JP2953627B2 - 難燃性ポリウレタン用メラミン分散ポリオール組成物 - Google Patents

難燃性ポリウレタン用メラミン分散ポリオール組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は難燃性ポリウレタン用メラミン分散ポリオー
ル組成物、さらに詳しくは、難燃特性に優れたポリウレ
タンを与えるための原料として用いられる、メラミンを
均質に分散させて成るポリオール組成物に関するもので
ある。
[従来の技術] 近年、産業用資材における難燃性の要求は、安全性確
保の点からますます高まってきており、ポリウレタン材
料についても、難燃性を付与するために、例えばハロゲ
ン系、有機リン系、アンチモン系、無機系などの難燃剤
を添加することが試みられている。
しかしながら、ハロゲン系難燃剤は、装置の腐食や材
料の変色をもたらしたり、製造時における臭気が問題と
なるなどの欠点があるし、有機リン系難燃剤は可塑性を
有しているため、製品は腰が弱くなり、使用が制限され
るのを免れない。また、アンチモン系難燃剤は均質に混
ざりにくい上、ウレタンフォームにした場合、硬いとい
う欠点があるし、無機系難燃剤は、前記のアンチモン系
のものと同様に均質に混ざりにくく、その上フォームを
作成する場合、発泡が悪く、かつ難燃性に劣るなどの欠
点を有している。
したがって、最近、ポリウレタン用難燃剤としてメラ
ミンが、難燃性や他の特性にも優れていることから注目
され、その利用が試みられている(特開昭62−15220号
公報、特開昭62−48717号公報)。しかしながら、この
メラミンは粉末であるため、工業的規模でポリウレタン
製造時に添加する場合、作業効率が低下するのを免れな
い上、ポリオールに溶解しないなどの欠点を有してい
る。そこで、メラミンのこのような欠点を改良するため
に、メラミンを誘導体として用いることが試みられてい
る(特開昭55−89327号公報)。しかしながら、この場
合、難燃性付与効果が十分に発揮されない上、コスト高
になるのを免れないという問題が生じる。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、このような事情のもとで、難燃特性に優れ
たポリウレタンを工業的規模で効率よく与えるための原
料として用いられる、メラミンを均質に分散させた液状
のポリオール組成物を提供することを目的としてなされ
たものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、前記の好ましい性質を有するメラミン
分散ポリオール組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結
果、ポリオールに、メラミン、特定の分散剤及び水を、
それぞれ所定の割合で配合した組成物により、その目的
を達成しうることを見い出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)ポリオール100重量部に
対し、(B)メラミン20〜150重量部、(C)アルカノ
ールアミド型ノニオン性界面活性剤、高級アルコールエ
トキシサルフェート塩型アニオン性界面活性剤及びアミ
ノ酸塩型アニオン性界面活性剤の中から選ばれた少なく
とも1種の分散剤0.1〜5重量部、及び(D)水0.2〜4
重量部を配合して成る難燃性ポリウレタン用メラミン分
散ポリオール組成物を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明組成物において、(A)成分として用いられる
ポリオールについては、液状のものであればよく特に制
限されず、従来ポリウレタンの原料として慣用されてい
る液状のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオ
ールなどの中から任意のものを選択して用いることがで
きる。また、この液状ポリオールの粘度によってメラミ
ンの配合量が左右され、一般に低粘度のものはメラミン
を多量に配合することができるが、安定性に問題のある
場合が多く、適当な粘度のものを選ぶことが望ましい。
本発明組成物においては、この(A)成分のポリオー
ルは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。
本発明組成物においては、(B)成分としてメラミン
が用いられる。このメラミンは得られるポリウレタンに
難燃性を付与するためのものであり、その難燃作用は、
着火させた際に炭素を生じ、燃えさしの落下を起こしに
くくすることと、熱絶縁としての作用によるといわれて
いる。
前記メラミンとしては、製造方法によっても異なる
が、一般に平均粒子径が30〜50μm程度の粉末が用いら
れる。もちろん、化学的方法や物理的方法によって得ら
れる数μm程度の低粒子径を有するものも用いることが
できるが、このような微粒子状のものは、分散安定性は
