JP2954226B2 - 水素化アルカリ金属錯化合物の新しい製造方法 - Google Patents
水素化アルカリ金属錯化合物の新しい製造方法Info
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- JP2954226B2 JP2954226B2 JP1022489A JP2248989A JP2954226B2 JP 2954226 B2 JP2954226 B2 JP 2954226B2 JP 1022489 A JP1022489 A JP 1022489A JP 2248989 A JP2248989 A JP 2248989A JP 2954226 B2 JP2954226 B2 JP 2954226B2
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- alkali metal
- metal hydride
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は有用な還元剤である水素化アルカリ金属錯化
合物の製造方法に関するものである。
合物の製造方法に関するものである。
従来から既に、アルカリ金属とアルミニウムと水素か
ら水素化アルカリ金属錯化合物(以下NAHと略記する)
を製造することが提案されているがそれらは何れもアル
ミニウムを活性化させるために、トリエチルアルミニウ
ムで前処理したり、ボールミル中で粉砕する必要があっ
た。
ら水素化アルカリ金属錯化合物(以下NAHと略記する)
を製造することが提案されているがそれらは何れもアル
ミニウムを活性化させるために、トリエチルアルミニウ
ムで前処理したり、ボールミル中で粉砕する必要があっ
た。
これに対して先に特開昭58-213601において、アルミ
ニウムに替わり、周期率表第IVb族又は第Vb族に属する
元素を合金元素として含むアルミニウム合金を用いるこ
とにより、何ら活性化処理を必要とせず極めて容易に反
応が開始され、反応速度も増進し、収率良く目的物が得
られる方法が提案されている。
ニウムに替わり、周期率表第IVb族又は第Vb族に属する
元素を合金元素として含むアルミニウム合金を用いるこ
とにより、何ら活性化処理を必要とせず極めて容易に反
応が開始され、反応速度も増進し、収率良く目的物が得
られる方法が提案されている。
然しながら一般にNAH合成反応直後の反応液は残存A1
粉等を含んで黒濁しており、これを濾過して無色透明な
SAH溶液とする必要がある。
粉等を含んで黒濁しており、これを濾過して無色透明な
SAH溶液とする必要がある。
ところが上記従来方法においては、反応液中の残存A1
粉は極めて微細であり、通常の濾過方法では完全に無色
透明なSAH溶液を得ることは困難であるため、ウルトラ
フィルター等を使用して安定した圧力で、然も極めてゆ
っくりとした濾過速度で長時間慎重な濾過操作を行う必
要があつた。
粉は極めて微細であり、通常の濾過方法では完全に無色
透明なSAH溶液を得ることは困難であるため、ウルトラ
フィルター等を使用して安定した圧力で、然も極めてゆ
っくりとした濾過速度で長時間慎重な濾過操作を行う必
要があつた。
本発明者等は、上記問題点を解決するため、更に鋭意
研究を行い、本発明を完成するに至った。即ち、本発明
の水素化アルカリ金属錯化合物の製造方法は、アルカリ
金属またはその水素化物と、合金元素が周期律表第IVb
族または第Vb族に属するものであるアルミニウム合金及
び水素から、水素化アルカリ金属錯化合物を製造する方
法において、アルミニウム合金の粒子径が100〜300μで
あるものを使用することを特徴とするものである。以下
本発明について更に詳しく説明する。
研究を行い、本発明を完成するに至った。即ち、本発明
の水素化アルカリ金属錯化合物の製造方法は、アルカリ
金属またはその水素化物と、合金元素が周期律表第IVb
族または第Vb族に属するものであるアルミニウム合金及
び水素から、水素化アルカリ金属錯化合物を製造する方
法において、アルミニウム合金の粒子径が100〜300μで
あるものを使用することを特徴とするものである。以下
本発明について更に詳しく説明する。
本発明において、アルカリ金属もしくはその水素化物
としてはリチウム、ナトリウム、水素化ナトリウム、カ
リウム、水素化カリウム、及びそれらの混合物等が挙げ
られ、特にナトリウム、水素化ナトリウム、もしくはそ
れらの混合物が有利である。又、アルミニウム合金とし
ては、本発明においてはアルミニウムと周期律表第IVb
族または第Vb族に属する金属とからなるものであり、二
元合金、多元合金の何れであっても良い。合金中の金属
元素としては具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニ
ウム、バナジウム、ニオブなどが挙げられ特にチタン、
ジルコニウムが好ましい。合金中の金属元素の含有量は
金属の種類によって異なるが、0.01〜2重量%が好まし
い。これらの合金は通常粉末状で用いられる。
としてはリチウム、ナトリウム、水素化ナトリウム、カ
リウム、水素化カリウム、及びそれらの混合物等が挙げ
られ、特にナトリウム、水素化ナトリウム、もしくはそ
れらの混合物が有利である。又、アルミニウム合金とし
ては、本発明においてはアルミニウムと周期律表第IVb
族または第Vb族に属する金属とからなるものであり、二
元合金、多元合金の何れであっても良い。合金中の金属
元素としては具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニ
ウム、バナジウム、ニオブなどが挙げられ特にチタン、
