JP2954585B1 - 水素製造方法及び装置 - Google Patents

水素製造方法及び装置

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JP2954585B1 JP10297903A JP29790398A JP2954585B1 JP 2954585 B1 JP2954585 B1 JP 2954585B1 JP 10297903 A JP10297903 A JP 10297903A JP 29790398 A JP29790398 A JP 29790398A JP 2954585 B1 JP2954585 B1 JP 2954585B1
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Abstract

【要約】 【課題】 エネルギー、コスト及び操作の面で優れた水
素製造方法及び装置を提供する。 【解決手段】 水素発生器30内で、炭化鉄(アイアン
カーバイド、Fe3C)に水蒸気又は水蒸気を含むガス
(反応ガス)を接触させて、水蒸気中の酸素を炭化鉄中
の炭素と結合させて一酸化炭素ガス又は一酸化炭素ガス
及び二酸化炭素ガスに変化させ、酸素が除去された水蒸
気を水素に変化させて水素ガスを発生させ、この水素を
含有するガスを排ガス出口導管40から取り出し、水素
発生器30内で前記炭化鉄を炭素が除去された鉄に転換
する。つまり、水とアイアンカーバイドを原料にして水
素を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水とアイアンカー
バイド(炭化鉄、Fe3C)を原料にして簡単に水素を
発生させることができる水素製造方法及び装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】水素は、従来のように石油の軽質化(ク
ラッキング)のための原料や製鉄分野での還元用ガス
等、各種化学反応用原料として用いられるだけでなく、
近年は無公害の優れた原料として注目され、特に最近、
安価で容易に水素を貯蔵できる水素貯蔵合金が商業化さ
れたことにより、その用途は急激に拡大しつつある。か
かる状況下にあって、チューブ内に天然ガスと水蒸気を
導入して加熱し水素を製造する従来方式に代わり、もっ
と熱効率が良く、安価で、かつ簡単な水素製造プロセス
の商業化が待たれており、各社が開発に凌ぎを削ってい
る。
【0003】従来の水素製造方法としては、水の電気分
解と上述した天然ガス(炭化水素)の改質とがある。炭
化水素の改質による水素製造方法は、炭化水素(ガス又
は液体)に水蒸気を混合して反応させて水素及び一酸化
炭素と二酸化炭素を得て、そのガスから水素を分離する
方法である。例えば、天然ガスから水素を得る方法は、
図8に示すように、チューブ10内に天然ガスを導入
し、この天然ガスに水蒸気を混合して、高温に加熱され
たガス改質器12で天然ガスと水蒸気とを反応させ、反
応後ガスをボイラ14で熱回収し、ガス冷却器16で冷
却した後、このガスからガス分離器18で水素ガスを分
離するものである。20は汽水ドラム、22は排ガス放
散煙突である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、水素製造は主に
上記の2つの方法によっているが、いずれの方法も下記
の欠点がある。すなわち、水の電気分解では、高価な電
力を必要とするため、経済的に使用可能な水素が得られ
ないという問題点がある。また、炭化水素の改質では、
ガス改質器の加熱ガス温度が1000℃以上であるため
多量の熱(燃料)が必要である。例えば、ニッケル触媒
を用いたメタンの分解反応では800℃以上の高温が必
要である。同上の理由で、高温に耐える材料が必要であ
ること、高温の排ガスの熱回収を行うための各種付帯設
備が必要であること等により、設備費が多大となる。そ
して、水素製造の主原料が水と高価な天然ガスであると
いう問題がある。さらに、熱化学法による水素製造の代
表的なサイクルであるUT(東京大学)−3サイクルに
おいても、約800℃の高温が必要である。
【0005】ところで、本出願人は、アイアンカーバイ
ド(炭化鉄、Fe3C)を製造するプロセスを研究して
いる過程で、アイアンカーバイドに水蒸気が触れると、
アイアンカーバイドが鉄に変わるのと同時に水素と一酸
化炭素等が発生することを発見した。すなわち、水とア
イアンカーバイドを原料にして簡単に水素を発生させる
ことを見いだした。そこで、さらに検討した結果、この
反応で得られる鉄は同反応により発生した一酸化炭素ガ
ス等によって容易に再びアイアンカーバイドに転換させ
ることができ、殆ど外部アイアンカーバイドよりアイア
ンカーバイドを補給する必要なく連続的に水素を発生さ
せるプロセスが実現できることを見いだした。なお、ア
イアンカーバイドの製造プロセスに関して、既に本出願
人は、一例として、特許第2635945号公報、特開
平9−40414号公報に記載されたような技術を開発
している。
【0006】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、水とアイアンカーバイドを原料に
して、比較的低温の反応温度で、かつ比較的低い圧力で
簡単に水素を発生させることができ、しかも、ほとんど
アイアンカーバイド製造プロセスと同じような機器で構
成することができ、設備、原料及び燃料等が安価になる
ことから得られる水素の価格が安くなる、エネルギー、
コスト及び操作の面で優れた水素製造方法及び装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の水素製造方法は、炭化鉄(アイアンカー
バイド、Fe3C)に水蒸気又は水蒸気を含むガスを接
触させて、水蒸気中の酸素を炭化鉄中の炭素と結合させ
て一酸化炭素ガス又は一酸化炭素ガス及び二酸化炭素ガ
スに変化させ、酸素が除去された水蒸気を水素に変化さ
せて水素ガスを発生させ、前記炭化鉄を炭素が除去され
た鉄に転換する工程を包含するように構成されている
(図1〜図7参照)。上記の本発明の方法において、発
