JP2954360B2 - 吸水性複合体の製造法 - Google Patents

吸水性複合体の製造法

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JP2954360B2 JP2401733A JP40173390A JP2954360B2 JP 2954360 B2 JP2954360 B2 JP 2954360B2 JP 2401733 A JP2401733 A JP 2401733A JP 40173390 A JP40173390 A JP 40173390A JP 2954360 B2 JP2954360 B2 JP 2954360B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、吸水性複合体の製造法
に関するものである。更に詳しくは、本発明は、成形さ
れた繊維質基体に、水溶性ラジカル重合開始剤を混合し
た重合性単量体水溶液を施し、更にこれに酸化性ラジカ
ル重合開始剤及び還元剤よりなる混合物を施して重合性
単量体を重合させることからなる、吸水性ポリマーが繊
維質基体に固定された吸水性複合体の製造法に関するも
のである。
【0002】本発明の製造法で得られる吸水性複合体
は、吸水性が高く、特に残存モノマー含有量が極めて少
なく、かつポリマーに着色がなく白色度に優れているの
で、各種の吸水性材料に有利に使用することができる。
【0003】
【従来の技術】近年、高吸水性ポリマーが開発され、生
理用品、紙オシメ等を始めとする各種衛生材料や、農園
芸用材料、土木建築用材料等に利用されてきた。
【0004】この種の高吸水性ポリマーとしては、例え
ば、澱粉のグラフト重合体(特公昭53−46199号
公報等)、セルロース変成体(特開昭50−80376
号公報等)、水溶性高分子の架橋物(特公昭43−23
462号公報等)、自己架橋型アクリル酸アルカリ金属
塩ポリマー(特公昭54−30710号公報等)、等が
知られている。
【0005】しかしながら、これらの高吸水性高分子材
料は、その吸水性能はかなりの高いレベルを有するもの
の、殆どが粉末状で得られるために、例えば生理用ナプ
キン、紙オシメ等の衛生材料として使用するには、ティ
ッシュ、不織布、綿等の基材上に均一状に分散させ固定
させる必要がある。しかしながら、このような粉末状の
高吸水性高分子材料は基材上に安定良く固定させること
が困難で、分散後に一部集合化することが多く、また吸
水後の膨潤ゲルも安定良く基材上に固定されないで基材
から容易に移動してしまいがちであった。このために、
例えば紙オシメに使用したときには、尿吸収後の吸収体
は“ごわごわ”した状態となり、極めて着用感の悪いも
のとなってしまう。また、上記の様な粉末状の高吸水性
高分子材料を基材に分散させる方法は、粉体の取り扱い
に伴う煩雑さや、均一な分散を効率よく行なう上でのプ
ロセス上の問題等により、コスト的にも極めて割高とな
っている。
【0006】これらの問題を解決する一つの方法とし
て、最近、アクリル酸系モノマー水溶液を成形した繊維
質基体にこれを重合させて複合体を製造する方法が種々
開発されている。
【0007】しかしながら、これらの複合体は、いずれ
もポリマーの固定性には優れるものの、吸水能、残存モ
ノマー、ポリマー白色度等の要求性能を同時に満足する
ものとは言い難たかった。例えば、アクリル酸系モノマ
ー水溶液を基材上に施して電子線を照射する方法(特表
昭57−500546号および特開昭63−10504
4号各公報等)では、残存モノマーが多くて残存モノマ
ーを減少させようとするとポリマーの架橋化反応が進
み、その結果、吸水能が著しく小さくなるという問題点
があった。
【0008】そこで、これらの問題点を改良すべく電子
線照射後さらに紫外線を照射する方法が提案されている
(特開平2−48944号および特開平2−11148
5号各公報)。これらの方法では、吸水能はある程度改
良されているものの、やはり残存モノマーが多くなり問
題があった。
【0009】また、水溶性ラジカル重合開始剤存在下に
電子線を照射し、加熱処理する方法が提案されている
(特開平2−91129号公報)。しかし、この方法
は、残存モノマーは加熱処理により低くおさえられてい
るものの、吸水能が低くなるという問題点があった。ア
ミジノ基を有する水溶性アゾ化合物を光増感剤として紫
外線を照射して重合後、表面架橋処理をする方法が提案
されている(特開昭63−63457号公報)。この方
法では、吸水能は大幅に改良されているものの、モノマ
ー濃度を低くし重合反応速度をおさえて樹脂が多孔質化
することを防いでいるため、重合反応後の水分除去に時
間を要し、従って生産性に問題があり、また光増感剤の
コストも高いものであった。
