JP2957832B2 - 交流電動機の電流検出方法 - Google Patents
交流電動機の電流検出方法Info
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Description
方法に関し、さらに詳しくはPWMインバータの出力信
号により駆動される交流電動機の電流検出方法に関す
る。
伴い、電動機の制御系はソフトウェア化されつつある。
1つのシリコンウェハー上に、汎用CPUと入出力ポー
ト、メモリ、タイマー、AD変換器、DA変換器等を構
成した所謂シングルチップマイコン(以下単にMPUと
記す)は、経済性が良いことから、低価格の交流サーボ
モータの制御装置に良く用いられている。
は、電流センサの出力電圧をマイクロプロセッサで扱う
量、すなわちデジタル量に変換するAD変換手段が必要
とされる。MPUに内蔵されているAD変換器は、図7
に示されるように、逐次比較形が主流であり、この逐次
比較形AD変換器17cの前段には、数個のアナログ電
圧信号va ,vb から所望の信号を選択するマルチプレ
クサ17a、変換中の入力電圧を一定にしておくサンプ
ルホールド回路17bが一般的に設けられている。
相電流を精度良く制御しようとすれば、少なくとも2相
の電流量を検出する必要がある。しかしながら、上述の
ようなMPUを用いる場合には、逐次比較形AD変換器
17c及びサンプルホールド回路17bが1組しかない
ために、電流を2相以上同時に標本化することはできな
い。従って、電流を時分割で標本化、変換しなければな
らない。
が、変調波信号と、その変調波信号より十分に高い周波
数の搬送波信号とを受ける電圧形サブハーモニック方式
の場合、特公平4−47554号公報等に記載されてい
るように、搬送波の頂点に同期させると電流の平均値に
近い値を標本化させるようになっており、従来より一般
的に用いられている。
3相無整流子電動機の電流制御装置の一例を示したの
が、図5、図6、図7であり、図5は電流制御装置の機
能ブロック図を、図6はそのハードウェア構成を、図7
は図6中のAD変換器及びその周辺回路の具体的構成を
それぞれ示している。図における符号1は永久磁石形同
期電動機を、符号5は永久磁石形同期電動機1に直結さ
れるエンコーダを、6はエンコーダ5の出力パルスを受
信し位置信号θ(n)を送出する磁極位置検出部を、2
a,2bは永久磁石形同期電動機1に流れるA相、B相
の電流ia,ibをそれぞれ検出する電流センサを、7
は電流センサ2a,2bからの電圧信号va,vb、位
置信号θ(n)、トルク指令T*(n)及びデジタル搬
送波発生回路4bからの割り込み要求信号INTに応じ
て電圧指令v*(n)を出力するMPUをそれぞれ示し
ている。このMPU7は、ハードウェア構成で示すと、
図6に示されるように、CPU7a、入出力ポート7b
〜7g、NAD変換器及びその周辺回路7h(詳しくは
図7参照)より構成されており、一方機能ブロック図で
示すと、図5に示されるように、位置信号θ(n)及び
トルク指令T*(n)を受信して電流指令i*(n)を
送出する電流指令作成部7j、電圧信号va,vbを受
信して電流指令i(n)を送出するAD変換部7h)電
流指令i*(n),i(n)を受信して電圧指令v
*(n)を出力する電流制御部7kより構成されてい
る。
ッチング信号Sを送出するサブハーモニックPWMを、
3はスイッチング信号Sに応じて永久磁石形同期電動機
1に電圧を印加する電圧形インバータをそれぞれ示して
おり、サブハーモニックPWM4は、図6に示されるよ
うに、デジタル搬送波及び割り込み要求信号INTを発
生するデジタル搬送波発生回路4bと、搬送波及び電圧
指令v* (n)を受信してスイッチング信号Sを送出す
るPWM回路4aとから構成されており、一方電圧形イ
ンバータ3は、トランジスタ3a〜3f、ダイオード3
g〜3lより構成されている。なお、符号Lは電動機の
電機子巻線を示している。
*(n),v* a(n),v* b(n),v
* o(n),i,Sはそれぞれ次式で表される。
プログラムが書き込まれ、図8に示されるフローチャー
トに従って制御されている。以下、プログラムに従いこ
の装置の動作を説明する。先ず、プログラムがスタート
すると、ステップ1において、前処理が行われ、サブハ
ーモニック方式PWM4のデジタル搬送波発生回路4b
より発生する搬送波が、図9に示されるように、頂点に
なると、デジタル搬送波発生回路4bからMPU7の入
力ポート7gに割り込み要求信号INTが出力され、割
り込みルーチンに移行する。そして、ステップ2におい
て、A相電流ia をホールド回路17bでサンプルホー
ルドし、AD変換器17cでAD変換を開始して、ステ