生した水素ガスと一酸化炭素ガス又は一酸化炭素ガス及
び二酸化炭素ガスとを分離して、水素ガスは外部へ取り
出し、一酸化炭素ガス又は一酸化炭素ガス及び二酸化炭
素ガスは外部より添加した炭化水素ガス(例えば、メタ
ンガス等)とともに炭化鉄から炭素が除去された鉄に接
触させ、該鉄を再び炭化鉄に転換させた後、該炭化鉄を
再び水蒸気と接触させて水素ガスを発生させる反応に使
用することが好ましい(図2〜図7参照)。
【0008】また、上記の本発明の方法において、一酸
化炭素ガス及び二酸化炭素ガスを炭化水素ガス(例え
ば、メタンガス等)とともに鉄に接触させて炭化鉄に転
換させ、この炭化反応で発生した排ガスの一部を脱炭酸
ガス工程に送って二酸化炭素ガスを除去し、ついで、こ
の排ガスをガス分離工程に送って水素を取り出す場合が
ある(図3参照)。この場合は、炭化鉄に水蒸気を接触
させる工程だけでなく、鉄を炭化して炭化鉄に転換させ
る工程からも水素を製造することになる。ただし、上記
炭化反応で発生する排ガスには、かなり多くの未反応の
炭化水素ガスが含まれるために、水素を分離するための
ガス分離設備にかかる費用が高くなるおそれがあり、シ
ステム全体の経済性の検討を行う必要がある。
【0009】これらの本発明の方法において、反応媒体
である炭化鉄として、鉄鉱石(酸化鉄、Fe23)から
製造された炭化鉄を用いることができる。また、炭化鉄
として、粒径0.1mm以下の微細鉄粉を焼き固めたペレ
ットから製造された炭化鉄を用いることができる。この
ように、反応媒体として、鉄鉱石から製造されたアイア
ンカーバイドだけでなく、微細粒の鉄粉を焼き固めた微
小ペレットや、あるいは、鉄だけでなく他の種類の物質
の炭化物を適用できる可能性もある。
【0010】また、これらの本発明の方法において、水
素発生工程における炭化鉄を水蒸気と接触させて水素ガ
スを発生させる際の温度、又は/及び炭化反応工程にお
ける鉄を炭化鉄に転換させる際の温度は、400〜80
0℃の範囲、望ましくは、590〜680℃の範囲であ
る。このように、水素製造の反応温度が、例えば、約6
00℃と従来方式に比べて低いので、エネルギー、コス
ト及び操作の面で優れている。反応温度が上記の下限値
未満の場合は、経済的な反応速度が得られず、一方、反
応温度が上記の上限値を超える場合は、多量の燃料が必
要であり、また、反応容器を高温に耐える材料にした
り、高温の排ガスの熱回収を行うための各種付帯設備等
が必要になり、コストが高くなる。また、これらの本発
明の方法において、水素発生工程における炭化鉄を水蒸
気と接触させて水素ガスを発生させる際の圧力、又は/
及び炭化反応工程における鉄を炭化鉄に転換させる際の
圧力は、10kg/cm2・G以下、望ましくは、大気圧以上
で6kg/cm2・G以下の範囲である。圧力が上記の下限値
未満の場合は、経済的な反応速度が得られず、一方、圧
力が上記の上限値を超える場合は、高圧に耐える反応容
器等が必要になるのでコストが高くなり、また、操作や
運転が難しくなる。
【0011】また、これらの本発明の方法において、反
応媒体が鉄鉱石等の酸化鉄(Fe23)から製造された
還元鉄とアイアンカーバイド(炭化鉄)であり、水素発
生工程で炭化鉄の一部が鉄に転換され、この炭化鉄を含
有する鉄の一部を取り出して炭化反応工程に導入すると
ともに、外部から供給される鉄鉱石等の酸化鉄を炭化反
応工程に導入し、炭化反応工程で製造された炭化鉄の一
部は水素発生工程に移送して水素製造用に使用し、炭化
反応工程で製造された炭化鉄の残部は製鋼用原料として
送り出すように構成することができる。
【0012】本発明の水素製造装置は、内部に炭化鉄を
保持し、該炭化鉄に水蒸気又は水蒸気を含むガスを接触
させて水素を発生させる水素発生器と、水素発生器から
排出されたガスに水を噴霧して、ガスを清浄にするとと
もにガス中に含まれる水蒸気を減少させるガス清浄装置
(例えば、湿式集塵器)と、清浄化して水蒸気を減少さ
せたガスから水素を分離するガス分離装置(ガス分離
器)とを含むことを特徴としている(図4〜図7参
照)。
【0013】また、本発明の装置は、内部に炭化鉄を保
持し、該炭化鉄に水蒸気又は水蒸気を含むガスを接触さ
せて水素を発生させる水素発生器と、水素発生器から排
出されたガスに水を噴霧して、ガスを清浄にするととも
にガス中に含まれる水蒸気を減少させるガス清浄装置
(例えば、湿式集塵器)と、清浄化して水蒸気を減少さ
せたガスから水素を分離するガス分離装置(ガス分離
器)と、ガス分離装置で水素が分離された残りのガスの
少なくとも一部を昇圧する水素発生器導入用のガス昇圧
装置(例えば、ガス圧縮機)と、ガス昇圧装置で昇圧さ
れたガスに水蒸気又は水を混入させる水分供給系統と、
昇圧された水蒸気混入ガス又は水混入ガスを加熱する水
素発生器導入用のガス加熱装置(ガス加熱器)と、加熱
された水蒸気を含むガスを前記水素発生器へ導入する管
路とを含むことを特徴としている(図5〜図7参照)。
【0014】上記の本発明の装置において、水素発生器
から排出されたガスの顕熱を回収するための熱交換器を
付加し、水素発生器導入用のガス昇圧装置で昇圧された
ガスの予熱ができるようにすることが好ましい(図6、
図7参照)。これらの本発明の装置において、ガス分離
装置(ガス分離器)からの水素ラインに燃焼器及びガス
タービン(水素タービン)を設け、ガス分離装置(ガス
分離器)で分離された水素の少なくとも一部を燃焼させ
てガスタービン(水素タービン)を駆動させ、発生した
水蒸気が水素発生器に導入される水蒸気として使用され
るように、ガスタービン(水素タービン)と水素発生器
とを水蒸気供給管を介して接続することができる(図7
参照)。
【0015】また、これらの本発明の装置において、水
素発生器内の炭化鉄を含有する鉄の一部を取り出して炭
化反応器に装入し、ガス分離装置(ガス分離器)で水素
が分離された一酸化炭素ガス又は一酸化炭素ガス及び二
酸化炭素ガスを、炭化水素ガス(例えば、メタンガス
等)とともに炭化反応器導入用のガス加熱装置(ガス加
熱器)で加熱した後、第2の管路を経て炭化反応器に吹
き込み、炭化反応器内の鉄が炭化鉄に炭化されるように
