JP2955052B2 - 燃焼診断装置 - Google Patents

燃焼診断装置

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JP2955052B2
JP2955052B2 JP8403591A JP8403591A JP2955052B2 JP 2955052 B2 JP2955052 B2 JP 2955052B2 JP 8403591 A JP8403591 A JP 8403591A JP 8403591 A JP8403591 A JP 8403591A JP 2955052 B2 JP2955052 B2 JP 2955052B2
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政巳 飯田
康彦 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は事業用、産業用等ボイラ
の燃焼診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来例を図4に示す。複数のバーナを有
するボイラの火炉1の火炎2を観測する目的で各バーナ
に対し、1台のイメージファイバ3を火炉1に設置し、
イメージファイバ3にカラーカメラ4が接続される。カ
メラ4の出力はカラー映像ディスプレー15に入力され
るとともに、デコーダ5に接続され、その出力は赤
(R)、緑(G)、青(B)の色成分6に分解されて、
フレームメモリ7に入力される。フレームメモリ7の
R,G,B信号を次の演算器に送り演算処理して、燃焼
調整の指標としている。 (1)火炎表面の温度分布演算器8 フレームメモリ7のR及びB信号を入力し、その比R/
Bをもとに二色温度計と同じ原理にて温度分布を算出す
る。 (2)時間安定度演算器9 フレームメモリ7のG信号を入力し、G信号の時間t=
1 の画像からt=t 2 の画像の減算を施し、その結果
の時間安定度を算出する。 (3)スモーク演算器10 フレームメモリ7のR信号とB信号を入力し、R信号と
B信号の差(R−B)からスモーク分布を算出する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の装置には次
のような問題点があった。 (1)火炎表面の温度分布およびスモーク分布の2次元
の情報をもとに、人間が燃焼の良否の判断をすることは
困難である。 (2)火炎の瞬間のデータをもとにした火炎表面の温度
分布、時間安定度および、スモーク分布に対し、良否の
判断基準がないため、判断する人によって燃焼の良否の
判断が異る。 (3)火炎表面の温度分布および、スモーク分布は2次
元の分布データである。2次元分布データはそれを見て
人間がその良否を判断するデータとしては不適切であ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため次の手段を講ずる。すなわち、燃焼診断装置と
して、複数のバーナを有する火炉内のバーナ火炎をカラ
ーカメラで撮映し、写された映像出力を赤および緑の色
成分に分解し、フレームメモリに入力した装置におい
て、上記フレームメモリの赤、および緑信号を入力し各
画素の温度を二色温度法にて求め火炎の高温部の面積率
を算出する高温度面積率演算回路と、同高温度面積率演
算回路の出力を受け火炎の温度指標を算出する火炎温度
指標演算回路と、上記フレームメモリの赤信号および上
記高温度面積率演算回路の各画素の温度情報を入力し、
火炎の透過率を算出する透過率演算回路と、上記フレー
ムメモリの赤信号を入力し赤成分の濃縮低輝度部の面積
を算出する赤成分低輝度面積演算回路と、上記透過率演
算回路および上記赤成分低輝度面積演算回路の出力を入
力し、火炎の透明度指標を算出する火炎透明度指標演算
回路と、上記フレームメモリの赤信号又は緑信号を入力
し、火炎の時間安定度を算出する時間安定度演算回路
と、上記フレームメモリの赤信号を入力し火炎の平均輝
度レベルを算出する平均輝度レベル演算回路と、上記時
間安定度演算回路および上記平均輝度レベル演算回路の
出力を入力し、火炎の安定度指標を算出する火炎安定度
指標演算回路と、上記の火炎温度指標演算回路、火炎透
明度指標演算回路および火炎安定度指標演算回路の出力
を入力し、燃焼状態の方向性を含めた個別バーナの評価
関数を求めバーナ単位の燃焼診断結果並びに、火炉全体
の評価に対する全バーナベースの燃焼診断結果を出力す
る診断回路とを設ける。
【0005】
【作用】上記手段により、火炉中のバーナの火炎をカラ
ーカメラで撮影し、写された映像出力を赤および、緑の
