JP2957563B1 - 直流プラズマ放電によるcvd実験用陽極電極構造 - Google Patents
直流プラズマ放電によるcvd実験用陽極電極構造Info
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- JP2957563B1 JP2957563B1 JP18274798A JP18274798A JP2957563B1 JP 2957563 B1 JP2957563 B1 JP 2957563B1 JP 18274798 A JP18274798 A JP 18274798A JP 18274798 A JP18274798 A JP 18274798A JP 2957563 B1 JP2957563 B1 JP 2957563B1
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Abstract
【要約】
【課題】宇宙実験では電力量に制限があり、プラズマ放
電の分散が生じた場合には、必要な結晶成長面温度およ
び電流密度が得られず結晶成長が望めなかった。 【解決手段】ティー型形状の陽極基材と前記陽極基材の
結晶成長面以外の金属部分をプラズマ放電から遮蔽する
ように配置されるプラズマ放電防止ハットと、前記結晶
成長面の下面と前記プラズマ放電防止ハットとの間に配
置される絶縁スペーサと、前記陽極基材を支持する陽極
ホルダと、前記陽極ホルダを支持する絶縁ガイシと、前
記絶縁ガイシを支持し反応炉の筐体に密着するベース
と、前記陽極ホルダと前記ベースとを連結する導電線を
被覆する導電線カバーと、前記陽極ホルダに装着される
熱電対を被覆する熱電対カバーとを備える。
電の分散が生じた場合には、必要な結晶成長面温度およ
び電流密度が得られず結晶成長が望めなかった。 【解決手段】ティー型形状の陽極基材と前記陽極基材の
結晶成長面以外の金属部分をプラズマ放電から遮蔽する
ように配置されるプラズマ放電防止ハットと、前記結晶
成長面の下面と前記プラズマ放電防止ハットとの間に配
置される絶縁スペーサと、前記陽極基材を支持する陽極
ホルダと、前記陽極ホルダを支持する絶縁ガイシと、前
記絶縁ガイシを支持し反応炉の筐体に密着するベース
と、前記陽極ホルダと前記ベースとを連結する導電線を
被覆する導電線カバーと、前記陽極ホルダに装着される
熱電対を被覆する熱電対カバーとを備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流プラズマ放電
によるCVD実験を宇宙空間で行うCVD実験用装置に
関し、特に、その陽極電極構造に関する。
によるCVD実験を宇宙空間で行うCVD実験用装置に
関し、特に、その陽極電極構造に関する。
【0002】
【従来の技術】直流プラズマ放電によるCVD法により
結晶成長を行うためには、陽極側のプラズマ放電面であ
る結晶成長面の温度および電流密度を適切に保つ必要が
ある。従来のCVD実験装置は地上において使用される
ものであり、プラズマ放電に使用する電力量に制限がな
いことから必要な高電力を印加することにより、結晶成
長面の温度および電流密度を適切に保つことが可能であ
った。
結晶成長を行うためには、陽極側のプラズマ放電面であ
る結晶成長面の温度および電流密度を適切に保つ必要が
ある。従来のCVD実験装置は地上において使用される
ものであり、プラズマ放電に使用する電力量に制限がな
いことから必要な高電力を印加することにより、結晶成
長面の温度および電流密度を適切に保つことが可能であ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述したように地上実
験で用いられるCVD実験装置では、結晶成長面以外の
部材へプラズマ放電が分散しても高電力を供給して結晶
成長面の温度と電流密度を確保することが可能であっ
た。
験で用いられるCVD実験装置では、結晶成長面以外の
部材へプラズマ放電が分散しても高電力を供給して結晶
成長面の温度と電流密度を確保することが可能であっ
た。
【0004】しかしながら、宇宙実験における電力供給
源は、人工衛星が太陽電池によって自家発電した電力の