し、この炭化鉄の含有量の多い物質の一部を取り出して
水素発生器へ戻すようにすることが好ましい(図4〜図
7参照)。また、上記の本発明の装置において、炭化反
応器から排出されたガスに水を噴霧してガスを清浄にす
る第2のガス清浄装置(例えば、湿式集塵器)を炭化反
応器に接続し、清浄になったガスの少なくとも一部を、
ガス分離装置(ガス分離器)で水素が分離されたガスと
ともに炭化反応器導入用のガス昇圧装置(例えば、ガス
圧縮機)で昇圧し、昇圧されたガスを炭化水素ガス(例
えば、メタンガス等)とともに炭化反応器導入用のガス
加熱装置(ガス加熱器)で加熱し、加熱されたガスを第
2の管路を経て炭化反応器に導入することが好ましい
(図4〜図7参照)。
【0016】上記の本発明の装置において、炭化反応器
導入用のガス加熱装置の高温部の一部、及び/又は第2
の管路の一部をセラミック製とすることが好ましい。ま
た、これらの本発明の装置において、水素発生器から排
出され、ガス分離装置で水素が分離されたガスの少なく
とも一部を、水素発生器に循環させるガス処理・循環系
統に、水素発生器から排出されたガスの排ガス熱及び炭
化反応器から排出されたガスの排ガス熱の少なくともい
ずれかを利用して発生させた水蒸気(すなわち、本願プ
ロセスの排ガス熱で発生させた水蒸気)、又は外部で発
生させた水蒸気をガス中に加える水蒸気供給系統を設け
ることができる。また、これらの本発明の装置におい
て、水素発生器から排出され、ガス分離装置で水素が分
離されたガスの少なくとも一部を、水素発生器に循環さ
せるガス処理・循環系統に、温水槽を設け、循環させる
ガスを温水槽を通過させることによってガス中に水蒸気
を混入させることができる(図5参照)。また、これら
の本発明の装置において、水素発生器又は/及び炭化反
応器を、循環式の流動層式反応器及び仕切板付き流動層
多室分割式の反応器のいずれかとすることが好ましい。
【0017】また、これらの本発明の装置において、水
素発生器内の物質の一部を取り出して炭化反応器に装入
するとともに炭化反応器内の物質の一部を取り出して水
素発生器に装入する代わりに、水素発生器から排出され
たガスを循環させる経路に設けられたガス清浄装置、水
素発生器導入用のガス昇圧装置、水素発生器導入用のガ
ス加熱装置及び管路を包含するガス処理・循環系統、並
びに炭化反応器から排出されたガスを循環させる経路に
設けられた第2のガス清浄装置、炭化反応器導入用のガ
ス昇圧装置、炭化反応器導入用のガス加熱装置及び第2
の管路を包含するガス処理・循環系統の夫々を、一定時
間毎に水素発生器側と炭化反応器側とに切り換えて接続
できる構成とすることができる。このように、水素発生
器と炭化反応器及び夫々のガス処理・循環系統を一定時
間後に切り換えること、すなわち、最初の期間水素発生
器に接続されていたガス処理・循環系統を一定時間後は
炭化反応器に切り換えて接続し、一方、最初炭化反応器
に接続されていたガス処理・循環系統を切り換えて水素
発生器に接続し、ある一定時間毎に切り換える構成とす
ることができる。接続を切り換える一定時間は、水素発
生反応及び/又は炭化反応の進行状況等によって定めら
れる。
【0018】また、これらの本発明の装置において、水
素発生器内の物質を炭化反応器に移動させ、炭化反応器
内の物質を水素発生器に移動させるために、水素発生器
からの物質を貯留した密閉容器及び炭化反応器からの物
質を貯留した密閉容器を密閉したまま容器ごと移動させ
るようにし、移動させた容器を炭化反応器及び水素発生
器に接続して、容器内の物質を炭化反応器及び水素発生
器へ投入する構成とすることができる。また、これらの
本発明の装置において、水素発生器又は/及び炭化反応
器を夫々複数設けて、複数のうちの一部の水素発生器又
は/及び炭化反応器を順々に切り替えて使用できる構成
とすることができる。また、これらの本発明の装置にお
いて、水素発生器から排出されたガスを導入して水素を
分離するガス分離装置(ガス分離器)を、膜分離装置又
は圧力スイング方式(PSA)分離装置とすることが好
ましい。また、これらの本発明の装置において、炭化鉄
と水蒸気又は水蒸気を含むガスとを接触させる水素発生
器を、流動層式反応装置又は移動層式反応装置とするこ
とが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、水素製造の反応媒体として
アイアンカーバイド(炭化鉄)を用いる場合の水素製造
装置について、本発明の実施の形態を詳細に説明する
が、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるもので
はなく、適宜変更して実施することができるものであ
る。すなわち、鉄のみならず他の種類の物質の炭化物を
適用することも可能である。
【0020】図1は、本発明の実施の第1形態による水
素製造方法を実施する装置を示している。図1におい
て、水素発生器30は、一例として、流動層炉からなる
反応器であり、約300℃の反応ガス(H2Oが主成分
で、他にCOと窒素等を含む)が、水素発生器30下側
の反応ガス入口導管32から風箱34内に導入され、ガ
ス分散器36、例えばガス分散板に設けられた孔を経て
水素発生器30の中に送り込まれる。なお、ガス分散器
36として、多孔板以外にキャップ型のものや散気管タ
イプのもの等を用いることも可能である。また、水素発
生器30として移動層式の反応器を使用することも可能
である。水素発生器30の中には、鉄鉱石等から製造さ
れたFe3Cを主成分とする炭化鉄(アイアンカーバイ
ド)37が流動層38をなしており、Fe3Cがその層
を通過するガス中のH2O(水蒸気)と反応してH2ガス
とCOガスを発生し、排ガス出口導管40から排ガスと
して取り出される。なお、水素製造の反応媒体として微
細粒の鉄粉を焼き固めた微小ペレット等を用いることも
可能である。39は生成した鉄である。
【0021】上記のような水素発生反応は、下記の反応
式で示される。 Fe3C+H2O→3Fe+H2+CO すなわち、アイアンカーバイドは水蒸気と接触して、一
酸化炭素ガスと水素ガスと純鉄に変化する。理論的に