【0010】一方、電子線、紫外線等を用いないものと
しては、水溶性ラジカル重合開始剤をアクリル酸系モノ
マー中に含有させて熱重合させる方法(特開昭62−2
2811号公報および63−275616号各公報)や
熱重合後に水蒸気雰囲気中で加熱乾燥させる方法(特開
平1−271434号公報)が提案されている。後者
は、特に残存モノマーが低くおさえられているが、両者
とも熱重合を採用しているために通常生産性が非常に悪
かった。
【0011】また、レドックス系開始剤の酸化剤成分お
よび還元剤成分を別々に噴霧して重合させる方法(特開
昭60−149609号公報)やレドックス成分の一方
をモノマー中に含有させておき、もう一方を噴霧する方
法(特開昭62−97978号、62−97979号各
公報)も提案されているが、前者ではレドックス成分を
別々に噴霧するため「重合むら」が起こりやすくて残存
モノマーが多かった。後者では「重合むら」はかなり改
善されているものの、残存モノマーが依然多く存在し、
また条件によってはポリマーが着色したものとなった。
【0012】このような問題点を改良すべく、レドック
ス重合後、電子線処理、熱処理もしくは紫外線処理によ
り残存モノマーを減少させる方法が提案されている(特
開昭63−10638号、特開昭63−30505号、
63−260906号各公報)。しかしながら、電子線
処理では残存モノマーは減少するものの、架橋化反応が
起こって吸水能が小さくなってしまい、又紫外線処理及
び熱処理では吸水能の低下はおさえられるものの、残存
モノマーの減少も小さかった。
【0013】〔発明の概要〕
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記特開昭
63−30505号公報、特開昭63−10638号公
報または特開昭63−260906号公報等において提
案された、吸水性複合体をさらに改良して、吸水性、残
存モノマー、ポリマー白色度にすぐれた吸水性複合体の
製造法を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記の問
題点を解決する目的で種々検討を重ねた結果、水溶性ラ
ジカル重合開始剤を混合した重合性単量体水溶液を成形
した繊維質基体に施し、更に酸化性ラジカル重合開始剤
及び還元剤よりなる混合物を施して重合性単量体を重合
させることにより、白色度に優れ、吸水性が高く残存モ
ノマーが極めて低い吸水性複合体が容易に得られること
を見いだして本発明に到達した。
【0015】すなわち、本発明による吸水性複合体の製
造法は、標品中の全カルボキシル基の20%以上がアル
カリ金属塩またはアンモニウム塩に中和されてなるアク
リル酸を主成分とする重合性単量体と水溶性ラジカル重
合開始剤を含んでなる水溶液を、成形した繊維質基体に
施し、次に、この繊維質基体に施された重合性単量体
に、酸化性ラジカル重合開始剤及び還元剤よりなる混合
物を施して、該重合性単量体由来の重合体と繊維質基体
との複合体を形成させること、を特徴とするものであ
る。
【0016】〔発明の具体的説明〕 <重合性単量体> 本発明に用いられる重合性単量体は、標品中の全カルボ
キシル基の20%以上、好ましくは50%以上、がアル
カリ金属塩またはアンモニウム塩に中和されてなるアク
リル酸を主成分とするものである。ここで、「アクリル
酸を主成分とする」とは、上記の特定アクリル酸が重合
性単量体の全量に対して50モル%以上、好ましくは8
0モル%以上、含まれていることを意味するものであ
る。アクリル酸の部分中和度が余り低くすぎると生成さ
れる吸水性複合体の吸水能が著しく低下する。
【0017】また、本発明では、上記アクリル酸および
アクリル酸塩以外にこれらと共重合可能な単量体、例え
ば2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホン
酸、2‐アクロイルエタンスルホン酸、2‐アクロイル
プロパンスルホン酸、メタクリル酸、およびそれらのア
ルカリ金属塩またはアンモニウム塩、(メタ)アクリル
アミド、N,N‐ジメチル(メタ)アクリルアミド、2
‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2‐ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、2‐ビニルピリジン、4‐
ビニルピリジンおよびそれらの塩、イタコン酸、マレイ
ン酸、フマール酸、ビニルスルホン酸、およびそれらの
アルカリ金属塩またはアンモニウム塩、(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)ア
クリル酸エステルからなる群から選ばれる1種または2
