JPH09286864A - 吸水性複合体の製造方法 - Google Patents

吸水性複合体の製造方法

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JPH09286864A
JPH09286864A JP9707696A JP9707696A JPH09286864A JP H09286864 A JPH09286864 A JP H09286864A JP 9707696 A JP9707696 A JP 9707696A JP 9707696 A JP9707696 A JP 9707696A JP H09286864 A JPH09286864 A JP H09286864A
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monomer
steam
polymerization
weight
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JP9707696A
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English (en)
Inventor
Masayuki Yamashita
正行 山下
Hiroyoshi Tsuchiya
裕義 土屋
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い吸水倍率を示すと共に、残存モノマー量
低減のための処理時間が極めて短く、かつ、残存モノマ
ー量が格段に低減された吸水性複合体を生産性良く製造
する方法を提供する。 【解決手段】 有機不飽和カルボン酸又はその塩を主成
分とする重合性モノマーの水溶液を繊維状基材に施した
後、基材上で前記モノマーの重合を行うことにより吸水
性複合体を製造する方法において、重合後の吸水性複合
体を、温度が100℃を越え250℃以下で、露点が1
00℃を越え250℃以下の範囲にある水蒸気と接触さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水性複合体の製
造方法に関するものである。更に詳しくは、高い吸水倍
率を示すと共に、残存モノマー量が格段に低減された吸
水性複合体を生産性良く製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、紙、パルプ、不織布、スポンジ状
ウレタン樹脂等は、保水剤として生理用ナプキン、紙オ
ムツ等をはじめとする各種の衛生材料及び各種の農業用
材料等として使用されてきた。しかし、これらの材料は
その吸水量が自重の10〜50倍程度に過ぎないので、
多量の水を吸水または保持させるためには多量の材料が
必要であって、著しく嵩高になるばかりでなく、また吸
水した材料を加圧すると簡単に水分を放出する等の欠点
があった。
【0003】この種の吸水材料の上記欠点を改善するも
のとして、近年、高吸水性の種々の高分子材料が提案さ
れている。例えば、澱粉のグラフト重合体(特公昭53
−46199号公報等)、セルロ−ス変性体(特開昭5
0−80376号公報等)、水溶性高分子の架橋物(特
公昭43−23462号公報等)、自己架橋型アクリル
酸アルカリ金属塩ポリマ−(特公昭54−30710号
公報等)が堤案されている。これらの吸水性ポリマーは
一般的に粉末状のものであり、生理用ナプキンや紙オム
ツ等の衛材用に使用する場合には、該吸水性ポリマーを
不織布、紙、綿等の基材とサンドイッチしたり、パルプ
等と混合してエンボス加工するなどして基材中に分散、
複合化させて、柔軟性、通液性、通気性、吸水速度等を
付与している。
【0004】しかしながら、これらの吸水性ポリマーの
複合化方法では、基材上に吸水性ポリマーを安定に固着
することは困難であり、吸水性ポリマーの複合体中で移
動や基材からの脱落を防止することはできなかった。し
たがって、従来の吸水性複合体を、例えば紙オムツに用
いる場合には、吸尿後のゴワゴワ感や尿の漏れ等を引き
起こし易かった。
【0005】粉末状の吸水性ポリマーを用いたことに基
づくこれらの欠点を改良すべく、例えば吸水性ポリマー
自体をシート状、フィルム状、繊維状に成形した吸水性
物品が提案されている。しかしながら、シート状あるい
はフィルム状の吸水性物品は、通気性や柔軟性に欠け、
また、表面積が小さいため吸水速度が低いという欠点が
あった。また、繊維状の吸水性物品は、吸水時のゲル強
度が弱く、実際の使用に耐えず、しかも複雑な製造工程
を経るためにコスト的にも不利であった。また、成形に
際して接着剤等により吸水性ポリマーを一体化するため
には、その接着力が不十分であったり、接着剤によって
吸水性ポリマー表面が覆われるため、吸水性ポリマーの
吸水速度や吸水倍率の低下が見られた。
【0006】最近では、モノマーを繊維状基材に噴霧や
塗布などの方法によって施した後、重合させることによ
って吸水性複合体を製造する方法が提案されている。こ
の方法によって得られる吸水性複合体は、ポリマーの脱
落はほとんど無いが、重合後の残存モノマー量が多いと
いう欠点がある。そこでこれを低減化するため、重合後
に放射線を照射する等の後処理を行うことが提案されて
いるが、この放射線照射によりポリマーの自己架橋が進
んだり、主鎖が切れたりして最終的に得られるポリマー
の吸水倍率が低下してしまうという問題がある。また、
この方法は放射線照射装置が非常に高価であり、コスト
的にも好ましくない。
【0007】吸水倍率を維持したまま残存モノマー量を
減らす方法として、吸水性複合体を温度が70〜250
℃で、露点が50〜100℃の水蒸気中で乾燥するとい
う方法が提案されている(特公平7−10927号公
報)。しかしながら、この方法は、残存モノマー量を極
微量にするには乾燥工程の時間が長くかかり、装置が非
常に大きくなるという問題があるため、コスト的に不利
であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の欠点を改良し、高い吸水倍率を示すと共に、