は、Fe3C1トンから125Nm3の水素ガスと125Nm
3の一酸化炭素ガスを生じる。また、この反応は、経済
的な反応速度を得るために、温度が400〜800℃の
範囲、好ましくは、590〜680℃の範囲で行わしめ
ることが望ましく、圧力が10kg/cm2・G以下、好まし
くは、大気圧以上で6kg/cm2・G以下の範囲で行わしめ
ることが望ましい。また、水素発生反応では次の反応も
起こる。 Fe3C+2H2O→3Fe+2H2+CO2
【0022】図2は、本発明の実施の第2形態による水
素製造方法を実施する装置を示している。図2におい
て、反応ガス(H2Oが主成分で、他にCOと窒素等を
含む)が水素発生器30下側の反応ガス入口導管32か
ら風箱34内に導入され、ガス分散器36に設けられた
孔を経て水素発生器30の中に送り込まれる。水素発生
器30の中には、Fe3Cを主成分とする炭化鉄(アイ
アンカーバイド)37が流動層38をなしており、Fe
3Cがその層を通過するガス中のH2O(水蒸気)と反応
してH2ガスとCOガスを発生し、排ガス出口導管40
から排ガスとして取り出される。排ガス出口導管40に
排出されたガスはガス分離器42に導入され、水素発生
器30で生じた水素ガスが分離されて外部へ送られ(水
素の取出し)、一方、一酸化炭素ガスは、水素発生器3
0内の鉄とともに炭化反応器44へ送られる。なお、ガ
ス分離器42としては、一例として、膜分離装置、圧力
スイング方式(PSA)のもの等が用いられる。
【0023】すなわち、ガス分離器42で分離された一
酸化炭素ガス等は、ガス導管46の途中でメタンガスが
添加され、炭化反応器44下側のガス入口導管48から
風箱50内に導入され、ガス分散器52、例えばガス分
散板に設けられた孔を経て炭化反応器44の中に送り込
まれる。なお、ガス分散器52として、多孔板以外にキ
ャップ型のものや散気管タイプのもの等を用いることも
可能である。また、炭化反応器44としては、流動層炉
からなる反応器の他に、移動層式の反応器を用いること
もできる。一方、水素発生器30内の水素発生反応で生
成した鉄39は、炭化反応器44の中に送り込まれて流
動層54をなしており、鉄がその層を通過する上記のガ
スと反応して、下記の反応により、鉄と一酸化炭素ガス
が炭化鉄Fe3Cに変化し、炭化反応で発生した排ガス
は排ガス出口導管56から取り出される。また、炭化反
応器44内のFe3Cは水素発生器30に戻される。な
お、添加するガスとして、メタンガス以外の炭化水素ガ
スを使用することも可能である。 Fe3C+H2O→3Fe+CO+H2 (水素発生反応式) 3Fe+CO+CH4→Fe3C+CO+2H2 (炭化反応式)
【0024】上記の炭化反応は、経済的な反応速度を得
るために、温度が400〜800℃の範囲、好ましく
は、590〜680℃の範囲で行わしめることが望まし
く、圧力が10kg/cm2・G以下、好ましくは、大気圧以
上で6kg/cm2・G以下の範囲で行わしめることが望まし
い。また、水素発生反応では次の反応も起こる。 Fe3C+2H2O→3Fe+CO2+2H2 (水素発生反応式) この場合、炭化反応は次のようになる。 3Fe+CO2+CH4→Fe3C+CO2+2H2 (炭化反応式) 他の構成及び作用は、実施の第1形態の場合と同様であ
る。
【0025】図3は、本発明の実施の第3形態による水
素製造方法を実施する装置を示している。図3におい
て、反応ガス(H2Oが主成分で、他にCOと窒素等を
含む)が水素発生器30下側の反応ガス入口導管32か
ら風箱34内に導入され、ガス分散器36に設けられた
孔を経て水素発生器30の中に送り込まれる。水素発生
器30の中には、Fe3Cを主成分とするアイアンカー
バイドが流動層38をなしており、Fe3Cがその層を
通過するガス中のH2O(水蒸気)と反応してH2ガスと
COガスを発生し、排ガス出口導管40から排ガスとし
て取り出される。排ガス出口導管40に排出されたガス
はガス分離器42に導入され、水素発生器30で生じた
水素ガスが分離されて外部へ送られ(水素の取出し)、
一方、一酸化炭素ガスは、水素発生器30内の鉄ととも
に炭化反応器44へ送られる。
【0026】すなわち、ガス分離器42で分離された一
酸化炭素ガス等は、ガス導管46の途中でメタンガスが
添加され、炭化反応器44下側のガス入口導管48から
風箱50内に導入され、ガス分散器52に設けられた孔
を経て炭化反応器44の中に送り込まれる。一方、水素
発生器30内の水素発生反応で生成した鉄は、炭化反応
器44の中に送り込まれて流動層54をなしており、鉄
がその層を通過する上記のガスと反応して、下記の反応
により、鉄と一酸化炭素ガスが炭化鉄Fe3Cに変化す
る。このFe3Cは水素発生器30に戻される。 Fe3C+H2O→3Fe+CO+H2 (水素発生反応式) 3Fe+CO+CH4→Fe3C+CO+2H2 (炭化反応式) また、水素発生反応では次の反応も起こる。 Fe3C+2H2O→3Fe+CO2+2H2 (水素発生反応式) この場合、炭化反応は次のようになる。 3Fe+CO2+CH4→Fe3C+CO2+2H2 (炭化反応式)
【0027】上記の炭化反応により発生したCOガス、
CO2ガス及びH2ガス(未反応メタンガス等を含む)
は、脱炭酸ガス装置58によりCO2が除去された後、
ガス分離器60にて純粋なH2と未反応メタンガスやC
Oガス等の他のガスとに分離され、水素は外部に送り出
される(水素の取出し)。また、炭化反応により発生し
たガスの一部は、脱炭酸ガス装置58を通さずに、排ガ
ス出口導管56から取り出して燃料ガスとして使用する
こともできる。なお、ガス分離器60としては、一例と
して、膜分離装置、圧力スイング方式(PSA)のもの
等が用いられる。また、脱炭酸ガス装置58としては、
一例として、吸収塔等が用いられる。本実施形態では、
水素発生器30とともに、炭化反応器44でも水素を製
造することになる。ただし、上記炭化反応で発生する排
ガスには、かなり多くの未反応メタンガスが含まれるた
めに、ガス分離器60の設備費が高くなるおそれがあ
り、システム全体の経済性の検討を行う必要がある。他