ップ3へ進み、ステップ3において、電流制御部7kよ
り電圧指令v* (n−1)を出力して、ステップ4へ進
み、ステップ4において、AD変換が終了するまで待っ
てステップ5へ進み、ステップ5において、ia (n)
を電流制御部7kに入力して、ステップ6へ進み、ステ
ップ6において、今度はB相電流ib をホールド回路1
7bでサンプルホールドし、AD変換器17cでAD変
換を開始して、ステップ7へ進み、ステップ7におい
て、AD変換が終了するまで待ってステップ8へ進み、
ステップ8において、ib (n)を電流制御部7kに入
力して、ステップ9へ進み、ステップ9において、磁極
位置θ(n)及びトルク指令T* (n)を電流指令作成
部7jに入力して、ステップ10へ進み、ステップ10
において、電流指令i* (n)を算出して、ステップ1
1へ進み、ステップ11において、電圧指令v* (n)
を算出してリターンし、次回の割り込み要求信号INT
待ちとなる。
点の近傍においては、図10に示されるように、インバ
ータ3のトランジスタアームのプラス側3a,3c,3
eまたはマイナス側3b,3d,3fが全てオンしてい
る。ここで、例えばマイナス側3b,3d,3fが全て
オンしている場合、すなわち搬送波が凸の場合を考えて
見ると、永久磁石形同期電動機1はトルクと回転方向が
一致している状態にあって、電流ia が電動機1に流入
し、電流ib ,icが電動機1より流出していると仮定
すると、等価回路は、図11に示されるようになる。符
号Ea ,Eb ,Ec は電動機1の誘起電圧を示してお
り、便宜上定電圧として表している。この状態において
は、電流は、電動機1の巻線抵抗Rと誘起電圧Ea ,E
b ,Ec によって、図12に示されるように、時間と共
に減少して行く。
B相では、図12に示されるように、A相と同時に標本
化が行われる場合よりΔib だけ少ない値が標本化され
ることになる。この関係は、電動機1のトルクと回転方
向が一致している状態であれば、トランジスタアームの
プラス側3a,3c,3eが全てオンしている場合にお
いても、また電流の向きが図12と異なる場合において
も同様に発生する。
と仮定すると、電流指令i* (n)とフィードバックさ
れるi(n)とにおいては、次式が成り立つ。
れるB相は、等価的にA相に比べてフィードバック量が
少なくなり、結果として実際に電動機1に流れる電流の
振幅が、A相より大きな値となってしまう。なお、C相
電流ic は、A,B相電流ia ,ib の従属関数となる
ために、次式で表される。
のように仮定する。
ルクT(θ)との関係式は次式となる。
等しくIであり、歪みがないとすれば、発生トルクT
(θ)は次式のようになり、電気角θに依存せず、一定
となる。
b で異なった場合には、発生トルクT(θ)は次式のよ
うになり、電気角2π当たり2周期の脈動が生じること
になる。
方法においては、電流の標本化が常にA相より遅れるB
相は、電流の振幅がA相より大きくなり、トルクリップ
ルを、図13に示されるように、電気角2π当たり2周
期の割合で生じてしまい、その結果、速度制御時におい
ては速度ムラが大きくなり、位置制御時においては高精
度の位置決めがなされないといった問題がある。
しめ、速度制御時における速度ムラを少なくすると共
に、位置制御時における高精度の位置決めを可能とする
交流電動機の電流検出方法を提供することを目的とす
る。
流検出方法は上記目的を達成するために、変調波信号と
搬送波信号とを重畳したPWMインバータの出力信号に
より、交流電動機を駆動する装置において、少なくとも
2相のインバータ出力電流を順にサンプルホールドし、
AD変換して電圧指令部に帰還し、電流量を設定して前
記変調波信号として出力し、前記サンプルホールドの順
番を1回毎に順に入れ替えることを特徴としている。ま
た、上記第1の手段に加えて、電動機に電力を供給する
電力変換手段は、前記電流指令部からの電圧指令と前記
搬送波信号とを受けて、前記PWMインバータの出力信
号を形成するためのスイッチング信号を送出する電圧形
サブハーモニック方式PWMインバータであり、電流量
の標本化は、搬送波信号と同期していることを特徴とし
ている。また、上記第2の手段に加えて、電流量の標本
化は、搬送波信号の頂点近傍で行うことを特徴としてい
る。
方法によれば、サンプルホールドの順番を1回毎に順に
入れ替えていることから、平均すると各相の電流の振幅
は凡そ等しくなり、トルクリップルが減少するようにな
る。
する。図1は本発明の一実施例を示す交流電動機の電流
検出方法の電流標本化及びそのタイミングを模式的に表
した図、図2はCPUに記憶されているプログラムのフ
ローチャートである。本電流検出方法は、従来技術の図