残存モノマー量低減のための処理時間が極めて短く、か
つ、残存モノマー量が格段に低減された吸水性複合体を
生産性良く製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するために種々検討を重ねた結果、吸水性複合体
を飽和水蒸気又は加熱した飽和水蒸気と接触させること
により、極めて短時間で残存モノマー量が格段に低減さ
れること、つまり、残存モノマーの低減効率が、接触さ
せる水蒸気の温度及び露点が100℃を越えることによ
り著しく向上し、残存モノマー量が極めて少なくかつ高
い吸水倍率を有する吸水性複合体を生産性良く製造でき
ることを見い出し、本発明に到達したものである。即ち
本発明は、有機不飽和カルボン酸又はその塩を主成分と
する重合性モノマーの水溶液を繊維状基材に施した後、
基材上で前記モノマーの重合を行うことにより吸水性複
合体を製造する方法において、重合後の吸水性複合体
を、温度が100℃を越え250℃以下で、露点が10
0℃を越え250℃以下の範囲にある水蒸気と接触させ
ることを特徴とする吸水性複合体の製造方法に関するも
のである。
【0010】
【発明の実施の形態】
1.重合性モノマー 本発明で用いられる重合性モノマーの主成分は有機不飽
和カルボン酸又はその塩であり、具体的には、アクリル
酸又はその塩、メタクリル酸又はその塩、マレイン酸又
はその塩、イタコン酸又はその塩等が例示でき、これら
を混合して用いてもよい。この中で好ましいのは、アク
リル酸又はその塩とメタクリル酸又はその塩である。こ
こで「不飽和カルボン酸又はその塩を主成分とする」と
は、有機不飽和カルボン酸又はその塩が重合性モノマー
の全量に対して50モル%以上、好ましくは80モル%
以上含むことを意味する。有機不飽和カルボン酸の塩と
しては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモ
ニウム塩等が通常用いられる。その中和度については、
目的に応じて定められるが、アクリル酸の場合には、カ
ルボキシル基の20〜90モル%がアルカリ金属塩又は
アンモニウム塩により中和されたものが好ましい。アク
リル酸の中和には、アルカリ金属の水酸化物や重炭酸塩
等又は水酸化アンモニウム等が使用可能であるが、好ま
しいのはアルカリ金属の水酸化物であり、その具体例と
しては水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等が挙げら
れる。
【0011】また、本発明においては、前記の有機不飽
和カルボン酸以外にこれらと共重合可能なモノマー、例
えば(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、又は低水溶性モノマーではあるが、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸ア
ルキルエステル類等も生成吸水性樹脂の性能を低下させ
ない範囲の量で共重合させても差し支えない。なお、こ
こで「(メタ)アクリル」という用語は、「アクリル」
及び「メタアクリル」のいずれをも意味するものとす
る。
【0012】更には、これらモノマーの性能向上のため
に架橋剤を加えることも可能である。架橋剤としては、
前記モノマーと共重合可能な、例えばN,N′−メチレ
ンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリ
コール(メタ)アクリレート類のジビニル化合物、エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエー
テルなどの、カルボン酸と反応し得る2個以上の官能基
を有する水溶性の化合物等が好適に使用し得る。この中
で特に好ましいものは、N,N′−メチレンビス(メ
タ)アクリルアミドである。架橋剤の使用量は、モノマ
ーの仕込量に対して0.001〜1重量%、好ましくは
0.01〜0.5重量%である。主成分として有機不飽
和カルボン酸又はその塩を含有する重合性モノマー水溶
液における重合性モノマーの濃度は、20重量%以上、
好ましくは25重量%以上である。濃度が20重量%よ
り小さいと重合後の吸水性樹脂の吸水能が十分に得られ
ないため好ましくない。濃度の上限は80重量%程度で
ある。
【0013】2.重合開始剤 上記重合性モノマーの重合には重合開始剤が使用され
る。重合開始剤としては、水溶性のものであれば特に制
限されず、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸水素塩;過酸化水素、
t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパ
ーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;亜塩素酸
塩、次亜塩素酸塩、第二セリウム塩、過マンガン塩など
の水溶性の酸化性ラジカル重合開始剤;2,2−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩などの水溶性アゾ
系重合開始剤が挙げられる。中でも酸化性ラジカル開始
剤が好ましい。また、上記水溶性のラジカル重合開始剤
は還元剤を併用してレドックス系開始剤としてもよい。
用いられる還元剤としては、例えば亜硫酸ナトリウム、
亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸(水素)塩;チオ硫酸
ナトリウム等のチオ硫酸塩;亜二チオン酸塩;亜燐酸ナ
トリウム等の亜燐酸塩又は次亜燐酸塩;硫酸第一銅、硫
酸第一鉄等の金属塩;L−アスコルビン酸等の有機還元
剤;アニリン、モノエタノールアミン等のアミン類が挙
げられる。これら重合開始剤は、重合性モノマー水溶液
に溶解して使用される。重合開始剤の使用量は広い範囲
とすることができるが、通常、重合性モノマーに対して
0.002重量%〜10重量%であり、好ましくは0.