種以上の併用も可能である。ここで「(メタ)アクリ
ル」とは、「アクリル」および「メタクリル」の両方を
示すものである。
【0018】本発明での「重合性単量体」は、前記の特
定アクリル酸(その内の20%以上は塩の形態である)
を主成分とするものであるから、上記の特定アクリル酸
以外の共重合性単量体の添加量は、一般的には50モル
%未満、好ましくは20モル%未満、が採用される。
【0019】なお、アクリル酸を始めとする上記の様な
酸モノマーの中和には、アルカリ金属の水酸化物や重炭
酸塩等または水酸化アンモニウム等が使用可能である
が、本発明で好ましいのはアルカリ金属水酸化物であ
る。その具体例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムおよび水酸化リチウムを挙げることができる。工業
的入手の容易さ、価格および安全性等の点から水酸化ナ
トリウムあるいは水酸化カリウムが好ましい。
【0020】本発明では、上記のような特定のアクリル
酸(その内20%以上が塩となっている)を主体とする
重合性単量体を水溶液の形で繊維質基体成形品に施す。
この場合の水溶液の濃度は、合目的的な任意の値であり
うる。具体的には、例えば、30重量%以上が適当であ
る。
【0021】<任意成分>この重合性単量体を重合させ
るにあたっては、必要に応じて重合性単量体水溶液中に
架橋剤を存在させてもよい。使用できる架橋剤としては
分子内に二重結合を2個以上有し、前記の特定重合性単
量体と共重合性を示すもの、あるいは分子内に前記の特
定重合性単量体中の官能基、例えばカルボキシル基、と
重合中あるいは重合後の乾燥時に反応しうるような官能
基を2個以上有するものである。これらはある程度の水
溶性を示すものであれば何れも使用できる。
【0022】前者の架橋剤の一例を挙げれば、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレー
ト、N,N′‐メチレンビス(メタ)アクリルアミド、
ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルテレ
フタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソ
シアヌレート、トリアリルホスフェート等が挙げられ
る。ここで、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリ
レート」および「メタクリレート」の両方を示すもので
ある。
【0023】また、後者の架橋剤の一例を挙げれば、エ
チレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、脂肪族多価アルコー
ルのジまたはポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0024】更に、前者と後者の両機能を備えたものと
して、例えば、N‐メチロールアクリルアミド、グリシ
ジルメタクリレート等の様な化合物も本発明方法では使
用出来る。
【0025】この様な架橋剤は、それ自身単独で、ある
いは2種以上の混合物としても使用できる。
【0026】 <水溶性ラジカル重合開始剤(第一の重合開始剤)> 本発明で単量体水溶液中に存在させておく重合開始剤
(第一の重合開始剤)は、水溶性ないし水混和性を示す
ラジカル重合開始剤であって、高分子化学の分野におい
て周知のものである。具体的には、無機または有機過酸
化物類(たとえば過硫酸塩、アンモニウム塩、ナトリウ
ム塩、カリウム塩、その他)、過酸化水素、ジ第三ブチ
ルペルオキシド、アセチルペルオキシド、その他、があ
る。これらの過酸化物の外に、所定の水溶液が得られる
ならば、アゾ化合物その他のラジカル重合開始剤、例え
ば、2,2′‐アゾビス(2‐アミジノプロパン)二塩
酸塩、2,2′‐アゾビス(N,N′‐ジメチレンイソ
ブチルアミジン)二塩酸塩、4,4′‐アゾビス(4‐
シアノ吉草酸)等も使用可能である。
【0027】この水溶性ラジカル重合開始剤は、のちに
施される第二の重合開始剤であるレドックス系によりひ
きおこされた重合の熱により分解するような比較的低温
分解型の開始剤がより好ましい。そのような好ましい開
始剤の一例を挙げれば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸ナトリウム、2,2′‐アゾビス(2‐
アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2′‐アゾビス
(N,N′‐ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩
等が好ましい。
【0028】その使用量は、重合性単量体に対して0.
01〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%、であ
る。
【0029】<成形した繊維質基体>上記の重合性単量
体水溶液を施すべき成形した繊維質基体とは、具体的に
は、繊維をゆるく成形してなるもの、例えばパッド、カ
ーディングもしくはエアレイングしたウエブ、ティッシ
ュペーパー、木綿ガーゼの様な織布、メリヤス地、また
は不織布である。ここで、「成形した」繊維質基体と
は、その繊維質基体を用品の中に組み込む為に、切断、
造形等が必要になることはあるとしても、ウエブ形成作
業はさらに施す必要がないものを意味する。
【0030】木材パルプ、レーヨン、木綿、その他のセ
ルロース系繊維またはポリエステル系繊維の様な吸収性
繊維を、主成分として繊維質基体に使用することが一般
的に望ましい。しかし他の種類の繊維、例えば、ポリエ
チレン系、ポリプロピレン系、ポリスチレン系、ポリア
ミド系、ポリビニールアルコール系、ポリ塩化ビニール
系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリアクリロニトリル系、
ポリ尿素系、ポリウレタン系、ポリフルオロエチレン
系、ポリシアン化ビニリデン系等のような繊維を成形し
た繊維質基体に含ませることもできる。
【0031】<レドックス系(第二の重合開始剤)> 本発明の製造法で用いられる第二の重合開始剤は、酸化
性ラジカル重合開始剤と還元剤とからなる混合物であっ
て、レドックス系を形成するものである。このような混
合物を形成すべき酸化性ラジカル重合開始剤および還元
剤は、共にある程度水溶性を示すものでなければならな
い。
【0032】この様な酸化性ラジカル重合開始剤として
は、過酸化水素、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウム
等の過硫酸塩類、t‐ブチルハイドロパーオキシドやク
メンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド類
等の過酸化物、その他第二セリウム塩、過マンガン酸
塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩等が挙げられる。これら
はいずれも酸化性を示すものである。酸化性を示さない
他の水溶性ラジカル重合開始剤、例えば2,2′‐アゾ
ビス(2‐アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物
は、本発明で用いられる還元剤とはレドックス系をなさ
ず、したがって、本発明の製造法では用いられない。
【0033】また、本発明の製造法で用いられる還元剤
としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等
の亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、酢酸コバルト、硫酸
銅、硫酸第一鉄、L‐アスコルビン酸、L‐アスコルビ
ン酸ナトリウム、アニリン、モノエタノールアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチル
アニリン、トリエタノールアミン、テトラメチルエチレ
ンジアミン等が挙げられる。これらの内では、酸化性ラ
ジカル重合開始剤が過酸化水素、還元剤がL‐アスコル
ビン酸という組合せが好ましい組合せである。
【0034】これら混合物の使用量は、重合性単量体に
対して、酸化性ラジカル重合開始剤については0.00
1〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、であ
る。また、還元剤については0.001〜5重量%、好
ましくは0.01〜2重量%、である。
【0035】これら酸化性ラジカル重合開始剤と還元剤
との混合比率は、本発明の製造法において極めて重要な
ポイントの一つである。具体的な混合比率は、使用する
酸化性ラジカル重合開始剤および還元剤の種類によって
異なるが、一般的には酸化性ラジカル重合開始剤/還元
剤モル比で0.5〜25、好ましくは2〜10、であ
る。0.5未満のモル比では、得られる吸収体が所々あ
るいは全面的に黄色〜褐色状に変色しやすく問題があ
る。また、25超過の使用量ではその効果が少ない。
【0036】本発明において酸化性ラジカル重合開始剤
と還元剤との混合物を得る方法は、特に制限はなく、合
目的的な数々の方法が使用される。その代表的な例とし
ては、反応釜にて攪拌下、酸化性ラジカル重合開始剤お
よび還元剤をそれぞれ注入して混合する方法、ラインミ
キシングにより酸化性ラジカル重合開始剤および還元剤