の構成及び作用は、実施の第1、第2形態の場合と同様
である。
【0028】図4は、本発明の実施の第4形態による水
素製造装置を示している。図4において、内部にアイア
ンカーバイドを保持する流動層式の水素発生器62に、
管路64を介して水蒸気又は水蒸気を含むガス(反応ガ
ス)が吹き込まれ、水素発生器62内でFe3CがH2
と反応して水素ガスとCOガス等を発生し、排ガス出口
導管66から排ガスとしてガス清浄装置、例えば、湿式
集塵器68に送られる。なお、上記の排ガス中にはCO
ガスの他にCO2ガス等が含まれる場合がある。また、
流動層式の水素発生器62としては、一例として、循環
式か、又は仕切板付き流動層多室分割式のもの等が用い
られ、水素発生器62として移動層式反応装置が適用さ
れる場合もある。湿式集塵器68内で水が噴霧されて、
排ガスは、清浄化されるとともに水蒸気が減らされ、水
素ガスを分離するためのガス分離器(ガス分離装置)7
0に導入される。ガス分離器70で分離された水素ガス
は外部に取り出される。
【0029】一方、ガス分離器70で分離されたCOガ
ス等は、ガス導管72を経てガス昇圧装置、例えば、ガ
ス圧縮機74で昇圧され、調整用のCH4ガス、COガ
ス、CO2ガスが調整用ガス供給管76から添加され
て、後述する炭化反応器78から排出されるガスの顕熱
を回収する熱交換器80で予熱された後、ガス加熱器
(ガス加熱装置)82で加熱され、第2の管路84を介
して流動層式の炭化反応器78に吹き込まれる。なお、
流動層式の炭化反応器78としては、一例として、循環
式か、又は仕切板付き流動層多室分割式のもの等が用い
られ、炭化反応器78として移動層式反応装置が適用さ
れる場合もある。また、ガス加熱器82の高温部の一部
及び/又は第2の管路84の一部をセラミックで構成す
る場合もある。 水素発生器62からの非炭化物(F
e)が多い物質の一部は、炭化反応器78の中に投入さ
れ、この炭化反応器78に、上述したCOガス等が調整
用のCH 4ガス等とともに送り込まれる。炭化反応器7
8内ではFeが炭化されてFe3Cに転換され、炭化反
応器78内の炭化物(Fe3C)が多い物質の一部は水
素発生器62に戻される。なお、水素発生器62と炭化
反応器78とで物質を移動させる方法としては、一例と
して、各器から夫々の密閉容器に入れた後、密閉したま
ま容器ごと移動して水素発生器62又は炭化反応器78
に接続し、中の物質を水素発生器62又は炭化反応器7
8へ投入する方法が挙げられる。もちろん、搬送用の管
路79、81等を介して移動させることも可能である。
【0030】また、炭化反応器78から排出された排ガ
スは、排ガス出口導管86を経て上述した熱交換器80
で熱回収され、ついで、第2のガス清浄装置、例えば、
湿式集塵器88で清浄にされ、一部が燃料ガス等として
抜き出された後、脱炭酸ガス装置90でCO2ガス(炭
酸ガス)が除去され、前述したガス分離器70からのC
Oガス等に混合されて、炭化反応器78に循環させるガ
スとして使用される。炭化反応器78から排出されるガ
スには、未反応メタンガス、CO2ガス、COガス、水
素ガス等が含まれており、このまま循環使用すると循環
ガス中に水素ガスとCO2ガス(炭酸ガス)が累積し、
やがて多量に含まれている水素のために、前述した炭化
反応が進まなくなる。それを避けるためには、常にガス
の一部を抜取り燃料ガス等として使用する必要がある。
または、本実施の形態では述べていないが、循環ガスの
一部をガス分離器に導入して水素を取り出すことも有効
であり、その場合は、水素発生器62とともに、炭化反
応器78でも水素を製造することになる。ただし、この
場合は、排ガスがかなり多くの未反応メタンガスを含む
ために、ガス分離器の設備費が高くなるおそれがあり、
システム全体の経済性の検討を行う必要がある。
【0031】また、本実施の形態において、水素製造の
反応媒体を鉄鉱石等の酸化鉄(Fe 23)から製造され
た還元鉄とアイアンカーバイド(炭化鉄)として、水素
発生器62内から取り出された一部の物質と外部から供
給された酸化鉄とを炭化反応器78に装入し、そこで製
造されたアイアンカーバイドの一部は水素発生器62に
移送して水素製造用に使用し、残りのアイアンカーバイ
ドは製鋼用原料として送り出す構成とすることが可能で
ある。本実施形態の水素製造プロセスは、ほとんどアイ
アンカーバイド製造プロセスと同じような機器、すなわ
ち、流動層炉(水素製造における水素発生器、炭化反応
器に相当)、ガス加熱器(加熱炉)、湿式集塵器、ガス
(循環)圧縮機等に加えて、ガス中から水素ガスを分離
する装置(ガス分離器)からなる。また、この水素製造
プロセスは、水素を貯蔵する代わりにアイアンカーバイ
ドを貯蔵することにより、あたかも水素を貯蔵するのと
同等になることを意味し、応用範囲が飛躍的に拡大する
可能性がある。他の構成及び作用は、実施の第1、第
2、第3形態の場合と同様である。
【0032】図5は、本発明の実施の第5形態による水
素製造装置を示している。図5において、内部にアイア
ンカーバイドを保持する水素発生器62に、管路64を
介して水蒸気又は水蒸気を含むガス(反応ガス)が吹き
込まれ、水素発生器62内でFe3CがH2Oと反応して
水素ガスとCOガス等を発生し、排ガス出口導管66か
ら排ガスとしてガス清浄装置、例えば、湿式集塵器68
に送られる。排ガスは、湿式集塵器68内で清浄化され
るとともに水蒸気が減らされた後、ガス分離器(ガス分
離装置)70aに導入される。ガス分離器70aで分離
された水素ガスは外部に取り出される。ガス分離器70
aで分離されたCOガス等の一部は、ガス導管92を経
てガス昇圧装置、例えば、ガス圧縮機94で昇圧され、
水蒸気又は水が水分供給管96から添加された後、ガス
加熱器(ガス加熱装置)98で加熱されて水蒸気を含む
ガスとなり、第1の管路64を介して水素発生器62に
反応ガス(H2Oが主成分で、他にCOと窒素等を含
む)として吹き込まれる。なお、図5に示すように、ガ
ス分離器70aからのガスを温水槽100を通過させる
ことによって、このガス中に水蒸気を混入させる構成と
