JP2956061B2 - 車両用電源装置 - Google Patents

車両用電源装置

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JP2956061B2
JP2956061B2 JP1072171A JP7217189A JP2956061B2 JP 2956061 B2 JP2956061 B2 JP 2956061B2 JP 1072171 A JP1072171 A JP 1072171A JP 7217189 A JP7217189 A JP 7217189A JP 2956061 B2 JP2956061 B2 JP 2956061B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、車両用バッテリ電圧よりも高電圧で負荷を
駆動する車両用電源装置に関する。
[従来の技術] 特開昭52−111131号公報は自動車用ウィンド加熱装置
を開示している。
この装置は、エンジンにより駆動される発電機と、 この発電機の出力電流供給先をバッテリとウィンド加
熱装置とのどちらかに切換える負荷切換手段をもち、ウ
ィンドを急速に解氷する場合などにバッテリ充電を一時
的に中断するように構成されている。
また従来、車両用バッテリ電圧と異なる電圧で高電圧
負荷を駆動する車両用電源装置がある。例えば、実開昭
55−178246号公報は、エンジンにより駆動されてバッテ
リを充電する整流器付きの3相交流発電機(以下、オル
タネータという)、オルタネータの出力電圧を制御する
電圧調整装置(以下、レギュレータという)、オルタネ
ータの各ステータコイル電圧を昇圧する3相変圧器、及
びこの3相変圧器の2次電圧を整流して高電圧負荷に供
給する整流装置からなる複数電圧並列出力型の車両用電
源装置を提案している。
更に、界磁電流を制御して負荷に応じて出力電圧を制
御する車両用電源装置も知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら上記した従来の自動車用ウィンド加熱装
置では、バッテリ負荷が大きい場合にはウィンド加熱電
力の不足及び解氷時間の延長を生ずる怖れがある。ま
た、比較的低いバッテリ電圧で駆動されるウィンド加熱
装置は希望発熱量を得るために通電電流値を大きく設計
せざるを得ないが、その結果として、ライン抵抗損失が
通電電流値の2乗に比例して増大してしまう。
また、上記した複数(電源)電圧並列出力型の車両用
電源装置によればバッテリ充電及び高電圧負荷を並列駆
動し得るが、3相変圧器などの新設に伴いその鉄損及び
銅損により電力ロスが増加する問題が新たに生じる。
更に、上記したように、発電機の出力電圧を自動車用
ウィンド加熱装置駆動時に高電圧としバッテリ充電時に
低電圧とすることも可能であるが、このようなオルタネ
ータは車両用としては大きな問題がある。すなわち、オ
ルタネータは、自動車用ウィンド加熱装置駆動のために
広範囲のエンジン回転数において高電圧(例えば+75
V)を出力するように設計されるが、このようにする
と、エンジン回転数がほとんど最低アイドル回転数まで
落ちてもまだ充分にバッテリ充電電圧(例えば+14V)
を発生し、バッテリに大きな充電電流を出力することに
なる。しかし、このような低いエンジン回転数ではオル
タネータの冷却風量が不足し、オルタネータの温度が許
容値以上になってしまう。
本発明はこのような問題に鑑みなされたものであり、
高電圧出力可能なオルタネータを低電圧出力運転する場
合において例えば低エンジン回転数時などに生じやすい
装置の過度な温度上昇を抑制し得る車両用電源装置を提
供することを解決すべき課題としている。
[課題を解決するための手段] 本発明の車両用電源装置は、車両エンジンにより駆動
されてバッテリ及びバッテリ負荷に給電する低圧発電機
と、車両エンジンにより駆動されて前記バッテリの電圧
よりも高電圧で作動する高電圧負荷に給電する高圧発電