良好であるものの、配合量を多くする場合やコスト面で
は不利である。
本発明組成物における該(B)成分のメラミンの配合
量は、前記(A)成分のポリオール100重量部当たり、2
0〜150重量部の範囲で選ぶことが必要である。この量が
20重量部未満では難燃性付与効果が十分に発揮されない
し、150重量部を超えると得られる組成物の粘度が高く
なりすぎて、取り扱い性や作業性が悪くなるとともにポ
リウレタンの物性に悪影響をもたらす傾向がみられる。
本発明組成物においては、前記メラミンをポリオール
中に均質に分散させるために、(C)成分として分散剤
が用いられる。この分散剤としては、アルカノールアミ
ド型ノニオン性界面活性剤、高級アルコールエトキシサ
ルフェート塩型アニオン性界面活性剤及びアミノ酸塩型
アニオン性界面活性剤の中から選ばれた少なくとも1種
が用いられる。
分散剤としては、被分散物であるメラミンへの電気的
親和性に優れ、かつそれによって覆われた粒子の電気的
反撥を強くもたらすものが好ましく、この点から前記ア
ニオン性界面活性剤が有利である。また、ポリウレタン
発泡体用に該組成物を用いる場合は、発泡体としての性
能を阻害しないことが重要であり、この点からは前記ノ
ニオン性界面活性剤が有利である。したがって、ポリウ
レタンの用途に応じて、分散剤として前記界面活性剤の
中から適宜選ぶことが望ましい。
前記アルカノールアミド型ノニオン性界面活性剤とし
ては、例えば1:2型やし脂肪酸ジエタノールアミド、1:1
型やし脂肪酸ジエタノールアミド、1:1型ラウリン酸ジ
エタノールアミド、1:1型ミリスチン酸ジエタノールア
ミド、1:1型オレイン酸ジエタノールアミド、1:1型ラウ
リン酸モノエタノールアミド、1:1型ラウリン酸モノイ
ソパノールアミドなどが挙げられる。
また、高級アルコールエトキシサルフェート塩型アニ
オン性界面活性剤としては、例えばラウリルアルコール
に2〜10モルのエチレンオキシドを付加し硫酸エステル
としたナトリウム塩やトリエタノールアミン塩、オレイ
ルアルコールに2〜10モルのエチレンオキシドを付加し
硫酸エステルとしたナトリウム塩やアンモニウム塩など
が挙げられ、アミノ酸塩型アニオン性界面活性剤として
は、例えばN−ココイル−N−メチル−β−アラニンナ
トリウム塩、N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニ
ンナトリウム塩、N−ミリストイル−N−メチル−β−
アラニンナトリウム塩などが挙げられる。
本発明組成物においては、該(C)成分の分散剤は1
種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
く、また、その配合量は、前記(A)成分のポリオール
100重量部当たり、0.1〜5重量部の範囲で選ばれる。こ
の量が0.1重量部未満ではメラミンがハードケーキとな
って沈降するおそれがあるし、5重量部を超えるとその
量の割には分散性の向上効果があまり認められない。
本発明組成物においては、長期保存の目的などでメラ
ミンの分散安定性をさらに向上させるために、沈降防止
剤として、水を添加することが必要である。この場合、
水の添加量は、前記(A)成分のポリオール100重量部
当たり、0.2〜4重量部の範囲で選ばれる。この水の添
加は、該組成物をポリウレタン発泡体用として用いる場
合、水とイソシアネート化合物との反応により発生する
二酸化炭素が発泡に寄与するため、有利である。また、
水の添加については、分散剤としてアニオン性界面活性
剤を用いる場合には、その水溶液として添加してもよ
い。
該水の添加量が0.2重量部未満では分散安定性の向上
効果が十分に発揮されないし、4重量部を超えるとポリ
ウレタンの製造に悪影響を及ぼすおそれが生じる。
前記範囲で水を添加することにより、該組成物はメラ
ミンの分散安定性が著しく良好となり、長期間保存して
もメラミンの沈降が抑制されるので、工業的に極めて有
利である。
本発明のメラミン分散ポリオール組成物には、本発明
の目的を損なわない範囲で、所望に応じメラミン樹脂、
メラミン誘導体、その他難燃剤などを添加してもよい。
ポリウレタン発泡体の形成については特に制限はな
く、本発明のメラミン分散ポリオール組成物を用い、従
来硬質あるいは軟質ポリウレタン発泡体の製造において
慣用されている原料組成や方法によって行うことができ
る。また、発泡は、通常水と、トリレンジイソシアネー
トやジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシア
ネート化合物との反応により発生する二酸化炭素によっ
て行われる。この際、所望に応じて用いられる整泡剤や
反応触媒についても特に制限はなく、従来ポリウレタン
発泡体の製造において慣用されているものを使用するこ
とができる。
本発明のメラミン分散ポリオール組成物を用いること
により、難燃特性に優れたポリウレタンを工業的に効率