配分に依存しているため、プラズマ放電に使用できる電
力量に制限があり、高電力の使用は望めない。そのた
め、低電力でも結晶成長面の温度および電流密度を適切
に保ち、結晶成長を行う場合には、陽極の結晶成長面以
外の金属部分にプラズマ放電が分散することを極力防止
し、集中させる構造を実現することが課題であった。
源は、人工衛星が太陽電池によって自家発電した電力の
配分に依存しているため、プラズマ放電に使用できる電
力量に制限があり、高電力の使用は望めない。そのた
め、低電力でも結晶成長面の温度および電流密度を適切
に保ち、結晶成長を行う場合には、陽極の結晶成長面以
外の金属部分にプラズマ放電が分散することを極力防止
し、集中させる構造を実現することが課題であった。
【0005】本発明は、以上の課題を解決する直流プラ
ズマ放電によるCVD実験用陽極電極構造を提供するも
のである。
ズマ放電によるCVD実験用陽極電極構造を提供するも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、気密構造を有する反応炉を備
え直流プラズマ放電を用いて結晶を生成するCVD実験
に用いられ前記反応炉の内部に配置される陽極におい
て、円盤状の結晶成長面と円柱状の陽極基材頸部とを備
える陽極基材と、前記結晶成長面以外の金属の露出部分
をプラズマ放電から遮蔽するように前記結晶成長面の周
囲に配置されるプラズマ放電防止ハットと、前記結晶成
長面の下面と前記プラズマ放電防止ハットとの間に配置
される絶縁スペーサと、前記陽極基材を支持する陽極ホ
ルダと、前記陽極ホルダを支持する絶縁ガイシと、前記
絶縁ガイシを支持し前記反応炉の筐体に密着して配置さ
れるベースと、前記陽極ホルダと前記ベースとを連結し
て電流経路を形成する導電線を被覆する導電線カバー
と、前記陽極ホルダに装着され前記反応炉の外部に配さ
れている計測機器と接続される熱電対を被覆する熱電対
カバーとを備えている。
めに、請求項1の発明は、気密構造を有する反応炉を備
え直流プラズマ放電を用いて結晶を生成するCVD実験
に用いられ前記反応炉の内部に配置される陽極におい
て、円盤状の結晶成長面と円柱状の陽極基材頸部とを備
える陽極基材と、前記結晶成長面以外の金属の露出部分
をプラズマ放電から遮蔽するように前記結晶成長面の周
囲に配置されるプラズマ放電防止ハットと、前記結晶成
長面の下面と前記プラズマ放電防止ハットとの間に配置
される絶縁スペーサと、前記陽極基材を支持する陽極ホ
ルダと、前記陽極ホルダを支持する絶縁ガイシと、前記
絶縁ガイシを支持し前記反応炉の筐体に密着して配置さ
れるベースと、前記陽極ホルダと前記ベースとを連結し
て電流経路を形成する導電線を被覆する導電線カバー
と、前記陽極ホルダに装着され前記反応炉の外部に配さ
れている計測機器と接続される熱電対を被覆する熱電対
カバーとを備えている。
【0007】また、請求項2の発明は、前記絶縁スペー
サの数量を増減することにより前記結晶成長面の位置を
可変している。
サの数量を増減することにより前記結晶成長面の位置を
可変している。
【0008】さらに、請求項3の発明は、前記結晶成長
面の厚さを任意に設定することを可能にしている。
面の厚さを任意に設定することを可能にしている。
【0009】さらに、請求項4の発明は、前記陽極基材
頸部の直径を任意に設定することを可能にしている。
頸部の直径を任意に設定することを可能にしている。
【0010】さらに、請求項5の発明は、前記陽極ホル
ダに螺合した押しネジの先端部に取り付けたスプリング
により、前記陽極基材頸部と前記陽極ホルダとが接触し
ている。
ダに螺合した押しネジの先端部に取り付けたスプリング
により、前記陽極基材頸部と前記陽極ホルダとが接触し
ている。
【0011】さらに、請求項6の発明は、前記スプリン
グとの接触部分を除き前記陽極基材頸部が前記陽極ホル
ダと接触しないよう耐電圧で耐熱素材の絶縁スリーブを
前記陽極基材頸部に被せている。
グとの接触部分を除き前記陽極基材頸部が前記陽極ホル
ダと接触しないよう耐電圧で耐熱素材の絶縁スリーブを
前記陽極基材頸部に被せている。
【0012】さらに、請求項7の発明は、前記導電線カ
バーとして導電線保護ガイシと導電線熱収縮チューブを