機と、前記高電圧負荷及び前記バッテリのどちらかに前
記高圧発電機の出力端を切換接続する負荷切換手段と、
前記高圧発電機のフィールドコイルへの通電を断続する
スイッチング手段を含み、自己への入力電圧が所定値と
なるように前記スイッチング手段を断続する出力制御手
段と、前記負荷切換手段に連動して切り換えられ、前記
出力端が前記高電圧負荷に接続されるとき前記入力電圧
を前記高圧負荷の端子電圧とし、前記出力端が前記バッ
テリに接続されるとき前記入力電圧を前記バッテリの端
子電圧とする入力切換手段と、前記高圧発電機のステー
タコイルの出力電圧波形に基づいて前記スイッチング手
段を断続して前記フィールドコイルへの通電を制限する
制御波形信号を合成する出力電流制限回路とを備え、前
記出力電流制限回路はさらに、前記負荷切換手段に連動
して切り換えられ、前記出力端が前記高電圧負荷に接続
されるとき前記制御波形信号による前記スイッチング手
段の断続を停止させ、前記出力端が前記バッテリに接続
されるとき前記制御波形信号による前記スイッチング手
段の断続を実行させるスイッチを有していることを特徴
としている。
好適な態様において、前記出力電流制限回路は、前記
出力電圧波形を半波整流するダイオードと、このダイオ
ードの出力によって制御され前記制御波形信号を出力す
るトランジスタとを備えている。
好適な態様において、前記出力電流制限回路は、前記
出力電圧波形をそれぞれが半波整流するように逆並列に
接続された2つのダイオードと、これらのダイオードの
出力によって充放電されるコンデンサと、前記コンデン
サに向けて順方向のダイオードに直列接続される第1抵
抗と、前記第1抵抗より小さい抵抗値を有するとともに
前記コンデンサに向けて逆方向のダイオードに直列接続
される第2抵抗と、サーミスタを含んで基準電圧を出力
する基準電圧回路と、前記コンデンサの電圧と前記基準
電圧回路の基準電圧とを比較するコンパレータと、この
コンパレータの出力により制御され前記制御波形信号を
出力するトランジスタとを備えている。
好適な態様において、前記出力電流制限回路は、前記
出力電圧波形をそれぞれが半波整流するように逆並列に
接続された2つのダイオードと、これらのダイオードの
出力によって充放電されるコンデンサと、前記コンデン
サに向けて順方向のダイオードに直列接続される第1抵
抗と、前記第1抵抗より小さい抵抗値を有するとともに
前記コンデンサに向けて逆方向のタイオードに直列接続
される第2抵抗と、前記コンデンサの電圧に応じて前記
制御波形信号を出力するトランジスタとを備えている。
[作用] 本発明の車両用電源装置において、低圧発電機はバッ
テリに給電し、高圧発電機の出力端は負荷切換手段によ
り高電圧負荷側若しくはバッテリ側に切換えられる。そ
して、出力制御手段は、高圧発電機が高電圧負荷を駆動
する場合に出力電圧を所定の高レベルに、バッテリを駆
動する場合に出力電圧を所定の低レベルに下降させる。
更に、出力電流制限回路は、高圧発電機がバッテリを充
電する場合に高圧発電機の界磁電流を断続制御して高圧
発電機の平均出力電流を低減する。
[実施例] (第1実施例) この車両用電源装置は、第1図に示すように、高圧発
電機1と、高圧発電機1の出力端をバッテリVと高電圧
負荷Lのどちらかに切換接続する負荷切換手段である切
換スイッチ3と、界磁電流制御により高圧発電機1の出
力電圧を制御する出力制御手段であるレギュレータ4
と、バッテリV及び高電圧負荷Lに印加される電圧の内
の高電圧の方を選択してレギュレータ4の制御端子Sに
入力する切換スイッチ5と、バッテリV及びバッテリ負
荷Leの各両端に接続された低圧発電機2と、低圧発電機
2を制御する低圧用レギュレータ6とからなる。なお、
高電圧負荷Lは、定格75Vの薄膜抵抗素子製の車両ウィ
ンド用の解氷装置で構成されており、この高電圧負荷L
の他端は接地されている。
高圧発電機1は、特に高電圧仕様に設計された3相交
流発電機(オルタネータ)で構成されており、通常のオ