ジルコニウムが好ましい。合金中の金属元素の含有量は
金属の種類によって異なるが、0.01〜2重量%が好まし
い。これらの合金は通常粉末状で用いられる。
本発明の特徴は、このアルミニウム合金粉末として、
粒子径100〜300μのものを使用することにある。この範
囲の粒子径のアルミニウム合金粉末を使用することによ
り、驚くべきことに、NAH合成反応直後の反応液の濾過
特性が格段に向上する。即ち、極めて容易に濾過操作を
行うことが出来、濾過時間は劇的に短縮され、濾過装置
も簡略化出来る。更に驚くべき事は、反応速度に関して
一般的に信じられている定説として、粒子径が小さい程
比表面積が大きく、その結果反応速度が速くなると言わ
れているが、その定説に反して100〜300μの粒子径のア
ルミニウム合金の反応速度は100μ以下のそれに比較し
て全く同等である。これはアルミニウムに特有の性質に
よるものと推定されるが、全く予想されないことであ
る。言い換えれば、粒子径100〜300μのアルミニウム合
金粉末に比較して、粒子径100μ以下のアルミニウム合
金粉末の場合は、反応速度は速くならず、濾過特性は著
しく不良になる。粒子径300μ以上のアルミニウム合金
粉末の場合は濾過特性は良いが、反応速度は遅くなるの
で好ましくない。反応は通常アルカリ金属又は水素化ア
ルカリ金属とアルミニウム合金を溶媒に溶解乃至懸濁さ
せ、水素を吹き込むことにより行われる。
粒子径100〜300μのものを使用することにある。この範
囲の粒子径のアルミニウム合金粉末を使用することによ
り、驚くべきことに、NAH合成反応直後の反応液の濾過
特性が格段に向上する。即ち、極めて容易に濾過操作を
行うことが出来、濾過時間は劇的に短縮され、濾過装置
も簡略化出来る。更に驚くべき事は、反応速度に関して
一般的に信じられている定説として、粒子径が小さい程
比表面積が大きく、その結果反応速度が速くなると言わ
れているが、その定説に反して100〜300μの粒子径のア
ルミニウム合金の反応速度は100μ以下のそれに比較し
て全く同等である。これはアルミニウムに特有の性質に
よるものと推定されるが、全く予想されないことであ
る。言い換えれば、粒子径100〜300μのアルミニウム合
金粉末に比較して、粒子径100μ以下のアルミニウム合
金粉末の場合は、反応速度は速くならず、濾過特性は著
しく不良になる。粒子径300μ以上のアルミニウム合金
粉末の場合は濾過特性は良いが、反応速度は遅くなるの
で好ましくない。反応は通常アルカリ金属又は水素化ア
ルカリ金属とアルミニウム合金を溶媒に溶解乃至懸濁さ
せ、水素を吹き込むことにより行われる。
使用する溶媒としてはヘキサン、シクロヘキサン、ト
ルエン等の炭化水素類、ジメチルエーテル、ジプロピル
エーテル、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、トリエ
チルアミン、エチレンジアミン等のアミン類が挙げら
れ、特にジエチレングリコールジメチルエーテル、テト
ラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が有用である。
ルエン等の炭化水素類、ジメチルエーテル、ジプロピル
エーテル、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、トリエ
チルアミン、エチレンジアミン等のアミン類が挙げら
れ、特にジエチレングリコールジメチルエーテル、テト
ラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が有用である。
アルカリ金属若しくはその水素化物に対するアルミニ
ウム合金粉末のモル比を1〜4倍量、特に好ましくは1
〜2倍量、溶媒を生成物に対して0.2〜3l/モル好ましく
は0.3〜1/モルをそれぞれ用いて反応を行うのが望
ましい。
ウム合金粉末のモル比を1〜4倍量、特に好ましくは1
〜2倍量、溶媒を生成物に対して0.2〜3l/モル好ましく
は0.3〜1/モルをそれぞれ用いて反応を行うのが望
ましい。
水素は加圧下で約10kg/cm2以上、特には50〜20kg/cm2
が有利である。叉反応温度としては100〜200℃で良い。
が有利である。叉反応温度としては100〜200℃で良い。
反応後、過剰のA1粉等を除去せねばならない。除去す
る方法は、公知のどのような方法でもよいがサイクロン
等の遠心分離方法でも良いし、テフロン膜等の膜フィル
ター、セラミックの焼結フィルター、その他一般的な珪
藻土の限外濾過層を用いた限外濾過法による濾過でも良
い、通常それらを組み合わせて用いる、濾過性は良好で
ある。
る方法は、公知のどのような方法でもよいがサイクロン
等の遠心分離方法でも良いし、テフロン膜等の膜フィル
ター、セラミックの焼結フィルター、その他一般的な珪
藻土の限外濾過層を用いた限外濾過法による濾過でも良
い、通常それらを組み合わせて用いる、濾過性は良好で
ある。
以上のようにして、NAHの溶液が得られる、これらは
通常溶媒を除去して純粋なNAHとして用いられる。然し
溶液のまま用いても良い。尚回収された未反応アルミニ
ウムは再使用することが出来る。
通常溶媒を除去して純粋なNAHとして用いられる。然し
溶液のまま用いても良い。尚回収された未反応アルミニ
ウムは再使用することが出来る。
以上のように、本発明によれば、何ら合成反応速度を
落とすことなく、従来技術の欠陥であった濾過特性を画
期的に向上させ、極めて短時間に濾過操作を完了させる
ことが出来、且つ濾過されたNAH溶液は極めて透明であ
る。
落とすことなく、従来技術の欠陥であった濾過特性を画