をそれぞれ連続的にフィードさせる方法などが挙げられ
る。
【0037】<重合性単量体水溶液の施用方法> 前述の水溶性ラジカル重合開始剤を含んだ重合性単量体
水溶液は、先ず成形した繊維質基体に施される。
【0038】生成ポリマーの質量に対するポリマー表面
積の比は、吸水量および吸水速度の観点からは一般にで
きるだけ大きくすることが好ましい。また、複合体の柔
軟性の点から、重合性単量体溶液は、ポリマーが非常に
細かく分散された不連続な状態に生成されるように施用
することが好ましい。
【0039】そのような施用方法としては、吹き付け
(spraying)、プリント(printing)、ノズルを通して
流しかける(flowing)、キス塗布(kiss coating)、含
浸(saturating)等を挙げることができる。
【0040】繊維質基体に施される前記水溶液の含浸量
は、特に制限はなく、用いられる吸水性複合体の製品用
途により広範囲に変化することができる。一般的には繊
維質基体1重量部に対して、0.1〜1000重量部、
通常0.5〜50重量部、が採用される。
【0041】また、繊維質基体に施される前記水溶液の
温度は、10〜100℃、通常は20〜60℃、付近が
採用される。
【0042】繊維質基体への重合性単量体の施用は片面
もしくは両面のどちらでもよい。
【0043】<重合>上記の様に、水溶性ラジカル重合
開始剤を含み、必要に応じて架橋剤を含有した重合性単
量体の水溶液は、前記所定の温度にて先ず、成形した繊
維質基体に施され、反応槽内にて所定の温度に調節され
る。次に、酸化性ラジカル重合開始剤および還元剤から
なる混合物を室温下、あるいは必要ならば所定の温度に
昇温したのち、上記重合性単量体の水溶液が施された繊
維質基体に施して、重合を行なう。この時の混合物の施
用方法は、前記重合性単量体の水溶液の方法と同様の方
法が採用されるが、この内でも吹付けによる方法が好ま
しい。
【0044】また、反応槽および反応方式は特に制限は
なく、いかなる形式のものでも採用可能である。代表的
なものとしては、オーブン形式のボックス型反応槽にて
バッチ式に行う方法、あるいはエンドレスベルト上で連
続的に行う方法が挙げられる。反応槽内の温度、即ち重
合温度、には特に制限はなく、用いる酸化性ラジカル重
合開始剤および還元剤の種類、または使用量等によって
若干変化するが、一般的には0〜150℃、好ましくは
20〜100℃、が採用される。
【0045】また、重合時間は、重合温度等により変っ
てくるが、一般的には数秒〜2時間、好ましくは数秒〜
10分、程度が良い。
【0046】このようにして得られた吸水性複合体は、
そのままで吸水能、残存モノマー量および白色度につい
ての条件を満足しているが、特に残存モノマー量を更に
低下させる必要がある場合には、紫外線、電子線又は熱
処理を施すことができる。
【0047】<紫外線照射処理>紫外線照射は、通常の
紫外線ランプを用いればよい。紫外線の照射強度、照射
時間等は用いる繊維質基体の種類や重合性単量体含浸量
等によって変化するが、一般的には紫外線ランプの大き
さは10〜200w/cm、好ましくは30〜120w/
cm、照射時間は0.1秒〜30分、ランプと複合体との
間隔は2〜30cmである。
【0048】照射温度は特に制限はなく、室温で充分そ
の目的を達成できる。紫外線照射装置にも特に制限はな
く、静置状態にて一定時間照射する方法あるいはベルト
コンベヤーにて連続的に照射する方法を用いることがで
きる。
【0049】<電子線照射処理>電子線の線量は、前記
複合体中の残存モノマー量や水分量により変化するが、
一般には0.01〜100メガラド、好ましくは0.1
〜50メガラド、である。100メガラド超過の線量で
は吸水量が極めて小さくなり、また0.01メガラド未
満では残存モノマーの低減が不十分である。照射温度に
は特に制限はなく、室温で充分その目的を達成すること
ができる。
【0050】<熱処理>熱処理は、上記複合体を100
〜250℃、好ましくは150〜200℃、の温度に加
熱することによって行なうことができる。このときの温
度が250℃を越すと、未重合モノマーの低減には有効
であるが吸水量が低下し、一方、100℃未満では残存
モノマーの低減には極めて長い時間が必要であって、工
業的には不適当である。加熱処理の時間は使用装置の種
類、加熱方法等によって異なるが、一般的には数秒〜2
時間、好ましくは数秒〜30分、程度が適当である。加
熱方法ないし装置は、たとえば内部を所定温度に設定し
たボックス型反応器により回分式に加熱する方法、スチ
ーム等によって所定の表面温度に設定されたローラーに
対象複合体を連続的に接触させる方法、その他がある。
【0051】なお、これら紫外線、電子線又は熱処理等
