JP2956897B2 - 冷凍温度下でも軟らかい冷菓の製造方法 - Google Patents

冷凍温度下でも軟らかい冷菓の製造方法

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JP2956897B2 JP10242381A JP24238198A JP2956897B2 JP 2956897 B2 JP2956897 B2 JP 2956897B2 JP 10242381 A JP10242381 A JP 10242381A JP 24238198 A JP24238198 A JP 24238198A JP 2956897 B2 JP2956897 B2 JP 2956897B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍温度下でも軟
らかい冷菓の製造方法に関するものであり、冷菓原料
(ミックス)に、糖類、塩類、アルコール類等の氷点降
下作用を有する成分を過剰に添加することなく、冷凍庫
から取り出した直後でもスプーン、アイスクリーム・デ
ィッシャー等で容易に掬い取ることが可能な、冷凍温度
下でも軟らかい食感を有する冷菓の製造方法に関するも
のである。
【0002】本明細書において、冷菓は、昭和26年1
2月27日厚生省令第52号「乳及び乳製品の成分規格
等に関する省令」に定義されるアイスクリーム、アイス
ミルク、ラクトアイス、及び氷菓の総称であり、百分率
は、気泡の粒度分布を除き、特に断りのない限り重量に
よる値である。
【0003】
【従来の技術】一般に、冷菓は、アイスクリーム類と氷
菓に分類され、アイスクリーム類は、更に乳脂肪及び無
脂乳固形分の含量によりアイスクリーム、アイスミル
ク、及びラクトアイスに分類される。アイスクリーム類
は、一般に、乳脂肪、植物性油脂、又はこれらを混合し
た油脂3〜20%、無脂乳固形分3〜12%、糖類8〜
20%、その他必要に応じ少量の安定剤、乳化剤、色
素、香料等を含む殺菌した冷菓原料に、オーバーランを
10〜150%に調整しながら連続式フリーザーで空気
を吹き込み、凍結し、容器に充填し、硬化して製造され
る。
【0004】アイスクリーム類の製造法においては、原
料の配合割合、フリージング、硬化等の製造条件により
アイスクリーム類のクリーム感、冷感、甘味度、滑らか
さ、口溶け、硬さ等で総合的に表される風味が決定され
る。
【0005】従来、アイスクリーム類は、脂肪球のチャ
ーニングによる凝集物が氷晶及び他の固形分とともにア
イスクリーム類の組織の骨格を形成し、その強度により
アイスクリーム類のドライネス、及び口溶けに影響を与
えることが知られている。
【0006】一般に、冷菓は、乳脂肪含量、乳固形分含
量によりアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイ
ス、氷菓に分類されるが、それらの中でも、空気を含む
もの、空気を含まないもの、充填する容器の形状、フレ
ーバー等により更に多種多様に分類されている。このよ
うな冷菓の風味は、クリーム感、冷感、甘味、なめらか
な食感、軟らかな食感等により特徴づけられるが、その
中でも軟らかな食感は、冷菓の風味の最も重要な特徴の
一つとされている。
【0007】一方、最近、店頭でコーン、容器等に盛付
けして販売されるソフトクリーム、ジェラート等の軟ら
かな食感の冷菓を嗜好する消費者が増加する傾向にある
が、一般に、これらの消費者は、普通の冷菓についても
軟らかな食感を求める傾向が強くなっている。冷菓の軟
らかな食感に影響を与える主な因子としては、原料の配
合、オーバーラン、製造方法、及び消費する際の温度条
件等があげられる。ソフトクリーム、及びジェラートの
ように比較的高い温度で販売される製品を除き、通常の
冷菓は、−15〜−25℃のショーケースに保管されて
販売され、−15〜−20℃の家庭用冷凍庫に保存さ
れ、通常、−12〜−18℃の温度で消費される。
【0008】このような通常の冷菓が消費される−12
〜−18℃の冷凍温度下で冷菓に軟らかな食感を付与す
る方法としては、広く一般的に行われている方法とし
て、糖類、塩類、アルコール類等を冷菓原料に添加して
冷菓原料の凍結点を低下させ、凍結し難い原料配合にす
る方法があげられる。
【0009】前記添加成分の氷点降下作用を利用したこ
れらの方法は、冷菓原料に添加する物質の分子量により
その作用効果に差が有り、例えば、糖類を使用した場
合、分子量の大きいショ糖よりも分子量の小さいブドウ
糖、果糖の方がよりその効果が大きく、また、塩類及び
アルコール類も同様の効果があり、これまで、冷菓原料
にこのような分子量の小さい物質を添加することによ
り、冷菓に軟らかな食感を付与することが行われている
状況にある。
【0010】しかしながら、冷菓原料にこのような糖類
等を添加使用することは、冷菓の風味及び甘味等に重大
な影響を与えかねず、冷菓に十分軟らかな食感を付与す
るために糖類を多用することは甘味過剰になり、また、
塩類及びアルコール類を過剰に使用することは、冷菓の
風味を著しく損なうので、これらの使用には限度があ
る。
【0011】このような、冷菓原料に種々の成分を添加
する方法以外に、オーバーランを増加して冷菓に軟らか
な食感を付与する方法もあるが、通常のオーバーランの
範囲を超えて過度のオーバーランを付与することは、冷
菓の食感を顕著に悪化させることになるため、一般的に
は採用し難い状況にある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術を
めぐる諸情勢を背景として、本発明者等は、新しい冷菓
製品及びその製造技術について検討を進める中で、これ
までに、口溶けのよい冷菓及びその製造法を開発し、既
に、特許出願を行っている[特願平4−31397号。
以下、先願(1)と記載することがある]。
【0013】前記先願(1)の方法は、冷菓の製造方法
において、5〜18%(重量)の脂肪を含む冷菓原料
を、フリーザーの第1のシリンダーで冷菓原料に20%
(重量)以下のオーバーランを付与し、−3.0〜−
6.0℃の温度で凍結し、次いでフリーザーの第2のシ
リンダーで冷菓原料に10〜150%(重量)のオーバ
ーランを付与し、−3.0〜−8.0℃の温度で凍結す
ることを特徴とする口溶けのよい冷菓の製造方法に係る
ものである。
【0014】その後、更に、本発明者等は、冷菓の脂肪
含量に関係なく、冷凍温度下でも軟らかい冷菓の製造方
法を開発すること目標として鋭意研究を積み重ねた結
果、冷菓製造工程のフリージング工程において、フリー
ザーで冷菓原料を凍結する際に混練工程を付加すること
によって、急激に生成し、集合してブロック化した氷の
結晶を分離させ、安定に成長させ、未凍結の冷菓原料中
に再分散させることにより、冷凍温度下でも軟らかい冷
菓を製造し得ることを見い出し、本発明の冷凍温度下で
も軟らかい冷菓の製造方法を完成するに至った。
【0015】すなわち、本発明は、冷凍温度下でも軟ら
かく、冷凍庫から取り出した直後でもスプーン、アイス
クリーム・ディッシャー等で容易に掬い取ることの可能
な冷菓の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0016】また、本発明は、冷菓原料に、糖類、塩
類、アルコール類等の氷点降下作用を有する成分を過剰
に添加することなく、冷凍温度下でも軟らかい食感を有
し、かつ風味に優れた冷菓を製造する方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0017】また、本発明は、通常の冷凍設備を利用し
て、フリーザーの運転条件を調節するのみで、前記冷凍
温度下でも軟らかい食感を有する冷菓を簡便に製造し得
る方法を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明は、冷菓の製造方法において、連結した2台の
連続式フリーザーのシリンダーの第1のシリンダーで冷
菓原料に150%以下のオーバーランを付与し、−4〜
−8℃の温度条件下で第2のシリンダーに排出し、次い
で、第2のシリンダーで前記オーバーランを付与した冷
菓原料を前記第1のシリンダーの排出温度より0.5℃
低い温度から0.5℃高い温度範囲で混練することを特
徴とする冷凍温度下でも軟らかい冷菓の製造方法、であ
る。
【0019】本発明の冷凍温度下でも軟らかい冷菓の製
造方法は、冷菓の製造工程において、連結した2台の連
続式フリーザーのシリンダーの第1のシリンダーで冷菓
原料に所定のオーバーランを付与し、特定の温度条件下
で第2のシリンダーに排出し、次いで、第2のシリンダ
ーで前記所定のオーバーランを付与した冷菓原料を混練
すること、第1のシリンダーで冷菓原料に所定のオーバ
ーランを付与し、特定の温度条件下で第2のシリンダー
に排出する工程が、150%以下、すなわち0〜150
%のオーバーランを付与し、−4〜−8℃の温度で排出
すること、そして、第2のフリーザーで前記所定のオー
バーランを付与した冷菓原料を混練する工程が、第1の
フリーザーの排出温度より0.5℃低い温度から0.5