期的に向上させ、極めて短時間に濾過操作を完了させる
ことが出来、且つ濾過されたNAH溶液は極めて透明であ
る。
以下本発明を実施例によって、更に説明するが、本発
明はその範囲に制限されるものでは無い。
明はその範囲に制限されるものでは無い。
実施例1 3l電磁攪拌式オートクレーブを用意し、内部を窒素置
換する。その後、ナトリウム92g(4モル)、0.2%のチ
タンを含むアルミニウム合金130g(4.8モル)、脱水し
たテトラヒドロフラン1500mlを装入した。オートクレー
ブの温度を140℃に保ち、発生する水素圧力を90kg/cm2
に保ちつつ7時間反応させた。冷却後、内容物をセライ
ト濾過した。濾過時間は20分で無色透明な濾液が得られ
た。溶媒テトラヒドロフランを蒸発させると白色結晶の
ナトリウムアルミニウムハイドライド〔NaA1H4〕が218g
(3.4モル)、収率82%で得られた。
換する。その後、ナトリウム92g(4モル)、0.2%のチ
タンを含むアルミニウム合金130g(4.8モル)、脱水し
たテトラヒドロフラン1500mlを装入した。オートクレー
ブの温度を140℃に保ち、発生する水素圧力を90kg/cm2
に保ちつつ7時間反応させた。冷却後、内容物をセライ
ト濾過した。濾過時間は20分で無色透明な濾液が得られ
た。溶媒テトラヒドロフランを蒸発させると白色結晶の
ナトリウムアルミニウムハイドライド〔NaA1H4〕が218g
(3.4モル)、収率82%で得られた。
実施例2、比較例1、2 アルミニウム合金の粒子径を変えてその効果を実験し
た。
た。
結果を表1に示す。粒子径100〜300μが最も最適であ
ることが明瞭である。
ることが明瞭である。
〔発明の効果〕 本発明の方法により、NAH合成に於いて反応速度及び
収率を損ずることなく反応液の濾過を極めて短時間に行
うことが出来、叉、得られる濾過の透明度も従来にも増
して良好であり、本合成反応を格段に有利に行うことが
出来る。
収率を損ずることなく反応液の濾過を極めて短時間に行
うことが出来、叉、得られる濾過の透明度も従来にも増
して良好であり、本合成反応を格段に有利に行うことが
出来る。
Claims (1)
- 【請求項1】溶媒中において、アルカリ金属またはその
水素化物と、合金元素が周期律表第IVb族または第Vb族
に属するものであるアルミニウム合金及び水素から、水
素化アルカリ金属錯化合物を合成し、濾過分離して、水
素化アルカリ金属錯化合物を製造する方法において、ア
ルミニウム合金の粒子径が100〜300μであるものを使用
することを特徴とする水素化アルカリ金属錯化合物の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1022489A JP2954226B2 (ja) | 1989-02-02 | 1989-02-02 | 水素化アルカリ金属錯化合物の新しい製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1022489A JP2954226B2 (ja) | 1989-02-02 | 1989-02-02 | 水素化アルカリ金属錯化合物の新しい製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02204303A JPH02204303A (ja) | 1990-08-14 |
JP2954226B2 true JP2954226B2 (ja) | 1999-09-27 |
Family
ID=12084143
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1022489A Expired - Fee Related JP2954226B2 (ja) | 1989-02-02 | 1989-02-02 | 水素化アルカリ金属錯化合物の新しい製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2954226B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009002840A1 (en) * | 2007-06-22 | 2008-12-31 | Hsm Systems, Inc. | Hydrogen storage materials, metal hydrides and complex hydrides prepared using low-boiling-point solvents |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE2340997A1 (de) * | 1973-08-14 | 1975-02-27 | Dynamit Nobel Ag | Verfahren zur herstellung von nichtselbstentzuendlichen alkalimetallhydriden |
JPH0240603B2 (ja) * | 1982-06-03 | 1990-09-12 | Mitsui Toatsu Chemicals | Suisokaarukarikinzokusakukagobutsunoseizoho |
-
1989
- 1989-02-02 JP JP1022489A patent/JP2954226B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02204303A (ja) | 1990-08-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |