボールミルにより100時
間の機械的合金化処理を行った。配合重量は全体が7gに
なるようにし、鉄量が10mass%になるようにした。機械
的合金化の雰囲気は、減圧アルゴンとし、ボールと配合
粉末重量の比を0.08とした。得られた材料は2mm程度の
パンケーキ状であり、サブミクロンの鉄粉末が均一に分
散しており、アルミニウムや亜鉛を分離することはでき
なかった。
【0019】得られた材料は、内径20mmの鉄製の金型に
入れ、赤外線イメージ炉を用いて加熱した。590℃で5分
間保持した後、50kg/cm2の加圧力で押し出し比1/10にて
8mm×30mm×30mmの金型に押し出し成形した。この時の
液体量はおよそ30vol%である。成形体はやや粒成長した
鉄粉末(2〜3μm)が全体に分散していた。
【0020】得られた成形体は比重が2.2程度であり、
金型面の加工痕(約10μm)が転写されるほど表面精度
は優れていた。成形体は、市販の磁石材料(MK鋼)に
くっつく程度の磁性を示した。
【0021】得られた成形体は、湿度20%程度の大気雰
囲気に1週間保管しても、酸化皮膜の形成や局部的な腐
食孔は観察されなかった。
【0022】実施例3 市販のマグネシウム粉末34gに、100時間の機械的合金化
法で合成したFeCr合金粉末を6g添加し、真空の遊星型ボ
ールミルにより50時間の機械的合金化処理を施した。機
械的合金化処理は、粉末とボール重量比が0.1になるよ
うにした。得られた材料は3mm程度のパンケーキ状であ
り、大気中で取り出しても特に発火しなかった。また、
得られた材料は市販の磁石(MK鋼)にくっついた。
【0023】得られた材料を内径15mmの黒鉛型に入れ、
通電加熱により500℃で5分間保持し、成形圧力400kg/cm
2で加圧成形した。得られた成形体は、2〜5μmのFeCr
粉末が全体に分散していた。得られた成形体は、比重が
1.9程度であり、市販の磁石(MK鋼)にくっついた。
【0024】成形体は研磨をしても、特に腐食孔の発生
や酸化皮膜の形成は認められなかった。
【発明の効果】
【0025】本発明の磁性を有する軽量材料を用いて、
磁気遮蔽材料を作製することが可能であり、またこれま
での磁性材料が有していた比重を大幅に低減できる。本
発明で得られた材料は、実用材料形状への成形も比較的
容易であり、圧延などにより板材形状にすることも問題
がない。これまで、鉄あるいは鉄を含有する合金をマグ
ネシウムやマグネシウムを主成分とする合金に混合する
ことは、技術的にも困難であり、また学問的にも局部電
池を形成するため行われてこなかった。しかし、本発明
のように固相状態で複合化を行い、複合化の際に導入さ
れた歪みを全て開放しなければ、耐食性を劣化させるこ
ともなくかつ軽量な複合材料を作製することができる。
マグネシウム合金はリサイクル性に優れることから、プ
ラスチック材料が使われている分野でさらに利用される
可能性を含んでいる。本発明により、マグネシウム材料
の工業的用途はさらに広げられるものと考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−182843(JP,A) 特開 平5−65506(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 1/04 - 1/05 C22C 23/00 B22F 1/00 B22F 9/02 - 9/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウムあるいはマグネシウム合金
    の液体状態を経ずに固相状態で該マグネシウムあるいは
    マグネシウム合金中に鉄あるいは鉄を主成分とする合金
    を均一に混合、分散させ複合化させたパンケーキ状(直
    径3mm以下)の合金であって、マグネシウムあるいは
    マグネシウムを主成分とする合金中に粒度1mm以下の
    通常(等軸結晶)の鉄あるいは鉄を主成分とする合金の
    粉末1種以上機械的合金化法により分散、複合化
    せた合金。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法で得られた合金をマグネ
    シウムあるいはマグネシウム合金から発生する液体量が
    50vol%以下の状態に加熱して、加圧成形した材
    料。
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