の後処理を施す時の複合体中の水分量は、重合体1重量
部に対して0.05〜1重量部、好ましくは0.1〜
0.5重量部、が採用される。0.05重量部未満1重
量部超過では残存モノマーが減少しにくく、またポリマ
ーの分解を併発し好ましくない。この水分量は重合時に
水分量を制御することによって実現することもできる
し、また重合後に乾燥等により水分量を調節することに
よって実現することもできる。
【0052】本発明において後処理するときの雰囲気と
しては、真空下、又は窒素、アルゴン、ヘリウム等の不
活性ガス下、または空気下のいずれも使用できる。好ま
しい雰囲気は、空気である。
【0053】このようにして得られた吸水性複合体は、
必要ならば更に表面架橋処理を行なったり、あるいは水
分を除く為に例えば一連の乾燥槽を通したり、強制通風
炉を使用したりして乾燥させることができる。
【0054】
【実施例】〔実験例〕以下の実験例は、本発明を更に詳
細に示すものである。
【0055】<実施例1>容量100ccのコニカルフラ
スコに、水酸化ナトリウム(純度95重量%)13.1
gを採り、これに氷冷下、純水39gを加えて水酸化ナ
トリウムを溶解させた。これを氷冷下にアクリル酸30
g中へ徐々に加えてアクリル酸を中和させた。アクリル
酸の中和度は約75%、水溶液中の重合性単量体濃度は
約45重量%となった。
【0056】これに架橋剤としてN,N′‐メチレンビ
スアクリルアミド0.05g、水溶性ラジカル重合開始
剤として2,2′‐アゾビス(2‐アミジノプロパン)
二塩酸塩0.1gを水2gに溶解させた溶液を添加混合
し、Nにて脱気した。
【0057】別にポリエステル不織布0.9421gを
採り、これに上記重合性単量体水溶液をスプレーノズル
より片面に含浸させた。含浸された重合性単量体水溶液
量は、不織布に対し10.9重量倍であった。これをN
置換した40℃恒温反応槽に固定した。
【0058】次に、酸化性ラジカル重合開始剤及び還元
剤よりなる混合物として過酸化水素5重量%、L‐アス
コルビン酸8.65重量%を含む水溶液(過酸化水素/
L‐アスコルビン酸のモル比3)をハンドスプレーにて
上記不織布に噴霧した。重合は直ちにおこり、部分中和
ポリアクリル酸ソーダの架橋物が不織布に安定性良く固
定された吸水性複合体を得た。
【0059】<実施例2>容量100ccのコニカルフラ
スコに、アクリル酸30gを採ってこれに純水14.3
gを加えて混合した。これに氷冷下、水酸化カリウム
(85重量%)16.5gを徐々に加えてアクリル酸を
中和させた。アクリル酸の中和度は約60%、水溶液中
の重合性単量体濃度は約65重量%であった。
【0060】これに過硫酸アンモニウム0.1gを水2
gに溶解させた溶液を添加混合し、Nにて脱気した。
【0061】別にポリエステル不織布1.0155gを
採り、これに上記重合性単量体水溶液をスプレーノズル
より片面に含浸させた。含浸された重合性単量体水溶液
量は、不織布に対し8.0重量倍であった。
【0062】これを、N置換した40℃恒温反応槽に
固定した。
【0063】次に、酸化性ラジカル重合開始剤及び還元
剤よりなる混合物として過酸化水素5重量%、L‐アス
コルビン酸8.65重量%を含む水溶液(過酸化水素/
L‐アスコルビン酸のモル比3)をハンドスプレーにて
上記不織布に噴霧した。重合は直ちにおこり、部分中和
ポリアクリル酸カリウムの自己架橋物が不織布に安定性
良く固定された吸水性複合体を得た。
【0064】<実施例3>容量100ccのコニカルフラ
スコに、水酸化ナトリウム(純度95重量%)10.5
gをとり、これに氷冷下純水24.0gを加えて溶解さ
せた。これを氷冷下にアクリル酸30g中へ徐々に加え
て、アクリル酸を中和させた。アクリル酸の中和度は6
0%、水溶液中の重合性単量体濃度は約55重量%であ
った。
【0065】これに過硫酸カリウム0.1gを水2gに
溶解させた溶液を添加混合し、Nにて脱気した。
【0066】別にポリエステル不織布0.9018gを
採り、これに上記重合性単量体水溶液をスプレーノズル
より片面に含浸させた。含浸された重合性単量体水溶液
量は、不織布に対して9.5重量倍であった。これをN
置換した40℃恒温反応槽に固定した。
【0067】次に、酸化性ラジカル重合開始剤及び還元
剤よりなる混合物として過酸化水素5重量%、L‐アス
コルビン酸8.65重量%を含む水溶液(過酸化水素/
L‐アスコルビン酸のモル比3)をハンドスプレーにて
上記不織布に噴霧した。重合は直ちにおこり、部分中和
ポリアクリル酸ソーダの自己架橋物が不織布に安定性良
く固定された吸水性複合体を得た。
【0068】<実施例4>実施例3において、重合性単
量体水溶液中に架橋剤としてN,N′‐メチレンビスア