することもできる。他の構成及び作用は、実施の第1〜
第4形態の場合と同様である。
【0033】また、本実施の形態においては、水素発生
器62と炭化反応器78及び夫々のガス処理・循環系統
(湿式集塵器、ガス圧縮機、ガス加熱器等)を一定時間
後に切り換えること、すなわち、最初の期間水素発生器
62に接続されていたガス処理・循環系統を一定時間後
は炭化反応器78に切り換えて接続し、一方、最初炭化
反応器78に接続されていたガス処理・循環系統を切り
換えて水素発生器62に接続し、ある一定時間毎に切り
換える構成とすることができる。この場合は、水素発生
器と炭化反応器との間の搬送用の管路79、81は不要
となる。また、水素発生器62又は/及び炭化反応器7
8を夫々複数台設けて、複数のうちの一部の器を順々に
切り替えて使用する構成とすることも可能である。
【0034】図6は、本発明の実施の第6形態による水
素製造装置を示している。図6において、内部にアイア
ンカーバイドを保持する水素発生器62に、管路64を
介して水蒸気又は水蒸気を含むガス(反応ガス)が吹き
込まれ、水素発生器62内でFe3CがH2Oと反応して
水素ガスとCOガス等を発生し、排ガス出口導管66に
排ガスとして送り出される。水素発生器62から排出さ
れた排ガスは、熱交換器102で顕熱が回収され、つい
で、ガス清浄装置、例えば、湿式集塵器68に送られ
る。排ガスは、湿式集塵器68内で清浄化されるととも
に水蒸気が減らされた後、ガス分離器(ガス分離装置)
70aに導入される。ガス分離器70aで分離された水
素ガスは外部に取り出される。ガス分離器70aで分離
されたCOガス等の一部は、ガス導管92を経てガス昇
圧装置、例えば、ガス圧縮機94で昇圧され、上述した
水素発生器62から排出されるガスの顕熱を回収する熱
交換器102で予熱された後、水蒸気又は水が水分供給
管96から添加され、ガス加熱器(ガス加熱装置)98
で加熱されて水蒸気を含むガスとなり、第1の管路64
を介して水素発生器62に反応ガス(H 2Oが主成分
で、他にCOと窒素等を含む)として吹き込まれる。な
お、図示していないが、ガス分離器70aからのガスを
温水槽を通過させることによって、このガス中に水蒸気
を混入させる構成とすることもできる。他の構成及び作
用は、実施の第1〜第5形態の場合と同様である。
【0035】図7は、本発明の実施の第7形態による水
素製造装置を示している。図7において、内部にアイア
ンカーバイドを保持する水素発生器62に、管路64を
介して水蒸気又は水蒸気を含むガス(反応ガス)が吹き
込まれ、水素発生器62内でFe3CがH2Oと反応して
水素ガスとCOガス等を発生し、排ガス出口導管66に
排ガスとして送り出される。水素発生器62から排出さ
れた排ガスは、熱交換器102で顕熱が回収され、つい
で、ガス清浄装置、例えば、湿式集塵器68に送られ
る。排ガスは、湿式集塵器68内で清浄化されるととも
に水蒸気が減らされた後、ガス分離器(ガス分離装置)
70bに導入される。ガス分離器70bで分離された水
素ガスの一部は、ガス導管104を経て燃焼器106に
導入され、この燃焼排ガスにより水素タービン(ガスタ
ービン)108が駆動されるとともに、水素の燃焼によ
り水蒸気を発生させ、この水蒸気が水蒸気供給管110
を経て、ガス加熱器(ガス加熱装置)98で加熱される
ガスに加えられ、水蒸気を含む反応ガスとして第1の管
路64を経て水素発生器62に吹き込まれる。ガス分離
器70bで分離された水素ガスの残部は外部に取り出さ
れる。112は、水素タービンに連結された発電機であ
る。
【0036】この場合の水素燃焼反応、水素発生反応、
炭化反応は、一例として、下記の反応式で示される。 H2+1/2O2→H2O (水素燃焼反応式) Fe3C+2H2O→3Fe+CO2+2H2 (水素発生反応式) 3Fe+1/2CO2+1/2CH4→Fe3C+H2O (炭化反応式) 1/2CH4+1/2O2→H2+1/2CO2 (総括反応式) 他の構成及び作用は、実施の第1〜第6形態の場合と同
様である。なお、図7では、実施の第6形態(図6)の
構成にガスタービン(水素タービン)等を組み合わせた
構成となっているが、実施の第4、第5形態(図4、図
5)の構成にガスタービン(水素タービン)等を組み合
わせた構成とすることも勿論可能である。また、実施の
第4、第5、第6形態で説明した水蒸気等の供給手段を
併用する構成とすることも可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 設備が安価であること、原料が水とアイアンカ
ーバイドであり高価な天然ガス等の化石原料を使用しな
いこと、燃料の使用量が少ないこと等の理由により、得
られる水素の価格が安くなる。 (2) 水素製造の反応温度、すなわち、反応に使用さ
れるガスの温度が他の従来方式よりも低い。このため、
燃料の消費量を少なくできる、各種の化石燃料はもちろ
ん化石燃料以外のいろいろな種類の燃料が使用できる、
加える水蒸気も現在一般に使われている温度の高さで対
応できる、高温に耐える材料や高温の排ガスの熱回収を
行うための各種付帯設備等が不要であり設備費が安くな
る、等の長所をもたらす。 (3) 上記のガス温度が低いことに加えて、システム
内圧力が大気圧に近い圧力か、または10kg/cm2・G以
下の低い圧力であるため、設備費が安くなること等に加
えて、運転が容易になる。 (4) 水とアイアンカーバイドを原料とする水素発生
反応と鉄を炭化する炭化反応とを組み合わせて水素を製
造する場合、媒体となる炭素のかなり多くの部分がリサ
イクル使用されるため、システム全体から排出される二
酸化炭素(地球温暖化をもたらす主要因となるガス)の
量が極めて少なくなる。 (5) 水とアイアンカーバイドを原料とする水素発生
反応と鉄を炭化する炭化反応とを組み合わせる場合、ほ
とんど外部からアイアンカーバイドを補給することな
く、連続的に水素を製造することができる。 (6) 本発明の水素製造プロセスは、ほとんどアイア
ンカーバイド製造プロセスと同じような構成機器、すな
わち、流動層炉(水素製造における水素発生器、炭化反