℃高い温度範囲で実施すること、特徴とするものであ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明について更に詳細に
説明する。本発明の冷凍温度下でも軟らかい冷菓の製造
方法において、フリージング工程を除く他の工程、すな
わち、フリージング工程の前の冷菓原料の調製、殺菌、
熟成の各工程、及び、フリージング工程の後の容器への
充填、硬化の各工程は、それぞれ、常法により行うこと
ができる。フリージング工程は、一般に、冷菓原料をフ
リーザーに移送し、急激に水分を凍結し、同時に適当量
の空気を混入し、オーバーランを付与し、部分凍結によ
って生じた氷の結晶、脂肪粒子、気泡等を冷菓原料中に
均一に分散させて、組織を整えるものであり、冷菓の品
質に影響を与える重要な工程である。
【0021】このフリージング工程は、2台の連続式フ
リーザーのシリンダーを連結したもの、あるいはそれと
同等の機能を有する装置を用いて実施される。1つのシ
リンダーのみのものでは、後記の試験例に示されるよう
に、所望の冷菓製品を製造することは出来ない。連続式
フリーザーとしては、市販品であって、シリンダーの内
圧を検出し、自動的に運転し得るタイプのものが好適に
使用される。このフリージング工程において、冷菓原料
は、5℃前後でフリーザーに移送され、第1のシリンダ
ーにおいて、この冷菓原料を冷却しながら空気を吹込
み、オーバーランを150%以下、すなわち0〜150
%の範囲の所定の値に調整する。
【0022】この間に、冷菓原料の温度は次第に低下す
るが、本発明の製造方法においては、−4〜−8℃の範
囲の温度で第1のシリンダーより冷菓原料を排出し、第
2のシリンダーに移送する。後記する試験例から明らか
なように、−4℃よりも高い温度で冷菓原料を排出した
場合、第1のシリンダーにおける氷の生成が少ないため
に、第2のシリンダーにおける混練の効果が十分発揮さ
れず、出来上がった冷菓が硬くなるので望ましくなく、
また、−8℃より低い温度では、通常のフリーザーでは
冷菓原料を排出することが困難である。
【0023】前記第1のシリンダーにおけるオーバーラ
ンは、製造する製品の種類により適宜決定されるが、一
般に、オーバーランが150%を超える場合は、冷菓の
食感が失われ、望ましくなく、150%以下に調整する
ことが必要である。
【0024】前記第2のシリンダーにおいては、冷菓原
料に空気を吹込まず、オーバーランを付与せずに混練す
ることが、本発明の製造方法における重要な要件であ
る。第2のシリンダーでは、第1のシリンダーからの前
記排出温度より0.5℃低い温度から0.5℃高い温度
の極めて狭い温度範囲で、前記オーバーランを付与した
冷菓原料を混練する。この第2のシリンダーにおける混
練工程により、冷菓原料中のブロック化した氷の結晶を
分離し、安定に成長させ、未凍結の冷菓原料中に再分散
することが可能となる。
【0025】前記第2のシリンダーにおけるフリージン
グの温度範囲が、第1のシリンダーからの排出温度より
0.5℃を超えて低い場合、又は0.5℃を超えて高い
場合は、生成した氷の結晶が再凍結又は溶解するので、
氷の分散効果及び安定な成長が阻害される。このため、
混練効果が十分に発揮されず、出来上がった冷菓が硬く
なるので、望ましくない。
【0026】このようにして、本発明の製造方法により
製造された冷菓は、冷凍温度下でも軟らかい食感を有し
ており、販売店のショーケース、又は家庭用冷凍庫から
取り出した直後でも、スプーン又はアイスクリーム・デ
ィッシャー等で容器から容易に掬い取ることが可能であ
り、また、従来製品のように、糖類、塩類、アルコール
類等の成分が過剰に含まれていないので、風味や甘味が
損なわれることがなく、風味が良好な最終製品を得るこ
とができる。
【0027】次に、試験例を示して本発明を具体的に説
明する。 (試験例1〜3:冷凍温度下でも軟らかい冷菓の製造試
験) 試験例1 この試験は、第1のシリンダーの排出温度を調べるため
に実施した。 1)試料の調製 第1のシリンダーの排出温度を−3.0℃、−4.0
℃、−5.0℃、及び−8.0℃に調整したこと、及び
第2のシリンダーの温度を第1のシリンダーの排出温度
と同一温度に調整したことを除き、後記実施例1と同一
の方法により冷菓試料を調製した。尚、対照冷菓として
1つのシリンダーのみで試験試料と同一温度で調製した
冷菓を用いた。
【0028】2)試験方法 前記各試料をスライサーにより上面から10mmの厚さ
で切断して試験試料とした。各試験試料を−16±0.