色成分に分解し、フレームメモリに入力する。高温度面
積率演算回路は、上記フレームメモリの赤、緑信号を入
力し、二色温度法(例えばR/G)による温度分布を求
め、火炎の高温部の面積率を算出する。また火炎温度指
標演算回路は、上記高温度面積率の出力を受け火炎の温
度指標を算出する。透過率演算回路は上記フレームメモ
リの赤信号と上記高温度面積率演算回路の各画素の温度
情報を受け、火炎の透過率を算出する。さらに低輝度面
積演算回路は、上記フレームメモリの赤信号を入力し、
赤成分の低輝度部の面積を算出する。火炎透明度指標演
算回路は上記透過率演算回路および赤成分低輝度面積演
算回路の出力を受け、火炎の透明度指標を算出する。ま
た時間安定度演算回路は、上記フレームメモリの赤信号
又は緑信号を入力し、火炎の時間安定度を算出する。平
均輝度レベル演算回路は、上記フレームメモリの赤信号
を入力し、火炎の平均輝度レベルを算出する。火炎安定
度指標演算回路は、上記時間安定度演算回路および平均
輝度レベル演算回路の出力を入力し、火炎の安定度指標
を算出する。
【0006】診断回路は上記火炎温度指標演算回路、火
炎透明度指標演算回路および火炎安定度指標演算回路の
出力を入力し、燃焼状態の方向性(極性)を含めた個別
バーナ毎の評価関数を求めバーナ単位の燃焼診断結果並
びに火炉全体(火炉出口に相当)の燃焼診断評価結果を
出力する。
【0007】以上のようにして、バーナの火炎の燃焼状
態が自動的に診断されて表示される。
【0008】
【実施例】本発明の一実施例を図1から図3にて説明す
る。なお従来例で説明した部分は同一番号をつけ説明を
省略し、本発明に関する部分を主体に説明する。
【0009】図1にて、フレームメモリ7は赤(R)信
号と緑(G)信号を格納している。フレームメモリ7の
赤(R)信号と緑(G)信号は高温度面積率演算回路2
0を経て火炎温度指標演算回路25へ送られる。またフ
レームメモリ7のR信号と高温度面積率演算回路20に
て生成された温度信号は透過率演算回路21を経て、火
炎透明度指標演算回路26へ送られる。さらにフレーム
メモリ7のR信号は低輝度面積演算回路22を経て、火
炎透明度指標演算回路26へ送られる。またフレームメ
モリ7のR信号(またはG信号)は時間安定度演算回路
23を経て、火炎安定度指標演算回路27へ送られる。
さらにR信号は平均輝度レベル演算回路24を経て火炎
安定度指標演算回路27へ送られる。また火炎温度指標
演算回路25、火炎透明度指標演算回路26および火炎
安定度指標演算回路27の出力は、診断回路28を経
て、表示装置29へ送られる。
【0010】以上の構成において高温度面積率演算回路
20は高温度面積率を演算するとき、まず火炎表面の温
度分布を求める。すなわちフレームメモリ7から入力し
たR信号、G信号はそれぞれ2次元のデータ群から成
る。この2次元のデータ群のデータの個数は1つのテレ
ビ画面を所定の数に分割した結果で、ここでは、水平方
向i=1〜100、垂直方向j=1〜100として以下
説明する。
【0011】火炎表面の温度分布は、前述の二色温度計
の原理にもとづきR信号とG信号の比Rij/Gijの関数
として(1)式で求められる。
【0012】 Tij=a2 (Rij/Gij2 +a1 (Rij/Gij)+a0 ・・・(1) ここでa2 ,a1 ,a0 は温度校正係数 次に高温度面積率を(2)式にて求める。
【0013】H=S1 /S0 ・・・(2) ここでSo:火炎全面積(火炎表面温度分布Tijに対
してT1 (℃)以上の点の総面積として定義) S1 :高温部面積(火炎表面温度分布Tijに対してT
2 (℃)以上の点の総面積として定義)、ただしT1
2 火炎温度指標演算回路25は高温度面積率演算回路20
の信号を受け、火炎温度指標(F1 )を燃焼状態の良否
の方向性を考慮して(3)式にて求め出力する。
【0014】 F1 =(H−Ha )/σH ・・・(3) 上記、平均値Ha および標準偏差値σH は良好な運転状
況下のデータをもとにして予め求めた値である。次に透
過率演算回路21はR信号および高温度面積率演算回路
20で求めた温度分布Tijを受け透過率(τ)を(4)
式で求める。
【0015】 τ=(Σ Rij/Tij)/N ・・・(4) ここでN :データ総数、N=100×100 Rij:火炎表面の赤信号成分 Tij:火炎表面の温度分布 また低輝度面積演算回路22はR信号を受け赤成分低輝
度面積(SR )を(5)式で求める。
【0016】 SR =Σ(R0 <Rij<R1 を満足する点を1とする) ・・・(5) ここでR0 ,R1 :輝度レベルのしきい値 ただしR0 <R1 次に火炎透明度演算回路26は透過率(τ)および赤成