01重量%〜2重量%である。
【0014】3.繊維状基材 本発明に用いられる繊維状基材としては、繊維をゆるく
成形したパッド、カ−ディングもしくはエア・レイイン
グしたウエブ、ティッシュペ−パ−、木綿ガ−ゼの様な
織布、メリアス地または不織布が挙げられる。一般的に
は、木材パルプ、レ−ヨン、木綿その他のセルロ−ス系
繊維、またはポリエステル系繊維を主成分とした繊維質
基材を使用することが好ましいが、他の種類の繊維、例
えば、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリスチレ
ン系、ポリアミド系、ポリビニルアルコ−ル系、ポリ塩
化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリアクリロニト
リル系、ポリ尿素系、ポリウレタン系、ポリフルオロエ
チレン系、ポリシアン化ビニリデン系繊維を主成分とし
た繊維質基材を使用することも可能である。これら繊維
状基材の厚み方向は約0.5〜10mm程度、目付量は
約10〜200g/m2程度が適当である。
【0015】4.施用方法 重合性モノマー水溶液を繊維状基材に施すには従来から
公知の方法によることができる。例えば、基材をモノマ
ー水溶液に浸漬・含浸する方法、スプレーを用いてモノ
マー水溶液の噴霧や吹き付けを行う方法、ローラーやス
クリーン等の公知の印刷あるいは印捺方法によってモノ
マー水溶液を面状・点状・水玉模様に塗布する方法等が
挙げられる。また、モノマー水溶液の付着の効率を高め
るために、増粘剤などの添加も可能である。また、基材
に施される重合性モノマー水溶液は、重合を開始した重
合途中の混合液であってもよい。この際のモノマーの重
合率は特に制限されるものではないが、前記の種々の方
法で工業的に実施できる粘性を考慮すると、80重量%
未満とすることが好ましい。繊維状基材へのモノマー水
溶液の付着量は特に制限は無いが、一般的には繊維状基
材1重量部に対して0.1〜100重量部の範囲であ
り、好ましくは0.5〜20重量部である。
【0016】5.重合方法 重合反応は、ラジカル重合、放射線重合など公知のいず
れの方法であってもよい。本発明において重合反応後の
重合率は、後の水蒸気との接触処理において残存モノマ
ー量の低減化を効率よく行うために、80重量%以上、
より好ましくは90重量%以上、最も好ましくは95重
量%以上とすることが好適である。重合率が80%未満
では残存モノマー量低減の効果はあるものの、市販製品
レベルまで低減化させるためには処理時間が長くなり、
生産性が低下するため好ましくない。なお本発明におい
ては、最終的に得られる吸水性複合体の吸水速度を高め
るため、基材上での重合後、次の水蒸気との接触処理を
行う前の段階で、紫外線を照射したり、架橋剤の水溶液
を噴霧する等の処理を行ってもよい。
【0017】6.水蒸気による処理方法 本発明は、前記手順で得た吸水性複合体を、温度が10
0℃を越え250℃以下、露点が100℃を越え250
℃以下の範囲にある水蒸気と接触させることを特徴とす
る。本発明において用いられる水蒸気は、温度が100
℃を越える飽和蒸気、又はこれを加熱した水蒸気であ
る。水蒸気の温度は、高い程残存モノマー量の低減効率
は良いが、高過ぎるとポリマー主鎖が切断されやすくな
り吸水倍率が低下する原因となる。また、繊維状基材の
種類によっては基材自身が溶融する場合もあるので、1
00℃を超え250℃以下、好ましくは105〜180
℃、更に好ましくは105〜160℃とするのがよい。
【0018】水蒸気の露点は、100℃以下では残存モ
ノマー量の低減のための処理時間が極めて長くなるため
工業上経済的ではなく、高過ぎてもポリマーは主鎖が切
断され吸水倍率が低下する原因となるので適切ではな
い。本発明においては露点は100℃を超え250℃以
下、好ましくは103〜160℃、更に好ましくは10
3〜140℃である。
【0019】水蒸気の温度と露点との差は、大きすぎる
と残存モノマー量の減少効率が悪くなり、逆に差が小さ
すぎると、水蒸気がポリマー中に吸収されて含水率が高
くなり、乾燥工程のコスト的な負担が大きくなる。水蒸
気の温度と露点との好ましい温度差は、2〜30℃、更
に好ましくは、2〜25℃である。
【0020】本発明における水蒸気は、空気、不活性ガ