ルタネータと同じく、励磁用のフィールドコイル12、Y
接続された各ステータコイル11、及び各ステータコイル
11の出力端に接続された3相全波整流回路13などをも
つ。高圧発電機1の構造自体は良く知られているので説
明を省略する。3相全波整流回路13の低圧端は接地され
ており、フィールドコイル12の一端はバッテリVの高圧
端に、他端はレギュレータ4の出力端Fに接続されてい
る。ステータコイル11はそれほど磁束量を増加せずとも
低回転数領域でも充分な高電圧(ここでは75V)を出力
できるように、高巻数に設計されている。なお、磁束量
の増加を抑制するのは鉄量増加による高圧発電機1の大
型高重量化を防ぐためである。
低圧発電機2は、通常の車両用オルタネータで構成さ
れており、定格12VのバッテリVを充電するとともに、
バッテリVに並列接続されているバッテリ負荷Leを駆動
している。バッテリVの一端は接地されている。
切換スイッチ3は、3相全波整流回路13の高圧端に接
続された共通端と、バッテリVの高圧端に接続された切
換端3aと、高電圧負荷Lの一端に接続された切換端3bと
をもつ手動の切換スイッチである。
切換スイッチ5は、レギュレータ4の入力端Sに接続
された共通端と、バッテリVの高圧端に接続された切換
端5aと、抵抗51を介して前記切換端3bに接続された切換
端5bをもつ切換スイッチであり前記切換スイッチ3と連
続している。
レギュレータ4は、通常のレギュレータと同様に、バ
ッテリVの高圧端に接続される高位電源端B、接地され
る接地端E、入力端S、及び出力端Fをもち、更に出力
電流制限用の制御信号Scが入力される入力端Pを有して
いる。入力端Sは、ツェナダイオード44、抵抗48を介し
てエミッタ接地のトランジスタ41のベースに接続されて
おり、そのベース/エミッタ間にはベースバイアス用の
抵抗rが接続されている。トランジスタ41のコレクタは
コレクタ抵抗47を介して高位電源端Bに接続されてお
り、更に、エミッタ接地の出力トランジスタ42のベース
に接続されている。
トランジスタ42のコレクタは出力端Fに接続され、更
に保護ダイオード45を介して高位電源端Bに接続されて
いる。
更に、レギュレータ4は出力電流制限回路4aを有して
おり、この出力電流制限回路4aは入力端Pにダイオード
46及び抵抗49を介してベースが接続されたエミッタ接地
のトランジスタ43と、このトランジスタ43のコレクタと
トランジスタ42のベースとの接続を開閉するスイッチ40
とからなる。なお、スイッチ40は切換スイッチ3と連動
する構成となっている。
以下、この車両用電源装置の作動を説明する。ただ
し、説明の簡単化のためにトランジスタ及びダイオード
のターンオン電圧は0.75Vとする。
低圧発電機2は上記したように、エンジン回転中はバ
ッテリVを充電し、バッテリ負荷Leに駆動電流を供給し
ている。
まず、切換スイッチ3が高電圧負荷L側の切換端3bに
切換えられており、スイッチ40が開放されている場合を
考える。この時、切換スイッチ5は切換端5b側に切換え
られている。この場合、トランジスタ52はトランジスタ
41によりオンオフ制御される。以下、トランジスタ41の
ベース電流を無視し、かつ、入力端Sの電圧をVi、ツェ
ナーダイオード44の電圧降下をΔV、抵抗48の抵抗値を
r48、抵抗rの抵抗をrrとする。この場合、入力端Sの
電圧Viが(Vi−ΔV)×rr/(r48+rr)≧0.75の式を満
足すると、トランジスタ41はターンオンしトランジスタ
42がターンオフする。そして、入力端子Sの電圧Viが
(Vi−ΔV)×rr/(r48+rr)≧0.75の式を満足しない
と、トランジスタ41はターンオフしトランジスタ42がタ
ーンオンする。トランジスタ42がターンオンすると、フ
ィールドコイル12に界磁電流が流れ電圧発電機1は高電
圧を出力する。そして高圧発電機1から出力される高電
圧から抵抗51の電圧降下を差し引いた高電圧が入力端子
SにViとして印加される。Viが高電圧となると、上記説