分低輝度面積(SR)の信号を入力して火炎透明度指標
(F2 )を燃焼状態の良否の方向性を考慮して(6)式
にて求め出力する。
【0017】 F2 =Kτ(τ−τa )/στ+KSR(SRa−SR )/σSR ・・・(6) ここで、τa ,SRa:τ及びSR の平均値 στ,σSR:τ及びSR 標準偏差値 Kτ,KSR:重み係数、ただしKτ+KSR=1 τ,SR :τ及びSR の現在値 上記、平均値及び標準偏差値は良好な運転状況下のデー
タをもとにして予め求めた値である。
【0018】次に時間安定度演算回路23はR又はG信
号を入力する。ここでは、例えばG信号を入力し、まず
G信号の平均輝度レベルαG を(7)と(8)式で順次
求める。
【0019】 αG (t)=(Σ Gij)/N ・・・(7) ΔαG =αG (t1)−αG (t2) ・・・(8) ここでGij:G信号の輝度レベル、i,j=1〜100 N :データ総数、N=100×100 αG (t):t時刻のG信号の平均輝度レベル さらに、平均輝度レベル演算回路24はR信号を入力し
赤成分の平均輝度レベル(αR )を(9)式にて求め
る。
【0020】αR =(Σ Rij)/N ・・・(9) ここで、Rij:赤成分の輝度レベル、i,j=1〜10
0 N:データ総数、N=100×100 また、火炎安定度指標演算回路27は時間安定度(Δα
G )および平均輝度レベル(αR )信号を入力して火炎
安定度指標(F3 )を燃焼状態の良否の方向性を考慮し
て(10)(11)(12)(13)式にて求め出力す
る。
【0021】 fΔαG =KΔα(Δαa −Δα)/σΔα ・・・(10) fαR =KR (αR −αRa)/σR ・・・(11) ここでΔαa , αRa:ΔαG 及びαR の平均値 σΔα, σR :ΔαG 及びαR 標準偏差値 KΔα,KR :重み係数、但しKΔα+KR =1 Δα,αR :ΔαG 及びαR の現在値 次に(11)式の結果をベースに次の条件にて火炎安定
度指標(F3 )を求める。fαR が正のとき、fαR
はfΔαG の大きい方を選択、 F3 =max{fαR ,fΔαG } ・・・(12) fαR が負のとき、fαR 又はfΔαG の小さい方を選
択、 F3 =min{fαR ,fΔαG } ・・・(13) (10)(11)式の平均値および標準偏差値は良好な
運転状況下のデータをもとに予め求めた値である。
【0022】診断回路28は火炎温度指標(F1 )、火
炎透明度指標(F2 )および火炎安定度指標(F3 )の
信号を入力し統計データから各指標(F1 ,F2
3 )に対するしきい値(±SH)を定義し、診断結果
を算出し、表示装置29へ出力する。診断結果は、個別
バーナおよび全体評価に大別され評価方法を次に述べ
る。(1)個別バーナの評価各バーナのF1 ,F2 ,F
3 を前述のしきい値と比較し、次の如く定義する。
【0023】 −SH<F1 or2 or3 <+SH:正常出力 −SH>F 1 or2 or3 :異常出力(−側) +SH<F1 or2 or3 :異常出力(+側) ここで、正常出力・・・良好な運転状況に近い 異常出力・・・良好な運転状況からのずれ量が大きく個別バーナに異常 有り として仮りの出力とする。次に各バーナの上記F1 ,F
2 ,F3 の診断結果に対して異常出力の判定が例えば2
out of 3(3のうち2つ以上)のとき、最終
の個別バーナの異常出力とし、表示装置29へ出力す
る。 (2)火炉全体の評価 各バーナのF1 ,F2 ,F3 を全バーナについて積算す
る。
【0024】 F1a=(Σ F1i)/n ・・・(14) F2a=(Σ F2i)/n ・・・(15) F3a=(Σ F3i)/n ・・・(16) 次にF1a,F2a,F3aを実験で求めたしきい値(±S
L)と比較する。
【0025】 −SL<F1a or 2a or 3a<+SL:正常出力 −SL>F 1a or 2a or 3a :異常出力(−側) +SL<F1a or 2a or 3a :異常出力(+側) ここで正常出力・・・良好な運転状況に近い 異常出力・・・良好な運転状況からのずれ量が大きく全体評価として異常 有り として仮の出力とする。
【0026】次に、F1a,F2a,F3aの診断結果に対し
て異常出力の判定が例えば2 out of 3のと
き、最終の全体評価の異常出力とし表示装置29へ出力
する。
【0027】図2、図3に表示装置29に出力された診
断結果の出力例を示す。図2においてB1バーナの火炎
温度指標(F1 )、火炎透明度指標(F2 )、火炎安定
度指標(F3 )は全てが、SHレベル以上で、定常よ