2℃の温度で24時間保持し、テンシプレッサー(モデ
ルTTP−57BX、タケトモ電機社製)を用いてプラ
ンジャー(円筒型、外径17mm、内径16mm)を試
験試料の表面に120mm/分の速度で5mm進入さ
せ、4mm進入したときの数値(単位はグラム・重、以
下、g・wと記載する)を硬度として測定し、各試験試
料とも5回の測定値の平均を算出し、試験試料の硬度と
した。尚、この方法により測定した数値で表される硬度
を具体的に示すため、例えば、同一の装置で測定した他
の食品の硬度を例示すれば、7℃に保存したバターの硬
度は、約3500g・wである。
【0029】3)試験結果 この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1から
明らかなとおり、同一温度で比較すれば、本発明の製造
方法により製造した冷菓の硬度は、対照冷菓のそれより
も顕著に低く、冷凍温度下でも軟らかいことが判明し
た。第1のシリンダーからの排出温度を−3.0℃に調
整して製造された冷菓は、硬度が高く望ましくなかっ
た。また、現在市販されているフリーザーでは、−8.
0℃を下回る温度での冷菓原料の排出は困難であった。
このように、第1のシリンダーからの排出温度が、−
4.0〜−8.0℃の範囲の場合に、所期の目的が達成
されることが判明した。尚、他の原料配合の冷菓につい
ても試験した結果、ほぼ同様の結果が得られた。
【0030】
【表1】
【0031】試験例2 この試験は、第1のシリンダーのオーバーランを調べる
ために実施した。 1)試料の調製 第1のシリンダーの排出温度及び第2のシリンダーの混
練温度を、それぞれ、−5.0℃に調整したこと、及び
第1のシリンダーのオーバーランを表2に示すとおりに
調整したことを除き、後記実施例1と同一の方法により
冷菓試料を調製した。尚、対照冷菓として、1つのシリ
ンダーのみで試験試料と同一の条件で調製した冷菓を用
いた。
【0032】2)試験方法 試験例1と同一の方法により硬度を測定した。
【0033】3)試験結果 この試験の結果は、表2に示すとおりである。表2から
明らかなとおり、同一オーバーランで比較すれば、本発
明の製造方法により製造した冷菓の硬度は、対照冷菓の
それよりも顕著に低く、冷凍温度下でも軟らかいことが
判明した。オーバーランを多くした場合、本発明の製造
方法で製造した冷菓と対照冷菓との差が少なくなるが、
冷菓がスポンジ状の組織となり、商品価値そのものが失
われた。このように、第1のシリンダーのオーバーラン
が、0〜150%である場合に、所期の目的が達成され
ることが判明した。ここで、オーバーランが0〜150
%とは、オーバーランが、150%以下であることを意
味する。尚、他の原料配合の冷菓についても試験した結
果、ほぼ同様の結果が得られた。
【0034】
【表2】
【0035】試験例3 この試験は、第2のシリンダーの適切な温度を調べるた
めに実施した。 1)試料の調製 第1のシリンダーの排出温度を−5.0℃に調整したこ
と、及び第2のシリンダーの混練温度を表3に示すとお
りに調整したことを除き、後記実施例1と同一の方法に
より冷菓試料を調製した。
【0036】2)試験方法 試験例1と同一の方法により硬度を測定した。
【0037】3)試験結果 この試験の結果は、表3に示すとおりである。表3から
明らかなとおり、第1のシリンダーの排出温度より0.