応器に相当)、ガス加熱器(加熱炉)、湿式集塵器、ガ
ス(循環)圧縮機等に加えて、ガス中から水素ガスを分
離する装置(ガス分離器)からなる構成で実施すること
が可能である。 (7) 本発明の水素製造プロセスは、水素を貯蔵する
代わりにアイアンカーバイドを貯蔵することにより、あ
たかも水素を貯蔵するのと同等になることを意味し、応
用範囲が飛躍的に拡大する可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態による水素製造方法を
実施する装置を示す概略説明図である。
【図2】本発明の実施の第2形態による水素製造方法を
実施する装置を示す概略説明図である。
【図3】本発明の実施の第3形態による水素製造方法を
実施する装置を示す概略説明図である。
【図4】本発明の実施の第4形態による水素製造装置を
示す系統的概略構成図である。
【図5】本発明の実施の第5形態による水素製造装置を
示す系統的概略構成図である。
【図6】本発明の実施の第6形態による水素製造装置を
示す系統的概略構成図である。
【図7】本発明の実施の第7形態による水素製造装置を
示す系統的概略構成図である。
【図8】従来の水素製造装置の一例を示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
10 チューブ 12 ガス改質器 14 ボイラ 16 ガス冷却器 18 ガス分離器 20 汽水ドラム 22 排ガス放散煙突 30、62 水素発生器 32 反応ガス入口導管 34、50 風箱 36、52 ガス分散器 37 炭化鉄(アイアンカーバイド) 38、54 流動層 39 鉄 40、56、66、86 排ガス出口導管 42、60、70、70a、70b ガス分離器 44、78 炭化反応器 46、72、92、104 ガス導管 48 ガス入口導管 58、90 脱炭酸ガス装置 64、84 管路 68、88 湿式集塵器 74、94 ガス圧縮機 76 調整用ガス供給管 79、81 搬送用の管路 80、102 熱交換器 82、98 ガス加熱器 96 水分供給管 100 温水槽 106 燃焼器 108 水素タービン 110 水蒸気供給管 112 発電機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和泉 憲明 神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01B 3/10

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化鉄に水蒸気又は水蒸気を含むガスを
    接触させて、水蒸気中の酸素を炭化鉄中の炭素と結合さ
    せて一酸化炭素ガス又は一酸化炭素ガス及び二酸化炭素
    ガスに変化させ、酸素が除去された水蒸気を水素に変化
    させて水素ガスを発生させ、前記炭化鉄を炭素が除去さ
    れた鉄に転換する工程を包含することを特徴とする水素
    製造方法。
  2. 【請求項2】 発生した水素ガスと一酸化炭素ガス又は
    一酸化炭素ガス及び二酸化炭素ガスとを分離して、水素
    ガスは外部へ取り出し、一酸化炭素ガス又は一酸化炭素
    ガス及び二酸化炭素ガスは外部より添加した炭化水素ガ
    スとともに炭化鉄から炭素が除去された鉄に接触させ、
    該鉄を再び炭化鉄に転換させた後、該炭化鉄を再び水蒸
    気と接触させて水素ガスを発生させる反応に使用する請
    求項1記載の水素製造方法。
  3. 【請求項3】 一酸化炭素ガス及び二酸化炭素ガスを炭
    化水素ガスとともに鉄に接触させて炭化鉄に転換させ、
    この炭化反応で発生した排ガスの一部を脱炭酸ガス工程
    に送って二酸化炭素ガスを除去し、ついで、この排ガス
    をガス分離工程に送って水素を取り出す請求項2記載の
    水素製造方法。
  4. 【請求項4】 炭化鉄として鉄鉱石から製造された炭化
    鉄を用いる請求項1、2又は3記載の水素製造方法。
  5. 【請求項5】 炭化鉄として、粒径0.1mm以下の微細
    鉄粉を焼き固めたペレットから製造された炭化鉄を用い
    る請求項1、2又は3記載の水素製造方法。
  6. 【請求項6】 水素発生工程における炭化鉄を水蒸気と
    接触させて水素ガスを発生させる際の温度、又は/及び
    炭化反応工程における鉄を炭化鉄に転換させる際の温度
    が、400〜800℃の範囲である請求項1〜5のいず
    れかに記載の水素製造方法。
  7. 【請求項7】 水素発生工程における炭化鉄を水蒸気と
    接触させて水素ガスを発生させる際の圧力、又は/及び
    炭化反応工程における鉄を炭化鉄に転換させる際の圧力
    が、10kg/cm2・G以下である請求項1〜6のいずれか
    に記載の水素製造方法。
  8. 【請求項8】 水素発生工程で炭化鉄の一部が鉄に転換
    され、この炭化鉄を含有する鉄の一部を取り出して炭化
    反応工程に導入するとともに、外部から供給される鉄鉱
    石等の酸化鉄を炭化反応工程に導入し、炭化反応工程で
    製造された炭化鉄の一部は水素発生工程に移送して水素
    製造用に使用し、炭化反応工程で製造された炭化鉄の残
    部は製鋼用原料として送り出す請求項2〜7のいずれか
    に記載の水素製造方法。
  9. 【請求項9】 内部に炭化鉄を保持し、該炭化鉄に水蒸
    気又は水蒸気を含むガスを接触させて水素を発生させる
    水素発生器と、 水素発生器から排出されたガスに水を噴霧して、ガスを
    清浄にするとともにガス中に含まれる水蒸気を減少させ
    るガス清浄装置と、 清浄化して水蒸気を減少させたガスから水素を分離する
    ガス分離装置とを含むことを特徴とする水素製造装置。
  10. 【請求項10】 内部に炭化鉄を保持し、該炭化鉄に水
    蒸気又は水蒸気を含むガスを接触させて水素を発生させ
    る水素発生器と、 水素発生器から排出されたガスに水を噴霧して、ガスを
    清浄にするとともにガス中に含まれる水蒸気を減少させ