明したようにトランジスタ41はターンオンしトランジス
タ42がターンオフする。すなわち、入力端Sの電圧Viが
(Vic−ΔV)×rr/(r48+rr)=0.75の式を満足する
所定値Vicを臨界電圧としてVi≧Vicの時にトランジスタ
42はターンオフし、Vi<Vicの時にトランジスタ42はタ
ーンオンする。実際にはトランジスタ42は高速で断続を
繰返し、その結果、高圧発電機1の出力電圧Voは抵抗51
の電圧降下をVdとすれば、Vo=Vi+Vd=+75Vとなるよ
うに制御される。
次に、切換スイッチ3がバッテリV側の切換端3aに切
換えられており、スイッチ40が導通されている場合を考
える。この場合もトランジスタ42はトランジスタ41によ
りオンオフ制御される。すなわち、入力端Sの電圧Vi
が、Vi≧Vicの時にトランジスタ42はターンオフし、Vi
<Vicの時にトランジスタ42はターンオンする。実際に
はトランジスタ42は高速でターンオン/ターンオフを繰
返し、その結果、高圧発電機1の出力電圧Voは約12Vに
制御される。
更に、この実施例では、バッテリVの駆動時にはトラ
ンジスタ42は出力電流制限回路4aによりオンオフ制御さ
れており、トランジスタ42の出力電圧Vf、高圧発電機1
の出力電圧Voは第2図に示す波形となる。すなわち、入
力端子Pには1個のステータコイル11の出力電圧Vpが入
力されており、この出力電圧Vpはデユーティ比が約0.5
のパルス波形となっている。出力電圧Vpはダイオード46
で半波整流されて信号電圧Vp1となり、ベース電流制限
用の抵抗49を介してトランジスタ43のベースに印加され
る。トランジスタ43は信号電圧Vp1により制御され、ト
ランジスタ42はトランジスタ43のターンオンによりター
ンオフし、トランジスタ43のターンオフによりターンオ
ンする。結局、高圧発電機1の界磁電流及び出力電流は
ほぼデューティ比が約0.5のパルス波形となり、出力電
流制限回路4aを使用しない場合に比較して高圧発電機1
の平均出力電流を半減することができる。
この出力電流制限回路4aの利点を以下に詳述する。
上記したように、高圧発電機1は高巻数のステータコ
イル11をもつので、高電圧負荷Lの駆動時よりも更に低
いエンジン回転数でもバッテリを大電流にて充電するこ
とができる。このような低エンジン回転数時には高圧発
電機1の冷却能力は小さいが、この問題は出力電流制限
回路4aによる出力電流断続制御で解決される。
更に、この出力電流制限回路4aはステータコイル11の
出力電圧を用いて界磁電流の断続を行っているので、回
路構成が簡単となる。
以上説明したように、この実施例の車両用電源装置に
よれば、 (1)常時、バッテリVの充電及びバッテリ負荷Lvの駆
動を実施でき、かつ上記充電及び駆動と同時に高電圧負
荷Lを並列駆動することができ、 (2)上記並列駆動にかかわらず、従来技術の項で説明
した電カロスを防止でき、 (3)高電圧負荷Lの非駆動時には高圧発電機1及び低
圧発電機2により強力に上記充電及び駆動を実施でき、 (4)バッテリVの駆動時には高圧発電機1を断続制御
することことにより、例えばアイドル運転時のように冷
却風量が少ない場合においても、高圧発電機1を過度な
温度上昇から保護することができる。
(第2実施例) この実施例の車両用電源装置は、高圧発電機1と、切
換スイッチ3と、レギュレータ4と、切換スイッチ5
と、低圧発電機2と、レギュレータ6とからなり、レギ
ュレータ4は第1図の出力電流制限回路4aの代りに、第
3図の出力電流制限回路4bを有している。
出力電流制限回路4bは入力端子Pと接点P1との間に逆
並列に接続されたダイオード46、91をもち、入力端子P
にはダイオード46のアノードとダイオード91のカソード
が接続され、ダイオード46は抵抗49を介して、ダイオー
ド91は抵抗92を介してそれぞれ接点P1に接続されてい
る。接点P1はコンパレータ96の+入力端に接続され、更