よく製造することができる。
[実施例] 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
なお、ポリオール、メラミン及び分散剤の記号は次を
意味する。
(1)ポリオール I:エクセノール828(旭硝子社製) II:ボラノール3022J(ダウケミカル社製) III:プルロニックL−64(旭電化社製) IV:PPG3000 V:PEG400 (2)メラミン a:一般メラミン(油化メラミン社製) b:一般メラミン(日産化学工業社製) (3)分散剤 A:1:2型やし脂肪酸ジエタノールアミド B:ラウリルアルコールエトキシサルフェートナトリウ
ム塩(EO2モル付加品) C:オレイルアルコールエトキシサルフェートアンモニ
ウム塩(EO10モル付加品) D:N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニンナトリ
ウム塩 E:PEG200モノラウレート F:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 実施例1 ポリオールI 100重量部に対し、メラミンa80重量
部、分散剤A1重量部及び沈降防止剤としての水1重量部
を添加し、ディスパー分散機にて、2000rpmで2分間混
合してメラミン分散ポリオール組成物を調製し、直後及
び1か月間保存後の組成物の粘度と分散安定性を求め
た。
なお、粘度はB型粘度計(東京計器社製)を用い、4
号ローター、6rpm及び60rpm、20℃の条件で測定した。
分散安定性は、内径3.5mmの試験管に100mlの試料を入
れ、メラミン分散層の全体の高さに対する比で表した。
これらの結果を第1表に示す。
次に、前記メラミン分散ポリオール組成物に、ポリオ
ール100重量部当たり、水が4重量部(前記の添加した
水を含む)、シリコーン系整泡剤SH−190(東レダウコ
ーニングシリコーン社製)が1重量部、アミン触媒DABC
O33LV(日本乳化剤社製)が0.3重量部及びスズ系触媒T
−9(日東化成社製)が0.25重量部となるように添加
し、ディスパー分散機にて、2000rpmで2分間混合した
のち、これにトリレンジイソシアネート「コロネートT
−100」(日本ポリウレタン工業社製)50重量部を添加
し、2000rpmで数秒混合して木箱に投入、発泡が安定し
たのち、オーブンにて150℃で10分間キュアし、ポリウ
レタン発泡体を得た。この場合、メラミンを含有しない
ポリオールを使用した場合の生成ポリウレタン発泡体と
の状態比較を行い、発泡安定性の良否を○×にて判断し
た。その結果を第1表に示す。
実施例2〜14、比較例1〜3 第1表に示す組成のメラミン分散ポリオール組成物を
実施例1と同様にして調製し、調製直後及び1か月間保
存後の粘度と分散安定性を求めた。その結果を第1表に
示す。
また、実施例4、5、6、9、10、13及び比較例1、
3については実施例と同様にして発泡体を作成し、発泡
安定性を求めた。その結果を第1表に示す。
比較例4 実施例5において、分散剤及び水を用いなかったこと
以外は、実施例5と同様にしてメラミン分散ポリオール
組成物を調製した。この場合、メラミンはハードケーキ
となって沈降し、均質に分散しなかった。
この組成物について、実施例5と同様にして発泡体を
作成し、発泡安定性を求めた。その結果を第1表に示
す。
比較例5 実施例5において、水を用いなかったこと以外は、実
施例5と同様にしてメラミン分散ポリオール組成物を調
製し、評価した。その結果を第1表に示す。
[発明の効果] 本発明のメラミン分散ポリオール組成物は、液状ポリ
オール中に、メラミンを特定の分散剤と水と共に添加し
て、該メラミンを均質に、かつ安定性よく分散させたも
のであって、長期保存性に優れており、このものをポリ
ウレタン原料として用いることにより、ポリウレタンの
難燃剤としてメラミン粉末を用いる従来技術に比べて、
難燃特性に優れたポリウレタンを工業的に極めて効率よ
く製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 18/08 C08L 75/04 C08K 5/3477

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリオール100重量部に対し、
    (B)メラミン20〜150重量部、(C)アルカノールア
    ミド型ノニオン性界面活性剤、高級アルコールエトキシ
    サルフェート塩型アニオン性界面活性剤及びアミノ酸塩
    型アニオン性界面活性剤の中から選ばれた少なくとも1
    種の分散剤0.1〜5重量部、及び(D)水0.2〜4重量部
    を配合して成る難燃性ポリウレタン用メラミン分散ポリ
    オール組成物。
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