5℃を超える低い温度、又はその温度より0.5℃を超
える高い温度で、第2のシリンダーにおいて冷菓原料に
オーバーランを付与せず混練した場合、顕著な硬度の増
加が認められた。これに対して、第1のシリンダーの排
出温度より0.5℃低い温度から0.5℃高い温度の範
囲で、第2のシリンダーにおいて冷菓原料にオーバーラ
ンを付与せず混練した場合、硬度の増加が認められなか
った。
【0038】このように、第2のシリンダーの混練温度
は、第1のシリンダーの排出温度に近いことが望まし
く、第1のシリンダーからの排出温度より0.5℃低い
温度から0.5℃高い温度の極めて狭い温度範囲におい
て所期の目的が達成されることが判明した。尚、他の原
料配合の冷菓についても試験した結果、ほぼ同様の結果
が得られた。
【0039】
【表3】
【0040】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0041】(実施例1〜4:冷凍温度下でも軟らかい
冷菓の製造) 実施例1 生乳60.0kg、無塩バター(森永乳業社製)26.
4kg、脱脂粉乳(森永乳業社製)26.4kg、上白
糖(東洋精糖社製)39.0kg、粉飴(昭和産業社
製)12.0kg、及び乳化安定剤(三栄化学社製、サ
ンナイスN)1.5kgを水134.37kgに添加
し、均一に混合して溶解し、60℃に加温して2段階
(150kg/cm2 及び50kg/cm2 )で均質化
し、85℃で15秒間殺菌し、5℃に急冷し、色素(三
栄化学社製、サンエローNo.2)0.03kg、及び
バニラ・エッセンス(三栄化学社製)0.3kgを添加
し、均一に混合して冷菓原料を調製し、1昼夜エージン
グを行った。
【0042】次いで、2つのシリンダーを連結した連続
式フリーザー(クレパコ社製、KMLT318型:3本
のシリンダーを有する)を使用し、以下に示す条件で、
冷菓原料を第1のシリンダーに供給し、第1のシリンダ
ーでオーバーランを付与し、第2のシリンダーに排出
し、第2のシリンダーで前記オーバーランを付与した冷
菓原料を混練することにより、フリージング処理を実施
した。
【0043】 冷菓原料の供給温度:4.5℃ 冷菓原料の流量:300l/時 第1のシリンダーのオーバーラン:30% 第1のシリンダーからの排出温度:−5.5℃ 第2のシリンダーの混練温度:−5.8℃ 次いで、常法により硬化し、冷凍温度下でも軟らかい食
感を有する冷菓約220kgを得た。
【0044】実施例2 無塩バター(森永乳業社製)18.0kg、脱脂粉乳
(森永乳業社製)25.5kg、上白糖(東洋精糖社
製)45.0kg、粉飴(昭和産業社製)18.0k
g、及び乳化安定剤(三栄化学社製、サンナイスN)
1.8kgを水191.37kgに添加し、均一に混合
して溶解し、60℃に加温して2段階(150kg/c
2 及び50kg/cm2 )で均質化し、85℃で15
秒間殺菌し、5℃に急冷し、色素(三栄化学社製、サン
エローNo.2)0.03kg、及びバニラ・エッセン
ス(三栄化学社製)0.3kgを添加し、均一に混合し
て冷菓原料を調製し、1昼夜エージングを行った。
【0045】次いで、2つのシリンダーを連結した連続
式フリーザー(クレパコ社製、KMLT318型:3本
のシリンダーを有する)を使用し、以下に示す条件で、
前記実施例1と同様にして冷菓原料のフリージング処理
を実施した。
【0046】 冷菓原料の供給温度:5.0℃ 冷菓原料の流量:280l/時 第1のシリンダーのオーバーラン:80% 第1のシリンダーからの排出温度:−4.0℃ 第2のシリンダーの混練温度:−4.4℃ 次いで、常法により硬化し、冷凍温度下でも軟らかい食
感を有する冷菓約235kgを得た。
【0047】実施例3 1/3濃縮乳(森永乳業社製)108.0kg、45%
クリーム(森永乳業社製)78.0kg、上白糖(東洋
精糖社製)45.0kg、粉飴(昭和産業社製)6.0
kg、及び卵黄(太陽化学社製)12.0kgを水5
0.55kgに添加し、均一に混合して溶解し、60℃
