JP2956984B2 - バイオセンサ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、試料が液体あるいは固体のいずれの場合に
も、試料に接触あるいは挿入するだけで、試料採取と分
析が同時に行なえるディスポーザブル型バイオセンサに
関する。

〔従来の技術〕

第２図は従来のこの種のバイオセンサの一例の構造を
示す。また、第３図に従来のこの種のバイオセンサを用
いた電気化学計測装置の構成を示す。

図において、３はグルコースオキシダーゼを固定化し
たアセチルロース膜、９は多孔質膜、10はＯリング、11
は酸素電極、12は緩衝液流入パイプ、13は緩衝液流出パ
イプ、14は緩衝液、15は恒温槽、16,17はペリスタポン
プ、18は測定器本体、19は記録計、20は計測するために
採取した試料である。バイオセンサは前処理を必要とし
ない迅速な分析法と言われているが試料採取から測定を
行なうまでに多くの工程を必要とする。この手間を省く
ためバイオセンサを試料と接触させたり、直接資料に刺
し込んで試料を採取する方法があるが、いずれもフロー
方式で、試料を採取した後、ペリスタポンプ16を用いて
緩衝液14をバイオセンサ内に導びいて試料の分析を行な
っていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来の上記のような構成では、試料採取部やペリスタ
ポンプなどが占めるスペースが大きいため、小型化が難
しいという問題があった。また、試料採取部を洗浄して
再使用するため、汚染が問題になることがあった。

本発明は上記の問題を解消するためになされたもの
で、試料採取部と検出部を一体化したディスポーザブル
型の安価なバイオセンサを提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため本発明のバイオセンサは、管
状容器の中に吸水性高分子を充填し、該管状容器及び該
吸水性高分子の中に少なくとも検出部となる作用極と対
極の２電極を配置し、該作用極を酵素電極あるいは微生
物電極とするか、あるいは該吸水性高分子の中に酵素、
微生物等の生体関連化合物を分散させるか、あるいは該
作用極を酵素電極あるいは微生物電極とする場合に該吸
水性高分子の中に電子メディエータを分散させたバイオ
センサであって、上記管状容器の内壁全体に上記対極を
一体形成すると共に、該管状容器の長軸方向に該作用極
と該対極を対向配置した検出部とし、該管状容器の一端
側を針状に形成し試料採取口とし、該管状容器の他端側
を測定器本体装着口としことを特徴とするものである。

〔作用〕

このように構成することにより、先端部を試料と接触
させるか突き刺すことにより、試料溶液が吸水性高分子
に吸収され、バイオセンサ内部に取込まれる。試料中の
分析する特定成分は、バイオセンサ内の酵素等体関連化
合物により特異的に反応する。これによって生じた成分
を電極上で検出する。あるいは、酵素反応時の電子授受
を電子メディエータに伝達し、このメディエータの酸化
還元状態を電極上で検出する。

〔実施例〕

第１図（ａ），（ｂ），（ｃ）は本発明の実施例を示
す。

図において第２図、または第３図に示した符号と同一
のものは、同一または相当する部分を示し、１はカーボ
ン、金、白金電極等の作用極、２は絶縁性プラスチック
の管状容器の内壁に向電解めっき法等で銀めっきして形
成した対極、４はアクリル酸ナトリウム等の吸水性高分
子、５は酵素であるグルコースオキシダーゼ、６は電子
メディエータ、７は試料採取口、８は作用極１と対極２
の２電極を測定器本体の電極に接続する電極接続部であ
る。

図（ａ）は吸水性高分子４中にグルコースオキシダー
ゼ等の酵素５を分ささせた例、図（ｂ）は作用極１を酵
素電極とした例、図（ｃ）は作用極１を酵素電極とする
とともに吸水性高分子４中に電子メディエータ６を分散
させた例を示す。

ディスポーザブル型のバイオセンサを測定器本体に装
着し、針状の一端の試料採取口７を試料に突き刺し、溶
液成分をバイオセンサ内部に吸収する。溶液中のグルコ
ースはバイオセンサ内部でグルコースオキシダーゼによ
り分解される。

図（ａ），（ｂ）に示すものでは、酵素反応によって
生成した過酸化水素を、電極に0.7Vのパルス電圧を印加
し、その時の酸化電流によりグルコース量を計測する。

一方、図（ｃ）に示すものでは、吸水性高分子４内に
電子メディエータであるフェロセン６が懸濁してある。
この場合、グルコースオキシダーゼはグルコースを酸化
し、自らは還元体となる。この際、共存しているフェロ
セン６が電子受容体となって還元体酵素を酸化膜にもど
す。還元体となったフェロセン６を電極反応によって酸
化体にもどす。

この時流れる電流値を計測する。印加する電圧0.35V
のパルスである。上記電流はグルコース濃度に比例して
いて、グルコース量がわかる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明のバイオセンサは試料採
取部と検出部を一体化し、ペリスタポンプを使用しない
構造としたため、小型化が容易になり、かつ、試料採取
側の先端部を針状としたため、試料の採取が容易にな
り、また、ディスポーザブル型であるため、汚染が問題
となることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す説明図、第２図、第３図
は従来のこの種バイオセンサの一例の構造を示す説明図
及び化学計測装置の構成を示す説明図である。 １……作用極、２……対極、３……アセチルロース膜、
４……吸水性高分子、５……グルコースオキシダーゼ、
６……フェロセン、７……試料採取口、８……電極接続
部 なお図中同一符号は同一または相当する部分を示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】管状容器の中に吸水性高分子を充填し、該
   管状容器及び該吸水性高分子の中に少なくとも検出部と
   なる作用極と対極の２電極を配置し、該作用極を酵素電
   極あるいは微生物電極とするか、あるいは、該吸水性高
   分子の中に酵素、微生物等の生体関連化合物を分散させ
   るか、あるいは該作用極を酵素電極あるいは微生物電極
   とする場合に該吸水性高分子の中に電子メディエータを
   分散させたバイオセンサであって、上記管状容器の内壁
   全体に上記対極を一体形成すると共に、該管状容器の長
   軸方向に該作用極と該対極を対向配置した検出部とし、
   該管状容器の一端側を針状に形成し試料採取口とし、該
   管状容器の他端側を測定器本体装着口としたことを特徴
   とするバイオセンサ。