に、コンデンサ93を介して接地されている。コンパレー
タ96の−入力端は高圧発電機1の内部に配設されたサー
ミスタ94を介して接地され、また、抵抗95を介して高位
電源端Bに接続されている。コンパレータ96の出力端は
ベース電流制限抵抗97を介してエミッタ接地のトランジ
スタ43のベースに接続されており、トランジスタ43のコ
レクタは切換スイッチ3に連動するスイッチ40を介して
トランジスタ42のベースに接続されている。
この出力電流制限回路4bの動作を説明すれば、スイッ
チ40はバッテリVの駆動時にだけ導通され、入力端Pに
は実施例1の場合と同様に1個のステータコイル11から
電圧Vpが入力する。電圧Vpの上昇時にはVp>+0.75Vと
なると、コンデンサ93が抵抗49を介してそれらの時定数
に応じて充電される。電圧Vpの下降時にはVp=+0.75V
となるまで、コンデンサ93が抵抗92を介してそれらの時
定数に応じて放電される。抵抗92は抵抗49よりもはるか
に小さく設定されているので、コンパレータ96の+入力
端に入力される接点P1の積分波形Vp1は電圧上昇時に緩
かで電圧下降時に急峻なエンベロープとなる(第4図参
照)。一方、コンパレータ96の−入力端電圧Vp2は、サ
ーミスタ94の抵抗をrc、抵抗95の抵抗値をr95とすると
バッテリ電圧×rc/(rc+r95)で決定され、高圧発電機
1の温度の上昇とともにrcが減少するとVp2は低下し、
高圧発電機1の温度の下降とともにrcが増加するとVp2
は上昇する。その結果、高圧発電機1の温度が下降する
とコンパレータのしきい値電圧であるVp2が上昇しコン
パレータ96から出力されるパルス電圧のデューティ比は
狭くなり(第5図VcL参照)、高圧発電機1温度が上昇
するとコンパレータのしきい値電圧であるVp2が下降
し、コンパレータ96から出力されるパルス電圧のデュー
ティ比は広くなる(第5図VcH参照)。コンパレータ96
から出力されるパルス電圧波形はトランジスタ43により
反転されてトランジスタ42のコレクタ電圧波形と同形と
なるので、本実施例によれば、高圧発電機1の温度上昇
とともに平均界磁電流が連続的に減少する。
更に、エンジン回転数が増加するにしたがって電圧Vp
のパルス幅が短縮されるので、抵抗49とコンデンサ93に
よる充電時定数を大きな所定値に設定すれば、Vp1が充
分に上昇する前に放電される。その結果、エンジン回転
数が増加すると、Vp1が小さくなり、サーミスタ94の抵
抗変化にかかわらず、トランジスタ43を常にターンオフ
して、界磁電流断続を中止することができる。
(実施例3) この車両用電源装置は、高圧発電機1と、切換スイッ
チ3と、レギュレータ4と、切換スイッチ5と、低圧発
電機2と、レギュレータ6とからなり、レギュレータ4
は第3図の出力電流制限回路4bの代りに、第6図の出力
電流制限回路4cを有している。
出力電流制限回路4cは、実施例2の出力電流制限回路
4bからコンパレータ96、サーミスタ94、抵抗95を省略し
たものであり、接点P1はトランジスタ43のベースに直結
されている。
スイッチ40が導通されている場合について、この出力
電流制限回路4cの動作を説明すれば、高圧発電機1の入
力端Pには実施例1、2の場合と同様に1個のステータ
コイル11から電圧Vpが入力する。電圧Vpは当然、エンジ
ン回転数が低い場合に長いパルス周期を、エンジン回転
数が高い場合に短いパルス周期をもつ。ただし電圧Vpの
デューティ比はエンジン回転数によらずほぼ常に0.5で
ある。電圧Vpの上昇時にはVp>+0.75Vとなると、コン
デンサ93が抵抗49を介してそれらの時定数を応じて充電
される。電圧Vpの下降時にはVp=+0.75Vとなるまで、
コンデンサ91が抵抗92を介してそれらの時定数に応じて
放電される。
ここで、抵抗92は抵抗49よりもはるかに小さく設定さ
れているので、接点P1の電圧Vp1は電圧上昇時に緩かで
電圧下降時に急峻なエンベロープとなる(第4図参
照)。ほぼエンジン回転数が1000rpm程度で電圧Vp1の最