    るガス清浄装置と、 清浄化して水蒸気を減少させたガスから水素を分離する
    ガス分離装置と、 ガス分離装置で水素が分離された残りのガスの少なくと
    も一部を昇圧する水素発生器導入用のガス昇圧装置と、 ガス昇圧装置で昇圧されたガスに水蒸気又は水を混入さ
    せる水分供給系統と、 昇圧された水蒸気混入ガス又は水混入ガスを加熱する水
    素発生器導入用のガス加熱装置と、 加熱された水蒸気を含むガスを前記水素発生器へ導入す
    る管路とを含むことを特徴とする水素製造装置。
  11. 【請求項11】 水素発生器から排出されたガスの顕熱
    を回収するための熱交換器が付加され、水素発生器導入
    用のガス昇圧装置で昇圧されたガスの予熱ができるよう
    にした請求項10記載の水素製造装置。
  12. 【請求項12】 ガス分離装置からの水素ラインに燃焼
    器及びガスタービンを設け、ガス分離装置で分離された
    水素の少なくとも一部を燃焼させてガスタービンを駆動
    させ、発生した水蒸気が水素発生器に導入される水蒸気
    として使用されるように、ガスタービンと水素発生器と
    を水蒸気供給管を介して接続した請求項9、10又は1
    1記載の水素製造装置。
  13. 【請求項13】 水素発生器内の炭化鉄を含有する鉄の
    一部が取り出されて炭化反応器に装入され、ガス分離装
    置で水素が分離された一酸化炭素ガス又は一酸化炭素ガ
    ス及び二酸化炭素ガスが、炭化水素ガスとともに炭化反
    応器導入用のガス加熱装置で加熱された後、第2の管路
    を経て炭化反応器に吹き込まれて、炭化反応器内の鉄が
    炭化鉄に炭化されるようにし、この炭化鉄の含有量の多
    い物質の一部が取り出されて水素発生器へ戻されるよう
    にした請求項9〜12のいずれかに記載の水素製造装
    置。
  14. 【請求項14】 炭化反応器から排出されたガスに水を
    噴霧してガスを清浄にする第2のガス清浄装置が炭化反
    応器に接続され、清浄になったガスの少なくとも一部
    が、ガス分離装置で水素が分離されたガスとともに炭化
    反応器導入用のガス昇圧装置で昇圧され、昇圧されたガ
    スが炭化水素ガスとともに炭化反応器導入用のガス加熱
    装置で加熱され、加熱されたガスが第2の管路を経て炭
    化反応器に導入されるようにした請求項13記載の水素
    製造装置。
  15. 【請求項15】 炭化反応器導入用のガス加熱装置の高
    温部の一部、及び/又は第2の管路の一部がセラミック
    製である請求項13又は14記載の水素製造装置。
  16. 【請求項16】 水素発生器から排出され、ガス分離装
    置で水素が分離されたガスの少なくとも一部を、水素発
    生器に循環させるガス処理・循環系統に、水素発生器か
    ら排出されたガスの排ガス熱及び炭化反応器から排出さ
    れたガスの排ガス熱の少なくともいずれかを利用して発
    生させた水蒸気、又は外部で発生させた水蒸気がガス中
    に加えられる水蒸気供給系統を設けた請求項9〜15の
    いずれかに記載の水素製造装置。
  17. 【請求項17】 水素発生器から排出され、ガス分離装
    置で水素が分離されたガスの少なくとも一部を、水素発
    生器に循環させるガス処理・循環系統に、温水槽を設け
    て、循環させるガスが温水槽を通過してガス中に水蒸気
    が混入されるようにした請求項10〜15のいずれかに
    記載の水素製造装置。
  18. 【請求項18】 水素発生器又は/及び炭化反応器が、
    循環式の流動層式反応器及び仕切板付き流動層多室分割
    式の反応器のいずれかである請求項9〜17のいずれか
    に記載の水素製造装置。
  19. 【請求項19】 水素発生器内の物質の一部を取り出し
    て炭化反応器に装入するとともに炭化反応器内の物質の
    一部を取り出して水素発生器に装入する代わりに、水素
    発生器から排出されたガスを循環させる経路に設けられ
    たガス清浄装置、水素発生器導入用のガス昇圧装置、水
    素発生器導入用のガス加熱装置及び管路を包含するガス
    処理・循環系統、並びに炭化反応器から排出されたガス
    を循環させる経路に設けられた第2のガス清浄装置、炭
    化反応器導入用のガス昇圧装置、炭化反応器導入用のガ
    ス加熱装置及び第2の管路を包含するガス処理・循環系
    統の夫々を、一定時間毎に水素発生器側と炭化反応器側
    とに切り換えて接続できる構成とする請求項14〜18
    のいずれかに記載の水素製造装置。
  20. 【請求項20】 水素発生器内の物質を炭化反応器に移
    動させ、炭化反応器内の物質を水素発生器に移動させる
    ために、水素発生器からの物質を貯留した密閉容器及び
    炭化反応器からの物質を貯留した密閉容器を密閉したま
    ま容器ごと移動させるようにし、移動させた容器を炭化
    反応器及び水素発生器に接続して、容器内の物質が炭化
    反応器及び水素発生器へ投入されるようにした請求項1
    3〜19のいずれかに記載の水素製造装置。
  21. 【請求項21】 水素発生器又は/及び炭化反応器が夫
    々複数設けられ、複数のうちの一部の水素発生器又は/
    及び炭化反応器を順々に切り替えて使用できる構成とし
    た請求項13〜20記載の水素製造装置。
  22. 【請求項22】 水素発生器から排出されたガスを導入
    して水素を分離するガス分離装置が、膜分離装置及び圧
    力スイング方式分離装置のいずれかである請求項9〜2
    1のいずれかに記載の水素製造装置。
  23. 【請求項23】 炭化鉄と水蒸気又は水蒸気を含むガス
    とを接触させる水素発生器が、流動層式反応装置及び移
    動層式反応装置のいずれかである請求項9〜22のいず
    れかに記載の水素製造装置。
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