用いている。
バーとして導電線保護ガイシと導電線熱収縮チューブを
用いている。
【0013】さらに、請求項8の発明は、前記熱電対カ
バーとして熱電対保護ガイシと熱電対熱収縮チューブを
用いている。
バーとして熱電対保護ガイシと熱電対熱収縮チューブを
用いている。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明による直流プラズマ放電に
よるCVD実験用陽極電極構造は、直流プラズマ放電を
用いたCVD実験において結晶成長の基材である陽極電
極構造に関し、低電力のプラズマ放電においても結晶成
長に必要な結晶成長面の温度および電流密度を確保する
ために、結晶成長面へのプラズマ放電の効率を高め、ま
た結晶成長面で発生した熱が伝導によって拡散する量を
減少することを特徴としている。
よるCVD実験用陽極電極構造は、直流プラズマ放電を
用いたCVD実験において結晶成長の基材である陽極電
極構造に関し、低電力のプラズマ放電においても結晶成
長に必要な結晶成長面の温度および電流密度を確保する
ために、結晶成長面へのプラズマ放電の効率を高め、ま
た結晶成長面で発生した熱が伝導によって拡散する量を
減少することを特徴としている。
【0015】結晶成長面へのプラズマ放電の効率を高め
ることを第一義的な目的とした陽極電極構造の部分につ
いては、電流密度を確保すると同時に、結晶成長面の温
度の確保に対しても寄与する結果となる。
ることを第一義的な目的とした陽極電極構造の部分につ
いては、電流密度を確保すると同時に、結晶成長面の温
度の確保に対しても寄与する結果となる。
【0016】図1(a)は陽極電極の構造の断面図、図
1(b)は陽極電極の構造の分解図である。陽極20
は、陽極基材1、プラズマ放電防止ハット2、陽極ホル
ダ3、絶縁ガイシ4、ベース6などで構成される。陽極
ホルダ3の要図を図1(c)に示す。
1(b)は陽極電極の構造の分解図である。陽極20
は、陽極基材1、プラズマ放電防止ハット2、陽極ホル
ダ3、絶縁ガイシ4、ベース6などで構成される。陽極
ホルダ3の要図を図1(c)に示す。
【0017】陽極基材1は円盤状の結晶成長面7と円柱
状の陽極基材頸部12とを備えたティー型形状をしてお
り、陽極基材頸部12がスプリング13と押しネジ5に
より陽極ホルダ3に固定されている。プラズマ放電防止
ハット2、陽極ホルダ3、絶縁ガイシ4は共に螺合さ
れ、絶縁ガイシ4とベース6は結合ブロック18で螺合
されている。
状の陽極基材頸部12とを備えたティー型形状をしてお
り、陽極基材頸部12がスプリング13と押しネジ5に
より陽極ホルダ3に固定されている。プラズマ放電防止
ハット2、陽極ホルダ3、絶縁ガイシ4は共に螺合さ
れ、絶縁ガイシ4とベース6は結合ブロック18で螺合
されている。
【0018】結晶成長面7に形成されたプラズマ放電2
1は陽極基材頸部12、スプリング13、押しネジ5、
陽極ホルダ3、導電線取付ネジ15a、導電線ラグ端子
15c、導電線8a、アースネジ17で固定されたアー
ス端子16を介して、接地されたベース6へと電流経路
を取っている。
1は陽極基材頸部12、スプリング13、押しネジ5、
陽極ホルダ3、導電線取付ネジ15a、導電線ラグ端子
15c、導電線8a、アースネジ17で固定されたアー
ス端子16を介して、接地されたベース6へと電流経路
を取っている。
【0019】結晶成長面7の温度を推測するために熱電
対8bを熱電対ラグ端子15dに取り付け、これを熱電
対取付ネジ15bで陽極ホルダ3に装着している。熱電
対8bは図示しない計測機器と接続するため、円柱状の
熱電対保護ガイシ10bに開けた細い2本の穴に通して
配設されている。
対8bを熱電対ラグ端子15dに取り付け、これを熱電
対取付ネジ15bで陽極ホルダ3に装着している。熱電
対8bは図示しない計測機器と接続するため、円柱状の
熱電対保護ガイシ10bに開けた細い2本の穴に通して
配設されている。
【0020】本発明においては、結晶成長面7へのプラ
ズマ放電21の効率を向上させるために、プラズマ放電
効率向上策を施している。
ズマ放電21の効率を向上させるために、プラズマ放電
効率向上策を施している。