クリルアミド0.05g、水溶性ラジカル重合開始剤と
して2,2′‐アゾビス(N,N′‐ジメチレンイソブ
チルアミジン)二塩酸塩0.1gを用いた以外は同操作
法により吸水性複合体を得た。
【0069】<実施例5>実施例3において、酸化性ラ
ジカル重合開始剤及び還元剤よりなる混合物として、過
酸化水素0.33重量%及びL‐アスコルビン酸1.7
3重量%(過酸化水素/L‐アスコルビン酸のモル比
1)を含む水溶液を用いた以外は同操作法により吸水性
複合体を得た。
【0070】<実施例6>実施例3において、酸化性ラ
ジカル重合開始剤及び還元剤よりなる混合物として、過
酸化水素1.67重量%及びL‐アスコルビン酸1.7
3重量%(過酸化水素/L‐アスコルビン酸のモル比
5)を含む水溶液を用いた以外は同操作法により吸水性
複合体を得た。
【0071】<実施例7>実施例1において得られた複
合体の水分量を25%とし、80w/cmの紫外線ランプ
により複合体との距離8cmから紫外線を3秒間照射し
た。
【0072】<実施例8>実施例2において得られた複
合体の水分量30%とし、後処理としてダイナミトロン
加速器を装備した電子線装置より空気雰囲気下に5メガ
ラドの線量で電子線を照射した以外は同操作法にて吸水
性複合体を得た。
【0073】<実施例9>実施例3において得られた複
合体の水分量40%とし、後処理としてスチームにて表
面温度を160℃としたスチームローラーに接触させる
ことによって加熱した以外は同操作法にて吸水性複合体
を得た。
【0074】<比較例1>実施例2において、酸化性ラ
ジカル重合開始剤及び還元剤よりなる混合物として過酸
化水素0.33重量%およびL‐アスコルビン酸3.4
6重量%(過酸化水素/L‐アスコルビン酸のモル比
0.5)を含む水溶液を用いた以外は同操作法により吸
水性複合体を得た。
【0075】<比較例2>特開昭63−260906号
公報に記載された実施例1に従って、吸水性複合体を製
造した。
【0076】すなわち、100ccのコニカルフラスコ
に、水酸化ナトリウム(純度95重量%)13.1gを
採り、これに氷冷下アクリル酸30gを徐々に加え中和
した。中和度は約75%、水溶液中のモノマー濃度とし
て約45重量%となった。
【0077】これにラジカル重合開始剤として過硫酸カ
リウムを0.05g採って、上記モノマー水溶液中に溶
解させ、Nにて脱気した。
【0078】別にポリエステル不織布を0.1569g
採って、これに上記モノマー水溶液を不織布全面に塗布
して含浸させた。含浸されたモノマー量は、不織布に対
して6.2重量倍であった。これを、あらかじめN
脱気して90℃にした恒温反応槽内に入れた。重合は直
ちに起って、部分中和ポリアクリル酸ソーダの自己架橋
物からなる高吸水性ポリマーがポリエステル不織布に安
定性良く固定された複合体が得られた。
【0079】次いで、この複合体の水分量をポリマーに
対して約20重量%とし、これに80w/cmの紫外線ラ
ンプで紫外線ランプ・複合体間距離を8cmとし、複合体
の裏表それぞれに2秒ずつ照射して、吸水性複合材料を
得た。
【0080】<比較例3>実施例4において、重合性単
量体水溶液中に水溶性ラジカル重合開始剤を添加しなか
った以外は同操作法により、吸水性複合体を得た。
【0081】<比較例4>特開昭63−30505号公
報に記載された実施例7に従って吸水性複合体を製造し
た。
【0082】すなわち、100ccコニカルフラスコにア
クリル酸30gを採って、これに純水16.9gを加え
て混合した。これに氷冷下に水酸化カリウム(85重量
%)20.6gを徐々に加えて中和させた。中和度は約
75%、水溶液中のモノマー濃度として約65重量であ
った。
【0083】これに架橋剤としてN,N′‐メチレンビ
スアクリルアミドを0.1g採り、上記モノマー溶液に
添加溶解させ、40℃に加温した。これに更にラジカル
重合開始剤として31%過酸化水素水0.4gをとって
溶解させた。
【0084】別にポリエステル不織布を0.1869g
採り、これに上記原料を不織布全面に塗布含浸させ、恒
温反応槽内にて40℃に保った。含浸されたモノマー量
は、不織布に対して5.8重量倍であった。
【0085】次に、還元剤として5%L‐アスコルビン
酸水溶液をスプレーノズルより上記不織布全面に噴霧し
た。重合は直ちに起り、部分中和ポリアクリル酸カリウ
ムのN,N′‐メチレンビスアクリルアミド架橋物から
なる高吸水性ポリマーがポリエステル不織布に安定性良
く固定された複合体が得られた。
【0086】次に、この複合体(水分量は約19重量%
であった)を、スチームにて表面温度を160℃とした
スチームローラーに接触させることによって加熱して、
吸水性複合材料を得た。