ス等との混合ガスであってもよい。水蒸気と混合して使
用できるガスとしては、空気、窒素、アルゴン、二酸化
炭素等であり、特に限定されない。これらガスの混合比
は水蒸気の温度と露点の設定値より決定される。なお、
混合ガスの温度および露点も上記した範囲にあることが
必要である。
【0021】本発明において吸水性複合体と水蒸気との
接触時間は、極めて短時間で顕著な効果を得ることがで
き、10〜300秒、好ましくは30〜180秒であ
る。接触時間が長すぎても得られる製品の品質には特に
影響は無いが、装置が非常に大きくなり、また生産性も
低下するので経済的に不利である。
【0022】本発明において吸水性複合体と水蒸気との
接触処理は、複合体を水蒸気雰囲気中を通過させたり、
基材に水蒸気を吹き付けたりすることにより行うことが
できる。この際の設備としては、通気バンド式、並行流
バンド式乾燥機等を使用することができるがこれらに限
定されず、本発明の処理条件を満たす設備ならいかなる
構造の機器でも適用可能である。また、単に、オートク
レーブ等の容器内を水蒸気雰囲気とし、この中に吸水性
複合体を一定時間放置することにより水蒸気と接触させ
てもよい。
【0023】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳述する。なお、これらの例に記載の生理食塩水吸水
能および残存モノマー量は、下記試験方法によって測定
した数値を指す。
【0024】A.生理食塩水吸水能 300mlのビ−カ−に吸水性複合体を約1.0g及び
濃度0.9重量%の食塩水約200gをそれぞれ秤量し
て入れてから、約4時間放置して食塩水によってポリマ
−を充分に膨潤させた。次いで、100メッシュ篩で水
切りをした後、その濾過液量を秤量し、下記式に従って
生理食塩水吸水能を算出する。
【0025】
【数1】
【0026】B.残存モノマー量 吸水性複合体0.5gを精秤し、これを2リットルビ−
カ−中のイオン交換水1リットルに添加し、約10時間
撹拌下に充分膨潤させる。膨潤後のポリマ−ゲルを20
0メッシュ篩で濾別し、濾過液を高速液体クロマトグラ
フィ−にて分析する。別に既知の濃度を示す単量体標準
液を作り、これにより検量線を作って絶対濃度を求め
た。
【0027】実施例1 60モル%が苛性ソーダにより中和された部分中和アク
リル酸水溶液(モノマー濃度50重量%)にN,N’−
メチレンビスアクリルアミド0.04重量%(対モノマ
ー)と過硫酸カリウム0.044重量%(対モノマー)
を溶解し、その後窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を除去
した。こうして得られたモノマー水溶液を目付け100
g/m2のポリエステルの不織布の上に、モノマー水溶
液の付着量が300g/m2となるようにスプレーノズ
ルを用いて均一に噴霧し、70℃で10分間重合を行っ
た。得られた不織布に固定化された吸水性ポリマーゲル
の残存モノマー量は15000ppmであり、モノマー
の重合率は98.5重量%であった(サンプル1)。こ
の吸水性ポリマーゲルが固定されたポリエステル不織布
を蒸気供給装置を具備した通気バンド式乾燥機にて、温
度が130℃で、露点が120℃である水蒸気を基材に
垂直に吹き付けた。水蒸気と基材との接触時間は2分
で、その線速度は0.5m/sで行った。これにより吸
水性複合体を得た。結果を表1に示した。
【0028】実施例2 水蒸気と基材との接触時間を24秒にした以外は、実施
例1と同様の方法で吸水性複合体を得た。結果を表1に
示した。
【0029】実施例3 サンプル1を、温度130℃、露点120℃の雰囲気と
したオートクレーブ中に2分間放置して吸水性複合体を
得た。結果を表1に示した。
【0030】実施例4 サンプル1を、蒸気供給装置を具備した通気バンド式乾
燥機にて、温度が140℃で、露点が120℃である水
蒸気を基材に垂直に吹き付けた。水蒸気と基材との接触
時間は3分で、その線速度は0.5m/sで行った。こ
れにより吸水性複合体を得た。結果を表1に示した。
【0031】実施例5 サンプル1を、蒸気供給装置を具備した通気バンド式乾
燥機にて、温度が150℃で、露点が145℃である水
蒸気を基材に垂直に吹き付けた。水蒸気と基材との接触
時間は1分で、その線速度は0.5m/sで行った。こ