高電圧値Vpmaxは0.75V程度となるように設定されてい
る。したがって、エンジン回転数が1000rpm以上では電
圧Vp1が0.75Vに達する前に電圧Vpが−0.75Vに下降して
しまい、トランジスタ43は常に遮断状態となる。エンジ
ン回転数が1000rpm以下では電圧Vpのパルス幅が長いの
で電圧Vp1は0.75V以上となり、電圧Vp1が0.75V以上とな
るとトランジスタ43はターンオンし、トランジスタ42は
遮断される。そして、トランジスタ42が遮断されると、
第1図に示すように、界磁電流が遮断される。
したがって、本実施例ではエンジン回転数が低下すれ
ばするほど、平均界磁電流が低減され、高圧発電機1の
発熱量を減少することができる。また、エンジン回転数
が所定レベル以上となると界磁電流の断続を中止して充
分なバッテリ充電を行うことが可能となっている。
以上説明したように、本実施例の出力電流制限回路4c
は簡単な回路構成をもち、更に、エンジン回転数が高く
冷却風量を充分に得られる場合には界磁電流を遮断せ
ず、エンジン回転数が低く冷却風量を充分に得られない
場合にはエンジン回転数に応じて平均界磁電流を断続し
て高圧発電機1の温度上昇をその冷却能力に相応させ得
る。
なお、本実施例において、接点P1とトランジスタ43の
ベースとの間に電圧レベル変換回路(例えばツェナダイ
オード)を挿入すれば、上記充電時定数及び放電時定数
がより自由に選択できる。電圧レベル変換回路として、
抵抗97、99からなる抵抗分圧回路を用いた例を第7図に
示す。
[発明の効果] 本発明の車両用電源装置は、バッテリ充電用の低圧発
電機と、高電圧負荷を駆動する高圧発電機と、高圧発電
機を制御して高電圧による高電圧負荷の駆動と低電圧に
よるバッテリの充電とを切換える出力制御手段とを具備
しているので、バッテリの充電不足やバッテリ負荷の駆
動不足は生じにくい。高電圧負荷は、高圧発電機からの
高い出力電圧で直接に駆動されるので、従来技術の項で
述べたようなライン抵抗損失や3相変圧器の電力ロスが
生じない。また、高圧発電機の出力端を必要に応じてバ
ッテリに切換接続すれば、バッテリは高圧発電機及び低
圧発電機により並列充電されることとなり、バッテリ充
電能力の向上が可能となる。
本発明の車両用電源装置は、高電圧による高電圧負荷
の駆動と低電圧によるバッテリの充電とを切換える出力
制御手段が、バッテリ充電時に高圧発電機の界磁電流を
断続制御して出力電流を制限する出力電流制限回路を備
えているので、例えば低エンジン回転数でバッテリを充
電する場合における冷却風量不足による高圧発電機の過
熱を防止し、低エンジン回路数においてもバッテリを不
安なく充電することができる。更に、上記過熱の心配の
ない高電圧負荷時には、断続制御を行わずに高電圧負荷
を大電流で運転してその性能を全面的に発揮することが
できる。
要するに、高圧発電機はエンジンの常用回転数範囲で
高電圧発電可能に形成されているため、バッテリ充電に
切り替えられて低圧発電する場合にはエンジン回転数が
最低アイドル回転数まで落ちても大きなバッテリ充電電
流を出力することになり、その結果、このような低エン
ジン回転数のため高圧発電機の冷却風量が不足した状態
でバッテリに大電流を出力すると高圧発電機が過熱する
という特有の問題をもつ。
そこで、本発明は、高圧発電機のバッテリ充電時のみ
上記出力制限を有効とする。しかし、高圧発電時にはエ
ンジン回転数の低下により発電電圧が低下して出力電流
が減少するため、エンジン回転数が上記した最低アイド
ル回転数近傍まで落ちて高圧発電機の冷却風量が不足し
た状態となる場合には高圧発電機が過熱するような大電
流を出力することはないため、高電圧負荷給電時には上
記出力制限を無効として高電圧負荷への大電流出力を可
能とする。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の車両用電源装置の一実施例を示す等価