【0021】第1のプラズマ放電効率向上策について説
明する。結晶成長面7以外の陽極ホルダ3などの金属の
露出部分に対してプラズマ放電21が生ずることを防止
するために、陽極基材1の結晶成長面7の周囲にプラズ
マ放電電圧に対して耐電圧性の石英ガラスなどを素材と
するプラズマ放電防止ハット2を配置する。
明する。結晶成長面7以外の陽極ホルダ3などの金属の
露出部分に対してプラズマ放電21が生ずることを防止
するために、陽極基材1の結晶成長面7の周囲にプラズ
マ放電電圧に対して耐電圧性の石英ガラスなどを素材と
するプラズマ放電防止ハット2を配置する。
【0022】第2のプラズマ放電効率向上策について説
明する。結晶成長面7とプラズマ放電防止ハット2との
間に雲母などを素材とする絶縁スペーサ9を配置し、結
晶成長面7およびプラズマ放電防止ハット2と密着させ
ることにより、陽極基材頸部12へのプラズマ放電21
を防止する。
明する。結晶成長面7とプラズマ放電防止ハット2との
間に雲母などを素材とする絶縁スペーサ9を配置し、結
晶成長面7およびプラズマ放電防止ハット2と密着させ
ることにより、陽極基材頸部12へのプラズマ放電21
を防止する。
【0023】第3のプラズマ放電効率向上策について説
明する。絶縁スペーサ9の数量を増減することによって
結晶成長面7の高さ方向の面位置を可変することがで
き、プラズマ放電21の効率を向上させることが可能に
なる。
明する。絶縁スペーサ9の数量を増減することによって
結晶成長面7の高さ方向の面位置を可変することがで
き、プラズマ放電21の効率を向上させることが可能に
なる。
【0024】第4のプラズマ放電効率向上策について説
明する。陽極ホルダ3からベース6への電流経路となる
導電線8aへのプラズマ放電21を防止するための導電
線カバー28aとして、円筒状の導電線保護ガイシ10
aと導電線熱収縮チューブ11aを備えている。導電線
熱収縮チューブ11aは導電線保護ガイシ10aの隙間
を補接するため耐電圧性で耐熱性のある素材を用いて導
電線保護ガイシ10aの外側から被覆する。
明する。陽極ホルダ3からベース6への電流経路となる
導電線8aへのプラズマ放電21を防止するための導電
線カバー28aとして、円筒状の導電線保護ガイシ10
aと導電線熱収縮チューブ11aを備えている。導電線
熱収縮チューブ11aは導電線保護ガイシ10aの隙間
を補接するため耐電圧性で耐熱性のある素材を用いて導
電線保護ガイシ10aの外側から被覆する。
【0025】第5のプラズマ放電効率向上策について説
明する。陽極ホルダ3に接続されている熱電対8bへの
プラズマ放電21を防止するための熱電対カバー28b
として、円柱状の熱電対保護ガイシ10bと熱電対熱収
縮チューブ11bを備えている。熱電対熱収縮チューブ
11bは熱電対保護ガイシ10bの隙間を補接するため
耐電圧性で耐熱性のある素材を用いて熱電対保護ガイシ
10bの外側から被覆しており、プラズマ放電21によ
る図示していない計測機器の破損も防止することが可能
になる。
明する。陽極ホルダ3に接続されている熱電対8bへの
プラズマ放電21を防止するための熱電対カバー28b
として、円柱状の熱電対保護ガイシ10bと熱電対熱収
縮チューブ11bを備えている。熱電対熱収縮チューブ
11bは熱電対保護ガイシ10bの隙間を補接するため
耐電圧性で耐熱性のある素材を用いて熱電対保護ガイシ
10bの外側から被覆しており、プラズマ放電21によ
る図示していない計測機器の破損も防止することが可能
になる。
【0026】さらに、結晶成長面7で発生した熱が伝導
によって拡散するのを防止するため熱拡散防止策を施し
ている。
によって拡散するのを防止するため熱拡散防止策を施し
ている。
【0027】第1の熱拡散防止策について説明する。テ
ィー型形状の陽極基材1から陽極ホルダ3への熱伝導量
を小さくするため、円盤状をした結晶成長面7の厚さお
よび円柱状をした陽極基材頸部12の直径を、加工上の
制限範囲を考慮の上、縮小させる。
ィー型形状の陽極基材1から陽極ホルダ3への熱伝導量
を小さくするため、円盤状をした結晶成長面7の厚さお
よび円柱状をした陽極基材頸部12の直径を、加工上の