5、図6、図7で説明した電流制御装置に適用されてお
り、装置構成の説明は重複を避けるために省略する。本
実施例の電流検出方法が従来技術のそれと違う点は、イ
ンバータ3の出力電流ia ,ib のサンプルホールドの
順番を1回毎に逆にして入れ替えたことである。このプ
ログラムは、電流制御装置のCPU7aに書き込まれて
おり、図2に示されるようになる。
って動作を説明する。先ず、プログラムがスタートする
と、ステップ1において、前処理が行われ、次いでステ
ップ2へ進み、ステップ2において、X=1に設定す
る。ここで、このXは、電流をサンプルホールドする順
番を定めるための変数であり、本実施例においては、X
=1の場合にA相電流を、X=−1の場合にB相電流を
サンプルホールドするよう設定している。
デジタル搬送波発生回路4bより発生する搬送波が、図
1に示されるように、頂点になると、デジタル搬送波発
生回路4bからMPU7の入力ポート7gに割り込み要
求信号INTが出力され、割り込みルーチンに移行す
る。そして、ステップ3において、X=1か否かが判定
され、X=1の場合には、ステップ4へ進み、一方X=
1ではない場合、すなわちX=−1の場合にはステップ
15へ進む。ここで、本実施例においては、ステップ2
において、X=1と設定しているので、ステップ4へ進
む。
フローは、従来技術の図8で説明したステップ2〜ステ
ップ11と同様であり、ステップ4において、A相電流
iaをホールド回路17bでサンプルホールドし、AD
変換器17cでAD変換を開始して、ステップ5へ進
み、ステップ5において、電流制御部7kより電圧指令
v* (n−1)を出力して、ステップ6へ進み、ステッ
プ6において、AD変換が終了するまで待ってステップ
7へ進み、ステップ7において、ia (n)を電流制御
部7kに入力して、ステップ8へ進み、ステップ8にお
いて、今度はB相電流ib をホールド回路17bでサン
プルホールドし、AD変換器17cでAD変換を開始し
て、ステップ9へ進み、ステップ9において、AD変換
が終了するまで待ってステップ10へ進み、ステップ1
0において、ib (n)を電流制御部7kに入力して、
ステップ11へ進み、ステップ11において、磁極位置
θ(n)及びトルク指令T* (n)を電流指令作成部7
jに入力して、ステップ12へ進み、ステップ12にお
いて、電流指令i* (n)を算出して、ステップ13へ
進み、ステップ13において、電圧指令v* (n)を算
出して、ステップ14へ進む。
を逆にする、すなわちX=X・(−1)に再設定して、
リターンし、次回の割り込み要求信号INT待ちとな
る。
力されると、ステップ3において、X=1か否かが判定
され、今度は前回と正負が逆にされてX=−1と設定さ
れているので、ステップ15へ進む。
は、ステップ4〜ステップ10までのフローのA,B相
の電流ia ,ib のサンプルホールドの順番を逆にした
ものである。すなわち、ステップ15において、B相電
流ib をホールド回路17bでサンプルホールドし、A
D変換器17cでAD変換を開始して、ステップ16へ
進み、ステップ16において、電流制御部7kより電圧
指令v* (n−1)を出力して、ステップ17へ進み、
ステップ17において、AD変換が終了するまで待って
ステップ18へ進み、ステップ18において、ib
(n)を電流制御部7kに入力して、ステップ19へ進
み、ステップ19において、今度はA相電流ia をホー
ルド回路17bでサンプルホールドし、AD変換器17
cでAD変換を開始して、ステップ20へ進み、ステッ
プ20において、AD変換が終了するまで待ってステッ
プ21へ進み、ステップ21において、ia (n)を電
流制御部7kに入力して、ステップ11へ進み、以下ス
テップ11〜ステップ14まで同様なフローとなる。そ
して、ステップ14において、Xの正負が再度逆にされ
るので、次回の割り込み要求信号INTが入力される
と、サンプルホールドの順番は今度はA相、B相の順番
となる。上記電流の標本化及びそのタイミングを示した
のが、図1である。
験した結果、図3に示される発生トルクを得た。同図に
示されるように、本実施例のトルクリップルが、図13
に示される従来技術のそれに比べて減少しているのが分
かる。
ータ3の出力電流ia ,ib のサンプルホールドの順番
を1回毎に逆にして入れ替えるようにしたので、平均す
ると各相の電流の振幅は凡そ等しくなり、トルクリップ
ルを減少し得るようになっている。従って、速度制御時
においては、速度ムラを少なくできるようになり、一方
位置制御時においては、高精度の位置決めを行うことが
可能となっている。
方法の電流標本化及びそのタイミングを模式的に表した