回路図、第2図はその信号波形図、第3図は第2実施例
の一部等価回路図、第4図及び第5図はその信号波形
図、第6図は第3実施例の一部等価回路図、第7図は第
3実施例の変形態様を示す一部等価回路図である。 1……高圧発電機 2……低圧発電機 3……切換スイッチ (負荷切換手段) 4……レギュレータ (出力制御手段) 5……切換スイッチ (入力切換手段)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両エンジンにより駆動されてバッテリ及
    びバッテリ負荷に給電する低圧発電機と、 車両エンジンにより駆動されて前記バッテリの電圧より
    も高電圧で作動する高電圧負荷に給電する高圧発電機
    と、 前記高電圧負荷及び前記バッテリのどちらかに前記高圧
    発電機の出力端を切換接続する負荷切換手段と、 前記高圧発電機のフィールドコイルへの通電を断続する
    スイッチング手段を含み、自己への入力電圧が所定値と
    なるように前記スイッチング手段を断続する出力制御手
    段と、 前記負荷切換手段に連動して切り換えられ、前記出力端
    が前記高電圧負荷に接続されるとき前記入力電圧を前記
    高圧負荷の端子電圧とし、前記出力端が前記バッテリに
    接続されるとき前記入力電圧を前記バッテリの端子電圧
    とする入力切換手段と、 前記高圧発電機のステータコイルの出力電圧波形に基づ
    いて前記スイッチング手段を断続して前記フィールドコ
    イルへの通電を制限する制御波形信号を合成する出力電
    流制限回路とを備え、 前記出力電流制限回路はさらに、前記負荷切換手段に連
    動して切り換えられ、前記出力端が前記高電圧負荷に接
    続されるとき前記制御波形信号による前記スイッチング
    手段の断続を停止させ、前記出力端が前記バッテリに接
    続されるとき前記制御波形信号による前記スイッチング
    手段の断続を実行させるスイッチを有していることを特
    徴とする車両用電源装置。
  2. 【請求項2】前記出力電流制限回路は、前記出力電圧波
    形を半波整流するダイオードと、このダイオードの出力
    によって制御され前記制御波形信号を出力するトランジ
    スタとを備えることを特徴とする請求項1記載の車両用
    電源装置。
  3. 【請求項3】前記出力電流制限回路は、 前記出力電圧波形をそれぞれ半波整流するように逆並列
    に接続された2つのダイオードと、これらのダイオード
    の出力によって充放電されるコンデンサと、前記コンデ
    ンサに向けて順方向のダイオードに直列接続される第1
    抵抗と、前記第1抵抗より小さい抵抗値を有するととも
    に前記コンデンサに向けて逆方向のダイオードに直列接
    続される第2抵抗と、サーミスタを含んで基準電圧を出
    力する基準電圧回路と、前記コンデンサの電圧と前記基
    準電圧回路の基準電圧とを比較するコンパレータと、こ
    のコンパレータの出力により制御され前記制御波形信号
    を出力するトランジスタと、 を備えることを特徴とする請求項1記載の車両用電源装
    置。
  4. 【請求項4】前記出力電流制限回路は、 前記出力電圧波形をそれぞれが半波整流するように逆並
    列に接続された2つのダイオードと、これらのダイオー
    ドの出力によって充放電されるコンデンサと、前記コン
    デンサに向けて順方向のダイオードに直列接続される第
    1抵抗と、前記第1抵抗より小さい抵抗値を有するとと
    もに前記コンデンサに向けて逆方向のダイオードに直列
    接続される第2抵抗と、前記コンデンサの電圧に応じて
    前記制御波形信号を出力するトランジスタと、 を備えることを特徴とする請求項1記載の車両用電源装
    置。
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