制限範囲を考慮の上、縮小させる。
【0028】第2の熱拡散防止策について説明する。陽
極基材1と陽極ホルダ3の直接の接触は、スプリング1
3を介し、陽極ホルダ3に取り付けられた押しネジ5の
先端部と陽極基材頸部12との接触のみとして熱伝導量
を減少させている。
極基材1と陽極ホルダ3の直接の接触は、スプリング1
3を介し、陽極ホルダ3に取り付けられた押しネジ5の
先端部と陽極基材頸部12との接触のみとして熱伝導量
を減少させている。
【0029】第3の熱拡散防止策について説明する。陽
極ホルダ3と接触して熱拡散しないように、陽極基材頸
部12はスプリング13との接触部分を除き石英ガラス
などを素材とした細い筒状の絶縁スリーブ14を被せ
る。なお、押しネジ5の締付による絶縁スリーブ14の
割れを防ぐため、押しネジ5の先端部にスプリング13
を挿入する。
極ホルダ3と接触して熱拡散しないように、陽極基材頸
部12はスプリング13との接触部分を除き石英ガラス
などを素材とした細い筒状の絶縁スリーブ14を被せ
る。なお、押しネジ5の締付による絶縁スリーブ14の
割れを防ぐため、押しネジ5の先端部にスプリング13
を挿入する。
【0030】第4の熱拡散防止策について説明する。熱
容量の大きい陽極ホルダ3とベース6の間に、熱伝導度
の低い絶縁ガイシ4を配置する。
容量の大きい陽極ホルダ3とベース6の間に、熱伝導度
の低い絶縁ガイシ4を配置する。
【0031】なお、全ての構成部品は、真空下および一
定圧力条件下においても、またプラズマ放電21により
高温となった場合においても、生成される結晶に対して
影響のある不純物が発生しない素材であることが必要で
ある。また、陽極基材1、陽極ホルダ3などのように電
気伝導性が必要な素材は熱伝導性が悪くかつ電気伝導性
の良いものを選定する必要がある。
定圧力条件下においても、またプラズマ放電21により
高温となった場合においても、生成される結晶に対して
影響のある不純物が発生しない素材であることが必要で
ある。また、陽極基材1、陽極ホルダ3などのように電
気伝導性が必要な素材は熱伝導性が悪くかつ電気伝導性
の良いものを選定する必要がある。
【0032】図2は直流プラズマ放電21を用いたCV
D実験用陽極電極構造の実施例であり、図3は本発明を
適用したCVD実験装置の概念図である。素材や寸法を
記載した図2と図3を参照して実施例について説明す
る。
D実験用陽極電極構造の実施例であり、図3は本発明を
適用したCVD実験装置の概念図である。素材や寸法を
記載した図2と図3を参照して実施例について説明す
る。
【0033】反応炉22は気密構造で、流量制御器25
とオリフィス27とにより内部圧力を可変することが可
能である。人工衛星の電源から配分された電力はプラズ
マ用電源23で所要の直流電圧に変換され、陰極19と
陽極20に印加される。反応炉22の筐体は温度を一定
に保つため、コールドプレート26に密着して配置され
ている。原料ガスボンベ24に充填された原料ガスは流
量制御器25を経由して反応炉22の内部に放出され
る。
とオリフィス27とにより内部圧力を可変することが可
能である。人工衛星の電源から配分された電力はプラズ
マ用電源23で所要の直流電圧に変換され、陰極19と
陽極20に印加される。反応炉22の筐体は温度を一定
に保つため、コールドプレート26に密着して配置され
ている。原料ガスボンベ24に充填された原料ガスは流
量制御器25を経由して反応炉22の内部に放出され
る。
【0034】以上のように構成されたCVD実験装置の
動作について説明する。原料ガスとして水素とメタンの
2気体からなる混合ガスを用いる場合は、反応炉22の
内部でプラズマ放電21を発生させることによりメタン
中の炭素を解離させ、結晶成長面7にダイヤモンド結晶
を生成することができる。
動作について説明する。原料ガスとして水素とメタンの
2気体からなる混合ガスを用いる場合は、反応炉22の
内部でプラズマ放電21を発生させることによりメタン
中の炭素を解離させ、結晶成長面7にダイヤモンド結晶
を生成することができる。
【0035】地上実験においては、使用電力量に制限が
ないため一般に300〜500Wの電力をプラズマ放電