【0087】<比較例5>特開昭63−10638号公
報に記載された実施例8に従って吸水性複合体を製造し
た。
【0088】すなわち、100ccコニカルフラスコにア
クリル酸30gを採り、これに純水16.9gを加えて
混合した。これに氷冷下に水酸化カリウム(85重量
%)20.6gを徐々に加えて中和させた。中和度は約
75%、水溶液中のモノマー濃度として約65重量%で
あった。
【0089】これに架橋剤としてN,N′‐メチレンビ
スアクリルアミドを0.1g採って添加溶解させ、30
℃とした。これに更に還元剤としてL‐アスコルビン酸
を0.2gとって溶解させた。
【0090】別にポリエステル不織布を0.2582g
採り、これに上記原料を不織布全面に塗布含浸させ、恒
温槽内にて30℃に保った。含浸されたモノマー量は、
不織布に対して6.2重量倍であった。
【0091】次に、酸化性ラジカル重合開始剤として1
0重量%過酸化水素水をスプレーノズルより上記不織布
全面に噴霧した。重合は直ちに起り、部分中和ポリアク
リル酸カリウムのN,N′‐メチレンビスアクリルアミ
ド架橋物から高吸水性ポリマーがポリエステル不織布に
安定性良く固定された複合体が得られた。
【0092】次に、この複合体(含水量として25重量
%であった)にダイナミトロン加速器を装備した電子線
装置より、空気雰囲気下に20メガラドの線量で電子線
を照射して、吸水性複合材料を得た。
【0093】<評価方法>上記実施例1〜9および比較
例1〜5によって得られた吸水性複合体について40℃
で1時間減圧乾燥後の生理塩水吸水能と残存モノマー量
及び着色度を測定した。さらに着色の加速試験として、
180℃で1時間加熱処理した後の吸水性複合体の着色
度を測定した。表1は得られた結果を示すものである。 (A)生理塩水吸水能 10×20cmのナイロンメッシュ製ティーバッグに複合
体1gを入れ、これを1リットルのビーカーに入れた
0.9重量%塩水中に浸漬する。これを1時間放置後、
余剰の塩水をきり、重量を測定する。
【0094】同様の操作により風袋の重量も測定する。
【0095】下記式に従って生理塩水吸水能を算出す
る。 生理塩水吸水能=吸収ティーバック重量(g)-風袋ティー
バック重量(g) /仕込み吸水性復合体(g) (B)残存モノマー濃度 複合体又は吸水性複合材料0.5gを精秤し、これを2
リットルビーカー中のイオン交換水1リットルに添加
し、約10時間攪拌下に充分膨潤させる。膨潤後のポリ
マーゲルを200メッシュ篩で濾別し、濾過液を高速液
体クロマトグラフィーにて分析する。
【0096】別に、既知の濃度を示すモノマー標準液を
作り、これより検量線を作って、希釈倍率(2000
倍)を考慮して、絶対濃度を求めた。 (C)着色度 スガ試験機(株)製「SMカラーコンピュータ」(型式
SM−5−IS−2B)を用いて着色度を評価した。
【0097】結果を表1に示した。
【0098】表1 * 加熱処理後の着色度が4を超えないものを合格と
し、○で示した。 加熱処理後の着色度が4を超えるものを不合格とし、×
で示した。
【0099】
【発明の効果】本発明の吸水性複合体の製造法において
は、(イ)繊維質基体に施す重合性単量体水溶液中に水
溶性ラジカル重合開始剤(第一の重合開始剤)を添加し
てあるところ、第二の重合開始剤であるレドックス系に
より重合が開始された場合に、その重合熱により重合性
単量体中の第一の重合開始剤が分解してさらに重合を促
進するために、重合性単量体のほとんどが重合して高吸
水性ポリマーとなるので、吸水性能が大きくなること、
および(ロ)第二の重合開始剤であるレドックス系(酸
化性ラジカル重合開始剤及び還元剤よるなる混合物)の
条件によりポリマーの白色度が著しく向上すること等の
点において著しい特徴を有するものである。したがっ
て、これらのために、本発明では前記先行発明等よりも
格段にすぐれた吸水性複合材料を容易にかつ安価に得る
ことができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】標品中の全カルボキシル基の20%以上が
    アルカリ金属塩またはアンモニウム塩に中和されてなる
    アクリル酸を主成分とする重合性単量体と水溶性ラジカ
    ル重合開始剤を含んでなる水溶液を、成形した繊維質基
    体に施し、次に、この繊維質基体に施された重合性単量
    体に、酸化性ラジカル重合開始剤及び還元剤よりなる混
    合物を施して、該重合性単量体由来の重合体と繊維質基
    体との複合体を形成させることを特徴とする、吸水性複
    合体の製造法。
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