り、より高輝度、高温度燃焼状態で、燃焼として異常域
であることを示す。B2バーナはF1 ,F 2 ,F3 が−
SHレベル以下でB1バーナとは逆に、定常より、緩慢
燃焼(低輝度、低温度)状態で燃焼として異常域である
ことを示す。B3バーナはF2 ,F 3 が−SHレベル以
下で2 out of 3でB2と同様に異常域である
ことを示す。B5バーナはF2 が+SHレベル以上であ
るがF2 ,F3 が正常域であり、異常出力に適していな
いことを示している。
【0028】図3において(a)はF1 ,F2 が+SL
レベル以上で火炉全体として定常より高輝度、高温度燃
焼で、燃焼として異常域(例えば高NOx運転アラー
ム)を出力する。同図(b)は(a)と逆に、F1 ,F
2 が−SLレベル以下で火炉全体として緩慢燃焼で異常
域(例えば高媒塵運転アラーム)を出力する。以上のよ
うにして、個別バーナおよび、火炉全体の燃焼状態が容
易に自動的に診断されるようになり異常燃焼が発生した
場合、燃焼状態の良否の方向性が明確であるため、その
燃焼に対する要因把握、運転操作が容易となる。
【0029】
【発明の効果】以上に説明したように本発明は次の効果
を奏する。 (1)各バーナの火炎温度指標、火炎透明度指標および
火炎安定度指標を燃焼の良否の方向性をもって算出する
ことにより良好な燃焼状況との比較が容易にでき、個別
バーナの燃焼診断が的確にできるようになる。 (2)各バーナの火炎温度、火炎透明度、火炎安定度指
標を総合的に監視することにより、炉全体の燃焼診断
(良好な燃焼状況との比較)が的確にできるようにな
る。 (3)個別バーナ、全体評価の燃焼診断を可能としたこ
とで、状況に対する運転操作に関して運転員への運転支
援情報の提供が可能となる。
【0030】
【符号の説明】
1 火炉 2 火炎 3 イメージファイバ 4 カラーカメラ 15 カラー映像ディスプレー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 政巳 長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工業株 式会社長崎研究所内 (72)発明者 佐藤 康彦 長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工業株 式会社長崎研究所内 (56)参考文献 特開 平1−180430(JP,A) 特開 昭51−130282(JP,A) 特開 平4−31719(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01J 5/00 - 5/62

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のバーナを有する火炉内のバーナ火
    炎をカラーカメラで撮映し、写された映像出力を赤およ
    び緑の色成分に分解し、フレームメモリに入力した装置
    において、上記フレームメモリの赤および、緑信号を入
    力し各画素の温度を二色温度法にて求め火炎の高温部の
    面積率を算出する高温度面積率演算回路と、同高温度面
    積率演算回路の出力を受け火炎の温度指標を算出する火
    炎温度指標演算回路と、上記フレームメモリの赤信号お
    よび上記高温度面積率演算回路の各画素の温度情報を入
    力し、火炎の透過率を算出する透過率演算回路と、上記
    フレームメモリの赤信号を入力し赤成分の低輝度部の面
    積を算出する赤成分低輝度面積演算回路と、上記透過率
    演算回路および上記赤成分低輝度面積演算回路の出力を
    入力し、火炎の透明度指標を算出する火炎透明度指標演
    算回路と、上記フレームメモリの赤信号又は緑信号を入
    力し、火炎の時間安定度を算出する時間安定度演算回路
    と、上記フレームメモリの赤信号を入力し火炎の平均輝
    度レベルを算出する平均輝度レベル演算回路と、上記時
    間安定度演算回路および上記平均輝度レベル演算回路の
    出力を入力し、火炎の安定度指標を算出する火炎安定度
    指標演算回路と、上記の火炎温度指標演算回路、火炎透
    明度指標演算回路および火炎安定度指標演算回路の出力
    を入力し、燃焼状態の方向性を含めた個別バーナの評価
    関数を求めバーナ単位の燃焼診断結果および火炉全体の
    評価に対する全バーナベースの燃焼診断結果を出力する
    診断回路とを備えてなることを特徴とする燃焼診断装
    置。
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