電力として使用することができるので、プラズマ放電2
1の分散が生じてもダイヤモンド結晶生成の必要条件で
ある800〜1000℃の結晶成長面7の温度および電
流密度が確保されているのが一般的である。
ないため一般に300〜500Wの電力をプラズマ放電
電力として使用することができるので、プラズマ放電2
1の分散が生じてもダイヤモンド結晶生成の必要条件で
ある800〜1000℃の結晶成長面7の温度および電
流密度が確保されているのが一般的である。
【0036】しかし、宇宙実験においては、人工衛星の
電力量に制限があり、約100Wのプラズマ放電電力で
ダイヤモンド結晶生成条件を満足させなければならない
ため、結晶成長面7以外へのプラズマ放電21の分散を
防止する必要がある。また、図2に示す素材や寸法を選
定することにより電気的および熱的条件を満足するとと
もに、生成物への不純物混入を防止し、図3に示すCV
D実験装置に適用してダイヤモンド結晶の生成に成功し
ている。
電力量に制限があり、約100Wのプラズマ放電電力で
ダイヤモンド結晶生成条件を満足させなければならない
ため、結晶成長面7以外へのプラズマ放電21の分散を
防止する必要がある。また、図2に示す素材や寸法を選
定することにより電気的および熱的条件を満足するとと
もに、生成物への不純物混入を防止し、図3に示すCV
D実験装置に適用してダイヤモンド結晶の生成に成功し
ている。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の直流プラ
ズマ放電によるCVD実験用陽極電極構造によれば、使
用可能電力量に制限のある人工衛星等に搭載して電気的
および熱的条件を満足し、生成物への影響のない素材を
使用することにより、ダイヤモンド結晶の生成を可能に
した。
ズマ放電によるCVD実験用陽極電極構造によれば、使
用可能電力量に制限のある人工衛星等に搭載して電気的
および熱的条件を満足し、生成物への影響のない素材を
使用することにより、ダイヤモンド結晶の生成を可能に
した。
【図1】本発明の実施の形態例を示す。(a)は断面
図、(b)は分解図、(c)は陽極ホルダの要図を示
す。
図、(b)は分解図、(c)は陽極ホルダの要図を示
す。
【図2】本発明の実施例を示す。(a)は断面図、
(b)は分解図を示す。
(b)は分解図を示す。
【図3】本発明を適用した装置の概念図を示す。
1 陽極基材 2 プラズマ放電防止ハット 3 陽極ホルダ 4 絶縁ガイシ 5 押しネジ 6 ベース 7 結晶成長面 8a 導電線 8b 熱電対 9 絶縁スペーサ 10a 導電線保護ガイシ 10b 熱電対保護ガイシ 11a 導電線熱収縮チューブ 11b 熱電対熱収縮チューブ 12 陽極基材頸部 13 スプリング 14 絶縁スリーブ 15a 導電線取付ネジ 15b 熱電対取付ネジ 15c 導電線ラグ端子 15d 熱電対ラグ端子 16 アース端子 17 アースネジ 18 結合ブロック 19 陰極 20 陽極 21 プラズマ放電 22 反応炉 23 プラズマ用電源 24 原料ガスボンベ 25 流量制御器 26 コールドプレート 27 オリフィス 28a 導電線カバー 28b 熱電対カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 秀樹 神奈川県横浜市港北区新横浜二丁目4番 18号 日本電気航空宇宙システム株式会 社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 16/00 - 16/56 H01L 21/205 H01L 21/31 H01L 21/28 C30B 29/04
Claims (8)
- 【請求項1】 気密構造を有する反応炉を備え直流プラ
ズマ放電を用いて結晶を生成するCVD実験に用いられ
前記反応炉の内部に配置される陽極において、円盤状の
結晶成長面と円柱状の陽極基材頸部とを備える陽極基材
と、前記結晶成長面以外の金属の露出部分をプラズマ放
電から遮蔽するように前記結晶成長面の周囲に配置され
るプラズマ放電防止ハットと、前記結晶成長面の下面と
前記プラズマ放電防止ハットとの間に配置される絶縁ス
ペーサと、前記陽極基材を支持する陽極ホルダと、前記