れにより吸水性複合体を得た。結果を表1に示した。
【0032】実施例6 60モル%が苛性ソーダにより中和された部分中和アク
リル酸水溶液(モノマー濃度50重量%)にエチレング
リコールジグリシジルエーテル0.05重量%(対モノ
マー)と過酸化水素1.41重量%(対モノマー)を溶
解しA液とした。これとは別に、60モル%が苛性ソー
ダにより中和された部分中和アクリル酸水溶液(モノマ
ー濃度50重量%)にN,N’−メチレンビスアクリル
アミド0.04重量%(対モノマー)とL−アスコルビ
ン酸0.57重量%(対モノマー)を溶解しB液とし
た。A液およびB液に、それぞれ窒素ガスを吹き込んで
溶存酸素を除去した。A液を目付け100g/m2のポ
リエステルの不織布の上に、モノマー水溶液の付着量が
150g/m2となるようにスプレーノズルを用いて均
一に噴霧した。これに、更にB液をスプレーノズルを用
いて均一に噴霧して、全モノマー水溶液の付着量が30
0g/m2となるようにした。重合は、常温でB液をス
プレーした瞬間に起こった。得られた不織布に固定化さ
れた吸水性ポリマーゲルの残存モノマー量は25000
ppmであり、モノマーの重合率は97.5重量%であ
った。この吸水性ポリマーゲルが固定されたポリエステ
ル不織布を、実施例1と同様の条件で水蒸気による処理
を行い吸水性複合体を得た。結果を表1に示した。
【0033】実施例7 アクリル酸の代わりに、メタクリル酸を用いた以外は実
施例1と同様の方法で吸水性複合体を得た。結果を表1
に示した。
【0034】実施例8 60モル%が苛性ソーダにより中和された部分中和アク
リル酸水溶液(モノマー濃度50重量%)にN,N’−
メチレンビスアクリルアミド0.04重量%(対モノマ
ー)と過硫酸カリウム0.044重量%(対モノマー)
を溶解し、その後窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を除去
した。こうして得られたモノマー水溶液を目付け100
g/m2のポリエステルの不織布の上に、モノマー水溶
液の付着量が300g/m2となるようにスプレーノズ
ルを用いて均一に噴霧した後、5Mradの電子線を照射し
て重合を行った。得られた不織布に固定化された吸水性
ポリマーゲルの残存モノマー量は9500ppmであ
り、モノマーの重合率は99.05重量%であった。こ
の吸水性ポリマーゲルが固定されたポリエステル不織布
を、実施例1と同様の条件で水蒸気による処理を行い吸
水性複合体を得た。結果を表1に示した。
【0035】実施例9 目付け50g/m2のポリエステルの不織布の上に、モ
ノマー水溶液の付着量が150g/m2となるようにス
プレーノズルを用いて均一に噴霧した以外は実施例1と
同じ方法で吸水性複合体を得た。結果を表1に示した。
【0036】実施例10 目付け100g/m2のポリエチレン/ポリプロピレン
混合体の不織布の上に、モノマー水溶液の付着量が20
0g/m2となるようにスプレーノズルを用いて均一に
噴霧した以外は実施例1と同じ方法で吸水性複合体を得
た。結果を表1に示した。
【0037】実施例11 目付け40g/m2のパルプの上に、モノマー水溶液の
付着量が150g/m2となるようにスプレーノズルを
用いて均一に噴霧した以外は、実施例1と同じ方法で吸
水性複合体を得た。結果を表1に示した。
【0038】実施例12 80モル%が苛性ソーダにより中和された部分中和アク
リル酸水溶液(モノマー濃度50重量%)にN,N’−
メチレンビスアクリルアミド0.04重量%(対モノマ
ー)と過硫酸カリウム0.044重量%(対モノマー)
を溶解し、その後窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を除去
した。こうして得られたモノマー水溶液を目付け100
g/m2のポリエステルの不織布の上に、モノマー水溶
液の付着量が300g/m2となるようにスプレーノズ
ルを用いて均一に噴霧し、70℃で10分間重合を行っ
た。得られた不織布に固定化された吸水性ポリマーゲル
の残存モノマー量は27000ppmであり、モノマー
の重合率は97.3重量%であった。この吸水性ポリマ
ーゲルが固定されたポリエステル不織布を蒸気供給装置
を具備した通気バンド式乾燥機にて、温度が130℃
で、露点が120℃である水蒸気を基材に垂直に吹き付