に加温して2段階(150kg/cm2 及び50kg/
cm2 )で均質化し、85℃で15秒間殺菌し、5℃に
急冷し、バニラ・エッセンス(三栄化学社製)0.45
kgを添加し、均一に混合して冷菓原料を調製し、1昼
夜エージングを行った。
【0048】次いで、2つのシリンダーを連結した連続
式フリーザー(クレパコ社製、KMLT318型:3本
のシリンダーを有する)を使用し、以下に示す条件で、
前記実施例1と同様にして冷菓原料のフリージング処理
を実施した。
【0049】 冷菓原料の供給温度:5.5℃ 冷菓原料の流量:250l/時 第1のシリンダーのオーバーラン:15% 第1のシリンダーからの排出温度:−4.5℃ 第2のシリンダーの混練温度:−5.0℃ 次いで、常法により硬化し、冷凍温度下でも軟らかい食
感を有する冷菓約215kgを得た。
【0050】実施例4 精製ヤシ油(不二製油社製)24.0kg、脱脂粉乳
(森永乳業社製)31.5kg、上白糖(東洋精糖社
製)45.0kg、粉飴(昭和産業社製)18.0k
g、及び乳化安定剤(三栄化学社製、サンナイスN)
1.5kgを水179.52kgに添加し、均一に混合
して溶解し、60℃に加温して2段階(150kg/c
2 及び50kg/cm2 )で均質化し、85℃で15
秒間殺菌し、5℃に急冷し、色素(三栄化学社製、サン
エローNo.2)0.03kg、及びバニラ・エッセン
ス(三栄化学社製)0.45kgを添加し、均一に混合
して冷菓原料を調製し、1昼夜エージングを行った。
【0051】次いで、2つのシリンダーを連結した連続
式フリーザー(クレパコ社製、KMLT318型:3本
のシリンダーを有する)を使用し、以下に示す条件で、
前記実施例1と同様にして冷菓原料のフリージング処理
を実施した。
【0052】 冷菓原料の供給温度:5.5℃ 冷菓原料の流量:280l/時 第1のシリンダーのオーバーラン:120% 第1のシリンダーからの排出温度:−5.5℃ 第2のシリンダーの混練温度:−5.7℃ 次いで、常法により硬化し、冷凍温度下でも軟らかい食
感を有する冷菓約245kgを得た。
【0053】
【発明の効果】本発明の冷凍温度下でも軟らかい冷菓の
製造方法によって奏される効果は、次のとおりである。 1)冷凍温度下でも軟らかく、冷凍庫から取り出した直
後でもスプーン、アイスクリーム・ディッシャー等で容
易に掬い取ることができる冷菓を簡便に製造することが
できる。 2)また、当該本発明の製造方法は、冷菓原料に、糖
類、塩類、アルコール類等の氷点降下作用を有する成分
を過剰に添加することなく、冷凍温度下でも軟らかい食
感を有し、かつ風味の優れた冷菓を製造し得る特徴を有
する。 3)更に、当該本発明の製造方法は、従来の設備を使用
して、フリーザーの運転条件を調節するだけで、簡便に
冷凍温度下でも軟らかい食感を有する冷菓を製造するこ
とができる効果を有する。
フロントページの続き (72)発明者 津田 瑞生 神奈川県横浜市栄区上之町30−10 (72)発明者 工藤 力 神奈川県横浜市緑区若草台4−74 (56)参考文献 特開 昭56−29962(JP,A) 実開 昭51−70292(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23G 9/00 - 9/30

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷菓の製造方法において、連結した2台
    の連続式フリーザーのシリンダーの第1のシリンダーで
    冷菓原料に150%以下のオーバーランを付与し、−4
    〜−8℃の温度条件下で第2のシリンダーに排出し、次
    いで、第2のシリンダーで前記オーバーランを付与した
    冷菓原料を前記第1のシリンダーの排出温度より0.5
    ℃低い温度から0.5℃高い温度範囲で混練することを
    特徴とする冷凍温度下でも軟らかい冷菓の製造方法。
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