図である。この実施例の電流検出方法が先の実施例のそ
れと違う点は、電流の標本化を、搬送波の全ての頂点で
行っていない点であるが、インバータ3の出力電流i
a ,ib のサンプルホールドの順番を1回毎に逆にして
入れ替えるという点は先の実施例と同様である。このよ
うにしても、先の実施例と同様な効果を得られるという
のはいうまでもない。
施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記各実施
例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例
えば、上記各実施例においては、搬送波を3角波として
いるが、3角波に限定されるものではなく、鋸波等でも
良い。
定されるものではなく、誘導電動機やリラクタンス交流
電動機等であっても良い。
しても適用可能であり、その場合には、インバータの出
力電流のサンプルホールドの順番を1回毎に順に入れ替
えるようにすれば良い。
電流検出方法によれば、インバータ出力電流のサンプル
ホールドの順番を1回毎に順に入れ替えるようにしたの
で、平均すると各相の電流の振幅は凡そ等しくなってト
ルクリップルが減少するようになり、従って速度制御時
においては速度ムラが少なくなり、位置制御時において
は高精度の位置決めを行うことが可能となる。
方法の電流標本化及びそのタイミングを模式的に表した
図である。
ャートである。
る。
出方法の電流標本化及びそのタイミングを模式的に表し
た図である。
流制御装置の機能ブロック図である。
流制御装置のハードウェア構成図である。
に示す構成図である。
ラムのフローチャートである。
に表した図である。
の関係を表した図である。
す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 変調波信号と搬送波信号とを重畳したP
WMインバータの出力信号により、交流電動機を駆動す
る装置において、 少なくとも2相のインバータ出力電流を順にサンプルホ
ールドし、AD変換して電圧指令部に帰還し、電流量を
設定して前記変調波信号として出力し、 前記サンプルホールドの順番を1回毎に順に入れ替える
ことを特徴とする交流電動機の電流検出方法。 - 【請求項2】 電動機に電力を供給する電力変換手段
は、前記電圧指令部からの電圧指令と前記搬送波信号と
を受けて、前記PWMインバータの出力信号を形成する
ためのスイッチング信号を送出する電圧形サブハーモニ
ック方式PWMインバータであり、 電流量の標本化は、搬送波信号と同期していることを特
徴とする請求項1記載の交流電動機の電流検出方法。 - 【請求項3】 電流量の標本化は、搬送波信号の頂点近
傍で行うことを特徴とする請求項2記載の交流電動機の
電流検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5051450A JP2957832B2 (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 交流電動機の電流検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5051450A JP2957832B2 (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 交流電動機の電流検出方法 |
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JPH06245537A JPH06245537A (ja) | 1994-09-02 |
JP2957832B2 true JP2957832B2 (ja) | 1999-10-06 |
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JP5051450A Expired - Fee Related JP2957832B2 (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 交流電動機の電流検出方法 |
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JP4911352B2 (ja) * | 2007-03-30 | 2012-04-04 | 株式会社安川電機 | 電動機制御装置及び制御方法 |
-
1993
- 1993-02-17 JP JP5051450A patent/JP2957832B2/ja not_active Expired - Fee Related
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