けた。水蒸気と基材との接触時間は2分で、その線速度
は0.5m/sで行った。これにより吸水性複合体を得
た。結果を表1に示した。
【0039】実施例13 60モル%が苛性ソーダにより中和された部分中和アク
リル酸水溶液(モノマー濃度60重量%)にN,N’−
メチレンビスアクリルアミド0.04重量%(対モノマ
ー)と過硫酸カリウム0.044重量%(対モノマー)
を溶解し、その後窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を除去
した。こうして得られたモノマー水溶液を目付け100
g/m2のポリエステルの不織布の上に、モノマー水溶
液の付着量が300g/m2となるようにスプレーノズ
ルを用いて均一に噴霧し、70℃で10分間重合を行っ
た。得られた不織布に固定化された吸水性ポリマーゲル
の残存モノマー量は23000ppmであり、モノマー
の重合率は97.7重量%であった。この吸水性ポリマ
ーゲルが固定されたポリエステル不織布を蒸気供給装置
を具備した通気バンド式乾燥機にて、温度が130℃
で、露点が120℃である水蒸気を基材に垂直に吹き付
けた。水蒸気と基材との接触時間は2分で、その線速度
は0.5m/sで行った。これにより吸水性複合体を得
た。結果を表1に示した。
【0040】比較例1 サンプル1を、通気バンド式乾燥機にて、温度が130
℃で、露点が90℃である空気・水蒸気混合気体(空気
/水蒸気=2.9mol/1mol)を基材に垂直に吹き付け
た。水蒸気と基材との接触時間は10分で、その線速度
は0.5m/sで行った。これにより吸水性複合体を得
た。結果を表1に示した。
【0041】比較例2 サンプル1を、通気バンド式乾燥機にて、温度が130
℃で、露点が90℃である空気・水蒸気混合気体を基材
に垂直に吹き付けた。水蒸気と基材との接触時間は2分
で、その線速度は0.5m/sで行った。これにより吸
水性複合体を得た。結果を表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明の方法によれば、これまで残存モ
ノマー量低減が困難な吸水性複合体に対して、残存モノ
マー量が格段に少なく、しかも高性能な吸水性複合体を
安価に製造することができる。従って、本発明の方法で
生産される吸水性複合体は残存モノマー量が格段に少な
いため、人体や環境への悪影響がなく、衛材用、食品
用、土木、農林等の分野に幅広く使用でき、しかも優れ
た吸水特性を有するものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機不飽和カルボン酸又はその塩を主成
    分とする重合性モノマーの水溶液を繊維状基材に施した
    後、基材上で前記モノマーの重合を行うことにより吸水
    性複合体を製造する方法において、重合後の吸水性複合
    体を、温度が100℃を越え250℃以下で、露点が1
    00℃を越え250℃以下の範囲にある水蒸気と接触さ
    せることを特徴とする吸水性複合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 水蒸気の温度と露点との差が2〜30℃
    である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 重合性モノマーの重合率が80重量%に
    達した後、吸水性複合体を水蒸気と接触させる請求項1
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 吸水性複合体と水蒸気との接触時間が1
    0〜300秒である請求項1記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006219661A (ja) * 2005-01-14 2006-08-24 San-Dia Polymer Ltd 吸水性樹脂の製造方法

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JP2006219661A (ja) * 2005-01-14 2006-08-24 San-Dia Polymer Ltd 吸水性樹脂の製造方法

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