陽極ホルダを支持する絶縁ガイシと、前記絶縁ガイシを
支持し前記反応炉の筐体に密着して配置されるベース
と、前記陽極ホルダと前記ベースとを連結して電流経路
を形成する導電線を被覆する導電線カバーと、前記陽極
ホルダに装着され前記反応炉の外部に配されている計測
機器と接続される熱電対を被覆する熱電対カバーとを有
することを特徴とする直流プラズマ放電によるCVD実
験用陽極電極構造。 - 【請求項2】 前記絶縁スペーサの数量を増減すること
により前記結晶成長面の位置を可変することを特徴とす
る請求項1記載の直流プラズマ放電によるCVD実験用
陽極電極構造。 - 【請求項3】 前記結晶成長面の厚さを任意に設定する
ことを特徴とする請求項1記載の直流プラズマ放電によ
るCVD実験用陽極電極構造。 - 【請求項4】 前記陽極基材頸部の直径を任意に設定す
ることを特徴とする請求項1記載の直流プラズマ放電に
よるCVD実験用陽極電極構造。 - 【請求項5】 前記陽極ホルダに螺合した押しネジの先
端部に取り付けたスプリングにより、前記陽極基材頸部
と前記陽極ホルダとが接触することを特徴とする請求項
1記載の直流プラズマ放電によるCVD実験用陽極電極
構造。 - 【請求項6】 前記スプリングとの接触部分を除き前記
陽極基材頸部が前記陽極ホルダと接触しないよう耐電圧
で耐熱素材の絶縁スリーブを前記陽極基材頸部に被せる
ことを特徴とする請求項5記載の直流プラズマ放電によ
るCVD実験用陽極電極構造。 - 【請求項7】 前記導電線カバーとして導電線保護ガイ
シと導電線熱収縮チューブを用いることを特徴とする請
求項1記載の直流プラズマ放電によるCVD実験用陽極
電極構造。 - 【請求項8】 前記熱電対カバーとして熱電対保護ガイ
シと熱電対熱収縮チューブを用いることを特徴とする請
求項1記載の直流プラズマ放電によるCVD実験用陽極
電極構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18274798A JP2957563B1 (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | 直流プラズマ放電によるcvd実験用陽極電極構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP18274798A JP2957563B1 (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | 直流プラズマ放電によるcvd実験用陽極電極構造 |
Publications (2)
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JP2957563B1 true JP2957563B1 (ja) | 1999-10-04 |
JP2000017439A JP2000017439A (ja) | 2000-01-18 |
Family
ID=16123738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP18274798A Expired - Lifetime JP2957563B1 (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | 直流プラズマ放電によるcvd実験用陽極電極構造 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2957563B1 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP6750534B2 (ja) * | 2017-02-24 | 2020-09-02 | 東京エレクトロン株式会社 | 成膜装置 |
-
1998
- 1998-06-29 JP JP18274798A patent/JP2957563B1/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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